安野貴博「バイブコーディング超入門」第1回:プログラミング未経験者がバイブコーディングを学ぶ理由

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概要

安野貴博氏がYouTubeで始めた新企画「バイブコーディング超入門」の第1回である。多くの人から「バイブコーディングはどうやったらいいのか」と質問を受けたことをきっかけに、2026年時点でのやり方を紹介する講座として始めたという。全何回にするか、どのように進めるか、どの題材を扱うかはまだ決まっていない。第1回では、バイブコーディングとは何か、なぜソフトウェアエンジニア以外の人も学ぶべきか、始めるのに何が必要で何が不要かという全体像を説明している。

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講座の対象者

安野氏が主な対象として挙げるのは、プログラミング未経験の人、つまりコードを書いたことがない人である。説明は「高校生でも分かるくらい」を目指すという。小学生には難しいかもしれないとも述べている。

想定しているのは、パソコンで調べ物をしたりYouTubeを見たり、スマホでアプリを開いたり、ChatGPTに時々質問したりする程度の人だ。パソコンをまだ使っていない人や、スマホの操作が苦手な人は対象外としている。

バイブコーディングとは何か

安野氏の説明によれば、バイブコーディングは2025年に登場した言葉である。英語や日本語など普段使っている言葉でAIに指示を出し、ソフトウェアを作るやり方を指す。

命名したのはアンドレイ・カーパシー氏で、安野氏はOpenAIの共同創業者であり、以前はテスラのAIディレクターも務めた人物だと紹介している。カーパシー氏が2025年2月に「これからはバイブコーディングだ」という趣旨の投稿をXにしたところ、インプレッション数は680万回に達した。同年11月にはコリンズ英語辞典の「今年の言葉」に選ばれた。安野氏は、2025年1月にはまだ存在しなかった言葉だと強調している。

従来のプログラミングでは、構文、データ構造、アルゴリズムを理解する必要があり、環境構築にも手間がかかった。まともなソフトウェアを作れるのは専門知識を持つ人に限られていた、と安野氏は言う。現在はAIの能力が上がり、たとえばバグが見つかったときにエラーコードをAIに見せて「これを直しておいて」と頼めば、AIが自分で修正してくれるようになりつつある。

安野氏は、ソフトウェアを作るハードルが大きく下がったと考えており、その下がり方は体感した人としていない人で認識がかなり違うと述べる。1年前にプログラミングを始めようとしたときの大変さを100とすると、今AIと一緒にプログラミングを始める大変さは5程度だというのが安野氏の見立てである。もちろん極めようとすればさまざまな難しさが出てくるが、始められる人の範囲は大きく広がったという。実際にプログラミング未経験の人がアプリを次々に作り、多くの人が使うアプリも生まれ始めていると話している。

ソフトウェアエンジニアがいなくても、必要なソフトを自分で作る

ハードルがここまで下がると、自分に必要なソフトウェアをその場で作れるようになる。ソフトウェアエンジニアがいなくても、バイブコーディングで必要なものを作れるということだ。安野氏は2つの事例を紹介している。

1つ目は、糖尿病の子どもを持つ親が自分でバイブコーディングをして「カーボスキャン」というアプリを作った例である。食品の画像を入力すると、それが血糖値に与える影響を判断するアプリだという。

2つ目はGMOペパボの例である。同社は新卒研修にバイブコーディングを取り入れた。その中で、カスタマーサービスチームがエンジニアチームに勝って優勝したことがあったと安野氏は紹介している。

理由1:AIで世界がどう変わるかを最もよく体感できる

安野氏が「一番重要」と位置づけるのが、ソフトウェアエンジニアではない人がバイブコーディングを学ぶ理由である。安野氏は理由を2つ挙げている。

1つ目は、AIによって世界がどう変わるかを体感する方法として、バイブコーディングが2026年時点で最も良いというものだ。安野氏によれば、AIを使いこなしている人の間にも大きな差がある。質問して答えを聞くだけの人もいれば、MCPなどでさまざまなツールを連携させ、自分の仕事の文脈をうまく与えて実践的な作業をさせている人もいる。さらに、夜通し数時間パソコンを動かし続け、自分が寝ている間にもAIにプログラミングを進めてもらう人までいるという。

そのうえで安野氏は、現時点でAIが最も得意なことの1つがプログラミングだと指摘する。バイブコーディングを実際にやってみると、今後AIの性能がプログラミング以外の分野でも上がったとき、仕事や作業がどう変わるかを強く体感できる。これを体感しておけば、AIが将来をどう変えていくかについて自分なりの見方を持てる。安野氏はこの点を理由に、バイブコーディングを強く勧めている。

Claude Code経由で作業する理由

この体感の具体例として、安野氏は自身の経験を語っている。Claude Codeを使うようになってから、プログラミングのやり方が変わったという。以前はたくさんあるファイルを1つずつ、1行ずつ手で書いて編集していた。あるときからそれが切り替わり、基本的にはClaude Codeと話し続け、Claude Codeが多数のファイルを1行ずつ編集していく形になった。

安野氏が特に大きな転換点として挙げるのは次の点だ。あるファイルのある行を1か所だけ消せばよいと分かっている場合、自分で直接編集しても構わない。それでも安野氏は最近、「このファイルのここを消しておいて」とClaude Codeに頼むようにしているという。理由は、自分がどんな作業をしたかという文脈をすべてClaude Codeに把握しておいてほしいからだ。自分で勝手に変更すると、Claude Codeがその作業を知らない状態になり、その後に指示を出したとき混乱の原因になりかねない。そのため、基本的にはClaude Codeを通して作業するという方法に変わってきた、と安野氏は説明している。

安野氏は、この働き方が事務仕事やパソコンを使う仕事にも当てはまる可能性があると考えている。ただし「そうなるかは分からない」とも述べており、断定はしていない。こうしたことを体感しながら考えられるのがバイブコーディングだとして、将来AIがどう使われるのかを考えたい人に勧めている。

理由2:プログラミングはExcelのような誰でも使える道具になった

2つ目の理由について、安野氏はまず「ソフトウェアエンジニア以外がなぜ学ぶ必要があるのか」という問い自体が面白いと述べる。ソフトウェアを作ることがこれまで非常に大変だったため、職業や専門性で役割が分かれていた。ソフトウェアエンジニアはソフトウェアを作り、それ以外の人は作らない。この考え方が前提になっていたというのである。

しかし安野氏によれば、プログラミングはもはや一部の人だけの専門技能と言えるほど難しくはなくなった。専門性が必要な領域はまだたくさんあるものの、アプリを作ることはかなり多くの人にできるようになっており、誰でも使える道具になっている。

安野氏はこれをExcelにたとえる。かつては、Excelを操作できることや、関数を組み合わせてモデルを作り計算させることは、一部の人の専門技能だったかもしれない。この20年ほどで、Excelやスプレッドシートを使うことは普通のことになった。SUM関数で合計を出す程度なら、Excelの達人でなくてもできる。安野氏は、プログラミングのハードルもそのあたりまで下がってきていると主張する。

日々の仕事や活動の中で、ソフトウェアを作れるとできることが大きく広がる。安野氏は、ソフトウェアエンジニアではない人やプログラミング未経験の人がバイブコーディングを通じてこの2点を体感し、自分にできることを広げることには大きな意義があると述べている。

必要なもの:スマホ、PC、AIで十分

具体的なやり方は今後の回で扱う予定だが、安野氏がここで強調するのは、必要なものがあまりないということだ。スマホ、PC、AIがあれば十分だという。講座でどのAIをどう使うかはまだ少し迷っているとしつつ、特別なものは必要ないと述べている。

基本的にはPCを使ったほうがさまざまな作業がしやすいが、スマホでもバイブコーディングはできる。安野氏はその例として、フロリダのディズニーワールドに行ったときの体験を紹介している。アトラクションが多く、1日の時間も限られている中で、どう回ればよいかを考える必要があった。

そこで安野氏は、スマホでv0というバイブコーディング用アプリを使い、アプリを作った。ディズニーの各種ウェブサイトは各アトラクションのその時点の待ち時間を公開しており、その待ち時間をスクレイピングで取得する。そして、どのアトラクションにすでに乗ったか、今パーク内のどこにいるかという情報と合わせてChatGPTに渡し、次に乗るべきアトラクションを考えてもらう。こうして最適なルートを提案し続けるアプリを、スペース・マウンテンの待ち時間の間に一気に作った。その後はそのアプリを使いながらパークを回ったという。安野氏はこの体験を、スマホでもバイブコーディングができること、そしてソフトウェアを作れると役に立つ場面が多いことの例として挙げている。

必要ないもの:プログラミング知識、専門書、高性能PC

安野氏は、何が不要かを知ることも重要だと述べる。バイブコーディングと聞くとハードルが高そうだと身構える人も多いが、前提としてのプログラミング知識は要らない。学んでいく過程で必要になる知識はあるものの、今それを知らないと何もできない、ということはあまりないという。専門書も特に必要ないとしている。

誤解されがちな点として、安野氏は高性能なPCも不要だと述べる。普段ブラウザで作業できる程度のPCがあれば、十分に作業できるという。AIには、Web経由で相手のサーバー上で動くものと、自分のパソコンの中で動くローカルモデルがある。ローカルモデルを使い込みたい場合には、ある程度高性能なPCが必要になる。しかし普通にバイブコーディングをするだけなら普通のPCでよく、前述のようにスマホで操作してコーディングすることもできる。そのため、肩ひじ張らずに安心してほしいと安野氏は呼びかけている。

今後の講座について

安野氏は、全何回になるかはまだ分からないとしたうえで、第2回以降では、より具体的なバイブコーディングのやり方を伝えていきたいと述べて第1回を締めくくっている。使用するAIの選定や講座の進め方など、多くの点は現時点でまだ決まっていない。