55億円で会社を売却した平井康博氏が、大阪の3x3女子プロバスケチームを支援する理由

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概要

会社を55億円で売却した平井康博氏が、今度は大阪で立ち上がった3x3の女子プロバスケットボールチームを支援する。M&A BANKのMC・島袋直樹氏は、大阪府守口市の体育館を訪ねた。この回では、平井氏がチームを支援する経緯、チームを率いる女性社長の考え、岡山でBリーグのチームを創業して売却した中島氏の経験、アンバサダーを務めるTKOの木本武宏氏の事業と騒動後の心境が語られた。

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前の会社で一度断念した「3x3女子プロチーム」

平井氏はバスケットボール一家の出身で、以前からバスケットに強い関心があったという。売却した前の会社ベルティスでは、岡山の5人制男子プロチーム「トライフープ」を創業時からスポンサーとして支えてきた。チームを作る段階で、創業者の中島氏と千葉の有名チームを2人で見に行った。そこで中島氏から「この規模で岡山でやりたい」と熱く語られ、少しでも応援させてほしいと申し出たのが始まりだったと平井氏は振り返る。

平井氏自身にもバスケに中心となって関わりたいという気持ちがあった。そこで当時、3人制の「3x3」の女子プロチームをベルティスとしてプロリーグに加盟させた。ところが加盟した直後にコロナ禍が始まり、活動を断念した。コロナが明ける頃には会社売却の準備に入っていたため、この構想はずっと心残りになっていたという。

TikTokでつながった女性社長と大阪での立ち上げ

構想が再び動き出したのは、今回チームの社長を務める女性と出会ってからだ。平井氏が「俺はこういうチームを昔作りたかったんだ」と話すと、社長も「私も作りたいです」と応じ、考えが一致した。

2人をつないだのはTikTokだった。社長がTikTokで配信をしていた「やっちゃん」に連絡を取り、やっちゃんのオフ会に平井氏も来ていたことから話が盛り上がった。やっちゃんによれば、TikTokがきっかけで始まった事業はほかにもいくつかあり、自身はその事業支援をしているという。

活動拠点は大阪に決めた。社長、中島氏、木本氏がいずれも大阪にいること、平井氏の地元・岡山は選手が集まりにくいなど不利な面があること、大阪にはまだ3x3のチームがないことが理由だと平井氏は説明した。

経営経験者で固めた体制

社長は元選手で、会社経営の経験はない。平井氏は、自分たちだけでプロチームの経営をするのは難しいと考え、男子プロチームを立ち上げた経験のある中島氏に協力を頼んだ。中島氏からは、M&Aを終えた今なら女子プロチームには関われるという返事があり、このメンバーが揃うならやろうと決まった。さらに、以前M&A BANKに出演したトヨタの元専務も顧問に入った。信用があり実績もあるメンバーを揃えたうえで、平井氏と長く親しい木本氏がアンバサダーを務める。

法人は、島袋氏と平井氏が2月にハワイで会った頃に設立の準備中で、今回ようやく立ち上がったという。平井氏がこの撮影の場を設けた理由は2つある。1つはチームを紹介すること。もう1つは、社長経験のない社長にいろいろな経営者と会って経営を学ぶ機会を作ることだ。平井氏は取締役として入り、株主にもなっている。スポンサーはまだ決まっておらず、集めるのはこれからだ。平井氏は「主役は社長と中島さん、木本さん」だとして、ここから話を3人に任せた。

社長が語るチーム設立の理由

社長は5人制のバスケをやっていたが、3x3を知って実際にプレーしてみると面白かった。自分のプレースタイルには3x3の方が合っていると感じたという。試合経験を積むためにプロチームに入りたいと考えたが、大阪にはチームがなかった。大阪には自分と同じ思いの人が必ずいるはずだと考え、まず大阪でチームを作ることにした。

もう1つの理由は、将来スポーツをする女子のためだ。社長によれば、3x3はまだ主流の競技ではなく、3x3だけでは生活できないのが現状だ。3x3だけでも食べていける世界にしたいという思いで、大阪でチームを作ったと語った。

「お金を出すだけでないスポンサー」を求める

平井氏がこの取り組みを面白いと考える理由の1つは、3x3がオリンピック競技になっていることだ。出演者たちはそれを「決まっている」と確認し合った。このタイミングで大阪に3x3チームが立ち上がり、これから生まれる物語を一番そばで見たいと平井氏は話した。

平井氏はスポンサーのあり方についても語った。経営者がお金を出す先はサッカーやバスケなどいろいろあるが、多くの経営者はそうしたスポンサー活動に少し飽きているのではないか、と平井氏は見る。このチームにはオリンピックがあり、地方創生にも関わる。それを一緒に盛り上げるのは楽しそうだという。お金を出すだけのスポンサーは多い。平井氏が来てほしいのは、ゼロからイチを作るミーティングにも無償で参加して意見を言うような、仲間に近いスポンサーだと語った。

社長も同じ考えを示した。チーム運営には体育館の確保などで多くのお金がかかるが、お金を出してもらうだけでは面白くない。スポーツの良さは感動を与えられることであり、勝っても負けても、試合の内容や選手たちの目標、オリンピックを目指す過程での頑張りを応援してくれる人にスポンサーになってほしいという。「ファミリー感」「仲間感」という言葉も出た。

島袋氏は、オリンピック出場が決まってから「俺も俺も」と集まるのではなく、体育館を借りるのも、ボール1個買うのも大変な今の段階から支援してほしいと付け加えた。中島氏は、高い目標を掲げるメンバーと一緒にチーム作りを楽しみたいと述べた。世界一を目指し、日本代表選手を出せるチームにしたいという。

これを受けて島袋氏は、ハワイでも伝えていたとおり「スポンサー1号をやります」と動画の中で宣言した。オリンピックに出るかもしれないチームを応援できるのはむしろありがたい、という理由だ。

木本氏のアンバサダーとしての役割

木本氏が一番やりたいのはメディアへの売り込みだという。後輩や知人がテレビ、ラジオ、YouTubeなどで番組を持っていれば、チームを一緒に出演させてもらえないか頼みたい。知り合いの経営者にも、スポンサーとして応援してもらえないかお願いに回るつもりだと語った。

チーム名は最後に発表された。「エンバークイーン」で、社長が名付けた。社長によれば、「エンバー」には燃え続ける火という意味がある。日本一や世界一を目指して向上心を持ち続け、そこに到達しても満足せず、さらに上を目指して燃え続けたいという思いを込めたという。「クイーン」は女子チームであることから、女性らしいしなやかさと本当の強さを見せたいという意味がある。「エンバー」の由来を聞いた木本氏が「それ俺に言うてんの?」と冗談を返し、場が和む一幕もあった。

3x3の見どころ

3x3を見たことがないという島袋氏の質問に、社長は試合展開の速さが一番の特徴だと答えた。ハーフコートで1つのリングを2チームが攻守を入れ替えながら使い、試合は10分1本勝負。競技時間がそもそも短い。3人対3人なので使えるスペースが広く、スピード感のあるドライブが5人制より多くなるという。

木本氏は、平井氏から出会った頃から聞いている話を紹介した。駆け引きや勝負をかけるタイミング、守りに入る場面などが分かるとバスケは非常に面白くなり、それを知った瞬間に最も面白いスポーツになるのだという。テレビを見ていても一般の人にはすぐには分からないが、見続けると分かってくるらしい。木本氏はそこをみんなで学びたいと話した。

バスケチームのM&Aはどう行われたか

M&A BANKらしく、話は中島氏の売却経験に移った。岡山のトライフープは現在B3に所属し、リーグ再編後の中位カテゴリーに昇格する予定だという。中島氏は元プロ選手で、薬剤師として働きながら岡山でバスケットを広げたいと考えていた。最初は選手を兼ねていた。数年前にチームを売却したが、現在も役員として運営に携わっている。売却の形態は株式譲渡だ。

チームを作ったきっかけは子どもたちの声だった。岡山でバスケットを教えていると、「なぜ岡山にはプロチームがないのか」「どうすればプロ選手になれるのか」と聞かれた。地元にプロチームがあれば子どもたちは具体的な夢や目標を持ちやすくなると考え、チームを作ったという。

プロチームは簡単に作れるのかという島袋氏の質問に、中島氏は条件を挙げた。まず許可を得る必要がある。各都道府県にチームが乱立してはいけないという事情もあり、岡山にはまだチームがなかったから設立できた。そして資金面の条件をクリアしなければ許可は下りない。中島氏の場合はバスケットボールスクールから始め、次に3人制のプロチームを作った。この基盤があったため、5人制にも移行しやすかったという。スポンサーは3人制のプロチーム時代にゼロから約40社まで増え、Bリーグ参入時には約70社になった。

プロチームを売却する難しさを一言で聞かれると、中島氏はチームの価値を何で判断するかが一番難しかったと答えた。島袋氏は、地域に根付いたスポーツを次に継承していくのは駅伝のようだと応じた。詳しい話は後日、酒を飲みながら聞きたいとして、この話題はここまでとなった。

木本氏の事業:個人事務所とレンタルスペース

島袋氏は木本氏にも事業の話を聞いた。木本氏は現在、個人事務所でタレント活動をしている。妹が代表を務め、マネージャーも兼ねているという。事務所を構えると出費ばかりになるが、物を置いたり打ち合わせをしたりする場所は必要だ。そこでレンタルスペースを借り、テレビやYouTubeの収録、イベントに貸し出している。自分でもイベントを開き、売上が立つ事務所にしようと「ヒーヒー言いながら」やっていると語った。

炎上との向き合い方:「賛否両論こそが一番強い」

島袋氏は、炎上で積み上げたものが一瞬で失われるリスクにどう向き合っているかを尋ねた。撮影前に、どこまで踏み込んで聞いてよいか確認したところ、木本氏は「全然ウェルカム」と答えていたという。

木本氏は、炎上したらその炎上にどう乗るかを考えるべきだと話した。騒動の後に仕事を再開するときは怖かったし、おどおどもした。モチベーションを取り戻すにも長い時間がかかった。転機になったのは、全国47都道府県を回るコントのツアーだった。そのツアーでメインスポンサーを務めた人物(文脈からは平井氏と読める)とは、ここから深い関係になったという。ツアーで木本氏はモチベーションを取り戻し、人前に立つことはやめられないと感じた。一方で、やるからには何とかしなければならず、今もまだ模索中だと語る。

批判されるリスクについては、お笑いである以上、それをどう笑いに変えるかを考えているという。今は批判されてもそれを取り上げて「もっと言うて」と返す。騒動で「ドM」になったのかもしれない、と木本氏は冗談交じりに話した。

木本氏がこの経験で気づいたのは、賛否両論こそが一番強いということだ。応援のコメントは大事だが、「何してんねん」「おもんないねん」という声も同じくらいの量がないと活動は盛り上がらない。騒動の前はできるだけ嫌われないように「いい子ちゃん」で話していたが、今はその意識が抜けた。前よりも自由に仕事ができて楽しいという。

相方・木下氏との関係の変化

騒動で何が一番つらかったかという質問に、木本氏はコンビ2人の経緯を話した。相方の木下隆行氏は、ペットボトルを投げた件がきっかけで事務所を離れた。木本氏によれば、それは最後のきっかけであり、木下氏自身もそう認めている。自分の投資トラブルも同じで、ニュースになったのは投資トラブルだけだが、仕事にもっと集中していればそうはならなかったと木本氏は振り返る。脇目を振ったのであり、原因は1つではなかったという。

実は、ペットボトルの件の直前が2人の関係が最も悪い時期だったと木本氏は明かした。コンビを組んで30年近くになり、良い時期と悪い時期の波がある。その当時は悪さのピークで、顔も見たくないとお互いに思っていた。そこへあの件が起き、相方を失った。いろいろ考えた末に木下氏とやりたいと思い、何とか事務所に戻そうとした。ところが2年後に今度は自分が騒動を起こし、事務所を出ることになった。「なんやこれ」という話だと木本氏は笑う。それでも、この経験で改めて絆を感じた。ネガティブなことよりも、相方の大切さと必要性に気づいたという。

木下氏も共通の知人に同じような話をしており、知人を通じてそれが木本氏に伝わった。今では2人で食事に行けるようになり、コンビを組んだ頃のような関係に戻っているという。撮影時点では、木下氏がタイ・バンコクで営むバー「オンエア」で5月28日・29日にライブを行う予定だった。久しぶりにネタを見せ合っており、楽しいと木本氏は話した。

島袋氏は、スポンサーになればこのメンバーで今のような話を酒を飲みながらできそうだと応じた。木本氏は「スイッチが入ると喋りすぎる」と釘を刺し、場は笑いに包まれた。

求めているのは「ファミリー」になれる支援者

最後に島袋氏は、バスケの話も雑談もみんなで囲んでできるような「ファミリー」ができてほしいと改めて述べ、エンバークイーンへのスポンサー参加を呼びかけた。お金だけでなく、一緒に盛り上げて楽しめる人に加わってほしいという、平井氏と社長が冒頭から繰り返してきた考えがここでもまとめとして示された。

撮影の後、出演者たちは実際にコートでバスケをした。木本氏と社長の1対1で、ずっとボールを見ているのかと聞かれた社長は、相手の動きも見ていると答えた。相手の動きからボールの行方を予測しに行くのだという。先に木本氏が語った「駆け引きが分かるとバスケは面白くなる」という話を、プレーで示す形で動画は終わった。