Googleはなぜ買収ではなく「引き抜き」を選んだのか:中島聡が語るWindsurf争奪戦とAI開発ツール市場
中島聡のLife is BeautifulGoogleが、AIコーディングツールを手がけるWindsurfからCEOと主要エンジニアを引き抜いた。その直後、残った会社をCognitionが買収した。この一連の出来事を、元Microsoftのソフトウェアエンジニアで現在は起業家の中島聡が、ChatGPTのインタビューに答える形で解説している。中島の関心は、個別の買収劇そのものよりも、その背景にある構造に向いている。ソフトウェア開発という分野で、AIによる働き方の変化がほかの業界より何年も早く進んでいる、という見方である。
インタビューの形式とニュースの概要
動画は、中島がChatGPTにインタビュアー役を頼む形で進む。ChatGPTはまずニュースを紹介する。GoogleがWindsurfからCEOを含むキーパーソンを引き抜き、その直後にCognitionという別の企業がWindsurfの残りの資産を買収した。ChatGPTはこれを「かなりドラマチックな展開」と呼び、AI開発業界の激しい競争を示す出来事だとまとめた。そのうえで、中島にこのニュースをどう受け止めたかを尋ねる。
買収ではなく「引き抜き」を選んだGoogle
中島がいちばん面白いと感じたのは、Googleが会社をまるごと買収しなかった点である。中島の見立てでは、Googleは本来Windsurfを完全に買収したかった。しかし実際に買収しようとすると、独占禁止法の審査に時間がかかるうえ、かなりの確率で認められない可能性がある。そこでGoogleは、CEOと技術、主要なエンジニアだけを引き抜き、その代わりに24億ドル(中島の換算では約3400億円)を支払った。中島はこれを、独禁法を避けるためだけに取った「ちょっと特殊な」やり方だと表現する。
このやり方で、Googleは欲しいものを手に入れた。さらに、買収と見られないように、技術はライセンス契約として扱い、しかも非独占的(ノンエクスクルーシブ)にした。このためWindsurf自身も他社も、その技術を引き続き使える形が残った。中島はこの点を後の展開につながる要素として挙げている。
残った会社に売上があったという特殊事情
中島によると、独禁法の問題で買収できないため、技術とエンジニアだけを引き抜いて金を渡す、という形の取引では、残った会社はそのまま消えていくケースが多い。ところがWindsurfの場合、残った会社にかなりの売上があった。中島は「どこかで見た」数字として年間売上80ミリオンドル以上、日本円で100何十億円という規模を挙げ、そのまま放置するにはあまりにももったいない会社だったと話す。
技術がライセンスとして残り、売上もある会社が手つかずで残った。そこにうまく合致したのがCognitionで、同社が残りを買収した。中島はこの流れを、独禁法があるから買収できないという今の時代特有の事情が「ちょっとしたツイスト」を生み、その結果として面白いことが起きたケース、と整理している。
なぜソフトウェア開発で変化が先に起きているのか
ChatGPTは次に、今回の動きがAI開発ツール業界全体にどう影響するのか、ほかの企業も同じような買収や提携を探るようになるのかを尋ねる。中島は、この一件だけで何かが大きく変わるとは思わないと答え、まず一歩引いた視点から話を始めた。
人間より賢いAIが登場したことで、人々の働き方は大きく変わると言われている。職を失う人がいる一方、AIツールを上手に使いこなす人は生産性が大きく上がる。ただ、世の中はそう簡単には変わらない。中島はそうした大きな変化には10年、15年かかると見ている。それでも、ソフトウェアエンジニアリング、とくにプログラミングに関しては、変化がものすごいスピードで起きているという。
中島はその理由をいくつか挙げる。第一に、ソフトウェアエンジニア自身がまさにソフトを使いこなす立場にいる。第二に、イノベーションの中心にある大規模言語モデル(LLM)は、もともと人間の自然言語を解釈・生成するために作られたものだが、プログラムを読む、バグを見つける、機能を追加する、ゼロから書くといった作業がLLMの設計とよく合っていた。第三に、OpenAI、Google、Anthropicといった最先端のモデル開発企業が、プログラミングを得意にするようモデルを育ててきた。GitHubなどインターネット上に学習データが大量にあることも、それを後押しした。第四に、エンジニアは新しい技術を取り入れることにあまり抵抗がない。
こうした事情が重なった結果、ほかの業界で今後10年、20年かけて起きるであろう働き方の変化が、ソフトウェア業界ではここ数カ月で一気に起きている、と中島は述べる。WindsurfのほかCursorやReplitなど、AIのコーディング能力を使った開発環境、ノーコード環境、いわゆるバイブコーディング環境がものすごい勢いで伸びているのはこのためだという。
月額20〜30ドルが「安い」と感じられる理由
中島がさらに面白い点として挙げるのは、こうしたツールがエンジニアの生産性を大きく引き上げているだけでなく、きちんと売上につながっていることだ。始まったばかりの会社が年間80ミリオンドルの売上を上げるのはすごいことだと中島は言う。ただ、エンジニアの立場から見れば不思議ではないともいう。自分の生産性が2倍、3倍になるのなら、月20ドルや30ドルを払うことは大したことではない。エンジニアを1人雇うことを考えれば、はるかに安い。
中島自身も、Cursor、Claude Code、それに時々OpenAIのCodexを使っていると話す。こうした理由から、エンジニアたちは喜んで月額課金を払う。市場が立ち上がったばかりにもかかわらず、しっかり売上が上がる良いビジネスモデルがすでにできている、というのが中島の評価である。ほかの分野でもAIが活躍する将来は見えているが、なかなか応用できていない。その中で、ソフトウェアエンジニアの領域だけはものすごい勢いで進歩している。今回の出来事はその表れだと中島は位置づけている。
買収合戦は続くと中島が見る理由
今後について、中島は「買収合戦は起こるんじゃないか」と予想する。ただし、WindsurfやCursor、Replitなどの創業者が必ずしも会社を売りたがっているわけではない、とも付け加える。良いものを作れば価値が生まれ、その先で買収なり上場なりのしっかりしたエグジットができればいい、と考えている。だから慌てて売ろうとしているとは思わない、という。
一方で、この市場が伸びることは確実で、開発者を支援する環境を持っておきたい企業は数多くある。中島は、今回技術とエンジニアを引き抜いたGoogleはもちろん、Microsoft、Oracle、Salesforce、それに「Amazonもそうかな」と名前を挙げる。これらの企業はAIを使ったエンジニア向け開発環境を自社でも作るし、MicrosoftはCopilotを作っている。しかし中島は、最新のものをきちんと作ることに関しては、小回りの利くベンチャー企業のほうが上手だと見る。フォーカスがはっきりしているからだ。
アメリカには、面白いアイデアがあると大企業から人が飛び出して外でやる傾向がある。そのためAIコーディングのベンチャーがいくつも立ち上がり、ものすごい盛り上がりになっている。今回の件で値段がついたこともあり、中島は「すでに買収交渉はガンガン起こってるんじゃないか」と推測する。例としてCursorを挙げ、買いたい会社もいれば、投資したい投資家もいるだろうと述べた。
投資家マネーとエグジットへの圧力
買収が進むと見るもう一つの理由として、中島は投資家の存在を挙げる。創業者の考え方はさまざまで、できるだけ会社を大きくして良いものを提供することだけを考える人もいれば、お金持ちになりたくてやっている人もいる。最終的に売るかどうかは本当に創業者の意思次第だという。
ただ、これだけ注目されると、まず投資家がどんどん資金を入れたがる。未上場なので正式な株価はないが、評価額(バリュエーション)が上がっていく。高くなった評価額でさらに投資家が入ってくると、投資額も大きくなる。すると創業者は、その投資家たちに報いなければならない状況に追い込まれる。その過程は大変だが、上場を目指すか、どこか大きな会社に買ってもらうかのどちらかで、エグジットへのプレッシャーが今とても高まっている、と中島は見る。会社を欲しがる側もいるので、いろいろな買収が起きるだろう、というのが中島の結論である。
エンジニアに求められるスキルは上流へ
ChatGPTは話を深め、AIコーディングツールの普及でソフトウェアエンジニアの役割やスキルセットがどう変わるかを尋ねた。中島は、すでに変わり始めていると答え、ソフトウェア開発にはいくつかのレイヤーがあると説明する。
いちばん上には、どんな価値を、どんなユーザーに提供したいのかという製品の設計やビジョンがある。その次に、その価値を提供するためにどんなアーキテクチャーで作るかという判断がある。クライアント側だけで作るのか、クライアント・サーバー構成にするのか、分散型にするのか。さらにどの言語で開発するのか、セキュリティをどうするのか。中島は、こうした大きな意味での製品設計やソフトウェアアーキテクチャーの部分は、「今の時点だけどね」と断りつつ、まだ人間の役割が重要で、AIには任せられないと述べる。
一方、実装の段階では事情が違う。中島のやり方では、アーキテクチャーを決めたらモジュールに分け、それぞれの役割とインターフェースを決める。その中を実装する作業は細かな手間はかかるが、それほど頭の良さを必要としない単純作業が多い。そうした仕事がAIに振られるようになっている。中島自身も、現在開発中のソフト「マルモキャスト」で、こうした「つまらない作業」はもう本当にAIにやってもらっているという。
中島は具体例も挙げている。ファイルシステムの中から特定の拡張子で終わるファイルだけを抜き出し、名前を変える、別の場所に移す、それぞれに何か処理をする、といったコードだ。プログラムを書く人なら誰でも5分、10分で書ける。しかし、バグがないようにし、ファイルが1つも見つからなかったときにもちゃんと動くようにするといった細かいところまで詰めると、意外と手間がかかる。今は条件を伝えて「こういうコードを書いて」と頼めばAIがさらっと書いてくれる。その意味でとても便利になった、と中島は言う。結果として、エンジニアに求められるスキルのレベルは少し上がり、アーキテクチャーや製品設計のほうへ移っている、というのが中島の見方である。
ジュニアエンジニアの仕事がなくなるという懸念
ただし中島には心配していることがある。これまで大学を出たばかりのエントリーレベルのエンジニア、いわゆるジュニアエンジニアに任されていた仕事がAIに移り、彼らの仕事がなくなりつつあるのは事実だという。中島は「つい先日もMicrosoftが9000人かな」と、人員削減のニュースにも触れた。
中島自身の開発でも、生産性は大きく上がっている。マルモキャストはかなり大きなソフトだが、ひと昔前なら20〜30人で作っていたような規模のものを、今は2〜3人で作れているという。その分、人は雇わない。とくにジュニアエンジニアが不要になっていることについて、中島は業界全体の問題として受け止めている。エンジニアをどう育てるのか、エンジニアがどう育っていくのか。そのキャリアパスの作り方が、ソフトウェアエンジニアの世界では厳しくなるのではないか、と懸念を示した。この問いに対する答えは、動画の中では示されていない。
バイブコーディングの使いどころ
最後に中島は、話題になっている「バイブコーディング」に触れた。これは中島自身のやり方とは違うという。「こんなのが欲しい」とAIに言ってコードを書かせ、そのコードをほとんど読まずに採用する。こんな機能が欲しい、あんな機能が欲しいと頼み、動けばそれで採用する。コードの品質にはあまりこだわらず、ある意味使い捨てくらいの気持ちでプログラムを書くスタイルで、面白いからみんながやっている、と中島は説明する。
中島は、この方法は最終製品を作るのには向いていないと言う。一方で、プロトタイプ作りにはとても良く、ユーザーにとってどんなUIやUXが良いのかを設計するのにも非常に役立つと評価する。先ほど話した、ゴリゴリとコードを書く部分よりも上のレベル、つまりどんな価値を提供するのかという最上位の設計を鍛えるには面白いツールだという。思いついたアイデアを素早くプロトタイプにし、実際に使ってもらえるかを試す。そうした製品設計のいちばん上の部分のトレーニングとして、学生がバイブコーディングに取り組むのは悪くないのではないか、と中島は考えている。
ChatGPTはこれを受けて、最終的な製品化の段階では高い品質と安定性が求められ、別のアプローチが必要になるかもしれないと補足した。そのうえで、まず自由な発想でどんどん試す姿勢がこれからの時代に重要になりそうだと応じ、インタビューを締めくくった。
話題になっているWindsurfの買収。Googleが本当はフルに買収したかったんだけど、実際に買収しようとすると、やっぱり独禁法の問題からかなりの確率でダメですよと言われる可能性があるから、テクノロジーとCEOと主要なエンジニアだけを引き抜く代わりに、2.4ビリオンを渡すと。
大体、残りの会社っていうのはそのまま消えていくケースが多いんだけど、Windsurfに関しては、残った会社に結構売上があるわけです。要はそこに技術と売上がある会社があるので、Cognitionっていう会社が買収した。
今後どうなるか。ここの市場が伸びることは確実なので、Googleはもちろんのこと、Microsoftもそうだし、あとはオラクルだったり、セールスフォースだったり、Amazonもそうかな。これから色々買収が起こるんじゃないかなとは思います。
今までだと、大学のエンジニア、エントリーレベルのエンジニアに投げられてた仕事がAIに行ってしまうので、ジュニアのエンジニアの仕事がなくなりつつあるっていうのは事実ですよね。つい先日もMicrosoftが9000人解雇したし。
こんにちは。中島です。今日は、話題になっているWindsurfの買収について、ChatGPTと話し合ってみようと思います。はい。じゃあインタビューを始めてください。
それではインタビューを始めましょう。本日のゲストは、元Microsoftのソフトウェアエンジニアであり、現在は起業家としても活躍されている中島聡さんです。中島さん、今日はよろしくお願いします。
まず最初に、先ほどのニュースについて簡単にご紹介しますね。GoogleがAIコーディングツールを手掛けるスタートアップのWindsurfから、CEOを含むキーパーソンを引き抜いた直後に、Cognitionという別の企業が残りのWindsurfの資産を買収するという、かなりドラマチックな展開がありました。この一連の動きは、AI開発業界の熾烈な競争を物語っているようですね。それでは、中島さん、このニュースについて、まずは中島さんの視点からどのように受け止められましたか?
そう、いくつかの観点で面白いなと思いましたが、どっから喋ろうかな。
一番面白いと思ったのは、やっぱりGoogleが本当はフルに買収したかったんだけど、実際に買収しようとすると、やっぱり独禁法の問題から、独禁法の審査があって時間がかかるし、かなりの確率でダメですよと言われる可能性があるから、テクノロジーとCEOと主要なエンジニアだけを引き抜く代わりに、2.4ビリオンを渡す。日本で言うと3400億円ぐらいかな、を渡すという、本当に独禁法を避けるためだけに、ちょっと特殊なことをやって。
Googleとしては得たいものは得た中で、Windsurfはそのまま。要は、この手のアクハイアとかよく言われるけど、独禁法で買収できないから、技術とエンジニアだけ引き抜くために金を渡しましたよっていうと、大体、残りの会社っていうのはそのまま消えていくケースが多いんだけど、Windsurfに関しては、残った会社に結構売上があるわけですよ。どっかで見たけど、年間売上80以上、100何十億円の売上がしっかりある会社なので、そのまましておくのはあまりにももったいないし、良い技術もあるので。
Googleも、要は買収と見られないようにするために、その技術の買収にせず、単にライセンス契約にして、ノンエクスクルーシブなので、他の会社も使える、Windsurfそのままも使えるというように残したために、要はそこに技術と売上がある会社があるので、ちょうどすごくマッチングするCognitionっていう会社が買収したっていうところが、すごく今の時代、要は基本的に独禁法があるから買収できないからっていう、ちょっとしたツイストが起こったせいで、面白いことが起こりましたよというケースですよね。
ここで一つ気になるのは、こうした動きが今後のAI開発ツール業界全体にどのような影響を与えるのかという点です。例えば、他のAIコーディングツールを手掛ける企業は、同様の買収や提携を模索するようになるのでしょうか。その辺り、中島さんはどうお考えになりますか?
うん。この件だけが何か大きく変えるとは思えないけど、そもそも一歩立ち返ってみると、要は人間よりも賢いAIが出たために、人々の働き方が大きく変わるでしょうと言われてるわけですよ。ある人は職を失うし、逆にAIツールを上手に使いこなす人はすごく生産性が上がるっていう時代が来ますよと。
そうは言っても、世の中ってそう簡単に変わらないので、多分、その大きな変化っていうのは10年とか15年とかかかって起こるんですが、ことソフトウェアエンジニア、プログラミングに関しては、ものすごいスピードで起こっちゃってるんです。それは、僕らソフトウェアエンジニアたちが、まさにソフトを使いこなす立場にいるっていうこともあるし。
それから、今のイノベーションの中心になってる大規模言語モデル、LLMが、元はと言えば人間の自然言語を解釈したり生成したりするのを上手に作られてたんだけど、実はLLMはプログラミングに関しても、要は人間が書いたプログラムを読んだり、そこからバグを見つけたり、そこに機能を付け加えたり、もしくはゼロからプログラムを書いたりっていうのが、非常に言語モデルの設計とマッチングしてるもんだから。
OpenAIとかGoogleとかAnthropicとかっていう、一番最先端の大規模言語モデルを作ってる会社が、とにかくコーディング、プログラミングに関しての学習データが、インターネットにはね、GitHubとかにいっぱいあるので、たくさん与えることによってプログラミングが得意なように育ててきたという経緯もあり、かつ僕らエンジニアなので、新しい技術を導入するのに、ある意味抵抗がない人たちなので。
ソフト業界が世界に先駆けて、要はこれから10年、20年経って起こるだろう働き方の変化が、ソフトには一気にここ数ヶ月で起こってるっていう状況があるので。その意味で、Windsurfもそうだし、あとCursorとかReplitとか、いくつかAIのコーディング能力を活用した開発環境とか、ノーコード環境とか、バイブコーディング環境とか言われてるけど、そういうものがものすごい勢いで伸びてる。
かつ面白いことに、それが実際に僕らソフトウェアエンジニアの生産性をすごく爆上げしている上に、売上もちゃんと上がってるんですよ。Windsurfの場合、本当に年間80ミリオンっていうね、まだ始まったばっかりの会社がそれだけの売上を上げるっていうのはすごいことだけど、僕らソフトウェアエンジニアからすると、要は自分の生産性が2倍。
僕の場合だと、今いくつこの手のAIに払ってるかなっていうと、すごいんだけど、Cursorを使って、Claude Codeを使い、あとたまにOpenAIのCodexも使ってるけど、そういうところに月々20ドル、30ドル払うことは大したことないわけですよ。エンジニアを一人雇うことを考えれば、はるかに安い。もしくは自分の生産性が2倍、3倍なんだったら安いので、みんな喜んでそういう月額課金に課金するわけですよ、エンジニアたちが。
なので、まだ市場として立ち上がったばっかりにもかかわらず、しっかり売上が上がる、いいビジネスモデルができている市場なのでね。その他のところでも当然AIが色々活躍する将来は見えてるんだけど、なかなか応用できてない中で、ソフトウェアエンジニアに関してだけは、そこがものすごい勢いで進歩しているので、こういうことが起こってますよっていうことですよね。
今後どうなるかっていうと、やっぱり僕は買収合戦は起こるんじゃないかなと。別にWindsurfにしろ、あとCursorとかね、Replitとか色んな会社があるけど、その人たちも必ずしも売りたいと思ってるというよりも、まずはいいものを作れば価値が生まれるので、そこで買収なり上場なりの、しっかりとしたエグジットができればいいと思ってるので、別に慌てて売ろうとしてるとは思わないけど、ここの市場が伸びることは確実なので。
将来的に言うと、やっぱりこういう開発者をサポートする環境みたいなものを持っておきたい会社、いっぱいあるわけですよ。今回、Windsurfからエンジニアと技術だけ引き抜いたGoogleはもちろんのこと、Microsoftもそうだし、あとはオラクルだったり、セールスフォースだったり、Amazonもそうかな。そういう企業が、そういう開発環境、要はエンジニア向けの開発環境にAIを使ったものを、自分たちでも作るしね。MicrosoftなんかCopilotとか作ってるけど。
でもやっぱり、こういう一番最新のものをピチッとやることに関しては、割と小回りの利くベンチャー企業の方が上手なんですよ。フォーカスもあるし。また、アメリカの場合、やっぱり面白いアイデアがあると、大きい企業から人が飛び出してきて外でやるっていう傾向があるので。
そういう意味で、すごい勢いでここは進歩しているので、今のところ、そういうAIベンチャーっていうかAIコーディングベンチャーがいくつも立ち上がって、ものすごい盛り上がり状況になっていると。今回、値段がついたこともあり、これからやっぱり買収交渉はガンガン起こってるんじゃないかな、すでに。例えばCursorとかに対して買いたいっていう会社がいて、当然だけど投資したいっていう投資家もいれば。
その中で、それは本当にファウンダーの意思なんだけど、要は自分としてできるだけ大きくしたい、いいものを提供したいことだけ考えてる人もいるし、それからやっぱりお金持ちになりたいからやってる人もいるし、色々なんだよね。
そんな中で、特にこれだけ注目されちゃうと、まず投資家がガンガンお金を入れたがる、入れてくるので、見かけ上の株価ね、まだ未上場だから正式な株価じゃないけど、そのバリュエーションが上がっていく中で、どんどん高くなったバリュエーションの中でさらに投資家が入ってくると、もうそうなるとエグジット。要は、投資する人もかなりの額を投資してくれるので、その人たちに恩返しをしなきゃいけない状況に、創業者たちは追い込まれていき、そのプロセスとしては大変だけど、上場を目指すか、もしくはどっか大きなところに買ってもらってエグジットするっていう。要はエグジットに対するプレッシャーが今すごく高まる状況だと思うので、かつ欲しがる人もいるっていうことで、色々買収が起こるんかなとは思いますよね。
ではここで一つ深掘りしたいんですが、こうしたAIコーディングツールの普及が進むことで、ソフトウェアエンジニアの役割や求められるスキルセットは、今後どのように変化していくとお考えですか?例えば、従来型のコーディングスキルに加えて、どのような新しいスキルやマインドセットが求められるようになるのでしょうか?
いい質問だね。もうすでに変わり始めてるけど、ソフトウェアって言っても色々なレイヤーがあって、そもそもどんな価値を世の中に提供したいのか、どんなユーザーに対して何を提供したいのかっていう、製品の設計だったりビジョンだったりっていう部分から、今度は、じゃあそういうある価値を提供するために、どんなアーキテクチャーで作るべきかね。クライアント側だけで作るのか、クライアントサーバーで作るのか、ディストリビューテッドで作るのかとか。あと、もうちょっと深く言うと、じゃあどんな言語で開発するんだとか、色々ある。あとセキュリティの問題とか。
そういう大きな意味での製品設計だったり、もしくはどうやって実装するかっていうソフトウェアアーキテクチャーの部分に関しては、まだまだ人間の果たす役割は重要で、今の時点だけどね。その辺はAIに任せられないので。
ただ、実際に実装を始めてくると、じゃあこのアーキテクチャーで行こうって言って、僕なんかだとやっぱりモジュールに分けて、それぞれのモジュールに役割を果たして、インターフェースを決めて。その中で実装する部分って、細かな手間はかかるんだけど、そんなに頭が良くなくてもいいというか、単純作業の部分が結構あるんですよ。
そういうのが、今までだと割と、要は大学出た、あまり経験の少ないエンジニアに仕事として与えられた。ジュニアエンジニア、もしくはエントリーレベルのエンジニアとか呼ぶけど、に与えられてた仕事が、今AIに振られるようになってますと。僕も今、MulmoCastっていうソフト作ってるけど、そういうつまらない作業は、もう本当にAIにやってもらってますよね。
つまらない作業って、結構似たようなコードで繰り返しになるものを何度も書かなきゃいけないっていうのはあるわけですよ。例えば、ほんのつまらない話だけど、ファイルシステムにあるファイルの中で、ある拡張子で終わる、エクステンションで終わるファイルだけ抜き出して、それを例えばリネームするとか、別の場所に動かすとか、それぞれに関して何か処理をするみたいなのって、別にプログラム書く人だったら誰でも書ける。書こうと思えば本当に5分、10分で書けるんだけど。
ただ、ちゃんとバグがないようにする。それから特殊な条件、例えば一個も見つからなかった場合、ちゃんと動くようにするとか、そういう細かなことをやっていくと、結構手間がかかるんだけど、それを今だとAIに、じゃあこういう条件でこういうコード書いてっていうと、さらっと書いてくれるので、その辺でものすごく便利になってます。
っていう意味で言うと、エンジニアに要求されるスキルのレベルは少し上がってる。どっちかっていうと、アーキテクチャーだったり製品設計の方に上がっている。
ただ、ちょっと一つ心配してるのは、今までだと大学出たてのエンジニア、エントリーレベルのエンジニアに投げられてた仕事がAIに行ってしまうので、そういうジュニアのエンジニアの仕事がなくなりつつあるっていうのは事実ですよね。つい先日もMicrosoftが9000人解雇したし。
僕自身も今、MulmoCastっていうソフト、結構大きいソフトだけど、もう本当に一昔前だったら20、30人で作ってたようなソフトを、今2人、3人ぐらいで作れているので、生産性は爆上がりしてる。でもその分、人は雇わない。特にジュニアのエンジニアが不要になってるっていう部分が、僕は結構、業界全体っていうか、要はどうやって育てるのか、もしくは育っていくのかっていう、キャリアパスの作り方がソフトウェアエンジニアだと厳しいんじゃないかなとは思ってます。
中島さんのお話を伺っていると、本当にこれからのエンジニアリングの世界は、ますます面白く、そしてチャレンジングになっていきそうですね。
そうですね。そういう意味で言うと、結構今話題になってるバイブコーディング。バイブコーディングっていうのは、ちょっと僕がやってることとは違って、要はこんなのが欲しいよってAIに言って、AIにコードを書かせて、そのコードをほとんど読みもせずに採用して、こんな機能が欲しい、こんな機能が欲しいって言って、動けばそれで採用しちゃうみたいな。あまりソフトウェアのコードそのもののクオリティにはこだわらずに、ある意味使い捨てぐらいの気持ちでプログラムを書くっていうスタイルが流行っているというか、話題になって面白いからみんなやってるんだけど。
確かにこれは、あまり最終製品を作る時に向いてる方法じゃないけど、プロトタイプを作るのにはすごくいいし、もしくは、例えばユーザーにとってどんなユーザー体験、UIとかUXとかがいいのかっていうのを設計するには非常にいいので。
さっき言ったような、ゴリゴリコードを書くっていうよりも、もうちょっと上位のレベルの、どんな価値を提供するんだっていう一番上の部分に関してのトレーニングには、割と面白いツールなので。学生さんなんかはバイブコーディングをやって、少なくとも素早く思いついたアイデアをプロトタイプにして形にする。それを使って、実際に使ってもらえるかどうかテストするとかっていう、一番上の部分のUXとか、そもそもの製品の設計の一番上の部分の設計ね、のトレーニングには、結構バイブコーディングが悪くないんじゃないかなと思ってますよね。はい。
確かにバイブコーディングのようなアプローチは、素早くアイデアを形にしてみる段階でとても有効ですよね。実際に手を動かしてプロトタイプを作ることで、ユーザー体験を具体的に検証できたり、あとフィードバックを素早く取り込んだりすることができるので、特にこれからエンジニアを目指す学生さんにとっては、とても魅力的な学びのツールになりそうですね。
最終的な製品化の段階では、当然高い品質や安定性が求められるので、また違ったアプローチが必要になるかもしれませんが、まずは自由な発想でどんどん試してみるという姿勢は、これからの時代にとても重要になっていきそうです。
中島さん、今回のお話を通じて、AIとエンジニアリングの未来、そして新しい学び方や働き方について、たくさんの示唆をいただきました。本当にありがとうございました。
とんでもないです。ありがとうございました。では、YouTubeをご覧の皆さんに、締めの言葉をお願いします。
それではYouTubeをご覧の皆さん、本日は最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。これからも、こうした最新のテクノロジーや業界のトレンドについて、皆さんと一緒に学び、考えていけたらと思います。ぜひチャンネル登録やコメントもお待ちしていますので、これからもよろしくお願いします。それではまた次回お会いしましょう。
はい。で。
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