鹿児島レブナイズのオーナーが仕掛ける「食」の事業:サラダボウル店、和牛バーガー、そして茶業界の誕生会

YouTubeで開く ↗
概要

M&A BANKのMCである島袋直樹氏が、株式会社Wiz代表の山崎俊氏の依頼を受けて鹿児島を訪ねた回である。山崎氏はプロバスケットボールチーム「鹿児島レブナイズ」のオーナーを務めており、今回は大型スポンサーとして「鹿児島を盛り上げてほしい」と番組に依頼した。島袋氏は、山崎氏が鹿児島出身でないにもかかわらず地元企業に深く入り込んでいる点に注目し、山崎氏が関わる店舗や人脈を順に訪ねていく。取り上げられたのは、住宅街のサラダボウル店「VEGE&me」、鹿児島黒毛和牛を使うハンバーガー店「にくと、パン。」、山崎氏の鹿児島での取り組み、そして鹿児島の茶業界を代表する経営者の誕生会である。

15分で読めます

住宅街の一方通行の道で月商300万円

最初の訪問先はサラダボウルのフランチャイズ「VEGE&me」だ。島袋氏によれば、この店は2坪か3坪ほどの広さで月商300万円ほどを売るという。店舗は鹿児島市内の大通りから入った住宅街にあり、前の道は一方通行である。島袋氏は到着前、「ここに人が来るのか、さすがに無理だろう」と思っていたと話すが、雨の中で見ていた5分ほどの間に2人の客が来たという。

VEGE&meの代表によると、フランチャイズ展開は昨年から始めたばかりで、現在は湘南藤沢、川崎、名古屋、熊本、鹿児島の5店舗である。ちょうど1年前にYouTubeで取り上げられ、その動画が約400万回再生されたことで、フランチャイズの問い合わせが一気に増えたという。代表自身も「まだ初期のフェーズ」だと認めている。

家賃は駐車場込みで5万円程度だという。飲食の先輩から見れば考えられないような立地だと代表自身も話す。この場所を選んだのは縁によるもので、大家がこの建物をつくる際に最初に入居した。代表はもともと野菜の卸売りを本業にしており、こうした店をやりたいと考えていた。ただ飲食は未経験だったため、怖がりながら小さく出してみたところ、それがバズったという経緯である。

350gの野菜で一食になるサラダ

商品は、サラダボウルに約350gの野菜を入れた、1杯でお腹を満たせるサラダだ。代表は主な客層を30〜40代の女性と説明した。おすすめは「セゴドン」で、焼き芋やローストポークなど鹿児島産の食材を使い、ドレッシングも桜島小みかんのドレッシングにして鹿児島らしさを出している。島袋氏は食べて「めっちゃ野菜」と言い、ドレッシングの味と野菜の新鮮さを評価した。ダイエット向きでありながら満足感がある、という感想もスタッフとの会話で出ている。

運営は基本的に2人で、夕方のピーク時は3人になる。営業時間は10時から19時で、日曜日は休む。住宅地やオフィス街から少し離れた立地のため日曜の売上が意外と落ちること、アルバイトも日曜に休みたがることが理由だという。

客が語ったサブスクの使い方

この店の特徴がはっきり見えたのは、来店客へのインタビューだった。宮里かほさんはサブスクリプションに加入しており、月1万4,040円で、約25日の営業日に毎日利用できるという。1食あたり500〜600円程度になる計算で、島袋氏は「それ安いね」と反応した。

宮里さんはジムに関わる仕事をしているようで、ジムの間でもこの店は評判になっていると話す。どのメニューもヘルシーで、上にタンパク質がしっかり乗っていること、体づくりには食事が一番大事で自分も客にそう勧めていることを挙げた。島袋氏が「コンビニでもいいのでは」と聞くと、コンビニの食品は脂質や揚げ物、塩分が多く、このサラダの方が「よりクリーン」だと答えている。

店のスタッフにも聞くと、意外と男性客が多く、仕事終わりに夕食として買っていく人がいるという。サブスクの利用者もたくさんいて、店が混むほどだという。島袋氏はこのやりとりについて、社長がつくったコメントよりも客のリアルな声が聞きたかったと述べ、「もう社長の説明はいらない」と語った。フランチャイズはまだこれからの段階で、資料では伝わらないから実際に店舗に来てほしい、というのが島袋氏のまとめである。

山崎氏はなぜ鹿児島に賭けるのか

移動の合間に、島袋氏は山崎氏に、縁もゆかりもない鹿児島にベットする理由を尋ねた。山崎氏の答えは短い。レブナイズを任されて、いい街だと感じ、貢献したいと思っている、というものだった。

島袋氏は、自分は別の会社で別のチームのスポンサーもしているのに、なぜかレブナイズのメンバーの方が自分を覚えてくれている、と話した。試合に両親も呼んでもらい、その場に市長もいたため、自分が市長と話す姿を見た父親が感動していたというエピソードも紹介している。

「にくと、パン。」:黒毛和牛の一頭買いから生まれたハンバーガー

2軒目は、鹿児島の黒毛和牛を使う和牛バーガー店「にくと、パン。」である。山崎氏はこの会社に一部出資しており、会社が大きくなる手伝いをしたいと話す。有名店かと問われると、「有名かはわからないけど、有名にしていきたい」と答えた。

運営する株式会社1129の代表(字幕上は「大隣」と名乗る)によると、同社は2019年創業で、黒毛和牛を一頭買いし、その牛を世界に届けることを目標にしている。「にくと、パン。」「肉と石焼き」「肉屋」という肉シリーズを展開し、その中心がこのハンバーガー店だという。翌週には横浜・赤レンガ倉庫で開かれる、代表いわく日本最大のハンバーガー大会に3年連続で出場する予定で、仕込みの最中だった。フランチャイズは国内で4店舗ある。

店舗は10月にこの場所へ移転し、それから半年ほど、朝と夜のバーガー食べ放題を始めている。客が自分でパンを選んで焼き、7種類のタレをベースにバーガーをつくる形式だ。夜はカレーや牛丼も付く。朝の人気が高く、仕事前に食べ放題を利用する人が多いという。一番人気はスマッシュバーガーで、次がテリヤキ。裏人気はタコス和牛バーガーだという。

店名を名乗らなくてよいフランチャイズ

代表が説明したフランチャイズの仕組みは、一般的な形とは異なる。加盟店は「にくと、パン。」の名前を使わず、自分で店名を付けてよい。パンとパティ、タレのベースは本部のものを使う決まりだが、野菜は自由で、地元の食材を入れたオリジナルバーガーを追加でつくることもできる。味のクオリティは本部がチェックする。好調なのは山梨の店舗で、かなり売れているという。出店エリアは、先に加盟した店との競合範囲を相談して決める。

島袋氏はこれを聞き、すでに別の飲食店やカフェを営んでいて、バーガーをやりたいがノウハウがない人にも向いていると指摘した。代表も、むしろそちらの方が合っているかもしれないと応じている。

パティは挽きの粗さを3段階で変えており、スマッシュバーガーには最も粗い挽きを使う。加盟店が独自の挽き具合を依頼することもでき、焼いた状態で送ることも、卵を入れないパティにすることもできる。脂の配合もオーナーの好みに合わせられるという。

鹿児島のセントラルキッチンで作る理由と、料金設定の悩み

代表はパティを鹿児島で製造し、冷凍して送るセントラルキッチン方式を取っている。理由として、東京の時給が1,300〜1,400円なのに対し鹿児島は1,000円前後で、労働生産性も高いため、鹿児島で作って送った方が効率がよいと考えていると説明した。

島袋氏は、バーの店主など料理にあまり手をかけられない人でも、焼くだけのパティや焼き済みのパティなら導入しやすく、売れそうだと述べた。これに対して代表は、自身の悩みを明かした。パティの供給だけを受ける店の場合、その部分の月商はおそらく100万円に届かず、50万円程度になる。それでもフランチャイズとして同じ加盟金を取るべきなのか、という設定がわからなくなっているという。島袋氏は「確かにフランチャイズじゃない方がいいかもね」と応じ、鹿児島の和牛をセントラルキッチン付きで利用できる形なら、隣の店が同じものを使っても商品が被らないだろうと話した。具体的な形は、この後スナックで山崎氏と打ち合わせるという流れになった。

ブランド牛の指定についても話が出た。代表は各地の畜場から牛を仕入れられる立場にあるため、たとえば茨城の店なら茨城牛を一度引き取り、セントラルキッチンで挽いて戻すこともできるだろうと述べた。宮崎や熊本の牛でもよく、牧場を指定することもできる。現在の同社は鹿児島黒毛和牛だけを選んでいる。代表はさらに、できれば海外で展開したい、一緒にやってくれるパートナーが欲しいと話し、それが輸出につながればよいとした。

余った部位を使うためのハンバーガー

代表がハンバーガーを始めたきっかけは、一頭買いで生じた余剰部位だった。一頭買いを続けるうちに、売りにくい部位が冷凍庫に1年間たまり続けたという。ちょうどコロナ禍でテイクアウトをやりたかったこともあり、その部位がハンバーガーに一番向いていると気づいて始めた。その結果、今では逆にその部位が足りなくなるほどになった。ウデやモモといった「裾物」をすべてバーガーで使い切り、リブロースやサーロイン、ヒレなどの良い部位は通販で売る。この循環が「やっと今成立してきた」と代表は話す。

代表によると、和牛バーガーをうたう店の多くはネックを主に使い、そこに脂を混ぜて調合しているという。赤身の部位は粘り気が出てソーセージのような食感になるため、自分はほとんど使わず、使っても10%以下にしている。同じ考え方にたどり着いているハンバーガー店は日本に2〜3軒あるとして、「バーガーポリス」の名を挙げた。

試食:欧米を意識した「ギルティ」な一品

試食したスマッシュ和牛バーガーについて、代表は欧米を意識した味付けだと説明した。世界中のハンバーガーを食べ歩いてきたといい、「ギルティであってこそハンバーガーだ」という考えを持つ。野菜は実家の農園で作っている。パティは合計160g、バンズは90gあり、見た目よりずっしりしている。手が汚れるハンバーガーが嫌いなので、高さを出しつつコンパクトに仕上げたという。つなぎは一切使わず、スパイスは8種類を混ぜている。ソースは上がマスタード、下がケチャップ系で、ケチャップはオリジナルのトマトソースとアメリカのケチャップを混ぜている。ハンバーガーの味は上から来るので、上に野菜とマスタードを置いて強めに効かせているそうだ。

島袋氏は外国人が好きそうな味だと評し、ロサンゼルスの「In-N-Out Burger」に近いのではないかと尋ねた。代表は何度も食べに行ったうえで「勝ったと思いましたよ」と答え、どちらかといえばニューヨーク系のバーガーを意識していると話した。島袋氏は、関東や関西へ提供できる可能性を強く感じると述べ、代表も鹿児島で製造して送る方法がより良いと考えるようになったと応じた。島袋氏はこれを「あなたも鹿児島にハンバーガーのセントラルキッチンを持ちませんか」という提案だとまとめた。

観光ショート動画と自動運転バス:山崎氏の地方での取り組み

続いて、山崎氏の鹿児島での活動が紹介された。山崎氏は鹿児島県観光連盟と話した際、SNSでの「#鹿児島」の投稿が熊本などに比べて少なく、増やしたいという課題を聞いたという。Wizもレブナイズのオーナーを5シーズン務める中で、鹿児島全体を盛り上げることがチームの発展にも重要だと考え、観光のショート動画メディアをつくる構想を持っていた。観光連盟も同様のことを考えていたため協力を申し出て、インフルエンサーに近い「鹿児島アンバサダー」を育成していきたいとしている。

奄美市とは安田市長のもとで連携協定を結び、過疎地域の活性化事業として予算を得て始めるという。内容は自動運転バスで、デジタル通信を組み合わせ、バスに乗るために観光に来る、乗りながら地域を知り体験できる、といった形を想定している。導入時は県や国の補助金を活用し、その後は黒字化して持続可能にすることを目指すと説明した。

また、鹿児島の堀口氏が率いる有限会社が、レブナイズを運営する株式会社鹿児島レブナイズの主要株主になったことにも触れた。山崎氏は、レブナイズが盛り上がれば鹿児島が盛り上がる、それが地方創生の一つの形ではないかと堀口氏とよく話しているという。スポーツにお金をかける業界があまりないと個人的には感じているが、試合を現場で見てもらうだけで、周囲の人の反応が見る前と後で全く違うとも述べた。岩崎グループからの出資についても、非常に良い流れだと話している。

目指すのは「鹿児島の総合商社」

シェラトン鹿児島へ向かう車中で、島袋氏は、鹿児島出身ではないのに政治も含めて地元の大物に食い込んでいる山崎氏が、最終的にどのポジションを狙っているのかを尋ねた。山崎氏は、会社のお金でやっていることなので、都道府県の中で鹿児島が一番伸びしろが高いと考えて取り組んでいると答えた。そのうえで、鹿児島のものを仕入れるときはまず自分たちに相談が来るような、鹿児島の総合商社のような立場になれればと語った。

東京との往復は月に2回ほどだという。試合がある時は東京から知人が来てくれるので、東京でしている会食を鹿児島でするような形が多く、皆満足して帰るという。島袋氏は、鹿児島のものをフランチャイズ化して全国に届けることを一緒にやりたいと提案した。特にVEGE&meは、野菜中心の2坪の店でサブスクがあり、客も「コンビニより絶対こっちがいい」と言っていて、主婦も独身者も利用できるほどターゲットが広いと評価した。バーガーについても、やり方を変えれば大きくバズりそうだと述べている。

「鹿児島茶のキング」の誕生会

一行はシェラトン鹿児島で開かれた、西俊美氏の誕生会に参加した。山崎氏によると、現在の鹿児島の経済を牽引しているのはお茶、特に抹茶であり、西氏はその中心人物として「西キング」と呼ばれている。会場ではドレスコードとして参加者が緑色を身につけ、司会は「ベストオブミス鹿児島2025」の一森まゆ子氏が務めた。

主催者として挨拶した山崎氏は、鹿児島経済の牽引役は何かと話すと、皆「お茶だよね、抹茶だよね」と言うと述べ、それが誕生会の企画につながったと説明した。M&A BANKで鹿児島特集を6本出すことも紹介し、鹿児島の盛り上がりを全国に伝えたい、人とお金が鹿児島に集まるようにしたいと語った。

乾杯の発声は福山黒酢の担当者が行った。担当者は西氏の会社について、USAのスターバックスやハーゲンダッツなどにも輸出している、鹿児島の茶業界のパイオニア的存在だと紹介した。今年も茶の相場が上がっているとも話している。乾杯に使われたのは、西氏の会社の二番茶を使って福山黒酢が製造したコンブチャだった。島袋氏が昆布を使ったお茶なのかと尋ねると、担当者は、昆布とは関係がなく「紅茶キノコ」とも呼ばれる発酵飲料だと説明した。SCOBYと呼ばれる菌の塊に乳酸菌や酢酸菌、酵母がいて、糖を餌に発酵させるという。ハワイのスーパーにはコンブチャのコーナーがあり、カナダやオーストラリアでも定着していると話し、すべてオーガニックでつくっていると述べた。黒酢は屋外に壺を並べる「壺畑」で製造しており、日本初の黒酢レストランは年間約20万人が訪れ、オーガニック認証も取っているという。島袋氏は、海外で流行っているものが日本ではこれからなので、むしろチャンスかもしれないと応じた。

妙見石原荘という旅館を経営する人物も登場した。山崎氏とともにバスクチーズケーキ店を買収し、ただケーキを売るのではなく、鹿児島にはまだ世界で通用するブランドがないので、世界に通用するブランディングをしようとしているという。新会社を立ち上げ、アルファベット表記のブランド(字幕では「さマノワール」)をつくっているところだと説明した。

VEGE&meの代表も祝辞を述べ、抹茶は鹿児島だけでなく日本を牽引する産業だと語った。そのうえで自社はまだ若い会社だが、あと4年で100店舗を目指し、野菜を使ったビジネスで鹿児島を引っ張っていくと宣言した。

島袋氏と西氏のスピーチ

島袋氏も突然スピーチを求められた。M&A BANKの登録者は約7.3万人で、2018年に自分が会社を売った後、失敗しないM&Aの情報を届けようと趣味で始めたという。コロナ禍もあり、多くの人から感謝の声が届き、社会のためになると感じて続けてきた。これまでに約1,300本の動画を公開し、山崎氏には過去4回ほどスポンサーを受けている。島袋氏は現在シンガポールと半々で暮らしているが、両親は知覧などの出身の鹿児島の人で、自身も9歳まで鹿児島にいたと明かした。久しぶりに鹿児島に来て友達が欲しいと思っていたと話し、最後に西氏の事業の一つ「THE MATCHA TOKYO」をYouTubeで撮りたいと申し出た。

会の後半では、シェラトン鹿児島がバースデーケーキを用意し、西氏には王冠が贈られた。挨拶に立った西氏は、51年生きてきてこのような誕生日は初めてで、どう喜べばいいかわからないと戸惑いを見せた。山崎氏との出会いは、東京で開かれた日本一の社長を選ぶピッチコンテストで、約400社の中から西氏が優勝したことだったという。そのコンテストのスポンサーがWizで、そこからあっという間にレブナイズに関わるようになったと振り返った。皆の力を借りながら、自分も一緒に大きくなっていきたいと述べて挨拶を終えた。

会場では、以前Wizで大隅半島の仕事に携わり、現在はシェラトンでブライダルコーディネーターをしている元社員とも再会した。動画は「ゴーゴーレブナイズ」の掛け声で締めくくられている。「にくと、パン。」のフランチャイズの料金設定や、鹿児島産品の全国展開をどのような形にするかは、この回の中では結論が出ておらず、今後の打ち合わせに持ち越された。