皮膚科医・友利新が選ぶ2026年秋冬の注目ドラッグストアコスメ6品

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概要

皮膚科医の友利新は、2026年秋冬の新作発表会や資料を読みながら「ずっと興奮しっぱなしだった」と語り、ドラッグストアコスメ(ドラコス)6品を紹介した。友利によれば、デパコスの進化に追いつこうとするようにドラコスも大きく進化している。皮膚科学をベースにした研究が進み、医療に近づいてきた。数年前ならデパコスが打ち出していたような内容を、ドラコスが語るようになったという。

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取り上げたのは、なめらか本舗、ソフィーナiPベーシック、カルテ、ONE BY KOSÉの4ブランドと、今期新しく登場するウルタンク、神秘メソッドの2ブランドである。前の4つは友利がこれまでも紹介してきたブランドの進化版で、後の2つは視聴者にとって初めて聞く名前かもしれないという。

なめらか本舗:肌の免疫バランスに着目したミルク化粧水

なめらか本舗は、豆乳イソフラボンを軸にホワイトニングや敏感肌ケアなどの製品を展開してきた。今回は既存の保湿シリーズがリニューアルされ、8月4日に発売された。友利が目玉として挙げたのは「ミルク化粧水」である。ミルクといえば乳液ではないかと不思議に思ったという。

友利によると、リニューアルのポイントは2つある。1つは肌の免疫バランス、もう1つは角質の質を高めるタンパク質への着目だ。

1つ目については、発酵させた大豆のエキスが配合されている。このエキスは「肌の免疫の司令塔」と呼ばれるランゲルハンス細胞に働きかけることが分かっているという。友利の説明では、ここでのランゲルハンス細胞は炎症を起こすタイプではなく、免疫を穏やかに抑える抑制系の免疫細胞である。免疫は異物が来れば炎症で押し返し、それが終われば抑制系が働く、というバランスが大事だ。しかし私たちの肌は過剰に反応しがちなので、ランゲルハンス細胞を介して免疫を抑え、守りのバランスをとる。これが今回のポイントだと友利は述べた。

2つ目は、フクユタカという大豆由来の高純度豆乳イソフラボンである。保湿作用は以前から知られていたが、新しい研究データが出てきたという。表皮には角質のバリア機能の鍵を握るシスタチンAというタンパク質がある。これが増えると、バリア機能が正常になり、異物の侵入と水分の蒸散が抑えられる。さらに、古くなった角質が適切なタイミングで剥がれるようになる。友利はこれを、ピーリングではなく自然なターンオーバーを調整するような働きだと説明した。高純度豆乳イソフラボンがこのシスタチンAを増やすことが分かったのだという。

友利はこの2つの成分の働きをこうまとめた。一方で免疫の過剰を調節し、もう一方でバリア機能を整えて不要な角質を排出する。その結果、保湿がしっかりでき、くすみにくい肌になる。ドラッグストアのコスメにここまで科学的なエビデンスのある成分が入っていることを、友利は高く評価した。グリチルリチン酸ジカリウムも配合されている。保湿したいがごわつきは避けたい人に向いており、秋冬にたっぷり使ってほしいとした。

ソフィーナiPベーシック:外から水分を取り込む「自発給水テクノロジー」

ソフィーナiPベーシックの「うるおいターボ化粧水」について、友利は別の動画で深掘りしたとして手短に紹介した。友利によれば、花王はこれまでセラミドを補ってバリアを保ち、水分を逃がさないアプローチをとってきた。今回は「自発給水テクノロジー」を採用した。乾燥させないだけでなく、外から水分を取り込むという。

最初は意味が分からなかったと友利は振り返る。イメージとして挙げたのは、クローゼットなどに置く除湿剤だ。同じものが入っているわけではないが、そういう考え方の技術だという。肌の天然保湿因子がいかに効率よく水を引き寄せるかを物理学的に突き詰めた結果、糖・アミノ酸・塩の3つの組み合わせにたどり着いた。液体でありながら水分を引き込めるという。

組み合わせ自体はありふれたものだ。しかし独自の黄金比で配合されており、特許も取得しているため、他社は真似できないと友利は述べた。塗るだけで外の水分を吸着し、潤いの膜を張る。セラミドも配合されている。友利は、乾燥を抑えることは乾燥から起きる炎症を抑えることにつながり、エイジングケアの基本だと語った。これがドラッグストアで1000円で買えることを評価した。

カルテ:敏感肌向けの「攻め」のエイジングケアゲル

カルテからは「リンクル&ホワイト モイスチャーゲル」が紹介された。カルテの特徴はヘパリン類似物質である。皮膚科医がアトピーの人や湿疹の出た赤ちゃんに処方するヒルドイドにも含まれる成分だ。友利によれば、カルテはヒルドイドを作っている会社が一緒に立ち上げたブランドで、医療グレードのヘパリン類似物質を配合している。

これまでのカルテは敏感肌や乾燥肌に寄り添う守りの製品だった。今回は、美白とシワ改善を打ち出した「攻めの敏感肌のためのエイジングケア」という位置付けだという。友利が「医療っぽい考え方」だと感じたのは、カルテが敏感肌のエイジングケアを「消火・再建・阻止」の3段階で考えている点だった。

1段階目の「消火」について。友利の説明では、敏感肌の人はバリアが低下し続けている。そのため紫外線、摩擦、大気などの影響で、肌の内側に常に微弱な炎症が起きている。これがエイジングを加速させる原因になる。その火種を消す役割として、グリチルリチン酸ジカリウムを配合している。

2段階目の「再建」はヘパリン類似物質が担う。友利は、水分を引き寄せる成分というより「優秀な大工さん」のようなものだと例えた。乾燥すると角層のラメラ構造がばらばらになる。ヘパリン類似物質は、ラメラボディとも呼ばれる層板顆粒を増やすことが分かっている。層板顆粒はラメラ構造の「卵」のようなものなので、バリア機能の構造自体を立て直すイメージだという。

3段階目がナイアシンアミドである。メラニンの受け渡しをブロックし、ヒアルロン酸の産生を促すことで、美白とシワ改善の両方に働く。肌荒れ防止にもなるため、敏感肌の人に向いた有効成分だと友利は説明した。

テクスチャーも特徴だという。水と油が層状になったラメラ構造の「αゲル構造」を採用している。バリアを補強するようなみずみずしさがあり、クッションのような役割も果たす。そのため、敏感な時期でも摩擦を感じにくい。摩擦は敏感肌の炎症につながるので、この点は重要だと友利は述べた。膜がピンと張ることで、引き上がったような即効性もあるのではないかという。エイジングケアを怖いと感じている敏感肌の人にぴったりだとした。

ONE BY KOSÉ:長寿遺伝子に着目した全顔シワ改善の化粧水・乳液

ONE BY KOSÉは、シワ改善美容液「ザ リンクレス」で知られる。今回はローション(化粧水)とエマルジョン(乳液)が登場した。顔全体の細かいシワに悩み、全顔でケアしたいという要望に応えた製品だと友利は見ている。

今回のキーワードは「美肌の寿命」と「復元」だという。友利はゴムを例に説明した。ゴムは引っ張れば戻るが、何度も繰り返すうちに復元力が弱まり、伸びきったままになる。加齢した肌も同じで、表情ジワが戻りにくくなったり、枕やマスクの跡がいつまでも消えなくなったりする。友利自身も最近、朝起きると枕の跡が残っているそうで、「自分ごと」として語った。

この復元力を高めるため、ONE BY KOSÉは長寿遺伝子サーチュイン1にアプローチしたという。「本当にドラコス?」と思ったと友利は言う。友利の説明では、長寿遺伝子は細胞の防御や修復モードのスイッチを入れる働きを持つ。これが機能していれば、跡がつきにくくなる。ONE BY KOSÉの「秘伝のタレ」は、グリセリンなどからなる複合成分「サーチュレーター」だ。これがサーチュイン遺伝子のスイッチを入れることが分かっているという。シワができる前に復元力を回復させておく発想である。

シワ改善の有効成分としてナイアシンアミドも配合されており、できてしまったシワにも働く。友利が面白いと感じたのは、両者の組み合わせだった。サーチュインが働くにはNAD+という体内のエネルギーの原料が必要で、その材料になるのがナイアシンアミドだという。サーチュレーターでスイッチを入れ、ナイアシンアミドで燃料を補う。この相乗効果で、予防と回復の両方に働けると友利は評価した。

さらに、友利の好きな成分「ライスパワーNo.7」も配合されている。友利によれば、ライスパワーNo.7は真皮のコラーゲンなどをサポートするほか、セラミドの産生を促して油分も補う。これによりバリア機能が高まり、乾燥による小ジワにもアプローチするのではないかという。

浸透には、コーセー独自の「イオン化カプセル浸透技術」が使われている。肌は一般的にマイナスに帯電している。そこで、コレステロールやリン脂質で作ったナノカプセルをプラスに帯電させ、肌に乗せるだけで吸着・浸透させる仕組みだと友利は説明した。使用感はリップグロスのような艶のベールがかかる感じで、肌がピンと張ったようになるという。友利はこれを乳化技術とカプセル浸透技術のたまものだろうと見ている。深いシワだけでなく、全体的な細かいシワ、表情の戻りの遅さ、跡のつきやすさが気になる人に向いているとした。

ウルタンク:油分を大量に含みながら水のような「潤い乳液水」

9月発売の新ブランド「ウルタンク」は、名前のとおり肌の貯水力に着目している。友利は冒頭で、コーセーの会社ではないかと推測しつつ、断定はしなかった。

友利の説明では、大人の肌は水分と油分のバランスが崩れて乾燥していく。肌の油分は30代をピークに急速に低下することが分かっている。皮脂は多すぎても問題だが、少なすぎると肌が硬くこわばり、水を入れても意外と浸透しない。水分も油分も少ない乾燥肌の人には、油分で柔らかくすることが大事だ。ただし、油分を足すとべたつく人もいる。そのため、水分と油分を一緒に入れることが重要になるという。

ウルタンクが開発したのは「潤い乳液水」である。乳液のように油分と水分を同時に与える発想で、見た目は真っ白な化粧水だ。最初にリリースを読んだとき、友利は、自分のような乾燥肌にはよいが、油分の多い人にはべたついて使えないのではないかと思ったという。実際には驚くほどしゃばっとしていて、すっと入っていく。テクスチャーは水のようなのに、見た目は白い。

友利によれば、通常の保湿化粧品の10〜15倍ほどの油分が配合されている。その中には、自重の何倍もの水を抱え込める特殊なオイル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)がたっぷり使われている。この基剤は高価で、なかなか配合できないものだという。表面にべたつく油分ではなく、細胞間脂質の油分を補うイメージだと友利は説明した。ニキビが多い人や脂性肌の人には向かないかもしれないが、大人のインナードライや乾燥肌の人にはぴったりだとした。

神秘メソッド:「ボトックスペプチド」配合の美容液とアイクリーム

最後は神秘メソッドの「ダーマセラム」とアイクリームである。友利は冒頭で、紹介するかどうか迷ったと明かしている。医療で使うボトックスを肌に塗るだけでよいのでは、と思わせるような、美容医療を揺るがしかねない成分が入っているからだという。

配合されているのは「ボトックスペプチド」、略して「ボトペプ」だ。最初は、昔からあるアルジルリンのようなボトックスを模したペプチドだと思い、今さらかと感じたという。しかし実際は違った。友利自身も肌への注射で使っている製剤のメーカーとタッグを組み、医師が注射するボトックスに似たペプチドを配合したものだという。アルジルリンなどとは次元が違い、AIシミュレーションを駆使して作られたと友利は説明した。

友利によれば、最近日本のクリニックでも使われている注入剤「CGスタイラー」に、このボトックスペプチドとヒアルロン酸が含まれている。従来のA型ボトックスは伝達物質を遮断してシワを作らせない。一方、このペプチドは「C型のボトックス」と呼ばれ、A型ほどぴたっと止めずに穏やかに効くという。

注入では、マイクロボトックスのように細かく入れて毛穴を引き締める用途に使われる。ほかにも、通常のボトックスでは筋肉が動かなくなりすぎる部位、眼瞼下垂があって額にボトックスを入れられない人、細かい皮膚のシワなどに用いるという。神経を完全に止めるのではなく、細かいくしゅっとしたシワを抑えるイメージだそうだ。そのため化粧品としても、シワだけでなく毛穴や皮脂由来の赤みなどにもよいのではないかと友利は見ている。

問題は、塗って本当に浸透するのかという点である。友利はメーカーに直接尋ねたという。「こんなの塗って効かれたら私たちの商売上がったり」と冗談めかして聞いたところ、答えはこうだった。もちろん注入のほうが効果は高い。ただし浸透は確認している。もともとボトックスを作ろうとしたのではなく、ペプチドの研究をする中で、エイジングケア成分を作ろうとしたら結果的にボトックスと似たものが「うっかり」できた。そして最初から浸透させる前提でペプチドを設計しているという。

友利は、シワ改善をうたえる製品ではないと断ったうえで、細かいシワや毛穴の引き締めにはかなりよいのではないかと述べた。ボトックス注射が怖い人に向いているほか、注射などの美容医療を受けている人の補助にもなるのではないかとした。

結び

友利は、熱くなって動画が長くなってしまったと述べ、どれも注目してほしい製品だと締めくくった。10月、11月にも優れた製品の発売が控えているため、その際にまた紹介するという。