社会人留学は「あり」か:留学支援31年の若松千枝加氏が語る準備の順番と学校の選び方
PIVOT 公式チャンネル社会人が仕事を離れて留学することに意味はあるのか。PIVOTの番組で聞き手はこの問いを投げかけた。聞き手自身も2年後の留学を考えている。ゲストは留学情報サイト『留学プレス』編集長の若松千枝加氏で、社会人留学は「明確にあり」という立場をとる。そのうえで、留学の成功と失敗をどう捉えるか、キャリアとどう結びつけるか、2年前から何を始めるべきか、学校をどう選ぶかを具体的に語った。
留学業界で31年、カウンセラーからメディア運営へ
若松氏は留学業界に通算31年携わってきた。最初は留学カウンセラーとして、約3000人の留学を支援した。その後独立し、2008年から留学メディアを運営している。現在は留学ニュースを扱う『留学プレス』と、女性に特化した情報サイトの2つを手がける。社会活動としては、日本認定留学カウンセラー協会の幹事として次世代のカウンセラー育成に関わる。今年立ち上がったJAOS留学総合研究所では研究員を務め、留学全体のデータを分析している。
海外生活の経験は、小学校後半から中学の初めにかけて、父親の転勤でアメリカのシアトルに住んだことだという。その後は日本で教育を受けた。途中で短期留学をしたほか、現在も仕事の一環として視察を兼ねた短期のホームステイなどで各地を訪れている。ただし飛行機代も高くなり、機会があれば行くという状況だそうだ。
30年で変わった留学の環境
若松氏が業界に入ったのはバブル崩壊からしばらく経った頃で、留学する人は少しずつ増えていた。2000年より少し前には一度留学ブームが来た。それまでは語学留学と大学・大学院への留学が中心だったが、この時期には語学を学びながら他の勉強や習い事もする「プラスアルファの留学」が盛り上がったと振り返る。
一方で、留学はお金も時間もかかる自己投資なので、社会情勢と無関係ではいられない。若松氏は米国同時多発テロ、東日本大震災、コロナ禍を例に挙げ、そのたびに留学が大きな影響を受けてきたと話す。さらに日本人は先行きを心配する人が多く、情報収集にも長けているため、テロや各地の戦争が起きると不安が強まる傾向が他国の人と比べてやや大きいという見方も示した。聞き手は、今は円安もあると付け加えている。
社会人留学が「あり」である理由
社会人留学はありかなしか。若松氏の答えは「明確にあり」だった。どんな目的で行くかによってやり方をきちんと考える必要はあるが、判断そのものは迷わないという。
その根拠として若松氏が挙げたのは意欲の差である。中高生のときに親に言われて行く留学や、親にお金を出してもらう学生時代の留学とは違い、社会人の多くは自費で、しかも仕事を休んだり辞めたりして行く。なぜ行くのかをしっかり考えたうえで出発するので、並々ならぬ意欲がある。聞き手は、リスクをとって時間もかけるぶん、期間を無駄に過ごす可能性はかなり低くなりそうだとまとめ、若松氏もこれに同意した。
「失敗こそ成功」という考え方
成功する留学とそうでない留学を分けるものは何か。この質問に、若松氏はまず「厳密には成功とは何かという話になる」と答えた。留学の失敗とは何かとよく聞かれ、31年間考え続けてきたが、行き着いたのは「失敗こそ成功」という考え方だという。
海外では予想外のことがよく起きる。聞き手は大学時代にフィリピンの大学へ半年間交換留学し、気候への不慣れや治安面のトラブルをたくさん経験したと話した。若松氏が、そういうときは自分で情報を集めたり誰かに助けを求めたりしてリカバーしてきたのではないかと問うと、聞き手は「本当にたくましくなった」と答えた。若松氏は、その経験こそが留学の成功だと言えるという。
若松氏が例に挙げた失敗はどれも小さい。ホームシックで学校に行けなくなる。思うように語学が伸びない。もっと話せると思っていたのに実は話せない。迷子になって帰り道を尋ねたいのに勇気が出ない。こうした小さな失敗の積み重ねが自分を成長させていく。留学はそれが自然に起きやすい環境で、一定期間ひとりで海外に暮らせば、誰でも必ず成長がある。「失敗イコール成功」とはその意味だと若松氏は説明した。
「譲れないこと」を決め、残りは空白にしておく
では、事前に何を考えておくべきか。若松氏が勧めるのは「譲れないこと」を決めることだ。中身は人それぞれ違う。
留学というと、希望をたくさん出してそれを叶えに行くものだと思っている人が多い。高いお金を払うのだから、あれもこれもやりたくなるのは自然なことだ。しかし限られた期間で何かしらの成果を持ち帰るには、やらないことも決めたほうがいいと若松氏は言う。
理由のひとつは偶然の機会である。現地では思わぬ人と出会い、新しい体験のチャンスが生まれることがある。最初から予定を詰め込み「全部やらなくては」という気持ちで行くと、そうした貴重な機会を見逃してしまう。だから「これだけは絶対にやってくる」という譲れない条件を自分の中で明確にし、それ以外は偶然も含めて空白にして楽しむ意識が大事だという。
キャリアとの結びつけ方は3タイプ
キャリアを一度中断して行く以上、戻ってきたときにプラスになる留学にしたいと考える人は多い。若松氏は、留学とキャリアの結びつけ方には3つのタイプがあるとした。
1つ目は「キャリアアップ」で、今の仕事をさらに深めて高みを目指すタイプだ。目指す姿がある程度見えていることが多く、明確でなくても、上に行くための手段はわかりやすい。それを実行するために最高の投資をすることが、このタイプの鍵だと若松氏は言う。
2つ目は「キャリアチェンジ」で、今までの仕事から大きく変わって新しい世界に行きたいタイプだ。やりたいことが決まっているなら、キャリアアップと同じように教育機関をしっかり選ぶ。ただし転身先での実績やノウハウはないので、一から学べて、短期間でも実践で鍛えられる場を選ぶことが大切だという。
3つ目は「決まっていない」タイプである。新しいキャリアに踏み出したい、今の自分はここではないと感じているが、行き先はまだ決まっていない。
行き先が定まらなくても準備は始めてよい
聞き手は、自分はおそらく3つ目のタイプだと打ち明けた。長期で英語圏の大学院に行きたいという夢はあるが、帰国後に今と同じ仕事をするのか、まったく違う仕事をするのかは定まっていない。この状態で準備を始めてよいのかと尋ねた。
若松氏の答えは「いいと思います」だった。早く準備を始めるほど、少しずつ成功に近づいていく。自分を棚卸しし、未来を考え、どこに向かうかを考える。その答えは日々変わっていくだろうが、その過程自体が成長だという。留学は出発の日から始まるのではなく、今悩んでいる自分も認めて、それを留学の道筋のひとつに入れるとよいと若松氏は勧めた。
希望を全部テーブルに出してから引き算する
譲れないことを決める前に、一度すべての希望をテーブルの上に出す段階が必要だと若松氏は言う。聞き手が「どんな国や選択肢があるかをまず眺めるということか」と確かめると、若松氏は、眺めるのは情報ではなく自分だと答えた。
テーブルに並べるカードには予算も含まれる。どのくらいのお金を用意できそうか、できなさそうかも書き出しておく。たとえば、ジャーナリズムもやりたいがホスピタリティにも興味がある、親子留学にも関心がある、というように頭の中にある希望を日々変わるものも含めて全部出す。そこから引き算をしていき、最後に残ったものが譲れないものになる。若松氏はこのプロセスがとても役に立つと話した。
これを受けて、聞き手はその場で自分の希望を整理した。1つ目は学問の軸である。PIVOTでも、その前に記者をしていたときも国際情勢を扱ってきたが、一貫した学術的なバックボーンがなく、点でしか追えていない。理論をきちんと勉強したことがないので、そこがほしい。2つ目は時期で、今から2年後くらいを考えている。3つ目は家族を連れて行きたいということだ。話しながらこの3つが見えてきたという。家族帯同については動画の後編で扱うとしている。
若松氏は、書き出して削った結果この3つが残ったことは今後の準備の核になると評価した。今後新しい希望が出てきたら、ためらわずに一度テーブルに戻し、削る作業を繰り返せばよいという。2年後に出発する場合、教育機関によっては1年前には出願先をはっきりさせる必要がある。だから考えるのは今だと若松氏は強調した。また、人に相談することはよく勧められるが、相談しすぎずに自分と対話するほうがよいとも述べた。自分の未来だからこそ、納得できるところに落ち着くために、今は希望を出し切る段階でよいという。
2年のロードマップ:棚卸しと並行して語学を始める
聞き手はスケジュールを確認した。今は2026年の夏で、学校が始まるのは2028年の夏か秋頃になる。最初の1年が準備期間で、前半は自分が何をしたいかという大きな問いから始め、後半は出願に向けて具体的な情報を集めていく流れになる。
若松氏は、大学院のような高等教育機関を想定するなら、棚卸しと必ず同時に進めるべきことが1つあると言う。それが語学力だ。出願にスコアの提出が必要なのはもちろん、スコアをクリアして合格しても、授業についていき卒業するまで英語力が求められる。今始めて損はない、と若松氏は言い、聞き手も1日でも早いほうがよいと応じた。
TOEFLかIELTSか:無料サンプルで相性を見る
聞き手はまだ情報収集をしないままIELTSを勉強していると明かし、TOEFLとIELTSは行き先によって使い分けるのかと尋ねた。
若松氏によると、以前はアメリカやカナダなど北米に行くならTOEFL、オーストラリアや英国に行くならIELTSという棲み分けがかなりあった。しかし今はどの国でも基本的にどちらも通用する。さらにDuolingo English TestやPearsonのテストなど、選択肢も広がっている。各テストの運営団体のウェブサイトでは無料のサンプル問題を試せることが多いので、実際にやってみて得意そうなものを選ぶのが一番よいという。
日本で英語教育を受けてきた人にはどれが有利かという質問には、はっきりとは言えないと若松氏は答えた。形式は違っても、ライティングやリーディングなど測られる能力は基本的に同じだからだ。テスト同士を横並びで比較している人もいない。ただ、いくつか受けてみると、自分と相性のいいテスト、逆に相性の悪いテストは必ずあるという。「これは無理」と感じるものは避ければよい。スコアは何度も受けないと上がらないので、慣れていくことが必要で、受験しても緊張しない状態を作ることも大事だと若松氏は付け加えた。
志望校選び:学校ごとの強みを見る
棚卸しと語学の次は、分野が決まったら学校を選ぶ段階に入る。自分がやりたいことを扱っている学校を選ぶのは当然として、自分の語学力やこれまでの成績も踏まえて合格の見込みをある程度予測し、併願校も決めていく。
PIVOTの視聴者なら大学院やMBAを考える人が多いだろうという前提で、聞き手は世界中にある学校を何を基準に選べばよいかと尋ねた。若松氏は、MBAなら経営学の修士課程として内容の枠組みは共通しているが、スクールごとに強みが違うと説明する。情報はネット検索やAIでも集められるし、SNSには在校生の投稿もたくさんある。そのうえで、マーケティングに強い、ケーススタディに強いといった特徴を見て出願先を決めることが大事だという。
国際政治のような分野では、世界大学ランキングの国際関係分野がひとつの目安になる。その中から興味のある大学を選び、各大学がどこに焦点を当てているかを見る。アジアやアフリカに強い大学もあれば、聞き手のようにジャーナリズムと組み合わせて考えられる大学もある。そうした強みを見て第一志望校を考えるとよいと若松氏は話した。
学びたい分野が見つからないなら「暮らし」で選んでもいい
聞き手は、そもそも自分がどんな強みを持つ学校に行きたいのかがわからないと率直に打ち明けた。MBA志望者でも、漠然と経営やビジネスの知識を深めたいと思った段階では、具体的な分野まで決まっている人は少ないのではないかと問うた。
若松氏の答えは、その段階なら決めなくてもよいのではないか、というものだった。留学は学びであると同時に生活でもある。どこで学びたいか、どこで暮らしたいか、どんな留学生になりたいかで選んでも一向に構わないという。若松氏は「悪い学校はない」とし、憧れのキャンパスでも、映画の撮影によく使われるキャンパスに通いたいという理由でもいいと話した。自分で選んだ学校なので誰にも文句は言われないし、それでその後のキャリアに差し障りがあるわけでもないという。
学問を極めたいという理由こそが正しく、それ以外で決めるのは邪道だと思っていた、と聞き手が言うと、若松氏は「全然とは言わないが、あまり気にしすぎなくていい」と答えた。特定の分野のピンポイントでやりたいことがある人を除けば、生活も考慮して選んでよい。そこに予算も関わってくる。やりたいことができるいい学校でも奨学金制度がなければ、それも掛け合わせて考えればよいし、場合によっては国の候補を変えてもよいという。
費用の目安と社会人向け奨学金
具体的な費用について、若松氏は英語圏ならまず300万円少しを用意しておくとよいという目安を挙げた。大学院留学の場合、英国なら1年で修士課程を修了できるので、およそ1000万円だという。MBAはさらに高く、プラス500万円ほど見ておいてもよいとした。
社会人が使える奨学金は少ないのではないかという聞き手の問いに、若松氏は「あります」と答えた。10年前と比べて数はかなり増えたという。採用の可能性を上げるには、これまでの人生が大事になると若松氏は言う。その学問のためにどれだけ努力してきたか、どんな具体的な行動をとってきたか、それによってどう成長したかを含めてアピールすることが重要だと述べたところで、この回は終わっている。家族を連れての留学など、残りの論点は後編に持ち越された。
成功する社会人留学とそうでない留学を分けるのは何だと思いますか?失敗こそ成功であるとも。どういうことですか?不測の事態って結構起きることあると思うんですよ。小さな小さな失敗の積み重ねがどんどん自分を成長させていく。戻ってきた時にキャリアのプラスになる留学にしたいな。その点では何を考えていた方がいいですかね?
3タイプあると思っています。1つはキャリアアップで、キャリアチェンジで、3つ目が決まってないっていう方。それぞれに対策はあると思います。この辺りまず何から始めたらいいんでしょう?
絶対に同時進行でやっておかなくちゃいけないことが1つあって。はい。
皆さんこんにちは。PIVOTのお手森です。今回のテーマは社会人留学ありかなしかです。ゲストは若松千枝加さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。ちょっと若松さんのご経歴とか、今やられてること、簡単に自己紹介していただけますか?
今留学業界にトータルで31年おりまして、留学の最初のキャリアのスタートは留学カウンセラーからだったんですけれども、そこで実際に留学をされる方々のサポートというのを3000人超ぐらいですかね、やらせていただいた後、独立をしまして、2008年から留学メディアを運営するといったビジネスの方を行っております。
ここで今、留学ニュースの『留学プレス』と、あと女性をターゲットにした、女性だけに特化した情報サイトの「女子という」2つのメディアを運営しつつ、またそれとは別に社会活動として留学の業界そのものに貢献するために、日本認定留学カウンセラー協会の幹事という立場で留学カウンセラーさんの次世代の育成であったりとか、あとJAOS留学総合研究所というのが今年立ち上がったんですけれども、そちらで留学全体のデータを解析していくといった役割を今いただいてまして、そちらでリサーチャーとしても活動させていただいてます。
いろんな変化もあったんじゃないですか?30年前って全然環境違いますよね。
いや、全然違います。本当に留学に携わり始めた頃っていうのは、バブルが弾けてしばらくぐらいでしたので、留学に行く方というのは少しずつ増えている時ではあったんですけれども、その後1回留学ブームみたいなものがボンと来まして。2000年よりちょっと前ぐらいですかね。
後半だと短期留学に行き、それまで語学留学と大学留学が中心だったのが、語学留学をしながらそれ以外のことも勉強できたり習い事もやれる、このプラスアルファの留学みたいなものがうわっと盛り上がった時期がありました。
ただ、留学っていうのはですね、結構お金もかかるし時間もかかる自己投資なので、社会の情勢と無関係ではないっていうところもあるんですね。
確かに。今円安もあるし。
そうなんですよ。今までのことで言うと、例えば米国同時多発テロであったりとか、あと東日本大震災であったりとか、コロナですね。
コロナはね。はい。こういうこと1つ1つでやはり大きな影響を受けるという側面がありますし、日本人の方々はやはり先を心配される方も多かったり、色々情報収集にも長けていらっしゃるので、すごく心配をすることも多いので、米国同時多発テロであったりとか、ちょっと戦争が各地で起きたりすると、微妙にそれで皆さん心配なさったりする傾向が強くなったりすることは、他の国の方と比べるとちょっと多いかなと思いますね。
なるほど。今回はちょっと社会人留学に絞ってお聞きしていきたいんですけど、本題に入る前にもう少し若松さんのことをお聞きしたいなと思って。海外に住まれた経験で言うと、いつどれくらい住まれてたんですか?
小学校の後半から中学の頭にかけてなんですけれども、アメリカのシアトルというところに、父の転勤に伴って住んでました。
いわゆる帰国子女。
そうですね。そうですね。はい。
その後は日本で過ごされてたんですかね?
はい。基本的には日本で教育を全部受けて、途中で短期留学であったりとか、あと今こういう仕事をしてますので、仕事に伴って視察がてら短期でホームステイしていろんなところに行かせていただくとか、そういったことはやってます。
なるほど。じゃあ今も実際に留学の現場に足を運んで見てみたりっていうことをされてるってことですね。
もう行ける機会があればですね。なかなか、はい。もう大変ですけどね。今飛行機も高いので。
そうですね。ちょっとその辺りの、なかなかハックはないと思うんですけど、円安のこの時代に行く価値はあるのかみたいなところもやっぱり気になるところなので、是非お聞きできたらと思います。よろしくお願いします。
はい。よろしくお願いします。
あえて社会人留学というテーマを選んだその理由は、ただ私がしたいからなんですね。
素晴らしいです。
多分PIVOTの視聴者の方も結構学ぶ欲が強い方、向上心が高い方が多いと思うので、きっと少し考えたことはあるんじゃないかなと思うので。今日はですね、まず何から始めたらいいのか、具体的にどれくらいお金がかかるのかっていうところも聞いていきたいんですけれども、まず大事なこと、社会人留学ってありですか?なしですか?
はい。ありですよね。はい。もちろんそのありの中に、どんな目的で行くのかとか、それによってやり方はきちんと考えてはいった方がいいとは思うんですけれども、ありかなしかで言ったら、これはもう明確にありだと思います。
それはどうしてですか?
社会人になってからの方が、それまで学生時代に学んできたこととか、あるいはもっと小さい、高校生とか中学生の時に親に言われて行った留学とは、大きなここに違いがあるというのが、まずありの根拠ですかね。
どういうことですか?
ほとんどの方は自前で。
そうですよね。身銭を切って。
うん。はい。
行くわけですから、そこにはやっぱり並々ならぬ意欲をお持ちで、なぜ行くのか、なぜ仕事を休む、あるいは辞めてまで行くのかっていったところをしっかり考えて行かれるという意味では、やはりそれまで親にお金を払ってもらって行ったとか、親に言われて行ったとか、そういった時代とは明確な意欲の差っていったものがありますよね。
確かに。リスクも取って時間もかけて、そうするとその期間を無駄に過ごしてしまう可能性っていうのはだいぶ低くなりそうですよね。
はい。おっしゃる通りです。
でもこれ、色々ちゃんと考えてから行った方がいいっていうお話もあったと思うんですけど、成功する社会人留学とそうでない留学を分けるのは何だと思いますか?
厳密に言っちゃうと、成功って何なのっていうことになっちゃうんですね。留学の失敗って何だろうって、私もよくこのご質問をいただくので、ずっともう31年間考え続けているんですけれども、失敗こそ成功であるとも。
どういうことですか?
はい。海外にお手森さんも多分何度も行かれたことがあると思うんですけれども、不測の事態って結構起きることあると思うんですよね。
そうですね。私そんなに長期では海外に住んだことないんですけど、フィリピンの大学に半年間交換留学で行っていて、やっぱり色々慣れないこと、気候的なこともそうですし、治安的なトラブルも、はい、もうたくさん経験しました。
そういった時って、やっぱりご自身で何とか情報収集するなり、誰かに助けてって言うなり、何かご自身でやっぱりリカバーされてきたと思うんですけど、どうですか?
そうです。もう本当にたくましくなりましたね。
素晴らしいです。その経験こそが、留学の成功でもあるとは言えると思うんですよね。
現地で例えばホームシックになってしまって学校に行けなくなってしまうとか、あるいは思うように語学が伸びなかったりとか、もっとできると思ってたのに実は喋れないとか、迷子になって家までの帰り道を誰かに聞きたいんだけどその勇気が出ないとか、本当にそういった小さな小さな失敗の積み重ねが、どんどん自分を成長させていくっていう側面があるわけですよね。
留学ではそれが起きやすい状況が、自然に環境としてあります。そういった意味では、どなたでも留学という、海外である一定の期間1人で暮らすということで成長は必ずありますので、失敗イコール成功という、そういった意味で言ってみました。
なるほど。じゃあ、あんまりこうなったら失敗だとか、こうならなければみたいなのは多分考えない方がいいのかなと思うんですけど、一方で、これは考えてから臨んだ方がいいみたいなことってありますか?
譲れないことは何なのかなっていうふうに決めていくのがいいかなと思っています。
社会人留学の場合だと何になりますか?例えば。
それはもうお1人お1人違うと思うんですね。何て言うんですかね、結構留学って言うと希望をいっぱい出して、それでその希望を叶えに行くっていうふうに思っておられる方がいっぱいいると思うんですけれども。
行く大学院だったりっていうことですか?
そう。これもやりたい、あれもやりたい、せっかく行くんだからってなると思うんですね。それはもう自然なことだと思うんです。高いお金を払っていくわけですから。
しかしやっぱり限られた期間で成果を何かしら持って帰ろうと思ったら、やらないことっていうのも決めた方がいいわけなんです。
実際には現地に行くと偶然起きる素晴らしい出来事みたいなこともあったり、思わぬ人との出会いがあって、そこで新しい体験ができるチャンスなどもあったりすると思うんですけれども、最初からいろんなことを詰め込んでいって、予定をギチギチにしていって、全部これやらなくちゃっていう気持ちで行ってしまうと、そういった偶然の貴重な機会も見逃してしまうし、できればそれよりは、必ずこれだけは絶対やってくるぞっていう譲れない条件というのを自分の中に明確に持っておいて、それ以外は偶然も含めて空白にして楽しむっていう、こういった意識もとても大事かなと思っています。
なるほど。これ本当に人によるとは思うんですけど、個人個人でまたその譲れないものとか、これ絶対やりたい、やらないは違うと思うんですが、やっぱりキャリアを途中で一旦断絶させていくわけですよね。
はい。
やっぱり戻ってきた時にキャリアのプラスになる留学にしたいなって思う人は結構大半だと思うんですよ。
はい。
その点では何を考えていった方がいいですかね?
まずその留学をキャリアに結びつけるというのには、3タイプあると思っています。1つはキャリアアップですね。今やっているお仕事をさらに深めて、もっと高みに登りたいというのが1つで、キャリアチェンジという方、今までのお仕事からガラッと変わって新しい世界に行きたいという方で、3つ目が決まってないっていう方。何かしら新しいキャリアに踏み出したいと思ってるけど、今まだ決まってない。
うん。
だけどもう今の自分は違う。ここではないって思ってる。この3タイプがあるので、それぞれに対策はあると思います。キャリアアップの方であれば、ある程度明確だと思うんですよね。
もうそのなりたい像というのがお有りになったり、あるいはそれほど明確でなかったとしても、その高みに登るための手段というのはすごく分かりやすく見えてくると思いますので、それを実行するための最高の投資をするっていうのが、キャリアアップにおける秘訣かなと思われます。
キャリアチェンジの方の場合には、何をやりたいかっていうのが決まっているのであれば、キャリアアップと同じく、キャリアチェンジの場合で選ぶ教育機関などをしっかり選んで、チェンジということは今までの実績がない、あるいはノウハウがないということなので、1からでも学べるところに行って、そこでしっかり、短期であったとしても、しっかり実践で鍛えられるような、そういうところを選ぶっていうこと。
私多分3な気がするんですよね。
本当ですか?ええ、意外ですね。
そもそも夢として留学に行きたいなというのはあり、大学の時に本当に半年しか行ってないので、本当に長期で行きたいなっていう、英語圏のところに行きたいし、大学院に多分行きたいのかなとか思っているんですが、その先に今と同じような仕事をするっていうビジョンがあるのか、全然違う仕事をするのか、本当にまだ定まってないんですよね。まずこれどうなんですか?この状況で準備しちゃっていいんですか?
いいと思います。いいと思います。はい。早めの準備イコール、やはり成功にちょっとずつちょっとずつ近づいていくと思います。
自分を棚卸しして、自分の未来を色々考えて、どこに向かっていくのかっていうことを、日々多分変わっていくと思うんですけども、過程そのものが成長だと思いますので、留学に行く日からが留学じゃなくて、今日、今その悩んでる自分も認めてあげて、留学の道筋の1つに入れていくといいかなと思いますね。
なるほど。じゃあ具体的にやるべきこととしては、まず何が譲れないのか、あとその戻ってきた時に同じキャリアでアップしたいのか、チェンジしたいのか、この辺りをまず明確にするところからって感じですかね。
そうですね。もしやることが決まってるのであれば、そういうことになります。さっき譲れないことを決めていくって言ったんですけども、譲れないことを決めていく前には、一旦テーブルの上にぶわっと希望を全部出すっていうフェーズが1回必要だと思います。
なるほど。それは例えばどういう選択肢があるのかとか、どこの国があるのかみたいなところも、まず一旦眺めた方がいいんですかね。
はい。情報を眺めるというよりは、自分をってことですね。私は何がしたい、どんな自分なのか、まずテーブルの上にいっぱい出しながら、そこに例えば予算とかも入ってくると思うんです。このくらいのお金は用意できそうだとか、できなさそうだっていったこともテーブルの上にいっぱいカードとして出しておくといいと思います。
例えば、ジャーナリズムもやりたいけれども、しかしホスピタリティにも興味がある、それから親子留学にも興味があるみたいな感じで、いろんなことが頭の中にはあって、それは日々変わってくると思うんですけれども、それをいっぱいバーっと出して、その中から引き算をしていって、最後に残ったものが譲れないものみたいなプロセスっていうのは、とっても役に立つと思います。
なるほど。それで言うと、おそらく私の中にあるのは、PIVOTでも、あとその前に記者をやってた時も、国際政治的な、国際情勢のことをやったりするんですけど、どうしてもそこに一貫した学術的なバックボーンがないなっていうところ、点でしか追えてない、ちゃんと理論を勉強したことがないなみたいなところが1つあるんですよ。だからそこが欲しいっていうのと、時期は今から2年後くらいで考えてるっていうのと、これすごい難しいと思うので、この動画の後半でも聞いていきたいんですけど、家族を連れていきたいんですね。多分この3つかなというのは今話してて見えました。
素晴らしいです。素晴らしいです。全部出して、それで削った結果、今この3つが残っているということは、すごくご自身の中の今後の留学準備をしていく中の核になっていくと思いますし、またもしこれからそこにプラスが出てきたとしたら、それはそれで躊躇せずに一旦またテーブルの上に乗せて、削るを繰り返していって、2年後までに色々考えていくといいのかなと思います。
もし2年後に出発をするんであれば、これはスケジュール感の話になりますけれども、教育機関によってはやっぱり1年前にはいろんなことをもうはっきりさせておいて出願をするみたいなのがやってまいりますので、その前、やはり今ですよね。
今考えて、人に相談するってよく皆さんおっしゃるんですけども、あんまり相談しすぎずに、やっぱり自分と対話して。自分の未来ですから。
はい。
そこに落ち着けるようにことを今出すフェーズにあっていいのかなと思います。
なるほど。じゃあスケジュール感で言うと、今2026年の夏なので、28年の夏とか秋ぐらいに大体学校って始まると思うんですけど、2年間ありますと。まずこの1年が準備で、それは多分1年の中の前半は、自分が何をしたいのかみたいな大きいところから始まり、後半の方はもう具体的に多分集めていかなきゃいけないわけですよね。その出願に向けた。
そうですね。
この辺り、まず何から始めたらいいんでしょう?情報収集だったり。
はい。今おっしゃってるのは割合、具体例で言うと例えば大学院とか、割合高等教育機関と言われているところが今イメージとして上がっていると思うんですけれども、そうなっていくとですね、今まずスケジュール感の今々、今からお話ししていくと、さっきの棚卸し作業をやる中で絶対に同時進行でやっておかなくちゃいけないことが1つあって、語学力。
はい。そうですよね。そうか、点数を提出しなきゃいけないんですもんね。
そうです。そうです。どっちにしろ、もしスコアをクリアしたとしても、合格してその後授業についていって、卒業までしなくちゃならないので、そうなると今始めておいて損はないというか。
確かに。それはもう1日でも早い方がいいですよね。
はい。
情報収集せずにIELTSを勉強してるんですけど、IELTSとTOEFL、どこに行きたいんだったらどっちなんでしたっけ?
以前はですね、アメリカやカナダ、北米に行くんであればTOEFLがいいよ、オーストラリアや英国に行くんであればIELTSがいいよっていう住み分けが以前は結構あったんですけれども、今はもう基本的にどの国であってもTOEFLでもIELTSでもどちらも通用しますし、またそれ以外にも語学テストの選択肢っていうのが広がってまして、DuolingoのDETテストであったりとか。
あとPearsonのテストであったり、いろんなテストの種類がありますので、これはですね、各テストを主催している機関が、大体どこもホームページに行くと無料のテストができるんですよね。それをやってみて得意そうなやつを選ぶのが一番いいです。
へえ。これでも一般的には、日本生まれ日本育ちで日本の英語教育を受けてきた人だと、どっちが点数を取りやすいとかってあるんですかね?
いや、こればっかりはですね、やることはどれも、ちょっとやり方は違ったとしても同じなんですよ。
ライティングがありとか、リーディングがありとか。
そう、そうなんです。そうなんです。だから測定される能力というのは基本的に同じなので、ここからはもうご本人の向き不向きで行った方がいいと思います。
どのテストが日本人にとって有利かどうかっていったことについては、横の比較っていうのをやってる人もいないので、どれがというふうには明確には言えないんですけれども、でも本当に面白いもので、これいくつか受けてみると、やはり自分と相性のいいテストっていうのは必ずあるんですね。逆に言うと相性が悪いテストかな。はい。これはもう無理、無理っていうやつはやめておいて。
それでやっぱり何回も受けていかないと点数は上がっていきませんので、どんどん慣れていって。今IELTSのお勉強をされてるって言ったんですけども、そこでもうやり方そのもの、テストを受けても緊張しない状態を作っていくっていうのも大事ですね。
なるほど。じゃあ2年というタイムラインの中の一番初めに始めるのが、その棚卸しと語学の勉強っていうことで、その次のステップは何がありますか?
この分野でやっていこうかなっていうことが決まった場合には、ここから学校を選んでいくというフェーズが始まります。出願先ですよね。
うん。
ここには、もちろん自分がやりたいことをやっている学校を選ぶということはもちろんなんですけれども、自分の語学力であったり、これまでの成績などを加味して、合格率をある程度予測しながら併願校も決めていくという、フェーズが始まると思っていただいたらいいと思います。
うん。おそらくPIVOTの視聴者的に、社会人留学するってなったら、大学院か多分MBAを考えられる方が多いんじゃないかなと思うので、それを前提でお聞きしていきたいんですけど、まずそもそも学校ってもう世界中にいっぱいあるじゃないですか。
はい。
国際何を基準で、どうまず選びましょう?
MBAの場合には、経営学の修士号ですので、経営学にはなってくるんですけれども、これはやっぱりそれぞれのスクールによって何が強みかというのが変わってまいります。
情報収集の方法としては、今ネット上でもいろんな検索ができますし、もちろんAIなども活用することはできると思います。あと、SNSなどで実際にそこに通ってらっしゃる方々がたくさん投稿もされているので、そういったこともすることはできると思うんですけれども、基本的には経営学の中でもマーケに強いとか、ケーススタディに強いとか、そういったことを見ていって、自分はどこに出願しようかなということを決めていくってことが大事です。
国際関係っていうことになるとするとどうですかね。
はい。そうなってくると、1つ目安になるのが、世界大学ランキングにおける国際関係といったところになってくると思うんですけれども、その中で自分の興味がある大学をピックアップしたり、あとやっぱり大学それぞれによってフォーカスしている部分が違ったりすることもあると思うんですね。
例えばアジアやアフリカにすごく強みを持っているところもあれば、そうではなくて、お手森さんのようにジャーナリズムとセットで考えられるようなところとか、いくつかそういった強みっていうのがありますので、その中から第一志望校を考えていくっていうのがいいと思いますね。
なるほど。その興味があることと、その大学の強みを重ねるってところだと思うんですけど、これもう本当にお恥ずかしい話なんですけど、なかなかそもそも自分が何に強いところに行きたいんだっけっていうのを、もうそもそもそこをどう考えたらいいかがちょっと迷走してまして。
多分MBAに行く人でも、漠然ともうちょっと経営を深めたい、ビジネスの知識を深めたいと思っていても、そう思ったタイミングで具体的にこの分野って思える人は少ないと思うんですよ。
なるほど。はい。
どう見つけていけばいいんでしょう?
逆に言うと、その段階にあるんであれば、決めなくてもいいんじゃないでしょうか。留学っていうのは学びでもありますけれども、生活でもあるんですよね。
うん。
どこで学びたいか、どこで暮らしたいか、どういう留学生になりたいかみたいなことも、そっちで選んでいっても一向に構わないと思うんです。別に悪い学校とかないので、ぶっちゃけですね。
それだったら、憧れのこのキャンパスの学校でも別にいいし、映画の舞台でよく撮影に使われているあのキャンパスに通いたい、でも別にいいと思います。それでどこを出たかと言って、自分で選んでいくところなので誰にも文句はないと思うし、だからと言って、その先のキャリアに差し障りがあるかと言ったら、そういうわけでもありません。
確かに。いや、なんかこういう学問を極めたいみたいな理由がもう絶対に正しいというか高尚で、それ以外の理由で決めちゃうのはなんか邪道みたいなイメージがあったんですけど、そこはそんなに気にしなくていいんですかね?
全然とは言いませんけど、あんまり気にしすぎなくてもいいと思います。さっき言った、この分野の中のこのピンポイントでこれをやりたいっていうのがある方以外は、やっぱり留学イコール生活っていうことも加味して選んでもいいと思いますし、さらにそこに予算ってものも関わってくると思いますので、もし予算的に、この学校に行ったらすごくいい、自分でやりたいことがあるんだけれども、ちょっとそこだと奨学金制度がないなとか、そういったことも掛け合わせで見ていくっていうこともあると思いますし、場合によったらそれで国の候補を変えたりっていうこともやってもいいと思います。
具体的にお金はいくらかかるのか。英語となると300万少し持っておくと、まずいいのかな。大学院留学、イギリスなんかに行けば1年間で修士を修了することができますので、1000万ってところですかね、大体。MBAとなるとより高いと思います。
MBAはどのくらいですか?大体。
もうプラス500ぐらい見てもいいかなというところではあります。
なるほど。社会人留学って、そんなに使える奨学金もないような気もするんですが。
あります。
本当ですか?
はい。あります。10年前と比べると随分数も増えました。
それらに引っかかる可能性を上げるために何ができるんですか?
これまでの人生っていうものが結構大事になってくる。これまでどれだけその学問をやるために自分が努力をしてきて、そのためにどういった具体的な行動を取ってきたか、そのために自分がどのように成長をしたか、こういったことも含めてアピールする。
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