勝間和代と安野貴博が語る、機械に任せる生活の作り方:洗濯、スマートウォッチ、音声入力、AI、そして国会

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概要

安野貴博のYouTubeチャンネルに、経済評論家の勝間和代がゲストとして出演した。二人はともにライフハック好きを自任している。勝間は、テクノロジーの方が上手にできることは機械に任せ、自分がやらなくてよいことは極力やらないという立場をとる。安野は元ソフトウェアエンジニアとして、この考え方に強く共感している。対談は洗濯機の選び方から始まり、スマートウォッチ、VRでの運動、PCとキーボード、音声入力とローカルLLM、日常でのAI活用へと進み、最後は技術がまだ入り込めていない領域として政治と国会の話で終わった。

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論理的な生活改善という仕事と、プログラマーとしての原点

勝間は自身の仕事を、マッキンゼーやJPモルガンといった外資系企業でロジカルシンキングとアナリスト業務に携わった経験をもとに、投資、生活の利便性、政治などについて「ロジカルにこうしよう」と提案することだと説明する。独立して約20年になる。世の中に出てみたら、世の中があまりロジカルではなかった、というのが出発点だという。

最近出した家電をテーマにした本は約5万部に達したという。勝間は、楽をしたい、同じことを自分で繰り返したくない、機械やテクノロジーがやってくれることは全部任せたいと話す。本人いわく「フェラーリ2台分ぐらい」の家電を買っては試してきた。そのうち7〜8割はボツになり、本には採用に値したものだけを載せている。安野はこれを、自力でその境地に至るにはフェラーリ2台分が必要だが、本を読めば答えだけが手に入る、と表現した。勝間は、ドルコスト平均法やホットクックのように、かつて自分が勧めたものを使った人からの信頼が厚いと話している。

安野は、この本の根底にある「なるべく摩擦をなくす」「機械が得意なことは機械に任せる」という発想が、ソフトウェアエンジニアの美徳とつながっていると指摘する。エンジニアには、機械にやらせられることを人間がやる方がむしろ良くない、という発想があるという。勝間はこれを、自分が中高時代からプログラミングをしていたためだろうと答えた。中高でコンピューター部に入り、13歳でパソピアを買ってもらった。30代にC++が出てきた頃、オブジェクト指向以前のところでやめるまで、金融機関勤めの頃もプログラムを書いていたという。通信モジュールのプロトコルも書き換えられた。別メーカーのPHSをドコモ用に改造した話を当時のTwitterに投稿したところ、堀江貴文がそれを見て感心し、以来親しくなったというエピソードも紹介された。

洗濯機はパナソニック一択:力を入れる場所の見極め

最初の話題は洗濯である。安野は自らを「洗濯弱者」と呼び、洗濯という行為への抵抗感が強いと打ち明けた。

勝間は現時点では洗濯機はパナソニック一択だと断言する。複数の洗濯機メーカーの人と話した結果、パナソニックが業界のベンチマークになっていて、他社はその性能をどう出すかで苦労しているという。評価のポイントは三つある。一つ目は洗剤の自動投入だ。勝間は洗剤を計るのが大嫌いで、洗濯物の量に合わせて自動で入れてくれる点を重視する。二つ目と三つ目は、世代が新しくなるほど乾燥が早くなり、しかも縮まないことだ。だからなるべく新しい世代がよいという。

なぜパナソニックが先行しているのかと安野が尋ねると、勝間は、この種の機械はセンサーとノウハウの塊で、微妙なバランシングの問題だと答えた。昔の乾燥機で服が縮んだのは、中でかき回していたからだという。かき回さずに軽く回転させながら風を当てる技術が必要で、そこにノウハウが詰まっている、というのが勝間の説明である。

興味深いのは、勝間がパナソニックの「手動」の部分を評価している点だ。他社の多くはフィルター掃除を自動化しているが、パナソニックは手作業である。勝間はそれでいいと考えている。フィルター掃除は性能に関係ないし、自分の手でやった方がきれいで早いからだ。そこではなく、洗濯そのものに力を入れてほしいという。安野は、メーカーが力を入れるポイントと勝間の重視する点が重なっているのだろうと受けた。勝間は海外メーカーの洗濯機も使ってきたが、遅いうえに縮み、汚れも落ちなかったと評している。

洗濯機に合わせて家を選び、服を選ぶ

勝間は長いあいだ、千葉の家ではパナソニックの洗濯機を使っていたのに、自宅では置けない状態が続いていた。自宅にも同じものを置きたいと思い続け、引っ越しの際には、まずその洗濯機が入ることを前提に住まいを探したという。

安野は、この「何かに合わせにいく」考え方が大事だと指摘し、本にある「洗濯機に合わせて服を選ぶ」話を掘り下げた。勝間は洗濯機で洗える服しか買わない。具体的にはポリエステル系で、クリーニングに出さずにそのまま乾燥までかけても縮まず、きれいになる。

安野のアプローチは対照的だ。洗濯そのものを諦め、サブスクの洗濯サービスを使っている。週1回来てもらうお手伝いさんに、服を集めて出す工程までやってもらっている。体感としては全自動で回っているが、戻るまで最大3日ほどかかる。仕事柄スーツを着ることが増えたので、スーツはクリーニングに出す。それ以外はTシャツなので置いておいても構わない。おしゃれを諦めることで洗濯コストを下げている、と安野は説明した。勝間は、コストを下げられればどんな方法でもよいとしつつ、自宅で洗うのが一番簡単だと付け加えた。

勝間は多いときで1日3〜4回洗濯するという。洗濯物が少しでも出たらすぐ洗う。その方が早くきれいになるし、家の中に洗濯物が置いてある状態が嫌いだからだ。その結果、洋服の数が大幅に減る。回転が速ければ在庫は少なくて済むということで、クローゼットは引き出し8個程度に収まっているという。安野は「在庫回転率」という観点はなかったと感心していた。

この考えは旅行にも及ぶ。勝間はコインランドリーがある場所にしか行かず、持っていく服は2日分で、リュック一つで足りる。国内なら事前に簡単に分かり、国外ではBooking.comなどで洗濯機・乾燥機付きの物件に絞り込んだうえで、全部の写真を確認し、一番立派な洗濯機と乾燥機があるところを借りる。安野は、家選びも出張先選びも洗濯機起点なのだとまとめた。

清潔な服を常に着ていることは人の印象に大きく響く、と勝間は言う。本人は1日2〜3回着替える。外出着、帰宅後の普段着、パジャマという具合だ。靴下は足に汗をかくのが嫌なので、朝・昼・晩と替える。

靴下の左右をめぐる対照的な選択

靴下については二人の方針が分かれた。安野は靴下をすべて同じ黒に統一し、左右のペアリング作業をなくした。勝間は逆に、なるべく左右の区別がある靴下を選ぶ。左右の足は大きさも形も違うので、区別がある方がフィットする。区別のない靴下はまっすぐな形なので、親指が詰まり小指が余る、というのが勝間の説明だ。サイズも重要で、小さいものはダメだという。

よく使うのはアディダスやプーマなどのスポーツ系の靴下である。機能性が重視されていて通気性がよく、左右別の形のものが多い。RとLが大きく書いてあるので間違えることもない。5本指ソックスは、ゴルフのように足の動きが大事な場面では使うが、履くのが難しいので日常では使わないという。安野は、あまり気にしたことがなかったので一度試してみたいと話した。

スマートウォッチは右手に:決済、ナビ、睡眠、VO2max

安野があまり使っていないというスマートウォッチを、勝間は強く勧めている。勝間は右手に着ける。時計を見ることはめったになく、SuicaやQUICPayでの支払いの方が多いのだから、改札でも自販機でもコンビニでも、わざわざ体をひねらずに済む右手がいい、という理屈だ。

使っているのはPixel Watch 4である。Apple Watchからファーウェイの製品に乗り換え、Pixel Watchも初代から買ってきた。ただ、初代は使い物にならず、3あたりでようやく実用的になり、3と4をメインにしているという。バッテリーについても世代ごとの変化を語った。初代は1日もたず、3でようやく1日半、4では2日半ほどもつ。1〜2日充電を忘れても動いているので気が楽だという。充電は入浴中にしていて、習慣になれば苦にならない。

一番よく使う機能はGoogleマップである。歩きスマホをしなくて済むうえ、画面を見る必要もない。曲がる直前に振動で知らせてくれるし、ヘッドフォンをしていれば左右の指示も聞こえる。決済もでき、時計とスマホだけで何も持たずに出かけられる点を勝間は評価していた。

睡眠も測っている。勝間はまず睡眠時間を先に確保し、8〜9時間は布団に入る。残りの時間の使い方と、実際に深い睡眠が取れているかを、Fitbitの機能が心拍から毎日管理する。ボディエナジーや運動量について細かく指示が出るので、基本的にはそれに従うという。

ただ、勝間が一番監視したいのは睡眠の質よりVO2max(最大酸素摂取量)だという。勝間の説明では、VO2maxは体重1kgあたりどれだけ効率的に酸素を消費できるかを表す指標で、体のどこかの具合が悪いと下がってくる。高いうちは大したことは起きていないだろうと考えている。57歳女性の平均は30前後だが、勝間の推定値は41〜45で、20代女性と同程度かそれ以上だという。その結果として疲れにくい、と本人は話す。VO2maxを測るのは、自分の「燃費」を知りたいからだ。

上げ方を問われると、勝間は有酸素運動が一番簡単だと答えた。ビジネスパーソンには「タクシーを使うな」とだけ言っているという。都内で3か所を普通に歩けば1万歩くらいになる。この日も収録会場に来るまでで3,500歩で、あと1か所寄って帰れば1万歩になる。もう一つは、よく寝ることだ。

安野も自身の体験として、血糖値をリアルタイムで測るフリースタイルリブレを紹介した。腕に装着すると1週間ほど血糖値を測り続ける。1〜2週間それで生活してみると、自分の血糖値がどう変わるか、「絶対血糖値感」のようなものが徐々に分かってきた。一時期やってよかったという。勝間は、VO2maxも同様で、体調が悪かったり運動しなかったりすると下がり、運動を再開すると上がるのでバランスを見ていると応じた。安野は、測定された数値と自分の体感をすり合わせられるようになるのがよい、とまとめた。

VRで運動する:Les Mills、Beat Saber、Pistol Whip

勝間はコロナ禍の時期にVRにはまり、今も運動に使っている。理由は、スポーツクラブに行くのが面倒だからだ。着替えて靴を履き替えているうちに、VRならかぶるだけでスポーツクラブのようなプログラムがいくらでもある。スポーツクラブで広く行われているLes Millsのプログラムも普通にあり、ボディコンバットなどをやっているという。

Beat Saberはエキスパートプラスまでできる。五十肩がなかなか治らず、病院でもだめで、気分転換にBeat Saberをやったら2週間ほどで治ってしまったという体験談も語られた。Pistol Whipも好きだという。敵がゆっくり撃ってくる弾をスクワットや移動でよけ続けるゲームで、汗びっしょりになる。安野がYouTubeで実況してはどうかと勧めると、勝間は、Beat Saberを1回だけやったが、自分は動画映えしないと笑っていた。

機材はMeta Quest 3と3Sを使っている。以前の主要メーカーのVR機器は、センサーのためのエリアを設置する必要があり面倒だった。それが不要になってずいぶん楽になったという。Questは1と2はいまひとつだったが3からとても良くなり、PCにつないで使うSteam系の構成もいらないと判断した。当時はVR機器を6種類ほど持っていたという。安野もかつていくつかの機器を触り、HTCのものも一時期使っていた。精度は良かったが、セットアップが大変でゲーミングPCも必要だった、と振り返った。勝間は、当時VRのために買ったゲーミングPCが、今はAIにすごく役立っていると話す。

PCはマウスコンピューター:サポートと「N」の配列

勝間は最近、PCをたいていマウスコンピューターで買っている。G-TuneやDAIVなどのブランドだ。理由の一つは、24時間365日サポートにつながることである。夜11時に困ったと思って電話しても、そのまま対応してもらえる。故障は自分が物理的に落としたとき以外にない。一度新幹線で落としてしまったが、修理に出して4〜5日で戻ってきたという。BTOの中では高いが、大手メーカーよりは安いのでいいと判断している。

もう一つの理由はキーボードの配列だ。勝間は、Nキーの下に変換キーがないと親指シフトができないと言う。マウスコンピューターの製品はほぼすべてその配列だが、そういうメーカーは珍しいという。

安野に求められて、勝間は親指シフトを説明した。数十年前に富士通がワープロのOASYS用に作ったかな入力方式である。かなで入力しようとすると50音あって指が飛び散る。アルファベットは26文字なのでキーボードの2段分しか使わない。そこで親指でシフトさせることで倍の文字を割り当て、ホームポジションで打てるようにした。濁音や小さい文字も1打で出るので、打鍵数は同じ内容で6割程度になると言われている。当時あったワープロ選手権では親指シフトが圧勝だったという。

勝間は20歳ごろ、アスキーが出していた親指シフトキーボードをPC-9800につなぎ、2週間で覚えた。その経験から著書『年収10倍アップ勉強法』で「2週間で覚えられる、1か月あれば大丈夫」と勧めた。ところが、人によっては3か月、半年かけても覚えられず、不評だったという。勝間は、指先の器用さに個人差があり、万人に勧められるものではなかったと振り返った。一方で、習得した人はブロガーとして活躍したり、脚本家には親指シフトの使い手が多かったりするという。

音声入力20年の変遷

勝間の入力は、親指シフトからさらに音声入力へ移った。音声入力で書き、多少の誤認識を親指シフトで直すというやり方である。

歴は約20年に及ぶ。最初のドラゴンスピーチはローカルで動作し、ローカルの辞書で処理するため誤認識がとても多かった。その後、いくつかのサービスを経てGoogleの音声入力が登場し、ずっと楽になった。勝間が大きな転機として挙げるのはPixel 6である。句読点の自動挿入と、AIが入ったNPUを使った音声入力が導入され、そこから爆発的に楽になった。以後Pixelの6から10まで使い続けてきたという。そしてここ半年ほどは、LLM系の音声入力という新しい波が来ていると勝間は見ている。

WhisperとローカルGemmaの組み合わせ

勝間が今使っているのは、OpenAIのWhisperで文字起こしし、その結果をLLMで整形する二段構えだ。勝間はWhisper系モデルを、小さな声やささやき声、雑音の多い場所でも音声をテキスト化できる点で高く評価する。一方で日本語は下手で、ある程度の日本語にはなるが完全な日本語にはならない。そこでLLMを通すと大体良い日本語になる、という。

本当はWhisperもLLMも両方ローカルに置きたいが、メモリがあふれてしまう。そのため現在はWhisperをクラウドで動かし、整形用のLLMだけをローカルで動かしている。使っているのはGoogleのGemmaだ。以前VR用に買ったPCはGPUのメモリ(VRAM)が4GBしかなく、3Bモデルしか載らなかった。最近のPCは12GBあるので、12Bモデルを載せている。勝間によれば、3Bと12Bでは賢さが全然違うという。安野はこの話を、F1レーサーのようにチューニングの際まで攻めている、と評した。

次に届く予定のノートPCは、AMDのメインメモリとGPUを共有できるモデルである。理論上GPUに12GB程度割り当てても大丈夫なはずなので、まず速度を見てみたいという。ここで言う速度は、Whisperから返ってきたテキストが整形されるまでの時間を指す。

勝間はこの構成を、速さと正確さのトレードオフとして捉えている。Pixel標準の音声入力や、Chromeの拡張機能「Voice In」も今なお使っている。これらは逐次変換なので多少不正確だが速い。一方、文脈ごと一気に処理して出す方式は少し遅いが正確である。どこまでの遅さなら我慢できるか、その境目を探っているのだという。

Aqua Voice、Typeless、SuperWhisperの比較

安野は、音声入力をトータルでパッケージした製品が増えてきたとして、Aqua Voiceなどを挙げた。安野自身も最近Aqua Voiceを使っている。勝間もAqua VoiceやTypelessを試している。Aqua Voiceは基本的にプッシュ・トゥ・トークである。勝間は月額課金が苦手で、買い切りのSuperWhisperを好む。ライセンスの範囲ならいくら使っても構わないし、モデルを自由に入れ替えられるからだ。仕上がりに満足できるならTypelessもAqua Voiceもよいと勝間は認めている。安野は、細かくチューニングしたい人には自分で触れるものの方が向くと整理した。

実は勝間の出発点はTypelessで、使ってみて感動したという。ただ、細かいチューニングができないので、そういうツールを探していたら友人がSuperWhisperを教えてくれた。さらに細かく調整できる別のツールも試したが、UIの使い勝手が悪すぎてやめたという。

SuperWhisperにも難点がある。勝間の使うWindows版(Mac版は分からないという)では、モデルをVRAMに載せても5分ほどで解放され、再ロードされる仕様になっている。安野は単純なバグのようだと言い、勝間は専有しないように意図的にメモリを空けているのだろうと推測した。3GB級のモデルを5分ごとに読み込み直す時間がかかるため、結果としてクラウドの方が速くなってしまう。そこでWhisperはクラウドに任せ、LLMは載せっぱなしにして、12GBのうち9GB程度をLLMに使えるようにした。コンテキストウィンドウも少し広げているという。

安野が、音声入力のためにここまで作り込む人は初めて見たと言うと、勝間は執筆が仕事だからだと答えた。有料メールマガジンを毎日4,000字書き、無料メールマガジンも書き、主宰するコミュニティ「勝間塾」では会員の投稿に返信している。今回の本は2〜3週間で書いた。締め切りをすっかり忘れていて、編集者に原稿の状況を聞かれたときには残りが2〜3週間しかなかったという。6月初めにハワイへ遊びに行ったが、ゴルフ以外はずっと原稿を書いていたと笑っていた。

なぜGeminiなのか:ログインの手間と応答速度

最近のAIについて、勝間はLLMを本当のブレークスルーだと見ている。言語をつなげるだけでこれほど思考になるというのは、言われてみれば当たり前だが、なかなか誰も気づかなかった、というのが勝間の評価だ。バイブコーディングはあまりしない。使うAIはほぼGeminiとGemmaに限られる。

Geminiを選ぶ理由は二つある。最初はOpenAIのChatGPTを使っていたが、一番腹が立ったのは頻繁にログアウトされることだった。勝間は複数の端末を使い、どこでもすぐ聞きたいのに、あちこちでログアウトされる。Googleアカウントで入っているところはログアウトされず、AndroidでもPCでもそのまま使え、チャットも連携している。これが最大の理由だという。

もう一つは、回答速度と回答内容のバランスである。勝間は、Claudeなどの優れた点も知っているとしたうえで、回答が多少遅くなるよりは、自分の合格点を超える回答をすぐ返すGeminiを選ぶと話した。モデルは常にProに固定し、どうでもいいこともProで聞く。そのために課金も最上位のUltraプランにしている。安野は、ChatGPTの上位モデルでは物によって40分待たされることもあり、軽いことを聞きにくいと比較した。

使い方の例として勝間は、その朝ヘルシオの土鍋ご飯モードでご飯を炊く際に、ついでにカレーを温められるかをProで聞いたところ、ダメだと言われたと話した。また、車の後部座席の右側にクッション付きの卓上テーブルを置けるか聞いたら、Geminiは入らないと答えた。約50cm×65cmの製品で、もともと付いている手すりと干渉するから、という理由だった。安野は、型番から調べて考えているのだろうと推論能力の高さを評価した。

メールを読んで答えを出したGemini

勝間が最近一番感動したのは、ベトナム航空の件だ。ダボスへ行くのにベトナム航空のエコノミーを予約したが、ANAのマイルでビジネスクラスが取れると分かり取り直した。そこでエコノミーをキャンセルしようとしたところ、予約時のクレジットカード番号の下4桁を求められた。勝間は覚えておらず、ベトナム航空のサイトを見ても書いていない。

Geminiに相談すると、Geminiは勝間のメールを確認し、次のように推論した。ベトナム航空のチケットを取った直後にANAでもチケットを取っていて、日程はまったく同じである。どちらもJCBで支払っており、ANA側のメールにはカード番号がはっきり書いてある。だからこの番号を試してみてはどうか。勝間はJCBの利用通知をすべてメールで受け取っているので、Geminiはそこから推測できたのだという。ベトナム航空への連絡メールの下書きまで作ってくれた。

安野は、AI単体の能力だけでなく、AIが活躍できる環境を整えることが大事だと各所で言われていると述べ、Gmail連携はその好例だとした。勝間はGmailとGoogleカレンダーの連携は本当にすごいと言い、連携せずに使っている人はどうしているのかと思うほどだという。安野は、AIはかつて質問に答えるだけの機械だったが、今は複数のサービスから情報を取ってきて突き合わせ、試行錯誤しながら結論を出すところまで来つつあるので、そのための仕組みづくりが必要だと述べた。

勝間は、AIを複数社に分けて使うより、一つに集約した方がよいと考えている。過去のスレッドを全部読んでくれるからで、会社を分けると、ほかの会社のAIと話した内容をもう一度入力しなければならない。

安野は、エンジニアはどれも使わざるを得ない場面があるので、自分は3社に分散していると話した。最近のメインはClaudeになってきた。とくに賢いことをさせたいときは、その時点でベンチマークスコアが最も高いモデルを使う。収録前日に出たGPT-5.4はかなり賢そうだと感じているが、日本語能力はまだ測りきれていない。ビジネス用途や読ませる文章については、Claudeの日本語能力が高いと見ている。プログラミングでは、Claude Codeが「本当に革命」だったという。1年前とはプログラミングという仕事のやり方が変わってしまった。安野は、PCを触りながら行う作業全体にClaude Code的なものが染み出していくだろうと予想し、エンジニアにはClaude Code、Codex、Gemini CLIなどを使ってこれから起きることの片鱗を感じてほしいと勧めた。

勝間の「ログインが耐えられない」という話を受けて、安野はアイデアを得たと話した。ChatGPT、Anthropic、Googleそれぞれの会話履歴を一か所に貯めて互いに参照できるツールがあれば、自分はかなり幸せになれる。テキストベースなら重くないので、作ってみようかと思う、という。

共通する原則:機械が上手なことは任せる、ただし機械の限界も見る

さまざまなライフハックに共通する考え方を問われ、勝間は、テクノロジーや機械の方が上手なものは一切合切任せ、自分がやらなくていいことは極力やらないことだと答えた。

ただし、機械がまだできないこともはっきり見ている。料理では、切る作業だけはどうしても自分でやり、その後の調理は調理家電に任せる。切る機械はかなり頑張っていろいろ試したが、だめだったという。不定形なものを状況に応じて素早く扱うのは機械が苦手で、人間の方が器用だからだ。勝間は、わざわざ食品工業の展示会まで見に行った。そこでも機械は食材をつかむことすらできず、空気で吸い付けて持ち上げていた。海苔巻きの機械でも、具材を詰める部分は人間がやっている。結局、包丁とピーラーに落ち着いたという。

安野は、ロボティクスは専門ではなく見ているだけだとしたうえで、不定形なものをつかむ作業はできるようになり始めているとの見方を示した。ルンバのように家庭で使える製品になるのは5年くらいのスパンでうまくいってほしいが、まだ少し先だろうと話した。

勝間は原則をこうまとめる。人間が繰り返し同じことをしなければならず、しかもそれが自分の人生の充実と関係ないものは切り離したい。洗濯機の洗剤を計って幸せになる人はほとんどいないので、それは自動化すべきだという。安野は、それをやること自体が幸せなら構わないが、そうでないならどんどん機械にやらせようという考え方だと言い換えた。

勝間はさらに、なぜみんな洗濯機は使うのに食洗機は使わないのか、とよく議論していると話す。食洗機はテクノロジーの塊で、水流がどう流れどう当たるかを想像しながら皿を置かないと汚れが落ちない。それをせずにぎっしり詰めるからうまくいかない。機械を使うにもノウハウがあり、家電リテラシー、テクノロジーのリテラシーをみんなで高めた方が楽しいと勝間は考えている。

残されたフロンティアとしての政治

まだ答えが出ておらず解決したい領域を問われ、勝間は政治を挙げた。政治の意思決定の仕組みと、民主主義や資本主義のどのモデルが適切で、どうすればみんながより幸せになれるか。これは日本だけでなく世界全体が解決できていない問題だと勝間は見ている。

チームみらいの党首として国会に入った安野は、あまり新しいことが行われていない分、「こうすればもっと良くなる」という点が次々に見つかる、という感覚を持っていると話す。勝間はその原因を独占に求める。競争がないからだという。安野も、アウトプットの質が測りにくく、新規参入がきわめて難しい領域だと同意した。勝間は、衆議院と参議院という仕組み自体が独占形態であり、安野は法律で守られていると付け加えた。

勝間は何度も政治家に誘われたが、ならなかった最大の理由は、議会で長い議論が続く間に絶対に寝てしまう自信があったからだという。非生産的な時間に耐えられないと思ったのだ。安野は、委員会は大丈夫だが、本会議場はPCの持ち込みが禁止で、スマホもだめだと明かした。1日6時間ほど情報がまったくない場所にいることになる。社会人になってから約15年、PCと一緒に何かしていない時間はなかったので、急に強制的なデジタルデトックスをされてどうしていいか分からなくなる、という。理由は「品位」だそうだ。安野は、本会議場へのPC持ち込みを可能にするよう働きかけていると話した。儀式的な面があることは認めつつも、世界の変化が速く激しくなっている今、儀式の割合を下げ、議論の質を上げることを考えるべきだという立場である。

勝間は、衆参ともに議員の知り合いが多いが、原則としていい人ばかりだと話す。町内会長やPTA会長のイメージに近く、そういうインセンティブを持つ人たちが集まるから、ああいう形態になるのだろうと見ている。知り合いの経営者も議員になっているが、みんな心が折れてしまうという。安野も、パッと見て嫌な人がほとんどいないのはその通りだと応じた。そのうえで、まず国会の質を上げるために実質的なことを考えようと訴え、ライフハック的な考え方をする人も国会に入ってきてよいと伝えていきたいと語った。

勝間は、資本生産性が労働生産性を上回ることはピケティがずっと言っていることだとしたうえで、国会には資本生産性が1ミリもないと評した。安野も、人間がいかに動くかという「労働生産性100%」の世界観だと同意した。そのうえで、資本で装備できる部分もかなりあると指摘する。政党がやっているのは、有識者や当事者の意見をいかに早く集め、それを処理して法案や政策の形で投げ込むという情報の流れである。このプロセスにはノウハウやテクノロジーを入れる余地が大きいので、まずそこからDX化していきたい、というのが安野の方針だ。

勝間は、10年以上委員を務めている国土交通省の社会資本整備審議会で、最近ようやくオンライン出席ができるようになったと話した。ただ、顔合わせのためにたまには出向くという。安野によれば、有識者会議はオンライン参加が可能になったが、国会はまだで、有識者を呼ぶ場面でオンライン参加が実現した実績が去年ようやく一件できた段階だという。勝間は、有識者会議も自分の発言は5〜10分なのに3時間ほど拘束されると指摘し、同じ説明を2回聞くことになるので事前のレクは断っていると話した。安野は、優秀な有識者ほど忙しいので、さっと参加して意見を拾い上げられるやり方を模索しなければならないと応じた。

勝間は、これから変えようがあって面白いと言いつつ、自分は逃げてしまったので頑張ってほしいと安野にエールを送った。対談の最後に勝間は、今回はテクニカルタームを手加減なしに使ってしまった、自分のチャンネルでもここまで専門用語を連発しないので楽しかったと振り返っている。