皮膚科医・友利新が読み解く2026年秋冬の新作ファンデーション6品:「肌に触れ続けるもう一つのスキンケア」

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概要

皮膚科医の友利新は、2026年秋冬の新作ファンデーション6品を皮膚科医の立場から解説した。最近は「美容液成分を配合した」とうたう商品が多いが、友利によれば今季はそれを大きく超えるアイテムが多く出ているという。ファンデーションは下手をすれば1日12時間、つまり1日の半分ほど肌に塗られている。そのため友利は、ファンデーションを「肌に触れ続けるもう一つのスキンケア」になりつつあるものと捉えている。

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取り上げたのは次の6品である。

  • 資生堂(SHISEIDO) エッセンス スキンスムース ファンデーション
  • イプサ セラム ファンデーション
  • マキアージュ エッセンスクッションEX ブライトグロー
  • SUQQU ザ ファンデーション
  • アルビオン ミルクファンデーション
  • FAS ザ プランプ セラム ファンデーション
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資生堂の「セラムファースト技術」は何を逆転させたのか

友利は、資生堂が美容液ファンデーションというジャンルを最初に作ったと言っても過言ではないと話し、その根拠として「セラムファースト技術」を挙げた。

友利の説明では、従来の美容液ファンデーションは、顔料や油分、シリコンが主体のベースに、水分である美容液を少しだけ加える作りだった。水と油は混ざらないため、美容液はごく少量しか入れられなかったという。セラムファースト技術はこれを逆にした。水の美容液の中に、油と顔料を閉じ込めたカプセルを入れる。肌に乗せるとまず美容液が肌に届き、その後カプセルが割れてファンデーションが肌に乗る。友利はこれを、それまでのファンデーションとはまったく違う「革命」と表現した。

この技術は、今回紹介するイプサのセラム ファンデーションと、マキアージュのエッセンスクッションにも搭載されている。友利は、イプサも資生堂グループであることを知らない人が多いのではないかと触れた。3品の基本技術は共通だが、ブランドごとに特色が異なるので、その違いを順に説明している。

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資生堂 エッセンス スキンスムース ファンデーション:テカリと毛穴に向けたやや控えめなツヤ

前作の「スキングロー」はツヤタイプで大ヒットした。今回の「スキンスムース」は、友利によれば少しマット寄りで、なめらかさに加えてテカリや毛穴にも対応するタイプだという。

皮膚科医として友利が注目したのは美肌成分である。肌のバリア機能を担う表皮ブドウ球菌について、このファンデーションを使うと表皮ブドウ球菌の割合が増えたというデータが出ているという。それを支える成分として「ケフィア発酵XGL」が配合されている。さらに今回は、資生堂が開発したグリシンが2つ連なった「グリシルグリシン」も入っている。友利の説明では、これは毛穴やキメの乱れの目立ちをなだらかにする成分である。つまり、バリア機能を整え、炎症につながるものを抑えながら、毛穴を目立ちにくくする設計になっているという。

テクスチャーについて友利は、前作はどちらかというと水っぽかったが、今回はしっかりカバーもできるタイプだと話した。「マットタイプ」と思う人もいるかもしれないが、実際はマットではない。みずみずしさを保ちながら毛穴にも対応する仕上がりだという。友利が向いているとしたのは、テカリやすい人、毛穴の開きやTゾーンのテカリが気になるインナードライ肌、混合肌、脂性肌の人である。

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イプサ セラム ファンデーション:敏感肌向けに光で粗を飛ばす

同じセラムファースト技術を使いながら、イプサのキー成分はシカ(CICA)、グルタチオン、オドリコソウエキスである。友利は、イプサを敏感肌などに寄り添うブランドと位置づける。そのうえで、炎症を抑えるシカが入っている点を「面白い」と評価した。グルタチオンは、ツヤ感やくすみ防止、酸化ストレスへのアプローチを担う成分として紹介され、抗酸化・抗炎症という観点から敏感肌に合うとした。オドリコソウエキスは、毛穴周りのキメを整える成分として挙げられている。セラムファースト技術によってこれら3つが最初に肌へ届くため、敏感になった肌でもくすみなどを抑える方向に働く、と友利は説明した。

仕上がりの特徴は「ライトリフレクションパウダー」である。キメの凹凸を光で飛ばす仕組みで、カバー力で隠すのではなく光で目立たなくするという。友利は、敏感肌の人は隠蔽感を嫌う傾向があるとし、軽く薄膜でナチュラルなのに粗は消していく仕上がりだと評した。

テクスチャーは資生堂のものと似ているが、より軽く、塗ると水のような感触だという。資生堂よりもツヤ寄りで、覆い隠すよりも肌感を残す方向の仕上がりになる。友利は、丁寧にスキンケアした後のようなツヤと透明感にたとえた。敏感肌の人、ファンデーションで隠蔽するのが嫌な人、塗っている感じが好きではない人に勧めている。

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マキアージュ エッセンスクッションEX ブライトグロー:クッション型と「スキンマグネット」

マキアージュが他の2品と大きく違うのは、クッションファンデーションである点だ。友利によれば、これまでセラムファースト技術を搭載した製品は基本的にリキッド系だった。今回はそれがクッション型で登場したという。

セラムファースト技術で配合されているのは、グルタチオン、グリシルグリシン、「ウォータリーキープエッセンス」である。友利は、グルタチオンはイプサ、グリシルグリシンは資生堂にも入っている成分だと整理した。そのうえで、ベタつきは嫌だがくすみを飛ばして「白玉発光」のような肌にしたい人に合うとしている。ウォータリーキープエッセンスは、スーパーヒアルロン酸と水溶性コラーゲンを組み合わせたもので、水分をまとうように働き、乾燥崩れを防ぐという。

もう一つの特徴は、マキアージュ独自の崩れにくさの仕組みである。友利の説明では、磁石のように肌にピタッと密着し、従来品より崩れにくく、よれも出にくい。友利が併用を勧めたのはマキアージュの下地だ。下地とファンデーションがS極とN極のように引き合い、「スキンマグネット」がより強化されて落ちにくくなるという。

絶対に崩したくない人、白玉のようなツヤ肌にしたい人に加え、手が汚れるのは嫌な人や外出先でのお直しにも使いたい人に合うと友利は話した。塗るとしっかり隠れる感じがあり、セラムファースト技術の3品の中ではカバー力が最も高いのではないかというのが友利の見立てである。色みはあるものの、塗った直後から発光するようなイメージで、しっかり隠したい人にはマキアージュを勧めている。

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SUQQU ザ ファンデーション:顔料を細かく分散させた摩擦感のない質感

続いて友利は、「ファンデーションといえばこのブランドは外せない」としてSUQQUのクリームファンデーションを挙げた。今回は5世代目の「ザ ファンデーション」で、友利は「ザ」が付く製品は一歩抜きん出たものだと話す。

皮膚科医として友利が最も驚いたのは質感で、摩擦感がまったくない「新次元のなめらかさ」だという。友利の説明では、ファンデーションは粉体なので、通常は粉体同士がミクロレベルでダマになる。それが塗るときのざらつきや肌への摩擦につながる。今回の新作に搭載された「高分散均一ベール技術」は、顔料を一粒一粒小さいままバラバラにできる技術で、ダマにならない。そのため塗り心地が驚くほどなめらかで、フラットに仕上がるという。

もう一つの工夫として友利が挙げたのはワックスの問題である。乳化と安定性のために、ファンデーションにはどうしてもワックスを入れる必要がある。ただ、ワックスは白く濁った感じの原因になる。SUQQUは独自の乳化技術でこれをカットすることに成功し、クリームファンデーションにありがちな濁り感をなくしたと友利は説明した。しっかり隠しながら摩擦なくきれいに塗れること、濁り感がないことから、友利は「唯一無二」のファンデーションだと評価している。

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アルビオン ミルクファンデーション:乳液に色を付けるという発想

友利が「今季大注目」としたのがアルビオンのミルクファンデーションである。アルビオンといえば先行乳液のイメージが強く、「アルビオンといえば乳液、乳液といえばアルビオン」というブランドが、乳液の中にファンデーションを入れるという発想で作った製品だという。友利は、色の付いた乳液そのもので肌を仕上げるイメージだと表現した。油分も水分も入っているので乾燥を防げ、肌への負担が少ないとも話している。

これまで実現が難しかった理由について、友利は次のように説明した。ファンデーションの量を増やすと分離したり、顔料を入れることできれいに伸びなくなったりするらしい。アルビオンは、通常ファンデーションでは行わない顔料への二重コーティングを施し、乳液に入れても分離しないようにした。さらに、シャバシャバのミルクベースでも粉体が一つずつ完全に分散するようにしたという。

仕上がりについて友利は、パパッと塗るだけで様になり、鏡を見ずにサッと塗ってもきれいに仕上がると評した。カバー力はそこまで高くなく、カバーを求めるならSUQQUのクリームファンデーションの方がいいという。友利の使い分けはこうだ。ディナーなどでツヤを浮き立たせた上質な肌にしたいときはSUQQU、毎日のメイクで乳液のように軽く仕上げたいときはアルビオンがいちばん良いのではないか。角層の水分・油分・天然保湿因子のバランスを整える乳液でバリア機能を整えながら、ファンデーションで粗を隠す。友利はこの発想自体を面白いと述べた。

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FAS ザ プランプ セラム ファンデーション:油溶性の発酵成分とゲル化オイル

最後はFASのファンデーションである。「プランプ」は弾力を意味し、ハリ感を演出する製品だという。友利はポイントとして成分と塗ったときの技術の2点を挙げた。

成分面の特徴は「一軸発酵オイル」(字幕での表記)である。友利の説明はこうだ。セラムファースト技術は別として、通常の油分ベースのファンデーションには油溶性の美容成分を入れたい。しかし油溶性の成分は意外と少ない。FASといえば発酵だが、発酵成分は基本的に水溶性のものが多い。そこで油溶性のオイル系発酵成分を探してたどり着いたのがこのオイルだという。通常のオイルと比べてアミノ酸、ミネラル、ペプチドなどが格段に多く含まれ、日中に起きる微小炎症を抑えるとされる。塗っているあいだオイルが肌に浸透していくので、炎症を抑え続ける美容液のような効果が生まれると友利は説明した。

技術面の特徴は「メモリーオイルゲル技術」である。目の下用のシートマスクのような固めのオイルは、通常ファンデーションには入れられない。FASは独自にオイルをゲル化して肌に乗せており、やや厚膜になる。その膜によって表情を動かしてもよれにくく、ハリ感が出て、日中の乾燥も抑えられるという。

実際に厚めに塗ると、オイル感を感じながらしっかりカバーされる。それでいて割れず、皮膚に追従するという。乾燥せず、割れず、毛穴落ちもしにくいうえに、炎症を抑えるオイルが日中ずっと肌に浸透していく。友利はこれを面白い質感と評し、6品の中で「たぶんいちばん隠してくれる」イメージだと話した。

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肌質や悩みからファンデーションを選ぶ

締めくくりに友利は、ファンデーションはメイクアップアーティストが語る分野だと思っていたと振り返った。それが今は、自分のような皮膚科医が技術や美容成分から語れる時代になり、とても面白いという。メイクアップ効果で選ぶのももちろん良いが、自分の肌質や肌悩みを基準にファンデーションを選んでみてもいいのではないか、というのが友利の提案である。動画内では、6品の位置づけを整理したマトリックスの図表も参考として示された。