「批判されるのは励ましだ」――92歳の田原総一朗が三宅香帆に語った喧嘩と言論の哲学
PLAYERS公式評論家の三宅香帆が、92歳のジャーナリスト田原総一朗と対談した。三宅は以前、田原の対談集に登場しており、今回はそれ以来の再会だという。読書から始まった話は、SNSでの批判、政治家の言葉、そして田原が生涯続けてきた「喧嘩」へと移っていく。三宅は批判される怖さや疲れを率直に口にし、田原は一貫して「本気で喧嘩するから面白い」と返す。対談はこのかみ合わなさを中心に進んだ。
三宅香帆が評論の道に入った経緯
冒頭、田原は三宅に、なぜこういう評論の仕事に入ったのかを尋ねた。三宅によれば、大学では文学研究をしており、論文を書くより現代の人に向けて伝えるほうが得意だと感じた。もともと批評が好きだったこともあり、今の仕事につながったという。
働くことと読書の関係も話題になった。田原は、三宅の「働いていると本が読めなくなる」という議論を取り上げ、本を読むのも働くことのうちではないかと問うた。三宅は、今の自分にとっては両者がほぼ重なっていると答える。ただしリクルートで会社員をしていた頃は、数字やエクセルを見てネットの動向を追う仕事と、本を読むことがまったく別のものになっていたと振り返った。本は小さい頃から好きで、覚えていないほど幼い頃から「活字中毒」だったという。
「批判するために本を読む」田原の読書
田原に読書が好きかと尋ねると、「好きとも嫌いとも言える」と答え、自分は批判するために本を読むのだと説明した。著者の言っていることを否定するためだという。三宅が驚いて理由を聞くと、田原は、ろくでもない書き手がたくさんいる、金が欲しくて書いているだけだと言い切った。
三宅は、本を書くのは大変で、今の時代は大した収入にもならない、それでも書くのはよほど伝えたいことがあるからではないかと反論した。田原は「よっぽど伝えたいことがあるような本を読んだことがありますか」と逆に問い、自分はほとんど出会っていないという立場を崩さなかった。
それでも田原は、本の価値そのものは否定しない。本を書くことで人間を変えられるなら面白い、というのが田原の考えだ。三宅はこれに同意し、自分が読んできた本はそういう本だったと語る。例に挙げたのが村上春樹で、文章ごと変えられた感じがあり、文体や生き方ごと影響を受けたという。三宅はまた、田原の田中角栄についての本にも感動したと伝えた。
「全部中途半端に」と「半身で生きる」
田原は、中央公論で読んだという「やることがたくさんあるから全部中途半端にやりたい」という主張を持ち出し、中途半端でいいのかと三宅に問いかけた。三宅はこれを自分の「半身でやりたい」という話だと受け取り、中途半端というより、半分ずつさまざまなことをやるほうがいいと考えていると説明した。
三宅はさらに、田原自身も家事をし、テレビに出て、本も書いていると指摘する。そうした複数の活動が今の田原を作っているのではないかと三宅は見ている。一方で今の日本では、テレビに出る人はテレビだけ、本を書く人は本を書くことだけ、と役割が決められがちではないかという問題意識も口にした。
田原の読書習慣についても聞いた。田原にとって読書は趣味で、時間があれば朝でも夜でも読む。読むのは移動中ではなく自分の部屋だという。本の入手は書店で買うものと著者本人から送られてくるものが半々だそうだ。ただ、最近読んで面白かった本を尋ねられると、「残念ながらないね」と答えた。
受ける言葉しか言わない政治家
田原は、今の政治家の本が面白くない理由として、政治家が世の中に受け入れられることしか言わない点を挙げた。受けないことを言えば排除され、本も売れない。だから受けることを言う。しかし受けることを言っているだけでは世の中を変えられない、というのが田原の見方である。
三宅は、昔の政治家は受け入れられないかもしれないことを言っていたのか、票を失う恐怖はなかったのかと尋ねた。田原の答えは揺れていて、昔と今の違いは受けることを言うかどうかだと述べる一方、「変わってないじゃない」とも発言している。そのうえで田原は、今は面倒なことを言う人の本もたくさんあるが、三宅はそれを読んで賛成してしまうのだろう、と水を向けた。
三宅は、今を作っている政治家の本よりも、時間が経った人の本を読むことが多いと答えた。田原は、今の世の中を変えよう、否定しようとする本を読めばいいが、そういう本がだんだんなくなってきた、と応じている。
「SNSって何ですか?」
三宅は、昔はなかったSNSでの炎上や批判が、本を書く人や政治家にとって大きな問題になっているのではないかと問いかけた。田原の最初の反応は「SNSって何ですか?」だった。三宅がTwitter、今でいうX、TikTokなどが主流だと説明すると、田原は、SNSは「真ん中」にない、端っこにあるものだと評した。
田原のいう「真ん中」とは、この国をこうしようという議論のことだ。これに対し三宅は、今の言論状況を説明した。「この国をこうしよう」と言えば、「そこに私は入っていない」「私はそうではない」と言う人が現れ、大きく批判してくるという。
田原は、だからこそ問題は皆が受け入れられる言い方しかしなくなったことだと返した。自分の主張をまったくしないから面白くない、せめて三宅くらいは受けないことでも「ガーン」と言わなければならない、と三宅を促した。三宅が、何か言うたびにいろんな人から批判されて終わる感じがあると打ち明けると、田原は「何か言って批判されるのは面白いじゃない」と答えた。
「やめちまえ、死んじまえ」は励まし
田原は「僕、批判大好き」と言う。「やめちまえ」「死んじまえ」と言われるのが面白く、それはむしろ励ましで、逆に頑張ろうという気持ちになるという。嫌な気持ちにならないのかと三宅が尋ねても、田原の答えは変わらなかった。
三宅は、かつて田原のもとに街宣車が来たという話に触れた。田原は、来たら戦うのが面白いと答える。怖くないのかと聞かれると、「半分怖いから面白い」と言った。まったく怖くなければ面白くも何ともない、というのが田原の説明だ。
嫌いな人を変えてやろうと思うのか、それが面白いと思うのかという問いには、自分を批判する相手が変化するのが面白いと答えた。褒めもしない、けなしもしない相手を否定しても面白くない。自分を批判する言葉があるから、それと喧嘩できるのだという。
相手が偉いほど面白い――田原流の喧嘩
どこで喧嘩をしてきたのかという問いに、田原は「その人間の存在を否定するわけだ」と答えた。三宅が朝まで生テレビなどでのことかと確認すると田原は肯定し、相手の地位が高いほど面白い、大臣や組織の長と喧嘩するのは面白いと語った。そういう相手が怒ってきたら「しめしめ」と思うのかと三宅に聞かれ、田原は本気で喧嘩すればいいと答えている。
喧嘩のコツを尋ねても「コツなんかないよ。本気でやればいい」。田原はさらに、今の世の中は飽きている、喧嘩しないからダメなのだ、と言う。三宅が、一対一の喧嘩は面白いが集団で来られるとどうかと聞くと、田原は、そのほうがもっと面白いという趣旨で答え、三宅を驚かせた。
田原は、自分には偉くなりたい気持ちがまったくないと言う。欲しいのは刺激で、非難されることほど強い刺激はない。話が通じないと思うことはないのかという問いには、通じないはずはない、相手が間違っているのだから、と答えた。相手が間違っていると信じて喧嘩するのが面白いのだという。喧嘩して相手に分かってもらえたと感じることも「時にはね」あるそうだ。
三宅はここで、怒るのはマイナスなことではなく楽しいことなのだと受け止めた。田原によれば、喧嘩すれば相手が本気になる。褒めてもらうのは本気ではないからだ。
「才能がない男と本気で喧嘩してくれる」ありがたさ
三宅が、人の本気を楽しめるようになったのはいつからかと聞くと、田原は、自分にはもともとまったく才能がないと思っていると答えた。才能も資格もない自分のような男を攻撃してくれる、本気で喧嘩してくれるのはありがたいことだ、というのが田原の説明である。
子どもの頃、いじめられるのが嫌だと思ったことはないのかという問いに、田原は「いじめも面白いじゃない」と答えた。話はすぐに、相手が総理大臣や組織の長であるほど面白いという話題に戻った。
朝生の司会術は「喧嘩させる」こと
三宅は、司会をしていて人と人が喧嘩している場面も面白かったのかと尋ねた。田原は、自分は喧嘩させるのが好きだと明かし、三宅は「初めて明かされる田原さんの司会術」と反応した。与党と野党のように、喧嘩しなければどうしようもないのだという。
三宅が、喧嘩しないと本気の意見が見えてこないということかと確認すると、田原は、本気で喧嘩するのは面白いと答えた。喧嘩すると口が滑って思ってもいないことを言う人もいるのではないかという指摘には、思ってもいないことをさらに追及すれば、やはり芯では思っているのだ、と応じた。本音を聞き出せてよかった相手を聞かれると、政治家は全部そうで、総理大臣をはじめとして、と答えている。
三宅は、喧嘩は最後に落としどころがつくから面白いのであって、永遠に喧嘩していたらつまらないのではないかとも問いかけた。田原は「僕は永遠に喧嘩してるよ」と答え、それも面白い、本気になられるのが嬉しいのだと語った。
国同士の喧嘩と「対米追随」への違和感
三宅は、国と国との喧嘩なら人を巻き込んで戦争になる、と話を広げようとした。ここで田原は日米関係に話を移す。日本は結局アメリカに言われるがままで、それでいいのか、誰が見ても対米追随だ、と述べた。三宅は、田原が田中角栄の話の頃から一貫してそう言い続けていると応じた。
喧嘩し続けるエネルギー源を問われると、田原は、正しいと思うことは言ったほうがいい、正しいと思うことを言わなくなったら結局対米追随になる、と答えた。何でもアメリカの言うことを聞くのではなく、戦争ではなく大統領と喧嘩したほうがいい、というのが田原の主張だ。三宅が確認すると、喧嘩することで逆に相手が動く、アメリカのそういう人たちは自分の言うことを聞いてくれる、と田原は語った。聞いてもらえている感覚はあるのかという問いにも「あります」と答えている。
自分が間違っていたと思うことはあるかと問われると、田原は子ども時代の対米戦争を挙げた。あれが間違っていたかどうかは難しい問題だとしたうえで、あの戦争に負けて対米追随になり、何でも言うことを聞くようになった、日本人として主張しなくなってしまった、と述べた。
田中角栄はなぜ田原に本音を語ったのか
出会った政治家で面白かった人物として、田原は田中角栄の名を挙げた。小学校卒でありながら大きな地位にのぼり、本音を言う人物だったという。誰にでも本音を言ったわけではなく、自分には本音を言った、それは信用してくれたからだ、と田原は語る。そのきっかけはアメリカとの関係をめぐることだと田原が言いかけたところで、同席者が経緯を補足した。
補足によれば、世の中がこぞって田中を批判していた時期に、田原は中央公論に「アメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄」を書いた。田中が失脚したのは金の問題ではなく、アメリカにやられたのだという内容である。当時の田原はテレビ局を辞めたばかりで、まだ無名だった。それでも田中はこの記事を読み、インタビューに応じて4時間を割いた。インタビューは文藝春秋に掲載されたという。三宅は、これが立花隆への反論という位置づけだったと田原が書いていたことに触れ、読んでもらえて嬉しかったのではないかと尋ねた。
この話を受けて三宅は、田原も本を命がけで書いているのだと感想を述べた。田原は、内容によっては完全にパージされる、パージされてもいいと答えた。パージされるかもしれないと思ったことは「しょっちゅう」あるが、そういう不安を抱えながらも大体書いてしまうという。書く原動力を問われると、自分の意思だと答えている。
女性議員の少なさと、途切れた最後の問い
終盤、三宅は、女性議員がまだ少ない理由を田原に尋ねた。田原はまず男女差別を挙げ、続けて、女性が男性に気を使いすぎていると思うと述べた。
最後に三宅は、今の日本や若い世代にこれだけは言っておきたい言葉はあるかと問うた。田原は「やっぱりね」と答え始めたが、その答えの中身は動画に収められていない。
僕、批判大好き。「田原なんてやめちまえ、死んじまえ」って言われる。
今の世の中だと、昔なかったSNSでの炎上とか、それはどう思います?
SNSって何ですか? SNSは……
この世の中、喧嘩するから面白い。喧嘩しないからダメなんだ。
田原さんが今の日本とか若い世代に、これだけは言っておきたいっていう言葉とかあったりしますか? やっぱりね、あの……
よろしくお願いします。ご無沙汰してます。よろしくお願いします。よろしくお願いします。よろしくお願いします。三宅です。覚えてますか? 覚えてます。あ、ありがとうございます。ちょっとお水を入れます。
で、三宅さんのね、こういう対談の本、何冊か読んでます。ええ、ありがとうございます。『まさかの最後の世代』っていう対談集に出させていただいて、それ以来の再会です。
田原さん、最近はお忙しいですか? まあ、忙しいと言うのか言わないのか。YouTube見ましたよ。対談されてたやつ。YouTubeの。うん。ああ、あれ面白かった。
そこで三宅さんは、なんでこういう仕事に入ったんですか? あ、それはテレビに出る仕事ってことですか? それとも物書きの仕事ってことですか? いやいや、こういう評論家。
ああ、私は大学で文学研究をしてたんですよ。で、万葉集を研究していて、その時に、論文を書くよりもうちょっと現代の人に伝える方が得意だなと思って、それで批評とか好きだったので、こうやっているところがあります。
働いていると本は読めなくなる。はい。ね、本を読むのも働くことじゃないですか? 本を読むのも働くうちってことですか? うん。でも現代人は、その勉強の時間すらなくなってると思いませんか?
じゃあちょっと聞きたい。はい。三宅さんの働くということと本を読むことは違うわけ?
私にとっては今は同じなんですけど、今は結構一緒になってるんですけど、会社員だった時、IT企業だった時は完全に分かれてましたね。どう分かれた? リクルートっていう会社にいたんですけど、数字を見たり、エクセルを見たり、ネットの動向を追いかけていることと、本を読むっていうのはすごく違うものになっていたなって思います。
うん。で、本を読むのがどんどん好きになったわけ。そうですね。元々好きでしたね。なんで本読み好きなの? うん。小さい頃から活字中毒だったんですよね。昔から本が好きだったので、覚えてないぐらいからです。
田原さんは昔からお好きでしたか? 本を読むの。好きも嫌いもないですね。おお、と言うと? つまり批判するために本を読むことが多いね。あ、批判するためですか? はい。それは著者の言うことを、著者の言ってることをですか? 著者を否定する。ええ、なんでですか? なんで否定したいんですか?
三宅さんは著者を否定しないの? 著者を否定……。だってロクでもない著者いっぱいいるじゃん。ただね、金が欲しいから書いてるだけで。金が欲しいからじゃないですよ。中身はない。いっぱい。始まって10分で言うことじゃないです。びっくりしました。
でも本を書くのって大変じゃないですか? だから大変な書き方をしてんのが、僕は……。あ。金のために書いてる。ああ、でも、今の時代、本を書いても大したお金にならないのに書いてるってことは、よっぽど伝えたいことがあるのかなと思ったりするんですけど。
そんなよっぽど伝えたいことがあるような本、読んだことありますか? 全くない。ないんですね。こんなやつはやめた方がいい、やめた方がいいと思いながら読んでる。
でも田原さん自身も本を書かれてるじゃないですか。田中角栄の本とか、すごい感動したんです。本と言えば、その本を書く人間が、そのことによって人間を変えられたら面白い。うん。同意です。そんな本ある? そうですね。私の読んできた本は結構そういう本でしたね。
例えば誰? 例えば、でも村上春樹さんの本とかは、やっぱり人生……。村上春樹の本はどこが素晴らしいの? 自分の文章ごと変えられた感じがしますね。文章とか生き方ごと影響を受けた感じがしますね。
うん。あなたは本を読んで人間が変わりましたか? 変わったというか、人間が変わったというよりは本に……。
一番、三宅さんっていうのはね、とても意欲的で、彼女はやることがいっぱいあるから、全部中途半端にしたいと。それ書いてた。中途半端? 中央公論で。中央公論で。全部中途半端にやりたい。ああ、半身でやりたいみたいな話ですね。はい。いいの? 中途半端で。
中途半端というか、半分半分でいろんなことやった方がいいと思っていますね。でも田原さんも、それこそ自分で家事したりだとか、あるいはテレビの仕事したり、本を書く仕事したり、やってらっしゃるじゃないですか。それがむしろ今の田原さんを作ってるのではって思っていて。今の日本の状況だと、テレビに出る人はテレビに出るだけ、本を書く人は本を書くことだけに決められてるのかなと思ってるんですけど。
田原さんは、本を読むのはいつやるんですか? 僕は本を読むのが趣味だから。はい。時間があれば本を読む。ええ、読んでるんですか? 朝でも夜でも読んでる。へえ。部屋で読むことが多いですか? それとも移動中とかに読む? いや、部屋で読む。
ああ。その本っていうのは書店に行って仕入れることが多いですか? うん。なるほど。いや、書店で買うのもあるし、本人から送られてくるのもある。半々かな。
へえ。最近読んで面白かった本とかありますか? 残念ながらないね。
それはやっぱり、今の政治家の本が面白くないのは、政治家がね、やっぱり世の中から受け入れられることを言うわけ。ああ。受け入れられないことは言わないんで。うん。全然ない。
昔は逆に言うと、世の中に受け入れられないかもしれないっていうことを言ってたんですか? そう。おお。それは、そうなったら投票されないかもっていう恐怖はなかったんですか? いや、だから受けないと結局全然排除されて売れないから、受け入れられることを言うわけだ。
ああ、昔の政治家と今の政治家って何が違うと思いますか? だから一番違うのは、受け入れられることを言うから全然面白くない。それはなんで変わった? 世の中を変えられないわけだよ。うん。要するに今のね、受け入れられることを言うんじゃ全然変えられない。
うん。それは何で変わったんだと思いますか? 昔の……。変わってないじゃない。昔の政治家、今の政治家……。今はめんどくさいことを言うやつの本がいっぱいあるわけだ。うん。で、あなたも書いてるんだけど、中途半端に読んで賛成しちゃうわけでしょ。
私はそこまで政治家の、今を作ってる人の本を読むというより、結構時間が経った人の本を読むことが多いので。いや、だから、つまり今の世の中を変えようと、否定する、そういう本を読めばいいんだけど、だんだんそんな本がなくなってきたね。
あ、それは今の世の中だと、昔なかったSNSでの炎上とか、SNSで批判されることっていうのが、今の本を書く人にとってはとても大きい、まあ政治家もかもですけど、問題だと思うんですけど、それはどう思いますか?
ちょっと、SNSって何ですか? SNSはTwitterとか、Xって言われるものとか、TikTokとかが今は主流ですね。
なんで、あなたの尊重するね、SNSは真ん中にないよね。何が取んな? 真ん中にないって、Twitterとかは端っこにいるじゃない。おお。真ん中っていうのはどういう意味? この国をこうしようと。
ああ、この国を例えばこうしようって言った時、今の言論を取り巻く状況って、例えばこうしようって言ったら、「私はそこに入ってないんじゃ」って現れる人がいたり、あるいは「私はそうじゃない」っていう人がいたりして、その人たちがすごく大きく批判してくる。
だから一番問題は、受け入れられる言い方しかしないんだよ。ああ。受け入れられない自分の主張を全くしない。だから面白くない。ああ。だからせめてあなたぐらいが、やっぱり受け入れられない自分の主張をガーンってやんなきゃ。
まあでも、結構私、言うたびにいろんな人から批判されて終わるなっていう感じがあって。例えばじゃあ、今の世の中の流れに何が気に入らない? 何が気になる? でもそれこそ、何か言ったらめっちゃ批判を浴びるだけって。
いや、何か言って批判されるのは面白いじゃない? 面白いですか? あ、僕、批判大好き。それはなんでですか? 「田原なんてやめちまえ、死んじまえ」と言われると面白い。
それは嫌な気持ちにはなりませんか? それはむしろ励ましだと思う。へえ。そこでむしろ逆にね、頑張ろうという気持ちだ。
昔だと街宣車とか来てたっていう話を聞いたことあるんですけど。うん。来たら面白いじゃん。街宣車が来たら街宣車と戦うのは面白い。怖いです。怖くないですか? え? 怖くはないですか? 半分怖いから面白い。へえ。全然怖くなかったら面白くも何もない。ああ、なるほど。あんただって半分怖いから面白いじゃん。そうですね。もしかしたらこうさんじゃないかと思うからするって面白い。なるほどね。
田原さんは、自分のことを嫌いな人を見た時に、それを変えてやろうって思いますか? それともそれが面白いって思いますか? だから僕を全般に批判するやつと喧嘩するのは面白い。はい。へえ。それは昔そういう経験があったんですか?
だってさ、褒めもしない、けなしもしない、そういうのを否定したって面白くないじゃん。ああ。ここに僕を批判する言葉があるから、それと喧嘩するのはいい。
ああ、喧嘩っていうのはどういうところでしてたんですか? その人間の存在を否定するわけだ。ああ、それは『朝まで生テレビ!』とかでやってたんですか? そうで、その人間の地位が高いほど面白い。だから大臣とか社長とかと喧嘩するのは面白いよ。
じゃあ結構そういう人が田原さんに怒ってきたら、逆にしめしめって思うんですか? そう。本気で喧嘩するのがいい。なるほどねえ。ちなみに田原さん的に喧嘩のコツはありますか? コツなんかないよ。本気でやればいい。ああ。いざとなったらやる。ああ、なるほどね。
やっぱりね、あなたがね、今の世の中に飽きてるよ。喧嘩しないからダメなんだ。うん。喧嘩すれば面白いよ。でも例えば一対一の喧嘩は面白いですけど、それに集団で来られるとなんだかなって思って。もっと面白い。すごい。それ、最初からそう思えてましたか? うん。
ああ、でも、やっぱりこの世の中だったら喧嘩するから面白い。はい。ああ、名言。僕はね、偉くなりたいって気は全くない。はい。刺激が欲しい。うん。だから非難されることほどね、強い刺激はないわけだから。刺激なんですね。
話が通じないって思うことはないですか? だから通じないはずはない。相手が間違ってんだから。なるほどね。こっちが絶対正しい、相手が間違ってると信じ込んでの喧嘩ってのは面白い。
ああ、それで、喧嘩して相手に分かってもらえたって思うことってありますか? 時にはね。ええ、喧嘩してきたから今の田原さんがあるっていう。そう。なるほどね。あんただって、田原って男はなんか喧嘩してると思わない? そうですね。思いますね。ね。それでこうやって今もできてんだから、ありがたいこと。
確かに、怒るっていうのはマイナスなことじゃなくて、むしろ楽しいことなんですね。そうそう。だって喧嘩するってことで相手が本気になるんだから。ああ。ただ褒めてもらうなんてのは全然本気じゃないからね。なるほどね。
その人の本気が楽しめるようになったのはいつからですか? 最初から、小さい時からですか? 僕は元々、自分には全く才能はないと思ってるから。うん。だから向こうが攻撃すんのはとっても面白い。おお。こんな男をね、攻撃してくれるってのはありがたいこと。へえ。なるほどね。
だってそれほど僕はね、才能がない。資格がない。うん。いや、だから、そんな男とね、本気で喧嘩してくれたらありがたい。へえ。
例えば小さい頃とかは、いじめられたら嫌だなって思う頃とかありましたか? それでも小さい頃から喧嘩好きだったんですか? だから、いじめも面白いじゃない? ああ。だから相手がね、総理大臣とか社長とかね。
田原さんが例えば司会とかやる時も、人と人とが喧嘩してるところも面白かったですか? 面白い。それは人の喧嘩を見るのも楽しいんですか? いやね、喧嘩させるのは好きだもん。そうだったんや。初めて明かされる田原さんの司会術。
自民党と野党を喧嘩させてたんですね。ね。喧嘩しなきゃどうしようもない。それは喧嘩しないと本気の意見が見えてこないってことですか? 本気で喧嘩するって面白いよ。
喧嘩すると、逆に口が滑って思ってもないことを言う人とかいませんか? 思ってもないことをさらに追求すれば、やっぱり心の芯では思ってんのね。なるほどね。まあでもそうかもしれない。
この人の本音を聞き出せてよかったなって思う人、今までいますか? うん。政治家の方とか全部います。へえ。それも総理大臣を始めとかね。
ただ、やっぱり例えば、喧嘩っていうのは、最後どっちかが仲直りというか、落とし前がつくから面白いみたいなところあるじゃないですか。喧嘩って終わりがあるから面白いみたいなところあるじゃないですか。で、永遠に喧嘩してたら、それはそれでちょっとつまんないじゃないですか。そう、僕は永遠に喧嘩してるよ。本当ですか? それも面白いんですか? 面白い。ああ、本気になられるのが嬉しいふうに。
それって、例えば国と国との喧嘩だと人を巻き込んで戦争になったりだとか、あるいは会社同士の喧嘩だと……。それがよくわかんない。結局アメリカに対してね、言うこと聞いてね。うん。それでいいのかね。うん。だって誰が見たって対米追従だよ。
田原さんはずっとそれをおっしゃってますよね。変わらずずっとおっしゃってますよね。それを田中角栄の話からずっと。
それで言うと、田原さんがずっと熱量を持って喧嘩し続けられてるエネルギー源っていうのはどこにあるんですか? 普通の人は喧嘩に疲れちゃう。
日本が力を失ったのは、アメリカにやられて……。書かれてましたよ。それでいいのかな? それでいいのかって思い続けられる。対米追従で何でもアメリカの言うことを聞くのはいいの? 戦争じゃなくて喧嘩した方がいいね。うん。大統領と。はい。
え、じゃあ田原さん、逆に戦争しても喧嘩した方がいいってことですか? 喧嘩することで、大統領は逆に……。うん。結局アメリカのそういう連中は僕の言うことを聞いてくれるわけだ。うん。聞いてくれる感覚はありますか? あります。あ。そこでも信じられてるのが田原さんの強みですよね。
そのエネルギー源はどっから来るんですか? だって正しいと思うことは言った方がいいんだよ。ああ。それに対して自分が間違ってた……。正しいと思うことを言わなくなったら、結局対米追従で。うん。なんでも言うこと聞くのは面白くないじゃん。はい。
文字では伝わらない熱量を。もっと分かりやすさを。伝えたいものが伝わる世界へ。映像配信の技術で支援するPLAY。
自分が間違ってたって思うことって、人生にありますか? ありますよ。ああ。どういう時だったんですか? どういうタイミングだったんですか?
だから、あの戦争。僕の子供の時の、アメリカとやった戦争。あれが間違ったかどうかってのは難しい問題ね。うん。結局あの戦争で負けて、対米追従で何でも言うことを聞くようになっちゃった。うん。つまり日本人として自立しなくなっちゃった。うん。
今まで田原さんが出会ってきた政治家で、この人はすごいとか、この人は面白いって思われた方っていましたか? それはやっぱり田中角栄、面白いね。へえ。どういうところが面白かったですか? 小学校卒だよ。それでそういう大臣になって、何でも僕に本音を言った。
うん。それはなんで逆に本音を言うぐらいになったんだと思いますか? やっぱり彼が政治家として本音で行きたいと思ったんだ。でも誰にでも本音を言うわけじゃないじゃないですか。誰にでも本音を言う人だったんですか? いや、僕にはね。はい。それはなんで田原さんには……。信用したんだよ。
どこのタイミングで信用したんですか? 何を? 田中さんが。人間として信用してくれたんじゃない? あ、そういうタイミングはあったんですか? ええ。ああ。それはちなみにどういうタイミングだったんですか? いや、つまり、やっぱりアメリカとの関係ね。
補足しましょうか? あ、是非。はい。あの、みんなが、世の中が田中を批判してる時に、「アメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄」っていう、田中の擁護というわけではないけれども、お金のことではなくて、アメリカにやられたんだっていうことを書いて。それで、まだその頃全然無名だったと思うんですけれども、テレビ東京をやめたばかり。うん。
田中角栄さんがそれを読んで、まだ無名だったのにインタビューに応じてくださって、4時間、時間を使ってくださったね。うん。中央公論にね、アメリカの……。中央公論だったんですね。えっと、書いたのは中央公論で、インタビューは文藝春秋です。ああ。
立花隆へのね、対抗として。立花隆さんへの結構反論だったみたいな話を書かれてましたよね。そうね。それはやっぱり読んでもらえて嬉しいっていう感覚はありましたか。そうですよね。
そういう話を聞くと、やっぱり田原さんも本を命がけで書いている方ではありますよね。そりゃそうだよね。うん。いや、書く内容によっては完全にパージされるからね。うん。そうですよね。パージされたっていいのや。うん。
パージされるかもって思ったことありますか? あります。しょっちゅう。へえ。で、そういう不安がありながら大体書いちゃう。ええ。それを書きたいって思う原動力はどの辺にあるんですか? 自分の意志の全部だね。
ああ。田原さんに聞いてみたかったのが、女性議員がまだまだ数少ないじゃないですか。それはなんでだと思いますか? 男女差別。ああ。ちょっとね、女性がね、男性に気を使いすぎだと思う。へえ。あれは世の中に……。
頑張ってください。頑張ります。今の日本とか若い世代に残したい言葉とか、これだけは言っておきたいっていう言葉とかあったりしますか? やっぱりね。はい。第7……
記事公開
