バイブコーディングの費用・安全性・プロンプトのコツは? 安野貴博が視聴者の質問に答える

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概要

エンジニアで起業家の安野貴博氏は、YouTubeで全4回のシリーズ「バイブコーディング超入門」を公開した。本動画はその番外編で、視聴者から寄せられた「作ってみた」という報告を紹介したうえで、費用、PCのスペック、プロンプトの出し方、セキュリティ、Claudeの料金プランなどの質問に答えている。安野氏は一貫して、まず勢いで手を動かすことを勧めている。一方で、AIが手を抜くことや、ローカル環境で動かすときのリスクについては注意を促している。

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子どものためにゲームを作る親、自分で作る子ども

最初に紹介されたのは、子育てにバイブコーディングを使っている人たちの報告だ。ある視聴者は、バイブコーディングを始めてから幼い息子や娘のためのゲームを数十分から数時間で作れるようになり、日常が大きく変わったと書いた。安野氏はこれを、必要なアプリケーションをすぐ作ってすぐ使うというバイブコーディングの良さが表れた例として挙げた。親は子どもが何にはまっているか、何に興味を持ってほしいか、何が苦手かをよく知っている。だからそのテーマに沿ったゲームを作ってあげられる。安野氏はこれを「AI時代ならではのエピソード」と評価した。

別の視聴者は、小学生の子どもにAntigravityとGemini Proを与えて好きなものを作らせたところ、スーパーマリオとカービィとヨッシーを合わせたようなゲームができたと報告した。安野氏は、自分が小学生の頃にはそうしたゲームを作れるはずがなかったと振り返る。当時はプログラミング技術の限界があり、漫画を描いても画力の限界があった。頭の中にはもっといろいろなものがあったはずなのに、形にできる幅は狭かったという。今の子どもたちは思い描いた世界観をAIと対話しながら形にしていける。安野氏はそれを「羨ましくてしょうがない」と語った。

ほかにも、子ども用のお絵かきアプリを作った人や、カルタの読み上げアプリを作った人がいた。カルタは誰かが読み上げ役をしないと2人で対戦できない。親子2人だけでも遊べるようにアプリを作った、という話だ。安野氏は中学生の頃、百人一首をするときにCDのランダム再生機能を使って2人で対戦していたという思い出を語った。自作のカルタでも同じことができるようになるのは良い話だとしている。

日常の小さな不便を解消する「自分専用」ツール

大人の視聴者からは、身の回りの不便を解消するツールを作ったという報告が多く寄せられた。Antigravityを使い、普段不便だと思っていることを解決するツールを作れるようになった人は、それを「革命」と表現していた。安野氏は、Antigravityが人気であることや、無料枠が大きいのではないかという話があることにも触れた。

好きなアーティストをClaudeに伝え、移動中に聴く音楽を決める「ガチャ」を作ってもらったら一瞬でできた、という報告もあった。安野氏は、こうしたピンポイントな用途のソフトウェアまで作れるのがバイブコーディングだと述べている。そのほか、次のような例が紹介された。

  • 複数の料理サイトをまとめて管理しやすくしたレシピアプリ
  • iPhoneのメモアプリより使いやすいという自作アプリ
  • 商品スペックの比較ツール
  • 「ポケモンチャンピオンズ」のダメージ計算ツール
  • ChromeがオフラインのときにできるDinosaurゲームの再現
  • 無料版で作ったパズドラ風のゲーム

自作アプリには自分のこだわりをすべて詰め込めるので、愛着が湧き、使いやすくもなる。安野氏はこれを「よくある話」として紹介した。ゲームを攻略するための別のソフトを自分で作る使い方も良いとし、ミニゲームはChatGPTが得意なのですぐ作れると述べている。無料版でも多くのことができるので使い倒してほしい、とも付け加えた。

自分の売買手法をGeminiに説明し、自動売買ソフトを作らせている視聴者もいた。株、FX、暗号通貨の世界では、いつどの金融資産を売り買いするかという戦略をAIに教え込み、自動で実行させる。安野氏によれば、これは自分もよく見る使い方の一つだという。

社内ツール、研究用途、そして勢いの大切さ

デプロイまで済ませて社内ツールを作っているという報告に対しては、会社が許すなら社内ツールをどんどん作って使ってもらうのが良いと安野氏は答えた。安野氏自身もチームみらいの内部ツールを数多く作って展開している。最近の例として、犬のアイコンが付いたSlackボットのようなもの(字幕では「未来犬君」)を作り、党内で使っていると紹介した。

ライフゲームの数理シミュレーションを作った動画を送ってきた視聴者もいた。安野氏は、研究をしている人にもバイブコーディングを身につけることを強く勧めている。

「バイブコーディングって何?」という状態から10分後にはアプリが完成した人や、イメージを伝えただけで数分でできて感動した人もいた。後者は「出来はまだまだ」とも書いている。安野氏は、プログラミングは難しいことをしなければならないと思われがちだが、実際にはイメージをきちんと伝えていくだけで形になることがあると述べ、意外と簡単だと知ってほしいと話した。iPhoneだけで何度も改良して、自分に使いやすいものを作れたという報告も紹介された。チャットで試すだけでもいろいろ作れるので、パソコンがなくてもスマホだけで作れるものがあるという。

第2回の説明を聞いただけでClaude、Supabase、Netlifyを使ってスタンプ帳を作った人については、もともと詳しいか、独学のセンスがある人だろうと感想を述べた。朝に動画を見て勢いのまま商品比較ツールを作った人には、とりあえず勢いでやることが大事だと応じている。あれこれ考えて結局やらないのが一番良くない、というのが安野氏の立場だ。

AI作曲との組み合わせと「作家性」

Claude自体には作曲能力がないので、Claudeにプロンプトだけを作ってもらい、それをAI作曲サービスのSunoに入れて曲にした、という報告もあった。安野氏は、Sunoの中で歌詞を全部作る機能はあまりなかった気がすると述べたうえで、歌詞や曲調の指定をClaudeに任せてSunoで曲にする流れを良いフローだと評価した。

ここから安野氏は、最近自分の中で流行っているというAI作曲について話を広げた。AIで作った曲は誰が作っても同じようなものになると思う人もいるだろう。しかし、AIを使いこなしながら自分の作家性を表現することが、一部のクリエイターの間でできるようになり始めていると安野氏は見ている。その音楽での好例として、字幕では「川田トム」と表記される作り手の名前を挙げ、YouTubeで検索して聴いてみてほしいと勧めた。

費用はどれくらいかかり、PCのスペックはどの程度必要か

質疑の最初は、費用とPCのスペックについての質問だった。スペックについて安野氏は、それほど求められないと答えた。作ったゲームを動かせる程度の性能があれば十分だという。AIの計算は基本的に自分のパソコンではなく、OpenAI、Anthropic、Googleなどのサーバー上で行われているからだ。

費用は使うAIによって変わる。例えばAntigravityには一定の無料枠があるはずなので、学生などでお金を払うのが難しい人は、まずその範囲で試すと良いという。社会人に対しては、自己投資と割り切って一定額を払うことを安野氏は勧めている。今の時点でバイブコーディングを身につけておくことは、仕事をするうえでいろいろな場面に役立つと考えているからだ。

ただし、高いプランは本当に高いとも認めている。ClaudeにもOpenAIにも月200ドル程度のプランがあり、月3万円ほどになると誰もが払える額ではない。それより安いプランもあるので、まずはそこから試すのが良いという。

VPSに上げる意味、サーバーでLLMを動かす意味

作ったものをVPSにアップロードする利点について、安野氏は「自分以外も使えること」だと答えた。自分のパソコンの中にあるだけでは、そのパソコンでしか使えない。スマホからすぐ使いたい場合や他の人に使ってもらいたい場合は、URLにアクセスしてもらう形が都合が良い。そのため、サーバーに上げると他人にも自分の別の端末にも使わせやすくなる。

LLMをサーバー上で動かす利点については、質問の前提を少し修正する形で答えた。OpenAIやAnthropicのような大きなAIは、そもそも個人のパソコンに載らない。大規模データセンターの高性能サーバーでなければ動かせないという。つまり、サーバーで動かすことに利点があるというより、賢いモデルはそれほど大きくなっているので手元では動かない、というのが実情だと説明した。

一方で、小さなモデルなら自分のパソコンで動かせるものもある。こうした「ローカルLLM」を使えば、AI企業にお金を払わなくても、電気代だけで使い放題になる。ただし、手元で動かせるのは一昔前のモデル程度の賢さのものに限られ、性能差はまだ大きい。賢さを取るかお金を取るかの判断になる、と安野氏は整理した。

Claudeが「できました」と途中で終わらせるときの対処

Claudeとやり取りしていると、途中なのに「できました」と終わらせようとしたり、指示した内容が抜けていて指摘すると「あ、そうだった、ごめんなさい」と言いながらまた抜けていたりする。これはよくあることなのか、プロンプトにコツはあるのか、という質問が寄せられた。

安野氏は「あるある」だと答えた。きちんと見張っていないと手抜きをしたり、少し違うものを作ったりするので、どう確実にやらせるかが大事だという。そのうえで、中級者向けの話と断りつつ、二つの方法を紹介した。

一つ目は、コーディング中に守ってほしいことをMarkdownファイルに書いておく方法だ。CLAUDE.mdなど、コーディングエージェントが作業時に読み込むファイルがある。そこに「このプロジェクトではこの規則を必ず守る」と書いておくと、プロンプトの方向性がすり合うことがよくあるという。

二つ目は自動テストだ。ソフトウェアが意図通りに動いているかを確かめる作業そのものを、別のソフトウェアで行う。つまり、作るソフトと並行して、それを検査するソフトも作る。検査を充実させておけば、AIがコードを書き換えるたびに検査が走る。品質を満たさない部分やバグがあれば警告が出るので、AIはそれに気づいて自分で直していく。AIへの指示に「このテストがすべて通らなければ次に進んではいけない」と書いておけば、品質を保ったままバイブコーディングを続けられると安野氏は説明した。超入門の範囲を超える話だとしつつ、自動テストやテスト駆動開発(TDD)を調べてみると面白いやり方が見つかるはずだと勧めた。

IDEに移るとセキュリティのリスクが変わる

シリーズの中で「IDEの段階からセキュリティの事情が変わる」と話した点について、具体的な注意点を尋ねる質問もあった。安野氏はまずシリーズの流れを振り返った。第1段階はChatGPTなどWebブラウザ上で動くサービスを使ったバイブコーディング、第2段階は自分のパソコンで統合開発環境(IDE)を使ってソフトウェアを作る方法だった。

安野氏によれば、クラウド上で作業する場合と自分のパソコン上で作業する場合とでは、セキュリティ上のリスクが大きく異なる。パソコンの中にはパスワードを書いたファイルや秘密の個人情報など、大切なファイルがあるかもしれない。そこでコーディングエージェントが自由に動き回ると、誤ってファイルを消してしまう可能性がある。エージェントが悪意あるものにさらされれば、隠しておいたパスワードのファイルを勝手に外部へ送ってしまう可能性もある。ブラウザ上のChatGPTであれば、基本的にパソコン内のファイルにはアクセスできないので、勝手に消すこともできない。ローカルに移ると、AIができてしまう危険な行為の幅が大きく広がる、というのが安野氏の説明だ。

安野氏は最近の話として、Claude CodeやCodexが会社のサーバーに入り込み、データベースを消してしまった、本番サーバーを壊してしまったといった報告がいくつか出始めていることにも触れた。大事なファイルとは距離を取ったうえで、うまく扱う術を身につける必要がある。セキュリティは難しいが、まずはリスクが大きく変わることを認識してほしいと述べた。

「スマホで動くもの」と「スマホアプリ」の違い

第3回について、スマホで動くものとスマホアプリの違いを尋ねる質問があった。安野氏は、ここには「ブラウザで動くかどうか」と「スマホアプリかどうか」という二つの軸があると整理した。ブラウザで動くスマホアプリとして、プログレッシブWebアプリ(PWA)と呼ばれるものもある。ただし大まかには、App Storeなどから入手するネイティブアプリと、ブラウザ上で動くWebアプリの2種類に分かれるという。

スマホアプリもバイブコーディングで作れるが、すぐにできるのはWebアプリのほうだ。例えばChatGPTに「シューティングゲームを作って」と頼むと、Webアプリができる。Webアプリは、ページの内容を書くHTML、それを動的に動かすJavaScript(あるいはTypeScript)、見た目やデザインを決めるCSSの三つで構成される。これに対してネイティブアプリはObjective-CやSwiftといった別の言語で作られることが多く、世界が別なのだと安野氏は説明した。

ClaudeのProプランではもう足りないのか

Claude Codeを普通に使うにはProプランではもう厳しいのではないか、という声もあった。安野氏はClaudeのプランとして、無料版、Pro(17ドル)、Max(100ドル)があると説明した。Proでは上限にすぐ達してしまうとよく言われるようになり、日々使い倒すなら100ドルのプランが必要ではないか、というのが質問の趣旨だと受け止めた。

安野氏は、Proでは足りないという点を「その通り」と認めた。自身はチームプランのプレミアムシートを使っているので事情は少し異なるが、それで広がった上限すら超えてしまうほど使っているという。だから、Proでは全然足りないという人の気持ちはよく分かると話した。

節約したい場合の工夫として、安野氏はモデルの使い分けを挙げた。Claudeには大・中・小のモデルがある。最小のHaikuでは難しいが、最大のOpusでなくても、中間のSonnetでそこそこ使えることがある。節約したい人はSonnetを使うと良いかもしれないという。

初心者はどのツールやモデルを選んでも同じか

最後の質問は、ClaudeもVS Codeも使ったことがないが、プログラミングの素人にとっては差がないレベルなのか、というものだった。安野氏は、ChatGPTの5.5でもClaude Opus 4.7でも、プログラミングを始めたばかりの人にとってはどちらでも良いと答えた。Codexのほうが賢いと言う人もいれば、Opusのほうが使いやすいと言う人もいる。それでも、まずは触りやすいほうを触ってみれば良い、というのが安野氏の答えだ。

安野氏はこのコメント返しの回について、こうした回もあったほうがいいのかと思って試しにやってみたと説明した。どう感じたかをコメント欄で知らせてほしいと呼びかけ、動画を締めくくった。