欧州で広がるFSD承認と、日本導入の最短シナリオ:テスラのレベル4認証、SpaceX上場まで

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概要

テスラの最新ニュースを扱う動画で、話者は3つの話題を取り上げた。1つ目は、欧州で広がるFSD(Full Self-Driving)の承認と、日本でも導入準備が始まった兆しだ。2つ目は、テキサス州でテスラが初めてレベル4自動運転の認証を得たこと。3つ目は、動画公開当日の夜に控えたSpaceXのIPOである。中心となる問いは「日本でFSDはいつ使えるようになるのか」だ。話者は、夏の導入は難しいものの、最短なら年末のホリデーアップデートもあり得るという見方を紹介している。

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オランダを起点に、EU各国へ広がるFSD承認

話者によると、欧州でのFSD展開の起点はオランダである。オランダでは1〜2か月前に承認が下り、FSDの提供が始まった。他のEU加盟国は、このオランダの承認を利用して自国で再承認できる。この仕組みで承認国が増えており、今週はベルギーでも承認され、まもなく配信が始まるという。話者はオーストリア、スイス、スウェーデンなども承認済みだったはずだと挙げたが、記憶があいまいだと断っている。

FSDが使える国として、話者はアメリカとカナダ、最近承認されたオーストラリア、そして欧州のこれらの国を挙げた。さらにEU全体で承認手続きを簡素化する動きがあるという。話者が紹介したのはリークされた文書で、フランスの規制当局のサポート窓口からの返答とされる。それによると、6月30日にEUレベルの採択投票が予定されている。ここで可決されれば、各国は「うちでやる」と手を挙げるだけでFSDを始められるほど簡易な承認手続きに移れるという。

現状でも、オランダが突破口を開いたことで承認はかなり容易になった。ただ、安全性の確認など多くの手続きがまだ残っている。EU全体の枠組みができればその多くを省けるため、フランス、ドイツ、スペイン、ポーランドといった国々に一気に広がる可能性があると話者は説明する。仮に投票が思わしくなくても、各国が個別に承認する道は残っている。そのため話者は、EU全域への展開は時間の問題であり、既定路線だと見ている。

オランダの走行動画と、テスラが公表した安全データ

欧州の盛り上がりを示す例として、話者はオランダで撮影された走行動画を紹介した。前方で引っ越しトラックが道を塞いでいる場面で、FSDはしばらく迷うような挙動を見せる。その後、自転車が来ていることも確認しながら、左の車輪を歩道に乗り上げてトラックを避けていった。対向車も、FSD車が通り過ぎたあとに同じように歩道へ乗り上げて進んでいた。

話者は、厳密に言えば歩道に乗り上げるのは法律上いけないと認めている。日本の道路交通法で許されるかどうかも疑問が残るという。それでも、どうしようもない状況で人間と同じように柔軟に判断し、突破できる点がすごいと評価した。

続いて話者は、テスラ公式アカウントが投稿した統計に触れた。前提条件はあるものの、FSDは人間より事故が3.5倍少なく、急ブレーキをかけるような事象も14.9倍少ないという内容だ。注記には条件別の数字もあり、高速道路では人間より3.4倍、高速道路以外では1.6倍安全だったと書かれているという。話者は以前から「FSDの方が安全」と言ってきたとし、データはそれを裏付けていると述べた。そのうえで、欧州でFSDが使えるようになった地域の人々がそれを実感していると語った。

アジアの状況:中国、オーストラリア、台湾

では日本やアジアはどうか。話者の整理では、中国では上海というエリア限定ながらFSDがすでに始まっており、オーストラリアでも提供されている。

台湾は、オランダの認証機関RDWが承認したことをきっかけに、FSDの承認に前向きな姿勢を示しているという。日本の国土交通省にあたる機関から、レベル2のFSDについて安全データの収集に前向きな回答が出ている。話者は、台湾での導入も十分あり得る動きだと受け止めている。

日本:テストドライバー募集から読むスケジュール

日本については、国交省から公式な通達はまだ一切ない。ただ話者は、他の自動運転事業者の動きを見ると、今年か遅くとも来年には、FSDをはじめとするエンドツーエンドの自動運転が複数のメーカーから出てきそうだと見ている。

具体的な兆しとして挙げたのが、動画の前日ごろに明らかになったテスラの求人である。テスラは大阪と横浜で自動運転のテストドライバーを募集しており、仕事内容はFSDの安全データ収集だという。話者は、募集が始まったばかりなので、テストは来月ごろから始まる流れだろうと推測する。そうであれば、これからデータを集め、国交省と安全性を確認していく段階にある。したがって、今年の夏にFSDが日本に来るのは厳しそうだ、というのが話者の読みだ。

「最短で12月」という予測の中身

では最短ならいつになるのか。話者は、市場予測をよく参考にしているという「プーグラさん」の予測を紹介した。この人物は規制関連の採択やメーカーの動きを織り込んだ予測をしており、今回のスケジュールなら年末に来る可能性もあると見ているという。話者が紹介した段取りは次の通りだ。

  • 6月末:国連での採択が行われ、これを通過すると日本国内での認証手続きが始まる。
  • 7〜8月:オランダのRDWが行った形式承認をもとに、日本国内の形式認証を取得する。衝突時の乗員保護やセーフティシステムの検証はオランダで済んでいるので、国連の規定に沿ってその書類を持ち込めば、日本で改めて実験や検証をする必要はない、という考え方である。
  • 8〜10月:日本の狭い道路や特殊な道路事情で、FSDの運転性能が本当に大丈夫なのかを技術面から検証する。このデータはテスラジャパンがテストドライバーを使って作成し、提出する。
  • 10月以降:承認を終えたあと、1〜3か月ほどの書類審査を経て、12月のホリデーアップデートに間に合うかもしれない。

話者は、最短で考えればこのタイムラインはあり得なくはないと受け止めている。鍵になるのは6〜8月の動きで、テスラジャパンが国連の規定を使って前倒しで進めようとしているかどうかだという。そのうえで、8〜10月にデータをまとめるという流れに、今回のテストドライバー募集はうまく当てはまると述べ、最短で年末もあり得るのではないかと語った。

年末がだめなら来年:日産とWaymoが先行する可能性

年末に間に合わなかった場合について、話者は別のシナリオも示した。国が国内メーカーを優先するなら、先に動くのは日産だという。Wayveの技術を搭載したプロパイロット2.0のバージョンが来年の夏ごろに出ると言われている。さらに、Waymoのレベル4自動運転の認可も来年と言われている。話者は、これらが始まれば他社が突破口を作ることになり、国交省の中でもFSDを申請しやすい状況になっていればよいと期待する。

話者自身は最短で6月に来ることを願っていたが、今月は難しそうだという。次のポイントは年末、その次が来年の春から夏で、それまでは気長に待つしかないと述べた。

アメリカで話題になった駐車の動画

FSDへの期待を示す例として、話者はアメリカで公開された駐車場の動画も紹介した。FSDは空いている枠を探しており、車椅子マークの枠には停めてはいけないことも理解している。前方のピックアップトラックが空き枠を見つけたので、FSD車はトラックのためにスペースを空けようと少しバックした。

面白いのはその後だ。FSD車は、ずいぶん前に通り過ぎた車椅子マークの隣の枠から、ちょうど車が出ようとしていたことを覚えていたらしい。他に空いている枠がないと判断すると、じわじわとバックを続け、その枠にバックで入れた。乗っていたオーナーも、なぜずっとバックしているのか不思議に思っていたという。

話者の解釈では、FSDはもともとピックアップトラックが入った枠に停めるつもりだった。その枠を取られたため、通り過ぎたときに空いた後方の枠を候補として覚えており、それを実行したのだろうという。人間は通り過ぎた後ろの枠の様子まではなかなか把握できない。FSDはバックカメラなどで常に周囲を監視しているからこそ、こうした動きができると話者は見ており、「人間を超えている」と評した。

もう1本、FSDを使い始めた初日はハンドルを握っていたのが、1か月後には手放しで飲み物を飲み、1年後には寝ているかもしれない、というネタ動画も紹介された。話者は、寝るのは違法でだめだと断っている。そのうえで、アメリカでFSDをよく使っている自分の体験から、一度使い始めると全部任せられるほど安全に運転してくれるので気持ちは分かると語った。

テキサス州でテスラ初のレベル4認証

2つ目の話題は、テスラが会社として初めてレベル4自動運転の認可をテキサス州で取得したことだ。話者によると、テキサス州では最近州法が改正され、レベル4自動運転車を持つ事業者が自己認証でレベル4であると届け出られる制度ができた。テスラは制度が施行された当日に州へ書類を提出し、認可されたという。

WaymoやZooxなどは以前からカリフォルニア州やテキサス州でレベル4の認可を得ていたが、テスラとしては初めてである。話者が重視するのは、その中核技術がFSDであることだ。ユーザーが使っているFSDはレベル2だが、同じ技術を使った商用ロボタクシーがレベル4の認可を受けた。話者はこれを、テキサス州内に限った話ではあるが、FSDの技術がレベル4の水準にあると法的に認められたことの裏返しだと受け止め、「3を飛ばして4になった」と表現した。

ただし話者は、FSDだけがすごいと言うつもりはないとも述べている。レベル4は、緊急時のサポート体制や遠隔監視体制など、さまざまな安全策を講じたうえでのパッケージとして成り立っているからだ。

レベル2とレベル4は何が違うのか

話者は、SAEによる自動運転の国際的なレベル分けも解説した。レベルは0から5までの6段階で、0は人間が運転する状態なので実質的には1〜5の区分になる。

レベル2とレベル4の大きな違いは、責任を負うのが誰かだと話者は説明する。レベル2は運転支援の枠組みなので、最終的な責任は運転者にあり、事故が起これば運転していた人の責任になる。レベル4では運営会社、今回で言えばテスラが事故の責任をすべて負い、乗っている人はドライバーではなく乗客として扱われる。

その代わり、レベル4にはさまざまな要件が課される。話者が挙げたのは次の3点だ。まず、ブレーキ、ステアリング、アクセル操作といったDDT(ダイナミック・ドライビング・タスク)を、どんな状況でも運営会社が監視できていること。次に、タイヤのパンクなどが起きたとき、システムが自ら対処するフォールバックができること。そして、ODD(運行設計領域)として定めた特定の環境で自律的に運転できることだ。現行のFSDでは、パンクすれば警告音が鳴ってエラーが出て、人間が路肩に寄せる扱いになる。レベル4ではそれをすべてシステムが行う必要がある、というのが話者の説明である。

話者は今回の認証をテスラのロボタクシー戦略の第一歩と位置づけ、今後の展開をこう見通す。アメリカでレベル4が国際的な枠組みの中で正式に承認され、国際基準でも認証が取れる水準だと示せれば、欧州や日本での承認も進めやすくなり、世界展開もしやすくなるはずだという。

SpaceXのIPOと、イーロン・マスクが語った今後

最後の話題は、動画公開の約2時間半後に控えたSpaceXのIPOだ。話者自身もIPOの抽選に申し込んだが、結果は伏せている。

話者は、上場の3〜4日前にイーロン・マスクが出演した30分ほどのインタビューを紹介した。これまでSpaceXはFalcon 9を主力に、さまざまな衛星を軌道上に打ち上げてきた。スターシップがうまくいけば、計画上2028年に打ち上げ量が一気に増え、運べるペイロードが桁違いに大きくなるという。そうなれば、月や火星、軌道上のAI衛星といった構想が現実味を帯びる、というのがインタビューの趣旨だと話者は伝えている。

インタビューの後半ではAI衛星について多く語られていた。話者の説明では、AIチップを搭載したパッケージを左右に3つずつ、計6つ組み込んだモジュール構成で、名称は「AI1サテライト」というらしい。大きなソーラーパネルを広げた幅は約70m(話者は最初に60mと言い、70mと訂正した)、縦に広がる冷却用ラジエーターは約20mで、スターシップ並みの大きさになるという。折りたたんだ状態でスターシップに積んで打ち上げ、軌道上で少しずつ展開する。そして常に太陽光が当たる軌道に何万機も配置する予定だという。発電能力は常時150kWで、学習にはピークで120kWほどを使うと話していたはずだ、と話者は記憶を頼りに付け加えた。

話者の投資観:焦らず2028年までに買えばよい

話者は、現在のSpaceXの売上の大部分はスターリンクであり、その伸びが焦点だと見る。スターシップが実用段階に入ってAI衛星やスターリンクV3を次々に打ち上げるのは3〜4年後の計画なので、ここ1〜2年は売上が大きく伸びないと話者は考えている。

そのため、IPOの抽選に外れても焦る必要はないというのが話者の立場だ。今年から来年夏ごろまで市場価格を見ながら少しずつ買い、2028年ごろまでに買い増しておけば十分だという。スターシップの完成やペイロードの増加につれて期待が高まり、株価はそれに先行して上がると見ているので、成果が明らかになる少し手前で買っていけばよいと話者は語る。上場直後に投機的に2〜3倍になることはあるかもしれないが、いきなり10倍になることは絶対にないと思う、とも述べた。

AI衛星はなぜSpaceXにしか作れないのか

一方で話者は、AI衛星が実現すればSpaceXの売上は大きく伸びるとも考えている。インタビューによれば、AI衛星はスターリンク衛星より作るのがずっと簡単だという。スターリンクは衛星にアンテナを付ける必要がある。これに対しAI衛星はスターリンク衛星とレーザーでつながり、地球との通信はスターリンクが担う。

話者はここから、スターリンクがあってこそAI衛星が成り立つと受け止めた。スターリンクがなければ、地球と通信するためのインフラも衛星側に作らなければならず、構造が複雑になる。すでにネットワークを持つSpaceXは、レーザーでつないで太陽光の当たる位置に衛星を置くだけでよい。だからSpaceXにしかできない事業だと改めて感じたという。

さらに話者は次のような見通しを語った。スターシップが地球に帰還して再利用され、打ち上げコストが下がったとする。その結果、地上にデータセンターを作ってGPUを並べ、高い電気代を払うより宇宙で学習する方が安くなれば、AnthropicやOpenAIのようなAI企業が学習用の計算資源をSpaceXに発注する可能性が非常に高い。そうなれば、SpaceXは宇宙のハイパースケーラーとして計算資源の需要を集めることになる。AI学習の市場データはすでにあり、地上のデータセンターで回っている資金がSpaceXに流れた場合の規模はある程度割り出せる、とも話者は述べた。

ただ話者の見方では、イーロン・マスクにとってこれは地球での資金稼ぎの一環にすぎず、最終目標は火星や月のコロニー、宇宙経済圏にある。その先でSpaceXは一企業というより、宇宙を支配する国家や帝国のような存在になりかねない、というのが話者の感想だ。

付随する話題と残された問い

話者はほかに、SpaceXの3倍レバレッジETFがすでに登場していることにも触れた。イーロンの名前にちなんだようなティッカーで、ネタのようだと感じたという。また、オプティマスのエンジニアが首部分のテストの様子を投稿していたことも紹介した。

話者は、オプティマスが最終的にSpaceXの月や火星での作業を担うと見ている。そのため、テスラ、SpaceX、xAIはいずれ統合されていくように思えるという。そうであれば、SpaceX株を買うよりテスラ株を持っていた方がよいという考え方もなくはない。話者は、どれが正解かは自分にも分からないとし、視聴者がどうするつもりかを尋ねて動画を締めくくった。