Claude Code Routinesとは何か:安野貴博氏が整理するClaudeサービスの住み分けと5つの設定

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概要

「毎晩このタスクをやってほしい」「変更提案が出たら自動でレビューしてほしい」。Claude Codeにこうした定期処理や自動処理を任せたい人向けに、Anthropicは実行環境をまとめて公式に用意した。それがClaude Code Routinesである。エンジニアで起業家の安野貴博氏は、AIモデルの性能とは直接関係しないサービスだとしたうえで、実務でAIを使いこなす観点からは役に立つサービスだと評価し、取り上げた。

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動画は三つの部分に分かれる。まず、次々に登場したClaude関連サービスを分類し、Routinesがどこに位置するのかを示す。次に、Routinesを動かすための5つの設定を解説する。最後に、コーディング以外の業務での使い道を紹介する。

クラウド上で、PCなしに自動実行できるClaude Code

安野氏によると、Claude Code Routinesは2026年4月14日に発表された。ざっくり言えば、Claude Codeをクラウド上で実行しやすくする機能であり、手元のパソコンがなくても自動実行できる。

これまでもClaude Codeに定期タスクやプルリクエストの自動レビューをさせたい人は多かったはずだ、と安野氏は言う。ただ、実現するには自分のパソコンを置きっぱなしにして定期的にClaude Codeを実行させるか、サーバー上にClaude Codeが動く環境を作る必要があった。後者の場合は、その環境にアクセスするための周辺の仕組みも自前で整えなければならなかった。Routinesは、こうした準備をAnthropicが公式に「お膳立て」して用意したサービスだと安野氏は説明する。

増えすぎたClaude系サービスを分類する

安野氏の見立てでは、AnthropicはAIモデルを使って社内の開発を大きく加速させている。今年1月ごろからCoworkやManaged Agentsなど新しいサービスが立て続けに出ており、追いかけていない人には全体像がつかみにくい。そこで安野氏は、自身の「雑分類」だと断ったうえで、正確には違う部分があるかもしれないと留保しつつ整理を示した。

最初の分かれ目は、チャット型かエージェント型かである。チャット型は、ChatGPT、Claude、GeminiのようにWeb上で質問に答えるものだ。エージェント型は昨年ごろから増えてきた。AIが質問に答えるだけでなく、他のソフトウェアやツールを使いながら代わりに仕事をこなす。

Anthropicはエージェント型にも複数のメニューを用意している。安野氏はこれを用途で二つに分ける。一つは、エンジニアでなくても幅広い仕事に使える汎用型で、これがCoworkにあたる。安野氏は1月ごろにCoworkの解説動画を出している。もう一つはコーディング用で、これはClaude Codeと同じ意味になる。そのClaude Codeの中にも複数のメニューがあり、パソコン上で動くかクラウド上で動くかで違いが生じる。

手元のパソコンで動くClaude Code

多くの人が「Claude Code」と聞いて思い浮かべる基本形は、手元のパソコンで動くものだ。安野氏の場合、自分のMacBookの上でClaudeのアプリケーションが動いている。AIそのものとは、APIを通じてAnthropicのサーバーと通信している。

ただし、Claude Codeが動いている場所自体は自分のパソコンである。そのため、パソコン内のファイルを読み書きしたり、パソコンのネットワークを使って他のサーバーと通信したりできる。パソコンもかなり思い通りに操作できるので、Claude Codeが代わりにアプリケーションをインストールしたり、別のフォルダーにあるプログラムを実行したりもできる。安野氏は、動く場所が基本的に自分のパソコンの中だったのが「昨年の世界」だったと振り返る。

クラウドで動くClaude Codeと並行作業

その後、クラウド上で動くClaude Codeが登場した。パソコンを操作する主体がクラウド上に移り、利用者はWebブラウザーからそれにアクセスして制御する。プランにもよるが、ClaudeのページにはCodeという欄があり、クリックするとAnthropicのサーバー上で実行されるClaude Codeの画面に進める、と安野氏は説明する。

これによって作業のやり方が変わった。手元のパソコンは1台しかないが、クラウド上には多くの環境を同時に作れる。そこで、面倒で複雑なタスクは手元のパソコンで進めながら、クラウド上ではA、B、C、Dの作業を並行して走らせる、という使い方ができる。安野氏の記憶では、昨年末から今年の年始ごろにかけて、このClaude Code Webの話題が盛り上がっていた。

一方で課題もあった。Claude Code Webは、ブラウザー上で指示を出さないとほとんど動いてくれない。プロンプトを入力して「こういうものを作りたい」と話しかける必要があり、その点で触り心地は通常のClaudeとよく似ている。エージェント型として分かれたはずのものが、チャット型とまた似てきたのが面白いところだと安野氏は述べる。

スケジュール機能からManaged Agentsへ

Claude Codeがかなり賢くなるにつれて、わざわざWebサイトに行って打ち込まなくても動いてほしい場面が増えてきた、と安野氏は言う。パソコンで動くClaude Codeには、10分ごと、1日ごとに何かを実行するようなスケジュール機能が付き始め、試されていた。しかし、もっと恒常的にルーティンワークをさせたいというニーズは増え続けた。

これに応えてAnthropicが用意したのがClaude Managed Agentsである。安野氏の説明では、Claude Codeを動かす環境の部品と、そのためのサーバーをAnthropicが直接提供するものだ。プロが使えば、「こうなったらClaude Codeが勝手に動いてこうする」という機能を自由に追加できるようになった。

ただ、Managed Agentsはプログラミングができる人やサーバーに詳しい人向けの色合いが強く、使うハードルは高かった。安野氏自身も、Managed Agentsのような仕組みを自分で作らなければならないと考えていたところにManaged Agentsが出てきた。便利にはなるが、まだハードルが高いと感じていたという。そこへ4月中旬に登場したのがClaude Code Routinesで、プロ向けの部品にとどまらず、自動実行までを非常に簡単に実現できるものだと安野氏は位置づける。

5つの設定:プロンプト、コネクター、リポジトリ

どう簡単になったのか。安野氏によれば、Routinesは5つの項目を設定するだけで、Claude Codeが自動で動き出す。

1つ目はプロンプトで、「これをやってください」とClaude Codeに渡す指示である。

2つ目はコネクターだ。Claude Code単体でできることは限られるが、タスク管理ツール、チャットツール、メールなどとつなぐと、できることが広がる。たとえば、チャットツールで何かを確認し、次にカレンダーを見て、最後にタスク管理ツールへ項目を追加する、といった一連の流れを任せられる。安野氏は、コネクターはいろいろ付けることになるだろうと見ている。

3つ目はリポジトリである。Claude Codeは開発用なので基本的にGitのリポジトリと結び付いており、対象のリポジトリを指定する。

4つ目の設定:3種類のトリガー

4つ目はトリガーで、ルーティンがどのタイミングでプロンプトを持って動き出すかを決める。安野氏は3種類を挙げた。

一つ目はスケジュールである。「何曜日の何時からこのルーティンを実行する」「毎月3日にこれを実行する」といった予定を組める。

二つ目はAPIである。ルーティンを作ると、そのルーティン専用のURLと、合言葉のような認証キーがセットで発行される。このURLに認証キーを付けてリクエストを送ると、対象のルーティンが起動する。そのため、外部のサーバーや手元のパソコンからAPIを呼べば、いかようにもルーティンを発火させられると安野氏は説明する。

三つ目はGitHubである。開発用のサービスなので、GitHubと連携して動かしたい場面は多い。プルリクエストが作られたときや何かがリリースされたときに、自動でClaude Codeを走らせられる。安野氏はフィルター機能も充実していると言う。たとえば「Aさんがこういう操作をしたときに発火する」「ブランチ名がこういうルールに合うときに発火する」といった、実務でよく使う条件で絞り込める。

5つ目の設定:実行環境とネットワーク制限

5つ目は環境で、Claude Codeがどの仮想マシンの上で動くかを決める。自分のパソコンなら「このファイルがあり、このソフトがインストールされている」という状態があるが、それと同じような状態を、Anthropicが管理するサーバー内の仮想環境に持ち込みたい場面がある。安野氏は環境で設定できる項目を三つ挙げた。

一つ目はネットワークアクセスである。この仮想環境からどのサイトを見られるようにし、どのサイトを見られないようにするかを設定できる。あるルーティンが特定のサーバーとしか通信する必要がないなら、そのサーバーだけを許可して残りをすべて拒否すればよい。そうすれば、無関係なサーバーに勝手に通信されることはなくなる。安野氏はこの設定をセキュリティ、つまりガードレールの面で非常に重要だとする。Claude Codeはいろいろ考えて試行錯誤するうちに、意図しない挙動をとることがある。その結果、漏れてはいけない情報が漏れることもありうる。ネットワークアクセスを絞れば、そうした事態を原理上起こらないようにできる、というのが安野氏の説明である。

二つ目は環境変数である。仮想マシンごとに独自の変数を持たせ、Claude Codeがそれを参照しながら作業できる。ルーティンごとに異なる環境変数を持った環境で動かせる。

三つ目はセットアップスクリプトである。最初に実行されるスクリプトで、仮想マシンを望む状態に整えられる。安野氏は例として、GitHubのリポジトリをプルしてきて、セットアップスクリプトで初期化する使い方を挙げた。

これだけ設定すればルーティンを次々に作って実行できる。安野氏は、Managed Agentsと比べてかなり扱いやすくなったと評価する。Coworkとも比較しており、Coworkは汎用的で他の仕事にも使える点はよいが、権限まわり、ネットワークアクセス、環境変数といった設定では「痒いところに手が届かなかった」という。その点、Routinesは欲しい設定を網羅しているのが個人的にはよいと述べている。

コーディング以外の仕事にも使う

最後に安野氏は使い道に触れた。Routinesはもちろんプログラミングに使えるが、それ以外の普通の仕事でも役に立つという。汎用の仕事向けにはCoworkがあるものの、コーディング用のRoutinesで汎用的な業務のルーティンを作ることも十分できる、というのが安野氏の考えだ。

分かりやすい例として安野氏が挙げたのが日報の自動化である。Slackに接続しておき、1日の終わりに、自分がその日Slack上で発言したログをすべて取得する。それを決められたフォーマットの日報にまとめ、毎日たとえば0時に特定のチャンネルへ投稿し続ける、という使い方だ。

Slackのチェックも例に挙がった。チャンネルが大量にあると、知っておくべき情報なのにメンションされずに見落とすことがある。そこで全チャンネルを読ませ、自分が知っておくべきことが見つかったら通知させる。安野氏は、これも「多分できる」と述べている。

ミーティングの準備にも使える。サイトの利用状況などのKPIを毎週の定例会議で確認する場合、毎回スクリーンショットを撮り、データを集めてまとめる作業が発生する。定例が毎週火曜日なら、火曜日の朝にルーティンを設定しておき、指標を自動でまとめたレポートを出しておく。安野氏は、オフィスワーカーであればRoutinesに載せて自動化できる作業は意外と多いはずだとして、視聴者にも考えてみることを勧めた。

2週間使ってみた感触と、ベータ版ゆえの不安定さ

安野氏自身も、どこまで使えるかを模索している段階だという。この2週間ほどでいくつかのルーティンを走らせてみたところ、かなりよいと感じており、新しいルーティンを追加しやすい点も評価している。今後も使っていくつもりだと述べた。

一方で、Routinesはまだベータ版である。安野氏の手元では、トリガーがうまく発火しないことが時々あった。それでも、徐々にこなれていくのではないかという見通しを示して、話を締めくくった。