英語を話せるようになるまでの期間と、レベル別に何をすべきか

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概要

この動画の話者は、英語を「時間をかけるほど良いもの」とは考えていない。燻製やワインのように熟成させる必要はなく、英語はあくまでコミュニケーションの手段であり、目指すのは完璧な英語より「海外で早く友達を作り、たくさん練習できる状態」だという立場だ。話者自身、昔は英語も勉強も学校も嫌いだったと振り返る。そのうえで、自分でも話せるようになった最短ルートを、学習者のレベル別に整理して示している。

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闇雲に勉強するのが最も危険だという前提

話者はまず、「早く話せるようになりたい」と言って闇雲に勉強することが一番危ないと注意する。必要なのは二つで、一つは自分のレベルを知ること、もう一つはそのレベルに合った勉強法を選ぶことだ。

レベルに合わない方法を取ると、次のようなことが起きると話者は言う。単語を覚えたつもりでも会話で使えない。途中で伸びている実感がなくなり、学習が停滞する。モチベーションが続かずにやめてしまう。目標を決めても現在地が分からなければ、どれだけ遠いのかも分からない。この「分からない」という状態が挫折につながる、というのが話者の考えである。

鳥にたとえた5段階のレベル

話者は話す力を、鳥の成長にたとえた5段階に分ける。

  • レベル0(卵):単語が一つも出てこない。これから勉強を始める段階。
  • レベル1(ぴよぴよ):簡単な単語は分かる。
  • レベル2(巣立ち):3語程度のごくシンプルな文で話せる。最悪、気合いと根性があればどうにかなる段階。
  • レベル3(こなれ羽ばたき):接続詞を使って長めの文で話せる。軽い雑談ができ、海外旅行に支障がない。
  • レベル4(英語仙人):海外に住んでも問題なく、英語で友達を作り、深い話もできる。いわゆるネイティブレベル。

多くの人はいきなりレベル4を思い描くが、話者は、初心者がすぐにそこを目指すのはしんどいし、今でなくてもよいと言う。英語を話す相手と意思疎通するという目的なら、レベル2でも十分通用するという。多くの人がまず目指したいのはレベル3あたりだろう、というのが話者の見立てだ。

簡易テストと、次のレベルまでの目安期間

自分のレベルを知るために、話者は動画内で簡単なテストを出す。「What did you have for dinner last night?」と読み上げ、それを聞いた自分の反応がどれに当てはまるかを見る。

  • A:何も言葉が出ない → レベル0
  • B:「curry」「beef」など単語が苦し紛れに出る → レベル1
  • C:「I had curry」のように3語程度で答えられる → レベル2
  • D:「I had curry with my family last night」のように、詳細を含めた長めの文で表現できる → レベル3

話者はこれを「ほんまにざっくりとした」目安だと断っている。

期間については、勉強時間にもよるとしたうえで、一つ上のレベルに進むのにおおよそ3か月と話者は見積もる。本気でやるなら1日2〜3時間は欲しいという。本気で取り組めば、3か月でレベル0から2に上がることもあり得るというのが話者の見解である。

レベル0:中学1・2年レベルの単語を「使える」状態にする

レベル0の人に必要なのは英単語のインプットだと話者は言う。ビジネス英語、スラング、高校文法はいったん忘れる。洋画を見ながら、洋楽を聞きながら学ぶといった「かっこよさそうなもの」も、この段階では捨てるように勧める。

具体的には、中学1年生と中学2年生レベルの単語を完全に身につけることを勧める。たとえば「聞く」は listen、「聞こえる」は hear、「忙しい」は busy、「簡単な」は easy。これが瞬時に口から出てこないなら、話す以前に単語の基礎ができていない、と話者は指摘する。

落とし穴として話者が挙げるのは、apple や go のような単語を見てすぐ分かるので「もう単語は大丈夫だ」と思い込むことだ。見て分かるのは知識として知っているだけで、話すには聞き取れる必要があり、単語を「知っている」状態と「使える」状態はまったく違う。話者はこれを、野球のルールブックは熟知しているのに試合にはまったく出ない人にたとえる。だからこそ、知っている単語でも読み飛ばさず、単語帳の単語や例文を声に出してアウトプットすることを重視する。自分で発音できるようになった単語は聞き取れるようにもなり、実際の会話につながる勉強になるという。

話者によれば、中学で習う単語で日常英会話のおよそ8割はカバーできる。会話では難しい単語は意外と必要なく、ごく簡単な表現でも伝わる。だからこそこの基礎を雑にしないでほしい、と話者は繰り返す。

教材として話者が紹介するのは、最近見つけたという NGSL(General Service List)の単語リストのサイトだ。一般的な英語に含まれる単語の92%を網羅したリストだそうで、出現頻度の高い順に並んでいる。日本語訳を指で隠しながら、テスト形式で発音して覚えていく使い方を勧めている。

もう一つの勧めは、フレーズ帳に手を出すことだ。市販の単語帳、特に受験用のものには、初心者に本当に必要か疑わしい難しい単語が多いと話者は言う。会話は簡単な単語で言い換えられるので、日常英会話のフレーズに特化した教材を選ぶのがよいという。ここで話者は、真似して発音し、リスニングも鍛えられるよう工夫した自身のフレーズ動画も紹介している。

レベル1:「誰が・する・何を」の3語で文を作る

レベル1は、簡単な単語は分かるが、聞かれても文がぱっと出てこず、単語だけで最低限伝えている段階だ。この段階で話者が勧めるのは、今知っている単語を3語ほど組み合わせて、目に見えるものや今日やったことなど、あらゆるものを表現してみる練習である。

そこで覚えてほしいのが「誰が・する・何を」という構成だ。英語の文には必ず「私」「彼」のような主語があり、その隣には必ず動詞が来る。「私は飲んでいる」なら I drink。その後に「何を」が来るので、日本語とは語順が逆になる。「私はレモンティーを飲んでいる」なら、lemon tea を最後に置く。この型に当てはめながらいろいろな文を作ってみることを話者は勧める。

話者が「文法の穴」として挙げるのは、文法書を開いて仮定法、関係代名詞、無生物主語などを今すぐ勉強してしまうことだ。知っているに越したことはないが、なくても会話はできるので、今本当に必要かといえばそうでもないと話者は言う。この段階では、知っている単語や身近な単語でとりあえず文を作り、表現してみることが大事なフェーズだという。

例として話者が挙げるのは、I like パチンコ、I don't like caramel、I want coffee、I play tennis、I eat dinner といった文だ。この3語の型で、かなりいろいろなことを表現できるという。

この型がスムーズに使えるようになり、単語力もついてきたら、情報を後ろに足して文を長くしていく。I play tennis が言えれば、on the weekends、with my friends を足したり、I have been playing for 10 years と続けたりできる。ただし話者が強調するのは、I play tennis だけでも十分だという点だ。I play tennis と I play tennis on the weekends とでは、「私はテニスをする」という本質はどちらも伝わる。大事なのは前半の「誰が・何をする」というコアの部分であり、最初から完璧な長い文を作ろうとすると自分の首を絞めるだけだと話者は言う。

練習の中で「これは何て言うんだろう」という疑問が出てきたら、それが学びのチャンスだ。分からない単語や表現は必ず調べ、そこで出会った単語、フレーズ、文法、発音をその都度身につけるよう勧めている。

発音してアウトプットする理由

話者はレベル0に続き、レベル1でも発音を伴うアウトプットを強く勧める。根拠として挙げるのは、「自分が発音できる音は聞き取れる」という考えだ。英語でのコミュニケーションには、聞き取ることと、相手に伝わりやすく発音することの二つが必要になる。今どれだけ発音を練習しているかは、この二つに直接関係する。だから、単語や文を頭の中で作ったり書いたりするだけでなく、はきはきと声に出してほしいという。発音せずに文を作るだけでは、ただの知識で止まってしまいもったいない、と話者は言う。

この段階の教材としても、話者はフレーズ帳を勧める。SVO の文がたくさん載っており、特に日常英会話に特化したものがよいという。自身の動画については、単語から、文法から、発音重視でと、テーマ別にフレーズを学べるものを作っていると紹介する。どれにも共通して最も大事なのは、真似して発音しアウトプットしながら練習することだという。自分がその音を発音できなければ、聞き取れないどころか会話が始まらない、と話者は述べる。

レベル2:チャンクで表現の幅を広げる

レベル2は3語の文がスムーズに言えるようになった段階で、海外旅行は十分回れるし、最低限の大事なことを伝えて聞き取ることには問題がない、と話者は見る。ここから次に進むためのポイントは「話す」と「聞く」の二つだけだという。「なんとなく話せるが聞き取れない」「聞き取れるのに返答が浮かばない」という人もいるので、それぞれへの取り組み方を説明する。

話す力を伸ばす方法として話者が勧めるのが、チャンク勉強法だ。チャンクとは英語の「型」のようなものだと話者は説明する。日本語でも「◯◯がなびいている」という型の◯◯を、髪、旗、服と入れ替えるだけでいろいろな文が作れる。英語も同じようにパターン化でき、よく出る大事なチャンクを覚えるだけで会話力はかなり上がるという。

例として挙げるのが、What do you do? や What do you do for work? と職業を聞かれたときの I work as a ◯◯ だ。I work as a YouTuber. I work as an English teacher. I work as a designer. I work as a salesperson at a PR company. のように◯◯を入れ替えるだけで表現が作れる。主語を変えて He works as a firefighter. She works as a designer. とすることもできる。英語で文を作るのは難しく感じるが、よく出るチャンクはたくさんあり、主語や名詞や動詞を入れ替えるだけで多くの表現ができるので、ハードルは下がるのではないかと話者は言う。チャンクはたくさん出会うほどよく、自身の動画のほか、ChatGPT を使うなどの手段もあるとしている。よく出るチャンクをいかに勉強するかが、次のレベルに進む鍵になるという。

接続詞で自然な長い文を作る

もう一つのコツとして話者が挙げるのが、接続詞を使いこなすことだ。接続詞は and、because、so のようなつなぎ言葉である。たとえば It's sunny. / I'm going outside. / I'm going for a ride on my bike. という三つの文を、話者は It's sunny today, so I'm going to go outside and ride my bike. とまとめてみせる。三つに分けて言っても基本的なことは伝わるが、レベルが上がればこうした情報は一つの文で表現するもので、それは接続詞なしではできないと話者は言う。このレベルでは接続詞を全部覚え、文を長くする練習をするよう勧めている。

ジャーナリングとモデリング

話者が次に勧めるのが、英語で日記を書くジャーナリングだ。3語の文でもよいが、ここでは接続詞を使った長めの文に挑戦する。話者は「すらすら書けないものは話せない」と考えており、まずすらすら書けるようになることが話せる状態に近づく一番の近道だという。書いた文が合っているかは、ChatGPT に確認してもらう必要がある。

さらに、書いた日記をモデリングの素材にする方法も紹介する。モデリングとは、聞こえた英語の音を真似して出すことで、聞き取れる音を増やす練習だ。話者のやり方は、ジャーナリングした文を Google の翻訳機能などに読み上げさせ、それを真似するというもの。より自然な発音が欲しい人には NaturalReader などのサービスもあるという。書けるようになるだけでなく、聞き取れる・話せるようになることが目的なので、この繰り返しが大事だと話者は述べる。

モデリングで特に注意してほしいのがリンキングだ。ネイティブは Where did you get it? を一語ずつ区切らず、where と did がくっついて「ウェジュ」のように発音する。こうした現象が多いため、「読めるのに聞き取れない」ということが起きやすい。聞き取れるようになりたいなら、自分も同じように言えるようになるのがベストだと話者は言う。リンキングを意識して、できるだけ完全コピーを目指して真似するのがよいという。

モデリングはリスニングを大きく伸ばしたいこのレベルで特に重要だが、話者はレベル0から常にやってほしい方法だとも付け加えている。

レベル3:難易度を上げて場数を踏む

最後のレベル3は、海外旅行で困らず、友達も作れ、シンプルなことだけでなく自由自在に表現できる段階だ。多くの人が目指すならこのレベルであり、ネイティブと同等のレベルをいきなり目指す必要はないと、話者は改めて述べる。

この段階になると、何をどう勉強するかより場数が重要になると話者は言う。レベル0〜2でやってきた練習の難易度を上げ、とにかく量をこなす。コミュニケーションに必要な「聞く」と「話す」のうち、速い英語を聞き取るのは難しい壁だが、これはあらゆる英語の題材をモデリングすることで突破するよう勧める。

レベル0では避けるよう言っていた洋画も、ネイティブのフレーズをある程度真似できるようになったら挑戦してよい、と話者は言う。ただし映画をただ見るのはだめで、何フレーズか見たら止めて真似をする。あくまで映画という題材を使ったモデリングだと捉えれば、いちいち止めるのも苦にならないという。TED トークやポッドキャストは難易度が高めだとしつつ、英語の文として正しい素材のほうが確実だと話者は考える。洋楽も続くならよいが、文法がすべて正しいとは限らないので、どちらかといえば洋画のほうがよいという。

話す練習:PREP法とChatGPTの活用

話す練習では、話し相手がいないと特に「何を話せばいいか」で行き詰まりやすい。そこで話者が勧めるのが PREP 法だ。まず結論(私は◯◯だと思う)、次に理由(それは◯◯だから)、そして例、最後にもう一度結論を言う。自分の意見を、例を出しながら述べる練習になる。

話者の「今どき」のやり方は、ChatGPT に英会話を練習したいと伝え、TOEIC のスコアなど自分のレベルが分かっていればそれも伝えて、レベルに合ったトピックを出してもらうものだ。たとえば「英語は教科書より YouTube で学ぶほうがよいか」というトピックが出たら、その場で自分の意見を PREP の構成で言う。話者の例では、I think learning English on YouTube is better. と結論を述べ、This is because YouTube is more interactive. と理由を示し、動画のほうが本より発音を練習できる、モチベーションも上がると続け、最後に That's why ... と結論に戻っている。

理由や例まで英語で表現するのはかなり難しいので、まず書いてみて、すらすら書ける状態を作ってから話すのでもよいと話者は言う。書いた回答を ChatGPT に送り、文法の誤りを指摘してもらうのも勧めている。間違えたところを詳しく解説してくれる機能は徹底的に使うべきで、今は恵まれたツールがあるので活用するのがよいという。

完璧な状態は存在しない

練習を重ねて自信がついてきたら、実際にネイティブと話してみる。そのうえで話者が大事だと言うのは、「完璧な状態を作ってからネイティブと話そう」と考えなくてよいという点だ。そもそも完璧な状態はなく、それを目指すのは間違いだと話者は言う。話者自身も今でもたまに英語に詰まることがあり、「完璧な状態ってなんやねん」という感覚だという。

英語はあくまでコミュニケーションの手段で、目標は意思疎通ができるかどうかにある。基礎的な単語を身につけ、すらすら書けるようになるといった地味な基礎トレーニングをやり切れば、外国人と話すチャレンジをたくさんできるようになり、どんどん楽しくもなっていくだろう、と話者は締めくくっている。