所持品はCBDだったのに「大麻」で逮捕――なみちえが語る13日間の勾留、うつ病、そして国との裁判
街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜ラッパーで着ぐるみ作家のなみちえは、約5年前、東京・渋谷の立体駐車場で職務質問を受け、大麻所持の疑いで現行犯逮捕された。本人によれば、持っていたのはCBD製品で、違法な薬物ではなかった。尿検査の結果は当日に陰性と出たが、勾留は13日間に及んだ。なみちえは後に国家賠償請求訴訟を起こし、東京都には勝訴した。国との裁判はまだ続いている。
街録chのこのインタビューで、なみちえは逮捕の経緯をたどり、それがその後の人生と心身にどう影響したかを語った。話はガーナ出身の父と日本人の母のもとで育った生い立ち、着ぐるみ制作とラップの原点、「ミックス」として目立つことへの葛藤、ポストコロニアリズムへの関心にも及ぶ。本人は、人種や外見、ラッパーという肩書きが重なったことで警察の偏見を招いたと考えている。
駐車場で車を降りた直後に囲まれた
逮捕された日は日曜日で、渋谷のライブ会場でリハーサルを済ませてから出演する予定だった。なみちえは車で渋谷に入り、立体駐車場の5階に車を止めた。到着は午前10時40分頃だったと振り返る。
車を止めてドアを閉めた瞬間、5メートルほど先にすでに警察官がいて、自分を目がけて近づいてきたという。まるで前から目をつけられていたかのような動きだったと本人は感じている。わざわざ立体駐車場の5階まで追ってきたのかどうかは、本人にも分からないままだ。
追われている感覚はなかった。ただ、人生初の職務質問をその2か月前に同じ渋谷で受けていた。本人はそれを「予習」と表現し、その経験があったから今回はスマートフォンで動画を撮影できたと話す。やりとりは全体で40分ほど続き、撮影できたのはそのうち10分ほどだった。
動画の中で警察官は、手巻きの「ジョイント」を指して「検査すれば分かるんだから自分の口で言ってよ」「自分で持ってたのに分からないわけないでしょ」と繰り返し、「ジョイント自体は大麻だから」とも言っている。男性警察官は「もう分かってるんだから言い訳するな」という強い調子で迫り、女性警察官はため口で「分かったね、いいね」と話しかけてきた。なみちえはこれを不愉快だったと言い、自白を強要しようとする脅迫に近いものだったと受け止めている。
CBDとは何を持っていたのか
ポケットを調べられたとき、なみちえはCBDのリキッドを持っていた。問題になったジョイントは、ある会社からCBD商品の告知(PR)を依頼されて送られてきたものだった。
なみちえの説明では、CBDを厚生労働省の認可を受けて輸入するには、葉の状態ではなく、オイルや液体の状態でなければならない。そのため手元の商品は、別のハーブにCBDオイルを垂らしたもので、それを紙で巻いたのがジョイントだった。本人は国の法律を守るという意味でも、CBDを違法なものとは認識していなかった。
それでも警察は、ジョイントという形と匂いから怪しいと判断した。違法ではないジョイントが販売されているという知識が警察になく、「ジョイント=大麻」と結びつけてしまったのではないか、となみちえは推測する。この理屈なら手巻きタバコも疑われかねないと述べ、警察の偏見の強さを感じたという。
「青紫」と判定された簡易検査
現場では試薬による簡易検査が行われた。警察官は、3つの試薬を混ぜて2層に分かれ、下の層が青紫になれば大麻の反応だと説明した。そのうえで「2層に分かれて、下の色が青紫になってるから」と告げ、時刻を読み上げて現行犯逮捕を宣言した。
なみちえは、あれを青紫と言うなら警察官は色覚に問題があるのではと思うほど、基準とは明らかに違う色が出ていたと振り返る。インタビュアーも映像を見たうえで同じ感想を述べている。本人によれば、色を真剣に見る気はなく、逮捕を前提とした聞き取りだった。警察の力を使えば、何も持っていない人を犯罪者にし、存在しない薬物を作り出すことができてしまう。この体験から、国家権力が暴走していると感じたという。
なぜ自分に疑いの目が向けられたのかについて、なみちえは「レイシャル・プロファイリングなんじゃないかな」と話す。肌の色が黒いこと、ドレッドヘアであること、ラッパーでありアーティストであること。ラッパーは職務質問を受けやすく、その様子を撮影した動画もよく見ていたという。仕方ないとは思いたくないが、自分には目をつけられる「矢印」がたくさんあったのだろう、と本人は言う。そもそも逮捕の原因とされたCBDが薬物ではない点こそが問題だ、とも付け加えた。
13日間の勾留と、書き換えられかけた調書
勾留は13日間に及んだ。取り調べでは、駐車場で話したのと同じ内容を繰り返すだけだった。携帯電話を調べられても何も出てこないと分かっていたので、正直にすべて話したという。
ただ、供述調書の作成では、なみちえが「ジョイント」と書いた箇所を、警察側がすべて「大麻」に変えようとした。誘導なのか偏見なのかは分からないとしたうえで、本人は、簡易検査で「青」と出たものを大麻と書かせて補強したかったのだろうと見ている。
尿検査は当日に行われ、陰性と分かった。それでも勾留はさらに10日以上続き、その期間が何のためのものかという説明はなかったという。接見禁止も付いていたため、家族にも、出演予定だったライブの関係者にも、翌週の仕事相手にも連絡できなかった。
13日後に釈放されたが、無罪が認められたからではない。本人の理解では「嫌疑不十分」という扱いだった。そもそも逮捕の要件を満たしていなかったのだから嫌疑が生じるはずがない、というのがなみちえの考えだ。現場には関わった警察官が3人ほどいて、応援も含めると11人ほどが集まっていた気がすると話している。
実名報道と、伏せられた警察官の名前
報道については、国家賠償請求で東京都に勝訴した際、全国紙に名前が載ったはずだと話す。本人が引っかかっているのは記事の書き方だ。検査の手順にミスがあったから違法な逮捕になった、という書き方で、持っていたものが大麻であるかのように読めた。CBDだったとは書かれなかったという。大麻ではないものを大麻と断定し、人を逮捕してしまった、という書き方にはなっていなかった。なみちえはこれを「複雑」と表現している。
さらに、自分は実名で報じられたのに、警察官の名前は伏せられている。違法なものを持っていたかもしれないというニュアンスがぼやけたまま全国に報じられ、警察側は守られている。その不均衡が偏見を助長する流れを変えられていない、と本人は感じている。
インタビュアーは、「青紫」と言った警察官の名前こそ知らされるべきではないかと問いかけた。なみちえによれば、弁護士からは名前を出さないほうがよいと言われている。司法制度の問題が個人の問題にすり替わってしまう可能性があるからだという。
逮捕後の仕事と、発信を始めた理由
逮捕の影響は、まず精神面に出た。裁判を起こすかどうか1年ほど悩み、その間は仕事があまりできなかった。人が怖くなり、「この人たちは全員嘘をつくし、偏見の目を持っているし、自分のことを都合のいいようにしか切り取らないんだろう」と感じるようになった。警察という国家権力に心を壊された感覚だったといい、人間不信は今も続いている。
それでも今年からさまざまなYouTubeチャンネルに出演しているのは、サポーターを得て、このことを広めたいからだという。自分以上につらい思いをした人もいるはずで、そういう人の参考になるよう発信している。
ガーナ人の父と、10人で暮らした茅ヶ崎の家
なみちえは神奈川県茅ヶ崎市で生まれ、現在28歳。父はガーナ出身、母は日本人だ。当時、父は産業廃棄物処理の仕事をし、母は主婦だった。家にはいつもクレヨンがあり、母がいつでも絵を描かせてくれたので、絵を描くのが好きになった。クラスでは足が速くて絵がうまい子だったという。
9歳のとき、祖父に岡本太郎美術館へ連れて行かれ、「お前はここで芸大を目指すんだぞ」と言われた。本人はこれが大事な出来事だったのかもしれないと振り返る。家はもともと三世帯・10人暮らしで、母の弟夫婦も同居していた。その後、弟夫婦が隣の土地を買って世帯が分かれたが、今も祖父母と同居している。なみちえはこの家を「アフリカのファミリーみたいな構造」と表現する。
父は日本語が流暢だ。なみちえは、アフリカでは部族の言葉と植民地支配の言語を併用して育つため言語の習得がうまい人が多いと説明する。アシャンティ(アカン)系の父は、部族の言葉であるトゥイ語、英語、日本語を話す。ガーナの国立大学を卒業し、オックスフォード大学に留学したが戻ってきたと聞いているという。一緒にガーナを訪れた際、父の学生時代に関わる話としてシリアのダマスカス大学の名前も出てきたそうで、いくつかの国を経由して日本に来たらしい。
家計については、祖父母がかなり稼いでいた一方、両親はそれほどではなく、結果的に中流階級だったと話す。祖父は会社員で、祖母は茅ヶ崎で初めての女性タクシー運転手だったという。
着ぐるみは「自分を隠す鎧」だった
着ぐるみを作り始めたのは13歳頃だ。最初は衣装として作りたくなり、作り方を調べてひたすら作った。着ぐるみは「マルチ総合アート」ではないかと直感したのだと思う、と本人は振り返る。現代アートとして発表するときは、着ぐるみを「自分を隠す鎧」として扱っているという。
その背景には外見がある。日本人なら陰に溶け込める場面でも溶け込めず、目立ってしまう。今回の逮捕もそうだった、と本人は結びつける。中学時代には、廊下で少し触れただけで「汚ねえ」と払いのけるような、人種差別的な行為をしてくる同級生がいた。それは今もトラウマになっている。2年前にふと思い出して「あれは差別だったのではないか」とメールを送ると、心からの謝罪が返ってきたそうで、本人も自覚していたのだと分かったという。着ぐるみにたどり着いたのは、楽しいからというだけでなく、自分を守るためでもあったのだろうと、なみちえは考えている。
子どもの頃から哲学的なことを考えていたという。たとえば、植民地主義的な観点では「アフリカの人はIQが低い」と言われる。しかしIQでは測れない身体性(フィジカリティ)は数値化されていない。IQで人を測る仕組みは、植民地支配で特権を得る側にとって都合のいいものではないか。こうした既成概念を疑う姿勢が身についた一方で、それが頭の良さなのか考えすぎなのかは自分でも分からないという。逮捕の瞬間にとっさに撮影できた瞬発力も、IQでは測れないフィジカリティかもしれない、と本人は付け加えた。
高校生で着ぐるみを売り、芸大一本で受験
材料は近所のホームセンターで集めた。1体につき2〜3万円ほどで、小遣いで賄った。高校生になると、SNSで見た人からDMなどでオーダーが入るようになり、オーダーメイドの着ぐるみを販売した。材料費と人件費から自分で値段を決め、大きさによっては最大で数十万円になった。その収入で自分で海外にも行ったという。母が文化服装学院の出身で縫製ができたこともあり、「父と母のいいところで生きている」と本人は言う。好きなものではなく注文されたものを作る経験で鍛えられ、大学に入る前に基礎はある程度できていたと振り返る。
中学では美術部だった。高校では着ぐるみ制作のために早退することもあり、成績は良くなかった。一方で、NHKなどから「着ぐるみを作る高校生」として取材を受けていた。SNSはかなり若い頃から使い、着ぐるみや絵を投稿する趣味のアカウントが、そのままアーティストとしての活動につながっていった。
9歳の時点では、岡本太郎にならって油画科を目指していた。しかし高校2年のとき、新しい学科である先端芸術表現科を知り、マルチメディア的な自分の活動が一番伝わると考えた。受験ではそれまでの経歴や着ぐるみ作品の写真をポートフォリオとして提出し、それが合格の要因になったという。センター試験にどれほどの学力が必要かも分かっていなかったが、浪人覚悟で東京藝大だけを受けた。兄が複数の美大を受けて受験料に何十万円も払うのを見ていたからだ。16〜18歳で自分で稼ぐようになり、お金への意識が変わって、家族に迷惑をかけたくないと思うようになったという。
8歳で初めて見たガーナと「種類の違う貧しさ」
初めてガーナを訪れたのは小学2年生、8歳の頃だ。赤土が広がり、地面からして違うことに驚いた。日本では柵の中にしかいないヤギなどが放し飼いにされている自由さが面白く、ずっとヤギを捕まえていたという。
経済について、なみちえは、ガーナの都市部には日本より物価が高いところもあると話す。そもそも「発展」という概念に懐疑的になり、先進国はどこに向かっているのだろうと思うようになった。ガーナが貧しいという印象は受けなかったという。
ガーナには数百人の日本人がいて、スラムの改善に取り組む人や、チョコレートをあまり食べないガーナ人に食べてもらおうとする人もいる。なみちえが問題視するのはカカオの構造だ。カカオは国に管理されていて、ガーナ人が個人で売買できないほどになっているという。チョコレートはガーナ人が作って食べるものではなく、外の人が楽しむ商売道具になり、国が利益を取っている。本人はこれを植民地支配的な構造と捉え、輸出のためのそれがフェアトレードと言えるのかと問う。これは大人になってから気づいたことだという。
日本とガーナでは貧しさの種類が違う、と本人は考える。ガーナでは停電や断水が起きると、バケツ1杯の水で体を洗う。その能力はシャワーでは得られないものだった。日本に帰ると、水を流しっぱなしにすることに罪悪感を覚え、日本でもバケツを使おうと思うほど変わったという。寛容にもなった。父の知人の宿泊先で、日本のものより黒くて大きなゴキブリが出たとき、相手はなみちえのサンダルでそれを叩いた。本人は腹が立つどころか、面白くて笑ってしまったという。
ガーナでも、なみちえは肌の色が違うため目立った。市場に行くだけで子どもが数十人集まってくる。日本で日常的に受けてきた経験の「ガーナ版」を受け、自分は「カオス度」が高い人間なのだと感じた。いい意味で馴染めなかったが、その立場を利用して、下手でも現地の言葉を話し、直してもらいながら覚えたという。
目立ちたいのか、目立ちたくないのか
「ミックス」として目立つことについて、なみちえは「目立ちたいけど目立ちたくない」が両立していると話す。着ぐるみを着て目立つのはいいが、素の自分はそれほど目立ちたくない。今のラッパーとしての姿については、目立ちたいのかどうか自分でもまだ分からないという。
逮捕の件を広めるために人前に出ることは、作品で目立つこととは違う、と本人は言う。自分が目立ちたいからではなく、国家権力の横暴を伝えるために必要な場面で人前に出る。それを使命であり、仕事だと思ってやっている。
本人は「エントロピー」という言葉も使う。熱機関のために生まれた概念だが、本人はまだ調べている途中だと断りつつ、「混沌の度合い」と解釈している。芸術であれこれ手がけ、逮捕され、波乱万丈に生きてきた自分は混沌としたタイプだと気づいた。だから無理して目立つ必要はないと思うようになった。どう目立つべきかを考えなければならないほど目立つことに敏感になっていて、この番組への出演も不安だったと明かす。出演の打診は3〜4年前からあったが、今がいいタイミングだと考えて応じたという。
ラップの多重構造――亀、玉キン、デクノボー
ラップを始めたのは19歳、藝大の文化祭がきっかけだった。影響源として挙げたのは、YouTuberのブライアン、サイプレス上野、インターネットラッパーたちだ。湘南にはスケートボード文化があり、兄がいつもラップを流していた。母はアメリカの音楽が好きだった。もともと着ぐるみはケモナーやファーリーと呼ばれるナードな界隈の趣味で、そこからボーカロイドやDTMへと関心が広がったという。インタビュアーがボカロとサイプレス上野を並べる人は珍しいと言うと、なみちえは、混沌の中から何かを取り出すのが自分の活動だと答えた。
最初にバズった曲「お前を逃す」は、最初に作った曲ではない。兄が撮影し、亀を川に逃がそうとする姿を映した作品だ。ヒップホップでは違法性、特に薬物の話がフレックス(誇示)として語られる。なみちえにとって一番身近な「違法なこと」は、亀を逃がすことだった。人生で一番悪いことといえば、兄のピンポンダッシュを止めなかったことくらいだという。投稿すると、亀好きの人から「甲羅がつやつやだから絶対に逃がしていない、ちゃんと餌をあげている」というコメントが寄せられた。
この曲には、「逃がす」と差別用語を掛けた言葉遊びも仕込まれている。亀は外来種のミシシッピアカミミガメで、移民的な存在の象徴でもある。黒人が違法なことをしようとし、それが外来種の亀を逃がすことだという構図が重なっている。最初は単純に面白いラップとしてバズり、次第にこうした意味が深読みされて評価されたと本人は説明する。
次にバズった「田村キング」は、早口で言うと「玉キン」に聞こえる。「デクノボー」は元恋人へのディスソングで、「ディック・ノー・バウ(お辞儀しない)」とも掛けていて、男性器の着ぐるみを着てラップした。NHKのために作った曲では、寿司を題材に、SDGsの「海の豊かさを守ろう」を表す言葉遊びを組み込んだ。なみちえは、ラップをしている感覚はあまりないと言う。面白いダブルミーニングが見つかったら保管しておく感覚で、見つからないときに無理に作ろうとは思わない。言葉を組み立てて独自にまとめている感じだという。
インタビュアーは、金やブランドを誇る定番のヒップホップの歌詞を「みんな同じことを歌っている」と批判し、なみちえの発想の転換を評価した。なみちえは、物事を一つの視点ではなく疑ってみる姿勢が、残念なことに逮捕後の訴訟にもつながったと応じた。周りの人の人生の節目が仕事や結婚、出産、キャリアアップであるのに対し、自分の場合は「この闇について考えなくてはならない時期」や「意味のあるアートを作らなければならない時期」が節目になっている。2021年に逮捕され、2022年から裁判を起こし、それをどう広めるかを考える。そういう生き方を本人は「苦行」と呼んだ。
重度のうつ病と、作れなくなった着ぐるみ
逮捕後には「Depression」という曲も発表している。うつ病の診断を受けたのは2023年5月頃で、重度のうつ病とされた。兆しはもっと前からあったはずで、逮捕も要因の一つだろうと本人は考えている。
なみちえは、うつ病を「脳の骨折」に近いと表現する。骨折すればギプスをしないと立てず治らないように、脳も一定期間休ませる必要がある。考えが極端に偏っているときは、気持ちの問題ではなく脳に問題があるのではないかと疑ったほうがいい、という。症状は身体にも出た。寝たきりになり、1日にトマト1個しか食べられず、体重は10kgほど落ちた。体の震えや吐き気が止まらないこともあった。回復したのかと問われると、「回復してないですね」と答えている。
ここ3年ほど、着ぐるみは作れていない。うつ病になってから物事への興味や熱が失われ、複雑な作業である着ぐるみ制作にはやる気が起きないという。お面は作れる。曲は誰かがトラックを作ってくれればアイデアはいくらでも出るので、正直簡単だと感じる。着ぐるみがどれほど大変な作業だったか、うつ病になって改めて分かったという。代わりに、伸ばした自分の髪を編んでマスクにし、顔を隠す作品を作るなど、形を変えて制作を続けている。
ガーナに生まれていたら、もう少し生きやすく、皮肉屋でひねくれた性格にはならなかっただろうと本人は言う。今は日本を危険な国だと感じ、警報が鳴り止まないような感覚をトラウマとして5年ほど抱えている。また急に警察が家に来るのではないかと考えてしまう。国家権力を使えばそういうことができると分かってしまったのが怖い、と話す。
振り返れば、逮捕前から過労気味だったという。留置所の布団で寝たとき、ほんの一瞬でも休めると感じたほど忙しかった。10代から休みなく活動し、藝大に現役で合格して首席で卒業するなど、物事が速く進みすぎた。もともと物事を深く考え込む性格で、ポジティブで明るいキャラクターではない。その状態で逮捕が重なって精神的に崩れた、というのが本人の見立てだ。逮捕がなければもっと頑張っていたかもしれないが、仕事への熱量は変わってしまった。今はお金や発表の場より、自分の健康を根本から見直したいと考えている。
勝訴しても70万円の赤字、国との裁判は継続中
東京都との裁判で認められた賠償額は33万円だった。一方で、裁判にかかった費用を差し引くと約70万円の赤字になったという。「何をしているんだろう」と思ったと本人は話す。お金が重要なのではなく訴えること自体が大事だとしつつ、本来しなくてよかったはずの裁判だという点にインタビュアーも同意した。現在は、裁判記録となった試薬の写真をそのまま使ったグッズをSUZURIで販売しており、それが今後の活動の支えになると話している。
国との裁判は2023年には始まっていたはずで、東京都との裁判と並行して進んでいる。勝てるかと問われると、SNSの反応を見ても「どう見ても青ではない」という声が多いので、勝てないのはおかしいと答えた。国民の民意が欲しいから、こうして出演しているのだという。
この件をメインテーマにした曲は、まだ作っていない。歌詞の一部に含めた曲はある。勝訴と同じタイミングで発表できれば一番いいが、ただでさえうつ病なのに、なぜブランディングまで考えなければならないのかとも思う。うつ病のときに一番考えてはいけないのがブランディングだ、と本人は笑う。自分がうつ病に気づけたのは中島という書き手の文章を読んでいたからで、自分も「これはうつかもしれない」と誰かが気づける教材になれたらいい、とも語った。
制作中の作品には、植民地主義的な視点への批判、警察批判、裁判といったテーマを盛り込みたいという。レコーディングはほぼ終わり、ミックスとマスタリングの段階に入っている。
ガーナで録ったEPとポストコロニアリズム
なみちえは昨年、ガーナに2か月半ほど滞在した。ミュージックビデオの撮影やレコーディング、人脈づくりもしたが、動物と戯れ、子どもと遊び、家族と普通に暮らして、かなり休めたという。かつてバケツの話に触れて感じた「アフリカの豊かな暮らし方」への憧れについては、当時の自分の心の貧しさが出ていたと振り返った。
この滞在で制作したEPは、トラックメイカーが全員ガーナ人だ。インタビュアーが和風にも聞こえると言うと、なみちえは、メロディーラインが日本っぽいと感じてトラックを選んだと明かした。アジアとアフリカには、西洋に支配される側だったという共通の歴史があり、似ている部分があるのではないかと本人は考えている。日本にもガーナにも、支配されていなかった頃の歴史を思い出してほしい。そう考えながら制作したという。
これはレイシャル・プロファイリングの問題にもつながる、となみちえは言う。支配する側とされる側がなんとなく存在していることのおかしさに気づくべきだ、というのがポストコロニアリズムの考え方だ。この400年、私たちは無意識に西洋化され、日本人なのに洋服を着て、侵略する側の視点で歴史を学んできた。ネイティブアメリカンの視点で歴史を学ぶことはない。それが人格形成や社会形成に大きな弊害を生んでいるので、そこを見直すことがレイシャル・プロファイリングをなくし、人種問題の解決につながると本人は考えている。
日本は地元だが「心が浮いている」
生きているうちにどこまで改善できると思うか、と問われると、なみちえは、そうしたコンセプトの曲を作り続ければ変わっていくと答えた。完全になくすのは難しくても、国によって柔軟性は違い、住む場所を変えることもできる。日本が自分にとって危険だと感じる原因ができた以上、いろいろな国を転々としながら生きるのも楽しいのではないか。今は年に何度か海外に出る生活を求めているという。
日本は地元であり、温泉も自然もあるいい土地だと思う。それでも「地元の感覚ではない」「心が浮いてしまっている」と話し、自分の心とフィットするかは別の問題だと語った。当面の目標は、生活の一部になってしまった国との裁判に勝つこと、勝訴に伴って金銭的な負担が減ること、そして心の健康を取り戻すことだという。お金持ちになりたいわけではなく、負担が減ればいい、とインタビューを締めくくった。
すいません。よろしくお願いします。見たいと思います。よろしくお願いします。
じゃ、なみちえさん、ちょっとピンマイクつけていただいてもいいですか?
街録チャンネル見習いディレクター募集中です。面白い映像を作りたいという若者のご応募お待ちしております。
なみちえさん、4年前、5年前……
5年前です。
5年前にこの渋谷で不当逮捕。
そうですね。所持してないけど所持したっていう検査結果を出されて逮捕されました。ということで東京都と裁判して、東京都には勝って、国家賠償請求で東京都には勝ちました。
でも国とは裁判中。
はい、そうです。国とは裁判してます。
だからまず、その5年前、この渋谷のこの駐車場で捕まったっていうことなんですけどね。
そうですね。5階。
逮捕された当日のこと聞きたいんですけど、なみちえさん、まずここに何時にやってきたんですか?
10時40分ぐらい。
午前の10時40分。
ライブのリハーサルがあって、リハーサルをしてからライブに出る予定だったので、日曜日に。そこのWWWあるじゃないですか。WWWでライブがあったので、まず車で、多分こっちから来て、5階に止めて、止めてからすぐに。
警察が来たって感じですか?これ立体駐車場に警察が追ってきたってことなんですか?
そうとしか思えないですけど、でも5階にいるっていうのがなんか色々変なんですよね。わざわざ立体駐車場まで追ってきてたのか何だったのか、よく私も分からない。
追われてるなっていう感覚はありましたか?
追われてる感覚はなかったんですけど、人生初めての職質が不当逮捕の2ヶ月前で、同じ渋谷だったんですよ。
それって最初、車から出て声かけられるんですか?どんな感じ?
車を止めてドアを閉めた瞬間に、もう警察が5mぐらい先にいて、私を目がけてきたって感じでした。まるで目をつけられてたかのような動きですよね。
だから正直、予習が2ヶ月前の職質でできてたって感じ。それがあったから動画撮影できた。
そっか。だから動画を残してらっしゃいましたもんね。
「他に何かある?」「あとは……」「もうさ、検査すれば分かるんだから自分の口で言ってよ」「え?何をですか?」「これ何か分からないの?自分で持ってたのにわからないわけないでしょ」「CBDのあれですよ」「全部CBDなの?分かるでしょ?」「え、THCが入ってるものってことですか?」「だからこのジョイント」「はい」「わかんない?自分で。匂いとか嗅げば分かるんだよ、普通に。自分の口から言ってよ。何なのこれ?今、検査します」「ジョイント自体は大麻だから」「ジョイントは大麻?」「わかんないよ。そう。検査しないとわかんないから」
明らかに何か違法薬物を持ってるっていう疑いの目でかかってる感じでしたよね。なんでそんな目が向けられてたんだと思いますか?
レイシャルプロファイリングなんじゃないかなと私は思いますね。あとはやっぱラッパーっていうアーティスト。ラッパーとか人種問題とか、そういう部分が重なってしまって、そういう偏見の目が向けられてるんじゃないかなと。
警察の人が、肌の黒い人だったら何かしらの犯罪してるだろうっていう偏見。
肌の色が黒いとか、ドレッドをしているとか、ラッパーの人もすごく職質に遭いやすくて。自分もラッパーの人が職質を受けて、それを動画で回してるのをよく見てたんですよ。なんでそういう風に思われても仕方ない。仕方ないとは思いたくないんですけど、私に目をつけられる矢印がいっぱいあったのかなって思いますね。
私が不当逮捕されてしまった原因がそのCBDにあるっていうのも、そもそも薬物ではないっていうところが問題かな。薬物を持ってないのに、警察の力を使えば、何も持ってなかったのにそこから薬物を連想してしまうことができるっていう、警察が怖いなっていうのは。
だから動画の中だと、まず何か持ってるんだろうって言ってカバンの中見られたってことなんですね。
ポケットを見られて、その時もCBDのリキッドは持ってたんですよ。で、もちろんそれもただのCBDで、あとは私の持ってたジョイントを見て怪しい、匂いで怪しい。
CBDっていうのは、リラックスさせる作用とかの成分として広くいろんな商品が販売されて。
そうですよね。基本的に厚生労働省の認可がなくちゃいけないものなので、その点では私も国の法律を守るっていう点でも、別にCBDに対してはそういう違法なものとはもちろん思ってないし、そういう認識もない状態で持ってたので、警察が知識不足だったのかなって思います。
だって、あの中で結局そのリキッドが、この検査薬で青紫から紫になれば大麻ってことだから逮捕するよみたいなこと言われてた。それにちゃんと応じて、なみちえさんは。結果、映像とかも見ましたけど、あれを青紫って言われちゃうと、普通に警察官、色弱なんじゃないかなっていうぐらい、ちょっと手本の絵と明らかに違う色が発色で出てたんじゃないですか。
「それで色が紫になるってことですか?」「うん。これで3液まで混ぜるんだけど、とりあえず一旦こっちで混ぜさせますね」「3液まで混ぜたら紫」「そう。混ぜて2層に分かれて下が青紫」「青紫」「じゃあ結果一緒に確認しよう」「え、これって青紫なんですか?」「そうだね。で、2層に分かれて下の色が青紫になったらってさっき伝えたと思うけど、2層に分かれてるの分かる?ちゃんと。で、下の色が青紫になってるから、これ、えっと、今の時間ね。10時17分。大麻の所持で現行犯逮捕ね」「え、大麻なんですか?これって」「うん。大麻の反応出て現行犯逮捕する」
あれってもう色見る気ないよなっていうぐらい、逮捕することが前提な聞き取り方っていうか。
そうなんですよ。だから犯罪を成立させることもできるし、違法薬物を生成することができてしまうし、なんか国家権力がすごく暴走してるように感じました。
なるほど。持っていたジョイントは?
そのCBDの、告知してくださいっていう依頼をしてきた会社みたいなところが私に送ってきたんですよ。で、CBDを厚生労働省が認可した状態で輸出するには、葉の状態じゃなくてオイルとか液体の状態じゃなくちゃいけないので、基本的に別のハーブにオイルとかを垂らした商品が私が持ってた商品になります。
で、このハーブか何かに、CBDを垂らしたハーブを巻いたジョイント。
そうですよ。
だから一般の人が分かりやすいと、手巻きみたいな。
あ、そうです。そうです。
巻くためのジョイント。
そうですね。それが、ジョイントイコール怪しいって警察がなっちゃったのではないかな。
なるほどね。そういう違法じゃないジョイントっていうものが販売されてるっていう、そもそもそういう知識がないから、イコール違法なものってなっちゃったとか。
多分そうだと思います。そうなってしまうと、やっぱ手巻きタバコとかも怪しいものと思われてしまうかもしれないですし、色々警察がすごい偏見の目が強いんだなって感じましたね。
結局、何分ぐらいこの駐車場で押し問答して、逮捕されることになっちゃったんですか?
40分ぐらいだった気が。全部で40分ぐらい。動画で映してたのは10分ぐらいだったから。
でも全体で40分で、最後の1番大事な部分を、やばいぞと思って携帯で回してたって感じですか?あの女性の方、なんていうか高圧的であるっていうあの感じ怖かったです。しかもなんでタメ口なのっていうとこちょっと嫌でしたけど。「分かったね。いいね」とかっていうあの感じ。
不愉快だし気持ち悪いですよね。
え、何日結局勾留されたんですか?
13日です。
13日も勾留されなきゃいけなくって、本当にとんでもないことですね。その警察官の中で、ちょっとフラットに話聞いてくれる人は1人もいないんですか?
もうみんな偏見の目で。ラッパーでアーティストで、これからライブある、ジョイントを持っていて、そこに大麻由来の成分を持ってるっていうレッテル、そういう間違った偏見が今回の不当逮捕を助長してしまったんじゃないかな。
取り調べって何させられるんですか?
基本的に今話したことを言うだけですね。
そしたら、じゃあ逮捕じゃないってなるじゃないですか。
でもならなくて。しかも携帯を見られても何も出てこないのが分かってるんで、全部正直に話して、本当の正直なことを話してたのが調書でしたね。でもその調書を書く中でも、私の言ったことを大麻に無理やり変えたがってた。
ど、どういうことですか?
私が調書でジョイントって書いたところを全部大麻に変えようとしてました。
なるほどね。それは、変えるように誘導しようとしてるってことなんですか?
うーん。誘導とか、偏見が強かったのか、どうしても青で出たものを大麻と書かせて補強したかったんだと思います。
尿検査とかもされますよね。
もちろん。
だから逮捕要件を満たしてないですよね。尿検査で陰性って分かったのは何日?
いや、当日ですよ。
え、当日で陰性って分かって、それでもなお残り10日以上、追加で勾留されなきゃいけないんですか?
そうです。
その期間は何の期間だったか説明受けるんですか?
受けないですね。接見禁止も出てましたし。両親にも、ライブする予定だった人にも何も連絡できない。あと次の週に決まってた仕事の人にも何も連絡ができない。
で、13日かけて釈放されたのは、無罪だってことになったから釈放されたんですよね。
それも違う。嫌疑不十分で起訴なしっていうことだと思うんですよね。そもそも逮捕の要件を満たしてないので、嫌疑があることはないはずなんですけど。
逮捕されちゃったじゃないですか。なみちえさん、アーティスト活動、ラッパー活動に影響出ましたか?
精神的に影響出ましたよね。不当逮捕なんで、やっぱ心にモヤモヤするし。裁判を起こすまで1年悩んでたんですけど、それまではすごい仕事があんまりできなくなってしまいましたね。人が怖くて。この人たちは全員嘘をつくし、偏見の目を持ってるし、自分のことを都合のいいようにしか切り取らないし、使わないんだろうなみたいな。警察っていう国家権力に心を壊された感じだったので、仕事はあんまりできなかったです。
人間不信にもなります。
そうですね。今もそうですけど。
報道はどんな形でされたんですか?
それは不当逮捕の裁判で勝った時に、朝日新聞に、全国で名前が多分載ったはずですね。
それを動画で見たんですよ。その書かれ方としても、やってたけど逮捕要件は満たされなかったみたいな。
そう、そう、そう。それが全国紙で名前が載ったってことが最大の問題、とまではいかなくても、やっぱ偏見を助長する流れが変えられてないなとは思っちゃった。検査手順にミスがあったから違法の逮捕になったみたいな書き方で、自分の持ってるものが大麻であるかのような書き方をされてたはずです。CBDとは書かれなかった。
大麻じゃなかったものを大麻と断定してしまうミスを犯して人を逮捕してしまいました、っていう書き方じゃないんですよね。
そうです。そうです。そういう書き方ではなかったです。だからちょっと複雑だなって思って。
え、それ、なみちえさんの方は実名報道されちゃうんですか?
そうです。私は実名報道されて、全国的に違法なものを持ってたかもしれないというか、そこのニュアンスがぼやけたままの記事を出されたのにも関わらず、警察の人は隠されてるっていうことがすごくバランスが悪いというか。
あの青紫と言った人は、紫と青をそういう認識をする警察官として、ちょっと知らしめて欲しいですもんね、本当は。
そうなんですよね。その名前を出すことは、弁護士にはあんまり良くないみたいな言われ方をした。多分、司法制度の問題を個人に歪めてしまう可能性があるから、個人の問題になってしまうのを避けるために名前は出さない方がいいと言われてます。
とはいえ、新聞でなみちえさんだけフルネームで、警察官は男性警察官と女性警察官ぐらいのことなんですよね、きっと。
3人ぐらい関わった人がいて、でも警察はその時11人ぐらいは集まってた気がしますね。
あ、そっか。どんどん応援が来たんですね。
そうです。
だからこの男性の人とかもね、自分から言えよみたいな、結構強く、もう分かってるんだから言い訳すんなみたいな。
まあ、脅迫ですよね。自白を強要させようとしてますので。
今、結構いろんなYouTubeチャンネルに出演されてるじゃないですか、このことで。
そうですね。
それはどういったことから行ってるんですか?
やっぱサポーターが欲しいというか、いろんな人に広めていきたいので、なるべく積極的に。私以上に辛い思いをした人もきっといると思うんで、そういう人の参考にできるように自分が発信しようかなと思って今年から。その逮捕報道があってからが基本メインですよね。それまでは知られてなかったことなので。
逮捕される前のなみちえさんの人生もちょっと聞いていいですか。
はい。
なみちえさんはガーナご出身のお父さん。
そうです。
とお母さんは?
日本人です。
で、なみちえさん自体はどこで生まれたんですか?
神奈川県の茅ヶ崎。
今、年齢は何歳ですか?
28歳です。
当時お父さんとお母さんは茅ヶ崎で何の仕事してたんですか?
お父さんは産業廃棄物処理で、お母さんは主婦です。家にはクレヨンがあって、お母さんがいつでも物を描かせるみたいな状態ではあって、それもあって絵を描くのはすごい好きでした。やっぱクラスだと、かけっこが早いとか、ピアノができるとか、勉強がうまいとか言うじゃないですか。私はその中で足が早くて絵がうまいっていう人で。今は全然運動してないんですけど、小さい時はやっぱ運動能力が高くて、運動もできて絵も描けるっていう感じの子でしたね。
昔から芸大とか入りたかったんですか?子供の頃。
おじいちゃんが岡本太郎美術館に9歳の時に連れて行ってくれて、なんだかわかんないけど、おじいちゃんが「お前はここで芸大目指すんだぞ」って言ってくれて。9歳の私に。そこが大事な部分だったのかな。
面白い。おじいちゃんですか?
今も一緒に同居してるんですけど、1階におじいちゃんおばあちゃんがいて、2階にお父さんお母さんみたいな。
じゃあ二世帯で暮らしてる家族だったんですかね?
元々三世帯で10人だったんですよ。それがやっぱ妹、お兄ちゃんが別のところに住んだりとか。お母さんの弟夫婦も一緒に住んでて、その弟夫婦が私たちの実家の隣の土地を買って、そこに別れて今は二世帯になったけど、元々10人で住んでたんですよ。
賑やかな環境ですね。
そうです。それこそアフリカのファミリーみたいな構造の家でしたね、三世帯って。10人って言うとやっぱ多いって言われるんで、すごい家族のこと自慢してた気がします。
ずっと賑やかでいいですね。お父さんは、言葉で言うと日本語どれぐらい喋れてるんですか?もうペラペラですか?普通に、10人で暮らしてると。
そうですね。私より長く住んでることになりますので、ペラペラですね。アフリカ系の人あるあるなんですけど、言語を覚えるのが結構うまいというか。やっぱそもそもアフリカって、部族の言葉と植民地支配の言葉のバイリンガルの状態で育つので。お父さんもアシャンティのアカン族なので、トゥイっていう部族の言葉をまず喋れて、そこで植民地支配された言語である英語が喋れて、なおかつ日本語が喋れます。
お父さん自体も、いわゆるエリート層なんですか?日本に来て日本語覚えるぐらいの頭の良さも持ち合わせてるのか。
ガーナの国立大学を卒業して、なんかオックスフォード大学に留学してたけど、ちょっと戻ったみたいな話を聞いて。パパと一緒にガーナ行った時に、パパの学生証が出てきて、それがダマスカス大学の学生証が出てきたんですよ。
ダマスカス大学。
確か、シリアで1番古い大学の学生証が出てきて。
シリアとかも行ってるんですね。
色々経由して日本に来たっていう感じですね。
いろんな国を渡り歩けるぐらいの胆力を持ってるんですよね。
と頭脳と。頭めちゃめちゃいいはずですね。
じゃあ、なみちえさん自体も小学校、中学校とどうなんですか?成績とかもいい方でしたか?割と。
小中は別にいい方でしたね。高校は着ぐるみ作るために早退したりとかしてて、成績は全然良くなくて、芸大も現役で行けんのかな、これみたいな感じでしたね。
それ、着ぐるみ作り出すってどういうきっかけなんですか?だってラッパー兼着ぐるみ作家っていう形ですもんね。
そうですね。13歳ぐらいの時に衣装として作りたくなって。
え、衣装?
衣装として。なんで衣装として着ぐるみを作りたくなったのか。でもやっぱり現代アートとして着ぐるみを発表する時は、自分を隠す鎧として着ぐるみを扱ってますね。
やっぱり鎧を身につけたいなって思う場面多かったですか?生きてて。
できればそうですよね。やっぱ見た目とかも日本人と違うから、日本人だと影になるところが、溶け込めるところが溶け込めなかったりとか。
今回の不当逮捕の件もそうですよね。目立ってしまう、どうしても。
そうですね。目立ってしまいますね。
それで着ぐるみだって、いつどういう感じで思いつくんですか?それ。
着ぐるみだと思ったのが13歳の時で、着ぐるみの作り方って調べて、永遠に作ってましたね。
それ何を見て思いついたんですか?もしくはどんな時に思いついたんですか?
着ぐるみってマルチ総合アートじゃないかって、多分その時に直感で思ったんだと思うんですよね。
その時にもうすでに、アートとは何かみたいなことをずっと考えてる子供だったんですか?
結構小さい時から哲学的なことは考えてたかもしれないですね。
もう頭いいから、いろんなこと考えてる子供なんですよね、きっと昔から。
そうなんですよね。その頭のいいの先についても考えるようになりましたね。例えば植民地主義的な観点だと、アフリカの人はIQが低いって言うじゃないですか。でもIQで測れないフィジカリティみたいなものっていうのは数値化されてなくて、あくまでも植民地支配して特権を得る側の人が都合のいい内容っていうのがIQで、人を測ってお前は頭が悪いからバカだってするっていうこと。そもそもの既成概念を疑うっていうことをしてて、それが頭がいいのか考えすぎなのかっていうのは自分でも分からないですね。
そっか。でもそれ、人種とはとか、そういうことをずっと考えてるんですか?
そうですね。
考えざるを得ないような状況ではありますよね。珍しいし、自分。
そうなんですよ。だからそれのせいで考えが深くなってしまって。結局、不当逮捕であの場面を動画撮ってたっていう瞬発力も、それはIQ等で測れないフィジカリティなのかもしれないですけど。
着ぐるみ作ろうって、その材料とかを自分で中学生ながらホームセンターとか行って集めたってことですか?
そうですね。近所にあったんで。でも数万円で作れるので。
数万円って中学生からしたら高くないですか?
でも2、3万とかなんで。
お小遣い?
お小遣いだったと思います。
家計的には裕福だったんですか?
おじいちゃんおばあちゃんがかなり裕福で、お父さんお母さんがそうでもないから、結果的に中流階級っていうバランスですね。おじいちゃんおばあちゃんはすごいお金持ってるはず。
なんか経営者だったんですか?
いや、普通のおじいちゃんは会社員で、おばあちゃんは茅ヶ崎で初めての女性タクシー運転手だったって言ってて。お母さんは主婦、お父さんが産業廃棄物処理なんで、おじいちゃんおばあちゃんは稼いでて、お父さんお母さんはめちゃめちゃ稼いでるって感じじゃないなっていう、どっちも見てきた感じですね。
そっか。じゃあ、おじいちゃんおばあちゃんが共働きで安定した収入を2人で出してるから。
そうそうそう。
もう一般家庭の倍ですもんね、そうなるとね。
おじいちゃんおばあちゃんにめちゃめちゃ甘えてたけど、まず高校生の時に着ぐるみをオーダーメイドで作って販売してたんですよ。そのお金で自分で海外行ったりとかしてて。
へえ。すごい。着ぐるみ作りで。そっか、28歳ぐらいだと、そういうのをもうSNSとかにあげてるんですか?中学生ぐらいで。
インターネットネイティブなんで、結構早い段階で着ぐるみ作ったこととかをアップしてっていうのは中学生の時からで、その流れがあっての今の活動になってる。
中学生の時に、もうこの着ぐるみいいね、作ってよみたいなオーダーがDMとかで来てたんですか?
高校生からありましたね。それで作って、それでお金貯めて、自分のお金で生きるとはどういうことなのかっていうのを高校生の時からずっと考えてて。
たくましいですね。自分で作った着ぐるみを、材料費と人件費を自分で上乗せして、これぐらいかなって値段に設定してみたいなことですか?
それをやってました。お母さんが文化服装学院出身なんですよ。なんでお母さんが物を縫うことができて。だから結構お父さんとお母さんのいいところですごい生きてるなって感じはするんですけど、物づくりして、考えて、アートに反映してっていうのは。
しかもそれを商売にしてるから、自分が好きなもの作るんじゃなくて、オーダーされてるものを作るっていう。
そうです。
それは鍛えられそうですもんね。
色々鍛えられました。正直、大学入る前にある程度の基礎が出来上がってて。
一体いくらで売ってた?
場合によりますけど、最大で数十万とか。そのオーダーによるんですよ、大きさとか。数十万円程度ですね。
すごいですね。それ確かに海外行けますね。もちろん材料費もすごい高そうだけども。
そうですね。
部活とかは入ってないんですか?
帰宅部で、中学の時は美術部でしたね。
友達とかどんな感じなんですか?すごいじゃないですか。自分で着ぐるみ作って数十万で売ってる同級生とか面白いんじゃないですか?
あんまり。でも高校生の時からテレビとか出てたんで、どう思ってたんだろうっていう感じでは。
テレビとか取材が来るんですか?
NHKとかが高校生のときに取材に来て、着ぐるみ作る高校生みたいな感じで。
もう高校生の時は、おじいちゃんに言われた東京芸大。
そうです。
絶対行くぞってなってるんですか?
もう9歳でそういうモードになってるんですよ。その時は油画だったんですよ。岡本太郎が油画だったんで。ですけど高校2年生の時に、1番新しい学部で先端芸術表現科っていうの見つけて、あ、これ1番私のマルチメディア的にやってることは伝わるだろうなって思って。
受験する時にはすでに、マルチメディア的な活動を自分がしてるなって自覚があるんですか?
そうですね。入試時点でポートフォリオを提出しなくちゃいけないんですよ。高校生の時に何やったかっていう。だからそこに今までの経歴であったりとか、着ぐるみの作品の写真であったりとか、そういうのを提出して、それが合格の要因になったって感じですね。
SNSはもうすでにやってた?
やってましたね。多分超若い時からやってます、私は。
SNSに作った着ぐるみを投稿する。
そうですね。あと絵を描いてたんで、絵の投稿とか。趣味アカウントみたいなものが、流れでアーティストになっていって。
東京芸大とかって浪人してる人いっぱいいるじゃないですか。現役で受かるなと思ってましたか?
いや、わかんなかったですね。センター試験なんていうのも、どんくらいの学力が必要なのかも分かってなかったです。浪人する覚悟でよく受けてました。でも芸大以外は受けてなかったです。
1本。
1本です。お兄ちゃんの受験を見てたんですよ。で、お兄ちゃんがムサビにも多摩美にも受かったりとかして、併願併願して、その入学金みたいなのが必要になってきたりするので、多分何十万って払ってるんですよ。それを見てて、もったいないと思って、自分はなるべく迷惑かけたくないから。おじいちゃんおばあちゃんは割とお金がある方なんですけど、自分が高校生の時に稼げるようになってから、すごくお金に対しての意識が変わって、やっぱ迷惑かけたくないっていう思いが強くなって、そっから他の併願は検討しなかったって感じですね。
稼いで、自分がどれだけ働いたらこの金額が稼げるのかみたいなのを、もう体感しちゃってるから。
そうですね。16歳から18歳の間はそういう時期でしたね。
ちなみにガーナに初めて行ったのはいつですか?
小学2年生の頃なんで、8歳とかですか。
初めて見たガーナはどんな印象でしたか?当時。
赤土が広がって、まず地面から違うんだって。あと動物が自由でいいなみたいな。ヤギとかが、日本だったら柵の中でしか見れない生き物がそこら辺にいるっていうのが面白くて、ヤギをずっと捕まえてましたね。
放し飼いなんですね。
そうです。
動物が放し飼いされてることの自由さというか。
そう。それがまずすごいなって思いましたね。
ガーナ自体は、アフリカの中で言うと発展してる方ですか?
経済状況は悪いとか、都市は日本より物価高かったりしますね。どこの国もそうですけど、都市は大体似たような感じですね。そもそも発展っていうものに対して懐疑的になってしまって、先進国って先にどこに向かってんだろうって思うようになって。ガーナって多分発展途上国って言われてんのかな。発展した国と発展途上国っていう並びもすごい懐疑的ではあるんですけど、ガーナは、私は貧しいという印象は受けなかったですね。でも多分日本人も数百人いるんですけど、やっぱそういうスラムとかにアプローチしてより良くしていくっていうことをしてる人もいますね。
あとはガーナ人自体がチョコレートをそんな食べないので、ガーナ人の人に食べてもらえるように頑張ってる人とかがいたりとか。カカオって国に管理されてしまってるので、ガーナ人が中で個人で売買できないぐらいになってる。だからそれもつまり構造ですよね。私たちがチョコって、ガーナ人が作って食べるものじゃなくて、私たちみたいな外の人が食べるじゃないですか。カカオが商売道具になってしまって、先進国の人がチョコを楽しめるようなルートができてしまってるんで、国がカカオの利益を取っているっていう現状があるみたいで。
すごい。地元の人は自分たちの名産にも関わらず楽しめない。
そうなんですよ。多分それですごく国が儲けてるでしょうし、それも結局植民地支配的な構造ではありますよね。外国に輸出するために。それはフェアトレードと言えるのかっていう問題も、それはもう最近になって感じたことですけど。食べ物1つ1つとっても、アフリカの恵みっていうのがすごく不公平なんだなっていうのは大人になって気づいたことですね。だから日本とガーナは、貧しいところの種類が違うんだなっていうのは思いました。
アフリカに行って思ったのは、アフリカで停電が起きたりとか水が止まったりすると、バケツ1杯とかだけで一生懸命お風呂入るんですよ。その時のバケツ1杯でどれだけ体を綺麗に洗えるかの能力って、シャワー浴びてたらそんなの得られなかったなって思って。だからガーナから日本に帰ってくると、シャワー浴びるのに罪悪感がすごいというか、ギルティーを感じるというか。こんなに日本で贅沢して水さえダラダラ流してしまってるみたいな気持ちになってしまって、日本でもバケツ使おうって一瞬思っちゃったりするぐらい。私、バケツ1個で変わりましたね。本当に些細なことなんですけど、私はそれからすごい発見があった。
日本だとそれが当たり前すぎて、なんならそれが供給されないと怒りになってしまう。
そうなんですよ。でも結構怒らなくていいと、寛容になった気がしますね。アフリカに行って、お父さんの知り合いの宿泊地に行って、ゴキブリが出て。ガーナのゴキブリは日本のより黒くてでかいからすごい怖くて。「ちょっとゴキブリ出たんだけど」って言ったら、私のサンダル使ってバンって。
そう、私のサンダル使うんだって。もちろん怒んないでしょ。もう面白すぎて。こうやって話にしたらどんだけ面白いんだってなるから全然いいんだけど。ガーナだから許せてしまう面白さというか。日本で起きても絶対許しますけど、私は。
寛容なんですね。
寛容ですね。正直、私がガーナにいてもガーナの人と肌の色が違うし、日本にいても日本人と肌の色が違うんで、ガーナに行くと目立ちますね。市場に買い物行くだけで子供が数十人集まってきてしまうみたいな。多分子供が暇すぎて、謎にちょっと色白な私を見て、しかもガーナ語も喋れないから、こいつなんだみたいになって。
珍しい異国の少女がやってきたぞみたいな。
そうそう、そうなりますね。日本ではそれが日常茶飯事だけど、ガーナでそのガーナバージョンを受けると、本当にカオス度が高いというか、エントロピーが高い人なんだなって思ってしまって。いい意味で馴染めなかったです。でもその馴染めないことをうまく利用して、ガーナ語を下手でも喋ったら直してくれて教えてくれるから、そうやって勉強してたって感じですかね。
ミックスっていうことに関して、どう考えてたんですか?中学生とか小学生ぐらいの時。
目立つなって思ってましたね。
目立ちたくないタイプ、目立ちたいタイプあるじゃないですか。どんな感じですか?
やっぱ着ぐるみ作品がそうだと思うんですけど、目立ちたいけど目立ちたくないが両立してるんですよね。着ぐるみを着て目立つっていうのはありかなとか。じゃあ今のラッパーの姿っていうのはどうなんだろうとか、まだまだわかんないです、自分でも。目立ちたいのか目立ちたくないのか。こういう番組に出ることも、すごくどうなるのか分かってないですし。不当逮捕のことをより広めてもらうこと、それで目立つのって、私としてはやっぱ作品で目立つのとはまた違ってるので、複雑な気持ちがあったりとかしますし。だから目立つのは使命としてやってる感じですね。自分が目立ちたいから目立つんじゃなくて、必要な時に人前に出て、それが私の不当逮捕とか国家権力の横暴さとかを伝えるっていう。目立つのは仕方ないけど仕事だと思ってやってますね。
確かに、着ぐるみ作ってるだけだったら目立ちたくない人ですもんね。
そうなんですよ。
着ぐるみ状態で脚光を浴びるんだったら別にいいけどって。
そうなんですよ。自分本人の素体はある程度そんな目立ちたくないけど、でも時と場合によりますね。エントロピーって概念は分かります?
え、ごめんなさい。ちょっと教えてください。どんな概念なんですか?日本語で説明するんだったら。
熱量だったかな。そもそも機関車とかの熱のために発明された概念なんですけど、私が解釈したエントロピーなんですけど、まだ調べてる途中なんで。やっぱカオス度なんですよね。
混ざってるっていうことですか?混沌としてる。
そう、混沌としてるって。私の存在ってすごい混沌としてるタイプだって自分で気づいて。芸術もあれやったりこれやったりとか、不当逮捕を受けてとか、あんなことになったりこんなことになったりって、結構波乱万丈なんだなって自分で気づいて。だからそれに気づいてから、そんなに無理して目立つ必要もないんじゃないかなっていうのは思ってますね。だからこういう番組とか出るのもすごい不安あります。目立つってことに対してすごく敏感になってるので、今。何でどのように目立つべきかっていうことは考えなくちゃいけない。だから、この番組に出ることも、そもそも3年ぐらい迷ってて。4年かな、コメントを頂いた時から。
でも今が多分いいタイミングなのかなと思って、声をかけさせていただいたんですけど。
だから出演しておきながら、目立つっていうのは怖いっていう感覚もありますね。
着ぐるみ作ってた途中からラップ始めるってことなんですよね。
そうです。19歳の時に芸祭の文化祭をきっかけにラップを始めて。
それはラップは何でやろうと思ったんですか?
YouTuberのブライアンさんいるじゃないですか。
知ってます。
あの人のミックスの……とかが、そもそもVineとかでバズってたりとか、ラップ聞いてたのもありますね。湘南だったら結構スケボーの文化もあって、そのせいでお兄ちゃんが常にラップを流してたりとか。あとお母さんがアメリカの音楽好き。お兄ちゃんがヒップホップから、スケボー文化でラップを聞いてた。あとやっぱインターネットとかでラップしてる、インターネットラッパーとかから影響受けてラップ始めましたね。
いろんな人聞いてるんですね。インターネットラッパーってどっちかっていうと、ナードラッパーみたいに言われるジャンルの?
やっぱり私の着ぐるみがそもそもナードな趣味なんですよ。ケモナーとか、そういう界隈のファーリーとか言うんですけど、そういうオタクだったりするんで、そこと着ぐるみとボーカロイドのDTMとか、そこから結構私の音楽の興味って向かってるので。結構ボーカロイドとか、YouTuberだったらブライアンさんとか、サイプレス上野さんとか、JGとかが結構大きい、やるきっかけだったんじゃないかな。
本当に混ざってますね。だってボーカロイドとサイプレス上野さんを影響受けた音楽で2つ並べる人、だいぶ少ないじゃないですか。
そうなんですよ。やっぱ私って、今やってるアーティスト活動もそうですけど、結構散漫としてるところから、混沌の中から何か取り出すっていうことを常にやってる人で。だから今回の不当逮捕の件だとしたら、やっぱ国家の現状をリアルに伝える人として、使命としてやらなくちゃいけないのかなっていうぐらい抱えてやる感じですかね。
亀逃がす歌、ラップは、あれは最初ですか?
いや、あれ最初じゃなくて、最初にバズった曲ですね。
なるほど。バズったのがあれで、あれ何曲目ですか?
わかんないですね。
もういっぱい作ってる。
いっぱい作ってるんですよ。
作り始めたらもうぶわーっと作ってるんですか?
そうです。それでお兄ちゃんが撮ってくれて。亀をギリギリまで川に逃がそうとする姿を撮って。やっぱヒップホップとイリーガル性って近いじゃないですか。特にヒップホップだったら薬物の話が出てきて、それをどのようにフレックスしてるかっていうのが文脈で出てくると思うんですけど、私にとっての1番身近な違法に当たることって、亀を川に逃がそうとすることだったんですよね。そうなんですよ。本当に。私が人生で今まで一番した悪いことって、多分ピンポンダッシュをするお兄ちゃんを見てたのが1番悪いことなんです。
止めなかった。
そうなんですよ。止めなかったことが多分人生で1番悪いことだと思うんですよ。ヒップホップの中でフレックスできる、自分の中で1番悪いことって何だって思ったら、亀を逃がすことだったんですよ。
亀を逃がそうとするんですね。
それが私にとってのフレックスだったんですよ。でもそれを投稿したら、「この亀は絶対に逃してませんよね。だってこんなに甲羅がつやつやなんですもん。ちゃんと餌を与えてますよね」みたいな、亀好きの人からのコメントとかも来る。
亀界隈の中でもバズったんですね。
多分バズってたんだと思う。だから、そういう影響もあって。あと単純に着ぐるみ作家なんで動物が好きなんですよ。亀ってすごい可愛いし。だから亀と、そのニガっていう差別用語を使って、しかもその亀が外来種の亀で、移民的なものの象徴になってたりとかしてっていう構造になって、それも多重構造的にバズったって感じですね。
そうか。最初は単純に、このラップ面白えっていうのでバズって、ちょっとずつ、こういう意味も含まれてるんじゃないかみたいな深読みみたいな感じで。
それが「お前を逃がす」、亀を逃がすと。まず私の黒人性と被って、それで違法なことを何かやろうとしてる。それが外来種の亀を逃がすこと。それがミシシッピアカミミガメ、アメリカの亀なんですけど、だったりとか、そういう文脈で評価されて。
へえ。面白い。
そうですね。だからその多重構造が好きなんです。端的に曲を作るってよりかは、何か2つの意味を持たせたい。「お前を逃がす」の後にバズったのが「田村キング」っていう曲で、それは田村にキングなんですけど、タマキンに聞こえるんですよ。早口で言うと。タマキン、タマキンって言ってるだけなんですけど、それがめちゃめちゃ評価を受けて。それはやっぱダブルミーニングの面白さ。
あと、もっと最低な曲だと「デクノボー」って曲作ったんですけど、元彼をディスる曲なんですけど、それが「Dick no bow」、ディックはお辞儀しませんっていう意味にもかぶってるし、デクノボーで「お前はバカだ」みたいな、元カレディスソングになってて。
ディックってきて今……
そうです。そうです。そうです。だから、お前のディックの棒は最低だったよな、みたいな悪口の曲を元彼に。
あの元カレに対してのディスだったんですね。そうです。そうです。
めちゃめちゃちんこの着ぐるみでラップしてますもんね。そうです。あれもさすがにカーディもやらないだろうということで。ははは。
それもダブルミーニングで、デクノボウとディックノボウで。うんうんうん。なんかラップやってるってよりも、面白いダブルミーニングがあったら保管する感覚で音楽やってるから、そんなダブルミーニングが見つからない時に無理してやろうかなってあんまり思わないというか。
例えばNHKのために作った曲で、寿司の、SDGsの海の豊かさを守るっていう曲だったんですけど、それは寿司、つまりシースで、タイトルでseaって海じゃないですか。うん。意味じゃないですか?数で海の訴えみたいな、つまりSDGsを表す言葉を作れてたりとか。そういう、なんかそのラップをやってるって感覚ないですね。言葉を組み立てて独自にまとめてるみたいな感じです。
うん。いや、だからいいですよね。ヒップホップの曲とかで「またか」って思うのが、なんか金稼いでヴィトンだグッチだ、車買いましたみたいな、あの歌詞。これ何万回聞くんだよみたいなこと思ったことあって。仲間たちと稼ぐマネー、ヴィトンにグッチに、今日はビッチを抱いて、みたいな。
そう、なんかその「人と違うんだ俺は」みたいなことを言うじゃないですか、その中で。うんうんうん。いやいや、同じことを歌ってるじゃないかっていう。恥ずかしくないかなと思ったことはあるんですよ。
うん。で、逆になみちえさんって、その人たちからしたらダサいことをかっこよくラップしてるって、めっちゃいいですよね。
もう発想の転換ですよね。物事を1つの視点じゃなくて、疑ってみるみたいな。まあ、その疑うっていう視点が、不当逮捕の勝訴にも繋がってるんですけど。残念なことに。うん。残念というか、ありがたいこと。まあ、逮捕されたのは残念ですけど。
いや、でも逮捕されたで終わらせなかった強さは、そのトレーニングのおかげなんじゃないですか?そうですね。それはありますね。
うん。だから、なんかやっぱり周りの人と違うステージで物事が進んでるっていう感覚に最近気づき始めて。うん。うん。みんなは多分、仕事、結婚、出産とか、キャリアアップとかなんですけど、私の場合って、この闇について本当に考えなくちゃいけないタームが来たとか、うん。うん。ここでこういう意味のあるアートを作らなくちゃいけないとか、それが私の人生のタームになってるんですよ。普通の人の生活じゃ考えないじゃないですか。
2021年に逮捕されたので、2022年から裁判をして、これ自体をうまく人々に広めなくちゃいけないみたいなことなんて普通の人生で考えないと思うんですけど、私は常にそういう視点で生きていかなくちゃいけないタイプの人だなって、うんうん、思ってて。
それって嫌なんですか?それとも、いや、しっくり来てるんですか?うん。まあ、他の人と違った生き方をしてるので、苦行だと思ってますね。
でも、その表現できる術があってよかったですね。そうですね。鍛えてたのもあると思うんですけど。
うん。逮捕された後に、あのうつの曲。あ、そうです。ディプレッション。ディプレッションです。ディプレッションって、うつって意味ですか?そうです。あの曲とかもすごいエネルギー強い曲ですね。うん。うん。うん。
実際うつになったの初めてですよね。そうです。診断受けたのが2023年の5月ぐらいなんですけど、一応もっと前から何かあった兆しはあったはずで。その診断を受けた時に、重度のうつ病、相当重い状態のうつ病って言われて、それが診断の結果なんですけど。まあ、もちろん不当逮捕だったりとか、そういうのも要因してあるとは思いますね。うん。
自分のうつになってる過程、心の変化というか、どんな状態だったか説明できます?ああ、脳みそがネガティブなことしか考えられなくなって、これは気持ちの問題じゃなくなってくるっていう。うつ病は脳の骨折に近いなと思って。骨折したらギプスしないと絶対立てないし、治らないじゃないですか。脳みそも骨折したら、ある程度休む時間が必要。うん。うん。うん。
考えが偏りすぎてる時は、脳にうつとかそういう問題があるんじゃないかなとか、疑った方がいいかなとか。まあ、今も完全に治ってないんですけど。
うん。その期間はもうずっと家にいたって感じですか?まあ、寝たきりで体重も10kgぐらい落ちて、寝たきりで1日にトマト1個とかしか食べれなくなったりとかして。そういう身体的にも症状が出てしまうんです。病気なんで。
で、体の震えが止まんなくなったりとか、まあ相当なストレスのせいで吐き気が止まんないとか。それって、そのことを直にしようって、どうやって回復してたんですか?まあ、回復したのかわかんないですけど。
うん。まあ、回復してないですね。生きること全てをアートとして、ミュージシャンとしては現状をつくるってことは、すごいヒップホップ的なので。
うん。でも元々は別に、そういうメンタルの不調とかは経験したことなかったんですか?うん。まあ、でも中学生の時から調子悪かったですね。中学の時に、なんか人種差別っぽいことしてくる人がいて。
そうなんですよ。例えば私が同じクラスで隣を通って少しでも触れたら、なんか「汚ねえ」みたいな感じで払うみたいなことをやってる人がいて。そういうのもすごいトラウマになってたりとかしますよね。
でも、その人は2年前に謝罪が来ました。2年前?私がふと思い出してメールしたんですよ。「あの時のあれって差別だったんじゃないですか?」って言ったら、結構真心の謝罪のメールが来たんで、本人は自覚してたんだな。はあ。
中学生となって、そういうなんか強い言葉も使えるようになってて、その差別的な行為もする人もやっぱりいるので、そういうのはやっぱり嫌な思いがいっぱいしてきましたね。じゃあ、それで着ぐるみにたどり着いてるんですか?そうです。
はあ。楽しいからやってるってこともそうですけど、まあ、守るためだったんだと思いますね。自分を。
そうですね。ここ数年は3年ぐらい着ぐるみ作れてなくて。うん。でも、その着ぐるみ作れない間にも自分の髪の毛を貯めて、自分の髪の毛を糸みたいにして、編んでマスクにした作品があるんですけど。はあ。そういう作品作ったりとか、まあ形を変えて作ったりしてますね。
それは自分の髪の毛で自分の顔を隠したいってことなんですか?そうです。そうです。はあ。
これ仮に、全然そんなたらればしてもしょうがないですけど、自分がガーナに生まれてたら、もうちょっと生きやすかったなとか思います?まあ、性格が違ったんだろうなと思いますね。皮肉でひねくれた人間にはならなかった。
なんか私にとって日本が危険な国に感じてるので、なんかいつも警報が止まらないみたいな感覚に、やっぱりトラウマでなってしまってて。それを5年間ぐらいずっと抱えてるので。ちょっと、だからまた急に家に警察来ちゃって、みたいなこと考えちゃいますか?考えますね。まあ、国家権力を使ったらそういうことができるっていうことが分かってしまったので、それが怖いですね。
目の前でやっぱり青紫を青と言われたら、何も信じられなくなりますよね、その瞬間。
着ぐるみ作れなくなってしまってはいるけど、この先もまた作りたいって気持ちあるんですか?なんかうつ病になってから、やっぱり物事に対する興味が、熱が。やっぱり着ぐるみってすごい複雑な作業なんで。お面とか作ったりとかはできるんですけど。やる気が起きないんですね。着ぐるみ作るのは。それ、曲作るとかとはもう比じゃないってことなんですか?着ぐるみを作るって作業は。
まあ、そうですね。曲はすごい正直簡単だなって。ちょっと誰かトラックを作ってくれれば、アイデアは無限だけど。着ぐるみはすごい大変なことやってたんだなって、改めてうつ病になって思いますね。
はあ。なるほどな。気持ちとしては、その逮捕前のメンタル状況に戻したいですよね、なるべく。うーん。複雑ですね。仕事に対しての熱量がやっぱり変わってしまったので。不当逮捕があって、もしそういう逮捕がなかったら今もっと頑張ってたんだろうけど、今はそういう気持ちになかなかなれないので、お金とかクリエイティブの発表の場とか、それよりも根本的な自分の健康について見直そうかなって思ってます。
絶対そっちの方がいいですよ、その自分の心の健康を。そうですね。
それと本当に、あの裁判で結局東京都が33万円でしたっけ。たった33万円。え、別にそれ、お金が増えてたら別にいいのかって問題でもないけど、逆にそれでなんか一応解決だよねってされるのも、ちょっときついですよね。そうですね。70万ぐらい赤字になりましたよ。だから何をしてるんだろうって思いましたね。まあ、もちろんお金が重要じゃないんですけど、その行為を起こすこと自体がすごく大事なんですけど。
うん。いや、もちろんお金じゃないと分かりますけど、やんなくていい裁判のはずじゃないですか、本当は。そうなんですよ。そのやんなくていい裁判に勝つために、70万円追加でかけなきゃいけなかったっていうか。
だから今、オンラインでグッズとかを販売してて。ああ。裁判記録になった、その赤青紫が青に見えるみたいな時の写真もそのまんま使ってグッズ作ったりとかしてて、それをちょっと皆さんには買って欲しいですね。
あ、いや、載っけましょう。載っけてほしいです。概要欄に。BASEとかで売ってる?えっと、SUZURIって分かりますか?分かります。それで売ってます。あ、いいですね。在庫抱えなくていい。
そうなんですよ。だから今、それでサポートされることが正直すごい助かって。うん。私のグッズとかをやっぱり支援したいって人がいたら、買ってくれたら今後の糧になりますね。
え、国との裁判はこれから始まるんですか?もう始まってます。始まってる。2023年には始まってたはずです。同時進行でやって。なるほど。それも判決でもう1つ出るんですか?そのはずですね。勝てそうです?まあ、勝てますよね、普通に考えたら。
勝てなかったら。今やっぱり国民の民意が欲しくて、こう出演したりとか頑張ってるんですけど、やっぱりその国民というか、まあSNSの反応からしても「絶対青じゃん」みたいな感じにはなるので、勝てないとおかしいんじゃないかなって思いますね。うん。そうっすね。
まだ曲にはしてないですか?このこと自体は。うん。まあ、ちょいちょいそれを含めた歌詞が書かれた曲はありますね。うん。どっかでそれをメインテーマにした感じで曲にするんですか?まあ、したいですね。それが勝訴と同じタイミングでアップできたら1番いいんですけど、そんな器用なことができるかどうか。なんかただでさえうつ病なのに、なんでそんなブランディングのこと考えて、器用なこと考えなくちゃいけないんだろうとか思っちゃって。
うつとブランディング同時に考えるの難しそうですね。正直1番難しいですね。うつになったら1番考えちゃいけないことがブランディングだと思うので、正直。いや、でも「うつとブランディング」ってエッセイじゃないですか。めっちゃなんか、それあれなんじゃないですか?別に逮捕されなくても、アーティストってうつになる期間あるじゃないですか。あります。ありますね。だからそのためにで言ったら、なんていうか教材としてめっちゃ有益なんじゃないですか、それ?そうなんです。
中島の書籍を読んで、中島のあの文章を読んでたから、あ、これがうつだって気づけたんですよ。うん。だから、これがうつかもしれないって気づける何か、欲しいですよね。私が教材となってそういうことができたら。
まあ、なみちえさんだったら、文章だろうがラップだろうが面白く書けそうだから。それをやる気力が起きないっていうのが、うつなのかもしんないですけど。そう、それがうつですね。ああ、でもなんか曲はいっぱい聞きたいですけどね、なみちえさんの。そうですね。もっと出していきたいですね。
そっか。今なんか考えてる曲ないんですか?それこそ先ほど話してたような植民地主義的な視点の批判とか、まあ警察批判とか裁判とか、そういうことも一緒になった作品作れたらいいなって思ってます。今制作中?そうです。大体全部レコーディングが終わって、ミックス、マスタリングの段階。あ、もうレコーディング終わってるんですか。終わってます。でも、まあこんな感じで、もうすぐできるかなと。はい。いいですね。
はい。まだ28です?もう28ですよ。そっか。もう28って感覚が。でも10代からSNSで活動してたら、もうすげえ経ったなって感じですか。確かに休みがなかったか。
正直、留置所で思ったのは、留置所で布団で寝てる時に、こんな一瞬だけでも休めるの、ぐらい忙しかったんですよ、そもそも。逮捕されるまで。うん。そう。もう過労気味だったんですね、そもそも。そうですね。多分もううつ気味だったんじゃないかなみたいな。あ、そもそも。
気持ち的に、やっぱりそんなポジティブシンキングで明るいキャラクターではないので、私は。だから1つ1つのことで深く考えちゃう癖があるので。ほうほう。それでやっぱり過労気味だったところに不当逮捕があって、それで精神的に崩れてしまって、っていう感じですかね。
ああ、そうか。じゃあ、いきなりガンとよりは、ちょっと流れはあった。波はあったんじゃないか。そもそもが過労気味。やっぱり10代の頃から休みなく、芸大も現役合格で、首席で卒業したりとか、すごいスピーディに物事が来すぎてしまって。はい。はい。まあ、うつ気味だったんだろうなって思いますね。
ああ。さっき言ったその、アフリカの豊かな暮らし方みたいなのと、もう孤独な生活。そう、そう。それこそ私の心の貧しさが出ていたなって、当時は思いますね。ああ。
最近もガーナ行ったんですか?去年2ヶ月住んでました。どうでした?住むって。2ヶ月しか。大人になったから。普通に動物と甘えたり、子供と遊んだり。うん。うん。全然普通の生活してるだけですね、家族と。うん。うん。まあ、でもミュージックビデオ撮ったり、レコーディングしたり、人脈作ったり、仕事したりとか色々してたんですけど、まあ結構休めてた感じですかね。
ふーん。あ、そうだ、あのガーナのなんかEPみたいなの出してました?はい。あれガーナで全部録ったやつ。ああ、中だと「おろ」が一番好きですね。メロディ的にもというか、僕みたいな人間でも聞きやすいってか、なんか。嬉しいです。聞いてくれてたんですね。はい。めっちゃいい曲ですよね。あれもガーナのビートなんですか?全員ガーナ人です。へえ。なんか和風っぽくも聞こえる。なみちえさんが歌ってるからかな。
ああ、それもあると思う。特に「戦前」の時のトラックもガーナ人なんですけど、なんかちょっとメロディーラインが日本っぽいなと思って選んだりとかして。うん。やっぱり似てる、アジアとアフリカに似てる部分があるんじゃないかなって思いますね。うん。ああ。その、やっぱり西洋に支配される側だった歴史とか。
日本にもアフリカにも、ガーナにも言いたいのは、やっぱり支配されてなかった歴史を思い出してほしいなって思って。それを私は結構考えながら、うんうん、楽曲制作とかしてましたね。そのガーナっていうEPでも?うん。うん。うん。で、自分の国の独自性をもうちょっと大事にしなさいよっていう。そうですね。まあ、そのレイシャルプロファイリングの話にも続くと思います。
そこが改善できたら、レイシャルプロファイリングとか、なんか支配された、支配する側でなんとなくいるっていうことのおかしさを感じた方がいいっていう、そのポストコロニアリズムって考え方なんですけど。まあ、ここ400年、無意識に西洋化に飲まれてるじゃないですか、私たちって。日本人なのに洋服を着たりとか、なんとなく白人側の視点で歴史を学んだりとか。ネイティブアメリカンの視点で歴史を学ぶなんてこと、絶対ないじゃないですか。
常に侵略側の人の歴史で物を見ることを学んでると思うんですけど、それがやっぱり人格形成とか社会形成にすごい大きな弊害があると思ってて。やっぱりそこの部分が見直されることっていうのが、レイシャルプロファイリングをなくすことであったり、人種問題とかを解決するんじゃないかなって思いますね。
それって、その自分の人生のうちでどれぐらいまで改善できたらいいかなって思ってますか?完全になくなるとかって、ありえると思いますか?うーん。やっぱりそういうことをコンセプトにした曲を作っていけば、変わっていくと思うんですよ。まあ、私がやってることではあるんですけど。うん。まあ、完全には難しかったとしても、でもやっぱり国とかによってその柔軟性は違ったりするんで、自分が住む場所を変えたりすることもできるんで。うん。やっぱり日本が自分にとっては危険だなって思っちゃう原因ができた以上は、やっぱりいろんな国を転々として生きるのも楽しいんじゃないかなって。
そう、今じゃあ、いろんな国を転々として生きたいなっていう気持ちになってるんですか?そうなんですよ。だから去年も2ヶ月半ですけど。うん。ふん。なるべく年に何回かは外国に出るようにしたいなって、そういう生活を求めてますね。なるほどな。
悲しいことでもありますよね。一応地元なわけじゃないですか、なみちえさんからしたら日本って。そうです。そうです。地元ですね。でも地元の感覚ではないというか、心が浮いてしまってるみたいな、居場所がない感じはすごくありますね。日本ももちろんいいところですし、土地としてはすごいいい場所。温泉があったり、自然があったり、すごいいい場所だと思うんですけど、自分の心の問題とフィットするかって言うと、また別なので。じゃあ、当面の目標としては勝訴?
そうですね。人生の活動の一部となってしまってるので、裁判がまあとりあえず勝訴と、お金の負担が減れば。勝訴にも伴ってお金の負担が減れば、まあ決して別にお金持ちになりたいとかではなくて、お金の負担が減ればいいなっていうのと、精神の負担とか、メンタルが健康になればいいなって思ってますね。うん。
じゃあ、なみちえさん。はい。色々大変だと思いますが、頑張ってください。はい。頑張ります。はい。ありがとうございました。じゃあ、一応作ったら送りますんで。はい。分かりました。ありがとうございます。失礼します。はい。
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わりが生きて、小学生世界から歌れ
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