ChatGPTとGeminiを英語学習で比べる:単語の例文作りと英作文添削、無料版での勝者は

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概要

英語学習にAIを使うなら、ChatGPTとGeminiのどちらがよいのか。英語コーチングを手がける話者は、よく受けるこの質問に答えるため、両者に同じプロンプトを投げて出力を比べた。比較したのは「単語学習と例文作成」「英作文の添削」の2項目である。話者は、実際に使うなら両方とも課金したほうが賢いと前置きしたうえで、今回はあえて無料版で比較している。

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なぜこの2項目なのか

話者は、英語を勉強しようとする人の多くが「文法書をやるか、単語を覚えるか」の二択から始めると見ている。単語や文法の基礎があってこそ話せるようになるので、この発想自体は間違っていないという立場だ。

そこで比較項目を、単語学習(例文作成能力を含む)と英作文添削の2つに絞った。英作文添削は、言いたいことをすぐ言える力につながるうえ、文法や単語の勉強にもなる。話者は、単語、文法、すぐに文章を作る力の3つにまとめて、それぞれのAIがどう答え、どう教えるかを見ると説明している。

単語は「自分が使う場面の例文」とセットで覚える

話者はまず、単語を単体で覚えても使い方や文の形がわからなければ意味が薄く、知識として知っているだけで使える状態にはなかなかならないと指摘する。例として挙げたのは、単語帳の「disadvantage(不利)」の項目だ。例文は1つだけで、しかも「貧しい子供たちは教育的・社会的不利を被る傾向がある(Poor children tend to suffer educational and social disadvantages)」という内容だった。話者は、こうした例文を日常でそれほど使うだろうかと疑問を示す。

話者の提案は、自分が実際に使いそうな日常会話の例文とセットで覚えることだ。そのためのAIへの依頼文として、次のようなプロンプトを示した。

  • 「make(作る)」を完全にマスターしたい
  • 以下の条件で例文を作成してほしい
  • 私の属性は20代、趣味は旅行とパチンコ
  • それに合わせて、本当に使いそうな例を5つ挙げる

属性を伝えたくなければ、「makeを完全にマスターしたいので例文を5つ作って」だけでもよいという。話者が強調したのは、指示が抽象的だとよい回答が返ってこないという点である。できるだけ具体的に指示を出すことが、AIを英語学習に正しく使えるかどうかを左右すると話者は考えている。

ChatGPTの回答:趣味にきちんと寄せた例文と、次の提案

ChatGPTは、20代で旅行とパチンコが趣味という前提で「明日そのまま使えそうな自然な例文」を作ったと前置きし、次のような例文を返した。

  • I will make coffee before going out tomorrow.(ものを作る)
  • I hope I can make a lot of money at pachinko tomorrow.(お金を稼ぐ)
  • I need to make a reservation for the hotel.(予約する)
  • 「〜 will make my day」(パチンコでの勝利が最高の1日にしてくれる、という意味の例文)

あわせて、make a plan(計画を立てる)、make money(お金を稼ぐ)、make a reservation(予約する)、make someone 〜(人を〜の状態にする)といった重要パターンも整理されていた。話者はこれを「めちゃめちゃいい例文」と評価し、パチンコと旅行という2つの趣味に本当に合わせてくれている点を挙げた。

話者がChatGPTの長所として挙げたのは、回答の最後に必ず「こういうものも作れますがどうですか」と次の提案をしてくる点だ。今回は「ネイティブが毎日使う神フレーズ20個」「makeとdoの違いを日本人が一瞬で理解できる方法」「1日30分で覚えるmake完全マスター法」などが提案された。話者は「神フレーズ」の意味や一部の提案の中身には首をかしげつつも、こうした提案をしてくれること自体を魅力の一つと見ている。

Geminiの回答:共感から入るが、日常的でない語も混ざる

同じプロンプトをGeminiに送ると、「20代で旅行とパチンコが趣味とのこと、親近感が湧きますね」という感想から始まった。話者はこの反応に少し戸惑いを見せている。続けてGeminiは、makeは「作る」以外にも使える万能単語だと述べ、ライフスタイルに合わせた例文を5つ示した。

1つ目はパチンコで利益を出す場面で、「I hope I can make some profit」とpachinko parlorを組み合わせた例文だった。話者は、make some profit / make profitも「お金を生み出す」という意味のmakeとして使えると補足している。

2つ目は旅行の計画を立てる場面で、itinerary(旅程)という単語が使われていた。話者はここに引っかかった。日本語でも「旅行の予定」と言えば済むところをわざわざ「旅程」と言う人はいないのと同じで、itineraryは日常会話ではそれほど使わない。計画ならもっと平易な言い方のほうが圧倒的に自然だ、というのが話者の見方である。

ほかに、「Thinking about my upcoming flight makes me so excited.」(今度のフライトのことを考えるとすごくワクワクする)、「I'll make a reservation for a hotel tonight.」といった例文も出た。話者はこれらをいい例文だと認めている。

単語学習の判定:ChatGPT

話者は、Geminiにも日常会話らしくない例文がちょくちょくあったが、悪くはないと評した。「日常会話で使う例文を必ず作ってください」ともう少し強く指示すればよかったのかもしれない、とも振り返っている。ただ、今回は同じ文章を両方に送った結果を比べているので、その結果に限ればChatGPTがよいと判断した。

正確さについては、両方ともまず間違ったことは言っていないと話者は述べる。少し前ならAIはすぐ嘘をついたりごまかしたりしていたが、今回は両方とても正確だったという。差がついたのは、自分が本当に使えそうな例文かどうかだ。20代で旅行とパチンコが好きな人がitineraryのような単語を使うかといえば使わない。その意味で、話者はChatGPTに軍配を上げた。一方で、Geminiもいい例文は出していたと付け加えている。

英作文添削:あえて間違えた文を投げる

2つ目の項目は英作文の添削である。話者は、アウトプットの練習をしていると「この表現で合っているのか」と不安になる場面が多いと言う。たとえば街中で「電車が今行ってしまった」を「The train just left.」と言ってみたときなどだ。AIならその場で聞けて、解説がすぐ返ってくる。聞いていない面白い情報までくれるうえ、間違えた自分を否定せず、とにかく優しい点を話者は気に入っている。

比較には、わざと文法を間違えた「I went to pachinko yesterday and lost. It was so bored.」を使った。前半はそのままで正しいが、後半は本来「It was so boring.」(退屈だった)とすべきところを、あえてboredにしている。

プロンプトでは、次の点を依頼した。

  • ネイティブが使う自然な表現に直すこと
  • 間違いがあれば、どこが間違っていたかとその解説
  • 間違えた文法を練習するため、同じ文法構造を使った日常会話の短い例文
  • 同じ間違いをしないためのクイズを1問。私が答えるまで正解は言わないこと

答えを示すだけでなく、解説、復習、クイズまでやってもらう設計である。話者は無料版を最後に使ったのがかなり前なので、今どうなっているか楽しみだと話していた。

ChatGPTの添削:的確な指摘と、やや不自然な例文

ChatGPTはまず修正文を2つ示した。1つ目はややフォーマル寄りで、その下に「会話でもっと自然に言うなら」という表現を添えていた。話者はこれを「めっちゃいい」と評価している。

最も大事だと話者が言う文法ミスの指摘も「ドンピシャ」だった。ChatGPTは、「It was bored.」は文法的に不自然だとし、boredは「退屈している」という人の感想、boringは物や出来事の性質だと説明した。ここではパチンコという出来事を説明しているので、boringが正解になる。

練習用の例文は次のようなものだった。

  • I watched that movie yesterday. It was boring.(昨日その映画を見たけど退屈だった)
  • 「〜が退屈で、ずっと退屈していた」という、boringとboredを並べた文
  • The class was boring, so everyone looked bored.(授業が退屈で、みんな退屈そうだった)

話者は、これらは間違いではないとしながらも、同じ単語を1つの文に2回入れるのは英語ではあまり良くないとされていると指摘した。少し変ではあるが許容範囲、という評価である。

クイズは「昨日そのゲームをやったけど退屈だった」を英語にする問題だった。話者が「I played the game yesterday but it was boring.」と答えると、ChatGPTは文法的に完全に正しく、ネイティブも普通に使う自然な文だと判定した。そのうえで、会話ではbutを省いて「I played the game yesterday. It was boring.」と文を分けることもよくある、とさらに自然な言い方を示した。話者はこれを、butを省略してよいのかという再確認になったと受け止めている。最後には重要ポイントのまとめや、頼んでいない追加のミニ練習もあった。話者は、会話例文が少し怪しかった以外は丁寧で完璧に近く、聞いていないのに学習を促してくれるところが「愛せるポイント」だと話した。

Geminiの添削:共感、casualな表現、そして-ed/-ingへの着目

Geminiは「パチンコ残念でしたね。負けて退屈だったというお気持ち痛いほど分かります」と共感から入り、送った英文を「非常に惜しい」と評した。そのうえで、boredの使い方は学習者が最も間違えやすいポイントなので整理しましょうと続けた。話者は、共感から入るのはコーチとして素晴らしく、とても優しいと評価している。

修正案は「I went to pachinko yesterday and lost. It was boring.」で、これはChatGPTと同じだった。加えて、もっとカジュアルにしたい場合として「It was such a drag.」(だるかった)を示した。話者はdragという語をなんとなく聞いたことはあったが、使い方まではここで初めて理解したといい、ネイティブの口調やカジュアルな会話をよく捉えていると評価した。

文法解説では、boredは受け身的な意味なので、「It was bored」と言うとパチンコ自体が退屈を感じてあくびをしているような意味になると説明した。対してboringは、物が人に感情を抱かせることを表す。今回はパチンコが話者を退屈させたのだから、boringが正解になる。話者は、やや直訳的な説明だとも感じたが、読めば納得できると述べている。

ここで話者が大きな違いとして注目したのが練習用の例文である。Geminiは「The movie was really exciting.」(その映画は本当にワクワクした)、「I'm so tired today.」(今日はとても疲れた)といった、bored/boring以外の例文を出した。話者はこれを、Geminiが間違いの根本原因を「-edと-ingの使い分けを理解していないこと」と判断し、その構造を練習させようとしたものと解釈している。ChatGPTが間違えたboredの表現を繰り返し練習させたのに対し、Geminiは-edと-ingの使い方そのものを練習させた。話者はこの違いを「結構大きな違い」と見ている。

クイズは「私は退屈しました」を英語にする問題だった。話者は、「I was boring」では「私は退屈な人間だ」という意味になってしまうので「I was bored」だと考えて答え、Geminiから大正解と褒められ、追加の解説も受けた。

添削の判定:両方優秀、僅差でGemini

話者の評価では、添削の正確さは両方とも満点で、文法解説も両方比較的わかりやすかった。わかれば十分なので、この点ではどちらでも使えるという。

差が出たのは、間違えた部分を例文に落とし込む段階である。ChatGPTは話者が間違えたboredの表現を何度も練習できる例文を出した。Geminiは、そもそも-edと-ingの使い方がわかっていないから間違えたのだと見抜き、その違いを練習できる例文を作った。本質を見抜いたうえで問題を作るという点で、話者はGeminiがやや有利だと判断した。クイズは両方とも、間違えたところをきちんと練習できる内容だったという。

話者は、無料版がこのレベルに仕上がっていることに驚き、以前の有料版に相当すると感じたと述べている。両方とも十分すぎるほど良いが、あえて勝者を選ぶならGeminiで、その理由は文法の間違いの本質を見抜いて例を示した点、ただそれだけだという。

総評:好みではChatGPT、鍵はプロンプト

振り返ると、単語学習の勝者はChatGPTである。Geminiも十分優秀だったが、日常会話で使わない語が混ざっていたことが理由だった。英作文添削は両方とも「お腹いっぱい」なほど正確で、僅差でGeminiが勝った。

それでも話者自身は、どちらかといえばChatGPTのほうが好きだという。会話の内容を踏まえて、旅行のフレーズを学んでいると知れば「ネイティブがよく使うフレーズを20個教えましょうか」と提案してくるなど、もっと学びたいと思わせてくれるからだ。Geminiはそうした提案は少ないが、共感してくれる点でいいコーチだと評している。有料版の価格は、話者の説明ではChatGPTが1,400円、Geminiが1,200円である。

最後に話者は、かつては分厚い辞書を買っても最低限の情報しか載っていなかったが、今はちゃんとしたプロンプトさえあればAIがいくらでも教えてくれると語った。逆に、プロンプトを誤るとAIはうまく使えない。今回使ったプロンプトをそのまま使えば、無料版でも同程度の回答が得られるだろうと話者は見込んでいる。両者があまりに優秀だったため、どうすればAIに勝てるのか心配になってきた、と話者は締めくくった。