平野紗季子と成田悠輔が語る、ノーレーズンサンドの店と「食べて感じたことを言葉に残す」理由
PLAYERS公式エッセイストでフードディレクターの平野紗季子が、東京駅グランスタに初の実店舗「(NO) RAISIN SANDWICH」を開いた。経済学者の成田悠輔はその店を訪ね、平野の本は全部読み、ポッドキャストも聞いていると明かしたうえで、食べることを仕事にした理由を尋ねていく。店づくりの考え方から、食の体験を記録する方法、苦手な食べ物、食文化が混ざり合うことまで、話は広がっていった。
レーズンが苦手だから始めたレーズンサンドの店
店は3月にオープンした。バターサンドの店で、ブランド名は「ノーレーズンサンドイッチ」。レーズン入りの「イエスレーズン」と、レーズンを使わない「ノーレーズン」の両方を売っている。平野によれば、紅白饅頭のような感覚だという。
このブランドは平野自身がレーズンを苦手とすることから始まった。バターレーズンサンドをもらった人たちがとても嬉しそうに食べているのを見て、自分も食べたいと憧れていた。成田がお土産のレーズンサンド率は異常に高いと言うと、平野もバターサンドにはロマンを感じると応じた。そこで、レーズンの入っていないレーズンサンドを作ろうと考えたという。
ノーレーズン側は果実を使ったバターサンドで、季節ごとに味が変わる。グランスタ出店に合わせて作った新商品のキャラメルバターサンドイッチは、バタークリームにチョコレートを入れているのであまり溶けず、常温で持ち歩ける。平野は旅にぴったりだと説明した。成田は飛行機でもらったチョコレートを握ったまま寝てしまい、起きたら手がチョコレートまみれだった話をして、これなら手で握っても大丈夫だと二人で笑った。
店は朝8時に開くが、客が開店前から並び、撮影の日もすぐに完売していた。撮影用に少しだけ取り置いていた菓子を、成田は自分で買い取っている。
カウンターの真ん中にガチャを置いた理由
店のカウンターにはガチャが組み込まれている。成田が回すと、平野が左手で書いた手書きの箱が出てきて、中身は「愛」と書かれたアクリルキーホルダーだった。キーホルダーは「愛」と「味」の2種類しかなく、これを目当てに何度も回す客もいるという。成田は、レーズンサンドの店で「味」と書くほうがひねりが効いていると評し、平野は日本で一番「味」という言葉を使っている人ではないかと持ち上げた。平野は「味な」を冠した本や音声コンテンツも手がけており、「味」を勝手に独占しかけているかもしれないと応じた。
店頭では、かに道楽の看板のように、レーズンサンドの模型が一日中回り続けている。回っているのは片方だけで、成田はもう一方は澄ましているのに、回っている方は挑発してくるようで表情を感じると話した。回し方ひとつで人は生命が宿っているように受け取ってしまう、という感想だった。
ガチャを置いた理由として、平野はブランドが大事にしている「おいしくて、かわいくて、プレイフルであること」を挙げた。小さな売り場でも何かふざけたことができないかと考えたという。社内からは本当にやるのかと聞かれ、収納スペースも潰れる。それでも平野は、効率的な世の中だからこそ、要らないことをしないとブランドのアイデンティティも生まれないと考えている。海外からの客や子どもがよく回していくそうだ。成田がいずれゲームセンター化してUFOキャッチャーで売ればいいと冗談を言うと、平野は2号店はUFOキャッチャーで、と乗ってみせた。
「お菓子は人と人の間にあるもの」
初めて店を持って一番驚いたことを聞かれると、平野は「すごく幸せだという気持ち」と答えた。電車で隣の人が自分の店の袋を持っているのを見かけることがあり、作ったものが散らばってみんなのものになっていく実感が面白いという。
ショッパーは表に「スイート」、裏に「メモリー」とある。平野は思い出がすべてだと考えており、お菓子屋として、人がいい思い出を作るきっかけになりたいと話した。成田が「お菓子は人間関係そのもの」と言うと、平野はお菓子は人と人の間にあるものだと応じた。東京駅から運ばれるお菓子は遠くへ行くことが多いので、そうした人のつながりの中でいい思い出を作ってもらえたら、お菓子屋冥利に尽きるという。
ブランドは部活のような形で始まったが、最初から「大きな駅で買えるお菓子になりたい」と書いていたそうだ。
知らない町では「店の顔」で選ぶ
成田は、知らない町に空腹のまま放り出されたら何を基準に店を選ぶのかと尋ねた。平野は、店構え(ファサード)という情報があるので、歩き回って店の顔で決めると答えた。
平野が喜んだのは、近くのパン屋の前にシェフのオブジェがあったことだ。平野は客寄せのシェフのオブジェを日本中で探しており、実物を持ってきて見せた。成田は、昔は店の前に人形を置く店が多かったのに、今はカーネル・サンダースばかりだと応じた。
Googleマップについては、人から教わった店にピンを付けているので、その意味ではお世話になっていると平野は言う。成田はピンを付けず、使いこなせていないと答えた。
試食:ピスタチオレンジと手で抜いた刻印
成田は食レポは期待しないでほしいと断ってから、ピスタチオとオレンジのバターサンドを食べた。鼻に抜けるすっとした香りの正体を尋ねると、平野はおそらくローズマリーで、オレンジも入っていると説明した。成田は、サブレより硬いピスタチオが食感を与えているのが新しいと評した。
イエスレーズン側には、レーズンキャラメルサンドとショコラアプリコットサンドがあり、どちらにもキャラメルが入っている。バタークリームの層とキャラメルの層の二層になっているので、どちら側から食べるかで味が変わる。クッキーに小さく刻まれた文字について、専用の機械があるのかと成田が聞くと、平野は手で抜いていて、文字が広がらないようにすっと抜かなければならないと答えた。
アメリカ留学の食事と、母親の味噌汁
成田は、食べることは誰でもするからこそ、それにのめり込んで仕事にする人は珍しいと言い、「食べることに呪われた瞬間」があったのかと尋ねた。平野が挙げたのは、高校時代のアメリカ留学だった。ニューヨーク州の北の方で4年間寮生活をしていたという。成田は今その近くのコネチカットに住んでおり、南部に比べればまだいい方だと話した。
寮の食事では、味のないドロドロした肉のシチューのようなものが多かった。味噌汁は出汁が入っておらず、親子丼はスクランブルエッグとセロリと鶏肉のようなものだった。日本に帰ってくると、母親の作った味噌汁がおいしすぎて涙が止まらなかった。母親には「顆粒出汁なんだけど」と言われたという。平野は、人はギャップで感動するものであり、一度壊れることがきっかけになっている気がすると振り返った。
料理人にならなかったのは、作るより食べる方が幸せだと思ったからだ。学生時代に、食べることについて書く職業があると知り、これだと思ったという。
なぜ言葉で残すのか
平野が逆に、自分の発信から何を受け取っているのかと聞くと、成田は言葉の作り方が変わっていると答えた。『生まれた時からアルデンテ』のように、生まれた時からアルデンテとは日常では言わない。やや意味不明なのに短くて記憶に残り、後からぐっとくるタイトルはあまりない、というのが成田の評価だ。
続けて成田は、食べ物はなくなるもので、ある意味では記録を残してはいけないものなのに、あえて残すならどうするのが一番いいのか、と問うた。平野は言葉や写真を多く使い、動画はあまり使っていない。平野の答えはこうだ。消えものだからこそ残したいという動機が強い。写真や動画ではビジュアルや音は残るが、食べて何を感じたかは言葉で記述しないと残らない。その内側の世界が一番大事だと考えているので、言葉に置き換えるしかない。動画で語る方法もあるが、書くことで後から気づくこともあるという。
小学生が給食の感想を書くにはどうすればいいかと聞かれると、平野は、書く手前に「感じる」ことがあり、感じたものがなければ何も書けないと答えた。だから、とりあえず一人で食べた方がいいという。
一人で食べる方がおいしい
成田も、自分は一人でしか食べないと言う。平野は、食べるときに孤独になる能力が高く、人といてもそうなるが、その方がおいしいと思っていると話した。人と食べてすごくおいしいと感じることはあまりない。成田は、五感のかなりの割合が別のことに使われてしまい、食べることそのものに向かえないのだろうと述べた。二人とも、友達が少ないと冗談めかして言い合っている。
成田は、平野が食べ物以外の文章をほとんど書いていないことに注目した。平野によれば、書きたいから書くのではなく、感じたことを残したくて言葉を使っている。映画などの娯楽もあるが、自分の心が一番動きやすいのが食べ物で、食べ物以外ではあまり心が動かない。心を動かすのは味だけではなく、食体験の全体だという。おいしさには味と物語の両方があり、特においしくないものに感動することもあると話した。
夜中のアブダビで食べた「ろくでもない火鍋」
成田は、おいしくないものの記憶の例として、アブダビに24時間だけ滞在したときの話をした。番組にも出演したチームラボの二人と、新施設のオープンに立ち会った。終わったのは夜中の1時半ごろで、開いている店はほとんどない。「ろくでもない火鍋」しかないということになり、深夜2時に行ってみると実際にろくでもなかった。何時間置かれていたか分からない材料がビュッフェのように並び、自分で取って鍋に入れる。火鍋が消毒代わりになっているような店で、味は普通だった。それでも、特別な日の夜中にアブダビでそれを食べたことは、洗練されたレストランよりも強く記憶に残るだろうと成田は言う。
平野も「死んだ炭水化物」が大好きだと応じた。ビュッフェで茹ですぎてカピカピになったパスタや、縁に張り付いた部分が好きだという。成田は、焼きそばの縁に張り付いたところがうまいと同意した。
提灯、鳩、ぬるいコーヒーゼリー:鳥肌が立つ食べ物
一番記憶に残る体験を聞かれた平野は、一番ではないと断ったうえで、焼き鳥屋の「ちょうちん」の話をした。卵黄になる前の卵がぶら下がった部位で、成田は好きだというが、平野は苦手だ。口に入れるとパシャっとはじけるのが「命が尽きる時の味」のようでぞっとし、線香花火が落ちる様子ともシンクロして、何かが尽きていく感覚になるという。
成田は、食べ慣れない動物を食べると鳥肌を立てながらうまいと思うことがあると話した。それはおいしさの鳥肌ではなく、怖さやグロテスクさへの鳥肌だという。香港で顔の形が残った鳩のローストが出たとき、同行者は無理だと言ったが、成田は2羽を黙々と食べた。癖のある匂いがあり、動物を食べている感じが強かったそうだ。平野の鳥肌食べ物はぬるくなったコーヒーゼリーで、理由は分からないが鳥肌が立ち、しかもうまいという。
成田は、凍らせた日本酒を溶けかけのシャーベット状にして飲むのが好きだった。しかし一度、ショットで2〜3杯飲んだときに完全に意識を失って倒れたことがあり、別の世界とつながってしまったような感覚だったという。それ以来、凍ったお酒は飲んでいない。
常温の水はつまらないか
平野は常温の水が苦手だという。ぬるいからではなく、つまらないからだ。成田は、水に面白さを求める人に初めて会ったと驚き、面白さがないから毎日飲めるのではないかと返した。
成田は冷たいものや氷が大好きで、自分が冷たい水をもらっているときに誰かが常温を頼むと敗北感を覚えるという。体を冷やさないようにする繊細さを感じるからで、いつかそうなりたいと憧れている。炭酸水の常温については、パンチがあるふりをしながら引いてもいる中途半端さに怒りを感じると成田は言う。平野は、炭酸という情報がある分、常温の水よりはまだ嬉しいと答えた。成田は、常温の炭酸水を喜んで飲めるようになったら一人前だと思っているそうだ。
味覚は慣れで変わる
話は、同じものを舌にのせているのに、吐き出すほど嫌だったものが、それなしでは生きられないものに変わる不思議に移った。平野は、おいしさの科学を研究する人から、人は基本的に13回食べれば苦手なものを好きになると聞いたという。すぐに適応するが、嫌いなものを十数回も食べる人はいない、というわけだ。成田は、人がおいしいと思うのは昔たくさん食べていたものだと付け加え、アメリカ人も自分たちの食事をおいしく感じているのだろうと言う。平野はそれを「コンフォータブル」なのだと表現した。
成田自身も、テキサス南部の家庭に1週間泊まったとき、その家の食生活をそのまま体験した。野菜は冷凍コーン程度でほぼゼロ、肉とアイスクリームの山と自家製クッキーが並ぶ。滅多にならないニキビだらけになり、ここで一生暮らせと言われたらショック死するかもしれないと初めて思った。それでも彼らにとってはそれが正義だった、と成田は振り返る。
分かり合えないものが混ざって生まれる料理
成田は、分かり合えないもの同士が融合したときの感動も大きいと話した。ニューヨークやロンドンでは、ある地域の料理が持ち込まれ、現地の料理と融合して新しいものになる。街角の昔ながらのインド料理や韓国料理とも、宮廷料理とも違う、洗練されたコース仕立てのモダンなインド料理や韓国料理がたくさん生まれている、と成田は言う。平野も、料理は移民がおいしくしたと言われていると応じ、ロンドンのモダンインディアンを絶賛した。
平野が日本の例として挙げたのは、モスバーガーの海鮮かき揚げだった。成田は、ビヨンセがこれを食べるために来日しているとまで言っている。ロースカツバーガーについても、ハンバーガーととんかつ文化が合わさった「ケンタウロス」のようだと二人で盛り上がった。
丼物はなぜ輸出されないのか
成田は、寿司やラーメンのように日本料理が世界中に輸出されているのに、丼物はあまり活躍していないと指摘した。牛丼チェーンが海外に出てはいるが、目立たない。成田は、米の多さが受け入れられにくいのかと推測したが、そばやうどんも思ったほど広がっていないと自ら付け加えた。平野は、出汁文化のハードルがまだ高いのではないかと話した。成田はもう一つの仮説として、作り手に依存しすぎる料理、つまり技術や材料が良くないと微妙になってしまう料理は広がりにくいのではないかと挙げ、平野も職人の独自性が試されるジャンルだと同意した。その点、地球の裏側の田舎にも必ず中華料理と称する店がある中華料理の浸透力はすごい、と成田は言う。
一方で平野は、世界のシェフが日本を「ミステリアスでマジカルな島」のように感じて来たがっていると話し、その理由として独自性の高さと、そこでしか体験できない希少性を挙げた。成田は、日本の食はどの価格帯にもその層ならではの良さがあると言う。1杯500円の立ち食いそば、1000円の定食、数千円の居酒屋、数万円のガストロノミーまで、どの層を取っても、そこでしか、しかもこの国でしかできない体験がある。アメリカに住んでいると、その部分がすっぽり抜けていると感じるという。
ちくわぶの謎で途切れる会話
最後に平野は、ちくわぶが本当に変なものだと思っていると言い出した。成田も「あいつは一体何なのか」と同調する。平野によれば、おでんや煮物で、出汁が染み切っていないちくわぶを食べると記憶が飛ぶのだという。成田が「それは何かの病気では」と返し、平野が否定したところで、公開部分の収録は途切れている。
なんで今日呼んでいただいたのかなと思って。いや、単純に、気持ち悪いと思うんですけど、ちょっとしたファンで。本当ですか? 本は全部読ませていただいてる。本当ですか? 何を私のその発信から成田さんは摂取してるんですか? 何なんですか?
こんにちは。初めまして。初めまして。初めまして。こんにちは。成田と申します。よろしくお願いします。すいません、いきなり突撃しちゃって。とんでもないです。すごい、旅先で、あ、この後出るんですね。ありがとうございます。ありがとうございます。いらっしゃいませ。僕ちょっとコミュ障なんで挙動不審かもしれないんですが、許していただけ…。とんでもないです。
これ始まったのいつ頃のお店なんでしたっけ? 3月にこちらにオープンしまして。レーズンサンドのお店ですか? はい。バターサンドのお店なんですけど、ブランドがノーレーズンサンドイッチっていうブランドで、レーズンとそれ以外のサンド菓子を販売しております。
レーズンサンドイッチでもあり、レーズンサンドイッチでないものでもあるっていう。そうです。イエスレーズンとノーレーズン、どっちも販売してて、レーズン入りがイエスで、レーズンなしがノーで。ノー、イエスレーズン、ノーレーズンでやっております。紅白饅頭の代わりに、サンドみたいな感じ。
はい。私がレーズンが苦手なので。え、そうなんすか? そうなんです。レーズンが苦手だからレーズンサンドの店。そうですね。レーズンが苦手なんですけど、バターレーズンサンドってみんなすごく嬉しそうに人からもらって食べたりされてて、憧れていて。私も食べたい。確かにお土産のレーズンサンド率って異常ですよね。高いですよね。あれなんでなんだろう。わかんないです。でもバターサンドってロマンを感じ…。そうなんです。
なのですごい憧れてて、じゃあレーズン入ってないレーズンサンド作ろうと思って、ノーレーズンサンドイッチっていうブランドを始めました。え、レーズンでないノーの方は、物が変わる? そうですね。果実のバターサンドになってて、季節ごとに味が変わったりとか。これはキャラメルバターサンドイッチっていう、グランスタができた時に作った新商品で、常温で持ち歩きいただけるんで、旅にぴったりみたいなやつで。あんまり溶けないんですか? あんまり溶けないです。チョコレートが入ってるんで、バタークリームに。しかもサブレが、熱をこう遮り切ってくれそうですよね。そんなことはないかもしれない。そんなことないかもしれない。すいません。
いや、この間飛行機に乗ってて、寝てて、CAさんにもらったチョコレート握ったまま寝てたら、起きたら手がチョコレートまみれになって。本当ですか? すごい楽しい…。サブレだったら手で握っても大丈夫です。手で握っても大丈夫です。その通りです。手で握ることもできる。
すいません。今日ちょっと本日分…。え、今完売しちゃったんですか? そうです。今日早かったですね。朝の8時にお客さんみんな並んでいただいてて。あ、そうなんですか。そうなんです。オープンが8時なんで。オープン8時なんですね。早いっすね。こっちが冷蔵のサンドで、こっちが、はい、なってます。右がレーズンサンドで、左がノーレーズンサンドですね。
あと、カウンターにガチャを内蔵してまして、よかったらガチャをやっていただいたら嬉しいなと勝手に思ってるんですけど。いきなり死刑宣告とか出てこないです? そんな、平和なハッピーな…。100円入れたらいい? いや、今日ちょっとプレゼントでこれを。ここに入れて止まるまで右に回していただくと、ここに入って何かが出ます。すげえ可愛い。よかったら。じゃあいいすか? はい。ここに入れて回していただくと。入れてます。行きます。はい。出たと思います。出たんすか? 何でしょう?
すげえ可愛い。この箱もすごいすね。嬉しい。私が手書き、左手で書きました。確かに左手感あるけど。あ、イチゴ持ちましょう。すいません、お腹空いてついイチゴ買っちゃった。もしよろしければ。ありがとうございます。嬉しい。意味がわからない。なんだろう。あ、愛。すげえ。今グッときました。最近愛に飢えてるんで、肌身離さず付けて…。いいっすね。愛のアクリルキーホルダー。これすごいいいやつです。いいやつですか? はい。これが欲しくて何回もやられる方もいるから。
これ、アクリルキーホルダー2つしかないんですね。そうです。愛と味。味もあります。これはシュールですね。味がお好きでした? いやいやいや。こっちはストレートだなと思って。そうです。レーズンサンドに味っていう方がひねりがすごいです。本当ですか? 言葉のセンスが絶妙でらっしゃいますよね。そうですか。ありがとう。味とか。日本で一番味って言葉を使ってる方じゃない? そうですね、味。すいません、あと一…。ありがとうございます。面白い。良かったです。そうですね、ちょっと味を勝手に独占しかけてるかもしれないです。
味っていう言葉で商標を取ったらいいんじゃないですか。全然取れますか? その広くが招く言葉ですけど大丈夫ですか? 全部、本当ですね。味な本から味な副音声から全部。ありがとうございます。本じゃなくても知っていただいて。そういう感じです。こないだアマートで色々買わせて。そうなんですか。そんなところまでありがとうございます。申し訳ない。
あれ、回ってますか? ちょっとかに道楽に憧れてて。いや、最近あんま寝てなくて、ついに幻覚見え始めたのかなと思ったです。あれ回ってます? 大丈夫です、だと思います。しかもこっちだけ回って、あっちは回ってないから。そうなんです。片方だけでいいかなと思って。回したいって言ったんですけど、片方だけでも十分かなと思って。1日中回ってるんですか? はい、1日中回り続けて。ちょっとレーズンサンドから表情を感じ始めました。すごい、嬉しい。これ本当に回し方で人格っていうか、生命宿る風なのを受け取っちゃうんですよ、人が。だってあっちは澄ました感じで、ちゃんとお菓子然としてるのに、こっち挑発してきてますからね。そうですね、オラオラっていう感じで。
いつか10倍の速度でひたすらぐるぐる回り続けるとかやったら…。できます、できます。精神状態がやばくなってきたって、お客さんに心配してもらえるんです。お祭りの感じでやっていきたいと思います。でも目立ちますよね。つけたいって言ったらいいよって言ってくださって。あんま動かしてるところ、他にお店ないんですけど。ないですよね。だから迷ったら、かに道楽みたいな店って聞けば分かるかもしれない。そうですね。あとガチャがある店って。ガチャガチャとかに道楽。そう。ガチャをどうしてもつけたくて。
何がきっかけでガチャだったんですか? 小さいことなんですけど、うちはプレイフルであることっていう、美味しくて可愛くてプレイフルであるっていうのをすごいブランドの物づくりで大事にしてて、ちょっとふざけたことを小さい環境の中でもできないかなって思って、ガチャとか入れられるかもって思って。結構インナーからも、本当に平野さんやるんですかみたいな。ガチャですかみたいな。あんま見たことないです。そうですね、内蔵してるんで。しかも店のカウンターのど真ん中に置くって。そう。だから収納スペースを潰しちゃうんで。本末転倒感がいいです。いや、でもやっぱいらんことしないとブランドのアイデンティティも何もないかなって思って。もう効率的な世の中なので。
確かにガチャがあるお菓子屋さん、あんまり聞いたことないです。でも海外の方とかもガチャ大好きみたいで、みんなやってくださるし、お子さんもすごいやって。日本文化ですもんね、ガチャって。日本文化ですね。大好き。で、だんだんここにゲーセン要素が追加されていく。太鼓の達人…。気づいたらこれ全部UFOキャッチャーで売るとかやり始めたらいいんじゃないですか。え、それすごいいいですね。いくらやってもクッキー取れないぞみたいな。詐欺なんじゃないかって怒られるっていう。それちょっとやりたいな。いいですね。2号店はUFOキャッチャー。ゲーセンのお菓子屋さんっていう、ゲーセン化が進むお菓子屋として頑張っていきます。
もう明らかに大変だと思うんですけど、実際やってみて…初めてのお店でした? そうですね、第1号店で。やってみて一番の驚きとかありました? すごい幸せだなっていう気持ちになりました。作ったもの買ってくれるってすごいっすよね。そうですね。お店出してから、電車に乗ってた隣の方が持ってたりとか、そういう現象が爆発して、みんなのものになってるみたいな実感がちょっと面白いかもしれないです。しかもお土産とかお菓子とか、みんな持ちますもんね。そうなんです。ショッパーもめちゃめちゃ可愛くて、表がスイートで裏がメモリーになってます。思い出だけが全てだと思ってるんで、そういういい思い出を皆さんに作っていただくきっかけになれたらいいなっていうのを、お菓子屋として思ってます。
確かにお菓子って人間関係そのものみたいな。そうですね。その間にあるもので、特に東京駅から運ばれるお菓子って、遠くに行くことも多いので、そういう人と人との繋がりの中にあって、いい思い出を作ってもらえたら、お菓子屋冥利に尽きるなと思ってます。
でも最初にお店やろうって思いついた瞬間のこととか覚えてらっしゃいますか? ブランドは最初部活みたいな感じで始めたんですけど、その時から大きな駅とかで買えるお菓子になったらいいなっていうのは、もう書いてました、そこに。そうなんですか。最初からこのノーレーズンサンドイッチっていうテーマだったんですか? そうです。すごい。
よかったら、お菓子少しだけご用意あるので。いいですか? はい。撮影用にほんの少しだけキープさせていただいてます。マジですか? 買わせていただいていいですか? 買っていただけるんですか? もしよろしければ。嬉しい。あとこれ、うちのショップカードなんですけど、どれか好きなやつ。この人たちは実写ですか? 実写です。これ何者なんだっけ? くまちゃんです。それはそうって。これでネズミだったら驚きます。確かに。僕もこういう姿勢で仕事してるんで、これいただきます。どうぞ。ありがとうございます。思い出ありがとうございます。ちょっとおっさんが持つには可愛すぎるっていう問題。すいません。おっさんが来たら、ピンクの代わりに灰色の紙袋とか渡したら…。そうですよね。
今気になったことがあって。全然知らない町に突然放り出されたとするじゃないですか。お腹空いてる。どこで何食べるか、どうやって決めますか? でもファサードっていう情報があるので。ファサード、店の顔。歩き回って顔で決めるっていう感じですか? そうですね。どういう顔がグッときますか? 私すごい嬉しかったんですけど、さっきそこのエリアに、シェフのオブジェがあるパン屋さんがあったんですけど。あります。あれ? そんなのありました? 近くですか? 持ってきていいですか? もちろんです。シェフのオブジェをずっと集めて。この人見ませんでした? 確かに、なんか見たような気が。私、この客寄せのシェフのオブジェを日本中で探してて。
店の前に人形あるって、昔多かったですよね。それこそ…ちゃんとかね。薬局とかもそうですけど。今カーネルサンダースばっかりですもんね。確かに。
じゃあ実際歩く方がGoogleマップとかより大事ですか? でも大体、自分のGoogleマップに人から教えてもらったお店はピンされてるので、そういう意味ではGoogleのお世話になっているところはありますね。人に教えてもらったらピンをつけとく。付けないですか? ちょっと僕テキトーなんで。そうなんですね。ピン付ければいいですよね。全然使い込めないんですよね。そうなんですね。美味しいものとか探して歩いたりするんですか、成田さん。歩き回ってるってほどでもないんですけど、たまたま出会うと好きですね。そうなんですね。
なんで今日呼んでいただいたのかなと思って。いやあ、来ていただいてありがとうございます。いや、単純に、気持ち悪いと思うんですけど、ちょっとしたファンで。本当ですか? そんなことあるんですね。本は全部読ませていただいてるので。本当ですか? ありがとうございます。ポッドキャストも聞かせていただいたり。へえ。買い物もした。マジですか? 大体。じゃあ紗季子さんのファン検定としては、ちょっと68ぐらい行けてるんじゃないかな、勝手に。自己評価高そう。高め。
なんか衝撃というか、ありがとうございます。ある日Xでポロッと成田悠輔って出てきて、あってなって。すいません。大した…。ああと思いました。これいただいていいですか? ぜひぜひ。ピスタチオとか好きですか? 僕何でも好きで、ピスタチオは特に好きです。本当ですか? じゃあこれぜひ、ピスタチオレンジっていうバターサンドです。うちのブランドの。いただきます。ぜひ。ちなみに食レポは期待しないでいただけ…。
このすっと抜ける感じは何から来てるんですかね? 多分ローズマリーを入れてますね。ローズマリー。あとオレンジが入ってます。ペパーミントとか、そういう感じの、すっと鼻から抜けるような香りがある。多分ローズマリー。はあ。余韻。嬉しい。でもこのサブレで、内側のピスタチオがサブレより硬くて、食感をくれるのが新しいすね。嬉しい。ありがとうございます。
このイエスの方はどう違うんでしたっけ? こっちがレーズンキャラメルサンドで、こっちがショコラアプリコットサンドで、どっちもキャラメルが入ってます。これ何て書いてあるんですか? キャラメルバターサンドイッチって書いてます。こんなに綺麗に彫り字をちっちゃく彫り込めるもんなんですか、クッキーって。頑張って刻印してます。専用の機械みたいのがあるんですか? 手で抜くんですけど、広がらないようにすっと抜かないといけなくて。これ、レーズンの層とキャラメルっぽい層が…。そうです。2層になってて、バタークリームの層とキャラメルの層と。だからどっち側から食べるかでちょっと変わりますね。そうですね、味が。
いや、でも不思議なお仕事をされてますよね。そうですか。だって、食べることに呪われた瞬間みたいのあるんです? 食べるって誰でもするじゃないですか。だからある意味、それに特にのめり込むとか、それに呪われるとか、それを仕事にするみたいなことになりにくいのかなと思って。何がきっかけでそんな? 確かに。留学じゃないかなと思って。高校時代にアメリカに4年間留学してたんですけど、アメリカの食事ってかなり日本の食体験とだいぶ違うじゃないですか。全く違いますよね。アメリカのどの辺りですか? ニューヨーク州のちょっと北の方で。そうなんですか。僕今その近所に住んで。本当ですか? コネチカットの方なんですけど。近い。そうなんですね。まだいい方ですけど、でもそれ全然違いますよね。まだいい方。いや、南の方とか。まあまあまあ。
寮生活だったんで、味のないドロドロの肉のシチューみたいな。謎のドロドロ多いですよね。そうなんです。これは…みたいな洗礼を受けて。それが原点なんですね。日本に帰った時に、結局ギャップで人って感動するものじゃないですか。そう、そう。もう母親の作った味噌汁が美味しすぎて滝涙でした。確かに味噌汁だけでも全然違いますもんね。そうですね。ほんだしなんだけどなって言われて。最近ちょっと良くなりましたけど、ちょっと前までアメリカの味噌汁って出汁ゼロのこと多かったじゃないですか。そうでした。私が留学してた頃は味噌汁があったんですけど、本当に出汁が入ってなかったし、親子丼もあったんですけど、スクランブルエッグとセロリと鶏肉みたいな感じでした。
じゃあそのカルチャーショックと、日本に帰ってきた時のギャップが結構出発点なんですね。そうですね。多分一回壊れるっていうのがきっかけになってる気がします。へえ。でも料理人になるのとは違うじゃないですか。それもまた珍しいなと思って。そうですか。いや、でも作るより食べる方が幸せだなと思っちゃって。でも食べることを生業にしようとか仕事にしようっていう欲張りな姿勢を取るっていうのが、珍しいっちゃ珍しいすよね。それですね。それこそ学生時代に、食べることについて書いてる職業の人がいるんだっていうのを知って、これはと思って、いいなって。
食べることについて言葉を紡ぐって不思議なことですよね。逆に、なんで面白いなっていうか、本とか読んでくださってる…何を私のその発信から成田さんは摂取してるんですか? いや、何なんですかね。でも言葉の作り方が変ですよね。そうですか。『生まれた時からアルデンテ』とか言わなくないですか? まあ、日常生活ではないかもしれない。だから本のタイトルだけでも切れ味すごいですよね。あんなにインパクトがあって、やや意味不明で、しかも記憶に残れるぐらいパッと短くて、しかも後からグッとくるみたいなタイトルがついてる本ってあんまりないじゃないですか。そうですかね。何なんだろう、この人はと。ありがとうございます。
でも言葉を書いたり写真撮られたり、色々してるじゃないですか。食べ物を記録するとか、その体験の刻印を残すって、どうやったら一番いいんだろうって不思議で。残したいって思うことがありますか? いや、つまり残せないものじゃないですか、生物で。そうですね。で、やっぱり食べたいから食べちゃうと、なくなるものじゃないですか。だからある意味、記録を残してはいけないものでもあると思うんですよ。で、あるにも関わらず何か記録を残すとしたら、どうやるのが一番いいんだろうと思って。例えば言葉とか写真とかすごい使われてますけど、それと比べると動画とか映像とかはそんなにやられてないですよね、比重としては。それは理由あるのかなとか、ちょっと思ったんですけど。
発信っていうよりは、まさに消え物だからこそ残したいっていうモチベーションがすごくあって、それで一番残せるのは私は言葉だなと思っていて。つまり、写真で撮っても動画で撮っても、それのビジュアルであったり音であったり、そういう情報として残りますけど、それを食べて何を感じたかっていうところまでは、やっぱり言葉でちゃんと記述しておかないと。その内側の世界が一番上だと思ってるので、それを残すってなると、言葉に言い換えて残すしかないかなみたいな。動画でそれを言うっていうのもあると思いますけど、後から気づくこともあるので。
でもその言葉に残すコツみたいのあるんですかね? 教えられますか? 誰に? 成田さんにですか? とか。僕は老人すぎるんで、もう手遅れかもしれないですけど。そんなことないです。だから小学生とかに。今日の給食を記録するとか、それについて感想言うとか。どう思ったかっていうのを言葉で書こうとしたら、どうすればいいんだろうって。書くっていうより、書く手前に大事なことがあって、それが感じる。その感じたものがないと、何も書くことにならないじゃないですか。だからとりあえず一人で食べた方がいいかなっていう。確かに。
でも食べるって、一人じゃないものっていうステレオタイプありますよね、思い込み。成田さんは一人で食べないですか? いや、僕は一人でしか食べない感じ。え、いつも? でも私も食べ物を食べる時に孤独になる能力がすごい高くて、人といてもなんですけど。でもその方が美味しいと思います、私は。ていうか、人と食べてすごい美味しいって、あんまり感じることがないんですよね。分かります。やっぱり多分、五感の中の結構な割合が別のことに使われちゃってるので。そうですね、分散しちゃいますよね。食べることそのものになかなか向かえないっていう感じはしますよね。
でも成田さんの食生活って全然見えなさすぎて、食べることがそもそも好きなのかどうかも。食べることはすごい好きです。そうなんですね。食べることも飲むこともすごい好きで。でもかと言って、それを突き詰めてるとか、巡り巡ってるグルメみたいな感じでもないんですよね。でも食べることの喜びを感じて生きていらっしゃるんですね。まあ、友達いないんで、あんま他の喜びみたいなの…。あ、私も割と友達いないんで。本当です? そうは見えないですけど。いやいやいや。
逆に、食べ物以外について言葉を作ることも得意ですか? いや、得意じゃないです。あんまりやられてないですね。それも不思議で。食べることとか食べ物とかと全く関係ない文章とか、そんなに書かれてないですよね、多分。書いてないですね、ほぼ。なので、書くとか言葉を巡らせるってことが、食べることと直結してるんだろうなと思って。そうです。その直結が何なんだろう。いや、でもその、書きたいというよりは、感じたことを残したくて言葉を使ってるので、何かものを感じるっていうので一番自分が得意なのが食べることなんですよ。もちろん映画見たりとか他の娯楽とかありますけど、何かを感じるっていうので自分の心が一番動きやすいのが食べ物なので、食べ物で何かを感じる、それを残したいから言葉にするっていう流れができていて。別に他にもすごく心が動く出来事があったら言葉にしたいと思うかもしれないですけど、あんま食べ物以外で心の動くことがない。あんまりないですか? そうですね。珍しいですね。
でもその心が動くっていうのは、味に心が動くんですか? それとも、もっと食べることにまつわる体験全体で感じてるって感じなんですかね? そうですね。食体験全体かなとは思って。やっぱ美味しさっていうのも、味、物語みたいなところがあるので。
ちなみに、番組ホームページではノーカット版の配信もしています。番組が大赤字で大変です。ぜひ皆さんカンパをよろしくお願いします。特に美味しくないものに感動することもあります? ありますね。
僕、昨日日本に帰ってきて。それじゃ今日出られるんですか? で、今夜消えるんですけど、帰ってくる前にアブダビに行ってたんですよ。アブダビに24時間だけいて。忙しい。この番組にも出てくれた、チームラボっていうのをやってる猪子さんっていう人とかの、2人のチームラボのドンと、チームラボの新しいのがオープンするってことで行ったんですよ。
それが終わった後に夜中1時半ぐらいになって、なんか食いに行くかって話になって。アブダビなんで、夜中やってる店とかあんまないんですよ。なさそう。で、ろくでもない火鍋しかないって話になって。いいですね。ろくでもない火鍋はアブダビで食べたい。深夜2時ぐらいにろくでもない火鍋に行ったら、実際ろくでもなくて。そうですか。これ何時間ここに置いたんだろうなみたいな材料とかが、バンとビュッフェみたいな感じでぶちまけられてて、それを適当に取って火鍋にぶち込んで食えって言いますよね。なんで、火鍋がちょっとした消毒代わりになってるみたいな感じだったです。熱々で。いいですね。で、食べたら普通な感じだったんですけど、その普通な感じを、夜中のアブダビで、特別なオープンの日の夜中になぜか食べてるみたいなのが、すごい記憶に残るなと思って。いいですね。すごいちゃんとした洗練されたレストランとかに行くより、そっちの方が記憶としては強いだろうなみたいな感じ。残りますよね。だから、食べることを巡る記憶とか体験みたいなのって、一体何なんだろうと思って。
でも私も死んだ炭水化物とか大好きです。死んだ炭水化物。それこそビュッフェとかで、オーバーボイルドされたパスタとかが、いつ茹で上がったんだろうみたいなのがカピカピになって。端の方はもうほぼ乾いちゃってるやつとか。そうです。へばりついてるやつとか、すごい好きです。わあみたいな。確かに、焼きそばのへばりついてるやつはすげえうまいすもんね。うまいですね。
いやあ、これまでで一番記憶に残ってる体験みたいのありますか? 一番とか難しい。難しいなあ。でもなんだろう。最近、全然一番とかじゃないんですけど、焼き鳥屋さんに行って、提灯とかいますか? 提灯、卵がついてぶら下がってるやつ。なんかあれが私苦手なんですけど。あれって何者なんですか? 多分、卵巣がぶら下がってるのが提灯みたいだから提灯って呼んでるんですか? そうですね、多分そうだと思う。卵ですよね。結構好きです。本当ですか? あれ、口に入れた時にパシャってなるじゃないですか。それめっちゃ怖くて。そのパシャが、命が尽きる時の味っていうか、ゾッとしちゃうんですよ。卵巣とかぶちまけられてる…。いやいや、そういうことではないんです。いや、でも食べるって、そういうのって切り離せない部分あるじゃないですか。まあもちろんありますけど。パシャっとくる。パシャって来て、しかも線香花火って、だんだんわーってなって落ちるじゃないですか。あれともシンクロして、めちゃくちゃ何かが尽きてる感じ。怖いわみたいな感覚になったりとかしないですか?
しますよね。食べ慣れない動物とか食べると、鳥肌立ちながら、うまいなと思って食べてること。でも鳥肌立つうまさあるんですよね。でもその鳥肌は、美味しくて鳥肌立ってるんじゃなくて、怖さとグロテスクさに鳥肌が立ちながら。でも確かに、こないだ香港行った時に、鳩のローストみたいな、結構名物なんですよね。お顔とかも。その丸焼きみたいなのを食べて、一緒に行った人がさすがに私無理って言ってて、で、僕2匹目いっちゃいましたね。黙々と鳩をむしゃむしゃと食べて。美味しいですよね。すごいうまくて。ちょっと癖のある匂いもあるから、ますます動物食べてる感みたいな。
でも鳥肌食いで言うと、私はコーヒーゼリー。ぬるくなったコーヒーゼリー、めっちゃ鳥肌立ちますよ。なんでですか? いや、わかんないです。ぬるくなったコーヒーゼリー、確かに。めっちゃキモうまいです。食感違いますもんね。
日本酒を凍らせて飲むことあるじゃないですか。ありますね。あれの溶けかけが、すごい美味しくて、特に甘めの日本酒とかで、溶かしてシャーベットにして飲むとすごいいいんですけど。美味しそう。で、僕、生涯で一度だけ、お酒を飲んで完全に意識失って卒倒したことがあって。え。それが、そのシャーベットから溶けかけの日本酒を、ショットみたいなので2、3杯いった時に、体とすごい反応しちゃって、本当に思いっきり倒れて。へえ。だからなんか別の世界と繋がっちゃったみたいな感覚があって。それ以来、凍ったお酒は飲まない。凍ったお酒アレルギーみたいになって。ないですね、確かに。
常温の水がすごく苦手ですね。それもまた珍しいですね。水アレルギーです? いや、水アレルギーじゃないです。常温の水が苦手って、ぬるい存在が嫌いなんです? いや、ぬるいっていうか、つまんなってなりません? 常温の水。水に面白さを求める人、初めて会いました。本当ですか? ちょっと求めすぎちゃってますかね? いや、だって面白さがないから毎日飲めるっていうものじゃないですか。
いや、僕は冷たいものとか氷とか大好きなんですよ。だから、自分が普通に冷たい水をもらって、誰かが自分は常温でって言うと、なんか敗北感。冷たい方が嬉しいですよね。いや、なんか繊細さを感じて、常温を頼む人に。逆に。冷やさないようにってことですね。冷やさないし、冷えに弱くてみたいな感じに、いつかなりたいなと思ってて、自分は常温の水に憧れがあります。そうですか。どうしても冷やしちゃって。炭酸水とかもつい冷やしちゃってて。私も絶対冷やします。でも炭酸水の常温は許しがたいといつも感じるんですよ。許しがたい。確かに。でも常温の炭酸水の方がまだ嬉しいです。まだ嬉しい。情報がまだあるんで、炭酸っていう。いや、でもあのパンチがあるふりをしながら、常温みたいにちょっと引いてもいるっていう、その中途半端さに怒りを感じること。本当ですか? 私はそこは結構好き。そこはOKですか? はい。なんかすごいやつだなっていう嬉しさがあります。
常温の炭酸水を喜んで飲めるようになったら、自分も一人前かなって思ってるんで。それを目指してる感じですね。そうですね。それは確かに。でもそうやって、飲んだり食べたりすることが得意になったり苦手になったりするじゃないですか。いや、そもそもそんなに味覚が変わるってこと自体が驚きだなと思って。確かにそうですね。だって同じものを舌につけてるわけじゃないですか。それが、もう耐えられない、吐き出しちゃうみたいなものから、それなしでは生きられないみたいなところまで変わり得るじゃないですか。
でも、美味しさの科学を研究されてるアカデミアの方が、基本的に人は13回食べたら苦手なものを好きになるって言ってました。慣れらしいですよ、実は。確かに慣れの力もすごいっすよね。すぐ適応するらしくて。でも嫌いなものって10何回とか食べないじゃないですか。食べたらいけるらしいです。しかも、人が美味しいと思うものって、要は昔たくさん食べてたものですもんね。そうですね。ある程度やっぱり精査されてきてる。なので、アメリカ人たちの食事も、彼らは美味しいと感じてんじゃないかな。コンフォータブルだと思います、すごい本当に。それが自分にとって合うっていう。ですよね。
だから自分もアメリカで食事でカルチャーショックあって。一度テキサスの南の方に1週間ぐらい、ある人のところに泊まらせてもらったことがあって、1週間その家族の食生活をそのまま。やばくて、1週間野菜ゼロなんですよ。分かる。冷凍のコーンとかだけついてくるみたいな。例えば肉と、あとなんか土管とアイスクリームの山とか、自分の家で焼いたクッキーとか。美味しいっちゃ美味しいんですけど、すごい世界で。で、僕滅多にならないんですけど、ブツブツ、ニキビだらけになったりして、ストレスで。え、でもまだおきれいですもんね。で、ここに一生って言われたら、食べ物でショック死するかもなと初めて思ったんですよ。でも驚くべきことは、彼らはそれが正義で。
なので、分かり合えないものが分かり合って融合した時の感動もすごいなと思って。ニューヨークとかロンドンとか、国とか文化の人が混ざり合うじゃないですか。そうですね。だから結構、ある地域の食べ物が移ってきて、現地の食べ物とフュージョンして新しいものに生まれ変わるみたいなのが結構多いじゃないですか。いや、でも本当に料理って移民が美味しくさせたって言われてますからね。そうすよね。混ざり合ったところに美味しさが生まれる。だから最近、モダンインディアンっぽいものとか。確かに、ロンドンのモダンインディアンとか最高ですね。すごいすよね。だから、街角の昔ながらのインド料理とか韓国料理でもないし、かと言って宮廷料理みたいなのでもなくて、根本的に新しい、澄ましたモダンなコースのインド料理とか韓国料理とかが、ロンドン、ニューヨークではたくさん生まれてるじゃないですか。確かに。だからあれは、ああいう場所でしか生まれない、分かり合えないものの結合みたいな感じで。
でもモスバーガーの海鮮かき揚げ、最高ですよね。そう。あれもあれは日本でしか生まれなかった、グローバルとローカルが…。あれを食べるためにビヨンセとか日本来てますからね。え、本当ですか? ビヨンセは日本に来るたびにモスバーガー…。海鮮かき揚げ食べてるのかな? そう、海鮮かき揚げかはともかく。食べててほしい。で、モスバーガーってもの自体がちょっと全般にそうですよ。やっぱそうですよね。文化交差ですよね。あれは謎ですよね。やっぱそう、嬉しい、良かった。ロースカツバーガーとかも、あれも謎の日本のとんかつ文化みたいな。そうです、そうです。サンドが融合してて。ケンタウロスです。ケンタウロス。いや、本当にハンバーガーととんかつのケンタウロス。
でもその点、日本の丼物。あれはなんか天丼的なものとハンバーガー的なものの結合じゃないです? ハンディ丼ですね。で、しかも面白いと思うのは、日本料理はこれだけ世界中に輸出されてるじゃないですか。確かに。丼物ってあんまり活躍できてないじゃないですか。確かに。吉野家さんとか世界にね、ちょくちょく出てはいますけど、例えば寿司カテゴリーとか色々ある中で。ラーメンとかは発展してますけど。だから、輸出しにくい本当の日本文化が丼物なんじゃないですか。やっぱ米多いなって感じなんじゃないですか。確かに謎ですから。米をっていう、なんか受け入れられなさがあんのかな。でもそれを言うと、そば、うどんも思ったほどは日本の外では広がってないのかな。そうですね。やっぱ出汁文化がまだまだハードルが高いんですかね。ですよね。あと多分、作り手に依存しすぎるんですかね。それもあるでしょうね。確かに。うどんとかって、すごい微妙になっちゃうじゃないですか。だから技術とか材料とかが良くないとダメなものは広がりにくいとか。確かに、職人の独自性みたいなのがすごい試されるジャンルは。
だからその点、中華料理の浸透しやすさはすごいですよね。世界中で、地球の裏側のど田舎に行っても、一応中華料理と称するものがほぼ確実にあるじゃないですか。絶対ありますもんね。あれがすごいなと。でもやっぱその分、世界のシェフが日本は本当にミステリアスなマジカルアイランドだみたいな感じで、本当に来たがって。すごいっすよね。何なんでしょう、日本食ブーム。まあでも特異性高いですよね。あと、そこでしか体験できないみたいなところの希少性も、まだまだ高いと思いますし。
しかも不思議なのは、日本の食事って、あらゆるレイヤーで、そのレイヤーならではの良さとか、すごいものっていうのがあるじゃないですか。なので、1杯500円の立ち食いそばから、1食1000円の定食みたいなのから、数千円ぐらいの居酒屋飯みたいなものから、何万円も払う本当のグルメみたいなものまで、どのレイヤーを取っても、そのレイヤーでしか体験できない、しかもこの国にしかない体験みたいのがあるのがすごいですよ。ストリートからハイエンドまで全部揃ってますもんね。だからあれが、アメリカとかに住んでると、すっぽり抜けてるなっていう感じはいつもするんですよね。
なんか最近、ちくわぶマジ変なもんだなって思ってて。でもそもそも、ちくわぶってあいつ何なんですか? あいつマジ何なんですか? しかもその、出汁が染み切ってないちくわぶ。おでんとか煮物とかに入ってて、色々食べて、その染み切ってないちくわぶを食べた時に記憶が飛ぶんですよ。それはなんかの病気じゃない? いやいや、違うんですけど。
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