英単語を「一度読んだら忘れにくくする」4ステップ:思い出す、何度も出会う、イメージで覚える、振り返る

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概要

「今年こそ英語を話せるようになりたい。でも単語帳は1回読んでも3回読んでも5回読んでも覚えられないし、そもそも読みたくない」。この動画は、聞き手のこうした相談に、TOEIC満点・英検1級のひなが答える形で進む。ひなは、一度で魔法のように忘れなくなる方法はないとしたうえで、「忘れにくくする仕組み」は存在すると言う。その仕組みを「思い出す」「再会回数」「イメージ化」「メタ改善」の4ステップにまとめて紹介している。内容はひな自身の学習経験と、記憶や脳科学的な勉強法を発信するYouTuber(ひなは「記憶博士」と呼ぶ)から学んだ知見に基づくと本人は説明している。

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記憶に残るのは「印象に残ったもの」

本題の前に、ひなは聞き手に「人はどういう条件があれば暗記できると思うか」と尋ねる。聞き手は「何回も見たとき」「間違えたとき」と答え、ひなはそれも正しいと認めたうえで、物事を覚えるうえでは印象に残らせることが大事だと述べる。

例として挙げたのは、年末に地元へ帰ったときに会った友人の話である。その友人がある場面で発した「ダー」という怖い声を、ひなは一度聞いただけで今もはっきり覚えているという。笑い話として語られたエピソードだが、要点は「1回聞いただけでも、強く印象に残れば忘れない」ということだ。ひなは、この「印象に残す」ことを意識的に仕組み化して勉強するのが、今回の4ステップの考え方だと位置づけている。

暗記に「根性」は相性が悪い

ひなは聞き手に、これまでどう暗記してきたかも聞いている。答えは「とにかく根性。1ページを見続ける」。結果については「マジで覚えられていない」と聞き手自身が認めた。

ひなは、自分は根性論のイメージを持たれがちだと前置きしつつ、覚えなければならないものを覚える場面では根性はいちばん相性が悪いと考えている。ある程度基礎がついて、旅行先で話しかけるような段階なら根性でもいい。しかし文法や単語といった基礎知識を身につける段階、つまり初心者のほとんどがいる段階では、根性に任せず、脳科学的に覚えやすい正しい方法を使ってほしいというのがひなの立場である。

ステップ1:思い出す(アクティブリコール)

ひなが「いちばん大事かもしれない」とするのが、思い出そうとする作業である。

単語帳で1日100語ほどをパラパラと眺める人は多いが、翌日もう一度やってみると意外と覚えていない。一部には覚えられる人もいるだろうが、ひなは効率がかなり悪いと見ている。ここでひなはTikTokやYouTubeショートを例に出す。昨日スクロールして何を見たか思い出せるかと聞かれ、聞き手は「マジで覚えていない」と答えた。ひなによれば、単語帳を眺めるだけの勉強はこれと同じ状態である。ショート動画なら強いインパクトのある映像は記憶に残るかもしれないが、単語はどれも平等に地味なので、眺めているだけでは何も残らないという。

見るだけの勉強と思い出す勉強の違いについて、ひなは脳には「アクティブリコール」という強力な仕組みがあると説明する。見たものをそのまま覚えようとするより、思い出そうとする行為のほうが記憶に送られやすく、脳が活性化されるらしい、というのがひなの説明だ。

身近な例として、レジでクレジットカードの暗証番号を忘れ、後ろに人が並んで焦っている場面が挙げられる。「なんだっけ」と必死に思い出した情報は、その後も記憶に残りやすい。これがアクティブリコールだとひなは言う。

英語学習への応用としては、英語と日本語訳を並べて眺めるのではなく、日本語訳だけを見て英語を思い出す方法を勧めている。動画では単語帳のページを使い、「積極的な」「デジタル方式の」といった日本語を見て、対応する英単語を「なんだっけ」と考える様子を示した。ノートに書き写して勉強した気になるのではなく、しんどくてもカロリーを使って「あれだ」と思い出す過程を、あえて学習に組み込んでほしいという。「ただ見ていただけでした」という聞き手に、ひなは「それはダメ」と返し、同じ時間を使うならこの程度の負荷は脳にかけたいと話している。

ステップ2:再会回数(何度も出会うこと)

2つ目は、同じ情報に出会う回数を増やすことである。ひなはここで「エビングハウスの忘却曲線」を紹介する。ひなの説明では、人間は学習したことを復習しなければ1時間以内に半分を忘れてしまう。せっかく思い出す作業をして覚えても、復習がなければ記憶はどんどん薄れていく。逆に復習して思い出し直すことで忘れる速度が下がり、繰り返すうちに長期記憶になるという。

「復習は響きからして嫌」という聞き手に、ひなは「だるいよね」と同意しつつ、復習しないならそもそも勉強しなくていいのではないかと思うくらい復習は欠かせないと率直に言う。復習をしない人が多すぎるというのがひなの見方だ。

なぜ復習が必要なのかについて、ひなは脳の働きから説明する。脳は自分にとって不要な情報を処理して忘れ、必要な情報だけを残す作業を自然に行っている。そうしなければ情報が多すぎてパンクするからだ。そしてほとんどの人にとって、英語は基本的に「不必要な情報」に分類されてしまう。復習して何度も出会うことで、脳はようやく「これは大事な情報だ」と判断し、記憶として残すのだという。

ここでひなは電話番号を例に出す。友達の電話番号は言えないが、自分の番号は言える。自分の番号は人に教えたりフォームに入力したりと、何度も触れているからだ。ひなは、脳にとっての「大事」とは感情ではなく出会った回数だと強調する。自分がどれだけ英語を大事だと思っていても、気持ちだけでは脳は動いてくれない。だから出会う回数で調整する必要がある、というのがこのステップの要点である。

例:「not as 〜 as I thought」を日常で使い回す

実践例として、ひなは少しややこしいフレーズ「not as 〜 as I thought(思っていたほど〜ではない)」を取り上げた。「I'm not as hungry as I thought(思ったほどお腹は減っていない)」「Lunch is not as expensive as I thought(ランチは思っていたほど高くない)」といった形で使う。

ひなが勧めるのは、このフレーズを日常の場面に当てはめて何度も口にしたり、頭の中で言ったりすることだ。朝の歯磨き中に「I'm not as hungry as I thought」と言ってみる。電車が思ったほど混んでいなければ「It's not as crowded as I thought」、担々麺が思ったほど辛くなければ「It's not as spicy as I thought」と言う。実際にそう思っていなくてもかまわない。自分で例文を考えてアウトプットすることで、そのフレーズに出会う回数を増やす。英語のフレーズは本来こうやって勉強してほしい、とひなは話す。

聞き手は、最初に聞いたときは覚えられないと思ったが、いくつも具体例を聞くうちに意味がつかめてきたと反応した。ひなは、最初は難しくても例文を重ねるほど分かりやすくなり、出会い続ければ必ず長期記憶になると応じている。

それでも「大事なのは分かるけどだるい」「単語帳を開きたくない」という人には、フレーズを壁に貼って視界に入るようにする方法を勧めている。目に入るたびに文を1つ作るなどゲーム感覚で取り組み、物理的に出会う回数を増やすのも最初はおすすめだという。

ステップ3:イメージ化

3つ目はイメージ化である。ひなは、単語・文法・フレーズを覚えるときには必ずやってほしいことで、これをしなければスムーズに会話できるようにはならないと思う、とまで言っている。

ひなが「accomplish」の意味を尋ねると、聞き手は「達成」と答えた。正解だが、ひなは日本語が出てくるだけでは不十分だと指摘する。「accomplish」と聞いたときに、何かを成し遂げている誰かの姿を思い浮かべるように、日本語ではなく絵で覚えるべきだという。日本語で覚えると直訳する癖がつき、スムーズに話せなくなるからだ。「Apple」と聞いたら「りんご」という日本語ではなく、りんごそのもののイメージを思い浮かべる。ひなは自分の過去動画の「Water = 水ではなく、Water = (水のイメージ)」という説明を持ち出そうとして、AppleとWaterを言い間違える場面もあった。

ひなはここで、記憶博士が紹介していた「二重符号化理論」を読み上げる。言葉とイメージをセットで保存した情報は、文字だけの情報より何倍も覚えやすく、記憶に定着しやすいという理論だ。聞き手は、文字だけより画像のほうが一気に情報を取り込める気がすると応じた。ひなも、文字の羅列より絵があるほうが全体像をつかみやすいと同意している。

聞き手が「赤ちゃんもそうやって覚えている」と言うと、ひなはネイティブの赤ちゃんの例に話を広げた。赤ちゃんは辞書を与えられるわけではない。母親がりんごを持ちながら「apple」と言うように、イメージと一緒に言葉を覚えていく。日本語でも「ママ」「パパ」「りんご」をイメージとともに覚えさせる。人間はイメージで覚えたほうが覚えやすい、というのがひなの説明である。

品詞ごとのイメージの作り方

具体的なやり方として、ひなは品詞ごとに例を挙げている。

まずクイズとして「increase」と「decrease」が出された。意味は増加と減少である。「増加」をどうイメージするかと聞かれ、聞き手は「ものが積み重なっていく」と答えた。ひなのイメージはもっと単純で、increaseは上向きの矢印、decreaseは下向きの矢印だという。正確で難しいイメージは必要なく、ざっくりでいい。単語によっては動きとセットで覚えるのも有効で、increaseとdecreaseを手の動きと一緒に覚えたり、「dance」なら踊りながら、「jump」ならジャンプしながら覚えたりしてもいい。動詞はこうした方法が使える。

名詞は物理的なものをそのまま思い浮かべればいい。難しいのは形容詞で、「怖い」をどうイメージするかは迷う。イメージしにくいときは文にしてしまえばいいとひなは言う。たとえば「My father is scary(うちの父は怖い)」という文を作り、少し怖い父親の姿を思い浮かべる。自分の実際の生活と結びつけて例文を作り、それをイメージとセットで覚える方法である。

副詞も難しいとひなは言う。「quietly(静かに)」はそれだけではイメージしづらいので、「I read quietly(私は静かに本を読む)」という文にして、静かに本を読んでいる人を思い浮かべる。

前置詞も文とセットで覚えることを勧めている。「Should I bring anything to the party?(パーティーに何か持っていこうか?)」の「to the party」について、ひなは尋ねている人の姿を思い浮かべればいいと言う。toは方向を示しているので、その人がパーティーに行くために何か必要か聞いている、と理解しておく。「I'm in the cafe」なら、inは円のようなもので「カフェの中」を表すので、カフェの中にいる人をイメージする。in、at、forなどの前置詞はそれぞれイメージである程度分解できるとして、詳しくは自身の文法動画で説明していると紹介した。いずれにしても、イメージで覚えるという本質は変わらないという。

ステップ4:メタ改善(自分の学習を振り返る)

4つ目の「メタ改善」は、ひなが独自につけた名前である。「メタ」は宇宙から見た自分、つまり自分を客観視することで、自分の行動や勉強を客観的に振り返る力を指す。

ひなによれば、これは暗記術そのものではなく、暗記術を実行するための土台であり、「なんなら一番大事かもしれない」。どれほど優れた勉強方法を知っていても、それを使いこなし、継続し、間違った方向に進んだら修正する力がなければ意味がない。最初は正しく勉強していても、気づけば軌道がずれていたり三日坊主になっていたりして、良い方法を知っていても続かない人がほとんどだとひなは見ている。

名前は難しそうだが、要するに「振り返れ」ということだとひなは言う。今日やったことを振り返り、計画を立てる。記憶博士は、勉強でメタ認知をして振り返りができている人のほうが圧倒的に成果が出ると研究結果をもとに述べていたという。ひなはそれを紹介したうえで、自分の経験からも本当だと思うと付け加えた。ひな自身はジャーナリングで学習の振り返りをしており、それによって毎日続けるのが楽しくなり、計画も立てやすくなったという。ジャーナリングの本を書いているほどなので、研究結果がなくても自分の経験だけで勧められる、とも話している。

また、ひなが運営する英語コーチングスクール「リンクアップ」では、生徒全員に日報のような形で振り返りを提出してもらっているという。今日何をやったか、何ができなかったか、単語がどれだけ進んだか、何分勉強したかを毎日コーチに報告する。勉強を記録し、計画通りに進んでいるかを確認することが大事だと説明している。

振り返りの前に、目標から逆算して計画を立てる

では振り返りには何を書けばいいのか。ひなは、振り返りの目的は今の課題と次にやること(ネクストアクション)を決めることであり、それは各自の目標によって決まると説明する。だから振り返りは、ただ今日やったことを書くことではない。最初に「どのレベルに、いつまでになりたいか」という目標を決めておく必要がある。

ひなが示した例はこうだ。「2026年中に中学英語を完全にマスターして、日常会話をスムーズにできるようになる」という長期目標を、できるだけ具体的に描く。12月31日に達成するには、今が1月なので12か月ある。半年後にどうなっていたいかを1か月単位で考え、たとえば「1〜2月は中学英単語を1000個マスターする」という中期目標を立てる。長期だけでなく中期の目標を立てることで、振り返りが役に立つようになる。「2月末までに中学英単語1000個」と決まれば、この1週間でやるべきことが見えてくる。それを計画通りにできたかを記録するのが振り返りだという。

聞き手が「逆算みたいなものか」と聞くと、ひなは英語学習者は逆算思考のほうがうまくいくと思うと答えた。リンクアップでも、生徒にまず大きな計画を立ててもらい、そのうえで毎日振り返りをしてもらい、軌道から外れたらコーチが修正するという形をとっていると述べている。

「難しそう」という聞き手に対して、ひなは振り返るだけなので難しくはないが、面倒くささが勝つ人が多いと思うと話す。勉強だけで精一杯なのに振り返りなんてだるい、という気持ちも理解を示す。やる気だけでどうにかなるなら振り返りはしなくていいと言いたいところだが、実際にはしたほうが学習の成功率は上がると思う。ひながこれまで見てきた中では、英語学習を始めた人の8割ほどが挫折するという。だからこそ振り返りを勧める、というのがひなの結論である。

4つのステップの関係

最後にひなは4つのポイントを整理した。1つ目の「思い出す」は、見て暗記するより思い出す作業を重ねること。2つ目の「再会回数」は、脳が不要な情報をどんどん処理してしまう以上、本当に覚えたい情報には何度も出会う必要があるということだ。1回読んだだけ、1回思い出せただけでは記憶は定着しないので、単語でも文法でもフレーズでも出会う回数が大事になる。3つ目の「イメージ化」は、英文を見て日本語訳が出てくる状態は理想ではなく、イメージとセットで覚えたほうが長期記憶に残りやすいということ。

4つ目の「メタ改善」は、これら3つの暗記術を実際に生かすための土台と位置づけられている。目標を決め、1か月単位で必要なことを考え、1週間でやるべきことを書き出し、その通りにできたかを毎日振り返る。自分の学習を客観視できる人は成功率が上がりやすく、そうすることで最初の3つの暗記術がより生きる、とひなは締めくくった。