皮膚科医・友利新が語るロングUVA対策:日焼け止めを選ぶ3つの手がかり

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概要

皮膚科医の友利新は、この動画で「ロングUVA」をテーマに取り上げている。ロングUVAは肌の老化を進めるとされるが、どうすれば防げるのか、どの日焼け止めを選べばよいのか、そもそも本当に防ぐ必要があるのか。友利はこうした疑問に皮膚科医の立場から答え、ロングUVAは対策すべきだという立場を取る。

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UVAの啓発に関わった経験

友利がロングUVAに強い関心を持つ背景には、自身の経歴がある。本人によれば、約12年前(話の途中で14年前と言いかけ、12年前と言い直している)に、ロレアルグループのブランド「ラ ロッシュ ポゼ」とともに、UVAを世の中に広く知ってもらうための「UVAアンバサダー」を務めていた。紫外線にはUVAとUVBがあり、肌の老化を進めるのはUVAの方なので、UVAをしっかり防ぎましょうと伝える役目だったという。現在はこの役目を離れている。

当時は日焼け止め自体が「ベタベタするから塗りたくない」と敬遠されがちだったと友利は振り返る。その後、UVAは肌の奥まで届くので防ごうという考えが当たり前になり、多くの人が対策するようになった。そして最近は、UVAよりさらに波長が長く、より怖い紫外線として「ロングUVA」が話題になり、それに対応をうたう日焼け止めも登場している。

ロングUVAとはどの波長か

友利の説明では、UVBはおよそ280〜320nmの波長で、波長が短く、表皮に炎症を起こす。320〜400nmの長い波長がUVAで、そのうちおおむね380〜400nmをロングUVAと呼ぶという。

波長が長いほど肌の奥にダメージを与える。友利によれば、UVAのうち320〜350nm程度はこれまでの日焼け止めでもしっかり防げていたが、360nm前後から400nmまでは「未知なるゾーン」だった。この領域まで防ぐことが、ロングUVA対策だと友利は位置づける。

手がかり1:ロングUVAカットを明記しているブランドを選ぶ

どの日焼け止めを選べばよいかについて、友利はまず、ロングUVAのカットを明記しているブランドを選ぶのが一番わかりやすいと話す。

例として挙げたのがロレアルグループである。友利によれば、ロレアルグループは370〜400nm前後までを防げる独自のフィルター(紫外線吸収剤)を持っている。ロングUVAの中でも400nm近くを防ぐのはかなり難しい。ロレアルグループは400nmまで防ぐフィルターも持っているが、残念ながらそれを使った製品は日本では出ていないという。それでも400nm近くまで防げるフィルターはあるので、ラ ロッシュ ポゼ、キールズ、ランコムといったロレアルグループのブランドは安心だろう、というのが友利の見方である。

一方、独自フィルターがなければいけないわけではない。友利は、複数の紫外線吸収剤を組み合わせて400nm近くまで防げるとうたう例としてアスタリフトを挙げた。アスタリフトは「ロングUVA」ではなく「ディープUVA」という名前で、カットできていることを示すデータを取っているという。さらに、大きくうたってはいないものの資生堂もこの領域の対策をしていると友利は話す。こうしたブランドは成分をうまく組み合わせている、という点を覚えておいてほしいという。

手がかり2:白浮きするか、酸化亜鉛が多く入っているか

パッケージにうたっていなくても、手持ちの日焼け止めがどれだけロングUVAを防げるかを見分ける目安があると友利は言う。それが「白浮きするかどうか」である。

日焼け止めには紫外線吸収剤と紫外線散乱剤がある。友利の説明では、昔の日焼け止めは散乱剤の配合が多く、散乱剤は粉なので白浮きしやすかった。しかもどちらも油にしか溶けないため、「白くてベタベタする」のが昔の日焼け止めのイメージだった。その後、散乱剤を細かくしたり、油ではなく水に溶かす方法を取り入れたりして、テクスチャーが大きく改善した。今は散乱剤を多く入れなくても、吸収剤によって高い効果を出せるようになっている。

ただし友利によれば、散乱剤の中でも特に酸化亜鉛のような粉体は長い波長の紫外線を跳ね返してくれる。酸化チタンや酸化亜鉛が多く入っていれば、ロングUVAを防げる可能性は高くなる。そうした製品は白浮きしやすいので、振って使うタイプや白浮きするタイプ、裏面の成分表示で酸化亜鉛がたっぷり入っているものは、ロングUVAを防げていると考えてよいという。

「酸化亜鉛フリー」への注意

友利は、最近なぜか酸化亜鉛が悪者扱いされていると指摘する。毛穴に詰まる、肌に合わないのではないかといった理由で、「酸化亜鉛フリー」をうたう日焼け止めが多いという。

そうした製品をよく見ると、PAは「+++」程度で終わっているはずだと友利は言う。PA+++止まりの製品は、ロングUVAを防げていない可能性がある。酸化亜鉛が肌に合わない人は無理に使う必要はなく、吸収剤の組み合わせで防げているとうたうメーカーを選べばよい。それ以外の製品でしっかり対策したいなら、酸化亜鉛がしっかり入ったものを選ぶ方がよい、というのが友利の助言である。

ロングUVAは本当に防ぐ必要があるのか

「ロングUVAまで防がなくてもいいのでは」という声に対して、友利は皮膚科医として一言いいたいとし、研究論文を紹介した。

一つ目は、2022年に学術誌『International Journal of Molecular Sciences』に掲載された論文である。友利の説明では、この研究は340〜400nmの光だけを取り出し、特殊な光源を使ってロングUVAだけを人の細胞や皮膚モデル、実際の人の肌に当てた。友利は「この実験には絶対参加したくない」と感想を漏らしている。

その結果として友利が挙げたのは、まず大量の活性酸素が発生したことである。活性酸素は肌を酸化させ、脂質の酸化や、タンパク質の酸化であるカルボニル化を引き起こす。友利はこれを肌の「焦げ」や変性にあたるものだと説明する。もう一つは、コラーゲンやエラスチンを分解する酵素MMPを活性化させるシグナルが強まったことだという。

さらに友利は、2014年にも同様の論文があり、真皮の線維芽細胞でコラーゲンの破壊が進むことが示されていると述べた。こうした知見から、PAの表示だけでは本当にロングUVAを防げているかはわからないと友利は言う。そのため、ロングUVA対応を明記している製品、特殊なフィルターを持つメーカーの製品、あるいは酸化亜鉛がしっかり入っていてある程度白浮きする製品を使うことが、ロングUVA対策になるだろうと話す。

肌で試す比較実験の限界

友利は、Instagramで発信しているある人物にも触れている。友利が一度会ったことがある、とても肌のきれいな人で、背中などに複数の日焼け止めを塗り、どれが紫外線をしっかり防げるかを比べている。ただし友利によれば、そこで見ているのはおおむねUVBの影響だという。

UVBは肌が赤くなるといった形で現れる。UVAも即時黒化という形で肌が黒くなることはある。しかし、それ以外のコラーゲンやエラスチンの破壊は、何年もたってから表に出る蓄積的な変化である。そのため、肌の見た目の変化だけで防げている・防げていないは判断できないと友利は指摘する。一方で、体を張った素晴らしい実験だとも評価している。

日焼け止め、メイク、日傘を組み合わせる

友利によれば、ロングUVAは場合によっては30年ほどの長い年月をかけて、真皮のコラーゲンやエラスチンを変性させていく。後になって「あの時の説明を聞いておけば」ということにもなりかねないので、念には念を入れて対策しておくべきだという。

具体策として友利は、メイクをすることも一つの手だと話す。ファンデーションには酸化亜鉛や酸化チタンが入っているからだ。ただ、メイクだけで防ごうとするとかなり厚塗りにしなければならない。そのため、日焼け止めをしっかり塗り、その上からメイクをし、日傘なども使って紫外線を防ぐよう勧めている。そうすれば10年後、20年後も老化の進んでいない肌を保てるのではないか、というのが友利の結論である。