寝ても疲れが取れないのはなぜか:友利新が語る「交感神経を抑える」休み方

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概要

皮膚科医の友利新は、以前のチャンネル動画「疲れないための5つの方法」で、腹八分目にする、体を冷やさない、タンパク質やビタミンをしっかり摂る、といった方法を紹介した。この動画は大きな反響を呼んだという。今回はその最新版として、疲れにくい体を作るための根本的な考え方を掘り下げている。軸になるのは睡眠・栄養・休養の3つである。友利はどの話も「交感神経を抑え、副交感神経を優位にする」という一点に結びつけて説明している。

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しっかり寝ているのに疲れが取れない理由

友利は冒頭で、「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」と感じる人は多いのではないかと問いかける。「友利先生はいつも元気だけど、どうやって疲れないようにしているのか」とよく聞かれるが、実際には自分も疲れていることが結構あると明かしている。

友利はその原因として、現代人に特有の自律神経の乱れを挙げる。日々のストレスに加えて、私たちはスマホから膨大な情報を受け取っており、それがプレッシャーや強いストレスになっている。スマホやタブレットからは強い光も絶えず目に入ってくる。こうした状況では、体は常にストレスを受けている状態になるという。

その結果、交感神経が優位になる。友利は交感神経を「よし、頑張るぞ」という戦闘モードの神経と説明する。交感神経が優位になると、ストレスホルモンのコルチゾールが分泌され、体はリラックスではなく緊張の状態に置かれる。気持ちの上では休もうとしても、体はなかなかそうならない。

休むためには、交感神経から副交感神経、つまりリラックスモードへ切り替える必要がある。友利は例として、休日にソファでぼんやりしながらスマホを見続ける過ごし方を挙げる。本人は休んでいるつもりでも、脳は交感神経優位のまま緊張していて、まったく休めていないという。

友利は、疲れない体を作る最大の鍵を「いかに交感神経を抑えて、副交感神経を優位にさせるか」だと位置づける。ただし、現代人にとってこれはかなり難しいのが現実だとも言う。だからこそ、自分で意識して交感神経を下げる働きかけをしなければならない。友利にとって「しっかり休む」とは「副交感神経を優位にする」ことであり、以降の話はそのための具体策として語られる。

栄養面:腹八分目と、血糖値の乱高下を避けること

栄養からの対策として、友利はまず前回の動画でも触れた腹八分目を再び取り上げる。休むことを扱う「休養学」という学問の観点からも、これは大事な要素の一つだという。

注意点として挙げたのが、疲れたときに気分を上げようと甘いものを食べる習慣である。血糖値が上がれば一時的に元気になる面はある。しかし友利は、血糖値が上がったり下がったりする「乱高下」がいちばん良くないと指摘する。「お腹が空いた、疲れた、甘いものを食べよう」という流れを繰り返すと血糖値の乱高下につながり、かえって疲れやすい体になるという。休養学の観点では、甘いものは疲れをマスキングしているだけで、本当の意味で休めているわけではない。そのため友利は、血糖値の乱高下は避けたほうがいいとしている。

回復に必要な栄養素としては、多くの人がまずタンパク質を思い浮かべるだろうと友利は言う。タンパク質は筋肉の材料となり、代謝を上げるからだ。それに加えて注目されている栄養素として、友利はマグネシウムとテアニンを挙げる。

マグネシウムが神経に働く3つの仕組み

友利によれば、マグネシウムは交感神経を落ち着かせるといわれ、巷では神経を鎮めるミネラルとも呼ばれている。一方で、現代の日本人の約7割はマグネシウムが不足しているともいわれるという。ただでさえスマホやストレスで交感神経が優位になっているのに、神経を鎮めるミネラルまで不足しているため、ますます神経を落ち着かせにくくなっているのが現状だと友利は述べる。

マグネシウムが自律神経に働く経路として、友利は3つを説明している。

  1. GABA受容体の活性化:GABAの受容体が活性化すると、交感神経が少し収まることが分かっているという。
  2. メラトニンの生成:睡眠をサポートするホルモンであるメラトニンを作るには、マグネシウムが必要になる。メラトニンが十分に作られないと、しっかり眠れなかったり、夜中に目が覚めたりする。友利は、睡眠ホルモンがきちんと分泌されるためにマグネシウムはとても大事なミネラルだとしている。
  3. コルチゾールの抑制:マグネシウムは交感神経に直接働くわけではない。ただ、交感神経が優位になると出てくるストレスホルモンのコルチゾールそのものを抑える働きがあるという。

友利はこの3点をまとめて、マグネシウムにはストレスの多い私たちを少しリラックスさせる働きがあると述べている。

マグネシウムの摂り方

普段の食事では、アーモンドなどのナッツ類やほうれん草を食べるよう友利は勧める。どの食品にマグネシウムが含まれているか分からない場合は、サプリメントでもよいという。

ただし、サプリメントには胃腸に効くタイプと神経に効くタイプがあり、胃腸に効くタイプは下剤のような作用が出ることもあると友利は注意を促す。そのため、できれば「グリシン酸マグネシウム」という形のものを選ぶとよいとしている。

さらに、マグネシウムは皮膚からも吸収されるという。最近はマグネシウム入りのマッサージオイルやマッサージ用バームもあり、そうした製品を取り入れるのも一つの方法だと友利は話す。

テアニン:冴えた頭を落ち着かせる

もう一つの栄養素が、緑茶に含まれるテアニンである。友利によれば、テアニンは人がリラックスしているときに出るアルファ波に関連しているといわれる。体は疲れているのに頭が冴えて眠れないとき、テアニンを摂るとアルファ波がサポートされ、頭が少しずつシャットダウンしていくイメージだと友利は説明する。

友利は最新のデータとして、テアニンをしっかり摂っている人は入眠までの時間が短くなったという報告にも触れ、しっかり摂るのはよいのではないかと述べている。寝る前にこうして交感神経を少し抑え、副交感神経のスイッチを入れることが大事だというのが、栄養の話の結論である。

睡眠:着るものを替えることがスイッチになる

続いて友利は、睡眠と休養学の観点からの話に移る。寝るときに普段着のまま寝ていないか、と問いかける。パジャマには動きやすく寝やすいという利点もあるが、友利が重視するのは切り替えの効果だ。リラックスできる服に着替えることで、「眠るモードに入った」というスイッチが入り、交感神経から副交感神経への切り替えにつながるという。そのため、睡眠を促すような服を着ることもポイントになると友利は述べる。

睡眠で大事なのは長さより「途中で起きないこと」

友利は、睡眠でいちばん大事なのは長さではなく、途中で目が覚めないことだと強調する。途中で起きなければ結果として長く眠れるという面もある。しかし友利がより重視するのは、途中で目が覚めるのは眠りが浅くなっているからだ、という点である。途中覚醒をいかに減らすかが、しっかり休養が取れているかどうかのポイントになるという。

ここで友利は、前半の話と睡眠を結びつける。交感神経が優位なまま眠ると、途中覚醒が多くなることが分かっているという。日中から続く交感神経優位の状態が、そのまま睡眠の質を下げるという見立てである。

PHT繊維についての説明

友利が「すごく面白いデータが出ている繊維」として紹介したのが、PHTという繊維だ。友利によれば、PHTはナノプラチナなどを練り込んだ繊維の一つで、休養学の最新の疲労回復研究で注目されているという。

友利はまず、一般的な機能性繊維の仕組みを説明する。人の体は自ら遠赤外線を出しており、繊維がそれを輻射する。その輻射熱で体が温まって血流が促され、疲れが軽減される、というのが一般的な説明だという。

これに対し、プラチナなどの鉱物を練り込んだPHT繊維では、鉱物が発するごく微弱な電磁波が皮膚のセンサーに直接働きかけ、そこから自律神経に作用して交感神経を少し下げることが分かっている、と友利は語る。友利は、肌に触れさせる、つまり着ることでセンサーが働くという点を「とっても素晴らしい」と評価している。

この繊維を研究しているのはベネクスという会社で、友利自身もベネクスの製品をよく着ているという。撮影では肌をきれいに見せるために大量の光を浴びるため、脳が興奮したりストレスがかかったりする。そうした理由からも、こうした製品を選ぶようにしていると友利は話す。なお、動画の概要欄にはこの繊維の研究ページへのリンクが貼られている。

結論:自分なりの「オフのマネジメント」を

最後に友利は、現代人は常に交感神経が優位だと考えてほしいと繰り返す。疲れを取るとは、交感神経を少し抑えつつ、リラックスをつかさどる副交感神経を相対的に上げていくことであり、それが本当のリラックス、つまり休養だというのが友利の立場である。

そのための手段として、内側からは今回紹介した栄養を整えること、外側からは心地よいウェアを着ることなどを挙げる。そのうえで、自分なりの「オフのマネジメント」がとても大事になると締めくくった。

忙しい毎日ではつい休むことを後回しにしがちだが、疲れを溜め込まないよう、それぞれが自分なりの交感神経と副交感神経の切り替え方を試してみてほしい。友利はそう呼びかけて動画を終えている。