ハワイで気づいた「当たり前」の違い:サイモンと語る、英語を話して海外に出る意味

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概要

英語学習チャンネルの配信者が、同じく日本人向けに英語を教えるYouTuberのサイモンとハワイで対談した動画である。英語と日本語が混ざる会話のなかで、二人はチップ、働き方、家族、食、治安、トイレといった身近な話題から日米の違いを比べていく。中心にある問いは「なぜ英語を話し、海外に出るべきなのか」で、二人は「自分が当たり前だと思っていたことが壊れる経験」と「自分の持っているものに感謝できるようになること」に答えを見出している。

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日本生まれのアメリカ人から見たハワイ

サイモンは、YouTubeで日本人に英語を教えている人物として自己紹介する。アメリカ国籍だが日本で生まれ育っており、本人いわく「中身は日本人」だという。そのためハワイに来ることは、チャンネル主にとってと同様、サイモンにとっても新しい発見の連続だったと語る。

サイモンが人に英語を話すことや旅行を勧める理由として最初に挙げるのは、店やレストランで働く人とも気軽に会話を交わせることだ。「Hello, how's it going?」と声をかけるだけで、ちょっとした会話が生まれる。チャンネル主はこれを「頭のキャップが外れる」「当たり前が変わる」経験と表現する。

具体的に二人が驚いたのは、他人との距離の近さである。日本に住んでいると、人と仲良くなるには時間がかかるものだと自然に思い込んでしまう。ところがハワイでは、道ですれ違って目が合っただけで笑顔を向けられ、「前に会ったことあったっけ?」と思うほど親しげに接してくる。チャンネル主は、人間は初対面でもこんなに仲良くなれるのかと、それまでの当たり前が壊れたと振り返る。明るく、フレンドリーであることが文化として根付いている点を、二人は素晴らしいと評価している。

チップ文化と「頑張りすぎない」接客

次の話題はチップである。本来チップの額は、店員がどんなサービスをしてくれたかで変わるはずだが、ハワイでは実際にはサービスの良し悪しにかかわらず18〜20%が標準になっていると二人は話す。たとえば1万円ほどの食事なら、そこに2,000円が上乗せされて1万2,000円になる計算だ。サービスがそれほど良くなくても20%払わなければならないのは、日本人の感覚からすると「クレイジー」だとサイモンは言う。

ただ、話はチップへの不満では終わらない。チャンネル主は、日本人は接客で「ちゃんとしすぎ」ており、マニュアル通りに丁寧にしようと無理をしているのが伝わってくると指摘する。それ自体は日本の良いところだとしながらも、ハワイの店員は良い意味で気にしすぎない。とてもフレンドリーか、あるいは本当に気にしていないかのどちらかで、エネルギーを温存しながら自分たちも楽しんでいるように見える。店員がぼそぼそ話しても、その分エネルギーを節約できるならそれでいい、とサイモンは肯定的に受け止める。

チャンネル主の結論は、チップの有無が本質ではなく、「丁寧にしすぎない、完璧でなくてもいいという文化」が良いということだった。サイモンも、気を使いすぎないちょうどいい感じで生きやすいと同意し、二人は「チップって意外といいのかもしれない」と話している。

実力主義とコンプライアンス

チャンネル主は、海外旅行で直接気づくことではないと前置きしたうえで、アメリカを見ていると実力主義だと強く感じると話す。例として挙げるのが、シカゴのギャングスター系ラッパーである。ただ威嚇し合うのではなく本当に命のやり取りがあるような過酷な環境で育ち、その現実を作り話のような歌詞で歌う。

これに対して日本では、半グレのラッパーがどれほど音楽がうまくて人気があっても、Mステや地上波に出ることは「絶対無理」だと二人は言う。どんなに実力があってもコンプライアンスが優先されるからだ。日本では不倫で活動を失う例があるが、アメリカではそうしたことは関係ないと話す。

チャンネル主はこの違いを、日本ではその人が人間として正しいことをしているかどうかで判断するのに対し、アメリカには「正しい」という共通の概念がなく、正解の基準がないからこそコンプライアンスも薄く、実力で判断される、と説明する。もちろん人を殺すのは別の話だと二人は念を押し、ギャングの例は極端だったとも認めている。そのうえで、日本では少しやらかすとすぐにニュースになり追放されるが、アメリカでは「他人は他人」というマインドが強く、その意味で楽だと語る。

他人の目を気にしない社会の長所と短所

一方で二人は、日本の強いコンプライアンス意識が秩序を保っている面も認める。日本では周囲に大迷惑をかける人はほとんどおらず、いたとすればすぐに炎上して責められる。ハワイでは、スピーカーを持って音楽を大音量で流しながら歩く人に「5分に1回」出会うほどで、「イヤホンじゃダメなのか」と二人は笑う。

他人の目を気にしないことは、逆に言えば生きやすさにもつながる。サイモンは、日本では周りを気にしすぎてしまうことがあるが、ハワイに来るとさっきもベンチで寝ていたように「アメリカの自分」が目覚めてくると話す。やりすぎは良くないが、周りを気にしすぎるのも良くない、というのが二人の落としどころである。

メリハリのある働き方

働き方についても、二人はアメリカ側に学ぶべき点があると考えている。仕事の時間は仕事、私の時間は私の時間とはっきり分け、終業時間になればすぐにシャットダウンして帰る。渋滞を避けるために朝4時から昼12時まで働き、移動時間でプライベートの時間を潰されないようにしている人の話も出てくる。日本でも最近はフレックスが出てきたかもしれないが、こちらはもっと徹底していると二人は言う。

チャンネル主は日本で働いていた頃、始業時間は皆きっちり守るのに、終業時間は周りの目を気にして「帰っていいのかな」と思ってしまう空気があったと振り返る。最近の日本社会はちゃんと区切っているのかもしれない、という留保も付けている。二人は、メリハリがあるからこそ「この時間までに終わらせる」という意識が働き、効率も上がるのではないかと推測する。その日の疲れを翌日に持ち越さない、自分の時間を取る努力が見えた、とチャンネル主は話す。

サイモンは、日本に来た友人が「海外では電車で寝ている人を見ない。なぜ日本人はこんなに疲れているのか」と驚いていたというエピソードを紹介する。二人はこれを、メリハリがないために働きすぎ、疲れを翌日に持ち込んでいるからではないかと受け止め、チャンネル主も自分もだらだら仕事をしてしまうと認めている。

サイモンは自分の親の例も挙げる。大学で働いていたので少し特殊かもしれないし、アメリカ人だからなのかは分からないとしつつ、仕事が終わればすぐに帰ってきて、仕事中は集中していたという。リラックスする時間と仕事の時間をきちんと分けていたと話す。

家族を優先する文化

西洋文化では家族の時間を大事にする、という点でも二人の意見は一致する。夫も仕事が終わればすぐに帰り、子供の世話をしたり一緒に遊んだりする。一方、日本では今は変わってきているかもしれないが、男性イコール仕事だけ、という役割分担のイメージが強かったと話す。

日本のゼネコン(建設会社)で働いていた経験のある話者は、当時の上司が家族も子供もいるのに5日間続けて事務所に泊まり込み、家に帰らなかったことに驚いたと語る。また、家族の年長者が飲んで終電で帰るような生活で、家族との時間がなかったという話も出る。

対照的な例として挙げられたのが、アメリカのトップクラスのある野球選手の話だ。自国代表としてWBCに出場するオファーを受けたが、妻が妊娠しており大会中に出産する可能性があったため、家族を優先したという。どんなスターでも家族が優先される、と二人は驚く。チャンネル主はその文化で育っていないので自分なら考えられないと言い、仕事人間なら大谷などはおそらく野球を選ぶのではないか、とも話す。

チャンネル主がさらに面白いと感じたのは、妻の側が「もっと稼いでこい」ではなく「私が妊娠しているのだから優先しろ」という感覚を持っていることだ。同じ人間なのに育った文化だけでこれほど違うのか、と二人は語る。

サイモンは、仕事は生活のための手段なのだから家族を優先するほうが本質的ではないかと問いかける。サイモン自身は仕事が好きだと言いつつも、仕事ばかりで幸せなのかと考えるとはっとさせられる、と話す。二人は、こうした気づきは海外にいるからこそ得られるもので、同じ場所にずっといると視野が狭くなってしまうと語る。

離れてみて気づく日本の良さ

サイモンは、人に英語を話してほしい、海外に行ってほしい最大の理由は、自分が持っているものに気づき、感謝してほしいからだと言う。自分の国にいると、良いことも悪いことも慣れて当たり前になってしまう。海外にいることで感謝することが増え、日本の良さに気づき、自分の国を愛するきっかけにもなる、とチャンネル主も付け加える。ここから二人は、日本の良いところを具体的に挙げていく。

食と美容の「外れのなさ」

最初に挙がるのは食べ物である。サイモンは、日本の食はトップクラスで、日本人として日本に住めることに感謝していると話す。和食だけでなく、日本人が作るイタリアン、フレンチ、韓国料理、ハンバーガーも優れており、友人は日本のハンバーガーはアメリカのものより美味しいと言っていたという。

海外には本当にまずい店もあるが、日本には外れがない、と二人は言う。チャンネル主は、女性向けの話として美容やネイルなども日本はトップクラスで、どの店に行っても大きな外れがないと付け加え、品質を保つ力がすごいのは器用な日本人だからこそだと話す。海外は店による差が激しいうえに平均が低いので期待できない、というのが二人の実感である。

価格面でも、品質に対する日本の値段は圧倒的に安いと二人は見る。日本人はもっと値段を上げていい、とまで言う。ハワイではポキなど美味しいものもあるが、高いのに美味しくないものも普通にあり、日本なら3分の1の値段でもっと丁寧なものが出てくる、と話している。

治安:銃とドラッグ

次の話題は安全である。銃社会であるというだけで治安は悪くなり、それだけで怖いと二人は言う。いま撮影している場所は観光地なので大丈夫だが、ダウンタウンに行くと男性一人でも歩くのが怖いほどだという。

大阪の西成は日本では危ないと言われるが、海外の基準からすれば治安はとても良い、と二人は話す。銃がない時点で安全で、ドラッグも少ない。アメリカの基準で治安が悪いというとき、銃に加えて深刻なのがドラッグで、二人は「ゾンビタウン」や、象に使うような鎮痛剤を人間が使ってしまう話に触れ、それは日本にはないもので、当たり前だと思ってはいけない、守り切りたいものだと語る。

ハワイにはホームレスも多く、においも気になると話す。取り締まってもかえって治安が悪くなったり闇市場が生まれたりするため、もう諦めていると聞いた、という伝聞も紹介されている。

トイレに表れる「次の人への配慮」

二人が特に強調するのが、日本のトイレの清潔さである。ハワイのトイレは水が漏れ続け、トイレットペーパーは濡れて黄色くなっていて、どういう使い方をしたらそうなるのかと思うほどだという。トイレにホームレスがいることもある。日本の公衆トイレはビデまで付いていて無料で使え、ヨーロッパのように料金もかからない。アメリカの公衆トイレにビデがあったら、すぐに盗まれると思う、とまで話す。

物を置いておいても盗まれず、落とし物が警察に届けられる点も、日本がよく褒められるところだと二人は言う。チャンネル主は、アメリカでは他人への配慮が日本より弱く、「次の人のために綺麗に使おう」という概念がまるでない、自分が良ければいいという感覚だと話す。いろいろな人がいる社会なので、配慮しすぎていては成り立たないのかもしれない、とも付け加える。

とはいえ、二人はどちらが良いと一方的に決めつけてはいない。他人に配慮しすぎると疲れて生きづらく、アメリカ人はその分楽そうに見える。ただ、公共の場くらいはもう少し綺麗に使ってほしいとも思う。施設を共有する場面になると一気に秩序が崩れるのがアメリカの特徴で、どちらを取るかだ、と話す。トイレを綺麗に使う、ゴミを拾うといった目に見えない非言語的なところで互いに秩序を保っているのは日本人の魅力で、アメリカではその役割を清掃員が担っている。倫理観の教育は日本のほうが進んでいるかもしれず見習うべき点だが、バランスの問題もある、というのが二人の見方である。

英語は世界を見るための道具

最後に二人は、動画を通して伝えたいことをまとめる。英語を話し、学び続け、旅行でも仕事でも海外に出てほしい。そうすれば、いま当たり前だと思っているものがひっくり返され、「頭のキャップが外れる」。いろいろな当たり前に触れることで新しい学びが得られ、自分の持っているものや住んでいる国への感謝も深まり、総合的に豊かさが増す、とチャンネル主は語る。サイモンは、失って気づく大切さと同じように、離れてみて初めて気づくことがあると言う。ずっとそこにいれば幸せだが、その幸せは当たり前ではない、と。

チャンネル主は、英語学習の一番面白いところは、こうした気づきや学び、感謝、新しい発見にあると話す。英語でなくても中国語でも何語でも同じことはできるが、話せる人が最も多く、広く世界を見られるという意味で「コスパ」が良いのは英語だと考えている。英語は他の言語に比べて覚えやすいという意見も出るが、難しい部分もあると二人とも留保している。

締めくくりに、サイモンは英語を学ぶ日本人に向けて、しんどいことは多いだろうし、海外で外国人に話しかけるのは大変かもしれないが、一度話しかけてしまえば楽しく、皆意外と優しいと語りかける。重い腰を上げて、最初の一歩を踏み出してほしい、というのが二人の結びの言葉である。