円安・物価高から身を守る手段として中田敦彦が全世界株式を勧める理由:個別株・秘密株との区別から歴史、実践手順まで

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概要

円安と物価高を扱った過去の授業に対し、視聴者から「危ないのは分かった。では何をすればいいのか」というコメントが多く寄せられた。中田敦彦はこれに二つの方向から答える。一つは政治への働きかけ、つまり投票である。もう一つは自分の身を自分で守ることだ。今回の動画は後者を扱う。中田は、全世界株式(オールカントリー)へのインデックス投資が、預金に頼る家計を物価高から守る方法として歴史的に最適だと主張する。そのうえで、個別株と「秘密株」(投資詐欺)をこれとはっきり分けて説明し、最後に実践の手順をレベル別に示す。

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「オルカン」は銘柄のあだ名であり、特定商品の推奨ではない

中田はまず、タイトルの「オルカン」という言葉について断りを入れる。オルカンは三菱UFJアセットマネジメントが出している「eMAXIS Slim 全世界株式」という一つの金融商品のあだ名になっている。中田はこれを、トヨタの車種にプリウスやアルファードがあるのと同じ関係だと説明する。全世界株式に連動する商品はSBIや楽天からも出ている。手数料や取引条件に差はあるが、やっていることは同じで、全世界の主要企業約2500社をまとめた指数に連動させることだという。

中田が伝えたいのは、全世界の主要企業に分散投資する商品を買えば安定的に対策できるという考え方である。どれか一つの商品を勧めているわけではない。今回はどこからも金をもらっていないとも明言している。お金の授業は「間違えたら責任を取れるのか」「どこかから金をもらって勧めているのだろう」と言われやすいので、慎重に進めたいと前置きしたうえで、代表的な商品であるオルカンを例に説明すると述べる。

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預金は実質的に目減りしている

なぜ全世界株式が円安・物価高対策になるのか。中田は銀行預金との比較から説明を始める。預金金利は0.4%と言われ、税引き後の年利は0.319%になる。日本は金利を低くして企業や住宅ローンの借り手がお金を借りやすくしてきたが、それは貸す側にとって旨味が少ないことを意味する。中田は、駅前の銀行支店が減り、銀行の羽振りがよいという話を聞かなくなったことをその表れとして挙げる。アベノミクスが始まった2012年から14年、2026年に至るまで超低金利が続いてきたというのが中田の整理である。

これまで多くの人が低金利に我慢できたのは、物価が上がらないデフレが長く続いていたからだと中田は言う。ところが今は物価が上がっている。中田は、まだインフレではないと言っているのは一部の経済学者だけで、物価が上がっている以上、定義上インフレだと断じる。中田が示す数字では、2026年6月時点の物価上昇率は1.7%である。金利0.319%との差は−1.381%となり、預金しているだけで買えるものが減っていく。中田はこれを「預金が減っているのと同じ」と表現する。

中田は、円安を歓迎する論者は大企業の売上や借金の多い人の味方であり、最大の借り手は国債を大量に発行している日本政府だと述べる。政治家に気に入られたい経済学者は円安を肯定するが、自分は国民や視聴者の側に立つので、円安を歓迎する立場は取らないという。

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年5%前後の期待利回りがもたらす差

これに対して、オルカンをはじめとする全世界株式の期待利回りは約5%と言われる、と中田は紹介する。米国株、先進国株、新興国株を混ぜたもので、それぞれおおむね4〜6%の範囲にあるという。5%は少なく聞こえるかもしれないが、物価上昇1.7%を差し引いてもプラスが残る。

中田は、預金している人と投資している人の差を「地面が沈んでいる人と、ちょっと高い台に乗っている人」にたとえる。差は4.681%、つまり年に約5%違う。2000万円で考えると、年間約100万円の差になるという。

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インデックス投資は「選抜チームへの投資」

ただし、株は怪しい、怖いと感じる人が多い。中田は、自分が勧めているのはインデックス投資だけだと強調する。インデックスとは指数のことで、多くの企業をまとめて一つの数値で分析したものである。ユニクロやトヨタの株を買う個別株は想像しやすいが、全世界株は想像しにくい。そこで中田はサッカーにたとえる。

ワールドカップでどの選手がMVPになるかを、サッカーを知らない人が当てるのは難しい。知っている名前だからとメッシやロナウドに賭けるくらいしかできない。それに比べて、ブラジル代表やイングランド代表というチームごと買うほうが安定する。代表を選んでいるのは詳しい専門家であり、成績が落ちればすぐに外される厳しい世界だからだ。中田は、インデックス投資は本来「選抜チーム投資」と呼ぶべきで、「インデックス」という名前が悪いために個別株と混同され、人々が投資を怖がっているのだと言う。

代表的なものがS&P500で、アメリカの主要500社にまとめて投資する「アメリカ代表」である。厚切りジェイソンがS&P500を勧めた本は80万部売れたらしい、と中田は触れている。これに対して全世界株式は主要約2500社からなる「世界代表」だ。中田によれば、2500社に均等に配分するのではなく、NVIDIAやOpenAIのような勢いのある企業に多めに資金を配分する仕組みになっている。基準として中田が挙げるのは、時価総額(市場から集まった資金の大きさと期待)、規模(社員数や拠点数)、期間(ぽっと出の話題だけの会社ではないか)、流通量(どれだけ取引されているか)である。破綻した企業はすぐ外し、合併で枠が空けば新しい企業を入れる。配分比率もリバランスする。中田はこれを、毎日のように選手を入れ替え、成績に応じて渡す金額を変える厳しい選抜チームにたとえている。

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個別株は一般人にはギャンブル:30年でトップ10はほぼ総入れ替え

一方、個別株は一般人にとってギャンブルだと中田は考える。理由は、未来の予測が非常に難しいことだ。人は今輝いている企業が30年後も輝いていると思いがちで、だからこそ就職先に選ぶ。だが30年で世界は大きく変わる、と中田は言う。

その根拠として、1996年と2026年のS&P500の上位10社を比べる。中田によれば、両方に入っているのはマイクロソフト1社だけで、残りはすべて入れ替わっている。マイクロソフトはWindows 95で絶頂を迎え、一度沈んだが、クラウドやサブスクリプションで盛り返したと中田は説明する。1996年当時のAppleはiPhone登場前で、S&P500には入っていたものの500社中300位以下だった。当時の上位にいたのはIBMやIntelで、パソコンとインターネットの時代だった。

中田の問いはこうである。デザインはいいが変わった人が使うパソコンの会社だった当時のAppleに、お金を投じられたか。逆に、IBMやIntelを買わずにいられたか。多くの人はIBMやIntelを買い、Appleは買わなかっただろう。その後スマートフォンの時代が来てGAFAがIBMやIntelを抜き去ったが、1996年にそれを予見した人はいない。そしてこうした入れ替わりは今後も起き続け、10年後、20年後には今は存在しない企業がトップ10に入るだろうと中田は言う。

個別株で儲けた人は声が大きく、インデックスの5%など投資ではないと言う。しかし中田は、儲かっているインフルエンサーは時期ごとに入れ替わっており、その時だけ当たった人が多いのではないかと指摘する。ウォーレン・バフェットのように企業の業績(ファンダメンタルズ)を見て当て続ける本物の天才もいるかもしれないが、ほとんどは偶然当たっただけではないか、というのが中田の見方である。

中田は、自分の話し方が流暢すぎて謎の投資に誘導しているように聞こえるかもしれないと自ら認めたうえで、立場を整理する。個別株はやるな、インデックスをやれ、それもオルカンでなくS&P500でもよい、誰でも買える普通のインデックス投資を買ってくれ、というものだ。あまりに当たり前に並んでいるから、それがすごい商品だと気づかれないのだという。

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秘密株=ポンジ・スキームの典型的な流れ

「みんなの空気には騙されない、自分で良い商品を見つける」という人が引っかかるのが「秘密株」だと中田は言う。個別株はギャンブルだが、これは詐欺であり、確実に失うものだ。投資詐欺はほとんど、あるいはすべてが、100年前にポンジという男が考案したポンジ・スキームの手口だという。中田は、聞いていて耳が痛い人も出てくるだろうが最後まで聞いてほしいと前置きして、その流れを再現する。

まず、ブランド品を身につけた羽振りのよい人物が悩みを聞いてくれる。最初は「銀行預金では駄目だから投資すべきだ」と、中田と同じ入り口から話す。そのうえで「あなただけに特別に」「まだ未公開の情報だ」と持ちかける。中田は「未公開」と「特別」という言葉が出たら200%警戒してほしいと言う。全世界株は公開されていて誰にとっても特別ではなく、必ず買える。買えなかったという人は、たいてい何か手続き上のミスをしているだけだという。

次に、「オルカンやS&P500は年5%だろう、それでは来年、再来年に必要なお金に間に合わない。うちは20%、30%、40%だ」と高いリターンを示す。多くの人は投資と聞いて大きく増えるものを想像しているので、5%と聞くと物足りなく感じ、40%のほうがイメージ通りに思えてしまう。怖がる相手には「まず1万円から」と小額で始めさせ、毎月数百円を振り込む。しかしそれは預かった1万円の中から払っているだけである。相手が喜んだところで「本当はいくらあるのか」と聞き出し、100万円を出させようとする。ためらえば、投資家だけが集まるパーティーに誘い、「働くなんてばからしい、お金に働かせる」と言う人たちに囲ませる。

100万円を渡した後も、相手とは連絡がつく。「今トラブルで、もう少し待って」と言われ続けるが、お金は戻らない。中田によれば、連絡がつくことこそが逮捕されないための工夫である。逃げれば騙す意思があったとして捕まる可能性があるが、投資がうまくいっていないだけという形なら、投資は自己責任とされ、被害者への同情も集まりにくい。だから捕まえにくいのだと中田は説明する。こうした詐欺と個別株の損失話が膨らんで、人々は投資を怖がるようになっているというのが中田の見立てである。

30:51

株式の起源:大航海時代の「どの船が沈むか分からない」問題

ここから中田は、選抜チームという仕組みが数百年かけて人類がたどり着いた発明であることを歴史から説明する。株は働かずに儲けるずるいものだと思われがちだが、発祥は大航海時代にある。1600年にイギリス東インド会社、1602年にオランダ東インド会社ができた。当時、肉の保存に使えるコショウはアジアでしか手に入らない貴重品で、「ブラックダイヤモンド」と呼ばれた。しかし航海技術は未熟で、船が難破して戻らない危険があった。一人の金持ちが船を出して失敗すれば大損になる。そこで多くの人から資金を集めて船を作り、戻ってきた儲けをみんなで分ければリスクが分散される。中田はこれが株式の始まりだと説明する。Appleの株を買うことも、Appleという船の成功を信じてお金を渡すことだという。

ただし問題が残った。どの船が沈むかは分からないということだ。中田によれば、人類は約300年間この問題を解決できず、未来は当てられないという結論にとどまっていた。

33:55

覇権国アメリカの登場とS&P500

状況が動いたのは第二次世界大戦後だと中田は言う。大航海時代にはスペインやポルトガル、オランダが栄え、無敵艦隊を破ったイギリスが世界最強国となって世界中に植民地を広げた。しかし二度の世界大戦で資金を使い果たし、覇権を失う。代わりに、海に囲まれた大陸国家で戦争の負担が比較的少なかったアメリカが台頭し、基軸通貨はポンドからドルに移った。人類はアメリカ経済に注目せざるを得なくなった。

そこで生まれた発想が、どの船が沈むかは分からないが、その時々の勢いのある船を定期的に入れ替えて分析すれば伸び続けるのではないか、というものだった。中田によれば、1950年代にS&P500という指数ができた。当時はまだ商品ではなく、分析のための数値だった。データを取ると、一時的に下がることはあっても伸び続けた。そして20年後の1970年代に、S&P500は買える商品になった。株式の誕生から370年、人類は未来予測の不可能性と戦い続けてここにたどり着いた、と中田は語る。

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覇権国も入れ替わる:全世界株式への展開

次に人類が抱いた疑問は、アメリカはずっと強いのか、というものだったと中田は言う。アメリカは古代からの覇権国ではない。中田は覇権の移り変わりを振り返る。哲学や数学が花開いた古代ギリシャ、それを破ったローマ帝国、のちのフランスとドイツにあたる地域のフランク王国、大航海時代のスペイン、その無敵艦隊を破り産業革命で世界を牛耳ったイギリス。そしてアメリカはそのイギリスから独立した国である。そのイギリスも今は最強ではない。

沈むかもしれない船は企業だけでなく国もそうだ、と中田は言う。今もアメリカと中国が覇権を争い、AIでもどちらが上かが議論されている。どの企業もどの国も永遠に覇権を握ることはできない。それが人類の歴史なら、S&P500にはアップデートの余地がある。そこで1990年代に全世界株式の指数が始まった。アメリカの代表ではなく、人類全体の最強チームを入れ替え続けるという発想である。

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アクティブ運用の敗北とネット証券、バフェットの遺言

同じ90年代はインターネットの時代でもあり、ネット証券が登場した。中田はここで「勝負はついた」と言う。1991年、経済学者ウィリアム・シャープが「アクティブ運用の算術」を発表した。それまでは、ウォール街の金融のプロが有望な企業を選んで買う投資信託が主流だった。シャープは、指数による運用成績とプロが選んだ運用成績を比べると、ほとんど変わらないことを示した。差をつけたのは、リサーチ費用、運用者の給料、販売手数料などのコストである。同じような成績でもコストが引かれる分、プロが負ける。中田はこれを、人間が株を選ぶ時代の終わりと位置づける。

そこにネット証券が普及した。銀行の窓口が減っているのは人件費を削っているからで、ネットの保険や銀行のほうが手数料が安い。それと同じことが証券の世界では90年代にすでに起きていた、と中田は言う。インデックスをネット証券で買うのが最適解だということが、学術的にも言われるようになった。中田によれば、全世界株式は2008年に商品化された。

その5年後の2013年、投資の神と呼ばれるウォーレン・バフェットが衝撃的な発表をしたと中田は紹介する。オマハの賢人と呼ばれ、質素な家に住み、マクドナルドを買って事務所に向かうような庶民的な人物だが、バークシャー・ハサウェイを率いて負け知らずの実績を持つ。そのバフェットが、自分の死後、株の多くは慈善に寄付し、妻に残す現金の90%はS&P500に投資するよう指示した。中田は、バフェットが「後継者はあいつだ」と次の天才を指名しなかったことを強調し、投資の未来を得るのにもはや人間の判断を必要としなくなったことの象徴だと解釈する。

そして2018年、オルカンが日本で発売された。発売からまだ10年も経っていないが、株式の始まりから数えれば約420年の積み重ねの上にある、と中田は言う。そのうえで、円の価値が下がり物価が上がる中で、これを買わずに預金にしがみつく意味を説明できる人がいるなら知りたい、とまで述べる。恐れるべきはギャンブルである個別株と、詐欺である秘密株であり、インデックス投資、なかでも全世界株式こそが人類がたどり着いた叡智だと「思っている」と中田は語る。

45:31

「自分で考えて」という留保と、S&P500との比較

ここで中田は自ら距離を取る。自分は芸人上がりのただのYouTuberであり、最後は自分で考えて買ってほしい、投資は自己責任なので「あっちゃんが言ったから」と訴えるのはやめてほしいと言う。特定の商品を売りたいわけではなく、詐欺や個別株のギャンブルにはまらずにこの仕組みに気づいてほしいだけだという。

S&P500のほうが直近のパフォーマンスは良いことも中田は認めており、S&P500でもまったく構わないと言う。違いは考え方にある。アメリカが下がるタイミングを自分で判断して乗り換えられるならそれでもよい。しかし一般人は未来を予測できない、と割り切るなら、覇権国が入れ替わるかもしれないことまで織り込んだ全世界株式が「現時点での」最適解だと中田は考える。もっと良いものが今後出るかもしれないとも付け加えている。

47:09

円安で「ホクホク」なのは誰か

中田は、全世界株式を持っている人にとって円安はどういう状況かと問いかける。答えは「ホクホク」である。ここで高市首相の「ホクホク」発言に触れ、お金を借りている人と投資している人にとって円安は好都合だと説明する。日本で最もお金を借り、最も投資しているのは日本政府なので、政治家はホクホクしている。しかし国民は政府ではない。円安で株価が上がるからいいという議論は政府の側だけを見た話であり、政府が動かないなら国民は自衛するしかない。そのための歴史的にベストな方法がこれではないか、というのが中田の主張だ。

視聴者への回答として、中田は二つの方法を改めて示す。政治家が嘘や都合のいいこと、甘いことだけを言っていないかを見て投票すること。そして自分のお金を自分で守ることである。

49:17

レベル別手順チャート:借金、生活費の把握、先取り貯金

「全部自分で調べるのは無理」という人のために、中田はレベル別の手順を示す。

  • レベル0:借金がある人は、まず返済に専念する。投資は余剰資金で行うものであり、余剰資金とは生活費を除いて余ったお金のことである。
  • レベル1:1か月の生活費が分かるか。 多くの人がここでつまずくと中田は言う。分からない人は、クレジットカード、光熱費、給与、家賃などの明細を3か月分見て平均を出す。中田は、明細にAmazonの購入履歴が延々と並び「本当だ」と気づく場面を演じてみせる。
  • レベル2:生活費6か月分の貯金があるか。 月10万円なら60万円である。なければ、今月から給料の10%を先取りして貯金する。中田は以前紹介した『バビロン大富豪の教え』を挙げ、貯金できない人の特徴は先に取っていないことだけであり、給料が入ったら自動的に別口座に移す仕組みを作れば、残りで意外と暮らせるのが人間だと説明する。
  • レベル3:NISA枠を使う。 株の利益には約20%の税金がかかるが、NISAでは年間最大360万円、生涯で1800万円まで非課税になる。中田は、この枠を使わないのは国に頼まれてもいないのに20%を納めに行くようなもので、ぎりぎりの人が「お釣りはいらない」と言うのと同じくらい意味が分からない行動だと言う。なお中田は、税金は国民の義務であり文句を言うべきではないとも付け加えている。
  • レベル4:NISA枠を埋めた後の余剰資金を、一括または分割で全世界株式に投資していく。中田自身もそうしていると述べる。
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一括と分割、そして「見すぎない」こと

分割投資、いわゆるドルコスト平均法は、毎月決まった額を投資する方法である。中田はその利点を「メンタルにいい」点にあるとする。一括で入れた直後に暴落すると耐えられないが、分割なら下がったときに安く多く買え、「全部入れなくてよかった」と思える。ただし長期投資では早く投資したほうが最終的なリターンは大きくなる傾向があり、分割はトータルのリターンを減らす代わりに精神的な安定を得る方法だ、と中田は整理する。

手順そのものは単純だという。SBI証券や楽天証券などで証券口座を作り(マイナンバーカードがあればすぐ作れる場合もある)、銀行口座からの入金やクレジットカード払いで資金を入れ、銘柄を検索して注文する。翌営業日ごろに約定すると、ポートフォリオに反映される。

中田が特に強調するのは、ポートフォリオを毎日見て一喜一憂する「実況中継」をやめることだ。株で最も儲けるのは最終的には死んだ人だと言われる、と中田は紹介する。触らないからである。生きている人は下がれば売りたくなり、上がれば買い増したくなる。中田はグラフを示し、リーマンショックやコロナで大きく下がっても、その後回復していることを見せる。下落から回復までの平均は約3年半という調べがあるといい、その間に投げ売りした人が一番損をすると中田は述べる。これは1〜2年で増やす話ではなく、10年、20年で増やす話である。だから見すぎず、下がっても売らずに済むよう生活費を確保し、働いて収入を得ることも並行して続けるべきだという。

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暴落の不安に対する中田の結論

それでも暴落が怖いという声に、中田は「分かる」と応じる。暴落するかもしれないし、どうなるかは分からない。そのうえで、銀行に預けておくことは現時点で沈み続けている状況であり、400年かけて発明された仕組みは長期的に成果を出し続けている、という二つの事実を冷静に見てほしいと言う。絶対に儲かるとは思っていないが、仕組みを理解しているから確信している、と中田は語る。

中田は最後に論理を一続きにまとめ直す。株は冒険の手伝いをしてリターンを得る仕組みだが、どの船が沈むかは分からない。だから最強国のトップチームを入れ替え続ける仕組みが生まれ、最強国も入れ替わるかもしれないので人類代表の選抜チームが作られた。それをネット証券で買えばコストが低く、アクティブ運用に勝つ。バフェットも妻に同じ方法を託した。この流れを踏まえると、個別株はインデックス投資が生まれる前の感覚でやることになる。中田はそれを、自動車を使わずに走って高速道路に乗ろうとするようなもので、止めはしないが事故るからやめておけと言いたいとたとえる。さらに「自分だけの首都高がある、首都高より速い」と言ってくる者は危険人物、つまり詐欺師である。

最終的な判断は自己責任だと改めて述べたうえで、中田は、自分の身を守った後は国会議員がきちんと国民を豊かにしているかを睨みつけていこうと呼びかけて、授業を締めくくった。