PDRNコスメは「配合されているか」ではなく「どう設計され、どう届くか」で選ぶ:友利新医師と美容アナリスト・うさよしの解説

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概要

PDRNは美容クリニックでは以前から使われてきた成分だが、最近は化粧品でも急に見かけるようになった。韓国発のコスメから広まり、日本のコスメにも登場している。一方で「どういう成分なのかわからない」「クリニック由来と聞くと怖い」「どう選べばいいのか」という声もある。美容アナリストのうさよしがこうした疑問を持ち込み、皮膚科医の友利新が答える形で対談は進む。うさよしは、DiorがPDRNの研究を進めていると聞いたことも、この話題を取り上げたきっかけだと話している。友利の結論は、PDRNは配合されているだけでは不十分で、組み合わせる成分と浸透の技術まで見て選ぶべきだというものだ。

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PDRNとは何か:傷の治療から始まった成分

友利はPDRNを「DNAの断片のようなもの」と説明する。記憶としては1994年頃だとしたうえで、イタリアの医師が火傷や傷の治療に使ったのが始まりの一つだと紹介した。そのため、向こうでは医薬品としても扱われているという。

肌に効く2つの理由:「鍵穴に入るスイッチ」と「リサイクル部品」

友利は、PDRNが肌に良い理由を2つ挙げた。

1つ目は、細胞の「鍵穴」にしっかりはまることだ。鍵穴に入ると抗炎症作用のスイッチが入り、さらに血管を作って肌の「インフラ」を整える働きがあるという。友利は、断片がこの鍵穴にはまることが大事だと強調した。炎症を抑え、その土台として血管を作っておくことが、まず1つ目の効果になる。

2つ目について、友利は「これがすごく大事」と前置きした。細胞が新しく生まれ変わるときにはDNAの修復などが行われる。PDRNはその際に使われる「リサイクルする部品」のようなものだという。PDRNはスイッチであると同時に部品でもあり、細胞の中に取り込まれてリサイクル部品として働くことで、修復や再生を助ける。

友利はこれを「2段階のいい効果」とまとめた。今ある細胞を修復し、これから生まれる細胞も健康なものにする、という説明である。うさよしは、「リサイクル」という言葉のおかげでイメージしやすくなったと応じている。

動物由来と植物由来の違いは分子の大きさ

うさよしは、PDRNといえばもともとサーモン由来などの動物由来が多かったが、最近は植物由来も増えていると指摘し、その違いを尋ねた。

友利によると、大きな違いは分子量だ。動物由来は分子量が大きく、植物由来は小さい。そのため植物由来のほうが、化粧品としては浸透しやすいと友利は説明する。

医療現場では注射で届けている

うさよしは、PDRNには美容医療のイメージが強く、艶肌や「水光肌」が大好きだと話す。友利によれば、動物由来のPDRNは分子が大きいため、医療現場ではサーモン注射や「リジュラン」という名前でおなじみの注射、水光注射などで、針を刺して直接注入している。水分量がふわっと上がることでハリが出て、広告のビジュアルにあるような肌が作れるとされ、クリニックではとても人気の施術だという。

組み合わせる成分でサイクルが回る

化粧品として考えるとき、友利がまず重視したのは他の成分との組み合わせだ。友利はPDRNを、傷ついた細胞を修復する「作業員」であり、再生を早める「部品」でもあると表現した。そのうえで、バリア機能やコラーゲン生成を助ける成分や、強い抗酸化作用を持つビタミンCと組み合わせると、サイクルがうまく回ると説明する。字幕では聞き取りが不明瞭だが、前者の成分はナイアシンアミドを指しているとみられる。

友利の説明では、炎症が起きてもPDRNが抑え、肌が元気になったところでほかの成分が後押しして「作ろう」という働きがうまく進む、という流れになる。初期のエイジングサインとして、友利は毛穴の目立ち、細かいシワ、ハリ不足の3つを挙げた。これらの成分を「黄金比」で配合すれば、よりスピーディにアプローチできるのではないか、というのが友利の見立てだ。

さらに友利は、ナイアシンアミドとビタミンCはわかりやすい組み合わせだが、欲を言えばもう1つ、幹細胞に関わる成分があるとよいと付け加えた。うさよしは、幹細胞を「細胞が作られる元の部分」と受け止め、ハリや艶はそれだけで肌が元気に見えるので魅力的だと応じている。

最大の問題は浸透:500ダルトンの壁

うさよしは、「美容医療でいいのではないか」という疑問を改めて口にした。化粧品では浸透にとんでもない壁があるのではないか、という指摘である。友利は「言ってほしいことを言ってくれた」と受け、いくら良い成分を一緒に配合しても、浸透しなければ意味がないと認めた。肌にはバリア機能があるので、成分は簡単には浸透しない。

友利が挙げたのは、皮膚科学でいう「500ダルトンの壁」だ。ダルトンは分子の大きさの単位で、500ダルトン以上のものは基本的に浸透しない。それに対してPDRNの分子量は5万や10万と大きい。うさよしが「全然浸透無理じゃないですか」と驚くと、友利は、この壁を越えられなかったことがPDRNが化粧品で広まらなかった理由だと説明した。そのため、PDRNはこれまで化粧品では「コンセプト成分」のような扱いにとどまってきたという。

PDRNコスメを選ぶ3つのポイント

友利は、選ぶときのポイントを3つにまとめた。

  1. どんな成分と一緒に配合されているか。PDRNの働き自体を底上げしてくれる成分が入っているかを必ず確認する。
  2. 独自の成分との連携がどれだけ取れているか(字幕の聞き取りが不明瞭な部分だが、配合成分どうしの連携設計を指しているとみられる)。
  3. 浸透技術があるか。どれほど良い成分の組み合わせでも、肌に取り込まれなければ意味がない。

友利は、この壁をブランドがどう乗り越えて化粧品に落とし込むのかを「素晴らしいな、面白いな」と思って見ていたという。独自の成分と組み合わせて浸透させるからこそ、艶肌・ハリ肌・水光肌や、毛穴の開き、キメの乱れといった細かい悩みにもアプローチできるのではないか、というのが友利の見方である。

「入っているから使う」ではない

うさよしは、PDRN配合の化粧品は多く、どれを使えばいいかという質問も多いだろうとしたうえで、今回の話を聞いて「PDRNが入っているから、これを使おう」という単純な成分ではないとわかったと振り返った。普段から全成分表示を気にしているが、PDRNについては書いてあれば良いのではなく、どう設計され、どう肌に届くのかまで確認して選びたいと話している。

友利も、流行りの言葉だからこそ成分名だけにとらわれず、その裏にある処方や、何と組み合わせているのかがわかれば、自分に合った製品を選べるのではないかと述べ、対談を締めくくった。