大腸がんはなぜ増えているのか:友利新が語る原因・リスク要因・検診の受け方

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概要

医師の友利新は、若い著名人が大腸がん、特に直腸がんで亡くなったというニュースを受けて、不安を感じている人も多いだろうと話を始める。この動画で話者が扱うのは、大腸がんが増えている理由についての最新の研究、かかりやすい人の特徴、注意すべきサイン、そして受けるべき検診である。話者が繰り返し強調するのは、大腸がんは初期症状がほとんどなく、命を守るには検診が欠かせないという一点だ。

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罹患率1位、女性の死因1位のがん

話者によれば、日本で最も多くの人がかかるがん、つまり罹患率1位のがんは現在大腸がんである。死亡数でも全体の2位に入り、女性に限ると亡くなる人の数で1位になっている。

女性がかかる数では乳がんが多い。ただ、乳がんは自分で触ってセルフチェックができ、検診の啓発もかなり広がっている。そのため、かかる人は多くても命を落とす人は減ってきていると話者は説明する。一方の大腸がんは発見が遅れるケースが多く、それが死亡につながっているという。

話者は海外との比較にも触れる。諸外国では検診が普及して大腸がんの死亡率が下がっているが、日本では死亡率の下がり方がとても緩やかだという。話者はその理由を、日本の検診受診率の低さにあると考えている。

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腸内細菌の毒素「コリバクチン」と若い世代の大腸がん

大腸がんが増えた理由として、話者は自身の経験から話す。医師になって20年以上たつが、学生の頃は「大腸がんは日本人には少なく、欧米の人がかかるがん」と教わったという。それが今では罹患率でも死亡率でも上位に入っている。一般には、食の欧米化や運動不足が原因としてよく挙げられている。

そのうえで話者は、最近発表された論文を紹介する。日本人の大腸がん患者のおよそ5割から、腸内細菌が出す「コリバクチン」という毒素によるDNAの変異が見つかったという内容だ。話者の説明では、この毒素による変異は他の国と比べて日本人に2.6倍多く、50歳未満の若い患者ではさらに3.3倍多く見られた。話者はこの結果から、若い世代の大腸がんの発生に、腸内細菌が出すコリバクチンが関わっているのではないかと考えられるようになってきたと述べる。

腸内細菌が毒素を出すと聞くと怖く感じるかもしれないが、話者によれば、普段は体に守る仕組みがある。肌にバリア機能があるように、腸にもバリア機能がある。そのため、ふつうは毒素が出てもがんにはならない。このバリアが壊れたときに毒素がDNAを変化させるのではないか、と言われているという。

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腸のバリアを保つ食物繊維

では、腸のバリアを強く保つにはどうすればよいか。話者が挙げるのは食物繊維だ。マウスの実験で、食物繊維の少ない餌を与えたマウスではコリバクチンの毒素が増え、食物繊維の多い餌を与えたマウスでは毒素による影響が抑えられたというデータがあると紹介する。

このことから話者は、昔ながらの和食のように食物繊維の多い食事をとることは、腸を守るうえで大きなプラスになるのではないかと考えを述べている。

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大腸がんになりやすい人の5つの特徴

話者は、大腸がんになりやすい人の特徴を次の順にまとめている。

  1. お酒。特にビールや日本酒など、糖質の多いアルコールを好む人
  2. 肥満や運動不足
  3. 喫煙
  4. 家族歴
  5. ハムやソーセージ、赤身の肉をよく食べる食習慣

4つ目の家族歴について、話者は補足している。太ってもおらず喫煙歴もないのに大腸がんになる著名人もいて、そうした人には家族歴がかなりあることが多いという。家族にがんの人がいなくても、ポリープができやすい人がいる場合も当てはまるとしている。

話者は、すべてに当てはまるから必ずがんになるわけではなく、当てはまらなくてもがんになる人はいると断っている。それでも、5つのうち複数に心当たりがある人は特に注意が必要だという。

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「初期症状」は存在しない

多くの人が気にするのが初期症状だ。大腸がんは早く見つけて治療すれば死亡率がぐっと下がるため、症状で早く気づきたいと考える人もいるだろう。しかし話者は、残念ながら初期症状はまったくないと言い切る。

よく挙げられる症状には、次のようなものがある。これまで快便だったのに急に便通が悪くなる。便が細くなる。便に目に見えて血が混じる。食べているのに体重が減っていく。慢性的にお腹が痛む。話者によれば、これらはすでにがんが進んだ段階で出る症状であり、初期症状ではない。症状が出てからでは進行している可能性があるため、症状がないうちに見つけることが大事だと話者は繰り返す。

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進行がゆっくりだからこそ検診が効く

食物繊維をとることや運動も大切だが、この動画で話者が最も伝えたいのは「検診を受けてほしい」ということである。

話者の説明では、大腸がんは発生してから進行するまでにおよそ7年かかると言われる、進行のゆっくりながんだ。そのため、毎年検診を受けていれば、進行する前に見つけるチャンスが何度もある。早期に見つかれば5年生存率は90%程度、あるいは90%を超えるとも言われていると話者は述べる。

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検便から始め、陽性なら必ず大腸カメラへ

「大腸カメラが怖い」「検査の負担が大きいのでは」と感じる人もいるだろう。話者は、大腸カメラを受けるのが一番よいとしたうえで、抵抗がある人はまず検便を受けるよう勧める。

検便だけで100%わかるわけではない。しかし、便に血が混じっていること(潜血)がわかれば、どこかにポリープがある可能性や、初期の大腸がんから出血している可能性がある。そのため話者は、最低限、毎年検便を受けてほしいと言う。そして潜血が陽性だった場合は、必ず大腸カメラを受けるよう強く求めている。

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家族歴のある話者自身の検査歴

話者自身、母方のおばや母が大腸ポリープのできやすい体質だという。そのため話者は、40歳を過ぎてからは検便ではなく大腸カメラを受けている。

頻度は基本的に2年に1回だ。出産後の忙しい時期には受けられず、2年以上空いてしまったこともあったという。去年の検査ではポリープがなかったため、次は3〜4年空けてもよいのではないかと言われたそうだ。話者はこの経験をもとに、家族歴がある人はしっかり検査を受けたほうがよいと話す。検査の具体的な流れについては、下剤を飲んで受ける様子を以前に動画にしているので、そちらを参照してほしいと案内している。

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大腸カメラは検査であり、予防と治療にもなる

話者が大腸カメラの大きな利点として挙げるのは、検査中にがんになる前の良性ポリープが見つかれば、その場で取れることだ。つまり、検査を受けること自体が予防と治療にもなる。下剤を飲むなどの前処置は大変かもしれないが、しっかり受けてほしいと話者は述べる。

受ける時期の目安として、話者は次のように整理している。

  • 40歳を過ぎたら、年に1回検便を受け、便に血が混じっていないかを確認する
  • 潜血が陽性なら、必ず大腸カメラを受ける
  • 家族歴がある人は40歳ぐらいから大腸カメラを受けてもよい
  • そうでない人も、最低でも50歳を過ぎたら一度は大腸カメラでポリープの有無を確認する
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自分の体を守ることは家族を守ること

最後に話者は要点をまとめる。大腸がんは日本人でもかかる人が増えており、女性では死亡数1位になっている。ただし、早期に見つかれば怖くない「おとなしいがん」であることも確かだ。初期症状がほとんどないため検診が欠かせない。日常生活では食物繊維をしっかりとり、適度な運動を心がけてほしいという。

話者は特に40歳以降の女性に向けて呼びかけている。子育てや介護など家族のことで手いっぱいになり、自分のことは後回しになりがちだ。しかし自分の体を守ることは家族を守ることにもつながる。だからこそ検診をきちんと受けてほしい、と話者は締めくくっている。