英語で考えるクセは「4つのステップの繰り返し」で作る:日本語を介してもいい段階から自動化まで

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概要

英語系YouTuberのTinaが、「英語で考える」「英語がパッと出てくる」状態をどう作るかを段階に分けて解説した動画である。Tinaの言う完成した英語脳とは、外国の人に話しかけられたときに日本語を考えず反射的に英語で答えられる状態のことだ。そこに至るには段階があり、最初から日本語を一切使わないようにしたり、いきなり難しいことに取り組んだりするのは誤解だ、というのがTinaの立場である。動画全体を通じて繰り返し強調されるのは、ステップを一度こなして終わりにせず、何度も回すことだった。

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以前の自分の説明を修正する

Tinaは冒頭で、自身が以前出した英語脳の作り方の動画で「日本語を介してはダメ」と言ってしまっていたことに触れる。日本語を介さないことは最終的な理想ではあるが、いきなりそれを目指すのは非常に難しい。その点をもっと丁寧に説明しておくべきだった、というのが今回の動画を作った動機の一つとして語られる。

また、話そうとして「この単語なんだっけ」「これは英語で何と言うんだっけ」と詰まるのは当たり前であり、それがあるからダメだと思わないでほしいとTinaは言う。むしろそうした詰まりは、英語脳で話せるようになる過程として非常に大事なものだという位置づけである。

4つのステップを「ぐるぐる回す」という前提

Tinaは英語脳を作るための大まかな段階を4つ挙げる。ただし「1、2、3、4と進めば完了」ではなく、1から4を何度も繰り返してレベルを上げていくイメージだと、最初に念を押している。英語は言語であり、スキルである。だからステップ1を終えたらもう戻らなくていい、というものではない。この「繰り返す」という点が動画のキーポイントだとTinaは述べる。

ステップ1:インプットは量を絞る

最初のステップはインプットである。Tina自身はアウトプットのほうが圧倒的に好きで、インプットが好きな人はあまりいないだろうとしながらも、ここが土台になるので避けて通れないと言う。

ただし注意点として、インプットをしすぎる人がかなり多いとTinaは指摘する。市販の単語帳は2000語、3000語と収録数が多いが、Tinaが普段勧めているのは、日常会話で自分が使いそうな単語を800〜1000語ほど覚えることだ。いろいろな単語を知っているに越したことはないが、4つのステップを繰り返す中でレベルを上げていくのだから、最初から大量に覚える必要はないという考え方である。インプットを増やしすぎると単語を覚えるだけの作業になり、なかなかアウトプットに進めなくなるので、数を決めておくことが大事だとも言う。

さらにハードルを下げるなら、Tinaが以前の動画で紹介した初級・中級各100語、計200語だけをまず確実に覚える形でもいいとしている。Tinaは以前、100語ほどでも1000通りくらいの文を作れると説明しており、基本的なことは少ない単語でもたくさん言える、最初に必要なインプット量は思っているほど多くない、というのが主張だ。大事なのは、その200語を確実に覚え、使えるようにすることである。

フラッシュカードと「出会う回数」

単語の覚え方としてTinaが勧めるのがフラッシュカードだ。動画でただ見るだけでは定着が甘いと考えているためである。すでに分かっている単語は飛ばしてよく、どうしても覚えられない単語をカードに書く。Tina自身は表に単語、裏に意味や例文を書くか、表に例文、裏にその日本語訳を書いているという。自分で書き、覚えやすいように工夫して作る過程だけでもかなり定着しやすくなり、隙間時間にさっと見られるのも利点だと説明する。

「記憶力が悪い」「頭が悪いのでどうすればいいか」という相談をよく受けるが、Tinaはそれは頭の良さの問題ではないと言う。暗記の得手不得手は多少あるとしても、基本は単語と出会う回数で決まる。覚えられない人は、その単語に1日2〜3回でいいので毎日出会ってほしいという。例として挙げるのが「thank you」や「hello」で、誰もが分かるのは初歩的な英語だからというだけでなく、英語の授業で最初に習い、これまでの人生で最も多く出会ってきた単語だからだ、とTinaは説明する。

もう一つ勧めるのが「ラベリング」である。Tinaは身の回りの物を指さしながら、latte、water、glasses、T-shirt、earrings、hair、eyebrow、eye、nose、clock、flowersと英語にしていく実演をしてみせた。単語帳を使いたくない人は、まず机の上にある物などから英語にしていけばいいという。

日本語が出てくるのは正常

ステップ1のポイントとしてTinaが強調するのは、単語を覚えるときに日本語が出てきても正常だということだ。英語脳を作るには日本語を使ってはいけないと思い込み、日本語が浮かんでしまうことでやる気をなくすパターンが多いのではないかとTinaは見ている。反射的に英語が出て日本語を介さない状態は最終ゴールだが、今の段階では無理であり、日本語が出てきても失敗ではない。

出会う回数や復習を増やすほど、日本語を介す必要が減ったり、日本語が出てくるスピード自体も速くなったりする。それを繰り返した先にようやく理想の状態がある。そもそも日本語を使わなければ単語の意味が分からないのだから、今の時点で日本語を使うのは当たり前だ、とTinaは誤解を解こうとしている。

ステップ2:単語を簡単な文にし、自分の状態をナレーションする

ステップ2はインプットした単語を簡単な文にすることで、Tinaはここから楽しくなってくると言う。前回の動画で紹介した「I want to」「I will go to」のような10個の文型に単語を当てはめて文を作るやり方で、ステップ1と並行して進めてよいとしている。

Tinaが特に勧めるのは、自分の今の状態を英語で言う「ナレーション」だ。「I am at a park」のように、自分が見ているもの、していることを英語にする。ただしこれは難しいので、ルールとして「まず主語と動詞を言い出す」ことを提案する。たとえば「私は今これを飲んでいる」なら、文が完成するまで考え込むのではなく、まず「I am」「I am drinking」と口に出す。自分の生活を練習台にするなら主語はほぼIで、状態を表すなら「I am」から始まるので、とにかくそこから言い出してほしいという。

Tinaの見立てでは、英語がなかなか出てこない人は「ちゃんとした文が完成してから言おう」という意識が強すぎる。そのため考え込み、考えるほど分からなくなる。完璧にアウトプットしたい気持ちは分かるが、身につけたいのは「なるべく早くパッと言う」癖なのだと言う。

通訳の場面での体験談

Tina自身も「これ何て言うんだっけ」と出てこないことはあると語り、最近の例を紹介している。知り合いがドイツの相手とミーティングをしていて、急に通訳として入ってほしいと頼まれた。そこで「独占契約」という言葉が出てきたが、Tinaには英語が分からなかった。ビジネスミーティングなので、考え込んだり調べたりして会話の流れを止めるのが怖かった。そこでまず「can we」などと言い出し、話しながらその間に調べたという。

この話からTinaが引き出す教訓は、分からない単語を調べること自体は構わないし、後でちゃんとインプットすればいいが、「完成した文ができてから言う」のではなく「とにかく言い出す」反射神経が大事だということだ。英語を話すときに止まってしまうのは、結論として良くないとTinaははっきり言う。この段階で覚えてほしい形として、I am、We are、He is、She is の後に動詞のing形を続け、自分や他人の状態を言えるようになることを挙げている。

ステップ3:ひたすら繰り返す

ある程度それができたら、ステップ3に進む。Tinaはここが一番きつく、やり切らなければならないのにやり切る人が少ないところだと言う。内容は、ステップ1と2を「死に物狂い」で、うっとうしくなるくらい繰り返すことである。

Tinaはここでスキル習得の考え方を持ち出す。英語は目標を達成するための手段であり、中国語、プログラミング、営業などと同じスキルである。スキルを習得したと言えるのは、無意識でもうまくできるようになったときだとTinaは考えている。そこに至るには、宣言的プロセス、手続き的プロセスを経て自動化される3段階があると言われている、とTinaは紹介する。Tinaの説明では、宣言的プロセスはまず目標を決めること、手続き的プロセスは手順を理解して書き出すことであり、それを繰り返すことで自動化に至る。

例として挙げるのが自転車だ。今は無意識に乗れていても、最初は親にこぎ方を教わり、補助輪をつけてもらい、手探りで何度も回数を重ねた結果、乗れるようになったはずだとTinaは言う。英語も自転車とほぼ同じで、ゴールとやり方はこの動画で説明したから、あとは繰り返すしかない。フラッシュカードも1回完璧にするより100回雑にやったほうがいい、1回の完璧より100回の雑なトライのほうがいい、というのがTinaの主張である。

Tinaは英語を「泥臭い」ものだと表現する。新しく発掘された画期的な勉強法ではなく、回数が大事で、回数を踏む人は強い。1回の勉強の質が高くても、復習せず数を重視しなければ人間は忘れる。スキル習得の観点では回数と繰り返しのほうが大事で、そこが抜けていると全部水の泡だという。

生活にリマインダーを組み込む

数が大事だと分かっていても、意識しないと英語は生活に入り込まず、気づいたら1日が終わっているということはよくあるとTinaは認める。そこでTina自身が本気でやるなら、カレンダーやリマインダーを設定すると言う。朝、昼休み、夜の風呂前など決まった時間に通知を出し、通知が来たら今の状態を英語で言ってみる、フラッシュカードで復習する、といった具合だ。

夜に1時間しっかり勉強することももちろん大事だが、それに加えて朝や昼などいろいろなタイミングで数をこなしてほしいというのがTinaの考えである。自分から時間を作るのを忘れるのは人間として当たり前なので、仕組みで補えばいい。通知が来たら「I am eating」「I am drinking coffee」など何でもいいので主語と動詞を言い出す。こうしたルーティーンを生活に入れ込まないと英語脳の状態は難しい、と最後は「入れ込んでください」と言い直して強調している。

ステップ4:間違いを復習し、また繰り返す

Tinaは4つのステップがあると言っていたが、手元のメモを見るとステップ4は「間違いを復習し、繰り返す」で、ステップ3とほぼ同じ内容を書いていたと笑いながら明かす。結論としては繰り返すしかない、ということだ。

それでもステップ3と違う点として、Tinaは「間違えること」の大切さを挙げる。散々間違えて、そこから学ぶのが一番健全だという。そして自分が間違えたものは必ずフラッシュカードに書いてほしいと勧める。誰にでも弱いところ、必ず間違えるところはあり、そこにたくさん出会って数をこなすことが大事だからだ。なお撮影中、Tinaは正座で足がしびれ続けており、ここでは話が飛んで熱弁しすぎたかもしれないと断っている。

才能ではなく「繰り返せる才能」

まとめとしてTinaは、英語がパッと出てくる感覚、英語で考える感覚は何かのハックで得たものではないと言う。最初は意識して、単語や文型への当てはめ、今の状態をすぐ口にすることなどを何度も重ねた結果、自動的に出てくる、無意識にできるようになったというのがTinaの説明である。

Tinaはスポーツにもたとえ、大谷翔平も毎日同じことを繰り返しており、その積み重ねがあるから無意識に「ここだ」と感じてホームランを打てるのだろうと話す。英語も同じで、パッと英語で考えられる状態は方法論だけでは説明しきれない。勉強法やインプット・アウトプットの方法は説明できるが、結局は自分がどれだけ繰り返せるかにかかっている。英語は才能ではなく泥臭さであり、あえて言えば「泥臭くできる才能」だ、とTinaは言う。

無理をしすぎないこと

一方でTinaは、しんどくやる必要はなく、英語は楽しくもできると付け加える。すべてが楽しいわけではないにしても、「Don't be too hard on yourself」とも思うという。「1日2時間やり切ろう」のように無駄に難しくすると挫折してしまう。200語のマスターのような目標なら、隙間時間でも単語に出会う工夫はできるので、いきなりハードにするより程よくバランスを取ればいい。1日3回くらい自分の状態を英語で言う、繰り返す、という程度から始めて、飛ばしすぎなくていい。ただし気合がある人は思い切りやってほしい、とも添えている。

Tinaの最終的な結論は、無意識に英語で考え、話せる状態は繰り返しの積み重ねでできるものであり、頭の良さや才能よりも、繰り返せること、繰り返そうと思える意思の強さのほうが大事なのではないか、というものだった。回数を重ねてできるようになった人が「英語で考えるとはこういうことか」という感覚をつかみ、そこから英語は楽しくなる、とTinaは締めくくっている。