3LDKの「ダンボールパレス」を寝室に戻す ソファーをめぐる夫婦の対立と「しまわない」収納

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概要

片付けの専門家・古堅純子による「週末ビフォーアフター」の、3LDKマンションに住む夫婦の家の続編である。前回のルームツアーでは物の多さが際立ち、夫婦の間にも険悪な空気が流れていた。今回の作業で古堅が向き合ったのは、ダンボールで埋まった部屋をどう寝室に戻すかという物理的な問題と、ソファーの扱いをめぐって食い違う夫婦の意見をどう調整するかという問題だった。古堅は、物を捨てさせるよりも置き場所を変えることで夫婦が折り合える形を探った。

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寄せ部屋と寝室を分ける計画

作業は部屋の役割決めから始まった。スタッフの間でも最初は「結局どの部屋を何にするのか」の確認が必要だったが、方針は、1部屋を物を集める「寄せ部屋」にし、その隣を寝室にするというものだった。ダンボールで埋まった部屋、通称「ダンボールパレス」の物を向こうへ移すには、まずベッドを動かさなければならない。

大量のダンボール箱を、古堅たちは「宝箱」と呼ぶ。中身を一つずつ確認していては作業が進まないため、ひとまず潰して運び、必要が出たときに開くことにした。

クイーンサイズのベッドは5ミリの勝負

最も手こずったのがベッドの配置である。ベッドはクイーンサイズで、置ける場所がほぼここしかない。部屋に入れてみるとほとんど隙間がなく、スタッフからは「もうベッドしか置けない」という声が出た。

測った寸法は余裕を持たせたつもりだったようだが、実際には入らない。差は「1cmの話」「5mmの話」で、向きを変えたり板の位置を試したりと試行錯誤が続いた。最終的にギリギリで収まり、「これなら向こうに渡れる」と通路が確保できる配置に落ち着いた。古堅は後の講評で、当初は縦置きも考えたが、この大きさのベッドを入れるにはこの置き方しかなかったと説明している。

「しまえない人」には、かける場所を増やす

もう一方の部屋については、古堅は大量の物を「埋める」スペースにしつつ、洋服をここに一本化したいと考えた。ここで夫と見解が分かれる。夫はハンガーラックを1個くらいに減らしたいと言っていたが、古堅はそれでは全く足りないと指摘した。

古堅の見立てはこうだ。時間がなく片付けも苦手な人に、服を「しまう」ことを求めるのは無理がある。洗濯して干し、畳むところまではできても、しまうところまでのエネルギーが残らない。それなら、洗濯物をそのままかけられる場所を増やしたほうがよい。「しまわない、畳まない」という方針である。古堅は今あるラック2つを残し、さらにもう1つ置くことを提案した。妻のクローゼットの中に同じようなラックがもう1個入っており、それを使う考えだった。物をこうした場所に埋めていかないとリビングは片付かない、というのが古堅の判断である。

夫は、袋に入ったままの服がたくさんあること、妻が古い服を処分しないままバーゲンの時期に新しい服を次々と買ってくることを挙げ、大変なのだと訴えた。それでも最終的に夫はラックの追加に同意した。この部屋が洋服の場所になる代わりに、書斎のようなスペースも少しは作れそうだという見通しも示された。

夫が処分したいソファー

作業の途中、夫は「ソファーを1つにしたい」と切り出した。今あるソファーを処分し、別の場所にある緑のソファーを持ってきたいという。そのソファーは新婚のときに買ったものらしいが、夫の言い分は、邪魔なうえに妻がそこで寝すぎてクタクタになっているというものだった。夫は粗大ゴミの処理券をすでに買ってあり、この日のうちに下ろすつもりでいた。

古堅は、座り心地としてはこちらのソファーのほうがいいのだろうと妻の側の事情を推し量り、妻にとっては自分の相棒のような存在なのかもしれないと伝えた。夫は「でも邪魔なだけ」と譲らない。そこで古堅は、まず他の物を向こうの部屋に移した状態でソファーを並べてみて、いい雰囲気になるなら残せばいいという方針を示した。場所さえあれば2つとも置いておけるし、奥の荷物がなくなれば突き当たりと窓際に2つ置けるかもしれない、とも話している。

作業中には理想の配置を追いかける方向に話が進みかけたが、スタッフの間で「そんなことを言っている場合じゃない」「理想を掲げたらきりがない」と引き戻し、この日の完成に向けて進めることを確認した。この家ではリビングの「地獄」を片付け、ソファーの議論もしなければならないという状況だった。

夫が本当に嫌だったもの

話を聞くうちに、夫の不満の中身が具体的になっていった。夫が嫌なのは、散らかった部屋の中で妻がソファーに横たわっている光景そのものだった。椅子の上に物が置かれ、その横で妻が寝ている。夫は、整然としていれば自分だってそこでゴロゴロしたいとも話した。

古堅は、自分には夫が見ている景色が想像できるから嫌だろうと思うと述べた。そのうえで、妻は自分が夫からどう見えているかを全く気にしていないのだろうと指摘し、一緒に暮らしていく以上、折り合いがとても大事だと話した。生涯を共にすると約束したのだから、という言葉もあった。古堅は冗談めかして「これ全世界に配信されるから、証拠映像として」と言い、夫がそれくらい嫌がっているのだから少し気を遣ってあげよう、散らかしていい場所を2つも作るのだから、と妻に伝えた。

ソファーは残し、夫婦共有の洗濯・衣類スペースに

講評で古堅はまず、夫婦共有の洗濯スペース兼衣類収納として整えた場所を見せた。夫の反応は「いいじゃないですか」。ソファーは捨てずに残した。古堅は、むしろこれまでより夫に文句を言われずにゴロゴロできるようになったと説明した。

古堅はこの家の状況を、「ソファーに座りたい親父」と「ソファーで寝たい女房」の戦いと表現した。夫は粗大ゴミの処理券を3000円分ほど買っていたと明かし、不満の背景も語った。撮影の直前、妻は朝5時からガサガサと片付けを始め、普段の状態を取り繕っていた。夫は、本当の状況が伝わらないようにされたと感じていたという。その怒りの矛先がソファーに向かっていたのだと古堅はまとめている。

これに対し古堅は、YouTubeで撮られるのだから取り繕うのはまともな反応だと妻をかばった。そして、減らすべき物は他にもたくさんあり、ソファーの処分はその後でもいいのではないかと述べた。物さえ減らせば、こうした家具が生かされる家になるはずだという考えである。夫は「分かりました」と受け入れた。

古堅はさらに、喧嘩になるくらいなら片付けなどしてほしくないと本音を語った。この夫婦はスペースの折り合いをうまくつけられていなかった。夫の弟の物についても、夫は自分の家とは関係ないと思うかもしれないが、自分は妻の気持ちも分かると話した。置く場所を変えるだけで部屋は変えられたのだから、しばらくこれで様子を見てほしい。夫もたまにはここで本を読むなどして、いつも一緒にいるのではなく別々の時間を楽しむのもいい、というのが古堅の提案だった。

「しまう場所より置く場所」

衣類スペースには、妻のクローゼットから引っ張り出したラックも使った。クローゼットの中ではうまく使えていなかったもので、寝室には服をかけるスペースがほとんど残らなかったため、ここに移した。並べ方は、妻の服、夫が今着る服、そして今はあまり着ない服や売るかもしれない服の順である。服が寄っていてパンパンの部分もあり、あとで夫婦でアレンジしてほしいと古堅は伝えた。帰宅したらバッグは決めた場所に置き、共用の場所には私物を置かないというルールも示した。

古堅は、当初夫はいろいろしまってほしかったようだが、正直なところ夫婦ともにしまえないタイプだと思う、と述べた。乾いた服をここにかけるか置くかするだけでも、これまでの生活とは全く変わるという。「しまう場所より置く場所を増やした方が家はいい」というのが古堅の考えで、今後は家具の位置を少し下げて置く場所を増やすといった工夫もできると付け加えた。まずはこの状態を保ちながらブラッシュアップしてほしいとし、クローゼットは「大成功」と締めくくった。

ダンボールパレスは寝室に

後半は、ダンボールパレスだった部屋のお披露目である。前半に中身をすべてリビングへ出したため、長い間リビングは「地獄」の状態だったが、この部屋は寝室として生まれ変わった。夫婦は「ダンボールの部屋がちゃんと部屋になる」と驚き、そちらの床は7年ほど見たことがなかったと話した。

部屋にあった物は一度すべて出したが、結局戻して布をかけ、目立たないように置いている。古堅はこれを「埋めるってこういうこと」と説明した。クローゼットには適正な量の布団などを入れ、夫が捨てないでほしいと言っていたポスターも収めた。シングルサイズの布団類はベッドの下に入れ、寝具類はおおむねこの部屋に集めてある。

古堅は、これまでの寝室には妻の服があり、両脇に布団がたくさんあって物々しかったと振り返った。寝るときには目覚ましと携帯くらいあれば十分だという。夫が単身赴任中に使っていたテレビも夫は捨てると言っていたが、見られる状態で置いた。家具や家電は捨てづらいものだから、捨てる前に使ってみて、ダメだったらやめるという順番にすべきだと古堅は話す。この家は物が本当に多いので、見直す対象は別の物のほうがよく、スペースができれば活用できるという考えである。

寝室の感想を聞かれた夫婦は「最高です」と答えた。古堅は、ダンボールのパレスから新婚夫婦のような寝室になったと評した。

残された課題

寝室は取り戻せたが、大量にあったダンボールの行き先はまだ明らかになっていない。パレスの中身が移った先がどうなったのかは次回に持ち越され、この回はそこで終わる。