誰でも「英語中毒」になれるのか――停学と挫折を経験した話者が語る、集中モードを仕組みで作る4つのポイント

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概要

勉強が続かない、三日坊主になりがち、学習にやる気が出ない。この動画は、そうした人に向けて「英語学習中毒者になる方法」を話者自身の体験をもとに語ったものである。話者は、ショート動画を気づけば延々とスクロールしてしまう「ショート中毒」の集中力を英語学習に向けられれば理想的だと考える。気づいたら英語を勉強していた、夢中になっていたら3時間経っていた、という状態だ。本人も難しいと認めつつ、それは作れるものであり、英語が好きでなくても到達できる、というのが話者の立場である。

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英語中毒の「第1波」と「第2波」

話者は、英語学習に極端に集中できた時期を過去に2回経験したと語る。

1回目は高校時代である。話者は高校で停学になり、そのとき指導した教師を「すっごいうざく」感じたという。そこから「大学受験を成功させて慶應大学に行って見返してやる」という勢いで受験を決め、本格的に英語と向き合い始めた。英語を含め、1日10時間勉強するような生活だったという。これを話者は英語中毒の第1波と呼ぶ。

2回目は慶應大学に合格し上京した後である。話者は渋谷の夜の街にのめり込み、毎日のようにクラブに通った。終電で渋谷のクラブへ行き、クラブが朝5時ごろに終わると「アフタークラブ」で昼までパーティーを続け、帰って寝る。そういう生活を続けていたので大学には通っていなかった。そこで良くない仲間と知り合い、警察沙汰にもなって、親をひどく泣かせてしまったという。そこから立ち直り、何かスキルを身につけようと考えて改めて取り組んだのが英語だった。20歳でTOEIC満点などを取得したと話者は述べており、これが第2波にあたる。

目指すのは「locked in」の状態と「モンクモード」

話者は、極度に集中できている状態を英語で「locked in」と表現する。ロックオンしたような状態を作るには、学習に身を捧げ、それまで続けてきた無駄なことをいったん全部切る、あるいは距離を置くイメージを持ってほしいという。

例として挙げられるのは、Netflixで映画を見ること、あまり好きではない人との人間関係や飲み会、結婚を考えていない相手とのデートの時間である。本当に大事なことしかしない期間を作れば、それが集中の期間になる。最初は孤独を感じるかもしれないが、自分にとって大事なことだけをしていると幸福度が上がり、無駄を省くことで楽になる、と話者は語る。そうすると「英語をやらないといけない」という感覚が「英語をやりたい」「やらないと気持ち悪い」に切り替わる。話者はこれを、喫煙者が酒を飲んだ後や食後にどうしても一服したくなる感覚にたとえている。

話者によれば、英語中毒は英語が好きでなくてもなれる。タバコ、酒、ゲームは楽しいから中毒になりやすいという面はあるが、話者自身は「全部仕組み化」していたという。どう考えるか、どんな習慣を持つかをすべて仕組みにしていた。英語を猛烈に勉強する期間は、それまでの基準、当たり前、甘えを壊す期間であり、英語の勉強期間というより「生まれ変わる期間」だと捉えてほしいと話者は言う。

この状態を話者は英語圏の「モンクモード」、つまり僧侶モードと重ねる。僧侶はある期間、家族もテレビも遮断して自分とだけ向き合い、悟りを得るための修行をする。同じように、続かない習慣をリセットし、集中を妨げるものを全部消して英語だけに向き合う期間を作る。これが話者の言う「英語中毒モード」であり、それを作るポイントは主に4つあるという。いずれも話者が実際にやっていたことだとしている。

ポイント1:自分に酔う

1つ目は「自分に酔う」ことである。仕事も子育てもしながら、時間と身を削って英語を勉強している自分は偉い、こんな努力家はなかなかいない。そう天狗になってかまわない、と話者は言う。

話者の大学受験時代、周りには大学受験をする人がほとんどいなかった。その中で話者はバイトをやめ、友達ともあまり遊ばなくなり、環境をかなり変えた。最初は孤独でつらく、何時間も勉強するのはしんどく、何のために頑張っているのか、うまくいかなかったらどうしようと無駄なことばかり考えてしまったという。そのときに役立ったのが、自分の状況に酔うことだった。17歳でまさかの慶應に挑戦している、周りが受験をしない中で自分だけ特別なルートに進もうとしている、野心と勇気がある自分は特別な人間だ――そう考えていたという。

話者は映画『ビリギャル』を見て慶應に憧れ、受験を決心した。悪さをして多くの人に迷惑をかけてきたけれど、若くして改心して頑張っている自分は偉い、劣等感の中で突き進んでいる自分はかっこいい、と本気で思っていたと振り返る。「めっちゃ痛い」のは分かっているが、集中モードに入りたいときに自分に酔うのは恥ずかしいことではなく、むしろ効果的だというのが話者の見解である。仕事が忙しい人なら、普通の人が飲みに行って遊んでいる間に自分は勉強している、かっこいい、と思ってしまってよいという。

自分のゴールデンタイムを見つける

このポイントの中で、話者は朝活か深夜の活動を勧めている。人にはそれぞれ最も集中できる「ゴールデンタイム」があるはずだという。高校時代の話者は完全な夜型で、家族が23時〜24時ごろに寝た後、静まり返ったリビングを独り占めし、こたつにこもって2時〜3時ごろまでこつこつ勉強していた。それが一番集中できた時間だった。

ところが大人になるにつれて深夜は集中できなくなったという。日中に仕事をしていろいろな情報に触れ、脳が疲れているのだろうと話者は推測している。最近は朝活のほうが合っていて、大人には朝型が向いている人が多いのではないかと見ている。例として、話者が最近話した卒業生の一人は、幼い子どもが2人いるため朝4時か5時に起き、子どもが寝ている静かな時間を勉強に充てていたという。

ゴールデンタイムでも「自分に酔う」考え方は使える。みんながぎりぎりまで寝ている中、自分はわざわざ早起きして体調を整え、習慣化し、その時間を勉強に充てている、と酔ってしまえばいい。土日の朝5時から勉強するのも、みんなが飲んで寝ている間に自分は勉強していると思えて気持ちいいはずだと話者は言う。ただし、せっかくのゴールデンタイムなので、スマホは使わないか、使っても勉強だけにしてほしいと念を押す。頭が冴えていて「脳にゴミが溜まってない」時間は現代人にとって貴重であり、ゲームや「YouTubeをちょっとだけ」という甘えはやめるべきだという。

「酔う」より「美化する」

「自分に酔う」という言い方に抵抗があるなら、努力している自分と、その生活を「美化する」と考えればいい、と話者は言い換える。映画『プラダを着た悪魔』を見て仕事のやる気が出る人が多いのは、映画のように自分の仕事やルーティンを美化できるからだという。話者にも、この映画を見て仕事が楽しく思えた時期があった。主人公が朝おしゃれをしながら急いで支度し、仕事へ向かう場面の曲が印象に残っていたので、通勤中にその曲を聴き、仕事へ向かう自分のルーティンを美化していたという。はたから見れば痛い人に見えるのは分かっているが、誰にも迷惑はかけておらず、自分を盛り上げてモチベートできるのだから素晴らしいことだ、と話者は評価している。

ポイント2:ドーパミンをコントロールする

2つ目は、勉強後のご褒美をきちんと設定し、ドーパミンをコントロールすることである。話者は高校時代からこれを実践しており、内容は単純だという。この時間まで英語を勉強したらスマホを触れる、この時間まで勉強できたらお風呂に入れる、といったものである。

この方法は多くの人が聞いたことがあるはずだが、「ご褒美の内容にそこまでワクワクできない」と感じて実行しない人が多い、と話者は指摘する。その人たちに対する話者の答えは「ご褒美の基準が高すぎる」というものだ。暇さえあればYouTubeやInstagramやTikTokを開き、好きな縦型動画をいつでも見られる。それが当たり前になっているが、英語中毒モードに入るならその当たり前をいったん消し、記憶から抹消するくらいのつもりでいてほしいという。スマホを好きに触れるのは当たり前ではない、という前提に立てば、勉強した後にスマホを開くこと、お風呂に入ること、お菓子を食べることが楽しみになり、ご褒美を簡単に設定できる。

これを無理だと思う人に対して、話者はかなり強い言葉を使う。無理だと思うのは自分に甘えすぎていて、満たされすぎているからだという。好きなときに食べられ、風呂に入れ、スマホを触れて娯楽がある状態が当たり前になると、英語学習のように集中力が必要なチャレンジは乗り越えられず、娯楽に逃げて時間を潰してしまう人間になってしまう、と話者は考える。「私には無理」と思うこと自体がまた逃げであり、人生で一度でいいから自分を律しよう、と呼びかける。当たり前をリセットできた人は困難を乗り越えられ、英語を好きになり、習得でき、何より集中できる状態を作れるという。

簡単に満たされてしまう社会

話者は、これを個人の問題というより現代の問題として捉えている。スマホやSNSのせいで、人は「ドーパミン中毒」になり、簡単に満たされる社会になってしまった、という見方である。

話者の小学生時代にはスマホはなかったが、家にはテレビがあった。宿題をしてからテレビを見るというルールがあり、テレビは1時間までと決められていた。だから学校から早く帰って宿題を終え、やるべきことをやった後のテレビが何より楽しく、ドーパミンが一気に出ていたという。厳しめのルールだったが、その1時間を存分に楽しめたし、テレビの前にやるべきことをやる習慣が身についていた。

一方、大人になった今は、タバコ休憩やトイレ休憩のたびに、さらには仕事をしながらでも好きなコンテンツをすぐ見られてしまう。話者は、自分も「落ちた」と感じる場面だと語る。その結果、現代人の集中力はどんどん削られていて、本当にやる気があって頑張れる人しか英語を話せないようになっている、と話者は見ている。だからこそ、今の状態は異常だといったん認識し、好きな音楽を聴く、好きな映画を見るのは英語を勉強してから、というルールを決めてほしいという。話者はこれを英語のためではなく自分のため、つまり自分をコントロールする力という人間の根本的な部分に向き合うことだと位置づけている。

ポイント3・4:ライバルを作り、負けず嫌いでいる

残りのポイントは、ライバルを持つこと、そして負けず嫌いでいることである。「こいつを見返してやりたい」と思える相手がいたほうが集中しやすく、英語中毒になりやすいと話者は考えている。

ここで話者は再び停学の話に戻る。停学は100%自分が悪かったと認めたうえで、当時は反抗期で何でもうっとうしく感じ、指導した教師に反発していた。停学で同級生にも少し引かれてしまい、それが嫌だった。だからこそ、停学になった自分が慶應に行ってやる、見返してやる、という気持ちが強かったという。今思えばしょうもないと感じるが、その劣等感、どこかで逆転してやりたいという強い気持ちがあったからこそ、それを原動力に猛勉強して合格できたと話者は振り返る。

こうした感情はネガティブなものに見えるので良くないと思われがちだが、話者は負けず嫌いを素晴らしいことだと考えている。ただし、劣等感だけでずっと生きていくと心が空っぽになってしまうかもしれない、という留保も付けている。そのうえで、初動の勢いは大きいので、特に10代や20代の若いうちはライバルを作るのがいいと勧める。

話者は現在の活動にも同じ動機があったと語る。YouTubeをここまで頑張れたのは、この人にだけは負けたくない、英語系YouTuberとして抜きん出たい、という気持ちが強かったからでもある。会社についても、小さな規模で個人的に回すより、やるからには抜きん出た存在でありたい、競合には絶対負けたくない、という思いがあった。普段からその動機で仕事をしているわけではないが、立ち上げ期など一番しんどい時期には、抜けてやろう、1位になってやろうという気持ちが大きかったと正直に述べている。

30代や40代になって「もうライバルという年齢ではない」と感じる人には、切磋琢磨できる相手や一緒に頑張れる相手を見つけることを勧めている。身近にそういう人がいなくても、今はネット上で発信している人やコミュニティがあるので、「この人が頑張っているから私も頑張ろう」と思える相手はネットの人でもいいという。そうした存在が一人でもいれば、より集中しやすく、英語中毒になりやすいというのが話者の考えである。

決心と正しい勉強方法

話者は、今回は具体的な勉強法やフレーズではなく、習慣化とマインドの話をした、と動画を位置づけている。集中モードは誰でもいつでも始められ、あとは決心するだけだという。しんどいのが分かっているから先延ばしにしたい気持ちは理解できるが、今しなければいつするのか、1週間以内に決断できない人はおそらく一生決断しない、と話者は言う。2週間だけでもいいから集中してみる、という形でこの期間に入ってほしいと呼びかける。

ただし、集中モードに入っても、何をどう勉強すればいいのかという問題に多くの人がぶつかるはずだと話者は予想する。やる気があり、さまざまなものを捨てて当たり前を変えても、間違った勉強方法で努力すると全部無駄になってしまう人が多いという。だから初期の段階で、自分の現在のレベル、目標、特性から逆算した正しい勉強方法で進められるかが鍵になる。話者は、正しい勉強方法を知っていることと、僧侶モード・英語中毒モードに入っていること、この2つが掛け合わさったときに一番強くなり、「めちゃめちゃ覚醒する」と締めくくっている。