「逃がし場所」がない3LDKをどう片付けるか:古堅純子が語る、収納の中身から出す逆の手順

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概要

整理収納の専門家・古堅純子が、3LDKのマンションに4人で暮らす家庭を訪ねた回の第1話である。依頼者(番組内では「ママ」「奥さん」と呼ばれる)は、すでに大量の物を捨て、本やサイトで調べながら収納を工夫してきた。それでも家のあちこちに物がはみ出し、友人を招きたいリビングも散らかって見える。古堅は家全体を見て回り、この家の問題を「物を一時的に逃がす場所がないこと」だと指摘する。そのうえで、番組でいつも使う手順とは逆のやり方を提案する。第1話では、現状の確認、依頼者との話し合い、作業当日の方針決めまでが描かれ、実際の作業は次回以降に続く。

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家族構成と住まいの前提

家族は夫婦と子ども2人の4人で、ほかに猫を飼っている。上の子は中学1年生の男の子、下の子は小学1年生の女の子で、6歳離れている。古堅はこの年齢差を「一人っ子が一人ずついるような感じ」と表現した。猫は15歳の高齢で、長男よりも年上だという。ほとんど寝ていて動き回らないため、古堅は「猫がいる雰囲気はない」と感想を述べている。

この家に住み始めてまだ1年ほどで、前の家のほうが広かった。前の家で使っていた大きめの家具を持ち込んだため、部屋の広さに対して家具が大きい。依頼者は引っ越し時にかなり捨てたが、それでも「間に合っていない」と話している。

リビング:素敵な部屋だが、入りきらない物が出ている

最初に案内されたリビングダイニングキッチンについて、古堅は「素敵なんだけど、置いてある物が多いかしら」と評し、依頼者も「落ち着かない感じ」だと認めた。古堅は、そこに置くのが便利なら置いたままでもかまわないと前置きした。依頼者も、今の置き方は実際に便利だと答えている。ただし依頼者は友人を招きたいと考えていて、今のままでは散らかって見えるのが悩みだった。

古堅がまず確認したのは、リビングの物を移せる「逃がし場所」があるかどうかだった。依頼者によると、隣の部屋はリビングの物置ではなく普通の部屋で、すでにある程度は物を移しているが、それでもまだ出てしまっている。キッチンも食器と家電が多く、一見すると分からないが中は詰まっていて、収まりきらない物が外に出ている。古堅はこの時点で、「どこもかしこもいっぱいに入っている中で、入りきれない物が出てしまっている家」という印象を示した。

ピアノの部屋:将来の子ども部屋と、今の用途のずれ

リビング横の部屋には、ピアノとアンティークのソファーが置かれている。依頼者はこの部屋を、将来は下の娘の部屋にしたいと考えている。娘がピアノを習っているため、今は「ピアノの部屋」になっている。ソファーは前の家で使っていたもので、残しておきたいのでソファーベッドとして置いているという。家族が熱を出したときに一人で寝る部屋としても使っている。

古堅は、ここを娘の部屋にしたいという希望は理解したうえで、「ピアノとこのソファーが大きすぎる。それが問題」と指摘した。クローゼットには主に娘の服が入り、入りきらなかった親の服も収めている。奥行きはある程度あるが、手前と奥に分けて使えるほどではないため、せっかくの容量が「中途半端」になっていると古堅は見ている。

部屋の雰囲気について古堅は「大人な家」と言い、依頼者もそうしたかったと答えた。そのうえで古堅は、アンティーク調の家具とシルバニアファミリーのおもちゃが並ぶ様子を挙げ、理想と現実のギャップが大きいと笑いながら指摘している。

子どもたちはまだ両親と一緒に寝ているので、この部屋を娘が使うのは少し先になる。依頼者は、娘がもう少し大きくなって一人になりたいと言い出したときに使ってもらえればと考えている。長男がいずれ家を出れば、そちらの部屋を使う可能性もあるとも話した。古堅は「こればかりは分からない。まだ中1で義務教育中だから」と応じ、長男が少なくとも数年は家にいる前提で考えることになった。

長男の部屋:収納を増設し、それでも詰まっている

長男の部屋に入ると、古堅は入り口付近に物が置かれていることに気づいた。この家では全体的に「口のところに物を置いている」、つまり間口の狭いところに物がたまりやすいという。

この部屋は本来もっと広かったが、収納を増設したため部屋が狭くなっている。収納は大容量で、左右の2つに分かれている。片方には寝具と本が入っていて、バンカーズボックスに仕分けされていた。古堅は「意外と几帳面」と評価したが、雰囲気的にあまり動いていない物が多いとも感じた。依頼者によると、こちらにはスーツケースや、もう通っていない小学校の物などが入っている。掃除機もここで充電していて、使うたびにここから出す運用になっている。古堅は、出すのが大変そうで、この区画の稼働率は低いと見た。

もう片方の収納には子どもの服やアルバムなどが入っている。古堅が「整理収納が好きな感じ」と言うと、依頼者は「すごく苦手」だと答えた。本やサイトを見て試行錯誤した結果が今の状態だという。ただ、引っ越しのときに一気に詰め込んだので、きちんと片付いているかは自分でも分からない、とも話している。

夫婦の寝室:扉を開けると物がある

夫婦の寝室は、現在は親子3人で寝ている部屋だという。扉を開けると目の前に物がある。古堅は、この家は「いいところまで行っているのに、視界に物が入る」と繰り返し指摘した。

寝室の収納は左右で夫婦が分けている。左側が夫の分で、天井が高いため依頼者が棚を付けて上まで使えるようにしていた。中は「みっちり」で、ほとんどが夫の仕事関係の物だという。依頼者によれば、夫は何でもどんどん捨てるタイプである。右側は依頼者の分で、本人は「ぐちゃぐちゃ」だと言う。だいぶ減らしたものの、まだ多いと認めている。古堅は、ウォークインクローゼットのような収納がないので、この中でやりくりするしかないと理解を示した。そのうえで、問題は収納の中ではなく、そこからはみ出して各部屋に少しずつ出ている物だと整理した。

ベッドはシングルとセミダブルをつなげたもので、下が収納になっているが、そこもすでに埋まっている。古堅は、自分のYouTubeを見ている人はみんな埋めている、と冗談交じりに言い、そのうえで「埋めてもどうにもならない」状態だと受け止めた。子どもたちが一緒に寝るのはあと2〜3年、小学校高学年くらいまでだろうという見通しも共有された。

依頼者の希望:人を呼べるリビングと、子どもが暮らしやすい家

リビングに戻り、古堅は依頼者に要望を尋ねた。依頼者の理想は、友人に遊びに来てもらえるリビングダイニングにすることだった。今は物を捨てたり、譲ったり、売ったりして減らしている途中で、それがある程度片付けば自分でも片付けやすくなるだろうと考えている。

もう一つの希望は、子どもたちが過ごしやすい家にすることである。おもちゃが収まりきらず、本棚がないため本があちこちに出ている。子どもが取りやすく片付けやすい仕組みを作りたいが、その前に出ている物が多すぎて手を付けられない状態だった。

依頼者は親の介護も抱えている。家にいる時間は比較的あるものの、介護もあるからこそ自分の家もきちんと片付けたいと話した。ピアノの部屋のソファーベッドについては、夫はもう処分したほうがいいという意見だが、依頼者はもう少し置いておきたいと考えている。

「全部屋を生かすか、一部屋を犠牲にするか」

古堅はここで方針を二択で示した。すべての部屋を生かしたまま収納に物を埋めていくのか、それとも一部屋を犠牲にして残りの部屋を片付けるのか。古堅は「物の整理は後で勝手にやってくれ」というタイプだと自分を説明し、まずは片付いた部屋を作ることを重視する。ところがこの家には、見て回った限り犠牲にできそうなスペースが見当たらない。依頼者も、出た物は捨てていくしかないと感じていた。

作業時間は6時間しかない。古堅は優先順位を具体的に言ってほしいと求めた。依頼者は、いつ人が来てもいいリビングにするにはどこかに物を寄せるしかないが、その逃がし場所がないと答えた。古堅も同じ認識で、依頼者は自分でやれることはすでにやっており、ただ「詰めが甘いから出すぎている」と評した。

寄せる先の候補として依頼者が挙げたのは、長男の部屋の奥の収納である。引っ越し時に一気に詰め込んだ場所なので、うまく整理すればもう少し入るはずだという。上段に入れている寝具は今使っていて空いているので、その場所を活用できる。今後は布団を預けるクリーニングサービスを使うことも考えていた。依頼者はできるだけ収納の中に寄せたいが、ある程度外に出てしまうのは仕方ないとも考えている。

これに対し古堅は、下の子には申し訳ないが、どこかを犠牲にするならピアノの部屋しかないと述べた。この家での作業は「穴を掘る作業」、つまり収納の中に物を入れる余地を作る作業になると表現した。依頼者はピアノの部屋について、多少変わればよいという考えで、あとは自分で一か所ずつ手を付けていきたいと話した。

どれだけ手放せそうか、という見積もり

古堅は、長男の部屋と寝室左側の動いていない物をリビングに出したら、どのくらい手放せそうかと尋ねた。依頼者の見積もりは「3分の1くらい」だったが、それも難しいかもしれないと付け加えた。引っ越してきた当初はすごい量で、入りきらないので捨てに捨てて今の量になった経緯がある。

そこで古堅が示したのは、捨てる物と寄せる物のバランスをとる考え方だった。今日すぐに捨てられる物がないなら、いったんどこかに寄せるしかない。どうしても捨てられず取っておきたい物は収納に埋めてよい。ソファーのように最終的には手放すかもしれない物は、いったんピアノの部屋に寄せる。そうしないと、生活動線の上に物がある状態がずっと続く、というのが古堅の説明である。まず視界を一度クリアにして景色を変える、どこまでできるかは分からないがそれをやってみる、という方向で話がまとまった。

依頼者はさらに、売りたい物や譲りたい物は寝室の一角に集めて、そこから外に出していくつもりだと話した。

古堅が考える「この家が片付かない理由」

古堅の見立てでは、この家は物だまりさえなくなればそれなりに素敵な部屋になる。ところが物だまりがあちこちにあり、隠せないせいで、友人が来ても見られるのが嫌だと感じてしまう。家に余白がまったくない、というのが古堅の表現である。

さらに古堅は、片付けるべき物が各部屋に分散していることが、作業が進まない原因ではないかと推測した。少しやっては終わり、少しやっては終わりを繰り返し、どれも中途半端なまま止まっているように見えるという。そのため、ピアノの部屋が多少あふれることになっても、残りの3部屋から物だまりをなくしたいと古堅は考えた。一度ピアノの部屋に物を逃がせば、本当に娘の部屋にしたいと思っている依頼者はそこから頑張れるはずだ、というのが古堅の考えである。

古堅はまた、一人の力でできることには限りがあり、なかなか景色は変わらないとも述べた。一方で自分たちはこの家の物に思い入れがないので、6時間のうちにあちこちへ物を運ぶことはできる。最優先はリビングだが、キッチンは中がいっぱいで扱いが難しい。いろいろなことに中途半端に手を付けると、この家の今の状態と同じように中途半端に終わってしまう、と古堅は注意した。目に見える変化を出しつつ、依頼者が介護や猫の世話をしながら少しずつ改善を続けられる方向で、相談しながら進めることを約束した。

物の中身の確認:ソファー、書類、おもちゃ、雛人形

作業前には、個別の物についても確認があった。ソファーは捨てたくないが、新しいソファーを買ってしまったので、2つともリビングに置くことはできない。部屋の広さに対して家具の占める割合が大きく、あまり物を置けないという。寝室前の物だまりの代わりにソファーを動かす案も出たが、依頼者は難しいと答えた。この部屋は隔離部屋として活躍していて、年末年始にも家族が順番に体調を崩して使っていたからである。

何が多いのかという問いに、依頼者は特別に多い物があるわけではなく「何でも多い」と答え、例として服とストックを挙げた。本は半分ほど減らしたという。白いボックスの中身は書類で、ほかの場所には猫の餌やプリンターがある。子どものおもちゃは捨てられる物もありそうだという。子どもは習い事が多くて家にいる時間が短く、最近はゲームを始めたため、おもちゃにはあまり触らなくなった。古堅は、動いていない雰囲気があるので、稼働している物だけをそこに残し、それ以外をいったん寄せるだけでも景色は変わると説明した。

夫が取り組んでいる資格のテキストは定期的に送られてきて、どんどんたまっていく。壁に棚を付けてみたが、奥行きが浅くて物が入らなかった。高い収納には脚立を使わないと届かず、雛人形などあまり出さない物が入っている。依頼者はもう少し物を減らしたいと考えていて、書類の多い場所に本が入ればいいと思っている。書類はほとんど動いていない。古堅は、今後自分で整理を進めたいなら、整理しやすいコーナーを作るのも一つの手だと提案し、具体的には翌日相談しながら決めることになった。

作業当日:いつもとは逆の手順

翌朝、家族は学校と仕事に出かけ、依頼者は一人で作業に臨むことになった。改めて目標を聞かれると、依頼者はリビングで快適に過ごせるように視界に入る邪魔な物を見えなくしたいこと、家族が暮らしやすく、友人が遊びに来られる家にしたいことを挙げた。

古堅は、今でも十分できていて、依頼者はその次の段階に行きたいのだと受け止めた。前日に相棒のマナミとも話したが、よくやっているし収納も頑張っていると評価している。問題は、いろいろな場所に物が点在していることである。

そのため今回は、番組としては少し高度なことをしなければならないと古堅は説明した。いつもはまず部屋の景色から手を付け、ブルドーザーのように物を動かす。この家ではそれを逆にして、先に収納の中の物を出さないと、寄せることも埋めることもできないと判断した。古堅は「今日は1日バンカーズボックスと戦うことになる」と話し、依頼者も箱はたくさんあると認めた。荒療治になるが、いったん収納の中身をリビングに集め、それを埋めるか、寄せるか、隠すかを決めることで家の景色を変える、という方針である。依頼者も、自分一人では絶対にそこまではできないと同意した。

家族の協力について、古堅は本来は家族で協力してほしいと言う。夫は自分の物はかなり捨てていて、自分の収納の範囲でやりくりしている。そのうえで、依頼者の物に自分のスペースが侵食されるのが嫌なので捨ててほしい、という立場だという。依頼者もそれはやらなければと思っているが、時間がかかり、なかなか進められない。両親の介護があり、猫を病院に連れて行くこともあって、まとまった時間がとれないのが実情だった。

古堅は、日々の暮らしを続けながら家族が健全に暮らせるよう、この日1日で大改造すると宣言し、作業が始まった。

次回への問い

第1話は、寄せ部屋のないこの家がどう変わるのかという問いを残して終わる。収納の中身をいったん全部リビングに出す逆の手順でどこまで景色が変わるのか、ピアノの部屋をどこまで逃がし場所として使うのか、依頼者が作業後も介護や猫の世話と並行して片付けを続けられる形になるのか。その結果は次回以降に持ち越されている。