7年分の段ボールが積まれた3LDK 意見の食い違う夫婦に古堅純子が示した「場所の分け方」

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概要

整理収納の専門家・古堅純子が、3LDKのマンションに2人で暮らす夫婦を訪ねた回である。夫は「雑然としたのが嫌なので全部処分したい」と言い、妻は「自分で確認してから決めたい」と言う。2人の話がかみ合わず、古堅は「どこを目指せばいいのか分からない」と漏らす。今回は作業に入る前の家の見学と作戦会議までを扱い、古堅は物を大きく減らすことよりも、置き場所の分け方と夫婦間の約束で折り合いをつける方向を探っていく。

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7年間、減らなかった物

夫婦はこのマンションに7年ほど住んでいる。先に引っ越してきたのは夫で、妻が前に住んでいた部屋は夫いわく「ゴミ屋敷みたい」なほど物が多かった。夫は妻に、本棚や箪笥は持ってこないよう伝えたが、妻は家具を置いてきた代わりに中身を持ち込んだ。何年も読んでいない本が段ボール箱からあふれている状態だったという。

夫は整理の時間として半年から1年ほど猶予を与えたと話すが、妻は結局手をつけなかった。ようやく落ち着いたと思った2年ほど前に妻の弟が亡くなり、その遺品が家に運び込まれて、再び収拾がつかなくなった。夫は遺品を全部処分してほしいと伝えたが、妻は全部持ってきた。

妻は「自分で確認してからやりたい」と言い、夫は「確認する時間が何十年あっても多分確認しないと思うので、見ずに捨ててほしい」と返す。古堅は夫の気持ちも分かるとしたうえで、この番組は「捨てなくていい」という方針なのに、なぜ自分を呼んだのかと笑いながら突っ込んでいる。

リビング:直前に布をかぶせた「物」

リビングには物が寄せられ、布がかぶせてあった。来訪直前にかぶせたものだという。2人とも普段は職場に出勤しているが、ときどきオンラインで仕事をすることがあり、その際はこの山から道具を取り出してリビングで使っている。リビングにある物は妻の物が多いことも本人が認めた。夫にとってはこの山が目障りだということで、古堅はリビングの悩みを把握したうえで他の部屋へ移る。

洗濯物干し場になっている部屋とソファの扱い

リビングの隣の部屋は、夫が「クローゼットは絶対に触るな」と言っている部屋で、夫のスーツなどが入っている。もともとは夫が寝室として使っていた。現在はマンションの大規模修繕でバルコニーが使えないため、一時的に洗濯物を干す場所にもなっている。部屋の用途について夫婦の説明がそれぞれ違い、古堅は「夫婦が言ってることがバラバラ」と笑う。

この部屋にはソファが置かれている。夫はリビングのソファを捨て、こちらのソファを出して使えばいいと考えているが、妻は嫌がる。理由は「だらしない格好ができなくなるから」。普段この部屋のソファは使っていないが、妻は一人になりたいときのコーナーとして使いたいと言う。夫は「そんなコーナーはあまりいらない」と言い、古堅は「どうしたいのかさっぱりわからない」と漏らした。

クローゼットの中はパンパンではなく、夫のスーツが「よく着るもの」と「あまり着ないもの」に分かれていた。夫はこの部屋を、散らかっている物を収めた衣装部屋として使いたいと話す。窓際に置かれた妻の物干しのような道具も、どちらかにまとめたいという。部屋にある箪笥は妻の物である。

古堅は、2人暮らしで部屋が3つあるなら、1つを物の部屋にして残りを個室にする形がとれると整理した。夫婦もそれが理想だと同意する。妻は、机のある部屋を仕事やオンラインのための場所にしたいと希望した。

廊下と収納:動線上にある動かない物

廊下の動線上には本棚があり、飲み物と食べ物と本が混ざって置かれていた。物が迷子になり、家の中に点々と散らばるという。古堅はこの家には本棚が足りないのだろうと見つつ、それ以上に配置の問題を指摘する。最もよく通る場所にあまり動かない物があると、よく使う物が外にあふれてしまうという。

古堅はさらに、夫婦がそもそもしまい切れないほどの物を持っていると率直に述べた。そのうえで、夫は理想が高く景色の悪さを気にするが、妻は意外と面倒くさがりなので、「面倒くさがりには面倒くさがりなりの、隠す穴を掘っておかないと」と話す。扉の中は余裕を持って隠せる場所にしておくべきだという考えである。

洗面所の収納かと思った場所は大半が紙袋で埋まっており、古堅は「もったいない」と言う。掃除道具を入れている収納は立派な扉があるものの棚がなく、コンセントもない。脚立が最も取り出しやすい高さの「ゴールデンゾーン」に置かれていて、古堅は「こんな家はこの家しかない」と驚いた。収納の見直しと物の位置の見直しが必要だというのが、ここでの見立てである。

寝室:片付け本で片付かなくなる

寝室は比較的シンプルだった。古堅の10年以上前の著書も置かれており、妻は前日に読んでいたという。古堅は「あまり売れてない」本だと笑う。夫は、妻がそうした本を全部取っておくことを指摘し、古堅は片付け本もあるのかと驚きつつ、「片付け本で片付かなくなってる」と話した。

寝室にも動線上に段ボールがあった。まとまっている段ボールは、来訪前に散らかった物をまとめて隠したものだった。寝室のクローゼットは妻が使ってよいことになっているが、使いこなせていない。夫によれば、このクローゼットは隣の部屋のものより広く、妻に譲ったのに古着が詰まったままで、新しい服はどんどん床に散らばっていくという。夫はここに収めてほしいと言う。

古堅は、妻には「しまう」という概念がおそらくないと見る。これだけの服があるのにハンガーがわずかしかないのはおかしい、ハンガーにかけることや畳んでしまうことが苦手なのではないか、だから散らかるのだろう、と指摘した。散らかった物は夫が段ボールに詰めて倉庫などに運んでしまうという。

物を買い足して増やしているのかという問いのやり取りを経て、古堅は妻が意外と物に執着していないのではないかと推測した。妻自身は、自分で決めて自分で捨てるならいいが、知らない間に捨てられたくない、と話す。古堅は、7年間見てきて捨てない人だと分かったから、夫は仕方なく自分で捨てるしかないと考えているのかもしれない、と夫の側に立った見方も示した。そして、捨てられたくないなら物を増やしてはいけない、その約束をしてもらわないとやりにくいと念を押す。目指す場所が定まっていないから物が増え、散らかるのであって、夫婦と自分の3人で話し合わなければ変わらないというのが古堅の考えである。

「カオスの部屋」:入ることもできない

最後の部屋は、夫婦が「カオスの部屋」と呼ぶ、家の混乱が集約された部屋だった。扉を開けた時点で段ボールが積み重なり、古堅は「これ以上入れないんじゃないか」と言う。夫が箱を捨てたいと言うと妻に止められるため、中身の入っていない箱も含めて残っている。

夫の説明では、7年前は窓側に段ボールが2列ほどある程度だった。そこに妻の荷物がどさっと入り、少しずつ消化していったと思ったところで遺品が大量に来た。加えて、夫自身が昨年まで単身赴任をしており、その間の荷物もこの部屋に収め、少しずつ処分しているところだという。夫は、全部が妻の物ではないと認めている。古堅は、この部屋はどこよりも「エネルギーがやばい」と評し、結局中には入れなかった。

作戦会議:夫の希望

見学後、古堅は2人に、希望を同時に言わず1人ずつ話すよう求めた。

夫の希望は、服が散乱しないこと、窓際に物が散乱しないことだった。妻は服を脱ぎっぱなしにし、持ち帰った書類をそこにどさっと置いて放置する。この日は来訪に備えて必死にどけたという。リビングの後ろ側に置かれた荷物も部屋を狭くしている要因なので、なくしたいと言う。古堅も実際に座ってみて、物の圧迫感がすごいと同意した。古堅は夫の希望を、リビングダイニングを静かで美しい景色の中で暮らせる場所にしたいということだとまとめている。

夫はさらに不満を続けた。3年以上動いていない物は絶対に使わない。置き場所を決めても新しい物を買ってきて古い物が奥へ追いやられ、見つからずにまた新しい物を買い、古い物は捨てずに残る。洗面所の周りには脱ぎ捨てた服が押し込まれているのがいつもの風景だという。段ボールを開封しても置けるスペースに対して物が多すぎ、箪笥があるのに時代遅れのデザインのものや擦り切れたものまで取っておいている。自分が靴下などの付箋を貼ったのに、いつの間にか中身が詰め込まれてカオスな箪笥になった、と話し、「もう私は疲れてしまいました」と言った。

妻が「自分も片付けていないじゃん」と返すと、夫は、職場の物をそこに放置したことはなく、クローゼットにしまえる量しか持ってきていないと反論した。帰宅時の荷物置き場は別の部屋にあってもいいと思う、とも話している。

作戦会議:妻の希望

妻は、物の置き場所が決まれば片付けられると話した。カラーボックスを買おうとしたら夫に止められたこともあり、今ある物でやりくりするにはもう分からないという。クローゼットなどの収納の使い方が分からず、ちゃんと戻す場所が決まればいいと考えている。たとえばコーヒーメーカーも、2人がそれぞれ別の場所に戻してしまい、「あれがない、これがない」となるのがしんどいという。

そのうえで妻は、何もないリビングでいいとしつつ、まだ捨てたくない物を置いておける場所や、オンラインのときに集中できる部屋がほしいと希望した。

古堅の提案:減らすより、持ち込まない約束

古堅は、初対面ながら言わせてもらうと前置きしたうえで、夫が望むような妻になるのはなかなか難しいと述べた。7年間減らなかった物が1日で減るとは思えず、確認作業には時間がかかるが、作業時間は5〜6時間しかない。そこでまずはリビングの景色を変えて落ち着いて過ごせるようにし、別の部屋で帰宅時の物をいったん受け止められるようにして、リビングダイニングに物を持ち込まない仕組みを作ると提案した。

ただし、その後の約束がなければ癖はなかなか直らない。妻が服はここ、物はあちらと置き場所を決め、リビングには私物を持ち込まないと約束することが条件だとし、夫婦はそれを受け入れた。よく使う物は手前にあってもいいが、動いていない物は壁際や奥にあってもいいとし、そこなら本が山積みでも並んでいてもかまわないという。一方で、今の物の量に対して入れ物が絶対的に少なすぎる点は、今後のアドバイスとして扱うことにした。

古堅は、夫婦が仲良く平和に暮らしてほしいと話し、そのためには歩み寄りが必要で、相手が嫌だと言っていることはしてはいけないと言う。妻に対しては、面倒くさい気持ちは分かる、自分も家庭を持っていなければそこら辺に物を置いても気にならなかったかもしれないが、家庭では示しがつかない、と語りかけた。「戻して」と言っている最中に自分の物を置けば、相手からも自分の物が多いと言われてしまうからだ。どれだけこの日に動かしても、後から「約束したのにできていない」となるのが目に見えているのがいちばん嫌だとも話している。

部屋を夫と妻で分けるのか、仕事用と衣類用で分けるのかは2人が決めることだとし、まずは段ボールを潰してスペースを作っていくことを確認した。

部屋割りの方向性:寝室を小さい部屋へ

作業開始の掛け声のあと、古堅は部屋割りをさらに詰めた。話を聞く限り物の絶対量は妻の方が多い。夫と妻の物が同じ部屋でいいのかと古堅が尋ねると、夫は半分ずつ分けるなら構わないと答えた。妻の物があること自体が嫌なのではなく、それがだんだん崩れていくのが見えるのが嫌なのだという。

古堅はリビングダイニングを「公共の場所」とし、私物を置かないことをこの日絶対に決めようと言う。寝室は寝るだけならそれほど広さはいらない。現在洗濯物を干している部屋は一番狭いが、修繕工事が終わっても洗濯物は外に干したいという夫の意向を踏まえ、衣類の置き場が近くにあるのは便利なので、夫の着替え部屋兼洗濯部屋にするのがよいと提案した。古堅は、夫はそれくらいで足りるのだろうと見ている。

そのうえで、今は一番広い部屋が寝室になっているが、物が多い家なので寝室を狭い方へ移し、広い部屋を物と書斎のための部屋にする案を示した。ベッドが入るかという問いに古堅は「入る」と答え、本とベッドしかない寝室になっても、寝るだけならそれでいいのではないかと言う。そうすれば妻の服や物が1か所にまとまり、寝室が散らかることもなくなる。古堅は、夫は自分の行く先々で妻の物が目に入るのがおそらく嫌なのだと推測し、そうならない配置を目指すと話した。夫婦はこの案に賛成し、方向性が見えたところで作業の準備に入る。夫婦が協力して作業できるのかは、次回に持ち越された。