無音のスタジオで爆発を演じる:佐倉綾音が語る「経験の引き出し」、オモコロチャンネル、猫と死生観
PLAYERS公式声優の佐倉綾音と文芸評論家の三宅香帆による対談である。三宅がまず問うのは、ラジオやバラエティで自分自身として話す仕事と、役を演じる仕事の違いだ。佐倉の答えは一貫している。演技は、その人がそれまでに何を経験し、どれだけ考え、どれだけ感情を蓄えてきたかで決まる。この考えは休日の過ごし方にも、好きなYouTubeチャンネルの見方にも、保護猫との時間にも表れていた。
演技は「その人ができること」しかできない
三宅は、最近の佐倉は演技の仕事に加えてラジオなどで自分の言葉を発信する場が増えていると指摘し、その二つに違いはあるのかと尋ねた。佐倉は、完全に切り離すのが正解の場合もあると前置きしたうえで、自分の考えを話した。
佐倉によれば、芝居はその人ができることしかできない。これまでにどれだけのことを経験し、どれだけ頭を回し、どれだけ感情を蓄えてきたかに大きく左右される。その例として、顔を出して演じる俳優と声優を比べた。俳優なら、爆発に巻き込まれる場面ではその場で体を動かし、実際の爆発の演出に反応すればよい。声優は、静まり返ったスタジオで爆発に巻き込まれる演技をしなければならない。
三宅は「SE(効果音)は入っていないんですね」と驚いた。佐倉によると、収録時にはBGMもSEもなく、完全な無音である。そのため「ここでこういう爆発音がするはずで、自分はこの役としてどう反応するか」をすべて想像で組み立てる必要がある。だからこそ演じる人の経験値が大きく影響するのだと佐倉は考えている。今までの経験、引き出しの多さ、考えてきた回数が演技を左右するというのが佐倉の見方だ。
役は一枚のレイヤー、その前にデータが要る
三宅が「たくさん考えて話すという点では、ラジオも演技もあまり変わらないのか」と確かめると、佐倉は、人生そのものとそもそもあまり変わらないと思うと答えた。
では役になりきることは、その上に一枚レイヤーを重ねるようなものか、と三宅はさらに尋ねた。佐倉はそれに近いと認め、役によっては自分ほど頭を巡らせていない人物もいると説明した。その場合は自分の頭の動きを止め、そういう人がこういう場面でどう反応するかを考える。そこで初めて表出させるが、表出させる前に自分は「データが必要なタイプ」だと佐倉は言う。
休日も引き出しにしまってしまう
ここまでの話を聞いた三宅は、ずっと仕事のことを考えているのではないかと心配し、休日はあるのか、脳は休めているのかと尋ねた。佐倉は、結果的に休日も仕事のことを考えているかもしれないと認めた。
三宅が温泉に行くだけの日を作ってほしいと言うと、佐倉は温泉にはほとんど行ったことがないと答えた。そのうえで、もし行ったら、温泉に入ったときの人間の心の動きを観察し、「みんなが言っているのはこれか」と引き出しに入れる作業をしてしまうかもしれないと話した。三宅が「引き出しに入れる」とは覚えておくことかと聞くと、佐倉は感覚的に覚えておくことだと答えた。
記憶は心が動いたときに残る
佐倉は最近、心を動かさないと覚えていられないことに気づいたという。この年齢になると記憶力が少し落ちてくる。小学生の頃に聞いたもの、見たもの、感じたものの記憶は鮮明に残っているのに、直近のことはぼんやりしていて、日々が早く過ぎるように感じる。佐倉はその理由を、心が動いていないからではないかと考えている。
佐倉個人の感覚では、心を動かしたもののほうが記憶に残りやすい。嫌な思いで心を殴られたときの感情も残るし、よほど新鮮な体験をしたときや、よほど嬉しいことを言われたときも覚えていられる。そこから記憶と心は連動しているのではないかと考えるようになった。初めて温泉に行くなら、頑張って心を動かして覚えておこうとするだろうという。心を動かすことが今の自分にとって大きな課題になっている、と佐倉は語った。
仕事で感情を使うから、オフが長くなる
三宅は、人前に出る仕事ではさまざまなことを言われ、心をオフにしたくなることもあるのではないかと尋ねた。佐倉は、演じているときや仕事中に感受性を動かしすぎて疲れ、オフにする癖がついたように感じると答えた。
佐倉はスイッチの切り替えが得意だと自己評価している。直前までオフの状態でも、マイクの前に立てば気持ちを切り替えて役に入れる。自分の中ではかなりうまいほうだと思っているからこそ、ぎりぎりまでオフのままでいてしまい、プライベートでもオフの時間が長くなっているのかもしれない、と佐倉は振り返った。心を動かすことが課題だという先の話は、この点にもつながっている。
流行に乗れなかった人がオモコロチャンネルにはまるまで
オフに見て影響を受けたコンテンツを聞かれ、話題はオモコロチャンネルに移った。三宅は事前に佐倉の好きなYouTubeを調べて驚いたと言い、佐倉も三宅がオモコロチャンネルを知っていたことに驚いた。
佐倉は、自分は流行に乗るのが非常に苦手だと話す。ファッションでも、ビスチェが今年の流行だと言われても一度も着なかった。YouTuberが流行したときも人気YouTuberにまったく乗れず、サムネイルのごちゃごちゃした感じや、ゴシップ的に目を引くタイトルの文字列がしんどいと感じていた。人のドーパミンを刺激するコンテンツは自分向きではないかもしれないと思い、避けてきたという。
きっかけは、もともと好きだったウェブメディア「オモコロ」である。オモコロチャンネルは、そのメディアのライターである男性たちが運営するYouTubeチャンネルだ。佐倉は記事を読んでいてYouTubeの存在を知り、文章や画像での表現は好きだが、この人たちが話したらどうなるのだろうと興味を持った。
ただ、佐倉は男性の声を覚えるのが苦手で、出演者全員が男性であることもハードルになった。最初は顔と声の区別もつかなかった。それでも捨て置けない何かが引っかかり、作業として「とりあえず10本見よう」と決めた。見ているうちに区別がつくようになった。三宅は、そんな勉強のようにオモコロチャンネルを見ている人はいないと笑った。
「下品なのに知性がある」、平成のインターネットとの距離感
佐倉は、騒ぐ系のYouTuberには苦手意識があった。しかしオモコロチャンネルでは、その合間に自分たちの世代に刺さる語彙や、「下品なのに知性がある」ところが見え隠れした。これは自分がやろうとしてもできないのではないかと思ったとき、この人たちは本当にすごいと感じ、一気にはまっていったという。
三宅も、周りのアラサー世代の文化系女子にはいつの間にかオモコロチャンネルにはまっている人が多いと話した。二人は、出演者が今40歳前後で、フラッシュ動画やテキストサイトの時代にインターネットで活躍していた世代だと確認し合った。テキストサイトのノリをYouTubeでやっているような感じだという。
佐倉が特に評価するのは、その文化を全面的に肯定するのではなく、継承しつつ距離を取っている温度感である。当時の文化は楽しかったが、今思うと全肯定はできないことも多い。そのちょうどよい温度感が、当時はまっていた頃の恥ずかしさをすべて消化してくれているように感じるという。
黒歴史と、過去の自分の肯定
佐倉は、平成の頃は世界一面白いと思いながらインターネットを見ていたが、今思えば「そこで笑うのは浅すぎる」と感じる部分もあり、当時の自分を少し悔いていると話した。三宅も、親に隠れていろいろなものを見ていた記憶は恥ずかしいけれどノスタルジックでもあり、アンビバレントだと応じた。
佐倉は、面白いコピペを得意げに親に紹介していたというエピソードも明かした。親は文脈がわからないので笑わない。今思うと恥ずかしい。それでも佐倉は、その時の自分がいていいと言う。あの時の自分がいたから今オモコロチャンネルを笑えるのであり、それは過去の自分への肯定であり、成長の証だと感じている。三宅は、オモコロチャンネルからこんないい話が聞けるとは思わなかったと驚き、佐倉は同じものを見ている感覚を共有できて嬉しいと話した。
長期の目標を立てたことがない
今挑戦したいことを聞かれた佐倉は、それがまったくないと答え、三宅を驚かせた。人生で目標を立てたことがなく、「今日の私」「明日の私」くらいの短い単位はあっても、長期的に何かになりたい、何かをやりたいと思ったことはないという。だからこそ、自分の限界を気にせずいろいろなことに挑戦できたのかもしれないと佐倉は考えている。
仕事についても、自分からこういう仕事がしたいと考えるより、人から「これができそう」「これをやらせてみたい」と言ってもらえるほうが嬉しいタイプだという。三宅は、声優は自分の中から湧き出るものと、周りから求められるものの両方が必要な仕事だと感じたと述べた。
「死ぬまでにやりたい100のこと」が書けない
佐倉が三宅にモチベーションの保ち方を尋ねると、三宅は自分は欲望が強いタイプで、目標ややりたいことが多いと答えた。どうすれば実現できるのかと遠い目になりながら、できたら嬉しいという感じだという。
これを受けて佐倉は、友達と「死ぬまでにやりたい100のこと」リストを作ろうとした経験を話した。まったく思い浮かばず、今も10個ほどしか埋まっていない。どんな小さなことでもいいと言われて頑張って書いたのは、「ハンカチを毎日持ち歩く」「いつか外をマスクなしで歩いてみる」といった項目だった。周りは世界一周旅行、売れる作品を書く、何かの賞を取るといったことを書いているのに、自分には何もない。それが自分の核の部分なのかと思い、少しへこんだという。三宅は、自分なら一瞬で埋められそうだと言った。
三宅は、求められるものが多い仕事では、自分から何かを求めるより、求められたものに応えるほうが得意なほうが向いているのではないかと話した。そういう特殊な仕事に向いていること自体がすごいとも言った。佐倉はそれを「慣れ」だと答え、場数の問題だとした。初期は目も当てられないほどだったという。
猫は今のことしか考えていない
最近面白かったものを聞かれ、佐倉は猫の話を始めた。猫と一緒にいる時間は、仕事から最も離れた時間だという。それでも結局分析してしまっている、と佐倉は笑う。
佐倉は時間があるときに保護猫のボランティア活動をしている。そこでボランティアの人から、猫は基本的に今のことしか考えておらず、それが人間と最も違うところだと聞いた。先への恐怖や、こうしたらどうなるかという不安はおそらく持っていないという。佐倉はそれを聞いて、猫は自分という人間の対極にある命だと感じ、多くを学んでいるという。死ぬことが怖いという概念を知らずに生きるのはどういう感覚なのか、と考えるようになった。
死を演じる仕事
佐倉は猫と比べて、人間は特殊な生き物だと話す。三宅も、人間は先のことまで考え、死ぬことを表現し、死んで生まれ変わることまで芸術にする奇怪な生き物だと応じた。
佐倉は、役者は特に作品の中で何度も死ぬと続けた。もともと死んでいる役や、回想シーンにしか出てこない故人の役もある。すでに生を終えた人物を、生きている自分が演じるのは不思議な仕事だと佐倉は言う。だからこそ、猫たちにはこれからも何の恐怖にもさらされず生きていてほしいと願っている。猫を前にすると、役者としての自分からも、人間としての自分からも少し離れられる瞬間がある、と佐倉は語った。
LIMITSで見る、制限時間が引き出すもの
最後に佐倉は、昨年からMCとして関わっている学生向けデジタルアートバトル大会「LIMITS」を紹介した。制限時間内に絵を描く大会で、主に学生が参加する。限られた時間で描く作業では参加者の本質が見えてくるのが面白いという。決勝は8月27日に渋谷のさくらホールで開かれる。
会場ならではの緊張感があり、オリジナル作品を描くので、その人の考えや思想、手癖が出る。佐倉は、緊張する出場者から一番いい部分を引き出せないかと考えながらMCをしているという。
三宅にアート大会のMCの面白さを聞かれると、佐倉は幼い頃から絵を描くのが好きで、好きな作家の影響で早くからデジタルアートに触れてきたと答えた。そのため「そんなふうにレイヤーを使うのか」「逆にレイヤーを一枚も使わないのか」など、ある程度知識があるからこそ楽しめる部分があるという。三宅も、同じ技術を使っているはずなのに人によってまったく違うものになるのがすごいと話した。
佐倉によれば、技術を突き詰めて表現の高みを目指す人もいれば、「弘法筆を選ばず」のように、表現したいものを描くにはこれだけあればいいと考える人もいる。この大会出身のイラストレーターには、下書きなしで投げ縄ツールだけで絵を描く人もいる。制限時間があるからこそスピードが出て、そこから自分の表現を伸ばしていく人がいる、と佐倉は大会の見どころを語った。
お芝居ってやっぱりその人ができることしかできなくて、顔出しのね、俳優さんだったらその場で体動かして、例えば爆発に巻き込まれるとかだったら、実際にボーンってされてその時のリアクションが取れればいいんですけど。なるほど。
私たち声優って、SEも入ってないところで急に爆発に巻き込まれて。SE入ってないんですね。全く。きっとここでこういう爆発音がする、その時自分はこの役としてどういうリアクションを取る?っていうのを全部想像でやらなきゃいけない部分。なるほど。
オモコロチャンネルっていう。そう、びっくりしました。
私たちの世代に刺さる語彙とか、下品なのに知性がある、みたいな。この人たちはめちゃくちゃすごいと思って。
あの、死ぬまでにやりたい100のことリストみたいなのを作ってみたことがあるんですけど、私全く思い浮かばなかったんですよ。
海外旅行世界一周とか、なんか何々賞取るとか書いてるのに、全然なくて。
すごい。なんか最近だとやっぱそういう演技のお仕事と一緒にラジオで発信したりとか、自分としてというか、佐倉綾音さんっていう、なんだろう、人格から発される言葉っていうのもすごく発信される場が多くなってるイメージなんですけど、それは違いがあったりしますか?バラエティに出たりとかラジオに出たりすることと、演技のお仕事とか。
あ、でもこれ、なんか完全に切り離すのが正解のこともあると思うんですけど、お芝居ってやっぱりその人ができることしかできなくて、あの、その人が今までにどれだけのことを経験して、どれだけ頭を回して、どれぐらい感情を蓄えてきたかに結構かかってると思ってて。
特に顔出しのね、俳優さんだったら、その場で体動かして、例えば爆発に巻き込まれるとかだったら、実際にボーンってされてその時のリアクションが取れればいいんですけど。なるほど。私たち声優って、静まり返ったスタジオの中で、SEも入ってないところで急に爆発に巻き込まれて。
SE入ってないんですね。全くないので私たち。そうなんだ。だからBGMも敷かれてないし、SEもないので。きっとここでこういう爆発音がする、その時自分はこの役としてどういうリアクションを取る?っていうの全部想像でやらなきゃいけない部分。なるほど。
その人の経験値がめちゃくちゃ左右しないか、これと思って。そういう意味ではやっぱりあの、その人の今までの経験、引き出しの多さ、思考回数っていうのが私はかなり影響すると思ってます。なるほど。
ああ、じゃあいっぱい思考したりして喋るっていう分には、そんなにラジオとかと演技の仕事って変わりがない感じがするっていう。はい。人生そのものとそもそもあんま変わんないんじゃないかなって思ってます。
その、じゃあ役になりきるっていうのが1個レイヤーとして入るぐらいって感じなのですか?
うん。そうですね。この役がどういう思考回路で、自分よりももしかしたら全然頭を巡らせてない役だったりするかもしれないし、そうだとしたらやっぱ頭の動きを止めて、そういう人がこういう時にどういうリアクションするかみたいなのを考えたりはするんですけど、そこで初めて1回憑依させて。で、その憑依させる前に私はデータが必要タイプ。ああ、なるほどね。すごい。
いや、でも今の話聞いてると、なんかずっとお仕事のこと考えちゃうんじゃ、みたいな気持ちになるんです。休日ありますか?確かに結果的に休日お仕事のこと考えてるかもしれない。脳休み大丈夫ですか?休めてますか?え、確かにない。心配。なんかその、温泉に行くだけの日とか作ってほしい。
あ、ない。でも温泉って私はほとんど行ったことないんですけど。あ、そうなんですね。温泉に行ったら、温泉に行った時の人間の心の動きを、みんなが言ってるのこれかとかっていう風に、結局引き出しに入れる作業してしまうかもしれない。
すごい。それ引き出しに入れるっていうのは、なんか覚えておくみたいな感じに近いですか?うん。覚えておくですね。感覚的に。なんか最近とみに思うんですけど、心を動かさないと覚えてられないっていうのがあるなと気づいて。
あの、やっぱ私たちぐらいの年齢になってくると、だんだん記憶力ちょっと低下してきませんか。確かに確かに。なんか小学生の時とか、ちっちゃい時に聞いていたものとか見ていたものとか感じたものの記憶ってめちゃくちゃ鮮明に残ってるんですけど、だんだんだんだん直近のことが、なんかうすぼんやりしてるというか。日々、あと早くなってきます。早くなってきますよね。やっぱ心が動いてないから。
なのか。私は個人的には、その心を動かしたものの方がインプットされやすいので、だからこそ嫌な思いでガツンと心を殴られた時とかの感情が残るし、あとよっぽど新鮮な体験をしたとか、よっぽど嬉しいことを言われたとかで心がワンってなった時の方が覚えてられるので、あ、記憶と心って連動するかも、みたいな。なるほど。だから初めて、例えば温泉にもし行ったとしたら、頑張って心を動かすようにして覚えておこうとか。心を動かすことっていうの課題が今結構自分にのしかかってます。なるほど。
なんかその、前に出て仕事したりすると、例えばいろんな人にいろんなこと言われたりして、ちょっと心オフしたりとかしませんか?オフしたくなったり。なんかそれとのバランスはどう取られてるんですか?
多分その、演じてる時とか仕事をしてる時に感受性を動かしすぎて、疲れてオフして、っていうそのオフ癖がついちゃったっていう感じがするんですよ。だから結構スイッチの切り替え得意なんです。あ、なるほど。だから直前オフしてて急にマイク前に立っても、しっかり対応できるというか、気持ち切り替えて役に入れるみたいなのは自分の中でかなりうまい方だと思ってて。なんかだからこそ、ギリギリまで長いことオフになっちゃって、オフの時間がちょっと長くなっちゃってるのかな、プライベートでもっていう。
あ、なるほど。え、そういうオフとかで見たものとか、人生に影響与えられたコンテンツとかってありますか?なんだろう。なんか好きなYouTubeを、ちょっと事前に見させていただいてびっくりしたんですけれども。すいません。勝手に。あの、最近だとそのオモコロチャンネルっていう。そう、びっくりしました。あ、オモコロチャンネルっていう名前があるみたいな。え、ご存じ?あ、もちろん、もちろん。はい。
なんか私、流行に乗るのがめちゃくちゃ下手なんですよ。常に、なんかファッションとかも含めてなんですけど、自分の得意分野も含めて流行に乗るのがすごい下手で。YouTuberっていう存在がわーっと流行した時に、大人気YouTuberさんとかに全く乗っかれなくて。で、ファッションでもビスチェが今年の流行ですとか言われても、全然ビスチェ着なかったんですよ。みんな着てるなぐらいの感じで。
で、そんな中でYouTubeが流行して、あ、全然入っていけないやと思って。なんだったらちょっとそのサムネイルのごちゃごちゃした感じとか、そのタイトルにちょっとなんかゴシップ的な目の引っ張り方する文字が並んでんのちょっとしんどいなみたいな感じで。それこそなんか人のドーパミンを存分に刺激する感じのコンテンツってことは、ちょっとノットフォーミーかもみたいな感じで、避けて避けて避けて通ってたんですけど。
でもなんか、ある時に、その元々オモコロというウェブ媒体で、オモコロチャンネルってそのウェブ媒体のライターのおじさんたちがやっているYouTubeなんですけど。そう。元々そのオモコロっていうメディアを読むのが結構好きで。あ、そうだったんですね。はい。で、普通にメディア読んでて、あ、この人たちYouTubeやってるんだって思って。文章としては、文章とか画像の表現としては好きだけど、この人たち喋ったらどうなんだろうなと思って。
で、正直最初は私、あの、全員そのYouTuberの方男性なんですけど、男性の声とかを覚えるのが結構苦手で。そういうハードルもあってYouTuberにはまらなかったっていうのもあるんですけど、ああ、ちょっと顔と声の区別もつかないし、でもなんかちょっと捨ておけない何かがあるから。捨ておけない。何か自分の中で引っかかりがあるから、あの、もはや作業として、とりあえず1回10本見ようって決めて。で、見ていったらだんだん区別がつくようになった上で。そんな勉強みたいにオモコロ見てる人いません。本当ですよね。すごい。
そうって言って、あの、最初はちょっと騒ぐ系のYouTuberの人ってちょっと苦手意識があったんですけど、なんかそこに挟み込んでくる言葉に、私たちの世代に刺さる語彙とか。確かに。あとなんか下品なのに知性があるみたいなのが見え隠れしてきて。で、これって自分がやろうと思ったらできなくないかって思った時に、あ、この人たちはめちゃくちゃすごいと思って、一気にどんどんはまっていったっていう感じです。
オモコロチャンネル。私の周りのアラサー文化系女子が、すごいいつの間にかオモコロにはまる人が多くて、すごい世代って思いながら私も見ています。
そう。多分私たちの世代のインターネット文化で。分かります。そうで、あのブイブイ言わせてたお兄さんたちなんですよ。ちょうど今40ぐらい。ね。あのフラッシュとかあの辺のね。そうそうなんですよ。世代のね。インターネットテキストサイトのノリをYouTubeでやってくれているみたいなね、感じが。
で、それもなんかそこを全て肯定的に持ってってるっていうよりも、ちょっと継承しつつみたいなのがちょうど良くて。確かに確かに。私たちにとってもやっぱりあの時の文化って楽しかったけど、今思うと全肯定できないなっていうことがいっぱいあるので、そこの温度感がとてもちょうど良くて。なるほど。なんかあそこにはまってた時のちょっと恥ずかしかった気持ちを全部消化してくれてるみたいな。なるほど。あの頃のインターネット懐古を継承しながらしてくれてるっていう。
そう。あの時はやっぱ、三宅さんがどうかわかんないけど、私はやっぱ世界一面白えと思いながら、あの時にインターネットを見てたんで、平成。間違いない。でも今思うと、いやいやいや、そこで笑うのは浅すぎまって、みたいな、何がもらえないみたいな感じで、今はやっぱちょっと当時の自分を悔いてる自分もいるって。悔いている。はい。いや、わかります。もうあの頃、なんか本当に親に隠れて様々なものを見ていた記憶が、なんか恥ずかしいんだけど、でもちょっとやっぱノスタルジックでもあるっていうか、ちょっとね、なんかアンビバレントなね。
私に至ってはやっぱその面白コピペみたいなのをすっごい自慢げに親に紹介したりしてたんで、それも含めて、ああ、みたいな、やめて、みたいな。確かに。そんなことしないで絶対。コピペ、ええ、ありましたね。これ面白いよとか読ませて、で親ピンとこないわけですよ。え、何があった?ああ、みたいな。なんか文脈分かってないからな、みたいな。
恥ずかしい本当に。でも大事。その時の自分があっていいの、私が。そうですよね。人はね、やっぱ黒歴史を持ってこそね。そう。やっぱあの時の私がいるから今オモコロチャンネルを笑えるっていうのは、やっぱ過去の自分に対しての肯定だなって思って。間違いない。成長の証という気持ちがあったりしますね。ありがとう、オモコロチャンネルって思ってます。本当にすごい。オモコロチャンネルからこんないい話が聞けることがまさかあるなんて思わなかった。
いや、でもすごい、なんかもう本当に同じものを見てっていう感じがすごいして嬉しいです。私は本当に。本当嬉しいです。はい。
文字では伝わらない熱量を、もっと分かりやすさを。伝えたいものが伝わる世界へ。ビジネスを映像配信の技術で支援するPLAY。
今挑戦したいこととかありますか?聞きたいの話も。え、それがなんかすいません。全然なくて。ええ、意外。なんか目標を今まで人生で立てたことがなくて、あの、あれやりたい、これやりたいとか、こんな自分になりたいとか、あの、もうちょっと刹那単位ではあるんですけど、今日の私、明日の私ぐらいはあるけど、長期単位で何々になりたいとか、何々やりたいって思ったことが実はなくて。で、逆にだからこそ、なんか自分の限界とか気にせずいろんなことに挑戦できたのかもしれないって。
じゃあ結構あれですか、なんかこういう風な仕事したいっていうよりは、来たもの頑張ろうみたいな。そうです。なんか人から見て、佐倉さんこれできそうとか、佐倉さんにこれやらせてみたいって言ってもらえる方が嬉しいタイプですね。
私からすると本当になんか、何て言うのかな。やっぱ今日の話聞いてると、声優さんって本当なんか自分の中から湧き出るものでありながら、求められるものでもあるっていう、なんかどっちもすごい必要なのが、やっぱすごい仕事だなって思ったりしました。でもそれはもしかしたらタイプの違いがあるのかもしれないですね。面白い。でも三宅さんはモチベーションってどうやって保つんですか?
ああ、私は結構なんかモチベーション、なんか欲望強めタイプっていうか。あ、素敵。あ、じゃ目標とかも結構。そう、なんか目標とかやりたいこととか結構あるタイプで、どっちかっていうと、それはどうやったら実現できるのか、遠い目、みたいな気持ちになりながら、できたらわーい、みたいな感じの。
えー、すごいな。私、友達と、あの、死ぬまでにやりたい100のことリストみたいなのを作ってみたことがあるんですけど、私全く思い浮かばなかったんですよ。今も10個ぐらいしか埋まってなくて。なんか本当にちょっとのことでもいいよって言われて頑張って考えてるんですけど、本当に思い浮かばなくて。もうそこに書いてあることも、なんかハンカチを毎日持ち歩く、そんなこと、みたいな。
いやでもわかります。いつか外マスクなしで歩いてみるとか。歩いてほしい、それは。なんかそういうことしか全然書けなくて。もっとみんな、なんか海外旅行世界一周とか、なんか売れる作品書くとか、なんか何々賞取るとか書いてるのに、全然なくて。すごい、なんか私の核の部分なんだ、みたいな感じで、ちょっとへこんだんですけど。
もしかして結構一瞬で埋められそうな予感します。確かに埋められるタイプかもしれない。でもなんか逆に、佐倉さんみたいなお仕事だと、やっぱ求められるみたいなものも多そうな、今日話聞いてるとしたので、自分からはじゃなくて、求められたものに答える方がむしろ得意な方が良さそうな気が、勝手に。向き不向きなんですかね。うん。なんか仕事の、なんて言うんですかね。てか、かなり特殊なやっぱ仕事だから、そこに向いてるのがすごすぎると思いながら聞きましたよ。
あ、いや、でも慣れ。ええ。場数。そんな難しいことをそんな簡単そうに。いやいや、やっぱ初期は目も当てられないぐらい、うわあってなってたんで。へえ。なのかなって思います。
でもあと、なんか休日とで言うと、その最近面白かったものとか他にあったりしますか?最近面白かったもの。え、なんだろう。最近面白かったもの。休日、猫の話とかしてもいいですか?あ、是非。
休日、私そのやっぱり猫と一緒にいられる時間っていうのが、1番その仕事してる時とかけ離れている空間なんですけど、猫ってやっぱすごい面白いなと思うのが、なんだかんだ分析しちゃってるんですけど、その私ちょっと保護猫のボランティア活動とかもたまに時間ある時はやってて、そのボランティアさんに聞いたのが、猫ってその基本的に今のことしか考えてないんだよねって。それが人間と1番違うところ。で、だから先の恐怖とか、なんかこれこうしたらどうなるだろうっていう不安とか、なんかそういうのが多分ないんだよって言ってて。え、私という人間と対極にある命と思って。すごい学ぶんですよね。
そうだからそっか。確かにこの子たちはなんか死ぬことが怖いとかも。そっかそっか。という概念を知らないで生きてるってどういう感覚だろうって。人間ってやっぱ特殊な生き物なんだなと思って。そうですよね。後のことまで考えたりね、死ぬことをそれこそ表現したりね、なんか死んで生まれ変わったりすることまで芸術として表現するなんて、結構なんかね、奇怪な生き物ですよね。本当ですよね。
特に役者っていっぱい死ぬので、役としてか。元々死んでる役だったりとか、回想シーンだけ出てくる故人の役とかもあるし。確かに。そう、だからもう生を終えてる役を今演じるみたいな、生きてる自分が演じる、って思ってますね。不思議な仕事だなって。本当ですね。そうなんです。だからなんか猫たちにはこれからも何の恐怖にもさらされず生きていてほしいなみたいな。それはそう。そう感じで、役者とか人間という自分からもちょっと離れられる瞬間っていうのが、なんか猫を前にするとあるなって思ったりします。え、面白い。
あとなんか表現してる方として、今後興味あるジャンルとかあったりしますか?ここで1個ちょっと告知を是非させていただきたいんですけど、あの私、LIMITSっていう学生のデジタルアートバトル大会で、あの去年からMCとして参加させてもらって、そのサポーター的な立ち位置でお仕事を一緒にさせていただいてるんですけど。あの制限時間の中で絵を描いていくというような大会で、基本学生さんたちが参加されるんですけど、その時間の限られた中で絵を描くっていう作業が結構その生徒さんの本質が見えてきたりして、
面白かったりするんですよね。そう。で、そのLIMITSの決勝っていうのが8月27日に渋谷のさくらホールで行われます。で、結構会場ならではの緊張感とかもあったり、やっぱオリジナル作品を描いてもらうので、その人の考えてることとか思想とか、それこそ手癖が出たりとかするので、なんかすごく緊張するだろうなって。これなんとかして、この人の1番いい、この人のサビの部分をここで出してもらえないかなって思いながらMCをさせてもらってるんですけど、今年はどういう風になっていくのかなっていうのを私自身も楽しみなので、是非皆さんにも見守ってほしいなと思って。
すごい。そのアートの大会のMCってのやっぱり面白いですか、見てて。そうですね。私自身もちっちゃい時から絵を描くの好きだったりとかして、それこそその焦げ先生とか、あの矢神先生とかの影響で、本当にちっちゃい時からデジタルアートに触れてきているので、やっぱ見てて、あ、そんな風にレイヤー使うんだとか、逆に、え、1個も使わないの、とか、結構私自身にもある程度知識があるからこそ楽しめる部分もあったりして。
そう。じゃ、結構漫画とかそういうの好きな方が面白がれるかもしれない。面白いと思います。え、三宅さん絵は描かれる?絵は自分では全然なんですけど、でも見るのはもちろん好きです。やっぱりなんか、デジタルアートってその色々技術が、なんて言うんですかね、人によっても使ってる技術同じはずなのに全然違うのがすごいなってよく思う。
本当に。だから、その技術も使って表現の高みを目指してる人もいるし、逆にその弘法筆を選ばず的に。なるほどね。デジタルだからっていうことじゃなくって。面白い。そう。私が表現したいものを描くにはこれだけあればいいっていうような人もいたりするんで。だからなんか、あの、そこ出身のイラストレーターさんが、あの下書きもなしに投げ縄ツールだけで絵を描かれる方とか。え。やっぱでもそれはそのやっぱLIMITSならではで、そのスピードはすごい出るので。そっかそっかそっか、制限時間があるから。そうなんですよ。だからそういうところからどんどん自分の表現を伸ばしてる方とかもいらっしゃるので、いらっしゃるなと思って見てます。
ええ、じゃあちょっと是非8月の終わりにね、夏休みの終わりですね。是非皆さんも見てみてください。お願いします。いや、すごいめっちゃ楽しかったです。ありがとうございます。ありがとうございました。ちょっとまた乃木坂の衣装の話もさせてください。おしゃれでした。ありがとうございます。
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