3LDKに5人家族:古堅純子が散らかるリビングダイニングで「捨てる」より先に求めたこと

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概要

3LDKの狭小住宅に夫婦と子供3人の5人で暮らす家の片付けシリーズ、完結編である。前回から、この家の母親は子供のものがリビングダイニングにあふれることに悩んでいた。「子供が自分で片付けられる仕組みができればいい」と話す母親に対し、古堅純子は作業の手順よりも先に、この家で何を優先して暮らすのかを家族で決めるよう求めた。今回はリビングダイニングの景色を変え、動かさないものは階下の部屋へ下ろしている。その過程で古堅が語った考え方と、作業の結果を順に追う。

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「子供がいる間は理想の家にはできない」

作業の最初に古堅は、リビングにある子供のものと、その下にしまわれているものをいったんすべて出すよう指示した。何がどれだけあるかを確認し、それが本当にこのエリアに置くべきものかを母親に判断してもらうためである。

古堅の言葉は率直だった。今の状態のせいで「この家の価値がめっちゃ下がっちゃってる」と言い、恥ずかしがる母親には、恥ずかしがるより現実を受け入れるよう促した。母親は、自分は捨てることも片付けることもあまり得意ではないと認め、途中から家の状態を見るのをやめていたとも話す。これに対して古堅は、子供がいる期間は理想どおりの家にはできないのだから、「できない」と認めたうえで折り合いをつけるしかないと答えた。

孤立する父親と、家族で方向を決めること

古堅がもう一つ問題だと感じていたのは、父親が家の中で孤立しているように見えることだった。今回リビングの景色を変えることでご主人が心を開いてくれれば、この家は変わるかもしれない、と古堅は見ている。

ただし、家族全員が「こう暮らしたい」と思わなければ意味がない、とも古堅は強調する。他人が「こうした方がいい」と言うのは大きなお世話にすぎない。人の手を借りてやってもらえばいいという感覚では、家はまた元に戻る。だから母親自身に目標を持ってほしい、というのが古堅の考えだ。

現実的な制約にも触れている。今回の作業では、階下の部屋に置く物の量が確実に増える。その部屋を将来子供部屋にしたいなら、今よりずっと物を減らさなければ無理だと古堅ははっきり伝えた。上の階の寝室も、5人で寝ることを考えると物が多すぎるという。夫婦がこの家でどう暮らしたいのかという方向性がなければ協力できない、と古堅は言い、「専門家にこう言われた。私はこう思うけど、パパはどう思う?」と夫と話し合うことを強く勧めた。

ダイニングテーブルは「何をする場所か」から決める

具体的な作業は、ダイニングまわりから始まった。古堅の基本的な考え方は、その場所で何をさせたいのかを先に決めることである。ここで食事をして勉強もさせるのであれば、ダイニングには手ぶら以外ほとんど何も置かないほうがいい。おもちゃが目に入る状態で「勉強しなさい」「ご飯を食べなさい」と言っても、子供にとってはおもちゃのほうが魅力的なので、そちらに気を取られてしまう。

古堅によれば、これまでのダイニングは物の存在感が大きく、物のためにスペースがあるような状態だった。収納の中に食べる場所を作っていたようなものだ、と表現している。物がなくなると勉強はしやすくなる。そのため、勉強机は実はいらないと古堅は言う。多くの人はスペースを作ろうとして机を買うが、この家には物を増やす余裕がない。古堅自身の家でも、子供たちは高校生くらいまでダイニングテーブルでリビング学習をしていたそうだ。

大事なのは、テーブルを何もない状態に戻せることだと古堅は話す。勉強したものをざっくり入れられる箱が一つあれば、「ご飯だよ」と言われたときにすぐ片付けられる。逆にテーブルを学習専用にしてしまうと、物がずっと置かれたままになる。家事、リモートワーク、勉強と何にでも使える空間にしておけば、そこにあれこれ置かなくても生活は回る。物を戻す場所は多少あった方がいいが、ここを子供部屋や遊び場の代わりにするのは難しい。だから優先順位をつけて、ここで何をするのかを中心に考えるべきだというのが古堅の意見だ。そのうえで古堅は、テーブルの上が空いているだけで何でもできる空間になるので諦める必要はない、とも付け加えた。

捨てるのではなく、まず階下へ下ろす

理想と現実が合っていないのだから、理想に合わせるには物を厳選するしかない。それでも古堅は「捨てろとは言わない」と言い、ここになくてもいいものをとりあえず階下へ下ろす方針をとった。階下を子供部屋にしたいならこのままでは難しい。今日は通路を確保して出し入れしやすくはするものの、部屋は物でいっぱいになる。それでもこの段階は必要だと古堅は言う。「みんな捨て続けて片付いてないから」というのがその理由だ。

母親も、この方法が自分に合っていると感じたようだ。全部を捨てるかどうか判断しろと言われると決められないが、いったん仮置きでいいと言われると、整理しようという気持ちになれたという。古堅も、そういうものだと応じている。

椅子の多さと、アイランド配置の試み

作業を進めると、椅子が多すぎることがわかった。黒いテーブルは夫のデスクとしても使われていて、椅子の一部は夫婦2人暮らしだった頃のものだった。古堅は、あの状態では自分たちでさえ椅子が何脚もあることに気づかなかったと話している。母親は、あるチェアについては思い出があるので捨てたくないと言った。古堅は、片付いてみないと置けるかどうかわからないとして、判断を保留した。場所を取る大きな籐の椅子は、しばらく使えないだろうということで、階下のいちばん奥に置くことになった。

テーブルをアイランドのように真ん中に置く案も試したが、周りを回れないことがわかった。アイランドにするには高い棚などが必要になる。空いた部分を段ボールなどで埋める案も出たが、古堅たちはデザインを相談しながら調整を続けた。

片付けで大事なのは「戻すこと」、そのために場所を近づける

作業の合間に、古堅は片付けの要点を「戻すこと」だと説明した。戻すためには戻せる環境を作らなければならないのに、多くの人は「片付けろ」と言うだけで、どうやって戻すのかという仕組みを用意していない。

家族にどう伝えればいいのか、という話題になったとき、古堅は自分の家のやり方を紹介した。古堅は、物を置いていい場所をあらかじめ作っておく。その場所はどれだけ散らかっていてもいいが、使い終わったら戻すというルールを家中どこでも決めている。古堅の家では几帳面なのは夫だけで、夫は引き出しの中まできれいにしまいたいタイプだという。一方の古堅はそれができない。そこで、扉の中に「散らかしていい場所」を作り、隠すという自分なりのやり方を見つけた。人から「きれいですね」と言われるのは、その状態で出かけるからだと古堅は笑っている。

この家でも考え方は同じである。これまで本の置き場所は、古堅のたとえで言えば「2つ先の駅」ほど遠く、戻すのが面倒になるのは当然だった。今回はその場所を100倍近くにした、と古堅は言う。数が多いと入れにくいが、近ければ戻しやすい。きれいに収めることが目的ではなく、元の場所に戻すことが大事なので、戻す場所をなるべく近くしただけだ、これは自分の思いやりだ、と古堅は説明した。

さらに古堅は母親に、3人の子の母として腹をくくった方がいいと伝えた。個室は与えられなくても、スペースだけは与えることができる。そうしていれば、子供はいずれ「ここには俺の場所はないな」と自分から出ていくだろう、と冗談まじりに話している。

リビングダイニングのアフター

作業後のダイニングは、周りを歩いて回れる広いテーブルになった。母親はしばらく言葉が出なかったが、やがて、ゆっくり座って食事ができそうで、勉強もここでできそうで、かるたやゲームなどの遊びも全部ここでできそうだ、と話した。

古堅はアフターの意図をこう説明している。テーブルの上を何もない状態にするだけで、食事はもちろん勉強もできる。母親は机を置きたいと言っていたが、もともと広くない場所で、ダイニングテーブルもカウンターのように使われていた。そこに机を置けば、また物が増えてしまう。以前はダイニングテーブルの奥に遊び場があり、本棚は「隣の駅ほど」離れていた。そこで、必要なものを食卓のすぐ近くに並べ、子供は広い場所で遊びたがるので、おもちゃと本の定位置をリビングエリアの近くに移した。

その結果、広げて遊ぶエリアと、本を開いたり別のことをしたりするエリアの2つができたと古堅は言う。さらに中央に戻せる場所を設けたことで、どちらのエリアからも戻す場所が近くなったのではないか、と古堅は考えている。母親は、子供たちがここに集まって物を出すところまで想像できると話し、動線を作ってもらったことに感謝した。

リビング側も、母親が選んで残したもの以外を階下に下ろしたことで、すっきりした空間になった。古堅は、父親も喜ぶのではないか、たまには夫婦で並んでゆっくりしたらいい、と声をかけた。母親は、毎日が戦争のようでそんなことを考える余裕もなかったと振り返る。この日は長男の6歳の誕生日で、古堅は「お母さんがお母さんになった日」の記念にもなったと話し、母親は涙ぐんでいた。

階下の部屋:子供部屋にはまだ遠い

一方、階下の部屋については、古堅は「残念ながら」と前置きして案内した。理想の暮らしを手に入れるには、現実と向き合わなければならない時間がある、という意味である。この部屋は当初、子供部屋にしてほしいと頼まれていた。しかし今の段階では難しいため、上の階の動かないものを下ろしたうえで、スタッフが今できる最善を尽くしたという。

アフターの部屋は、物が増えたにもかかわらず奥まで歩けるようになった。作業ができるバッファゾーンも作られ、母親は「こんなに変わるんだ」と驚いていた。ただ古堅は、ここはまだ子供部屋とは言えないと言う。子供がわくわくするようなものがこの部屋に集まっているので、子供部屋にするとしても整理が必要になる。部屋を開けてみた古堅の感想としては、親の服の量が多いのではないかという。お気に入りの椅子もこの部屋に埋もれていて、それを使えるようにするにはやはり物が多すぎる。それでも古堅は無理をしなくていいと言った。この部屋があまり使えなくても、生活は上の階で十分に回る。まずは子育てを最優先にし、少しずつ改善していけば次の段階に進めるはずだ、というのが古堅の助言である。

母親の感想と、古堅が最後に伝えたこと

感想を聞かれた母親は、いろいろな片付け方を教えてもらえると思っていたが、実際には自分の人生をひもとき、これからの生き方を一緒に考えて寄り添ってもらえたことがいちばん嬉しかった、と話した。

古堅は、この家とはレタスクラブの縁で出会ったので、第2弾、第3弾があれば手伝いたいと応じた。そのうえで、作業中にも伝えたとおり母親一人で頑張るには限界があり、家族の協力が必要だと繰り返した。まずはリビングダイニングの新しい景色の中でくつろぎ、今後のことをご主人ともう少し話し合ってほしい。そうして子供たちに良い影響を与えられる形で進む家族の姿を見るのが楽しみだ、と締めくくった。

作業後に帰宅した家族は、「モデルルームみたい」と驚いていた。おもちゃがどこにあるのかを探したり、「めちゃくちゃいい」と繰り返したりする声が聞こえた。

その後の物置部屋:ストックを一か所に集める

動画の最後には、もともと子供部屋にしたかったものの、ひとまず物を寄せる部屋にした場所を「少し進化させた」様子も紹介された。部屋には新しい家具が入っていて、古堅は、子供部屋にしたいのにこんなものを入れたら倉庫になってしまうと突っ込んだ。一方で、以前はこうした収納がなく物を積んでいたことが雪崩の原因だった、という声も出た。空いたスペースも2か所でき、物を捨てたり売ったりもしたという。

ここで古堅が指摘したのは、ストックの多さである。この部屋にも上の階にもストックがあり、物の住所が決まっていないことがわかった。そこで、上の階で使っていないストックをこの部屋にまとめてみてはどうかと提案した。まとめれば自分がどれだけ持っているかがわかり、これだけあると知れば新しく買わなくなる。「10年分ぐらい」あるという話も出た。キッチンの物の絶対量が多すぎるという問題も残っている。今後は上の階のものをいったんすべて出し、よく使うものから戻し、入りきらないものは下に下ろす。そうすればキッチンの動線や方向性も見えてくるかもしれない、と古堅は話した。この家に物置があって本当によかった、とも言っている。

子供部屋にするまでには、あと1年くらいかかりそうだと古堅は見積もる。本当は、物は捨てるよりも使って減らすのがいちばんいい、というのが古堅の考えだ。今回のシリーズは、物より人を優先して物の置き場所を変え、リビングダイニングを暮らしやすくしたところで一区切りとなった。子供部屋の実現とキッチンの物量は、この家に残された課題である。