岡田斗司夫が語る『無職転生』ザノバ編 フィギュア談義の名場面と、原作屈指のビターな物語
岡田斗司夫『無職転生』で岡田斗司夫が一番好きなキャラクターは、主人公のルーデウスでもエリスでもなく、シーロン王国の第三王子ザノバ・シーロンだという。この動画は、2021年2月7日配信のゼミ会員限定部分の一部を無料公開したものと、その後に加えた「アップグレード」解説でできている。前半ではザノバが人形の魅力を熱弁する場面を紹介する。後半では、原作第19巻にあたる「ザノバ編」をシリーズの最高傑作と考える理由を、一部ネタバレを含めて語っている。
ザノバが好きすぎてロキシーのフィギュアを買った
岡田によれば、ザノバは背だけがやたらと高く、顔立ちも「脇役丸出し」のキャラクターだ。それでもエピソードが好きすぎて、普段なら絶対に買わない美少女フィギュアを買ってしまったという。それがロキシーのフィギュアである。
ただし、ロキシーが好きで買ったわけではないと岡田は強調する。本人の言い方では、これは「ザノバ推しグッズ」だ。作中でザノバがこの人形を手に入れて熱く語る場面に「その通りだ」と共感したので、小説に登場する「ザノバが憧れたフィギュア」を再現した商品を買った。岡田は、ザノバの憧れはロキシーという人物に向いているのではなく、このフィギュアそのものに向いていると指摘する。
「首取り王子」という異様な出自
ザノバは別名「首取り王子」と呼ばれる。生まれつき呪いによる怪力を持っているためだ。子どもの頃、生まれたばかりの末の弟の首を引き抜いて殺してしまった。のちに他国の王女を妻に迎えたときも、初夜に首を引き抜いてしまい、ベッドは血まみれになった。
それでもザノバ本人に悪気はまったくない、と岡田は説明する。自分が悪いと考えるより、「なぜ周りのものはこんなに簡単に壊れるのか」と驚いているだけなのだという。岡田は、このザノバが話を追うごとにどんどん面白いキャラクターになっていくと語る。そしてこの王子は、とんでもないフィギュアファンでもある。
ルーデウスの土魔法フィギュアが金貨1枚で売れるまで
この世界にも人形はあるが、フィギュアと呼べるものではない。ルーデウスは前世でコトブキヤのフィギュアが大好きだった。岡田は、作中にそうは書かれていないが明らかにそうだと見ている。ルーデウスはその種のフィギュアを土魔法で作ろうとする。魔法でおおよその形を作り、型で模様を入れ、さらに魔法で精密に仕上げる。こうして家庭教師だったロキシーの人形を完成させる。
出来があまりに良かったので、この世界でも通用するか試しに売りに行ったところ、金貨1枚で買い取られた。岡田はこれを「10万円ぐらい」の大金と換算している。ルーデウスはまた作れるからと喜んで手放したが、その人形が巡り巡ってザノバの手に渡り、ザノバはこれに夢中になる。
「このフィギュアはマントが外れるのだ」
やがてルーデウスは、捕虜となっていた頃のザノバに会いに行く。ザノバはルーデウスの出身地を聞き、この人形を作った人物を知らないかと尋ねて人形を見せる。驚くルーデウスに、ザノバは「分かるか、お前にもこの素晴らしさが」と、延々とフィギュアの魅力を語り始める。
岡田はその中身を詳しく紹介する。ロキシーの人形は魔法の杖を持ち、長いマントのようなローブを羽織って、左手を後ろに引き、右手を前に突き出したポーズをとっている。ところがザノバは「見てみろ、このフィギュアはマントが外れるのだ」と言う。コトブキヤ風のフィギュアなので、マントを外すとパンツだけを履いた姿になり、左手で胸を隠している。
ザノバの熱弁はさらに続く。マントを着けているときは後ろに引いた左手が見えている。それなのに、なぜ外すと左手が胸の前にあるのか。驚いたことにこのフィギュアには左手が2本あるのだ、とザノバは言う。マントを着けた状態では、フィギュアは戦っている姿に見え、顔は勇気に満ちて力強く見える。マントを外すと、外側の左腕はマントと一緒に外れ、内側には胸を隠す精巧な腕だけが残る。だから同じ顔が恥じらっているように見えるのではないか。ザノバはこう熱く語り続ける。岡田は読んでいる間ずっと笑っていて、「面白ぇ」と思ったという。
「ほくろ」をめぐる師弟関係の成立
ルーデウスは思わず「あなたはまだまだだ」と口にする。ザノバは手の近くにあったほくろを、邪魔だと思って削り取ってしまっていた。ルーデウスは、なぜそんな場所にほくろを描かなければならなかったか分かるか、と問いかける。
ここで岡田は、ルーデウスが頭の中で考えていたことを説明する。この世界にはまだR指定も青少年健全育成条例もない。裸でもかまわないのに、あえて胸を隠す。そして隠しきれなかった位置にほくろを見せることで、その下に乳首があると想像させる。そうすることでエロさがかえって強まる、という理屈だ。これを聞いたザノバは、自分はまだまだ愚かだったと言い、五体投地のような土下座をして弟子入りを願い出る。岡田はこの場面を「本当にくだらない」と言いながら、めちゃくちゃ面白いと評価している。
フィギュアの魅力を言語化した場面として
岡田がこの場面を高く評価するのは、なぜ自分たちがフィギュアを面白いと思うのか、「これはいい」と感じるのはなぜかを、きちんと言語化しているからだ。アニメでもここまでやってほしいと岡田は述べる。アニメ版では第8話あたりでルーデウスがロキシー人形を作っていて、その人形が例のポーズをとっている。シーロン王国へ渡ったような描写もあるので、後で出てくるだろうと岡田は見ている。
岡田はさらに、フィギュアを作ってこの世界にその魅力を広めるという話は、一見すると横道に見えるが、アニメ第8話・第9話に登場するルイジェルドとの約束の伏線にもなっていると指摘する。そのうえで、ザノバが自分の国へ帰る回、つまりザノバ編が今のところ最高傑作だと述べ、会員限定部分の無料公開はここで終わる。
第19巻「ザノバ編」 オタクの戯画に別の光を当てる
アップグレード部分では、岡田がザノバ編を最高傑作と考える理由をさらに詳しく語る。ザノバ編は原作小説の単行本第19巻を丸ごと1冊使ったエピソードである。
ザノバは人形を愛し、人形の良さを理解してくれる仲間や、一緒に人形を作ってくれる師匠をものすごく大事にする。一方で、それ以外には何の興味も示さない極端な性格の持ち主だ。岡田はこれを、自分たちのようなオタクという人種をカリカチュアしたキャラクターだと見ている。そのオタク気質と正反対なのが、呪いによる並外れた腕力である。このアンバランスさが特徴で、ザノバはルーデウスの愉快な仲間の一人として描かれてきた。
ザノバ編ではこれが一転する。愉快なフィギュア馬鹿に見えたザノバの負の一面、悲しい一面が語られる。王族の一人として生きなければならなかったこと、自分が呪われた存在であることなどだ。馬鹿みたいに明るいキャラクターの暗く悲しい側面を描き、一人の人物にいろいろな方向からライトを当てる。岡田はそこにザノバ編の魅力があると語る。この部分はネタバレを避けて話している、と本人も断っている。
なろう連載の中で「対象年齢が上」の話ができた理由
岡田がザノバ編を最高傑作とする理由はほかにもある。他のエピソードと比べて明らかに対象年齢が上で、全体的にかなりビターな話になっている点だ。
岡田の説明では、「小説家になろう」では、少しでも鬱展開になったり、主人公の気分が落ち込んだり、面白くない展開が続いたりすると、あっという間にランキングが落ちて読まれなくなる。どれほどの人気作でも、話がだるくなれば読者はどんどん離れていく。作者も本当はそれを望んでいたわけではないだろう、と岡田は推測する。『無職転生』は実際に人気最高のまま最終回まで走り切った作品だ。岡田は、その人気の頂点にあった物語の中盤だったからこそ、このエピソードを書けたのだろうと見ている。そして、大人向けの小説でもなかなかやらないことをやっていると評価する。
「努力が報われる話」から「マイナスで終わる話」へ
岡田によれば、それまでの『無職転生』の各エピソードは、基本的にビルドゥングスロマン、つまり青少年向けの教養小説だった。努力が報われる話である。犠牲や取り返しのつかない失敗もあったが、それはその後の大きな成功のための前振りだった。プラスもマイナスもあるが、まとめればプラスになる。これまでのエピソードはそういう構造だったという。
ザノバ編はマイナスで終わるエピソードだと岡田は言う。ここから岡田はネタバレを予告して内容に踏み込む。ルーデウスは親友ザノバを助けるため、ザノバの故郷シーロン王国へ応援に駆けつけ、めちゃくちゃ頑張る。ここまではいつもの『無職転生』と同じだ。ところがその努力はすべて徒労に終わる。しかも戦いに負けたから無駄になるのではない。戦いにはきちんと勝ち、勝ったうえで努力が無駄になる。そこがきついと岡田は語る。
魔法があるから戦争は20世紀型になる
シーロン王国でルーデウスが関わるのは、それまでのような一対一の戦いではない。正々堂々か卑怯かという違いはあっても、個人の戦闘とはまったく違う、戦争である。
岡田は、この世界には攻撃魔法があるので、戦争のやり方は第一次世界大戦以降の現代の戦場とあまり変わらないと説明する。第一次大戦で大量破壊兵器・大量殺人兵器が登場する前は、英雄が武勇を誇り、負けた側は負けを認めてぞろぞろ引き上げる、という戦いだった。それ以後は違う。負傷者、生涯残る傷を負った者、死者、戦場のトラウマを抱えた者を何万、何十万と出しながら、互いに戦争をやめられない。岡田はこれを20世紀の戦争と呼び、ザノバ編の戦争はそれと同じだという。空から榴弾や迫撃砲がいつ降ってくるか分からない地獄のような戦場が、魔法によって展開されるのである。
ルーデウスは戦友ザノバを救うため、シーロン王国の人々を助けようと、正義のためにその戦場へ向かう。その結果、圧倒的な魔法の力で殺戮、大量殺人に加担してしまう。周りは勝利を喜ぶ。ルーデウス自身も理性では、やるべきことをやっただけだ、自分がやらなくても誰かがやった、自分がやらなければ逆にシーロンの多くの人が殺されていたはずだ、と考えようとする。それでも、敵兵とはいえ多くの人を殺したことで、少しずつ心のバランスを失っていく。岡田はこの展開を「ベトナム戦争もの」のようだと表現している。
誤解による死と、苦い教訓だけが残る
岡田はもう一つの筋にも触れる。ルーデウスが一方的な思い込みから、ある人物を悪人だと誤解してしまう話だ。その誤解が原因で、その人物は命を落とす。その死と引き換えにルーデウスが得たものは苦い教訓だけで、救いのない話でもあると岡田は語る。ネタバレはここまでだと断ったうえで、鬱展開とまでは言わないが、かなりビターな話だと改めてまとめている。
「無職転生らしくない」という声と、それでも最高傑作とする理由
岡田は、この話は作者にとってもかなりの挑戦だったはずだと見ている。いつもの『無職転生』のような、楽しく爽快でためになるライトノベルとは少し違うエピソードになっているからだ。そのため、ザノバ編は無職転生らしくないからいまいちだという読者もいる。
それでも岡田は、ザノバ編の完成度はシリーズ全体の中で頭一つ抜けていると評価する。さらに、このエピソードがあるからこそ『無職転生』という作品全体のバランスが取れている、というのが岡田の考えだ。ザノバ編のアニメ化にも期待しているが、実現は「2029年ぐらい」、つまり3年後ぐらいになるのではないかと岡田は見積もっている。
こんばんはです。今回もですね、ゼミの生配信が終わった後のですね、無職転生の時間なんですけども、今日はですね、無職転生の中で1番好きなキャラクターですね。僕が1番好きなキャラクターについて語った動画です。
まあ、こんばんは。岡田斗司夫ゼミです、の一応言っときましょうか。無職転生という作品内でですね、僕が1番気に入ってるキャラ誰かって言うとですね、ルーデウスでもなければ、エリスでもないんですね。ザノバなんですよ。ザノバ・シーロンというですね、まあ背だけがやたら高いですね。どちらかというと顔もまあなんて言うかな、脇役丸出しのですね、うらでかみたいなキャラなんですけども。
どれぐらい好きかと言うとですね、このザノバのエピソードが好きすぎて、普段だったら絶対に買わない美少女フィギュア買ってしまったんですね。このですね、ロキシーフィギュアです。このロキシーのフィギュアですね、僕は実はこのロキシーが好きだから買ったんではないんですよ。ザノバ推しグッズなんですよ。
ザノバがですね、これを手に入れたことによってですね、熱く語るシーンが好きすぎて、ザノバその通りだと思ったからですね、全くですね、その小説の中のロキシーを再現したですね。それもなんだろう。ザノバが憧れたフィギュアとしてですね、これ人物に対する憧れじゃないんですよ。ザノバはですね、このフィギュアが好きなんですよね。小説の中にもフィギュアが登場するんですけど、今回の動画はですね、そのザノバについて話します。
今回ですね、2021年2月7日に配信した岡田斗司夫ゼミ第381回のですね、会員限定なんですね、会員限定の一部をですね、特別に無料公開します。動画が終わった後もですね、追加のアップグレード情報あるので楽しみにしてください。それではここから無料動画スタートです。
あと、原作でね、俺1番楽しかったのがシーロン王国っていうです。王国の第3王子のザノバっていうキャラクターが出てくるんですよ。ザノバというのは別名、首取り王子って言われて、なんで首取り王子かって言うと、この王子さんはですね、生まれついて怪力の持ち主、呪いがかかって怪力なんですよ。力がすごい強いんですよ。
で、なんかね、子供の頃にまた1番下の子供ができるんですね。で、生まれたばかりの弟の首を引っこ抜いてしまうんです。殺してしまうんです。で、もう血まみれにしてしまう。で、後にですね、初めて、よその国の王女様をですね、嫁にもらうんですけど、その嫁さんもですね、初夜の夜にですね、首を引っこ抜いてしまうんですね。なんでこんなに簡単に壊れるんだって言いながらですね、やっぱベッドは血まみれなんですけども、でも悪気は全然ないんですよ。悪気は全然なくて、自分のせいっていうよりはなんで周りのものはこんなに壊れやすいんだっていうですね、なんかこうびっくりした感じだけを思ってるんですね。
で、このザノバがどんどん面白いキャラになってくんですけど、このザノバ王子ですね、とんでもないフィギュアファンなんすよ。で、この世界にもね、人形あるんですけども、人形なんですよ。で、ルディ、主人公はですね、前世にいた時はですね、コトブキヤのフィギュアですね、書いてないんですけど、明らかにコトブキヤのフィギュアが大好きでですね、そういうコトブキヤのフィギュアみたいなものをですね、土魔法で作ろうとするんですね。
で、土魔法でどんどん大体の形を作った上で、型で模様を入れるとか、さらにそれをもっと魔法で精密に作るというのをやってですね。まあ、なんだろうな。ロキシーちゃん、家庭教師のロキシーの人形を作ることに成功するんです。で、あまりに出来が良かったので、これこの世界でも通用するかなと思って思わず売りに行ったら金貨1枚っていう割とね、大金、10万円ぐらいで買ってくれたんで嬉しくて売ってしまったと。まあ、また作れるからいいやと思う。それが回り回ってそのザノバ王子が手に入れることになるんですけども、まあそれで夢中になるんですね。
で、そのルディがですね、なんかこう捕虜で捕まってる時にザノバ王子に会いに行って、「お前はどこそこの出身だそうだ。ではこのフィギュアを作った人を何か知らないか」とかこういう風に言って見せるんですね。で、ルディがびっくりして、「おお、それは」って言ったら、「分かるか、お前にもこのフィギュアの素晴らしさが」って言ってですね。延々フィギュアの素晴らしさを説明するんですよ。
で、ちょっとここからフィギュアの話しますけど、そのフィギュアっていうのが、まあロキシーが魔法の杖を持って、で、魔法使いのローブですね、長いマントみたいで、えいってこうやってるんですよ。で、左手はですね、こう後ろへ引いて右手でえいってやってるフィギュアなんですよ。
ところが「見てみろ。このフィギュアはマントが外れるのだ」って言ってです。コトブキヤのフィギュアだからマントを外すとですね、ロキシー人形はですね、パンツだけは履いてるんですけどもですね、こう素っ裸でですね、で、おっぱいをですね、左手で隠してるんですね。「しかしなんでここに左手で隠れてると思う? マントのところには後ろに持ってる手があるではないか。なんと驚いたことにこのフィギュアには左手が2つあるのだ」って。
「で、このマントを被せた時は、フィギュアというのはあくまで戦っている顔に見える。その彼女の顔は勇気がある顔に見える。そして力強く見える。しかしマントを外してみろ。なんと彼女は恥じらってるように見える。そして、この外の左腕はマントと共に外れて、内側にはこの精巧に作られたおっぱいを隠す腕だけがある。だから彼女は恥じらったように見えるのではないか」という風にですね、延々熱く語るんです。
で、もう僕これ読んだ時はずっと笑っててですね。面白えって思ってて、で、ルディはついつい「あなたはまだまだ」って言ってて、「で、この手の近くにあるほ、消してしまいましたね」「ほ、なんだそれは? いや、確かにここになんかみたいなのがあった。邪魔だと思って私は削って消してしまったが、それが何がいけないのか」「ふふふ。なぜそんなところにほを描かねばいけなかったのか分かりますか?」「ああっ」ってザノバ王子が驚くんですね。
そうだ。この世界にはまだR指定とか、なんか青少年健全育成条例というのがない。だから素っ裸でもいいんだけども、そうではなくあえて胸を隠して、そして隠しきれなかったほを見せることで乳首があるんだという風なことを想像させることで、さらにエロが強まるっていう風にですね、主人公が頭の中で考えてると、ザノバが「余はまだまだ愚かだった」って言って、五体投地みたいな土下座して「どうぞ私を弟子に」っていうですね、もう本当にくだらないシーンがあるんですけど、めちゃくちゃ面白いですよ。
なんでしょう。なんで僕らがそのフィギュアを面白く思うのかとか、うわ、これいいわっていうのをちゃんとね、言語化してるんですよね。ここまでもアニメやってほしい。もうね、ちゃんとね、アニメのね、第8話ぐらいでですね、なんだろうな。ロキシー人形作ってるんですね。ロキシー人形、例のポーズ取ってるから。で、ちゃんとね、なんか、それはシーロン王国へ行ったような感じになってるからですね、後で出てくると思うんですけども。いやあ。
で、これね、このフィギュアを作るっていうのが横道に見えるんですけど、このフィギュアを作って、この世界でそのフィギュアの魅力を広めるっていうのは第8話、第9話であるルイジェルドっていうキャラクターとの伏線にもなっているんですね。そこで約束をするの伏線にもなってるとですね。で、このザノバが自分の国に帰る回っていうのは、僕はもう本当にザノバ編は今んとこ最高傑作だと思うんですけども。
はい、お疲れ様でした。今日の無料動画ここまでです。動画の最後にですね、少し話した原作の無職転生の中で最高傑作のエピソードはザノバ編だっていう話をですね、もう少し詳しく話したいと思います。
ザノバ編っていうのはですね、原作小説の単行本の、まあ第19巻1冊をですね、まるまる1冊かけて語られるエピソードなんですけども、ザノバ王子は動画の中で話した通りですね、人形が好きなんですね。人形が大好きで、自分の愛する美しい人形とかですね、人形の良さを理解してくれる仲間とかですね、人形とかを一緒に作ってくれる師匠に対しては、まあものすごい熱心でですね、大事にするんですけど、それ以外にはですね、何にも興味がないという極端な性格のキャラクターなんですね。つまりその僕らのようなオタクという人種をですね、なんて言うかな、まあカリカチュアしたようなキャラクターなんですけども。
そんなオタクな性格とはですね、正反対のですね、ものすごく腕力が強いという能力。これもまあ呪いの神子としての能力があるんですね。このアンバランスさがですね、特徴の、まあ主人公ルーデウスのですね、愉快な仲間の1人なんですけども、ところがですね、このザノバ編のエピソードというのはですね、これが一転して、愉快なフィギュアバカに見えたザノバのですね、負の一面ですね、悲しい一面。王族の1人として生きなければいけなかった。でも自分は呪われた存在であるとか、そういう風なことが語られるんですね。
で、このようにですね、ザノバというですね、バカみたいに明るいキャラクターの暗く悲しい場面を描くというか、側面を描くですね。1人のキャラクターをいろんな方向からライト当てて照らすというのがザノバ編の魅力にもなるんです。ちょっとね、この辺はネタバレしないように今語ってます。
で、ただこのザノバ編がですね、最高傑作であると僕が言う理由はそれだけではなくて、そのザノバ編ね、他のエピソードに比べて明らかにね、対象年齢が上なんですね。全体的にかなりビターな話になってる。
これはね、小説家になろうというサイトでですね、原作小説が掲載された時に、あれ、なろうというところはですね、ちょっとでも鬱展開というかですね、主人公の気分が落ち込んだりですね、あと面白くない展開になるとあっという間に順位が落ちていって誰も読んでくれなくなるんですね。すごい人気作品であってもなんかお話がですね、ちょっともうだるい部分になっちゃうとどんどん客が離れていってしまうんで、本当はそんなこと作者もですね、望んでるわけではない。人気最高のまま最終回まで突っ走りたいわけですからね。
現に人気最高のまま最終回まで突っ走った作品なんですけど、そのですね、ちょうど真ん中あたりの19巻だからできたというのもあるんだと思います。この話本当にね、ちょっと大人向け小説でもなかなかやらないことやってるんですけどもですね。
で、これまでのですね、無職転生のエピソードって基本的にですね、ビルドゥングスロマン、つまり青少年向けのですね、教養小説なんですね。努力が報われる話なんですよ。犠牲とかもですね、取り返しのつかない失敗もあったけども、それはその後の大きな成功をするための振りであってですね、プラスもマイナスもあったけども全部まとめたらプラスになるというのがこれまでのエピソードだったんですね。ところがザノバ編というのはですね、ちょっとそれがですね、マイナスで終わるエピソードなんですね。
ちょっとここからネタバレになりますので、ネタバレ嫌いな人はですね、注意してください。ここからしばらくこれ解除するまで見ないでください。大丈夫ですね。はい、行きます。
主人公のね、ルーデウスっていうのは親友であるザノバを助けるために、まあ彼の故郷にまでですね、王国ですね、応援に駆けつけるんですね。そこでザノバのためにめちゃくちゃ頑張るんですよ。まあこれまでの無職転生と同じですね。ところがそのルーデウスの努力はですね、全て、まあ徒労に終わるというかですね、それも戦いに負けたから無駄になるんではなくてですね、戦いにはちゃんと勝つんですけども、勝った上で、まあ無駄だったところがきついんですよね。
ルーデウスがですね、ザノバのですね、故郷シーロン王国で行うのはですね、これまでみたいな1対1の戦いとかね、まあ正々堂々とか卑怯とかいうのがあるにしてもですね、個人の戦闘ではなくてですね、戦争なんですね。
で、無職転生の世界にはですね、攻撃魔法というのがあるからですね、戦争のやり方がその第一次大戦以降の現代の戦場とあんまり変わらないんですね。つまり大量破壊兵器、大量殺人兵器が出てきた第一次世界大戦からですね、戦争はそれまでの、英雄が出てきて自分の武勇を誇ってですね、で、負けた側はまあこうなったら負けを認めるしかないかって言ってぞろぞろ引き上げる戦いではなくてですね、第一次大戦のようにですね、大量にですね、怪我人とかですね、まあ障害の傷を残したりですね、死んでしまったり、もしくは戦場トラウマになったりした人を何万人、何十万人と出しながらお互いに戦争がやめられない状態。これが20世紀の戦争なんですけどもですね、その戦争と同じなんですね。空からですね、榴弾とか迫撃砲がいつ降ってくるのかわかんないようなですね、地獄のような戦場が魔法によってですね、展開されるわけです。
で、ルーデウスはですね、戦友であるザノバをですね、救うためにですね、ザノバの故郷の国ですね、シーロン王国の人々を助けるんですよね。まあ正義のためにそんな地獄のような戦場に向かってですね、その結果ですね、圧倒的な魔法の力によってですね、殺戮ですね、大量殺人に加担してしまうわけですね。戦争ですから。
で、周りのみんなはですね、戦争に勝ったことを喜んでるし、ルーデウスも理性ではですね、やるべきことをやっただけとか、僕がやらなくても誰かがやって、僕がやらなかったら逆に言えばそのシーロンの多くの人たちがこんなに殺されたはずだという風に考えようとするんですけども、敵兵とはいえですね、多くの人を殺したことで少しずつ心のバランスをですね、失っていくんですよ。で、そういうですね、ベトナム戦争物みたいな、なんか話になっちゃうんですね。
で、この他にもですね、その一方的な思い込みによってとある人物を悪人であると誤解してしまうという話もあるんですけども、この誤解によってその人は命を落とすことになってしまうんですけども、その彼の死の代償としてルーデウスが得たのはですね、苦い教訓だけというですね、そういう、まあなんか救いのない話でもあります。ネタバレここまでですね。はい。もう大丈夫です。
まあ、こんな風にですね、鬱展開とまでは行かないんですけど、かなりビターな話なんですね。で、作者としても割とね、挑戦だったはずなんですよね。で、そんな挑戦の甲斐あってですね、いつもの無職転生のようなですね、楽しくて爽快でためになるライトノベルというのとはですね、ちょっと違うエピソードになってます。なのでザノバ編はですね、無職転生っぽくないからいまいちっていう人もいるんですけども、僕はこのザノバ編の完成度はシリーズ全体の中で頭1つ抜けてるし、これがあるからその無職転生という作品でバランス取れてると思うんですね。
ということでですね、ザノバ編のアニメ化も期待してるんですけども、まあ2029年ぐらいなんでしょうかね。3年後ぐらいだと思います。いつもならですね、ここから有料ですとなるんですけども、今日の動画はここまでです。また来週も日曜日のこの時間に無職転生の動画を公開するので楽しみにしてください。それではまた来週。バイバイ。
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