脂性敏感肌の3タイプとスキンケアの注意点:「ベタつくのに敏感」な肌への対処

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概要

敏感肌というと、カサカサして乾燥した肌を思い浮かべる人が多い。しかし皮膚科医の友利新氏は、日々の診察では逆のタイプの患者も増えていると話す。ベタつき、毛穴が開き、ニキビもあるのに、かゆみや赤みも出る肌だ。こうした状態は最近「脂性敏感肌」と呼ばれ、敏感肌には乾燥性敏感肌と脂性敏感肌の2種類があることが分かってきたという。動画では、友利氏が最新の論文をもとに、脂性敏感肌がなぜ起こるのか、どの3タイプに分かれるのか、それぞれ何に気をつければよいのかを解説している。

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客観的なデータで調べた脂性敏感肌

友利氏は、「脂性敏感肌という肌が本当にあるのか」と疑問に思う人もいるだろうと前置きし、2025年に学術誌「Scientific Reports」に掲載された論文を紹介する。対象は17〜34歳の女性200名である。本人の肌感覚ではなく、客観的なデータで脂性敏感肌の人に何が起きているかを測定した研究だという。

測定項目は、水分量、バリア機能、赤みの指標となるヘモグロビン量、ポルフィリン量などだ。「赤い」という見た目だけでなく、ヘモグロビンが実際に増えているかまで調べている。これらを総合した結果、脂性敏感肌は単に皮脂が多いだけの肌ではなかった。バリア機能が低下していること、ピリピリ感をもたらす神経が過敏になっていること、そしてベースに炎症があることが分かったと友利氏は説明する。

特徴①:皮脂が多い場所が偏っている

皮脂が多いのになぜバリア機能が落ちるのか。友利氏によると、そもそも本当に皮脂が多いのかを調べたところ、脂性敏感肌の人では皮脂が出る場所が変わっていることが分かった。Tゾーンは皮脂が多いが、頬はそれほど多くない。逆に多かったのはフェイスラインと顎で、Tゾーンと同程度の皮脂量だったという。

友利氏はその理由として、フェイスラインが皮脂分泌を促すホルモンであるアンドロゲンに反応しやすい点を挙げる。アンドロゲンが多いと、フェイスラインや顎の皮脂腺の働きが活発になる。

この偏りを知らずに顔全体の皮脂を取るケアをしたり、頬にまでピーリングなどをしたりすると、もともと皮脂が少ない頬の水分がさらに低下する。その結果、頬だけに赤みが出たり、頬だけがドライになったりすることがあるという。そのため友利氏は、脂性敏感肌かもしれないと思う人に、皮脂をコントロールする前にどこの油分が多いのかを確かめるよう勧める。皮脂が多いのはTゾーンとフェイスラインだけかもしれないからだ。

特徴②:小さなニキビとポルフィリンによる炎症

研究で分かったもう1つの点は、ニキビができやすいことだ。それも大きなニキビではなく、小さくポツッとしたニキビだという。

友利氏の説明では、皮脂が多いと角質が厚くなりやすい。毛穴の中に角質も皮脂も多くなって詰まりが起き、それが小さなニキビになる。この小さなニキビにはアクネ菌が多くいて、アクネ菌が出すポルフィリンという代謝物質が炎症を促す。思春期にできるような大きなニキビとは違い、細かいニキビによって肌のバリア機能がさらに低下させられている状態だという。

友利氏は、こうした人はアクネ菌を殺してもあまり意味がなく、まず炎症を抑えることが一番だと述べる。

ここまでの内容を友利氏は2点にまとめる。脂性敏感肌の人は顔中が油っぽいわけではなく、Tゾーンとフェイスラインの皮脂が多く、頬は意外と少ないので、部分的な皮脂ケアが必要になる。また、細かいニキビとポルフィリンによってバリア機能が低下し炎症が起きているので、炎症を抑えるケアを取り入れなければならない。この2点が大前提だという。

脂性敏感肌の3つのタイプ

友利氏によると、脂性敏感肌は3タイプに分かれる。バリアが低下したことによる「バリア型」、神経が過敏になった「神経過敏型」、炎症が起きている「炎症型」である。1つのタイプだけでなく、3つが重なっている人もいるという。

バリア型:保湿成分でバリアを整える

バリア型は、肌のバリア機能が低下して水分がどんどん逃げていき、それによって炎症が起きるタイプだ。友利氏の説明では、炎症があると皮脂がどんどん出て、それがニキビを生み、悪化させていく。起点はバリア機能の低下なので、バリア機能を整えることが優先になる。皮脂をどれだけ抑えても、水分を保持する力が落ちたままではニキビはあまり良くならないという。

皮脂が多いのでさっぱり系のスキンケアを選ぶことにはなるが、そのうえでバリアを整えるセラミドや、細胞間脂質をつくるアミノ酸などを取り入れることが大事だと友利氏は話す。肌を修復するパンテノールや、肌荒れを防ぐナイアシンアミドなども挙げ、まずはバリア機能を整えることを最優先にするよう勧めている。

神経過敏型:刺激をやめ、生活習慣を見直す

神経過敏型は、バリア機能の低下もあるが、肌の知覚神経が常に敏感になっているタイプだ。髪の毛が触れただけでヒリヒリすることがある。赤みやニキビはそれほど多くないが、放っておくと悪化していくことがあるという。友利氏は、まだ赤みもニキビも少ないが油っぽくてムズムズする人は、この段階で食い止めたいと話す。

このタイプで大切なのは、神経の過敏さを落ち着かせることだ。刺激の強いピーリング、ゴシゴシ洗い、化粧水を一生懸命パタパタたたき込むといった刺激になる行為をまずやめるよう友利氏は勧める。

さらに生活習慣にも強く注意する必要があるという。先に触れたように、フェイスラインの皮脂はアンドロゲンによって増えるが、友利氏によるとこれはストレスホルモンなどによっても多くなる。ストレスの多い生活や乱れた食生活でアンドロゲンが増えて皮脂が多くなり、そこに神経の過敏さが重なっている場合もある。そのため皮脂のコントロールだけでなく、生活習慣の改善やストレスの緩和にも取り組んだほうがよいと友利氏は述べる。

炎症型:まず炎症を鎮め、紫外線を防ぐ

最後の炎症型は、肌に炎症が起きているタイプで、友利氏は「おそらく一番多いのではないか」と自身の見方を述べている。赤みが強く、炎症があるためメラニンも多くなっている。赤黒い印象で、3タイプの中で最も肌のトーンが暗く、色みのあるタイプだという。また慢性的な炎症で表皮だけでなく真皮にもダメージが及び、コラーゲンやエラスチンが壊れるため、年齢より上に見えることも考えられると話す。

このタイプは、まず炎症を鎮めることから始める。友利氏はグリチルリチン酸、トラネキサム酸、アラントインなどを使うことをポイントに挙げる。紫外線も炎症のスイッチを押すので日焼け止めを塗ること、ピリピリするような刺激の強いスキンケアはいったん休むことも挙げ、とにかく炎症を抑えることに特化するよう勧めている。

脂性敏感肌の人が避けるべきこと

動画の終盤で、友利氏は脂性敏感肌の人がやってはいけないポイントをまとめている。

1つ目はゴシゴシ洗顔だ。肌が敏感になり、バリア機能も低下しているので、ザラザラしたスクラブや激しくこすり洗いするタイプのものは使わない。

2つ目は、毛穴を引き締めたいからとさっぱりタイプだけを使うこと。友利氏は、セラミドやナイアシンアミドなどバリア機能を整える成分がしっかり入っていて、テクスチャーはさっぱりしているものならよいとしている。

3つ目は、強いピーリングやスクラブ、積極的な毛穴治療だ。毛穴が気になるとすぐに積極的なケアをしたくなるかもしれないが、まず敏感になった状態を整えてから次のケアに移らないと良くならない、というのが友利氏の考えである。

そのほか、睡眠不足やストレスにも注意するよう呼びかける。一見肌とは関係なさそうだが、フェイスラインにニキビが繰り返しできるのは、ストレス性の反応で皮脂が増えていることも一因だという。

洗顔については、Tゾーンや顎はしっかり洗ってもよいが、頬のあたりは優しく洗うよう勧めている。保湿にはベタつきにくいノンコメドジェニック処方のものを選び、細胞間脂質や天然保湿因子を補うセラミド、アミノ酸、ヘパリン類似物質、ライスパワーNo.11などを積極的に使うこと、抗炎症作用のある成分もしっかり使うこと、そして日焼け止めを毎日塗ることを挙げている。

「敏感肌用」を選ぶときは乾燥性か脂性かを見分ける

締めくくりに友利氏は、市販の敏感肌用アイテムには乾燥性敏感肌をうたうものが多い点に注意を促す。敏感肌用の商品は意外と油分が多かったり、乾燥肌向けの設計だったりすることが多い。自分が乾燥肌ではなく脂性の敏感肌だと思うなら、乾燥性敏感肌向けのアイテムではなく、ここまで説明したようなアイテムを考えて選ばないと、敏感肌が良くならないばかりか悪化することもあるという。

具体例として友利氏は、キュレルには青いタイプと緑のタイプがあり、青は乾燥性敏感肌向け、緑は乾燥性敏感肌でベタつきも気になる人向けと書かれていることを挙げる。カルテも基本は乾燥性敏感肌用のピンクのラインだが、緑のラインはベタつきが気になる人向けになっているという。自分が乾燥性敏感肌なのか脂性敏感肌なのかを見極め、それに合わせてアイテムを使い分けることが、友利氏の最終的な提案である。