小田切ヒロが滝沢眞規子に施す「大人可愛いヘルシーメイク」:下地の使い分けからフューチャリスティックアースの取り入れ方まで

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概要

ヘア&メイクアップアーティストの小田切ヒロが、モデルの滝沢眞規子(タキマキ)をゲストに迎え、本人のリクエストである「大人可愛いヘルシーメイク」を施した回である。小田切は、2026年のトレンドだという「フューチャリスティックアース」を裏テーマとして組み込んだ。どうすれば強く見える顔立ちに可愛らしさを足せるのか、トレンド色を大人の顔にどこまで入れるのか。この二つを軸に、下地の選び方からリップの重ね方までを順に実演している。

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15年ぶりの再会と「大人可愛い」というリクエスト

二人が初めて会ったのは15〜16年前で、当時の小田切はアシスタントとして「ピロコちゃん」と呼ばれていた。滝沢もモデルとしてのキャリアが浅い時期で、私物紹介の撮影に自宅からバーキンをたくさん持ってきていたという。小田切はそれを見て「ただもんじゃない」と感じたと振り返る。滝沢のほうは、雑誌で活躍する小田切を見て「あの時のピロコちゃんだ」と気づき、メイクしてほしいと思いながらも言い出せなかったと話す。小田切が滝沢にメイクをするのは、この回が初めてである。

滝沢のリクエストは「大人可愛くなりたい」というものだった。自分の顔は「どうしたって強い」ので、少し可愛らしさが欲しいという。優しげな可愛さとキュートな可愛さのどちらかと問われると、「どっちも」と答えた。小田切は、メイクは本来テーマを絞ったほうがよく、かっこよさ・可愛さ・健康的な印象を全部混ぜるとちぐはぐになることがあると前置きした。そのうえで、滝沢には混ぜたものを自分のものにする力があると判断し、あえて要素を盛り込む方針を取った。事前に滝沢のYouTubeとInstagramを見て研究し、まだ新しい可能性があると感じたとも述べている。

すっぴんを自己認識することから下地選びが始まる

最初に小田切は、すっぴんの自分をどう見ているかを滝沢に尋ねた。滝沢が「色黒いね」と答えると、小田切はそれを正解とし、素肌の状態を自分で正しく認識することが下地選びの出発点になると説明した。小田切の見立てでは、滝沢の肌はヘルシーで、トーンがやや低い。そこでまず少しだけトーンアップさせる。

ここで使うのは、概要欄によればディオールの下地2種である。肌をトーンアップさせながら立体的に見せる下地(フォーエヴァー スキン ヴェール)と、無色透明でマットに仕上がる下地(フォーエヴァー ベルベット ヴェール)だ。トーンアップ下地は会話の中で「これから出る」ものとして紹介されている。小田切は下地を2種類組み合わせることを、ファッションのコーディネートと同じ「カスタマイズ」であり「大人のエチケット」だと表現した。

この流れで小田切は、ファッションに強い人は顔に疎く、顔に強い人はファッションに疎いという持論を語った。両方のバランスが取れている人が一番だという。滝沢については、足りないのは顔の工程だと指摘した。滝沢も「やってないように見せたほうがファッションとバランスが取りやすい」と応じ、小田切は、やっていないように見せることは大切でも、実際には手をかけたほうがよいと付け加えた。

マット下地とトーンアップ下地の置き分け

マット下地は崩れやすいパーツにだけのせる。Tゾーンは明るいほうがよいが、光らないほうがよい。小鼻の周りは、光りすぎると鼻が膨張して見える。唇の縁もマットにしておかないと、小田切の言葉では「卑猥に見える」。物欲しげな印象になるという意味で、滝沢が「何も欲しくないって顔がいいわね」と返すと、小田切は「余裕のある」顔だと同意した。

トーンアップ下地は「ビューティスポット」と呼ぶ頬の高い位置に置く。小田切によれば、滝沢のこの部分はふっくらしているものの、年齢的に位置がやや下がっている。これは当たり前のことで、トップの位置を意識して置くと顔が明るく上がって見える。なんとなくつけると、顔が落ちた印象になってしまう。塗る順は、頬の上側から始め、鼻根にファーストタッチを入れてから目元へまっすぐ進める。ヘルシーにしたい時や抜け感を出したい時は指でラフにのせ、きちんとした印象にしたい時はブラシで丁寧に塗るとよい、という使い分けも示された。

目のくぼみにもトーンアップ下地を少量のせる。これに関連して滝沢は、くぼみが気になる時は塩気のあるものを食べて水をたくさん飲み、あえてむくませてふっくらさせることがあると話した。小田切は、くぼみへの下地はやりすぎると目が小さく見えるので、ほんの少しでよいと注意している。

目尻のくすみについて、滝沢は「もう諦めてる」「目の一部かな」と話した。自分でメイクする時はここを消さないが、ヘアメイクさんはいつも消すのだという。小田切は、確かに目の一部だと認めたうえで、完全にカバーすると目が小さく見え、放置するとくすみ感が出るので、下地で薄くカバーするのがよいと答えた。

ファンデーションは首のトーンに合わせる

ファンデーションは資生堂の新しいファンデーションで、小田切は美容液ファンデーションのスムースマットタイプだと紹介した。概要欄の色番は360 Citrineである。色を見た滝沢は「すごい黒いわね」と驚いた。

小田切の説明はこうだ。肌をトーンアップしたいからとファンデーションの色を上げる人がいるが、それでは顔だけがぽっかり浮いた「綺麗な人」に見えてしまう。今回目指すのは顔だけで完結しない、ファッションとつながった大人可愛さなので、首のトーンに合わせる。滝沢は、昔は自分の肌色があまり好きではなかったが、今は気に入っていると話した。

塗り方は、指でまず頬の広い面、顎、額に薄く重ねる。毛穴やキメが気になる部分は、SOYOのフィンガーブラシ(指の代わりになるブラシ)で小さくくるくると薄く伸ばす。滝沢は「すごい優しい」「塗ってる感ない」と感想を述べた。

この段階ではまだ肌が明るくなっていない。小田切は、このあとハイライターコンシーラーをのせるとトーンが上がるので、今はあえて低いトーンに落としていると説明した。それがもともとの滝沢の肌色でもある。肌はどうせくすむ。だからといって明るいファンデーションを選ぶと夕方に濁ってしまう。ファンデーションの色は上げず、下にくすまないトーンアップ下地を仕込んでおく。これが小田切の考え方である。

白いコンシーラーで「顔の中庭」を明るくする

次はシャネルのハイライターコンシーラー(レ ベージュ コレクトゥール)で、真っ白な色で立体感と明るさを足す。先ほど下地を重ねた鼻根、そして頬の三角ゾーン(ビューティスポット)に薄くのせる。顔を明るくしたい時は全体を明るくするのではなく、顔の中心から薄く広げるのがポイントだという。

小田切は三角ゾーンを「顔の中で一番明るくないといけない場所」と呼び、滝沢の家の中庭にたとえた。家の真ん中が明るいと家族もみんな明るく見えるのと同じだ、という説明である。仕上がりを見た滝沢は、目の錯覚のように軽く見えると反応した。小田切はこの時点のメイクを、肉眼でも動画でもきれいに見えるよう中間を取っていると明かしている。

ここまでのベースを、小田切は「デフォルト」と位置づけた。どんなメイクスタイルやファッションでも、ここまでは必ずやってほしいという。

リキッドチークをノーズブリッジから広げ、あえて頬には置かない

ここから夏の日差しに合うヘルシーな印象に寄せていく。使うのはNARSのリキッドチークで、概要欄では8月発売の新製品とされている。滝沢はリキッドチークをプライベートでは意外と好きだが、撮影では使われたことがないかもしれないと話す。提示された色は使ったことがなく、「これはすごいじゃない?」と驚いた。小田切は「冒険してください」と勧めた。

塗布にはファンデーションブラシを使う。指でもよいが、ブラシのほうがキメにしっかりフィットするので、年齢を重ねた肌にはブラシが向いていると小田切は言う。スタートはノーズブリッジで、そこから薄く伸ばす。続けてビューティスポット、鼻の下、顎、焼けやすい額、フェイスラインに重ね、ブラシに残った分を閉じたまぶたにもふわっとのせる。通常チークを置くような位置には、今回は一切のせない。

塗り終えた段階で滝沢は「すごい日焼けしちゃった人みたい」と言った。そこからスポンジで軽く押さえてなじませると、肌にフィットしてきれいになる、というのが小田切の手順である。小田切はここで、メイクはワクワクして自分を盛り上げるための手段だと語った。子どもが成長して手を離れ、自分の時間ができた時にワクワクが残っていないと困る、とも話している。

裏テーマ「フューチャリスティックアース」とアイメイク

アイメイクに入る前に、小田切は裏テーマを明かした。今期のトレンドは「フューチャリスティックアース」で、近未来感と地球(アース)を掛け合わせたものだという。ここまではマグマや火山、太陽を思わせるアースの要素で、あとから近未来的な要素を入れていくと予告した。

アイシャドウには、NARSのスティックハイライター(ライトリフレクティング ルミナイジングスティック)を使う。まぶたは乾きやすいので、パウダーではなく練りタイプでしっとりさせ、夏の日差し感を演出する狙いである。

グリーンのルースパウダーで寒色と暖色を掛け合わせる

パウダーはRMKのグリーンのルースパウダー(概要欄では9月発売)を選んだ。小田切によれば、フューチャリスティックアースのポイントの一つは寒色と暖色のミックスで、それもニュアンス程度ではない。はっきりした暖色に、すごくクールなグリーンを顔の中で掛け合わせることで新しい顔になるという。

のせる場所は、崩れやすく光りやすいパーツに限る。眉の中、額の縁と中央、小鼻の横、人中、顎などをカスタマイズするように押さえると、上品さと透明感が出た。滝沢は、先ほどの赤みが多少抑えられたと気づいた。ここで小田切は、ここまで練り物だけで仕上げてきた理由を説明している。内側からのエネルギーやほどよい湿度感はパウダーでも作れるが、しっとりしたテクスチャーのほうがよりみずみずしく見える。滝沢のみずみずしくエネルギッシュな印象を生かすためにアイテムを選んだ、というのである。

影は光を立たせるために入れる

続くシェーディングについて、滝沢は自分なら入れない、影だらけになる気がすると話した。小田切は、影が必要なのは光を立たせるためだと答えた。人生がうまくいっている人の裏側には苦労や悲しみがあり、それが原動力になって輝く。メイクも同じで、明るいものやエネルギッシュな色を足したぶん、裏側に影が欲しいという。滝沢は「私今日すごい苦労人みたいになってない?」と笑った。

使うのはメイクアップフォーエバーのHDスキン スカルプティングパレットで、表に見えないように入れる。正面から見ると顔が際立った。小田切は、重ねていくと質感が出てくるので、練り物でやったほうが肌のテクスチャーをきれいに保てると補足している。

さらにスティックハイライターを目の下にも入れ、涙袋風の立体感を作る。この時、まつ毛の際にはのせない。大人の目元は際を外したほうがきれいが保てるし、正直、際にきれいにのせてもどうせ崩れるからだという。滝沢は、つけた感じの重さがなく心地よいと話した。

部分つけまつげで目幅を広げ、眉は形より質感を整える

ビューラーでまつ毛を上げたあと、目尻だけに部分つけまつげ(概要欄ではPICCASSOのeyeme)をつける。滝沢は、つけまつげは久しぶりで、普段はほとんどつけないという。つけてみると「感じない」ほど軽い。

のりが乾くまでの間に眉を描く。使うのはKATEの極細アイブロウペンシルである。小田切によれば、芯を保護するパイプが付いたシャープペンシルのような作りで折れにくく、普通に売っているものだという。パウダーでは埋めず、1本1本間引くように描く。小田切は、大人の眉は形をそこまで変えないのがポイントだと話す。トレンドを気にする人は形を意識するが、それより骨格に合っていることと、質感を調整することが大事だという。

質感調整には、エスポアのクリアタイプの眉マスカラ(ラミネーティングジェル)で、まず眉にハリとツヤを出す。乾く前に色付きの眉マスカラを直接塗るのではなく、すかしながらつけていく。小田切はこれを、髪にメッシュを入れるのと同じだと説明した。眉の色を少し和らげる狙いで、滝沢は「自然じゃないとやなのよ」と満足していた。

マスカラはメイベリンのブラックで、マスカラブラシを使う。つけまつげをつけた部分は根元だけに塗り、毛先にはつけない。つけまつげのない目頭側だけ毛先まで塗る。あくまでナチュラルに、というのが小田切の注意である。目幅が広がって見えたことについて、滝沢は「アイラインとかで広げないのね」と尋ねた。小田切は、大人の目元はアイラインだと目尻が取れたり涙でにじんだりするが、この方法ならにじまずに美しさを保てると答えた。滝沢の問いかけで、下まつげにも軽くマスカラを塗り足した。

相反する青みピンクで「ひとさじの可愛さ」を足す

ここまでの状態を、小田切は「大人可愛いヘルシー」のうちヘルシー寄りになっていると評した。そこで、ここで初めてパウダーチークを使い、ひとさじの可愛さを入れる。概要欄によればNARSのブラッシュ(CATCH ME)で、これまでの色と相反する青みピンクだ。小田切は、本来は合わない色でも、ふわっと入れるとひとさじの可愛さが出ると説明した。

置くのは頬の丸いトップだけである。大人は少し感じさせる程度が大切で、思い切り入れると痛い感じになったりトゥーマッチになったりするという。滝沢は、実はこの系統の色を持っていると明かした。合わない色はないと思っているので買ったものの、見ているだけだったという。

リップはアースカラーの重ね付けとシルバーの一点使い

リップも、フューチャリスティックアースを直接表現するパートである。小田切がまず示したのはアースカラーで、「まさに大地の色」と紹介した。滝沢は最近南アフリカに行っていたと話し、現地で見た景色に涙が出たと振り返った。小田切はさらに、ビクトリアの滝の崖の割れ目の色だという色と、フューチャリスティックの要素として「デジタルのAIのシルバー」を並べた。この掛け合わせが今期の若い世代のトレンドだという。仕上がりは、90年代のスーパーモデル時代のようなヌーディでツンとした艶のある唇になると小田切は説明した。

これに対し滝沢は、普段グロスはつけないと話した。服に合わない気がして、マットでぐっと締めたほうがいいと思っているからだ。ここで話題は夫婦関係に移る。小田切が「旦那様はどっちが好きなのか」と尋ねると、滝沢は知らないが、夫はだいたい批判はせず可愛いと言うと答えた。今の夫婦関係は「平和」だという。小田切は、平和を保つにはちょっとした気遣いや我慢のやりとりが必要で、それを長く続けていることがリスペクトと信頼になると話した。さらに、このメイクは旦那様や家族が見る景色の一部であり、家に飾ってある大きな花と同じだとたとえた。だからこそ季節感のあるメイクをしてほしい、という流れである。

実際の手順は次のとおりだ。まず概要欄でYSLのラブヌード リップスティックとされるシリーズの色をブラシで叩き込む。小田切は、このシリーズの中でこれが一番滝沢に合うと思ったという。次にアディクションのリップペンシル(Cool Cinnamon)で、上唇の山を5mmオーバーリップする。小田切は、上までぐっと上げても全体で見るとバランスが取れていると確認した。その上に80年代風の青みピンクを唇の中央にトンと重ねると、沈まずに立体感が出て、2色が混在して見えた。小田切は、唇はもともと1色ではないので、1色でまとめるより色のグラデーションで奥行きを感じさせたほうがナチュラルで、その人らしく見えると説明している。

最後がシルバーのグロス(アディクション、In Mirrors)である。小田切は、ここにも「塩梅」が必要だと強調した。フューチャリスティックがトレンドだからといって全体に塗ってはいけない。唇の縁に、ほんの少しだけ入れる。滝沢は、想像と違う場所に入れたと驚きつつ「可愛い」と反応した。

仕上がりと「下地は絶対に」という結論

完成したメイクを、小田切は「大人可愛いヘルシーメイク aka フューチャリスティックアースメイク」と呼んだ。いつもの滝沢の雰囲気はそのままに、新しい要素とトレンド感があり、可愛いもヘルシーもかっこいいも兼ね備えたメイクだという。滝沢は、すごく自然だが少し新しい感じもすると評価した。男性から見ても女性から見ても好感度が高く、それでいてちゃんと特徴もあるという。

小田切は、メイクが終わった時の嬉しさやワクワクする気持ちを取り戻してほしいと語った。また、近くで見た人に「どんなメイクをしているんだろう」と思わせ、相手の気持ちを動かすことができるとも話す。そのために大胆にやる必要はなく、少しずつ加えた細部にこそ人を引き込む力があるという。

滝沢が一番印象に残ったと挙げたのは下地だった。小田切はこれを受けて、肌は必ずくすむものだと改めて述べた。下地は、くすんだ肌をより美しく見せるのか、崩れ方をきれいにするのか、そこにつなげるためのものであり、これだけは絶対に取り入れてほしいと締めくくった。