幾田りら、3年ぶりのソロツアー“Laugh”国内千穐楽の舞台裏

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概要

YOASOBIのボーカリストであり、シンガーソングライターでもある幾田りらが、3年ぶりのソロツアー「幾田りら LIVE TOUR 2026 “Laugh”」の国内千穐楽となる横浜公演(ぴあアリーナMM)に臨んだ。本記事はその当日の準備、リハーサル、本番直前までを追った映像をまとめたものだ。ツアータイトルに込めた意味、衣装へのこだわり、ゲストのanoとリラックマ、そしてYOASOBIとソロの違いについて、幾田自身が語っている。

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ライブ前は体を起こし、声出しに1時間

幾田はライブ当日、まず体を起こすことから始めると話す。柔軟をしたり栄養を取ったりして、歌う前に「今日頑張るぞ」という状態に体を整える。そのうえで声出しを行うが、これは普段から必ず1時間かけているという。幾田は自分を「声が温まってくるのに時間がかかるタイプ」だと説明し、そのためしっかり発声して過ごすのだと語った。

「Laugh」に込めた二つの意味

今回の衣装について説明する前に、幾田はツアータイトル「Laugh」の意味から話し始めた。「Laugh」は笑顔を意味し、さらにスペルは異なるものの「自然体」を意味する言葉も重ねているという。3年ぶりのライブを行うにあたり、打ち合わせの場でこの二つの言葉について改めて説明し、ライブチーム、マネジメントチーム、スタイリングチーム、ビジュアルチームと、今回のライブがどんなコンセプトなのかを話し合った。衣装もその打ち合わせを経て一緒に作ってきたものだという。

エリアごとに色を変えた衣装

1着目の衣装は、ロンドンのブランドによるもので、そこに「Laugh」の「L」のロゴを作ってもらい、靴も合わせてコーディネートしている。幾田が「すごいこだわりポイント」として挙げたのは、神戸、横浜、韓国とエリアごとに衣装の色を変えている点だ。

2着目は、幾田がアンバサダーを務めるCOACHの協力によるカスタム衣装である。幾田は今年2月、ニューヨーク・ファッションウィークに初めて参加した際、ショーで見たさまざまな柄を組み合わせたジャケットをとても可愛いと思っていた。それを気に入っていたことを聞いたCOACH側が、このジャケットを元に衣装を作ってくれたという。こちらもエリアごとに色違いが用意されており、横浜公演には横浜用のものを着る。

アンコールの衣装は、今回のツアーグッズをリメイクして作られている。幾田によれば、そもそもグッズを作る段階で、少しヴィンテージっぽい雰囲気にして、リメイクすることを前提にしていた部分もあったという。紹介された韓国公演用のバージョンは、グッズのフーディーを使い、裏側にはTシャツをパッチワークのように組み合わせている。幾田はどの公演の衣装もとても可愛いので、全部SNSに出そうと思っていると笑った。

土台が固まった段階で迎える最終日

リハーサルに入る前、幾田はここまでの手応えを語った。神戸2日間と横浜1日目を終え、ライブ全体の土台と言える部分はかなりしっかりしてきたという。残るのは、その日の観客の温度感やコミュニケーションの中でライブがどう変わっていくかで、そこにワクワクしていると話す。この日はリラックマに加えてanoもゲストとして来る特別な日であり、幾田は「すごくエモい時間になるんじゃないか」と期待を口にしていた。

待っていた人への「お待たせしました」

ツアー“Laugh”で何を大事にしたかについて、幾田は、自分は普段たくさんライブをやっているわけではないため、待ってくれていた人たちに「お待たせしました」という気持ちを込めたことが一番大きかったと語る。そうした人たちに向けて、これまで書いてきた楽曲の世界を最大限表現すること、そして満足度の高い濃密な時間を過ごしてもらうことを目指した。

そのために、踊ったり、鍵盤を弾いたり、バンドにストリングスを加えたりと、さまざまな要素を盛り込んだという。観客の中にいろいろな感情が生まれればうれしいと話しつつ、最終的には笑顔になってもらえたらいいという思いで、いつも取り組んでいると幾田は言う。ここでもツアータイトルの「Laugh」が、ライブ作りの到達点として位置づけられている。

anoへのリスペクト

この日のサプライズゲストとして登場し、コラボ曲「青春謳歌」を共に歌ったanoについて、幾田は「本当に何でもできる」人だと評した。歌も芝居も踊りも器用にこなすが、何かや誰かの真似ではなく、自分のアイデンティティをとても大事にしながら、それを外側に表現するのがとても上手だという。そのためすごくリスペクトしていると幾田は語る。また、anoもクリエイターであり、anoが作る楽曲に宿っている人生観や意思のようなものがとても好きだとも話した。

YOASOBIとソロに境界はない

YOASOBIとソロ活動の違いについて問われると、幾田は「そこに境界はない」と答えた。ソロのライブで歌うのはすべて自分で作った曲であり、ありのままの自分の日常を歌うという点で、根本はまったく違うとは思うと認める。そのうえで、幾田りらとしては同じ一つの体であり、自分の中に通っている歌と音楽への愛から、すべてを外側に届けていきたいという思いでステージに立っている。その意味では、どちらでも変わらない部分があると幾田は説明した。

手紙を書き、リハーサルで表情を確認する

本番に向けた準備として、幾田はモニターに映すメッセージや手紙を書く様子も見せた。アルバム収録曲「PS」の演出の中で、その日来てくれた人に手紙を渡す場面があり、そのための手紙を毎公演書いているという。

リハーサルでは、ハミングの入り方や曲のつなぎなどを細かく確認していた。幾田は、音がきちんと乗るかどうかは日によって違うと話しつつ、毎回全力を出していること、そしてこの日は過去最高を更新したいと意気込みを語った。スタッフからは、前日に歌っていたときの表情がとても良かったと声をかけられ、幾田が「私も見たい。どんな顔してたんだろう」と笑う場面もあった。

リラックマとの共演

もう一組のゲストがリラックマだ。幾田は4月からアニメ「リラックマ」の主題歌とナレーションを担当している。主題歌は「stay with me」である。そのリラックマがゲストに出てくれることになり、幾田は「ぜひぜひ」と迎え、当日はリラックマが歩いて会場に来てくれたと紹介した。

本番前の円陣

本番直前、幾田はバンドメンバーやダンサー、スタッフと円陣を組んだ。横浜2日目は日本での公演の最後であり、ダンサーと一緒に立つのもこの日が最後だという。幾田は、悔いなく最後まで走りきれるように、そして約2か月にわたって一緒に音を重ね、合わせてきた自分たちのことをちゃんと信じ、お互いを信じ合って最後まで駆け抜けたいと呼びかけた。

聞いてくれる人がいれば、歌は変わる

映像の終盤で、幾田は自身の原点に触れた。14、15歳ぐらいの頃からライブハウスや路上で歌っていたが、聞いてくれる人がそこに一人でもいれば、自分がただ一人で歌っているときとはまったく違うものになるという。聞いてくれる人がいるたびに、音楽も歌も変わっていく。この日のリハーサル前に語っていた「その日のお客さんとのコミュニケーションで変わっていく」という感覚について、幾田は、初めて人前で歌ったときからずっと感じ続けてきたことなのだと語った。

映像は、本番のステージで歌う幾田の姿で締めくくられている。