資生堂HAKUのクリームマスクは美容液と何が違うのか:友利新が成分と使い方を解説

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概要

皮膚科医の友利新は、7月21日に発売された資生堂の美白ブランドHAKUの「クリームマスク」について、既存の美白美容液との違い、配合成分の狙い、使うときの注意点を解説している。友利の見方では、美容液がシミにアプローチする製品であるのに対し、クリームマスクは肌全体のくすみを抜く製品である。友利は、ファンデーションを一段明るくした方がいいと思うほどくすみが抜けると評価している。ただし効果はそれだけではないとも述べ、特に「寝ている間に塗る」という設計に意味があると説明する。

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美容液とクリームマスクは成分構成が違う

友利はまず、両者は入っている成分から違うと指摘する。HAKUの美白美容液は、資生堂独自の美白有効成分である4MSK、トラネキサム酸、抗炎症成分のグリチルリチン酸ジカリウムの3つを組み合わせている。友利はこれを、シミへのアプローチを徹底的に追求した製品だと位置づける。

一方、クリームマスクには「アクティブ4MSK」、つまり高濃度の4MSKが入っており、4MSKの濃度は美容液より高い。ただしトラネキサム酸は入っておらず、代わりにグルタチオンが配合されている。そのほかにエキス成分とエクトインが入っている。こうした成分構成から、友利はクリームマスクを、個々のシミよりも肌全体のくすみを取る製品だと説明している。

「お肌のお掃除屋さん」M2マクロファージに着目

友利がこのマスクの最大のポイントとして挙げるのは、マクロファージへの着目である。肌の中には侵入してきた異物を食べる細胞があり、それがマクロファージだ。友利は、メラニンも肌のゴミのようなものなので、メラニンができるとマクロファージが食べてくれると説明する。

友利によれば、最近の研究でマクロファージには2種類あることが分かった。そのうちM2マクロファージは、たくさん食べるだけでなく消化もできる。そのため、M2マクロファージが多いほど、不要なメラニンを食べて分解・消化し、「なかったことにしてくれる」という。友利は、M2マクロファージを活発にすれば、ゴミのように残っているものにアプローチできると考えられたと説明する。

M2マクロファージに働きかける成分として配合されているのが、字幕上「モハエキス」と聞こえるエキスである。友利は、M2マクロファージの働きを活性化するデータが出ている成分だと紹介している。

なぜ夜のクリームマスクなのか:エクトインとメラトニン

もう一つの成分であるエクトインについて、友利は「なぜ寝ている間に使うクリームマスクにしたのか」の理由がここにあると述べる。

友利の説明はこうだ。夜寝ている間、脳からはメラトニンという物質が出ている。さらに最近、脳だけでなく皮膚自体も夜に独自にメラトニンを作っていることが分かってきた。資生堂の研究では、メラトニンに肌のバリア機能を高める働きがあることが分かっている。加えて、メラトニンには先ほどのM2マクロファージの働きを活性化する作用もあることが分かっているという。

そこから、夜寝ている間に仕込むのがよく、さらに肌細胞がメラトニンを作りやすい状態にすればもっとよい、という発想で採用されたのがエクトインだと友利は説明する。エクトインは、寝ている間に肌細胞がメラトニンを作る働きを活性化する。

友利はこの仕組みを次のように整理する。エキス成分がM2マクロファージを活性化し、そこにエクトインが寝ている間の肌のメラトニン産生を促す。これによってバリア機能と潤いが高まり、M2マクロファージもさらに活性化される。その結果、メラニンの掃除が「ダブル」で進むという。友利はこれを、寝ている間に肌が勝手に掃除してくれる仕組みであり、睡眠のサイクルを美白にうまく利用していると評価している。

グルタチオンは主役ではない

クリームマスクにはグルタチオンが多く入っている。友利によれば、グルタチオンは「白玉点滴」のようなイメージから、それで肌を白くしていると受け取られがちだ。しかし友利は、グルタチオンは美白というより抗酸化作用が強い成分だと説明する。日中に紫外線を浴びて肌が酸化する、いわば錆びつく状態を抑える働きがあるため、夜のクリームマスクに入っていれば日中に受けた炎症を抑えることが期待できる。ただし、それは肌全体の炎症を抑えることで美白につなげるという意味であり、直接美白をしているわけではないという。

そのため、「グルタチオンが入っている他のパックでもいいのではないか」という声に対して、友利は、今回のクリームマスクのポイントはグルタチオンではなく、エキス成分とエクトインにあると答えている。

2つ目のポイント:高濃度4MSKの角層への作用

友利が挙げる2つ目のポイントは、アクティブ4MSK、つまり高濃度で配合された4MSKである。4MSKは資生堂の美白有効成分で、メラニンの生成を抑えるだけでなく、軽い角層のピーリング作用もあると友利は説明する。高濃度で入っていても本格的なピーリングほどではないが、余分な角層をゆるやかに取り除き、ターンオーバーを促すことが期待できるという。

友利はここまでの説明をもとに、効果の流れを次のようにまとめている。寝ている間に高濃度の4MSKをしっかり入れることで、メラニンを含んだ角層がはがれやすくなり、メラニンの生成も抑えられる。そこにエキス成分とエクトインによるメラニンの掃除が加わる。だからこそ、朝起きたときに肌が明るく見えるのだという。シミ一つひとつにアプローチするというより、肌全体のくすみをぱっと明るくする方向の効果だと友利は述べている。

クレ・ド・ポー ボーテの技術をクリームに

高濃度の4MSKについて、友利は、クレ・ド・ポー ボーテでも採用されている技術だと紹介する。4MSKをクリームタイプにするのは非常に難しかったらしく、クレ・ド・ポー ボーテの美容液はさらさらではなく、とろりとした乳液状だが、その開発時にも大変苦労したと聞いたという。今回それが実現できたのは、4MSKを新しい乳化方法で配合したからだと友利は説明する。ただし、その開発の経緯については割愛している。

友利は、本来なら3万〜4万円ほどするクレ・ド・ポー ボーテの美白美容液に使われている技術をHAKUに入れてきたことを高く評価している。一方で、クレ・ド・ポー ボーテにはそれ以外の成分もあり、真皮のケアもできるため、両者はまったく同じではないと断っている。そのうえで、4MSKに限っては近い技術を入れてきていると述べている。

使い方:厚めに塗り、朝まで膜を残す

友利は浸透の技術も評価している。クリームマスクという名前の通り、最初はべたつきそうに感じる。しかし友利によれば、塗って10分ほど経つと厚い膜が表面にぴたっと貼りつくような感じになり、べたつかなくなる。

そのため友利は、少し厚めに塗ることがポイントだと考えている。しっかり塗ることで有効成分がじわじわと角層へ浸透し、ある程度の厚みがあることで角層のピーリングも促される。塗るときは、朝まで膜が残るくらいたっぷり塗っておくのがよいという。

注意点:朝は必ず洗顔料で落とし、頻度を調整する

友利が最も重要なポイントとして強調するのは、翌朝のケアである。もったいないからといって洗顔料を使わず、水だけで落とそうとするのは「絶対にやめてください」と友利は述べる。朝起きたら塗ったものは洗い流した方がよく、しっかり洗顔して落とすよう勧めている。水やぬるま湯だけで済ませることは避けてほしいという。

使用頻度については、毎日使いたくなるものの、4MSKなどによる角層への作用があるため、2日に1回くらいが目安だと友利は話す。肌が揺らいでいると感じる人や敏感だと思う人は、1週間に1回でもよいのではないかとしている。

友利の結論

友利はまとめとして、HAKUのクリームマスクは4MSKやグルタチオンが入っていることだけが優れているのではなく、寝ている間に塗る設計がポイントだと述べる。エキス成分とエクトインが睡眠中によい働きをし、そこにクレ・ド・ポー ボーテでも使われているような高濃度の4MSKをクリーム状に配合した処方が素晴らしい、というのが友利の評価である。友利は、翌日に大事な予定があり、くすみのない明るい顔にしたい人に試してみてほしいと呼びかけて締めくくっている。