イーロン・マスクのAI百科事典「Grokipedia」はWikipediaに勝てるのか
安野貴博の自由研究エンジニアでSF作家の安野貴博氏が、2025年10月に公開されたAI製の百科事典「Grokipedia」を取り上げた解説動画である。問いは二つある。Grokipediaは「ほぼWikipediaのコピーではないか」という疑惑は本当なのか。そして、AIが書く百科事典は人間が書くWikipediaに勝てるのか。安野氏は、現時点ではWikipediaを信じた方がよいとしながらも、将来的にはAI生成の百科事典が勝ちそうだと述べる。
GrokipediaはAIが項目を書く百科事典
安野氏によれば、Grokipediaはイーロン・マスク氏が2025年10月に突然公開したAI製の百科事典である。Wikipediaは多くの人が知恵を持ち寄り、一つの百科事典を共同で書くプロジェクトだ。これに対してGrokipediaでは、各項目をAIが書いている。マスク氏は旧TwitterのXを所有しており、xAIがAI「Grok」を開発している。そのGrokが大量の項目を書いている。
公開時点で記事数はおよそ88万件あったという。安野氏は、英語版Wikipediaの約700万件と比べて、その数分の一の規模をすでに書き終えていると整理する。
実際に操作した画面も紹介された。安野氏が自分の名前で検索すると、記事はまだ存在しなかった。一方、イーロン・マスクの項目はかなり充実しており、Google翻訳で読むと本人に批判的な内容も書かれていた。マスク氏自身が出した百科事典なのに批判的な記述があるので、「ちょっと中立的なのかもしれない」と思わせる面があると安野氏は言う。ただし一つひとつファクトチェックしたわけではないので、技術の中身はきちんと見る必要があるとも付け加えている。
なぜマスク氏はGrokipediaを作ったのか
安野氏によると、これには伏線がある。マスク氏は以前から、Wikipediaの書かれ方は政治的に偏っているのではないかと繰り返し主張してきた。人間が書いていると内容がどんどん政治的に偏っていく。だからAIに書かせれば、Grokによって中立性を保てる。安野氏はこれをマスク氏の主張として紹介している。
「Wikipediaのコピペではないか」という疑惑
Grokipediaは記事数が多く、一つひとつが詳しめに書かれ、引用文献も付いている。しかしWeb上では、実はほぼWikipediaのコピーなのではないかという疑惑が話題になっていた。Wikipediaの記事を丸ごと取ってきて「Grokipediaです」と言うこともできてしまう。そこで安野氏は、この点を調べてみた。
論文のプレプリントサイトarXivを検索すると、すでに論文が出ていたという。Grokipediaは10月末に公開されたばかりで、収録時点の11月19日まで1か月も経っていない。それでも複数の論文があり、安野氏はその中から「What did Elon change?」(イーロンは何を変えたのか)という論文を取り上げた。この論文は、WikipediaとGrokipediaの違いを三つの尺度で定量的に評価している。
尺度1:記事の長さ
Grokipediaの記事がWikipedia由来かどうかは、CCライセンスの表示から追えるのではないか。論文はこの方法で記事を二つのグループに分けている。一つはWikipediaを参照しているとみられる記事で、グラフでは青で示される。もう一つはGrokipediaが独自に作った記事で、オレンジで示される。グラフの横軸は記事の長さ(対数軸)、縦軸は件数である。
安野氏の説明によると、どちらのグループもWikipediaの対応記事より長い。Wikipedia由来の記事はWikipediaの約1.8倍、独自記事は約4.6倍の長さだった。基本的にGrokipediaの記事はWikipediaよりかなり長く、しかもWikipedia由来かどうかで性質が違うことが、長さだけからも分かるという。
尺度2:文章の類似度
次に論文は、Grokipediaの記事とWikipediaの記事の文章がどれだけ似ているかを計算している。横軸は類似度で、1に近いほど似ていることを示す。結果を見ると、Wikipedia由来の記事は類似度が明らかに1.0に近い側に集まっていた。
最も類似度の高い側には、ほぼ同じ文章の記事が並ぶ。安野氏は例を二つ挙げた。一つは明治天皇の側室・園祥子の記事で、Grokipediaの記事にもWikipediaから引用していることが明示されている。もう一つはインド西ベンガル州にある火力発電所の記事である。こちらはWikipediaから引用したとはまったく書かれていないのに、内容はほぼ一致していた。安野氏はここから、Wikipediaからの引用を明示していない記事の中にも、実際にはWikipediaとよく似た記事がかなりあると指摘する。
尺度3:引用元の違い
三つ目は、記事が情報源として挙げる引用元の違いである。論文は、それぞれでよく引用されている引用元のトップ100を比べている。
一つ目は主要メディアの割合だ。BBC、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアンのように、ある程度信頼性があるとされる媒体を指す。Wikipediaではトップ100のうち40件が主要メディアだったが、Grokipediaでは29件にとどまった。Grokipediaは主要メディアからあまり引用しない傾向がある。
二つ目はSNSである。Wikipediaではトップ100のうち5件ほどしかなかった。「誰かがYouTubeで言っていた」「誰かがSNSに書いていた」という情報は、Wikipediaではあまり参照されない。Grokipediaでは引用全体の2.8%がSNSで、安野氏はWikipediaの約2倍SNSから情報を持ってきていると説明する。
三つ目は論文などの学術的ソースだ。Wikipediaのトップ100では2件だったのに対し、Grokipediaでは19件あった。
まとめると、Wikipediaはメディアを多く参照し、Grokipediaは学術研究やSNSを多く参照している。安野氏は、両者の引用元にはかなりの違いがあると見ている。
違いの背景にあるWikipediaの編集方針
安野氏は、この違いの一因をWikipediaの編集方針に求める。今回調べて面白かったこととして、Wikipediaは一次資料ではなく二次資料をなるべく使う方針をとっていると紹介した。
安野氏の説明では、一次資料とは当事者に近い人が書いたものを指す。公式の報告書、手紙の原本、実際に目撃したジャーナリストの記事などである。二次資料とは、一次資料を編集・解釈して発表したもので、学術論文や報道がこれにあたる。一次資料は当事者に近いぶん、適切に解釈して引用するには訓練が必要になる。そのためWikipediaは、学者が書き学術的な出版社が出したような二次資料から、なるべく引用するよう求めている。この方針があるから、WikipediaはSNSをあまり参照しない。
Grokipediaにはこうした方針がない。安野氏はこれを一つの考え方だと受け止めている。AIが書く場合、書き手が引用の訓練を受けているかどうかはそもそも関係ない。むしろ、それができるAIを育てる方向になるはずだ。だから一次資料からもどんどん引っ張ってきて適切に引用する、という方針なのだろうと安野氏は推測する。
信頼性の低いサイトからの引用
ただしGrokが適切に引用できているとは限らない。安野氏によると、非常に信頼性の低いサイトからの引用も報告されている。例として挙がったのは、Stormfront、Natural News、InfoWarsといった陰謀論系のサイトだ。安野氏自身はこれらのサイトを見たことがないという。全体からすれば多くはないが、引用元として明らかに不適切と思われるサイトからの引用が180件ほどあった。一方、これらのサイトを引用しているWikipediaの記事は一つもないという。
ここまでを安野氏は次のようにまとめる。コピペ疑惑は「まあまあ当たっている」。全体の5〜6割はWikipedia由来で、それらはWikipediaとの文章の類似度が非常に高い。独自記事は学術研究やSNSを多く参照しているが、思想が偏った、あまり信頼できないサイトから引用しているケースもある。
現時点ではWikipedia、将来はAI百科事典
では今のGrokipediaはどうか。安野氏は、記事数はまだ少なく、日本語の記事はなく、ハルシネーションもありそうで、引用元もあまり信頼できなさそうだと評価する。だから現時点で比べるなら、Wikipediaを信じた方がいいと考えている。
それでも安野氏は、将来的にはAI生成の百科事典が勝ちそうだと考える。ハルシネーションの多さ、信頼性の高いサイトから情報を取ってくること、一次資料をうまく扱うことは、いずれもAIが能力を上げられる領域だからだ。2025年10月時点のGrokでは達成できなかったかもしれないが、今後のAIはこれらの問題を人間よりうまく解決できるようになるだろう、と安野氏は見ている。信頼性の低いサイトからの引用も、弾こうと思えば機械的に弾ける。Grokipediaはまだバージョン0.1なので、今後バージョンアップしていけばAI百科事典が勝つのではないか。これが安野氏の見立てである。
一方で安野氏は、「AIが書いているからバイアスがない」という主張には同意しない。どんなAIにも、そのAI特有の、あるいは運営会社特有のバイアスが含まれうる。だから、AIが書いているから偏りがないという話はあまり信じない方がいいと述べている。
誤りを指摘する「Suggest Edit」機能
安野氏が素直に良いと感じたのは、UI/UXの部分だという。複数人で一つの文章を編集する作業は、百科事典に限らず仕事の多くの場面で起きている。自分が書き、同僚が見て、上司も見て、一本のプレスリリースを仕上げる。安野氏はこうした作業を大変なものとして挙げ、Grokipediaのインタラクションを見て、この悩みはもうすぐ解決しそうだと感じたという。
実演されたのは、誤情報を報告する機能である。「日本のカレー」を検索すると、ページに「It is one of the most popular dishes in Japan」(日本で最も人気のある料理の一つ)という文があった。仮に「カレーは食べ物ではなく飲み物だ」という強い信念を持っていて訂正したい場合、文章の一部を選択して「Suggest Edit」ボタンを押す。この機能はXのアカウントにログインした状態でないと表示されないらしい。すると報告用の画面が開き、「dish」を「drink」に直すといった形で修正を提案できる。
提案の後の処理について、安野氏は推測として語っている。提案はGrokipediaの裏側に集まり、ある段階で「この指摘がこれだけ来たから、ここはAIが補足しよう」という形で記事が更新されていくのだろう、というものだ。
共同編集の合意形成にAIを使う
Wikipediaでは意見が分かれると論争になり、編集合戦に発展することもある。安野氏は、そこをAIがうまくさばければ、この問題はかなり解決しそうだと考えている。複数人が「ここはこう変えた方がいいのではないか」とコメントを入れ合い、最終的にみんなが「それでいいか」と納得できる形に決められる。この仕組みはいろいろな場所で使えるだろうという。
安野氏は自身の政党「チームみらい」の例にも触れた。チームみらいの政策マニフェストでも、多くの人が変更点を提案して議論する形をとってきた。Grokipediaのように該当箇所に直接修正を提案する編集の仕方は参考になるので、今後の新機能として検討してみたいという。
結論
Grokipediaが勝てるかどうかは分からない。安野氏はそう認めたうえで、次のように結論づけた。現状は微妙だが、バージョン0.1でもこれだけできており、AIにできることは今後おそらく増えていく。だから、AI生成の百科事典がいつか勝つのではないか。動画の最後で安野氏は、Wikipedia、Grokipedia、あるいは別のAI百科事典のどれが勝つと思うかを視聴者に問いかけている。
AIで書いている新しいタイプの百科事典、それがGrokipediaということです。リリースした時点でもうね、記事の数が90万件くらいある、88万件あると。ここでSuggest Editっていうものをやると誤情報を報告できる。これってひょっとしてほぼWikipediaのコピペなんじゃないですかっていう疑惑。こいつはWikipediaに勝てるのかという、そういう話をしていきたいと思います。
どうもこんにちは。安野貴博です。本日はですね、Grokipediaとは、こいつはWikipediaに勝てるのかという、そういう話をしていきたいと思います。
まずですね、Grokipediaって何なんですかと。これ、グロキペディアなのかな?グロッキペディアなのか、ちょっと発音分からないですが、Grokipediaっていうのは2025年の10月にSpaceXの創業者、イーロン・マスクさんがローンチしたAI製の百科事典でございます。突然ローンチをされました。
で、これはですね、Wikipedia、皆さんよくご存知だと思うんですけれども、人間が、いろんな人が集まって知恵を集めて書いて、1つの百科事典を作ろうっていうのがWikipediaのプロジェクトでございますが、このGrokipediaっていうのはWikipediaとは違っていて、各項目をAIが書いてます。で、AIも何かって言うと、イーロンさんはXを持ってる、元々TwitterだったXを持っていて、xAIというところがGrokっていうAIを作っているので、そのGrokが項目を書きまくっている、そういう百科事典になっております。
まず最初のローンチの10月にこのページを出した、リリースした時点でもうね、記事の数が90万件くらいある、88万件あると言っていて、英語版のWikipediaは700万件の記事があるので、8分の1くらいのサイズのものをもうすでに書き終えているという、そういう規模感になっております。
実際に動かしてみたものがこちらになっております。どんな感じか見てみましょう。まずですね、安野貴博で検索をしてみるとこのように検索結果の一覧が表示されます。残念ながらまず僕を調べてみたんですが記事が存在していないと。英語でまだまだ記事が存在していなくて、存在感がなくて残念だなと思いますが、その次にイーロン・マスクを調べてみるとこんな感じになっております。イーロン・マスクのページはですね、非常に充実をしていると。で、これ分かりやすいようにGoogleで翻訳もしてみますが、結構ね、批判的な内容も書かれています。イーロン・マスクさんが出した百科事典なんですが、イーロン・マスクさんの結構批判的な内容も書かれているので、そういう意味ではちょっと中立的なのかもしれないって思わせる何かがあります。ただですね、1つ1つファクトチェックしているわけではないので、実際ね、どういう技術なんだっていうのはちゃんと見る必要があります。
項目をAIで書いている新しいタイプの百科事典、それがGrokipediaということです。
で、これなんでイーロン・マスクがWikipediaからGrokipediaを作ったのかっていうのは、これは一応伏線はございまして、昔からですね、イーロンさんはWikipediaの書かれ方、これは政治的にもう偏ってるんじゃないかっていうことを結構ずっと主張をしていました。なので人間が色々書いてるんだけど、人間が書いてるとどんどんどんどん政治に偏ってしまっているんじゃないか。Wikipediaはそうなんじゃないか。だからAIに書かせてですね、Grokによってより中立性を保てるんだ。そういうことをイーロンさんは主張しています。
これですね、Web上で見かけた話として、Grokipedia、70万件、80万件と記事が結構たくさんある。しかも1つ1つ結構詳しめに書かれているし、引用文献なんかもちゃんと書かれているんだけど、これってひょっとしてほぼWikipediaのコピペなんじゃないですかっていう疑惑。これがですね、話題を呼んでいました。で、話題を呼んでて、確かにですね、Wikipediaを大体パクってきてGrokipediaですって言うことできるじゃないですか。で、どうなんだろうなと思ってちょっと調べてみました。
調べてみると、この件について研究がすでに出ておりまして、こういう研究はarXivっていう、いろんな研究の論文をまとめているようなサイトがあるんですけれども、こちらで検索したところ、もうすでにペーパーが出ておりました。まだまだね、正直、2025年10月の末に出たばっかりで、今11月の19日なんで1ヶ月も経っていないんですけれども、その中でもちょっとこの論文が面白いなと思って見てみました。で、WikipediaとGrokipediaの違い、どういうものがあるのだろうということをいろんな角度で見ているものがあるんですけれども、見つけた論文の中にですね、「What did Elon change?」、イーロンは何を変えたのかっていうタイトルの面白い論文があったので、ちょっと見てみました。で、そうするとこの論文の中では3つくらいの尺度でWikipediaとGrokipediaがどう違うのかということを定量的に評価しています。
で、まず1つ目が記事の長さっていうところなんですけれども、GrokipediaとWikipediaの記事の長さはどれくらい違うんですかと。で、これですね、Grokipediaの記事がWikipedia由来なのかそうじゃないのかは、実はですね、CCライセンスというライセンスを見ると追うことができるんじゃないかと。追ってみるとこんな感じになります。ドン。こんな感じのグラフになっていて、見方はですね、横軸が記事の長さで、縦軸がその件数ですね。何記事あったのかっていう件数になってます。で、オレンジ色のものと青色の山、2つ山があると思いますけれども、この2つの山、それぞれですね、青いものがWikipediaから取られてきている記事、Wikipediaを参照しているような記事で、オレンジのものはGrokipediaがオリジナルで作った独自記事だそうです。で、こうやって見てみると、横軸がですね、ログスケールと呼ばれる対数軸になっているんですけれども、縦線の点線部分っていうのがその中央値ですね。どこら辺が大体中央値なのかというところなんですが、結構山がね、オレンジ色の独自記事だと右の方に、より長くなるように書かれています。で、青いものはWikipediaと比べた時に大体1.8倍くらいの長さであると。なので記事はWikipediaよりもはるかに長いんですよね、基本的に。Grokipedia独自記事では4.6倍となっていて、結構Wikipedia由来なのか由来じゃないのかでこれ性質が違うぞということが記事の長さを見ると分かります。
で、じゃあこの中身、Grokipediaの記事とWikipediaの記事を見比べた時に、どれくらい記事の中身が類似しているんですかっていうものを出しました。文章と文章の類似を計算する仕方っていうのは結構いろんなやり方があるんですが、そういうものでやってみるとどうなるかと言うと、こちらの図のようになっています。これ横軸がシミラリティ、つまり類似度でございまして、1に近い方が類似していると。さっきと同じように青い記事とオレンジの記事に分かれてますけれども、青い記事というのがWikipedia由来の記事、そしてオレンジの記事というのがGrokipedia独自の生成された記事だとしています。で、こうやってみると、明らかにWikipedia由来のものはぐっとスコアが、シミラリティが1.0に近い、より似ているということが分かります。で、この表を見ると、例えばこの1番右の方にあるのはもうほぼほぼ文章が類似しているものであると。例えば1つの例は、園祥子さんっていう明治天皇の側室の記事がありました。これはですね、Grokipediaの記事にもWikipediaから引用してますよっていうことが明示されています。で、2つ目はメヒア火力発電所っていう、これインドの西ベンガル州にある火力発電所らしいんですが、これの記事っていうのは実はWikipediaから引用しているとは全く書かれてはいないんですけれども、ほぼほぼ一致する内容になっています。なので、Wikipediaから引用してるよってちゃんと明示している記事じゃなくても、実はWikipediaと似てる記事ってのは結構あるということが分かります。
で、3つ目。3つ目はですね、これもちょっと面白い違いだなと思ったんですが、記事を書く時に記事に元々の情報ソース、引用元っていうのを書くじゃないですか。引用元の違いなんですけれども、これもね、結構WikipediaとGrokipediaで性質が異なりました。こちらね、インフォグラフィック的にWikipediaでよく引用されてる引用元トップ100と、あとGrokipediaで引用されてる引用元トップ100があるんですけれども、主要なメディア、これは信頼できるメディアですね。例えばBBCとか、ニューヨーク・タイムズとか、ガーディアンとか、そういう信用がある程度あると言われている主要メディア。これは、Wikipediaは100個中40個は主要メディアの記事だったんですけれども、Grokipediaは29しかないと。だから主要メディアからはあんまり引用しない方向性があります。で、またSNSでは、Wikipediaは100個中5つくらいしかなかったと。つまり、誰かがYouTubeで言ってましたよとか、誰かがSNSに書いてたよっていうものはそんなにWikipediaでは参照されない傾向があるんですよね。参照されない傾向があるんですが、Wikipediaは5つなんですけれども、Grokipediaは10個と、そして引用全体の2.8%ということで、大体ですね、2倍くらいSNSから情報を持ってきて引用しているということです。で、次に学術的なソースなわけですけれども、これは論文とか、そういうものですね。で、学術的な情報ソースっていうのはWikipediaでは2つだけなんですが、Grokipediaでは19あるということで、これも結構違うなと思いますね。ということで、Wikipediaではメディアが多い。Grokipediaでは学術研究とかSNSが多く参照されているということで、結構ね、引用元の違いっていうのはあるなと思います。
このね、GrokipediaとWikipediaの引用元の方針の違いっていうのは、実は1つはWikipediaの編集方針の違いに由来していると思います。これね、今回調べてちょっと面白かったんですけど、Wikipediaって編集方針としてですね、一次資料じゃなくて二次資料をなるべく使いましょうっていう、そういう方針になってるんですね。これどういうことかって言うと、まずね、一次資料、二次資料っていうものがあります。で、一次資料っていうのはもう本当に当事者にかなり近い人が書いたものですね。例えば公式な報告書であるとか、手紙の原本であるとか、それを実際に目撃したジャーナリストの記事とか、そういうものが一次資料と言われるものらしいです。で、二次資料っていうのはその一次資料を編集して解釈して発表したようなものになってて、学術論文とかは結構この二次資料にあたる。あとは報道なんかもそれに当たるようなことらしいんですけれども、この一次資料っていうのは結構当事者に近いので、うまく解釈をしたりするためには結構ちゃんとした訓練が必要なんだと。適切に引用する、適切に用いることには訓練が必要なので、なるべく学者さんとかによって書かれた、学術的な出版社などによって出版された二次資料、こういうところからなるべく引用してくださいねっていう、そういうものがあります。なので割とですね、こういった編集方針があるからこそ、SNSとかからはあんまりWikipediaは参照されないんですけれども、Grokipediaはそういう編集方針ではないということで、ある種これはね、それだと思うんですよね。その引用のできるトレーニングを受けてるか受けてないかみたいな話は、AIが書いてる場合は関係ないというかですね、それができるAIを育てようっていう方針になると思うんで、一次資料からもどんどんどんどん引っ張ってきて適切に引用しようっていう、そういう方針なんだと思います。
で、ただGrokが適切に引用できてるかというと、実はすごく信頼性の低いサイトからも引用をしてしまっているよという報告もあります。Stormfront、Natural News、Infowars。これちょっと私は見たことがないサイトなんですが、こういった割と陰謀論系のウェブサイトから引用されてるような記事とかもあるということで、これ全体からすると量自体は多くないですが、180件ほどこういった明らかに引用元としては適してないんじゃないかというサイトからも引用があったそうです。で、これらのサイトを引用しているWikipediaの記事は1つもないらしいです。
はい。ということで、ざっくりまとめると、コピペではないか疑惑っていうのは、まあまあ当たってるんじゃないかと。全体の記事の5割、6割くらいはWikipedia由来であり、Wikipedia由来のものというのは文章の類似性が非常に高い状態になっている。で、独自の記事を見てみると、学術研究、SNSの他、思想が偏った、あんまり信頼できないサイトからも引用されてるケースがあるという、そういったことになっております。
で、ここまでね、Grokipediaは本当に信頼できるのかという話をしてまいりましたが、ここまで色々調べてみて、仮説としては、私はね、昨今のGrokipediaどうなのって言うと、記事の量も少ないですし、日本語の記事はないわけですし、ハルシネーションもありそう。しかも引用記事もあんまり信頼できなさそうみたいなところで、今のGrokipediaとWikipediaだったらWikipediaの方を信じた方がいいなって私は思いますけれども、でも将来的にはこれ、AI生成の百科事典っていうものが将来勝ちそうだなという風に思いました。
で、これなんでかって言うと、ハルシネーションの多さとか、あとはですね、どの信頼性の高いサイトからどう引っ張ってくるかであるとか、あるいは一次資料をどのようにうまく扱うかみたいな話っていうのは、これはAIがうまく能力を上げられる領域だと思うんですよね。なので2025年の10月のGrokでは達成できなかったかもしれませんが、これ今後のですね、AIではここら辺の問題を人間よりもうまい形で解決することっていうのは多分できるようになると思います。で、引用記事のね、信頼性が低いところから引用しているみたいなのも、これも結構機械的に弾こうと思えば弾ける話ですし、まだね、Grokipediaもバージョン0.1ということで、今後こういうのがバージョンアップされていくのであれば、もしかするとこういうね、AI百科事典っていうものは結構将来勝つんじゃないかと、そういうことを思いました。
とはいえ、私はAIが書いているからバイアスがないっていうのは、これは違うかなと思ってまして、どんなAIであっても、そのAI特有の、あるいはその運営会社特有のバイアスっていうのは含み得ると思います。含み得ると思うので、なんかAIが書いてるからバイアスがないよっていうのはあんまり信じない方がいいと思います。
あともう1つ、これ普通にGrokipediaでいいなと思ったところなんですが、これはまたUI/UXの話というか、こういう風に情報を集めるんだねと思った話なんですけれども、複数人で何か1つの文章を編集するっていう、こういうケースってGrokipedia、Wikipediaみたいな形で、仕事上でもいろんなところで起きている作業だと思います。例えば、自分が見て、同僚が見て、上司も見る。そして1つプレスリリースを仕上げる、みたいな作業っていろんなビジネスパーソンの方がやられてると思うんですけど、これ結構大変ですよね。で、このペインってすごいあるわけですが、なんかこれもうすぐ解けそうだなと思いました。っていうのを、なんかこのGrokipediaのインタラクションを見て思ったんですよね。
で、どういうインタラクションを見てそう思ったかっていうのをちょっと説明すると、これ通報機能なんですけども、なるべくGrokipediaがちゃんとファクトな、信頼できるものになるように、人間がこれ誤ってるよと、誤情報だよということを通報できる、報告できる機能っていうものがあります。こちらご覧ください。
今回ですね、日本のカレーっていうのを検索してみました。で、出てきたページには「It is one of the most popular dishes in Japan」と、つまり日本で最も人気の料理の1つですって書かれた文章が、カレー、ジャパニーズカレーにあったと。ただ、例えば私は、いやいやカレーは食べ物じゃなくて飲み物なんだという強い信念を持っていたとして、訂正したいと思ったらどうするかと言うと、この文章の一部を選択してSuggest Editっていうボタンをクリックします。これはXのアカウントにログインした状態じゃないと出てこないらしいですが、ここでSuggest Editっていうものをやると、誤情報を報告できる画面が開きます。で、ここでdishesの代わりにdrinkと訂正すると、この情報っていうのが色々Grokipediaの裏側に集まって、多分どこかの段階で、こういう指摘がこれだけ来たから、ここに関してAIが補足しようみたいな形でアップデートされていくんだと思います。
で、こういうような、ここを開いてサジェストするみたいな、そういうインタラクションによって複数人で編集する。で、Wikipediaの場合はこういう意見とこういう意見があるって言ったら、それで論争になったり、お互い編集合戦になったりするんですけれども、そこをうまくAIがハンドリングすることができれば、この問題っていうのは結構解決しそうだなと。で、この複数人で、この部分をこう変えた方がいいんじゃないかってコメントを入れ合って、みんながうん、それでいっかっていうのを決められるっていうのは、これはですね、結構いろんなところで使えると思います。
で、Grokipediaだけじゃなくて、実はチームみらいのですね、政策集、マニフェストなんかでも、みんなが変更点提案を送れる形でやいのやいのやるっていうのをやってたんですけれども、このようなね、Grokipediaのような編集の仕方というか、ここはもうこうがいいんじゃないですかっていうようなやり方っていうのは1つ参考になるなと思って、今後の新機能などでも検討してみたいなと思いました。
はい、ということで色々喋ってみましたが、GrokipediaはWikipediaに勝てるのかということで、現状微妙なんだけれども、バージョン0.1でもこれくらいできてるし、今後AIができることは多分増えていくと思うから、自分的にはGrokが勝てるかどうか分からないけれども、AI百科事典っていうのは、AI生成の百科事典がいつか勝つんじゃないかと思いました。
皆さんは、Wikipediaが勝つか、Grokipediaが勝つか、また別のね、AI生成の百科事典が勝つかっていうのはどう思うかっていうのを、是非ね、コメント欄などに書いていただけると嬉しいなと思います。チャンネル登録、高評価なども是非よろしくお願いします。では、では。
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