日常英会話に必要な中学英文法だけを学ぶ:語順・動詞・時制・否定文と疑問文

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概要

この動画の中心にある問いは、日常英会話をできるようになるには、どの文法をどう学べばよいかである。話者は、分厚い文法書を最初から読み込む学習法を否定する。日常会話で使う文法だけに絞り、学んだ内容を自分で例文にして繰り返し使うべきだという立場だ。動画は「前編(パート1)」にあたり、語順、品詞、動詞の2種類、時制(現在形・現在進行形・過去形・未来形・現在完了形)、否定文と疑問文を扱う。

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一般的な文法書は日常会話には遠回りだという主張

話者はまず、自身が文法学習で何度も挫折した経験を語る。文字量が多く、解説が長くて分かりにくい本を読めば英語が苦手になるのは当然だという。一般的な文法書について、話者は「間違った情報は書いていない」と認める。ただ、日常会話に使う情報が載っているかというと、そうではないとみている。例に挙げた本はおよそ500ページあるが、話者の見立てでは日常会話で使う知識はその2〜3割程度だという。

話者は、論文を読む場合や受験では文法書の内容が大事なのかもしれないと認めている。そのうえで、テストで高得点を取ることと、英語をコミュニケーションの道具として話すことは別の問題だと区別する。

具体例として、「メアリーはどうなったと思いますか」を「What became of 〜」のような硬い言い回しで言う人は実際にはいないと話者は言う。「What happened to Mary?」で十分だという。倒置表現(「Hardly had I arrived 〜」のような形)も、本の中では使われたり楽しまれたりするが、友人との会話で使う人はいないとする。使えばむしろ浮くというのが話者の感覚だ。さらに、文法書にあった「めったに映画館に行かない」を表す例文(seldomを使った文と思われる)についても、そんな言い方をしている人を見たことがないと述べる。「We rarely go to movies」なら分かる、とも付け加えている。

話者は、こうした項目は上級者になってから拾えばよいとし、まずは日常会話に必要なシンプルな文法を選んで学ぶことが大事だと主張する。全部を完璧にしたい気持ちは理解できるが、それでは確実にパンクするので、日常会話ができるという目的に絞った「スモールスタート」を勧めている。大事なものとして挙げたのは、基本的な文の構造(主語と動詞)、時制(過去・現在・未来)、そして「I'm sitting on a chair」の「on」のような前置詞である。

動画を見るだけで終わらせず、アウトプットで身につける

本編に入る前に、話者は動画の使い方について念を押す。YouTubeで勉強する人は多いが、受け身で見ているだけでは分かった気になるだけで、実際には分かっていない人が多すぎるという。文法は自分で理解し、自分のものにしないと日常会話で使えない、というのが話者の考えだ。

自分のものにする方法について、話者の結論は「アウトプットに限る」である。自転車に乗れるようになった経験がたとえに使われる。説明書を読んだのではなく、バランスの感覚をつかみ、ペダルを踏み、ブレーキをかけてみるうちに、いつの間にか乗りこなしていたはずだという。話者は英語も同じで、ルールを理解するだけでなく、何度も例文を作って使ううちに感覚がつかめ、いろいろな文を作れるようになると述べる。

話者自身の勉強法も紹介された。解説はさっと読む程度にとどめ、学習時間の9割は自分で文を作ることに使い、学んだ単元を何度も使い回していたという。ルールを何度読んでも、それはルールを理解しているだけで、実際に文を作れるかどうかは別の話だとする。こうした考えから、動画の内容を自分でアウトプットできる問題・解答・解説つきのワークシートを用意したと話者は説明している。

語順:英語の文は2つのパターンで考える

最初の単元は語順である。話者によれば、日本語と英語は語順が逆だったり一致しなかったりする。中国語やスペイン語を話せる人は語順が英語と同じなので覚えやすい、という話もあった。

文法書に載っている5文型(SVOなど)について、話者は会話で意識する必要はないと言い切る。英語の文を作るうえで本当に大事なのは次の2つのパターンだという。

  1. 誰が/どんな状態か(be動詞の文)
  2. 誰が/〜する/何を(一般動詞の文)

1つ目のパターンは、主語の後にbe動詞が来て、その後に主語がどんな状態かを説明する語が続く。例として「I am a student(私は生徒です)」「He is kind(彼は優しい)」「They are in a park(彼らは公園にいる)」が挙がった。話者はbe動詞を「イコールを表すもの」と説明する。「I am a student」なら「私=生徒」という関係をつなげている、という理解である。人物の説明、性格、状態を表すこのパターンは、日常会話に非常によく出てくるという。

2つ目のパターンは、主語が何をするかを表す。「私は寿司を食べる」なら「I eat sushi」、「私たちはサッカーをする」なら「We play soccer」となる。使い分けについて話者は、主語の状態を説明するならbe動詞、主語の具体的な行動や動きを表すなら一般動詞を使うと整理した。

語順の応用:「誰に何を」と「誰がどんな状態に」

話者は2つ目のパターンの応用も2つ紹介した。

1つは、「何を」の部分を「誰に・何を」にする形である。人に何かをあげる、見せる、教えるといった文を作るときに使う。「I gave her a present(私は彼女にプレゼントをあげた)」、やや難しめの例として「He told me the truth(彼は私に真実を教えた)」が示された。話者は、他の人に何かをする文は「主語+動詞+誰に+何を」とセットで覚えるよう勧めている。

もう1つは、「何を」の部分に、最初に学んだ「誰が=どんな状態」を入れる形である。人や物の状態が変化することを表すという。「彼女は私をハッピーにした」は「She made me happy」、「彼は私を泣かせた」は「He made me cry」となる。

話者のまとめによれば、英語の基本的な文は、まず主語が来て、その後にbe動詞で主語の説明をするか、何かの動詞で「〜する」を伝えるか、おおむねそのどちらかである。そこに「誰に何を」「どのように」などが加わって文が長く複雑になっていく。初心者のうちは、まず「主語の次に一般動詞かbe動詞が来る」ことを覚えておけばよいという。

品詞:覚えるのは7つ

次は品詞である。「誰が何をする」「どんな状態か」をさらに詳しく話せるようになるために、品詞を知っておいたほうがよいと話者は言う。必要なのは名詞、形容詞、動詞、副詞、助動詞、前置詞、接続詞の7つだとする。多いと感じるかもしれないが、この7つさえ押さえれば日常会話の基本的な部分は対応できる、というのが話者の見方である。この動画で詳しく扱われたのは、このうちの動詞である。

動詞は2種類:一般動詞とbe動詞

話者によれば、動詞はbe動詞と一般動詞(be動詞以外)の2種類に分かれる。一般動詞は「〜する」を表すアクションの単語で、punch、scream、run、steal、drink、eat、hug、drive、take、smellなどが例として並べられた。一般動詞はそのままなので簡単だが、be動詞にはいくつかルールがある。

be動詞の役割を説明するために、話者は日本語との比較を使った。「私寒いです」は途切れ途切れで不自然に聞こえ、「私は寒いです」のほうが正確である。この「私」と「寒い」をつなぐ助詞「は」に似た役割を英語で担っているのがbe動詞だ、という説明である。

be動詞を使う場面として、話者は3つを挙げた。1つ目は自己紹介など自分のことを説明するときで、「I am an English teacher」「He is tired」が例になった。2つ目は人だけでなく物の状態を説明するときで、「The weather is cold today」の場合、メイントピックの天気が最初に来て、isが「天気」と「今日寒い」をつないでいる。3つ目は人や物がある場所にいる・あることを伝えるときで、「We are at the bar」「I am on a plane」が挙げられた。

am・are・isの使い分け

be動詞のam、are、isは主語によって変わる。話者はこの点について、会話や勉強の中で頻繁に出てくるので、最終的には自然に口から出るようになるのが理想だと述べる。感覚で覚えるのは怖い、自分には無理だと思うかもしれないが、be動詞は「ありえないぐらい」たくさん使うので感覚的に身につくはずだとし、あまり心配しなくていいという。そのうえでルールを説明した。

  • 主語がIなら必ずam(「I am hungry」「I am a pachinko addict」「I am sick」)
  • 主語がyouならare(「You are cool」「You are studying English」)
  • 主語が複数形(we、theyなど登場人物が2人以上)ならare(「We are happy」「They are watching TV」)
  • 主語が3人称単数ならis

3人称については、「私とあなた以外の第3者」と覚えればよいと話者は言う。単数は登場人物が1人ということなので、theyは3人称でも複数形になる。3人称単数として主に出てくるのはhe、she、itで、「He is tall」「She is eating ramen」「It is hot today」が例として示された。

現在形と3単現のs:細かい規則より「場数」

時制について、話者は、今の話なのか、過去の話なのか、未来の話なのかという時間軸が日本語と同じく英語でも大事だとしつつ、難しく考えなくていい領域だと述べる。

現在形では動詞は原形のまま使う(「I decorate my mic」「I play soccer」「I watch TV」「I cook dinner」)。話者によれば、現在形はいつもの行動や習慣、普遍的なことを表すときに使う。ただし主語が3人称単数(he、sheなど)のときは動詞の後ろにsをつける。「He plays soccer」「She watches TV」「She goes to pachinko」といった具合である。

esのつけ方や、子音+yで終わる動詞はyをiに変えてesをつける(study→studies)といった細かいルールもある。しかし話者は、こんなことをいちいち考えていたら言いたいことが出てこず、相手は会話が終わったと思って帰ってしまう、と冗談まじりに語る。ネイティブもそうした規則で考えているわけではなく、言いやすさの感覚でその場で判断している、というのが話者の見方だ。

さらに話者は、極論すれば「She play soccer」と言っても伝わると述べる。sのつけ方で戸惑うくらいなら細かく気にしないのが話者のやり方で、使う頻度を上げるうちに「plays」のほうが自然で言いやすいと感じるようになり、自然に身につくという。正しい形を知っておくことも大事だとしたうえで、話すときは細かく計算するより数をこなして慣れるほうがうまくいく、とbe動詞と同じ結論を繰り返した。

現在進行形:「今まさにやっている」

話者は現在進行形を日常会話で最もよく使う形だと考えている。「今まさにやっている」を表し、「主語+be動詞+動詞のing形」で作る。「I am decorating the mic(今まさにマイクをデコっている)」「I am playing pachinko」「I am lining up(今まさに行列に並んでいる)」「I am brushing my teeth」が例になった。主語によって動詞の形が変わることはないので、シンプルだという。

現在形との違いについて、話者は、現在進行形は「今まさにやっている」という意味合いが強く、現在形は毎日の習慣や「いつもこうしている」ことを表すと整理した。

過去形:wasとwere、そして不規則動詞

過去形は「〜した」「〜していた」を表す。「I decorated the mic」は、今ではなく過去のどこかの時点でマイクをデコったという意味になる。「He played pachinko yesterday」「I listened to music yesterday」も例に挙がった。基本は動詞の語尾にedをつける。

過去の文でbe動詞を使う場合はwasとwereの2種類がある。主語が1人(単数)ならwas(「I was tired yesterday」)、主語が複数ならwere(「They were tired yesterday」)である。

edをつけるだけでは済まない不規則動詞もある。話者は大事なものに絞り、現在形と過去形を比較しながら紹介した。

  • go → went(I went to the beach)
  • come → came(I came to Japan)
  • eat → ate(I ate ramen)
  • have → had(I had a dog)
  • make → made(I made pizza)

形が複雑に変わる動詞にはよく使うものが多いので、ここは暗記してもよく、まずはこの5つを覚えてほしいと話者は述べた。

未来形:willとbe going to

未来形は、予定していることや、まだ起きていないことの予想を話すときに使う。「will+動詞の原形」で作り、「I will decorate my mic」はまだデコっていないが今後する予定だというニュアンスになる。「I will play soccer」「I will play pachinko」も例として挙がった。

もう1つの形が「be動詞+going to」で、「I am going to decorate my mic」も未来形として同じように使える。使い分けについて話者は、大きな違いはないとしたうえで、あえて言えばwillのほうが意思が強く「パチンコをするんだ」という感じ、going toは意思が弱めで「パチンコしようかな」という感じだと説明した。とはいえ大差はないので両方覚えておけばよいという。

現在完了形:過去と今がつながっている

話者が「ここまでで一番ややこしい」と認めるのが現在完了形である。現在形の「親戚」のようなイメージで、日常会話でも結構使うという。話者は主な使い方を3つ挙げた。

1つ目は経験で、「I have been to London(ロンドンに行ったことがある)」「バスケをしたことがある」などが例になった。2つ目は継続で、過去のある時点から今も続いていることを表す(「I have lived in Tokyo for 5 years」「I have played tennis for 3 years」)。3つ目は完了で、「ちょうど〜し終えた」ことを表す(「I have finished my homework」「ちょうどランチを食べ終えた」)。

話者は、3つに共通するのは過去のある時点で起きたことが現在とつながっている点だと強調する。過去形はシンプルに過去の話だけだが、現在完了形では、過去に始めた宿題が今終わった、5年前に東京に住み始めて今も続いている、ロンドンに行った経験が今も語れる、というように過去と今がつながっている。

形は「have+過去分詞」である。過去分詞について、話者は過去形によく似ているが「〜された」「〜してしまった」のような受け身のイメージだと説明した。多くはedをつけて作れるが、不規則動詞は暗記が必要になる。例として「I ate」と「I have eaten」が比較された。話者は過去形を「過去の写真」、現在完了形を「今につながっている動画」にたとえる。「I ate pizza」は過去のどこかでピザを食べたという事実だけを伝え、「I have eaten pizza」はピザを食べた状態が今あるという現在の視点から話している、という説明である。

この単元についても、話者が勧めるのは「場数」だった。たくさん触れ、たくさん使ってみて慣れていくしかないとし、各時制を表にまとめたので必ず復習するよう呼びかけた。今聞いて分かっていても、自分でアウトプットしなければ確実に忘れる、おそらく2時間後には忘れている、と話者は述べる。

否定文と疑問文の作り方

最後の単元は、日常会話に欠かせない否定文と疑問文である。

否定文はnotを入れるだけで、入れる位置は動詞の種類で変わる。be動詞の文ではbe動詞の後に入れる(「You are my friend」→「You are not my friend」)。一般動詞の文では動詞の前にdo notを入れる(「I like sushi」→「I do not like sushi」、縮めて「I don't like sushi」)。主語が3人称単数のときはdoesを使い、「He likes pachinko」の否定は「He does not like pachinko」(doesn't)となる。

疑問文も同じ考え方で作る。be動詞の文ではbe動詞を前に出す(「You are my friend」→「Are you my friend?」、「He is my friend」→「Is he my friend?」)。一般動詞の文では文頭にdoを置く(「You play pachinko」→「Do you play pachinko?」、「You like to drink coffee」→「Do you like to drink coffee?」)。主語が3人称単数ならdoではなくdoesを使い、「He likes pink」は「Does he like pink?」になる。

話者は表で整理しながら、一般動詞の文なら否定文はdo not/does notを動詞の前に入れ、疑問文はdo/doesを文頭に持ってくるだけ、be動詞の文なら否定文はbe動詞の後にnotを入れ、疑問文はbe動詞を文頭に持ってくるだけだとまとめた。ここも暗記よりは場数であり、否定文と疑問文は日常会話に欠かせないので、感覚的にぱっと出てくるまで何度も繰り返し触れることが一番大事だと述べている。

なぜ一気に教えず、パートに分けるのか

締めくくりに、話者は今回扱った内容を「基本中の基本」と位置づけ、文法はもっと奥深いが、まずは今日の内容を覚えてほしいと語った。文法の動画で一度に全部を教え込むものもあるが、それをしない理由として、最初に学んだ内容を忘れて最後のほうに学んだ内容しか覚えていないケースを挙げる。必要な文法を一気に詰め込むのではなく少しずつ進めることが大事だとして、パート1を確実にマスターしてからパート2へ進む形にしたという。

学んだ内容、例文、クイズをまとめたPDFについては、通勤中やトイレにいる間などに気楽に解いてほしいと話者は述べ、学んだものを実際に使ってみるトレーニングで復習するよう繰り返し求めて前編を終えた。