1人1台端末は整った、次は活用の格差と通信速度:文部科学省が語るGIGAスクール構想の成果と課題
国立情報学研究所 - National Institute of Informatics文部科学省で学校情報基盤・教材課長と学校デジタル化プロジェクトチームリーダーを務める寺島史朗氏は、GIGAスクール構想をはじめとする学校デジタル化について、インフラ整備と活用内容の両方を担当している。大学関係者が多く参加するシンポジウムで、寺島氏は小学校・中学校・高校で今何が起きているのか、どの方向で取り組んでいるのかを紹介した。話の中心は、端末整備という成果のあとに残った課題である。後半では高校のDX推進と、初等中等教育での生成AI活用に対する文部科学省の考え方にも触れた。
世界でも例の少ない規模での短期整備
寺島氏はまず成果として、1人1台端末の整備を「世界に先駆け、わずか1年で整備完了」と表現した。コロナ禍もあり、令和2年から令和3年にかけて一気に整備を進めた。現在、小学校と中学校では1人1台端末の整備がすべて完了し、校内のWi-Fi環境もすべての学校で整っているという。
高校は順次整備を進めている段階である。令和6年度末には、全都道府県のすべての高校で全学年への配備が完了する予定だ。そうなれば、小学校1年生から高校3年生まで1人1台端末の環境が整う。寺島氏は、これだけの規模で整備した国は世界にもほとんどなく、海外からも注目されていると述べた。
課題は活用の格差、端末更新、通信速度
一方で寺島氏は、課題を3つ挙げた。1つ目は活用の格差である。端末とネットワークというインフラは整ったが、その使い方に差が出始めているのではないか、というのが文部科学省の認識だ。
2つ目は端末の更新である。配備したのはつい先日のように感じるが、来年あたりには導入から5年を迎える端末が出てくる。3つ目は通信速度だ。Wi-Fi環境は100%整ったものの、今後さらに活用が進むことを考えると通信速度が十分ではない場面が出てきており、通信環境をどう確保するかが課題になっている。
ICTを使う学校ほど「主体的・対話的で深い学び」が進んでいる
文部科学省は現在、「主体的・対話的で深い学び」の観点から授業改善を進めている。寺島氏は、この授業改善とICT活用の関係を示す調査結果を紹介した。
学校への質問では、「学級やグループで課題を設定し、その解決に向けて話し合い、まとめ、発表する」授業や、「自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発言や発表を行う」授業をどの程度行っているかを尋ねている。その結果、こうした授業をよく行っていると答えた学校ほど、ICT端末もよく使っていたという。
子どもにも同じ趣旨の質問をしている。資料や文章、話の組み立てを工夫して発表する授業を受けていると感じる子どもと、そう感じていない子どもに分け、全国学力・学習状況調査の平均正答率を比べた。そうした授業を受けていると感じるグループの小学校国語の平均正答率は73.5%だった。寺島氏は、算数や英語も含めてすべての教科で同じ傾向が出ていると説明した。
個別最適な学び・協働的な学びと子どもの実感
別の調査では、授業が「自分に合った教え方、教材、学習時間などになっていたか」という個別最適な学びに関する質問と、「学級の友達との間で話し合い、自分の考えを深めたり広げたりできているか」という協働的な学びに関する質問を子どもに尋ねた。これを「学校に行くのは楽しい」「自分と違う意見について考えるのは楽しい」という回答とクロス集計している。
寺島氏によれば、授業が個別最適になっていると感じている子どもほど、学校に行くのが楽しいと答える割合が高かった。また、協働的な学びができていると感じている子どもほど、自分と違う意見について考えるのを楽しいと答えていた。
寺島氏は、文部科学省が進める個別最適な学び、協働的な学び、主体的・対話的で深い学びを実現するうえで、ICT活用は効果的だと示唆される、とまとめた。そのうえで、こうした授業でICTを使っているかどうかには学校間・地域間で大きな差があり、この差を埋めることが大きな課題だと述べた。
推奨帯域を満たす学校は2割にとどまる
通信速度について、寺島氏は具体的な調査結果を示した。文部科学省は、当面これくらいの帯域は必要だという「当面の推奨帯域」を学校規模ごとに設定している。そのうえで、実際に学校でGIGA端末を使って通信速度を測ってもらった。
その結果、推奨帯域を満たしていた学校は2割にとどまった。残る8割の学校では、今後端末の活用が進むにつれて、通信速度が出ないことやインフラが整っていないことが活用の妨げになる。寺島氏はこの点に大きな懸念を示し、重要な課題として取り組むと述べた。
端末とクラウドで授業はどう変わったか
寺島氏は、GIGA端末の標準仕様とクラウド環境でどんな授業ができるかを指定校と一緒に検証しており、その様子を文部科学省のホームページで動画として公開していると紹介した。講演では時間の都合で動画を省き、写真でいくつかの事例を説明した。
小学校の音楽では、リコーダーの練習で各自の端末に先生が録画したお手本動画を流している。先生の指示は「自分の苦手なところから練習しなさい」というものだ。寺島氏は、写真に映る子どもたちはおそらく全員が違う箇所から練習しているだろうと述べた。これまでのリコーダーの授業は、先生が前に立ち全員で一斉に練習する形だった。寺島氏は自身の経験として、第1小節は完璧になってもいつまでも第2小節に進まない授業だった、と振り返った。一斉指導が減ったことで、先生はその時間を個別指導に充てられるようになったという。
ほかに、外国籍の子どもがデジタル教科書と自動翻訳機能を使って学ぶ事例も紹介された。寺島氏は、これによって学びが大きく保障される環境が整ってきたと述べた。
リアルかデジタルかの二項対立ではない
理科の授業について、寺島氏は、リアルかデジタルかという二項対立の議論ははっきり言ってナンセンスだと述べた。手を動かして実験することは当然必要であり、紹介した授業でも実際に実験をしている。そのうえで、実験の様子を端末で撮影して後から振り返る。
さらに、グループごとに同じ実験を行い、その結果をクラウド上に同時にアップロードしていく。A、B、Cそれぞれのグループの結果が並ぶので、自分たちの結果がほかのグループと違うことにその場で気づける。
ほかにも、黒板を写真に撮る生徒の例が示され、寺島氏は「ノートに書き写す」ことも変わりつつあると述べた。また、事情があって学校に来られない生徒が端末越しに参加し、登校している子どもたちと同じようにグループで議論する場面も見られるようになったという。
プレゼンテーションソフトで学習内容をまとめる場面では、友達がどうまとめているかをクラウド上で同時に参照できる。寺島氏は、答えが1つあって友達のものを見たらカンニングになる、という世界ではもはやないと話した。ほかの人の考え方やまとめ方を参照しながら自分の学習を調整していくことは、端末とクラウドがあってこそできることだと述べた。
DXハイスクール事業:1000校に1校1000万円
ここまでの話は義務教育が中心だったが、寺島氏は高校についてもDXハイスクール事業を紹介した。昨年度の補正予算で100億円を確保し、全国の高校1000校をDXハイスクールに指定した。1校あたり1000万円である。1000校は全国の高校の20〜25%にあたる。高校に年額1000万円の予算がつくのはこれまでにほとんどない取り組みであり、これで一気に高校のDXを進めたいという。
指定校には普通科の進学校だけでなく、農業科、工業科、商業科の高校も満遍なく含まれている。専門高校でも一気にDXを進める狙いだ。
指定の条件の1つは、情報IIなどの科目を開設することである。情報IIそのものに加え、数理・データサイエンス・AIの活用を前提とした学校設定科目や、情報IIの内容を含む職業系科目も対象になる。全国で情報IIを開設している学校はまだ10%そこそこだが、DXハイスクールでは開設が要件のため、一気に広がると寺島氏は見込む。
また、採択校は1000万円を使い、デジタルを活用した活動ができるスペースや装置を整備することになっている。事業の目標には、理系学部への進学率を今よりかなり高めることを掲げている。寺島氏は、大学側で進む理系分野への転換と合わせ、高校でもこうした取り組みを進めていると説明した。
事業は始まったばかりで、どんな事例が出てくるかはこれからだという。一例として、DXハイスクールに指定された九段中等教育学校が紹介された。探究型の授業を設定してSTEAM型の教育を行い、スマート農業などを組み合わせながら探究を進める計画で、環境整備も進めているという。
生成AIガイドラインの3つの柱
最後に寺島氏は、学校での生成AI活用について話した。文部科学省は約1年前にガイドラインを策定しており、そのポイントは3つある。
1つ目は、パイロット的に進めることだ。学習での利用は全校で一気に進めるのではなく、懸念やリスクに十分な対策ができる学校から始める。2つ目は、情報活用能力の育成である。AIを使った学習そのものはパイロット的に進めるが、ファクトチェックの力を含む情報活用能力の育成はすべての学校で進める。3つ目は、校務での活用を積極的に進めることである。
寺島氏は、学校でのAI活用が①から④の段階で進んでいくと説明した。現在はパイロット校を中心に、①から③あたりまで少しずつ進んでいる状況だという。まずは環境が整い、リスク管理がしっかりできる学校で①〜③をパイロット的に進め、そこで課題を見出したうえで、④の日常使いの段階に進みたいと述べた。この講演の後に発表する高校の事例も、こうしたパイロット的な取り組みにあたるだろうと寺島氏は述べた。
小・中・高のパイロット事例
高校の事例は後の発表に譲るとして、寺島氏は小学校と中学校の例を中心に紹介した。
小学校のパイロット校では、まず先生がAIとはどういうものかを解説する。次に、AIが生成した物語・詩・新聞記事と、実際の物語・詩・新聞記事を比べ、どちらがAIの作ったものかを子どもたちが比較・討論する授業が行われている。
中学校の事例は、学校のホームページを作る授業である。生成AIにコードを書いてもらいながらプログラミングを行い、ホームページを作成する。さらに、その内容を英語にする場面でも生成AIを使っている。
高校の事例として、国語の漢文の授業も紹介された。生徒たちは『老子』の一節を読み解き、それがどんな場面なのかを話し合う。そのうえで、自分たちの解釈をプロンプトとして入力し、生成AIに画像を作らせる。その画像を手がかりに漢文の世界を学んでいるという。
寺島氏は、こうした事例を積み重ねながら、生成AI活用を日常使いの段階へ進めていく取り組みを続けていると述べ、講演を締めくくった。
文科省の寺島でございます。色々肩書きが横文字で恐縮でございますけれども、今私の担当、ギガスクールを初めとして、学校のデジタル化のインフラ面、それからどう活用していくかっていうところの内容面と、両方担当しておりまして、今日、限られた時間ではありますので、ちょっとコンパクトにお話をしたいという風に思うんですけれども、ここのご参加者の方は大学関係、高校関係の方が多いという風に思いますので、今日の話題の中心は初等中等教育、小学校、中学校、高校で一体今何が起きているのか、どんな方向で取り組んでいるのかっていう、そういった話題提供を中心にお話をさせていただき、あと私のこの後のご発表で、高校での生成AIの活用の事例も発表されるということでありますので、私の発表の1番最後の時間に、この教育分野で、特に初中教育で生成AIをどういう風に使っていくか、どういう風に考えていくかっていうことを、今我々がどう考えてるかっていうところも少し話題提供させていただきたいという風に思っております。
1枚目のスライドですけれども、今のギガスクール構想の成果と課題というところでありますけれども、1番上の成果のとこに書いてありますように、世界に先駆けわずか1年で整備完了という風に書きましたけれども、これコロナもありまして、令和2年から令和3年にかけて、この1年2年の間で一気に整備をいたしました。今現在の状況で申し上げますと、小学校、中学校は全て1人1台端末の整備が完了しております。それから学校のWi-Fi環境でありますけども、これも全ての学校でWi-Fi環境が整っている今状況になっています。そして高校段階ですけれども、高校については今順次整備をしておりますが、今年度、令和6年度の末でもって、全ての高校で、全ての都道府県で全学年への配備が完了する予定となっておりますので、令和6年度末になりますと、小学校1年生から高校3年生まで1人1台端末の環境は整うということでございます。これ世界に先駆けてっていう風に書きましたけど、これだけの規模でこれだけの整備をしたっていう国はほとんど世界でもありませんので、かなり世界からも着目をされているというような今状況でございます。
2番目に課題のとこでありますけれども、インフラという意味では1人1台端末、そしてネットワークの状況、環境を整えたんですけれども、やはりこの活用の仕方、使い方、ここに少し格差が出始めてるのではないかっていうとこが、今我々が直面している課題の1つということでございます。それから課題の2つ目のところで、つい先日配備をしたと思っていたんですけども、もう早くも5年が経過をする端末も来年あたりで出てきますので、この端末の更新をしなければいけないっていうところが、今インフラ面での課題の1つでございます。それからもう1つインフラ面での課題は、先ほど100%Wi-Fi環境が整ったと申し上げましたけれども、このネットワークの通信スピード、通信速度がちょっと十分ではないっていうようなところも今出てきておりまして、これからどんどんどんどん使っていくということを考えた時に、この通信速度、通信環境をいかに確保していくかというところが1つの課題になっております。
このスライドでありますけれども、今我々、主体的・対話的で深い学びの観点から授業改善をしていこうということを今やっておりますけれども、例えば左上のとこで、黄緑のところに書いてありますが、学習やグループで課題を設定し、その解決に向けて話し合い、まとめ、発表する、こう主体的・対話的で深い学びの授業の1つの例でありますけれども、こういった場面、あるいはその左の下、自分の考えがうまく伝わるように資料や文章、話の組み立てなど工夫して発言や発表を行った、こういったアウトプットをしているかっていう、こういった授業について尋ねているわけですが、こういった授業をよくやっているという風に答えてる学校ほど、やはりICT端末をよく使っているという例が出ております。
これは子供たちに聞いた質問でありますけれども、子供たちに、自分の考えがうまく伝わるように資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表していた、こういう授業になっていますかっていう風に子供たちに聞いてみたんですけれども、左側の緑のグループは、そういう授業を受けていると思っている子供たちであります。反対にオレンジ色のところは、そういう授業になってないと子供たちが感じているグループです。これを全国学力・学習状況調査の国語や算数、あるいは英語の平均得点で見てみますと、そういう授業をよく受けたと思っているグループの小学校国語の平均正答率は73.5%、そういう授業になってないと思っている子供たちの小学校国語の平均正答率は
全て同じ傾向が出ております。これも子供たちに聞いた質問ですけども、左の上の縦で書いてあるところ、授業は自分にあった教え方、教材、学習時間などになっていましたか。要するにこれ、個別最適な学習に授業がなってますかって聞いてます。左の下、学級の友達との間で話し合いをし、自分の考えを深め広げたりすることができていますか。これ協働的な学びの授業になっていますかっていう風に子供たちに聞いています。横にとっているのは、上の方は学校に行くのは楽しい、あるいは下にとっているのは自分と違う意見について考えるのは楽しい。これをクロスしてみたものでありますけれども、上の方の個別最適な授業になっていると思っている子供は51%ほど、学校に行くの楽しいっていう割合が非常に多いです。下のところで、協働的な学びができてると思っている子供ほど、自分と違う意見について考えるの楽しいという風に思っています。
これが我々が今進めようとしている個別最適な学び、協働的な学び、あるいは主体的・対話的で深い学びということでありますけれども、最初のスライドで申し上げたように、こういう学びをするためにはICTの活用っていうのは大変効果的ではないかということが示唆されるというわけでございます。一方で、この使い方、こういった授業にICTを使っているかどうかっていうところには、非常に学校間、地域間の差が出ている。この差を埋めていかなければならないっていうのが大きな課題でございます。
それからもう1つは、先ほど申し上げましたように、ネットワークの遅さ、これが大きな課題でございます。これ資料、後でまたご覧いただければと思うんですけれども、右下の表を見ていただきますと、オレンジのところに書きましたのは、我々が当面これぐらいのスピード、帯域は欲しいよねっていう風に設定をした当面の推奨帯域であります。これ学校規模ごとに異なりますので、上の方から学校規模が小さい学校、下に行けば行くほど学校規模が大きい学校ということでありますけれども、その目標に対して、実際に学校でギガ端末でスピードを測ってみてもらいました。その結果が、一番右下を見ていただくと分かりやすいんですが、オレンジ色の当面の推奨帯域に対して、実際に学校で測った結果、満たしてる学校っていうのは今2割にとどまっているっていう結果が出ております。この残りの8割の学校について、これからどんどん端末の活用が進んでいく時に、やはりこのネットワークのスピードが出ない、このインフラが整っていないということで活用が進まないっていうところに非常に大きな懸念を持っていまして、これを大きな課題として今取り組もうと思っているというところが課題のもう1つでございます。
この1人1台端末で学校が変わるっていうことで、今我々一生懸命やっていまして、どんな風に学校が変わっているかっていうことを色々動画でお知らせをしているんですけども、ちょっと今日時間の関係で割愛をいたしますけれども、文科省のホームページにどんな風に学校が変わっていくかっていう様子が出ていますので、是非ご覧いただければという風に思います。これが動画ですけども、これまたホームページでご覧いただければと思います。
今動画でも紹介しているんですけれども、我々このギガ端末の標準仕様とそれからクラウド環境を使って、どんな授業ができるのかっていうことを様々な指定校と一緒に取り組んでいるとこでございますけれども、ちょっと写真でいくつか学校の様子を紹介したいという風に思います。左上のこれ小学校の音楽の授業でありますが、リコーダーの練習をしているんですけれども、端末を見ています。この端末には先生が自分でお手本の動画を録画したものがそれぞれ流れています。先生からの指示は、自分の苦手なところから練習しなさいという指示です。この写真には3名の子供が映っておりますけれども、おそらく全部違うとこから練習してると思います。今までのリコーダーの授業は、先生が前に立って「はい、せーの」で一緒に練習してたと思います。私、第1小節はもう完璧なんですけど、いつまで経っても第2小節に行かない。そんな授業が我々が受けてきた授業だったと思いますけれども、この3人の生徒はそれぞれ自分の苦手なところから練習していると思います。そうやって空いた時間は、右上の写真のように、先生は一斉指導ではなくて個別指導にどんどん時間を充てられるように、授業は変化をしております。
右下の写真は、これは外国籍の子供でありますけれども、デジタル教科書を使いながら自動翻訳機能を使って勉強する。これによって学びを大きく保障しているという環境が整ってまいりました。
これは理科の授業でありますけれども、当然、リアルかデジタルかっていう二項対立の議論は、はっきり言ってナンセンスだという風に思います。理科の実験、当然必要です。手を動かして実験をする、これ当然のことであります。これももちろん実験をしておりますけれども、それを端末で撮影をし、また後に振り返る。この右側のところ、ちょっと小さくて恐縮ですけれども、これはグループごとに同じ実験をしているんですが、実験結果をクラウド上で同時にアップをしていきます。Aのグループ、Bのグループ、それぞれの実験結果がどんどん同時にアップされていくので、あれ、なんか自分たちの結果とBとCのグループ、なんか違うぞっていうことは同時に行われます。こういった授業が今どんどん進んでおります。
それから左下のところは、このある生徒は黒板を写真で撮っております。もうノートに書き写すなんていうこと自体も変わりつつあるということであります。右下の写真は、これグループで学習しているんですが、端末に映っている子供って、ちょっと事情があって学校に来られてない生徒ですけれども、学校に来てる子供たちと同じようにグループでディスカッションするというような場面も見られるようになってきております。
これは左上のところは、子供がまとめている、プレゼンソフトでまとめている場面でありますけれども、これクラウドで、左の緑で囲んだところっていうのは、友達がどんなまとめをしているかっていうのを同時に参照しています。もはや何か1つの答えがあって、友達が書いてあるのを見たらカンニングだと、そういう世界ではないということでございます。それぞれの考え方、まとめ方を、友達がどうまとめてるかっていうことも参照しながら自分で調整しながら学習をしていく。これはやっぱり端末とクラウドがなせる技だろうという風に思います。今こんな風に授業はどんどん変わってきております。
時間の関係で何枚か飛ばしまして、高校の話を少ししたいと思います。これから高校の話でありますけれども、今はどちらかというと義務教育の話を中心にしてまいりましたけれども、高校についてもDXハイスクール事業ということで今取り組んでおります。これ昨年度の補正予算100億円をいただきまして、全国の高校1000校をDXハイスクールとして指定をしております。1校あたり1000万円×1000校で100億円でございますけれども、1000校って言うと全国の高校の20%から25%に当たる高校を指定をしております。それから高校に年額1000万の予算が出るっていうのは、これは今までではそうない取り組みでございますけれども、これで一気に高校のDXを進めようという風に思っております。
ここ見ていただきますと、いわゆる進学校だけではなくて、農業科、工業科、商業科、こういったところも満遍なく指定をしておりまして、専門高校でも一気にDXを進めたいという風に思っております。このDXハイスクールの1つの条件になってるところはあるんですけれども、1つの条件は、採択校では情報Ⅱなどの科目を開設してくださいっていうのは1つの条件になってます。情報Ⅱなどっていうのは、その①に書いてありますが、情報Ⅱという科目を開設する、あるいは数理・データサイエンス・AIの活用を前提とした学校設定科目をやる、あるいは情報Ⅱの内容を含む職業系の科目をやる。これ今全国では情報Ⅱの開設率っていうのはまだ10%そこそこの学校でしか開設はされていませんけれども、このDXハイスクールは情報Ⅱなどの開設が要件になっていますので、これで一気に進んでいくということでございます。
それから真ん中のところに、この1000万を使って、全ての採択校においてはデジタルを活用した活動ができるスペース、あるいはできる装置を買ってくれということになっていますので、この1000校の中にはどんどんこういう環境が整っていく。そして結果として、理系学部の進学率が今よりもかなり増えるということを目標に掲げております。これ大学の方の理系への学部転換ということと合わせて、高校でもこういったことを今進めているということをご紹介をさせていただきました。
これは今始まったばっかりですので、まだまだこれからどんな事例が出てくるかってのはこれからでありますけれども、これはDXハイスクールに指定された九段中等教育学校の1つの例でありますけれども、この探究型の授業を設定して、STEAM型の教育をやって、例えばスマート農業というようなことを組み合わせながら探究をどんどんやっていくということでございます。右側のところはちょっとイメージ図でありますけれども、環境もどんどん整えていっているという状況でございます。
最後2、3分で、AIの話、今度の最強高校の先生に繋がる話をしたいという風に思いますけれども、今、学校でのAIの活用について、昨年ちょうど1年前にガイドラインを策定をしたとこでありますけれども、ガイドラインのポイントは3つでございます。1つは、パイロット的にまずは進めていきましょうということであります。懸念を十分に対策できる学校から、これを始めていきましょう。これ学習での利用という意味では、一気に全部の学校で進めるんではなくて、まずはパイロット的に進めましょうっていうのが1つ目の資格であります。そして2つ目の資格は、AIを使った学習それそのものはパイロット的に進めるんですが、情報活用能力、いわゆるファクトチェックの力も含めて情報活用能力の育成、これは全ての学校で進めていきましょうっていうのが2つ目の柱でございます。そして3つ目、学校での校務、これは積極的に進めていきましょう。こういった考え方でガイドラインは成り立っております。
AIは学校の中で活用する場面は、丸1から丸4のような形で今どんどん進んでいくと思うんですけれども、今はこのパイロット校中心に丸1、丸2、あるいは丸3あたりまで少しずつ進んでいっている。最強高校もこの後の事例発表はおそらくこういう事例だという風に思いますけれども、まずは環境が整ったところ、リスク管理がしっかりできるところでパイロット的に丸1や丸2、丸3あたりを進めていく。そしてそういったところから課題を見出した上で、丸4番の日常使いをする段階に進んでいきたい。今の我々のガイドラインでは、丸1、2、3をパイロット的に取り組んでいるっていうのが今の現状でございます。
最後に事例をいくつか紹介をしたいという風に思いますけれども、おそらくこの後、最強高校の事例がありますので、小学校、中学校の例を1つ2つご紹介します。これは小学校のパイロット校での取り組みの例でありますけれども、民間の授業の流れ、AIについて知るということで、AIとはどういうものかっていうことをまずは先生が解説をいたします。そして2のところでは、AIが生成した物語や詩や新聞記事と、実際の物語や詩や新聞記事を比べて、どちらがAIが作成したものだろうかっていうようなことを比較討論しているっていうような授業が小学校では行われております。
これは中学校の事例でありますけれども、これ学校のホームページを作ろうっていう授業でありますけれども、この中では、この左の丸2のところで、生成AIを活用しプログラミングをするということで、生成AI自体にコードを書いてもらいながらホームページを作成している。そしてそれを英語にする、こういったところにも生成AIを使ってやっているというところでございます。
これ高校の国語の漢詩の授業でありますけれども、老師の一節を読み解いて、これ、この場面って一体どういう場面なんだろうかっていうことをプロンプト入力をして、この右上の画像ですね、これ生成AIが作り出した画像ですけれども、これは高校生たちが話し合って、こういう場面ではなかろうかっていうことをプロンプト入力をして、実際に画像を作ってもらった。これを出しながら、この漢詩の世界を勉強してる、こんな例が出てきております。こういった事例を今積み重ねながら、日常使いの段階へとステップを進めていくというような取り組みを進めております。大変駆け足で恐縮でございましたけれども、小中高等学校で今どんなことが起こっているかということを中心にご説明をさせていただきました。以上でございます。
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