インクス元CTO・安部新一が語る無給電センサー構想と、技術で勝ってビジネスで負ける日本の製造業
ものづくり太郎チャンネルものづくり太郎チャンネルのこの回では、電源を供給しなくても温度や振動を取得できるセンサーが紹介される。対談相手は、伝説の金型メーカーと呼ばれたインクスでCTOを務めた安部新一氏である。ものづくり太郎は、この仕組みが日本初どころか世界にも例のないソリューションだと強調し、工作機械、プラントの配管、モーターなどからのデータ取得を「全て給電なしで」行えると紹介する。
対談は、安部氏がインクス時代に何を作ってきたかという話から始まる。そこから、日本が金型技術で世界の先端にいながら価値を守れなかったこと、IoTやソフトウェアで世界の標準を取るにはどう動くべきかという議論に移り、最後に無給電センサーの構想にたどり着く。ものづくり太郎は全体を通して、日本企業は技術を持っているのに商売のやり方で負けているという問題意識を繰り返し示している。
インクスという会社と「2週間の金型」
ものづくり太郎の紹介によれば、インクスは日本の金型黄金時代を支えた会社である。いわゆるガラケーの金型の半分はインクスで作られていた、トヨタの工場やフォックスコンの金型もインクスの技術で作られている、と彼は述べる。オフィスは新宿の高層ビルを経て東京駅前の新丸ビルに移り、3フロアほどを借りていたと安部氏は振り返る。当時は東京駅地下の広告がすべてインクスの広告だったという。ものづくり太郎は、金型メーカーが丸の内に3フロアも借りるのは考えられないことだと驚いている。
インクスの特徴は圧倒的な短納期にあった。大手メーカーやトヨタグループが6カ月かけていた金型を、2週間ほどで作ったとものづくり太郎は話す。ガラケーの金型を全自動で24時間作り続け、安部氏によればロボットも自分たちで作り、市販の産業用ロボットは使っていなかった。工作機械も数十種類を自ら設計したという。
1992年の2万回転から18万回転スピンドルへ
安部氏が高速加工に取り組み始めたのは1992年である。当時は主軸を1000〜2000回転で回して削るのが普通だった。そこに2万回転で削ると言い出したところ、「バカじゃないの」と言われたと安部氏は振り返る。
安部氏はインクスに入る前、金型の研究をしており、3次元CADで金型を設計する世界初のプロジェクトを任されていた。その仕事を手伝ったのがインクスで、実力を見込まれていつの間にかインクスで働くことになったという。前職での開発では、同じ人員で出力を3倍、コストを3分の1にしたと話し、ものづくり太郎はこれを「9倍の能率」と言い換えている。
インクスでは、従来と同じやり方を教えてほしいと求められた。しかし安部氏は、それではつまらない、もっと速いやり方があるので研究させてほしいと申し出た。国の研究費に応募して採択され、5億円ほどを得て新しい研究に取り組んだ。回転数は2万回転から徐々に上がり、最終的には18万回転に達した。安部氏は18万回転のスピンドルを自ら設計し、メーカーに直接交渉して製作してもらった。細かい加工をするには高速化が避けられない一方、荒い部分は低速で削ればよいので、幅広い回転域の機械が必要だったと説明している。
最も難しかったのは工具だった。細くて長い専用工具が必要になり、安部氏が設計した図面をもとに日進工具が半年ほどかけて作ってくれたという。安部氏は、当時の会長が一生懸命取り組んでくれたと振り返る。
下からスピンドルを当てた理由と、自分で組み上げる意味
インクスの工作機械には、スピンドルが下から削る構造のものがあった。その理由を安部氏は次のように説明する。当時は高価だった高速度カメラを何とか購入し、5万回転での切りくずの出方を撮影した。すると、切りくずが挟まって工具が破損していることが分かった。そこで、切りくずが下に落ちるようスピンドルを下から当てる構造にした。切りくずがどう出ているかを見なければ、どの刃物が最適かは判断できない。理論通りに工具を作ってもうまくいかない、というのが安部氏の考えである。
安部氏は図面を描くだけでなく、最終的には自分で組み上げるという。自分の設計が間違っているかもしれず、組みにくさから次の形や新しいやり方を思いつくこともあるからだ。ものづくり太郎が「最後には神が宿る」と言うと、安部氏はそうではないと否定した。今のやり方はベストではなく、もっと良いやり方が必ずあるので、次にどうするかを考え続けるのだという。
ものづくり太郎は、今のエンジニアは設計と組み立てが分かれ、設計の中でもスピンドル、ベッド、コラムと分業が細かくなっていると指摘する。安部氏も、1人ですべてをやるのは厳しいと認める。そのうえで、どこにもないものを作ろうとすると、要所は自分でやらなければ次に進めないと語る。さらに、興味がなければ次に進めないこと、あれこれ手を出しすぎて困ることもあるが最後にはつながってくることが多いので、どれも無駄ではないと考えていることを付け加えた。
月40万本のNCデータと48時間の金型
メカ、エレキ、ソフトを統合し、全自動のCAMから切削まで一貫した仕組みを立ち上げたことで、当時は他社の10倍ほどの速度で加工していたと安部氏は見ている。携帯電話メーカー各社から毎月20型分ほどがまとめて依頼され、主要なメーカーすべての仕事を受けていたため、社内は非常に混み合っていた。最短では48時間で金型を仕上げた。設計は10分ほどで終わり、1時間後には切削が始まっていたという。
精密な形状のためNCデータの作成は非常に難しかったが、自動計算システムを独自に開発し、月に40万本のNCデータを生成していた。安部氏は、おそらく世界一の量だったと話している。
金型技術の流出と「タイムイズマネー」を理解しない経営
ここでものづくり太郎は強い調子で問題を提起する。30年前、日本は世界最先端の短納期金型技術を持っていた。それなのに、その価値を見出したのは海外で、技術はフォックスコンに移ってしまった。ものづくり太郎は、東大の中川教授が台湾側から25億円を受け取ってインクスの技術を台湾に移させたと自分の見方を述べ、これは日本の敗北だと考えている。さらに、30年経った今も日本の多くの金型製作は平成中期のやり方のままだと嘆く。一方で、協和工業のようにインクスのやり方を見て「自分たちにもできる」と改革に取り組んだ企業もあると付け加えた。
ものづくり太郎の批判は日本の経営者に向く。25億円以上をインクスに出していればこの技術を手に入れられたのに、そこに価値を見出さず、つぶしてしまった。その結果、金型の仕事は東南アジアや中国へ流れた。彼はこれを、タイムイズマネーを理解しない経営だと評している。
安部氏の受け止め方はもっと落ち着いている。大きく見れば一過性の話かもしれない、自分はもうあの技術は古いと考えており、日本は新しいやり方をこれから進めればよいと思うようになった、と語る。悔しくなかったかと問われると、「まあ、そうですね」と認めた。大手企業に支えられて仕事を続けてきたものの、世の中の流れとして技術の流出は止められなかったという。ものづくり太郎は当時がEMS全盛期だったことにも触れ、自分が怒っているのは愛情があるからで、諦めたら終わりだと話す。
政府が助けてくれるものではなく、各企業の経営判断の問題だというのが、ものづくり太郎の考えである。安部氏は、損得に関係なく突き詰める人たちが中小企業には多くいて、自分の友人もそういう人ばかりだと話す。ものづくり太郎は、そうした人たちを引き上げるのが経営者の役割だと応じた。安部氏によれば、新しい挑戦はいつも「本当にできるのか」と疑われるところから始まる。やってみなければ分からないが、できると思うからやるのだという。ものづくり太郎は、この30年間、日本ではリスクを取らないことが染みついてしまい、何をするにも前例や実例を求められると述べる。円安とインフレで環境が大きく変わった今、リスクを多く取って可能性を突き詰めた企業しか勝てない、というのが彼の見立てである。
IoTは技能をデジタルで残す手段
話題はIoTに移る。安部氏は、日本は人の感覚に頼るものづくりで価値を生んできた面もあるが、時代の流れのなかでデジタルで技術を伝えなければ、その技術はなくなってしまうと話す。一子相伝が成り立った時代はあったが、今はもう無理であり、会社の資産として残すなら情報をデジタル化するしかない、というのが安部氏の考えである。
安部氏が例に挙げたのは藍染めである。かつては職人が舌で酸っぱさを感じ取り、pHを判断していた。これを測定できるようになれば、誰でも失敗せずに良い藍染めができる。安部氏は、あらゆる生産手段にセンシングが必要だと結論づける。
ESP32はなぜ世界の標準になったか
安部氏は、世界中で使われている中国製IoTチップのESP32(字幕では「EMS32」)を取り上げる。中身を見ると、マイコンや通信チップなど、ライセンスで買ってきた設計を寄せ集めたもので、インターポーザーのような形でまとめて1つのSoCとしてパッケージにしている。オリジナルのチップのように見えて、実際は「寄せ集めチップ」だという。安部氏は、おそらく世界で100万個以上売れたと推測している。
安部氏は、同じようなチップを自分たちも当時すでに考え、提案もしていたと話す。ただし開発には費用がかかり、中国でもおそらく数十億円を投じたと安部氏は見ている。費用の大半はソフトウェアの開発だった。ハードウェアは集めてくれば何とかなるが、それらを連携させ、あらゆるIoT製品に使えるよう手を加えるにはソフトウェアが必要だからだ。
安部氏によれば、ESP32が広く使われるようになったのはGitHubで公開し、主要な開発者に無償で配ったからである。今では小学生が小遣いで買っていじれるほど普及した。ものづくり太郎は、世界のデファクトスタンダードは最初は必ず無料で配るものであり、日本はそこが分かっていないと指摘する。安部氏も、日本は最初から高い値段をつけると応じた。
三菱電機への批判と、FusionとClaudeの連携
ものづくり太郎は、応援しているからこそとして三菱電機を例に挙げる。三菱電機はロボットのティーチングレス技術を持つ企業と組み、95%をティーチングレスで生成できるソリューションを出した。ものづくり太郎は当初さすがだと思ったが、このソリューションはMELSOFT Geminiという独自のデジタルツインプラットフォーム上でしか動かず、そのプラットフォームの購入に500万円かかるという。安部氏は「それでは普及しませんね」と応じ、ものづくり太郎は、技術はあるのにビジネスセンスがない、だから「技術で勝ってビジネスで負ける」と言われるのだと批判する。
対照的な例として、ものづくり太郎は1週間ほど前に発表されたAutodesk FusionとClaudeの連携を挙げる。椅子のデザインをプロンプトで作れるようになったという。安部氏も自分で試しており、プロンプトの指示だけでかなりのソリッドデータができると評価した。まだ不十分な点はあるが、時期に良くなるとの見方である。ものづくり太郎は、将来は荷重を前提にしたフィーチャーを作るようプロンプトで指示できるようになると期待を示す。このように無料で試してもらい、クラウドの従量課金で稼ぐのが今のやり方であり、ソフトウェアに500万円を払う人はいないと強い言葉で批判した。
インクスの「アリーナシステム」とFOCAS
安部氏はインクス時代、IoTという言葉がまだなかった頃に、社内で「アリーナシステム」と呼ぶ仕組みを作っていた。各工作機械の情報をすべて吸い上げ、スピンドルの負荷や電力などを見える化するものである。当時のファナックは工作機械の通信にまだ取り組んでいなかったが、FOCAS1、FOCAS2という通信インターフェースの中身をインクスに公開してくれた。安部氏は、CNCの情報をこうして取得したのはおそらく世界で初めてだったと話している。
この仕組みにより、どの機械がどのメーカーのどの部品を加工しているかが常に分かった。次の仕事をどの機械に振り分けるかも自動で決めていた。ものづくり太郎は、今でいうAPS(先進的計画・スケジューリングシステム)、たとえばAsprovaのようなことを当時すでに社内でやっていたと評している。
当時の技術者は優秀で、ミスミのmeviyを開発した柳沢氏も安部氏の元部下だという。由紀精密の社長もインクス出身者だと話題に上る。安部氏は、インクスで開発に参加した経験が彼らの力になっていると考えている。成功しやすいパターン、あるいは必ず成功するパターンをそこで身につけたのだろうという。
BTシャンクの限界とドイツのHSK戦略
もう1つの事例は、ドイツ発のHSKである。1992年に2万回転での加工を始めたころ、加工面にどうしてもガタガタが出た。刃物の振れをゼロにしても消えなかった。原因を調べていくと、JIS規格で決まったテーパーシャンクであるBTシャンクを受けるスピンドル側の穴が、遠心力で広がっていることが分かった。安部氏は、ガタガタの面から換算するとおそらく10〜20ミクロンほど広がっていたと見積もる。
BTシャンクは頭のプルボルトを引っ張ってクランプする方式で、ここが遠心力で開いて緩む。ドイツでも高速に耐えられるシャンクを作らなければならないという議論があり、その後に登場したのがHSKだと安部氏は説明する。HSKは内側からクランプする方式で、遠心力がかかるほどクランプ力が強まる。そのため高速になっても精度が落ちず、むしろきれいに削れるという。
ものづくり太郎が開発費は100億円ほどかと尋ねると、安部氏は相当かけたと思うと答えた。そのうえで、ドイツは国家戦略として複数の研究に資金を出し、良いものを集めて最終的な方式を決めたと説明する。HSKのクランプシステムはライセンスとして世界に販売されている。ものづくり太郎によれば、ツールホルダーは工作機械1台につき1000万〜2000万円分使うこともあり、マシニングセンタ本体と同じくらいになる場合もある。パレットチェンジャーがいくつも付けば200本ほど使う。日本の工作機械メーカーは高精度な機械を作っていると言うが、中心にあるツールホルダーとクランプシステムはドイツのライセンスだ、とものづくり太郎は指摘する。気づかれない形でお金を吸い上げる仕組みだという。
安部氏は、どう儲けるかという視点を持つべきであり、ヨーロッパはそこが非常にうまく、常に研究していると話す。ものづくり太郎は、三菱電機が同じ失敗を繰り返すのかと改めて問い、オープン戦略が必要だと主張する。一方で安部氏は、首相が代わって国家戦略が示され、17の重点分野も良い内容だとして、ドイツのようにはなかなかいかないが、着実に良い方向に向かっていると評価した。
ロボット同士が話すR2Rと、センサー側で動くAI
安部氏が今考えていることを問われて挙がったのが、ロボット同士が通信する「R2R(ロボット・トゥ・ロボット)」である。ものづくり太郎は、日本ではあまり話題になっていないが、AI同士が通信する窓口となるMCPが重要だと説明する。ロボット同士がMCPでやり取りする構想だという。
安部氏は、大規模言語モデルも小型PCに載る時代になると見ている。AIは現場側で動くようになり、センサーの中にAIが入る時代が来るという。安部氏はもともと「フォグセンサー」というセンサーを開発していた。クラウド(雲)に対するフォグ(霧)という意味で、情報を上位に上げていると処理が遅れるので、センサー側で処理してしまおうという考え方である。そうすれば判断が速くなり、クラウドの負荷も減る。AIも同じようにどんどん現場側に移っていくと安部氏は考えており、その研究も始めているという。
電源のいらないセンサー
対談の最後に、ものづくり太郎と安部氏が一緒に展開しようとしている無給電センサーが紹介される。安部氏によれば、基本的にはどんなセンサーでも対応させる方針で、現在は温度、振動、磁気、圧力(実際にはひずみセンサー)に取り組んでいる。どこにでもワンタッチで取り付けられるようにしているが、詳細には一部まだ明かせない部分があるという。
安部氏が想定する用途はプラントである。既存の計器をカメラで読み取る方法もあるが、計器が汚れていて読めないことが多い。石油プラント、化学プラント、食品プラントでは、圧力、温度、振動の3つが「三種の神器」だと安部氏は言う。石油プラントでは温度センサーだけで数百カ所あり、ものづくり太郎は、プラントでは2000カ所ほどを今も人が歩いて目視で確認し、記録していると話す。
後付けでセンサーを付けようとしても、今のセンサーは簡単には取り付けられず、電気をどう供給するかも問題になる。バッテリー駆動にすれば電池交換が必要になり、1000カ所もあれば現実的ではない。このセンサーは電源を必要としない点でその問題を解決する、と2人は説明する。
通信距離について、ものづくり太郎は最大20メートルほど飛ばせると話し、安部氏はそこは状況に合わせて対応するつもりだと答えた。仕組みについて安部氏は、説明はまだ少ないと断ったうえで、こちらから「今どういう状況か」と問い合わせると値を返す形で、IDタグと同じような機能を持つセンサーシステムだと説明する。ものづくり太郎は、金属面にも対応すると付け加えた。
ものづくり太郎は運用の姿も描いてみせる。2000カ所の点検箇所にこのセンサーを取り付け、ドローンやAGVで巡回すればデータを一気に集められ、目視点検をリモートで済ませられるという。安部氏は、取り付けたその日からデータが取れるようにする必要があり、コストも下げなければならないと話す。量産すればコストは大幅に下がるとの見通しも示した。
2人によれば、共同開発や自社での試用、工場の工作機械すべてへの搭載といった問い合わせがすでに多く来ている。ものづくり太郎は、1000〜2000台の機械を持つあるメーカーが3交代で稼働しながら、点検記録をいまだに紙でつけている例を挙げ、そうしたことはもうやめようと呼びかける。しかも点検しているのは正社員であり、センサーに置き換えればその仕事はなくせると話す。
ソフトウェアも付属させるとして、安部氏は三菱電機のようなことはしないと述べる。ものづくり太郎は、三菱電機は技術を持っているのに商売が下手なのだと改めて評し、安部氏も三菱電機は好きだと応じた。ものづくり太郎は安部氏との対談を今後も続けたいと述べて、この回を締めくくっている。
どうもこんにちは。ものづくり太郎チャンネルのものづくり太郎です。本日は神回だと思うんですけど、なんと無給電でセンサーが使えちゃうという話になってまして、副題がですね、日本の天才エンジニアが設計製造っていうことなんですけど、やばいです。
例えばIoTでデータを取得するじゃないですか。工作機械からデータを取得したりですとか、プラントでもいいですけど配管からデータ取得したりとかモーターからデータ取得する、全て給電なしで行けちゃいます。ということで世界が変わるし、日本初めてじゃなくて世界でもこのソリューションありません。世界初めてのソリューションでございまして、
じゃあ日本の天才エンジニアって誰かって言うと、簡単に言うとインクスのCTOです。伝説の金型メーカーですね。皆さんガラケーパコパコしてたじゃないですか。あの金型の半分はインクスで作られてました。さらにトヨタの堤工場とか今のフォックスコンの金型は全部インクスの技術で作られてるんですね。最強なんですよ、このエンジニア。
僕もこういう仕事柄すごい人には結構会うんですよね。この人すごい極めてるみたいな人に会うんですけど天才に会うことはないです。年に1、2回ですね。会った数も僕5年ぐらいやってきてるんで片手両手ぐらいなんですよ。天才の人たち。その中の1人との対談になってますので非常に面白いと思います。
こんな回にですね、スポンサードいただきましたのがメタリックスさんよりスポンサードいただきました。ありがとうございます。7月3日より阪神メタリックスからメタリックスに社名変更されるそうです。メタリックスは商社、問屋、加工屋ということでDMG森精機の設備なんかもたくさん持ってるんですけども、3つのビジネスモデルを持つ特殊専門でございます。
AS9100の認証も取得しておりまして、航空宇宙のAMS規格とか海外規格材の調達を得意としておりますが、最近はネジとかボルトとかインサートなど部品を締結する部品のことファスナー部品というんですけども、ファスナー部品にも力を入れておられます。
メタリックスは海外メーカーと直接取引を行ってますので、ロールスロイスとかエアバスなどの多様なOEM認証に対応したファスナー部品のジャストインタイム納入が可能でございます。社内には僕も行ったことあるんですけども、英語ペラペラのTOEIC990点のスタッフも在籍しておりますので、迅速に見積りを行います。是非概要欄から、こういったAMS規格、ジャストインタイムで欲しいな、ロールスロイスと取引しないといけないなと、そういった方はお問い合わせいただきたいと思います。
それでは本編は安部さんと対談でございまして、安部さん動画だと硬くなっちゃうから自己紹介は僕がやるんですけど、インクスのCTOをやられてたんですね。
そうです。
何でも作っちゃう。金型もそうだしバイクもそうだし今作ってる何でしたっけ?
ダイキャストの金型。
ダイキャストの金型をさ、これ3Dプリンターあるんですけど、元々金型屋さんでしたもんね。
少しね、昔の金型黄金時代がありましたからね。
そう。日本の黄金時代を支えてフォックスコンにパクられてボコボコにされるんですけど、昔インクスっていう、虎ノ門ヒルズでしたっけ?
いや、新宿のタワーですね。その後は新丸です。
新丸ビル、東京駅前のね。
はい。東京駅前。はい。はい。そこをね、スリーフロアぐらい借りてましたね。
だって金型メーカーがだよ。東京のさ、丸の内のオフィス3フロア借りれるなんて考えられないから。
あの当時あの東京駅の地下の広告が全部うちの広告でしたね。
インクスの時代があったわけですよ、日本に。で、インクスの凄さは超短TATってすごい。例えばキヤノンとかトヨタグループとかが6ヶ月かかる金型を2週間ぐらいですもんね。で、作っちゃって、昔の動画見せてもらったんですけど、ガラケーあるじゃないですか。ガラケーの金型をね、なんで、鉄人でしたっけ?全部作っちゃうんだもんね。全自動で24時間。
そう。ロボット自体から全部作りましたから、黄色いロボットは使ってなかった。
安部さんは変態で本当にすごいよ。工作機械から作っちゃうんだから。
工作機械はもうだいぶ何十種類か設計しましたね。
ね。インクスの時も切削する時に超高速スピンドル、RPM当時にどのくらい出したんでしょう?
そうですね。はい、1番始めは私が1992年に、その当時1000とか2000で回して削るのが、ま、普通の金型の作り方ですけど、その当時2万で削るって言ったらですね、バカじゃないのと言われましたね。はい。
10倍の速度で金型削れるわけですよね。
そうなんです。
インクスの時はどのくらいでした?
インクスに入る前からやってたんです。実は私はあの金型の研究をやっていて、そうですね。アマロでね。で、3次元で世界で初めて金型を設計するっていうプロジェクトを任されてやってました。その時に手伝ってもらったのはインクス。
で、こいつやばいぞってことでいつの間にかインクスで働いてた。
工場になんか直談判して私を連れて行きますという話で行くことになったと。
昭和ですね。今もう連れてきますね、なんてなかなか言えないじゃないですか。
私も一通りのね開発全部終わったし、それにその当時同じ人員で3倍の出力とコストが1/3になったと。
あ、9倍の能力。
そうですね。それで社長賞もらって一通りの仕事は全部終えましたんでね。次の研究やろうということで、ま、その当時インクスは同じやり方でいいから教えてくれとしたんですけど、ただもうそれじゃちょっとつまんないから、もっと早いやり方があるんで、それでちょっと研究やらせてくれと。当時は優省のね、研究費をもらって5億ぐらいもらいましたかね。で、エントリーして合格になったもんですから、それを元に新しい研究をやって。
で、あれ、2万が10万ぐらいになったんですか?
初めは2万だったんですけども、だんだん早くなってて、最終的には18万。
18万書いてんだよ、この人。18万スピンドルを自ら設計図引いて、
そうですね、
CAD作って、で、メーカーに直談判しに行って作っちゃうんだもんね。
うん。微細加工するにはやっぱりね、どうしても高速化しないと細かい加工ってのはできませんのでね。適材適所ですけどね。細かいとこの加工するのはやっぱり高速で、ある程度荒いとこをやる場合にはね、ちょっと遅いではり
そう、削ればいい。
ま、こう広範囲な機械はやっぱ必要でしたね。ただホデレスっていうのがね、あの1番厳しくて、で、その当時細くて長い工具、それを日進さんに作ってもらいました。総会長が一生懸命やってくれましてね。で、ま、半年ぐらいかけてやっとできましたと持ってきてくれて。
18万スピンドルに
そうですね、専用のね、工具、
専用の工具を安部さんが設計図書いて日進工具に作ってくれって直談判して、で、作ってもらったと。どう?
みんなCADで図面書くだけがエンジニアじゃないんですよ。世の中にないものに対して自ら全部作るっつうのが本当のエンジニアだし、本当に全部作られてきたと。だってインクスのさ、工作機械見たとしても下からスピンドルが削ってるじゃないですか。
そうね。その当時、あの、高速ビデオってなかなか厳しかったんです。高くてですね。だけどそれをなんとか買ってですね、高速カメラでその5万回転で切り粉が出る様子とかを撮るとですね、切り粉がやっぱり挟まって工具が破損するんですよ。
あ、そうなんですか。
それで下からスピンドルをやろうということで、
やろうと思ってさ、作っちゃうんだもんね。
切り粉がサクサク出てる様子を見ないと、どの刃物が1番いいのかってこと分かるわけですよね。だから、それ分からないで工具作っても理論通り作ったってうまくいかないので、
当時図面は書くわけじゃないですか。自分で組み上げるんですか?
最終的には全部自分で組みますね。そうしないとね、間違ってるかもわかんないじゃないですか。やっぱりそこでいろんな気づきもありますしね。
つまり設計して組み上げる時にうまく組み上がらんとか。
そこで新しい発見もやっぱりあるんですよ。
どんな発見があるんですか?
だから次にどういう形にしようとか、じゃあちょっと組みにくいからもっと新しいやり方を考えようとかっていうね。何回もやってかないと回せないんで、
最後には神が宿ると。
神が宿るとかそういうことじゃなくて、今はベストじゃないんですよ。もっといいやり方絶対あるわけだから、次にどうやろうかってことを考えると。
素晴らしい。今のエンジニアは設計は設計、組み立ては組み立て、さらに細分化しちゃって設計でもスピンドル、ベッド、コラムみたいな分業してると思うんですけど。
うん。そうですね。
これをさ、全てやると。
そうですね。なかなか1人でやるってのは厳しいんですけど、要所要所はどうしてもやらないと次に行けませんね。
納得できないと。
どこにもないものを作ろうとすると、あの、時間を使わないと次に行けないですね。
はい。さっきも言われてましたもんね。どれだけ自分の手で開発して作ったかがエンジニアの価値を決める。
うん。あとは興味がないと次行きませんね。興味がありすぎてあれもこれもってなりすぎて困るとこもあるんですけど、こうやってると最後に繋がってきたりするんですよね。それはやっぱ必要だと思いますから、どれも無駄ではないのかなと思ってやってますよね。
うん。メカ、エレ、ソフトを全てインテグレーションしてきたと。インクスで全自動のCAMで切削まで一気通貫のものを立ち上げて。
そうですね。その当時最高のものってことでね、突き詰めてやってきましたから、間違いなくその当時は予も10倍の速度では加工してたと思います。
すごいですよね。ガラケーの約半分の金型がインクスだったって言われてる。
ま、各社からね、20型分とかまとめて毎月来るわけですよ。全社やってましたからものすごい込み合って、その当時は伝さんとかすぐに作ってくれと、最短では48時間ですから。
48時間で。
設計が大体10分で終わるんですよね。もう1時間後にはもう削りが始まってて、とても精密なのでNCデータが非常に難しかったですよね。だけど自動計算システム、それを独自に作って、月に40万本のNCデータ作ってらっしゃるんで。
40万本。
多分世界一作ってたと思いますよね。
金型の作り方、今の日本変わんないじゃないですか。こういう30年前に世界最先端で超短TATの金型製作技術を日本が持ってたのに、グローバル見るとそこに価値があるっていうことでフォックスコンに全部パクられたわけじゃないですか。
結局東大の中川教授がいて、25億台湾から裏金もらって台湾にこの日本のインクスを移管させたわけじゃないですか。でもある意味これ日本の敗北でもあると僕思ってて、あれから30年経ったのに15年前とか20年前、平成中期頃の金型製作運用をずっと踏襲してるわけです。本当に悔しくて僕はね。協和工業さんなんかもインクスのやり方を見て俺たちのもできると思ったっていうことで改革してるわけですよ。
うん。
タイムイズマネーを理解しない経営者ですよね。だって25億以上インクスに出せばこの技術買えたわけです。でも日本の経営者そこに価値を見出さずに潰しちゃったわけでしょ。金型は東南アジアだったり中国に全部逃げてったじゃないですか。
大きい目で見ると一世の話かもしれませんね。私はもうその技術は古いという風に認識して、日本の新しいやり方をこれからやってけばいいんじゃないかと思うようになりましたけどもね。
そうです。でも悔しかったんじゃないですか。
ま、そうですね。結構大手さんが支えてくれてずっとね仕事をいただきましたけど、世の中の潮流からすると流出っていうのは止めることができないっていう感じでしたね。
そうですね。当時EMS全盛期で、エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービスが台湾からどんどん出てきて時代の潮流もあったかもしんないですけど、そこに学ばずに、ま、僕は怒ってるんだけど、いつも怒れるっていうことは多分愛情があると思って、諦めたらさ、昔になるわけよ。
まあしょうがないっていう一面もありますよ。
政府が助けるかってそれはないと思うんで、各企業の経営意思決定なんですよ。
うん。点、中小企業のね、頑張り屋さんが色々いると思うんですけども、やっぱり違いますよね。損得関係なくそこに突き詰めるっていうかね。そういう姿勢がありますよね。友達がみんなそういう人ばかりなんで一緒にやってきましたけども、お金の話ではなく、自分が突き詰めたいからやるんだという気持ちがね、強いですよね。
魂持った人を引き上げるのが経営者だよね。
うん。本当にこれできるのっていうところから始まるんで、そんなのやってみなきゃわからないじゃないか。でもできると思ってるからやるんですよ。
イーロン・マスクだってそうじゃないですか?やっぱりね、世の中の実例の、今までの30年間リスクを取らないっていうのがこれの随身にしめちゃってて。
うん。前例、実例、運用した事例を持ってこいと、そっから始まりますよね。
そう。今世の中がすごいダイナミックに転換して円安になっちゃったし、インフレになっちゃったし、リスクをたくさん取ってリアズの可能性を突き詰めて突き詰めて、そしてよりリスクを取った企業しか勝たないと思うんです。
安部さんにフォーカス当てたいんだけど、いろんな話してくれるんですけど、僕にセンサーのIoTの話があったじゃないですか。あの話も1回聞かせて欲しいんですけど。
そう。昔IoTって言ってませんでしたけども、IoTっていう話が出てきてから急速に情報を収集する仕組みを作っていくっていう方向になりましたよね。人の感覚でずっとやってましたから、日本はそこに価値があったところもあるんですけども、時代の流れでデジタルで技術を伝承しない限りなくなっちゃう技術なんですよね。どうしても一子相伝だったっていう時代は確かにありましたけども、今それはもう無理ですから、会社の資産として残すんであれば情報をデジタル化するしかありませんよね。
だけどそこにはセンシング技術がまだなかった時代、pHが取れなかったとかですね。あの藍染めってあるんですけど、藍染めってあのpHは人が自分の舌で酸っぱさで酸性濃度を測ってたわけですよ。で、それが測れるようになって誰でも立派な素晴らしい藍染めができると、で、失敗がないと。あらゆる生産手段にはセンシングが必要だと思いますよね。
センシングチップもさ、何でしたっけ?中国の
IoTのチップですね。今世界中で使われているESP32っていうのがありますよね。派生機種もいっぱい出てきましたけども、このチップはですね、中国が開発したチップなんですけども、実際にはですね、その中身を見るといろんなものの寄せ集めなんですよ。マイコンにしろ全部買ってきてるわけですよ。今設計そのものをライセンスで買うことができるんですね。通信チップにしろ、マイコンにしろ、いろんなものを集めるとインターポーザーみたいな形でもチップが作れるんですね。
え、そうだよね。
そうするとオリジナルのチップのように見える、実は寄せ集めチップと。
ハンドの設計図を外から買ってくるんですね。それぞれ買って1つのSoCにしてパッケージにするわけですね。
ま、モジュール化するわけですよ。で、IoTモジュールってことで作られたのがそのESP32なんです。
そのIoTのデファクトになってるんです。
おそらく世界中で100万個以上売れた。
100万個。
こういうチップは私たちもその当時はもうすでに考えていて提案もしてましたけど、世の中の企業
そうです。はい。ただお金がかかるんで、おそらく中国でも数十億かかってると思いますよ。主にソフトウェアの開発で、ハードウェアは集めてくればなんとかなるんですけど、ソフトウェアはそれらを連携させなきゃいけないので、あらゆるIoT製品に使えるようにモディファイして自分たちで作ってきたわけですね。今なぜみんなが使うようになったかっていうとGitHubの公開なんですよ。
オープンソースにしたってことですか?
そうなんですよ。しかも主要な開発者に全部ただで渡したんですよ。
これだよね。やっぱり今のグローバルのデファクトって最初は絶対無料で配るんです。ここが日本人分かってない。
初め高く売るんですよね、今のは。
そう。分かってるか?三菱電機。三菱電機、俺応援してるわけよ。今日は言葉が汚くて申し訳ないんだけど、安部さんと話す気合いが入ってるわけですよ。三菱電機は素晴らしいの。ロボットティーチングレスのレルバーとコラボレーションして、95%のティーチングレスで生系が作ってくれますよってソリューション出したと思って、さすが三菱電機だなって思ったのだけど、MELSOFTのGeminiっていう独自のデジタルツインプラットフォーム上でしか動けませんと。このプラットフォーム買うのに500万円かかるんですよねと。
それじゃ普及しませんね。
普及しないよ。
それ全然ダメですね。
ま、ビジネスセンスがないの。技術は持ってんだけど、だから技術で勝ってビジネスで負けるとか言われんだよ。
そこよく考えればどこが儲かるのかがはっきりそうじゃないか。
そう。最初さ、無料でばらまいてさ、デファクトになってどんどん進化してくんだからさ、1週間前なんてFusionのCADがClaude Codeとコラボレーションしてチャーデザインをさ、プロンプトでできるようになったわけよ。
そうです。大したもんですね。私もあれ研究しましたけども、かなりプロンプトの生成だけでソリッドデータ、うん、できる。まだね、ダメなところもあるんですけども、でも時期良くなります。
そう、さらに将来は今フィーチャーだけだけど、応力を前提としたフィーチャーを作ってねとかいうプロンプトもできるようになって、
今ね、もっといろんなCADでできるようになってきてます。
そう。こんなもデ爆となるわけだからさ、クラウドの従量課金だけすりゃいいっていうソリューションじゃん。500万誰が使うんや。無料でこれ試してください。もうTTぐらいスになりますよ。CAP譲って性の3ロボしか無理ですよぐらいなら分かるわけですよ。ソフトに500万、ふざけとんのかと。
みんなが使えるような。
そう、みんなまず使ってもらってデファクトにしないと。中国のIoTチップのさ、後塵を拝してるわけ。これも無料にGitHubで公開したから、使ってキットみんな提供したんですよね。今シマが勝手に自分でお小遣いで買っていじれるというところまで。
だからラズパイみたいな感覚だよね、これね。
いや、それよりもっと安く、いや、よくもやったなって、ま、その当時私も思ってましたけど、
みんな使うからデファクトになっちゃって、このIoTチップが踏み込みで返される。
本当に偉く苦労したんですよ。私もインクスの時に、当時はIoTって言葉がなかったんで、私たちはアリーナシステムって呼んでたんですけども、それはちょっとね固有名詞で、ちょっと各工作機械の情報を全部吸い上げて。
フィドルフ可とか電気とか見える化しようって話。
そう。ファナックがまだ工作機械を通信することを全くやってなかったんですよ。
FIELD systemの前だね。
FOCAS1、FOCAS2っていう、ま、その当時の通信システムですね。オープンソースで出してくれれば良かったんですけど、まだその時はそうではなかった。ただ私たちには公開してくれたので、多分世界で初めてCNCを理解をして、FOCAS1の中身の公開をしていただいたんで開発連動をさして、
はい。
で、全ての情報を表示するっていう風にしたんですよね。だからどのマシンがどこのメーカーさんのどの部品を加工してるかっていうのは全部分かってて、いつ何時に分かると。アリーナシステムでどこに次の仕事を振り撒くかっていうのも全部自動だったんです。
そう、APS、アドバンスド・プランニング・システムか、Asprovaみたいなことがもうインクス内でやってたわけです。
そうですね。みんなで考え、
みんなで考えて、で、当時さ、技術者も優秀だったじゃん。インクスマフィアって結構、ミスミのmeviyのね、柳沢さんも元安部さんの部下。
そう。彼もね、そのmeviyの開発やって、もう非常に優秀な
優秀ですよ。
でしたね。由紀精密はまた別な人が社長やってるんですけどね。
そうですか。
それもインクスの社員ですけど、
当時の金型のね、を踏んでた人たちが今日本の重要産業をエンジニアリングしてると。
そこでいろんな開発をやってきたことを、ま、自分たちが参加してやってきたことがすごい力になってんじゃないでしょうか。そのね、パターンが分かったんだと思います。成功しやすいかっていうか、絶対成功するっていうパターンですよ。
他にはドイツのさ、
HSKですね。
HSKなんかね、あれなんかも1992年の時からBTシャンクってのあったんですよね。
はい。はい。あのBTシャンクが高速に耐えられないってことをもうその当時にもう分かってたんですよ。
大昭和精機さんとかがBTシャンク作ってるじゃないですか。筒型、円錐型じゃないで。
そうです。あれはJIS規格で決まったテーパーシャンクなんですけど、1992年に既にもう2万回転の加工を始めてた頃に、どうしても表面にガタガタができるんですよ。高速にすると削った面がですね、超高精度にいくら刃物の振れをゼロにしてやってもですね、ガタガタが絶対できるんですよ。
ま、後でだんだんだんだん分かってきたんですけども、テーパーシャンクが入るメス側、スピンドル側の口がですね、遠心力で開くってことが分かった。
メスが歪むんだ。遠心力で。
そうなんです。それがね、初めて分かって、で、いくらやってもガタガタするんですよ。
だから最初はまってるところは精度がぴったりなんだけど、そう、ぶわーってRPMが高速になってくると鉄が若干歪むんだね。
広がるんですよ。
何ミクロンなの?
それをガタガタ面から換算するとおそらく10ミクロンから20ミクロンぐらいで、ドイツは高速に耐えられるシャンクを作んないとどうもならんなっていう話をしてたんですよ。その後にドイツがそれを出してきた。
これ100億ぐらいで作ったわけですか?
多分相当かけたと思います。ただ国の国家戦略としてお金を出して、できるというところに全部出したわけでしょ。で、みんなに研究させていいやつを集めて、最終的にそのやり方にしようということ決めた。
HSK規格のホルダーであればこれぶれないんですか?
ぶれないです。BTシャンクの場合は上の頭のところにプルボルトってのがあるんですけど、そこを掴んで引っ張る形でクランプするんですけど、ここのところが遠心力で開いて緩むんですよ。外側からクランプする様式がダメだねっていうことで内側からクランプするっていう。そうすると遠心力がかかればかかるほどクランプ力が強くなって固定される。そういう形にしてあるんですよね。
ということは高速ミーリングしてもほとんど精度がぶれず、高速になればなるほど高剛性になって、綺麗な切削ができると。クランプシステムとHSKのこのライセンスを全世界に販売して
ライセンスでね、今ボケですもんね。
そう、そう。大体1台の工作機械でツールホルダーがやっぱ1000万、2000万使うわけです。下手したらマシニングセンターと同じぐらい使うんですよね。
だってパレットチェンジャーが何個もついてたらさ、200本ぐらい使うじゃないですか。
そう。だから日本の工作機械は自分たちが高精度な機械を作ってるぞって言いながら、実はその心部のツールホルダーとクランプシステム、それは全部向こうのものなんです。
ライセンス・バイ・ジャーマニー。
みんなに分からないようにお金を吸い上げる仕組み。
すごいよね。
どういう風に儲けるかっていう視点をやっぱり持った方が良くて。
そうそうですね。昔からヨーロッパってそういうところがとてもうまい。常に研究してるという。
学ばないといけないと思う。三菱電機は同じ轍を踏む失敗をもう1回するのっていう、本当に思うわけです。あなた方の三菱さんの佐のなんて日なんですよ。で、日なのにさらにソフトウェアを日にしてどうするんですかと。オープン戦略ですよ。
これから日本は総理も変わって国家戦略もきちっと出てくるようになったし、17分野、中を見ても素晴らしいものですよね。
終わったね。
で、山形太郎先生がかなり奮闘されて、義もね出されて日本に貢献するように働いてるじゃないですか。ドイツみたいにはなかなかいけないとは思うんですけどもね。でも着実にいい方向には行ってると私思いますよ。
安部さんもこの時流っていうか色々淡々とね、狙ってるところもあって、
ええ、そうですね。
フィジカルAI、ヒューマノイドロボットの提案があるみたいな話もあるけど、何を考えてるんですか?
これからロボットtoロボットでR2Rっていう、
これはね、重要なんですよ。いい話僕あるよ。それは
日本が勝つね、ロボットの戦略ですよね。
そうだよ。日本であんまり大きくなってないんだけど、MCPが重要じゃないですか。要するにAIとAIがコミュニケーションする。その窓口になるのが、ま、MCPっていうAIに最適化されたインターフェースみたいなもんなんです。RtoR、ロボットtoロボットがコミュニケーションしてこのMCP同士でコミュニケーションするじゃないですか。
大規模言語モデルも小型PCに入る時代になるので、全てが必要ではありませんけど、産業としてのね、そういうシステムっていうのがもうどんどんできていく。AIはフロント側で動かすと、下手したらセンサーのとこにAIが、そういう時代になりますね。
元々はフォグセンサーっていうセンサーを開発してたんですけど、クラウドが雲に対してセンサーは霧、要は情報をフロント側で全部処理しよう。で、上位にいちいち上げてたら処理が遅れると。だからもうセンサー側で処理を行っちゃおうと。で、それをやってたんですね。
なるほど。
そうすれば判断が早いですから、クラウドの方にも負荷が減るし、AIも全く同じことなんですよね。だからどんどんどんどんフロント側に移ってくと思います。で、私たちは、ま、そういう研究も始めていてですね。
すごい、センサーも作っちゃうんですか?
センサーもだいぶ開発しましたね。
安部さんとさ、僕が仕掛けようと思ってるのがあって、本質的なエンジニアであれば本当にモチベーション上がったと思う。で、こういう人によって日本の技術っていうのは支えられてきたわけです。
私なんか足元にも及ばない優秀な人がたくさんいましたよね、当時は。今は減ってるもんだけど、やっぱり今細分化しちゃってるから、あらゆる技術の知見が少ないですよね。自分の分野しかわかんないっていう。
僕はね、エンジニアじゃないから偉そうに言うと怒られちゃうんだけど、技術を見られてるし、それを統合できると。安部さんと出そうとしてるのがあってさ、是非概要欄から問い合わせいただきたいんだけど、これ、
これはですね、電源がいらないセンサーなんです。
すごいですよ。センサーってさ、電気を供給しないといけないんだけど、なんと無線で情報、振動とか音、
基本的にはどんなセンサーでもぶつけようとしてるんですけども、今温度と振動と磁気、それと圧力センサー、圧力センサーっつっても歪みセンサーなんですけども、あらゆるところにワンタッチでつけられるように。細かいことはちょっと極秘のとこもあるんですけども、通常をつけるって言うとメーターをね、カメラで読むとかってのあるんですけど、汚れてて見えないんですよ。はい。
石油プラントだとか化学プラントだとかいろんなプラントがありますよね。食品もあります。圧力センサー、温度センサー、振動センサー。この3つが三種の神器なんですよ。
なるほど。
これが石油プラントでもですね、温度センサーだけで数百箇所あってですね。
そう。いや、すごいのよ。プラント行くとさ、2000箇所ついてんの。それをさ、もう今令和だぜと思うんですけども、目視でさ、丸つけてんのよ。
本当に未だにプラントがあまりにも大きくて、そこも人がずっと歩いてですね、ちゃんとこうチェックして何度とかこう書いて。
絶対目くらだよね。あんな。
じゃあ後付けでセンサーつけようとした時に、今のセンサーでは簡単につかないんですよ。
そう、つかないし電気をどう供給するかっていう問題あったりする。
そうですね。もうバッテリー駆動にしようとした瞬間に電池がもう交換できないと。1000箇所あったらもう無理です。
そういうことになるんで無理。これはなんと給電が必要ないと。
そうです。
給電しないでいけるという。最大20mぐらい飛ばせんの。
その時の状況に合わせて、あの、そこはやろうと思ってるんですけども、説明がちょっとまだ少ないんですけども、これはこちらから今どういう状況って聞きに行くと教えてくれるっていう形なんですね。
そう、しかも金属でも大丈夫です。
そうですね。本当にICタグと同じような機能を持ったセンサーシステムなんですね。
そう。しかも電池不要で、例えば2000か所プラントでチェックするところにあれば、これを実装しちゃえばあとはドローンとかAGVとかで回ればパパーってデータ取れて、はい今日の目視完了っつってリモートで全部やれちゃいます。
そう、だからコスト的に考えた時に、つけたらもうその日から取れると。そういう風にできないと。またね、コストも下げないといけないと思いますけどもね。ものはこんなもんっていっちゃあれなんですけども、量産したらですね、とてつもなくコストが下がるわけですよね。
ただ先としては是非ものづくり太郎、安部さんとね一緒にこれ開発したいよとか、ま、今ちょっとお問い合わせいっぱいあるので。
ありますね。
はい。一緒にやりたいよ。自社で使ってみたい。工場の工作機械に全部載せたいとかね。そういった話でもいいと思いますけど。
午前だけでも、ま、あるメーカーさんがあの1000台とか2000台とか機械持ってるわけですよ。で、3直で始業点検やってんです。まだ紙でやってんですよ。
それはね、もういいわ。
もういいです。そういうことですね。
そういうものを全部、それ馬鹿なことはもうやめようと。
そうですね。
これしかもチェックしてる人正社員で、どれだけ給料高いんだと。それチェックするだけ。1人打って終わりますから。しかもソフトウェアはつけますからね。
そう。ソフトウェア、ま、基本的に三菱みたいなことはしませんね。我々はアホみたいなことしませんので。これあるな。俺三菱電機愛してるからね。三菱電機さん最近引き合い来ないけど。
三菱電機さんは私も大好きですよ。
大好きだよね。技術は持ってるけど商売が下手。ということで刑務の安部さんでした。もう素晴らしい。何回かやりたいと思ってるからね。引き続きということで、スーパーエンジニアでございました。どうも今日はありがとうございました。
どうもありがとうございました。
こんにちは。千葉ちゃんです。ものづくり太郎はYouTubeの他に講演活動も積極的に行っています。1年間で100回以上の実績があり、プライベートのセミナーや展示会、ブースでの講演や社内研修など柔軟に対応いたします。千葉の講演コースもものづくり太郎より破の価格でご用意しておりますので、概要欄よりお気軽にお問い合わせください。お待ちしてます。
記事公開
