舌と口の形から英語の音をつかむ:母音・子音を声に出してなぞる発音ガイド

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概要

英語が難しく感じられる大きな理由は「音」にあると話者は考えている。単語や文法をどれだけ知っていても、相手の言葉を聞き取れず、自分の言葉を正しく発音できなければ会話は成り立たない。この動画では、日本人がつまずきやすいRとL、THから始め、母音、二重母音、子音へと順に進む。舌の位置と口の形を説明し、そのつど単語と短い例文を一緒に声に出して練習する構成になっている。

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日本語にない音が多いことが難しさの原因

話者はまず、日本語と英語の音の数の違いを挙げる。日本語の母音は「あいうえお」の5つで、音の種類としては非常にシンプルな言語だという。英語の母音字もA、E、I、O、Uの5つだが、「あ」系の音だけで6種類あり、「い」系と「う」系にもそれぞれ2種類ある。さらに、それらが混ざった音もある。日本人は普段こうした音を使い分けずに会話しているので、英語の音は「未知の世界」になる、というのが話者の見立てである。

話者は発音記号を画面に出しつつ、「こんなの暗記する必要は一切ありません」と繰り返す。記号やロジックは一度理解するための情報として示すだけで、大事なのは自分がその音に何回触れ、何回声に出すかだという。

動画の使い方:一緒に声を出し、ネイティブになりきる

話者が視聴者に求めることは二つある。一つは、動画を見ながらできるだけ一緒に発音すること。英語の音は舌の位置や口の形によって出しやすくなるので、その点を解説しながら実際に声に出していく。

もう一つは「ネイティブになりきる」ことだ。最初は大げさなくらいでよいので、英語の音を思い切って出してみる。このマインドが大事だと話者は言う。

話者は発音の練習を筋トレにたとえる。今回扱う音は日本人がこれまで出したことのない音なので、最初は難しい。しかし声に出すほど出しやすくなり、慣れていく。いきなり完璧を目指すより、繰り返し発音することを優先する。そして「自分が発音できる音は聞き取れる」ので、結果的にリスニングも自然に上達するというのが話者の考えである。初心者ほど、この動画で発音の土台を作っておけば、その後のリスニングやスピーキングがかなり楽になると述べている。

ステージ1:LとRの違いは舌の位置で決まる

最初に扱うのは、日本人が「一番やらかしがち」で、難しいという声が常に寄せられるというRとL、そしてTHである。話者によれば、日本語の「らりるれろ」はRとLの中間のような音で、はっきりしたRやLの音は日本語では使わない。だからこそ、ここをきちんと把握することが大事だという。RとLの違いについて、話者は「舌の位置がすべて」とまとめる。

Lの音は、舌先を上の前歯の裏の付け根に置いて出す。この状態で「ラ」と言うのがLの音である。練習では like、lock、call などの単語のあと、"I like it."、"Look, I like this one."、"Give me a call."、"Look at the light." を読み上げる。話者は、Lの音を自分で出せるようになれば、おそらく聞き取れるようにもなると話す。

Rの音のポイントは、舌を口のどこにも当てないことだ。舌が口の中で丸くなり、舌先を上あごにも歯にも触れさせずに空中に浮かせる。喉の奥から「ルー」と出すイメージもあるが、まずは舌の位置を意識してほしいという。練習は read、red、"This is red."、"Are you ready?"、"Let's go right now." などである。

続いて、RとLが混ざった文として "I really like it."、"Do you want to go left or right?"、"There is light rain." を読む。話者はここで rice と lice の例を挙げる。"Let's eat rice." のつもりでLで言ってしまうと、シラミを食べようという意味になるので注意が必要だという。最後に、話者が読み上げた単語がRとLのどちらかを当てるクイズも行う。

THの二つの音:息だけのTHと、声を出すTH

THの音も口の形が重要である。話者の説明では、まず上下の前歯を軽く噛み合わせる。ほぼ閉じているが、空気が出せるくらい少し開いている状態だ。その間から舌をほんの少しだけ出し、声は出さずに「スー」と息だけを出す。内緒話をするような感覚だという。think、thank、three を練習し、three を日本語の「スリー」と発音しないよう注意する。練習文は "Thanks a lot."、"I think so."、"Three cigarettes are enough." である。

話者によれば、THにはもう一つ、声を出すタイプがある。this、that、mother などのTHで、口の形は同じだが、喉を震わせて低めに唸るように、喉の奥から声を出す。"This is good."、"I like that."、"I love my mother." を読み、最後に二種類のTHを混ぜて "Thanks. This is great."、"Can you give this to my mother?" で練習する。

ステージ2:「あ」系の母音6種類

母音は「あ」系、「い」系、「う」系の順に進む。話者は、英語には日本語の「あ」がそのままあるのではなく、「あ」系の音が何種類もあり、互いによく似ていると説明する。母音は使う頻度が非常に高いので理解しておいてほしいが、記号を覚えろとは言わない、と前置きする。

一つ目は cat、man、bad に出てくる、「え」と「あ」の間のような音である。"The cat is cute."、"He is a kind man."、"It's bad to smoke." で練習する。

二つ目は car や hot に出てくる音で、口を縦に大きめに開けて「アー」と出す。"My car is old."、"Let's start now."、"It's really hot." を読む。

三つ目は up、cup、lunch のような、短く切れのある「あ」である。顎を少し落とし、お腹から「あっ」と出す。練習文は "Please stand up."、"Take this cup."、"Let's have lunch." である。

四つ目は coffee、talk、walk に出てくる音で、口を開けて出す。"Do you want coffee?"、"Do you want to talk?"、"Do you want to go for a walk?" で練習する。

五つ目はシュワ(schwa)と呼ばれる音で、話者は「すっごい曖昧な『あ』」と表現する。口を軽く開け、力を抜いて出す。about、ago、banana を練習し、"How about this?"、"two years ago" などを読む。

六つ目は bird、work、learn の音である。「あ」系の母音だがRの音をかなり含むので、Rと同じく舌を少し浮かせる。音としては「あ」と「お」の間で、口と舌をリラックスさせて長めに出す。"A bird is singing."、"I work late."、"I want to learn English." で練習する。

記号を覚えるより、たくさん触れて口を慣らす

「あ」系を一通り終えたところで、話者は改めて、自分は発音記号を覚えなくていいと思っている派だと述べる。「あ」にいろいろな音があることは知っておいたほうがいい。しかし、話すたびに「これはシュワ系」「これは短い『あ』」といちいち考える必要はないという。話者は、ネイティブもそこまで考えておらず、発音記号の存在を知っている人はほとんどいないのではないか、というくらい英語を話すうえで必要なものではないと話す。

一方で、音の違いが意味の違いにつながることは強調する。どちらも「あ」に聞こえる音でも、少し違うだけで別の単語になる。だからこそ、母音を含む単語にたくさん触れ、自分で発音して「口を慣らす」ことが最も本質的だというのが話者の立場である。

「い」系:短くゆるい「イ」と、笑顔で伸ばす「イー」

「い」系は2種類ある。一つ目は sit、fish、little に出てくる短めの「イ」で、口全体をリラックスさせ、力を抜いてよい。"I want to sit down."、"I like eating fish."、"Can I have a little more?" で練習する。

二つ目は green、see、teacher の音で、笑顔を作ってそのまま「イー」と長く伸ばすイメージである。"My favorite color is green."、"I see you."、"She is my English teacher." を読む。

続いて二つを比べる。ship は力を抜いて短く鋭く、sheep は長く伸ばして「にっこり」の「イー」にする。live と leave も同じ関係で、live は短く口の力を抜き、leave はにっこり長く伸ばす。

「う」系:ぼそっと短い「ウ」と、唇を突き出す「ウー」

「う」系の一つ目は book、good、look の音で、ぼそっと地味に短く出し、唇は少しとがらせる。"I want to read a book."、"This looks good."、"Please look at my picture." で練習する。

二つ目は food、blue、room の音で、キスをするときのように唇をぐっと前に出し、長めに伸ばす。"The food is great."、"My favorite color is blue."、"My room is small." を読む。

話者はここでも、短い「ウ」か長い「ウ」かをいちいち意識しなくてよいと言う。伝えたいのは、こうした単語はさまざまな会話や場面で出てくるので、とにかくたくさん触れ、たくさん発音することが大事だという点である。話者によれば、触れるほど聞き取りの「解像度」がかなり高まる。

二重母音:ある音から別の音へ滑らせる

次は二重母音、つまり「あ」と「い」、「お」と「う」のように、母音が混ざった音である。話者は、組み合わせが多くややこしいが焦らなくてよい、記号も覚えなくてよい、とにかく「触れる」という観点で見てほしいと前置きする。

  • 「あ」から「い」:日本語の「アイ」に近い。time、right、why。"I don't have time."、"You're right."、"Why did you smoke?"
  • 「え」から「い」:day、name、make。"Today was a good day."、"Do you know my name?"、"Let's make cookies."
  • 「お」から「う」:唇を前に突き出していく。go、no、home。"I have to go."、"I want to go home."
  • 「あ」から「う」:最初の「あ」は口を大きく開けてはっきり言い、そのあとキスのときのように唇を突き出して長い「うー」へ移る。最初は大げさでよいという。out、now、about。"Let's go out now."、"Study right now."、"Let's talk about English."
  • 「お」から「い」:口を丸めて「お」を言い、そこから口を横に引く。boy、choice、enjoy。"That boy is happy."、"This is your choice."、"I enjoy eating."

最後に、二重母音を混ぜた例文として "I'm gonna go home now."、"It's my day off."、"Make a choice now."、"Time to go out."、"His name is Roy."、"I enjoy my home." をリピートする。

子音その1:破裂音の3組

後半は子音に移る。話者は、母音以外の音が子音だと整理したうえで、最初に「破裂音3兄弟」を紹介する。破裂音は、いったん息を止めてから一気にパッと出す音で、Pを出すときに唇が弾ける感覚がその例だという。話者によれば、口の中で小さな爆発が起きる感じである。

PとBは、どちらも唇をぎゅっと閉じ、パッと開いて音を出す。"This is a pen."、"I feel like eating pizza."、"Where is my bag?"、"This is a big dog." で練習する。

TとDは舌の位置が重要で、Lを出すときと同じく、舌先を上の前歯の裏の付け根に当てた状態から音を出す。話者は、舌を必ず前歯の裏につけることを意識するだけで、TとDはずっと出しやすくなると言う。"I don't have time."、"Take your time."、"It's a good day."、"What do you do?" を読む。

KとGは「ク」「グ」の音で、舌は自然と口の奥側に引いた位置に来るという。"I want a cat."、"Please come here."、"I have to go."、"Get it." で練習する。

子音その2:F・V、SH・ZH、CH・J

Fは日本語の「フー」とは違う。日本語の「フー」は唇が前に出るが、英語のFは上の前歯で下唇を軽く噛み、その状態で息を出す。fine、food を練習し、"The food is good." を読む。Vは口の形はFと同じで、喉を震わせて振動させながら声を出す。"That's very good."、"I have a ..." で練習する。

次はSHの音で、日本語にはない、静かな「シュ」である。舌は自然と後ろ寄りの低い位置になるという。"The ship sank."、"She is a very kind person."、"Let's go shopping this weekend." で練習する。

その有声版として、話者は「お肉を焼いているときのジューという音」に似た音を紹介する。口の形はSHと同じで、喉の奥を震わせて出す。例は vision と casual で、"I have a vision."、"It's going to be a casual event." を読む。話者によれば、この音が単語の頭に来ることはなく、vision、casual、measure のように単語の真ん中に来ることが多い。

CHは「チュ」の音で、"Check this out."、"This is very cheap."、"I love eating chocolate." を練習する。Jは「ジュ」の音で、"I like my job."、"Just do it."、"I enjoy watching TV." を読む。

子音その3:H・Y・Wは「形だけ作って次の音に任せる」

Hは、喉を含めた全体の力を抜き、息を出すだけでよい。話者は、全力で走ったあとに息切れして「はっ」となる感じにたとえ、後ろの音は続く母音に任せてよいと説明する。"He is making dinner right now."、"I want to go home."、"I'm feeling happy today." で練習する。

YはJではなく、カタカナで言えば yes の「イエ」のような音である。話者によれば、「い」の口の形を作っておけばよく、残りは次に来る母音などに任せてしまってよい。"You got it."、"The boy is very young." を読む。

Wも同じ考え方で、「うー」の口の形に近づけ、スタートで「う」を作っておけば基本的には出せるという。"We are friends."、"I want to go to America."、"Can you open the window?" で練習する。

子音その4:鼻音のM・N・NG

最後は「鼻音3兄弟」のM、N、NGである。Mは唇をぴたっと閉じ、鼻から低い「うーん」「むーん」という音を出す。唇を閉じ切ることがポイントだという。"I love my mom."、"Make a wish."、"It's time to go." を読む。

Nは唇をくっつける必要はなく、舌の位置が大事になる。舌先を前歯の裏の付け根、歯茎のあたりに置き、その状態で鼻から「ん」と出す。口は自然と少し開く。"No, you can't smoke."、"What is your name?"、"I have ten cats." で練習する。

NGは sing や swing の「ング」の部分である。舌を後ろに少し引き、上あごに少し触れた状態で鼻から音を出す。話者は、無理にぐっと奥まで引く必要はなく、自然な位置でよい、実際には真ん中あたりになるのではないかと話す。"I like to sing."、"The flight is so long."、"What is that thing?" を読んで、この日の練習は1セット終了となる。

一度では身につかない:体で覚え、過程を信じる

締めくくりに話者は、この種の発音トレーニングは一度見るだけでは「絶対無理」だと言い切る。発音は頭で理解するより、筋肉や表情筋の動きとして体に染み込ませて覚えるものだからだ。話者は「英語もスポーツ」だと言い、バスケや野球を習っているような感覚で捉えてよいと話す。

そのうえで、復習が命になると強調する。筋トレも2日やっただけでは結果が見えないが、1日10分でも続けていると、気づいたら筋肉がついている。英語も同じで、気づいたら発音できるようになり、以前より聞き取りやすくなっている、という現象が本当に多いと話者は言う。すぐに成果が見えなくても「trust the process(過程を信じろ)」を意識して、毎日繰り返してほしい。これが動画の最後の呼びかけである。