甘さに頼らない「大人のロマンティックメイク」——下地もファンデーションも半分にして、パウダーで仕上げる肌づくり

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概要

ヘア&メイクアップアーティストの小田切ヒロが、モデルの新野尾七奈をゲストに「大人のロマンティックメイク」を実演した。小田切によれば、ロマンティックというと若さや「汚れていない」ピュアさを思い浮かべがちだが、ここで目指すのは甘さに逃げず、品格と意思を感じさせるロマンティックである。中心になるのはベースメイクで、「完璧に見えるのに肌自体は軽やか」なセミマット肌をどう作るかが、この回のテーマだ。

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初々しさから、凛とした大人の印象へ

小田切は、出会った頃の新野尾を「初々しい」印象だったと振り返り、いつの間にか大人の女性になったと話す。そのうえで今回のロマンティックを、初心でピュアな印象ではなく、経験を重ねた大人の肌に凛とした印象や洗練された印象を掛け合わせるものだと説明した。

凛とした上品な華やかさをベースメイクで実現するのは「とても難しい課題」だと小田切は言う。ただし、この回ではそれを簡単に叶える方法を紹介するとした。

塗りすぎず、あえて物足りなさを残す

普段のベースメイクについて聞かれた新野尾は「あまり塗りすぎていない」と答えた。小田切はこれを大切な意識だと評価する。塗りすぎると肌はきれいになるが、厚ぼったく見えたり、人工的でフェイクな印象になったりするからだ。

そこで小田切が勧めるのは、いつものファンデーションを半分ほどに減らして薄づきにすることだ。薄くすると、いつもよりカバーできていない、凹凸や毛穴が気になるといった不安が出てくる。小田切はその「少しレスした」状態の上から、特別なパウダーを重ねるという手順を示した。

この考え方は実演を通して何度も繰り返される。下地もファンデーションもいつもの半分にすると、その時点ではおそらく物足りないと感じる。小田切はそれで構わないと言う。少しずつ重ねて「少し物足りないかも」を繰り返し、最後のフェイスパウダーで完璧に着地させたいので、下地やファンデーションの段階では完璧を作らない。これが小田切の説明する順序である。

RMKルースパウダー4色の違い

仕上げに使うのはRMKのルースパウダーだ。ファンデーションを半分にした肌の上にふわっとかけると、ブラーリング効果で毛穴や小じわが一掃される、と小田切は紹介する。4色あるうち、小田切のお気に入りは「ブラーリングミント」だという。

ブラーリングミントはわずかにミントグリーンがかった色で、赤みや色ムラをワントーンに整える。テカりを抑え、毛穴をぼかす効果もあるため、いつもファンデーションで隠していた部分が「なかったかのように」見えると小田切は説明した。ストレスが多くなると毛穴が開くとも述べ、ファンデーションを薄くすることで透けたエフォートレスな印象になり、その上からこのパウダーで仕上げるとより完璧な肌になるという。

他の3色も紹介された。

  • トランスルーセントマット:ベージュ。しっとりサラサラの素肌感に仕上がり、「偽すっぴんパウダー」とも呼ばれる。すっぴん風に見せたいときに勧める。
  • ブライトアップラベンダー:透明感を底上げする色。顔のくすみが気になる人や、スキンケアをしても明るさが出ない人に向くという。
  • グロウピンク:濡れたような艶と潤いを足す色。ピンクのほのかな血色感とパール配合の効果で、つるんとした透明感と明るさを加える。乾燥している人や艶が出にくい人に勧める。

下地は顔の中心に、温めながら

ここから素肌の状態の新野尾に下地を乗せる。使うのはほのかなピンクのトーンアップ下地で、顔の中心に薄く置く。小田切は、顔全体が発光すると顔の形がきれいに見えないとして、まず頬の高い位置の「ビューティースポット」、鼻の中心からTゾーンへとタッピングで乗せていく。

下地は指でさっと伸ばすこともできるが、温めながら乗せると肌にしっかりフィットする、と小田切は言う。毛穴や小じわが気になる人は特に、スキンケアのように温めながら乗せるとよいという。顎、口周りへと広げると、小田切は「すごくきれいな立体感」「素肌感がきれいに引き出されている」と新野尾に見せた。この段階ですべてを一掃する下地を使うと、薄づき感や素肌感は失われてしまうと説明している。

ファンデーションはブラシで薄く、手の温度で仕上げる

ファンデーションはブラシでトントンと置き、外側へ滑らせるように全体へ薄く薄くつける。最後に手で優しくフィックスする。小田切は、薄づきにしたときは必ずファンデーションまでスキンケアのように扱い、手の温度で温めると素肌っぽく仕上がると話す。

仕上がりを見た新野尾は「すごく自然できれい」「素肌感が本当にありますね」と反応した。ただし小田切は、素肌感を生かしているからこそ、目の下や小鼻周りの色味はこれだけではカバーできないと指摘する。

ピーチのコンシーラーで色を補正する

目元のくすみや小鼻周りの赤みには、まずピーチ色のコンシーラーを使う。クマの輪郭部分に、しっかりつけるのではなくさするように薄くつけると、薄い膜のように仕上がるという。クマが気になるからといってたっぷりつけると、その部分が「隠蔽されたような」印象になってしまうと小田切は注意する。

目尻の強いくすみにはタッピング、クマの薄いところはさするように薄く伸ばす。まぶたのくすみには、ブラシを羽のように軽く持ち、撫でるようにタッチする。小鼻の周り、口角など唇の輪郭のくすみも同じ色で補正する。唇の周りのくすみを軽く取るだけで、口元が華やかで気品のある印象になると小田切は話す。

ベースメイクで「喜び」が湧くかどうか

薄くカバーできた仕上がりに新野尾が「嬉しいです」と言うと、小田切はその感情こそが正解だと応じた。小田切によれば、ファンデーションやコンシーラーを塗った後に喜びが出てこないのは間違いで、「隠れて安心した」「恐怖を閉じ込めた」と感じるようなら、それは間違ったベースメイクだという。

メイクは隠すことも隠蔽することもできるが、心の中の喜びを呼び起こすことがメイクアップの醍醐味だ、と小田切は語る。特にベースメイクは本人のライフスタイルや考え方がすべて出るパーツなので、内側から喜びが出てくるなら、素直な心までメイクアップできたことになるという。

肌色コンシーラーのタッピング——毛穴を埋めず、平らに見せる

ピーチで色味を補正した上から、今度は肌色のコンシーラーを薄く重ね、素肌っぽさを演出する。クマの輪郭からビューティースポットへはさするように、毛穴が気になるところはタッピングでつける。タッピングのときは、ブラシの根元や先ではなく中ほどを持ち、優しいタッチにする。小田切はこのタッピングについて、コンシーラーを肌にフィットさせるだけでなく、軽いマッサージ効果で肌が引き締まると説明した。Tゾーンに小じわがある場合はさすってからタッピングで薄くベールをかけ、夏場に凹凸が出やすい小鼻も同様にする。

新野尾が「コンシーラーをタッピングでつけたことがなかった」と言うと、小田切は毛穴を「埋める」方法との違いを説明した。毛穴にコンシーラーを埋めても、皮脂や汗、上からこする摩擦によって、いずれ掘り起こされて浮いてくる。一方、薄くタッピングすると毛穴の細かい部分までアプローチでき、薄くぴたっと密着するので、皮脂が出てきても皮脂に寄り添いながらその場にとどまる、というのが小田切の説明だ。

小田切はこの仕上がりを「毛穴がしっかり隠れた」のではなく「毛穴がきれいに見える」状態だと表現する。繊細なベースメイクは毛穴をなくすことがすべてではなく、毛穴をきれいに見せたうえで美しくフォローするやり方もある、と述べた。

コンシーラーをハイライターとして使う

次に別のコンシーラーを繰り出し、ハイライターとして顔の中心に立体感をつける。これもたっぷり置かず、手の甲で量を調整してから払うように薄くつけ、顎やビューティースポットに乗せる。指の温度でトントンとなじませるが、押し込んではいけないという。「しっかりついた」ではなく「なんとなく明るさが足された」程度が目安で、口角や小鼻の周りにも入れる。

この段階で小田切は、素肌感・明るさ・立体感は完璧だが、小じわや毛穴はまだ完璧ではないと言う。そしてここで「完璧ではない」部分を残しておくのが正解だと強調した。この時点で完璧にしてしまうと、パウダーを乗せたときに厚ぼったくなり、素肌の美しさがなくなるからだ。

仕上げのブラーリングミント

ここでブラーリングミントをパフで乗せる。パフに揉み込み、手の甲で量を確認してから、最初に触れるのは眉間の少し上だ。小田切は、ここがテカっていると不潔な印象に見えるが、さらっとしたマットに整うと爽やかで気品のある印象になると説明する。そのまま優しくタッピングで全体、小鼻、口周りへ。この季節は眉毛の中にもパウダーを入れ、毛を逆立ててかき分けながら中までセットし、元に戻す。まぶたにも軽く乗せる。

仕上がりについて小田切は、毛穴がどこにも見当たらず、キメが整い、小じわもぼかされていながら、肌自体はセミマットだと述べる。ブラーリングミントが顔のほのかな赤みも一掃し、涼やかに見せるという。これが「大人のロマンティックベースメイク」だとした。

小田切は、肌は服を着替えるようにシチュエーションに合わせて演出するのが大切だとしつつ、このベースメイクはベーシックとして持っておいてほしいと話す。TPOを問わず洗練と清潔感が加わり、好印象につながるからだ。オーディションや会食などの場面が多い新野尾に向けて、「なんて上品な方なんだ」と受け取られるメイクとして覚えておいてほしいと勧めた。

アイメイク:際からのグラデーションと、目頭だけの赤

アイシャドウは新野尾のお気に入りのパレットを使い、ピンクをベースにする。際からワイパーのように行き来させて乗せ、際が最も濃く、眉下に向かって薄くなるグラデーションにする。小田切はこのグラデーションを大人のロマンティックに「必須」だとした。ブレンディングブラシでぼかし、下まぶたは目尻側3分の1だけ5mmほど上下をつなげるようにぼかす。さらに別の色を際、目尻、目頭、下のまつ毛の生え際に重ねる。

アイライナーは真っ赤な「粘膜レッド」だ。全体には入れず、目頭の粘膜部分に「くの字」に軽く入れるだけにする。小田切によれば、これで意思のある目元になり、どこか官能的な大人の色気も出るという。

その理由として小田切は、皮膚の内側には血が巡っていて、粘膜はもともと赤みがあると説明する。その赤を利用して赤を足すと、粘膜がより赤く見える「色の倍率の効果」が生まれるという。しっかり入れると目が真っ赤に見えてしまうが、見える部分のくの字に薄く入れることで、目全体が色っぽい印象になると話した。

透けるブラックのまつ毛

マスカラは、小田切が「透けブラック」「クリアブラック」と呼ぶタイプだ。透けるブラックなのでやりすぎ感が出ず、とかし上げるようにつけると黒がそれほど前に出ない。

小田切は、黒でバサバサと1本1本がくっきりしたまつ毛は、若くてキュートなアイドル的な可愛さだと言う。これに対して大人の品格のあるまつ毛は、斜め45度にきれいにセパレートされていながら、前に立ちすぎていないことがポイントだという。新野尾も「黒って感じがしない」と応じ、小田切は「まつ毛にも透明感」を要点に挙げた。大人の洗練は細部に宿るので、表面的にきれいを纏っても細部を見れば表面的な人だとわかってしまう、というのが小田切の言い分である。

チークは上め・丸く、アイシャドウとつなげる

チークは「トゥルーロマンティック」という色。ブラシでまず縦に入れ、そこから外側へぼかす。シャープではなく丸く、目尻からハートを描くように広げる。

小田切は、大人はピンクを高めの位置に入れることでリフトアップ効果も得られると説明する。真ん中に丸く入れたり低い位置に入れたりするとキュートにはなるが、若作り感が出てしまう。ピンクを使うときは斜め上に入れ、アイシャドウとつなげることで、洗練された「大人の可愛げ」が手に入るという。鼻の中央にもさっと入れ、最後に下まつ毛にもマスカラを少しだけつけた。

眉と唇

新野尾はもともと眉の存在感があるタイプなので、とかし上げてから中央に集めるようにして、少しだけ細く見せる。眉が太い人向けの方法として紹介された。その後アッシュグレーの眉マスカラを表面に少しずつつけ、スクリューブラシで薄く整える。

唇はまずリップバームで質感を整え、リップペンシルで輪郭を取る。上唇は1mm、山の部分は2mmオーバーに描き、中も塗りつぶす。下唇はオーバーにせず唇どおりに縁取り、中を塗りつぶして完成とした。

ファッションを加えた「ロックロマンティック」

服とアクセサリーを変えた完成姿について、小田切はファッション要素を取り入れた「大人のロックロマンティック」だと紹介した。ロマンティックにもいろいろなタイプがあり、大人になったからこそ楽しめるロマンティックがあるという。これまでの新野尾はキュートで甘いピュアなロマンティックで良かったが、「いいお姉さん」になった今だからこそ、このメイクを楽しむ自分でいてほしいと小田切は語った。新野尾は「自分じゃないみたい」「大人になったんだなと自分でも今日実感した」と感想を述べている。

それでも小田切は「何よりも今日は肌」だと強調する。新野尾の肌はいつもフレッシュでみずみずしい印象があり、それも良いが、これからはセミマットでありながら毛穴・小じわ・たるみが一掃された、洗練された大人のブラーリングマット肌を、と話した。それがこのメイクを引き立てる秘訣だという。

最後に小田切は、このベースメイクは崩れにくいことも特徴だと述べた。年齢を重ねた肌や時間が経った肌には、毛穴の開き、小じわ、くすみ、赤み、色ムラといった現象が起きるが、下地・ファンデーション・コンシーラーでフォローするだけでなく、最後にパウダーでひとベールかけることで完璧を叶えられるという。ブラーリングミントには皮脂吸着効果もあり、汗や皮脂で崩れやすい季節にも勧めるとした。健康的でヘルシーな肌も良いが、服を素敵に見せたいときは肌をセミマットにさらっと仕上げると「ファッションが生きる肌」になる——これが小田切がこの回で示した結論である。