「不安仙人」と呼ばれる旅系YouTuberが深圳を1日歩く:別室での荷物検査から華強北、激辛の火鍋まで

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概要

旅行系YouTuberのおさだが、クアラルンプールから中国・深圳へ飛び、到着したその日のうちに市内の主な観光地を回った記録である。今回の中国編では深圳と広州の2都市を回り、動画は2本になる予定だと本人は話す。この回は深圳の1日目にあたる。日中関係が緊張していると言われる中での渡航を気にしながら入国し、アプリ決済と配車サービスで移動し、「中国のシリコンバレー」と聞いていた街の実際を確かめようとした。ただし当日は、迷子、壊れたシェアサイクル、対応してもらえなかった店などが重なり、本人も「散々」と振り返る1日になった。

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中国で付いたあだ名「不安仙人」と旅の前提

冒頭でおさだは、自分が中国で「人気」だと冗談めかして話す。どの国を旅しても、声をかけてくるのは中国の人が一番多いという。本人の説明では、過去の中国旅行の動画が中国の動画プラットフォームに転載されて大きく広まり、中国の視聴者から「何者なんだこいつは」と面白がられている。そこで付いたあだ名が「不安仙人」で、前回のマレーシア旅行中にも「不安仙人ですか」と声をかけられたそうだ。

渡航前には視聴者と「作戦会議」の配信を行った。そこでは、上の方の人たちが対立しているという話もあるので今行って大丈夫なのか、と心配する声が多かった。一方で、中国に行くなら辛いものを食べてこいという要望も多く、おさだは「苦しむ姿を見たいんですね」と受け止める。今回の目標として掲げたのは「お尻を守る」で、辛いものを食べる前提の冗談である。

渡航前の準備:デジタル入国カードと3つのアプリ

出発はクアラルンプール空港から、エアアジアの深圳行き直行便を使った。2時に起き、3時にタクシーに乗り、4時に空港へ着くという早朝の行程で、フライトは約4時間だった。

おさだは入国手続きの変化として、2025年11月20日からデジタル入国カードの事前提出が義務化されたと説明する。これまで到着後に紙に書いていた書類を事前にオンラインで申請する形になり、申請するとQRコードが発行されるので、入国時にそれを見せることになると考えていた。

アプリは毎回この3つを使っているとして、Alipay、WeChat、高徳地図を挙げる。Alipayは決済や交通機関に使う。現金は使わないので、中国ではAlipayだけで済ませているという。WeChatは予約に使うほか、おさだのAMEXカードはWeChat側にしか登録できなかった。高徳地図はGoogleマップのような地図アプリである。これらの設定は日本にいるうちに済ませておくのがよく、現地に着いてからではできないかもしれない、と注意を促す。通信にはKlookで200円で買ったeSIMを使った。

出発前に調べると、12月後半の深圳は最高気温が24℃ほどだった。そこでノースリーブで向かうことにした。空港では朝食にカレーラクサを頼み、辛そうなのでもうお腹が心配だと話している。

入国はすんなり、そのあと税関で初めての別室

深圳宝安国際空港に着くと、外国人は事前にQRコードを取得するよう求める案内が掲示されていた。日中関係もあって緊張しながら入国審査に並んだが、事前申請した書類は見せる場面がなく、聞かれたのは「何しに来たの?」だけだった。おさだは、どこの国とも変わらない普通の入国だったとまとめる。

問題はその後に起きた。出口の手前で荷物をもう一度検査機に通した際、初めて別室に呼ばれ、荷物をすべて出すよう求められた。おさだの推測では、小さな容器に入れたヘアワックスが引っかかった。係員に中国語で「これは何だ」と聞かれたようで、翻訳アプリも使って「ヘアワックスです」と伝えたが通じなかった。係員2人が5分ほど匂いを嗅ぎ続け、その間ずっとおさだの方を見ていたという。最終的には通過できたが、かなり緊張したと振り返る。

レートは1元が約22円で、おさだは「約20倍」と大まかに換算している。

空港から市内へ、EV車の多さに驚く

空港からホテルまでは、Klookで予約した空港送迎を使った。地下鉄乗り場は地下1階、タクシーやバスは地上階からそのまま外に出る配置になっていた。市内までは車で30分ほどで、電車でも同じくらいだろうとおさだは見積もる。

空港の電光掲示板を見て、おさだは深圳について聞いていた話を紹介する。深圳は中国で一番の「超高速発展都市」と呼ばれている。配信で深圳行きを伝えたところ、深圳在住の日本人から連絡があり、深圳は中国のシリコンバレーのような街だと教わったという。駐車場では、周囲の車に次々と充電器が挿さっているのを見て、中国の車はもうすべてEVなのかと驚いた。ただ、さすがにガソリン車もあるだろうと自分で打ち消している。

ホテルとDiDi、歩道を走る電動バイク

宿泊先は福田区にあるヒルトン系列のハンプトン・バイ・ヒルトン深圳である。1階にはスターバックスが入っている。まだ部屋に入れない時間だったので、荷物だけ預けて外に出た。中国はホテル代が安いのがいいと話す一方で、立地は少し悪かったかもしれないとも認めている。

中心部に出るにはタクシーを使った。中国でよく使われる配車サービスはDiDiで、Alipayの中からDiDiを開いて目的地を入力すると車が手配され、数分で迎えに来る。運転手は中国語しか話せず、おさだは「I don't speak Chinese」と伝え、あとは身振りでやり取りした。中国語しか話せない人が多く、たいていボディランゲージで何とかしているという。

食事に向かう途中、おさだは歩道を電動バイクが走っていることを指摘し、ここに来るまでの間に正面衝突を2か所で見たと話す。ハイテクな街と聞いていたが、この時点ではまだそれを実感していないとも述べている。

昼食:チャーシューと「謎のパン」

昼食には、上品な味で地元の人に人気だと調べていた広東料理店を選んだ。店名の漢字は「胜」の字しか読み取れていない。雑然とした店を想像していたが、実際は高級感のある内装で、注文はテーブルの紙に印を付けて行う形式だった。店員の言葉は一言もわからなかったが、「同じ人間だから通じるものはある」と話し、勧められたお茶を頼んだ。お茶は8元、約160円で、なくなると注ぎ足してくれた。

頼んだのは3品である。店の名物のチャーシュー、点心で有名だという水餃子、そしてデザートのつもりで頼んだ「パイナップルケーキ」。チャーシューは約2200円で、おさだは艶のすごさに驚き、今まで食べたチャーシューで一番うまいと評価した。店の奥はオープンキッチンになっていて、締めの料理のようなものを作って出していた。

最初に運ばれてきたのは、予想よりずっと大きいパイナップルケーキだった。デザートとは思えない見た目に戸惑い、ひとまず後回しにする。最後に食べてみると、生地はとてもふわふわで、上の部分は少しカリッとしており、中には何かが入っていた。正体はわからないままだったが、とてもおいしかったという。支払いは卓上のコードをスキャンして決済ページで済ませた。慣れるまでは手間取る、と本人は話している。

地下鉄で老街へ:手荷物検査と迷子

次は地下鉄1号線で、4駅先の老街駅へ向かった。駅に入るとすぐ大きな声で呼び止められ、何事かと驚いたが、水の入ったボトルを持っていたための手荷物検査だった。おさだは「怪しそうな顔してるからチェックさせろ」ということだと冗談にしつつ、係員は最後には笑顔で優しかったと話す。改札ではAlipayのQRコードをかざす。Alipayが設定できていなければ何もできず、すぐ帰国するしかないとして、視聴者に必ず準備するよう強調した。

老街駅では出口を間違え、スーパーの中を通って外に出た。本物の商店街とよく似た通りに入り込んで迷ってしまう。似たエリアには、魚介や鶏肉の串焼き、漢字を拾って「酢豚・小さい・満足」と読んだ餅、サトウキビのジュースなど、食べ歩き向けの店が並んでいた。

歩きながら、おさだは深圳の立地を説明する。深圳は香港の隣にあり、両者を行き来する列車も走っている。若者が多く、平均年齢がとても低い街だとも聞いているという。

東門の美食街

しばらく歩いて、目的地の東門エリアにある「美食街」を見つけた。屋台料理が並ぶ食べ歩きの名所である。以前行った重慶ではとても辛かったので、ここも辛いのかと警戒しながら歩く。目の前を回転する具材を1人用の鍋として食べる店では、肉、椎茸、カニ、スイカまで具材として並んでいた。最後に、「魚包んで・なんとか博士」と読んだ、人が多く並んでいる店で名物らしい品を1つ買った。ここまで来たのだから何か買わなければ、という理由だった。

南頭古城と深圳湾公園から見る香港

次はタクシーで30分あまり走り、南頭古城へ向かった。料金は33元、約660円で、おさだはタクシーがかなりお得だと評価する。下調べはしていなかったが、「歴史・リノベーション・クリエイティブの街」で写真映えするスポットが多く、若い人にも人気だという紹介文を読んでいた。実際に歩くと、落ち着いた雰囲気と今どきの店が同居していた。歴史的な看板を展示する場所もあったが、説明がなければ何が書いてあるのかまったくわからないと正直に話している。広場では人が集まってダンスのイベントをしていて、こういうものが見たかったと喜んだ。その場で「I like China. Do you like Japan?」と声をかけ、やり取りをしている。

近くの深圳湾公園にも立ち寄った。海沿いに細長く続く公園で、自転車を借りて走る人が多い。おさだによれば、橋の向こうに見える島とビル群は香港で、この橋を渡れば香港に入れるのだろうと話す。深圳と香港の近さを実際の景色で確認する場面になった。

華強北:電子街で見た「頑張って作りました系」

深圳のハイテクな面を見るために、電子部品や家電の店が集まる華強北へ向かった。おさだは漢字を読めず「化ける・強い・申し子の世界」と呼んでいる。向かい合うビルがどれも電化製品や部品の店で、東京の秋葉原のような場所だろうと説明する。入ってすぐドローンが並んでいた。

ちょうどカメラが欲しいと思っていたところで、おさだは期待していた。しかし売り場の商品について、はっきりとは言わないものの、「頑張って作りましたね」系が多いと感想を述べる。本物と言うのははばかられる品が多いのではないか、という含みのある言い方である。その中で、全方位を撮影できるInsta360も欲しかったと話し、店頭でのやり取りを冗談交じりに振り返っている。最後は「さすがハイテクな深圳、実感させていただきました」と締めくくった。

シェアサイクルでの失敗

次の目的地へは、Alipayで車体のQRコードを読み取って借りるシェアサイクルで向かうことにした。おさだには前回の中国旅行で、車体の近くに貼られていたアダルトサイトのQRコードを読み取ってしまい、自転車に乗れなかった経験がある。今回はそのリベンジのつもりだった。返却は地図上の青い範囲内でPマークのある場所に限られる、と仕組みも説明している。

借りることには成功したが、自転車はひどい状態だった。ブレーキがほとんど効かず、前輪はパンクしていて、敷地の出口も見つからない。ペダルを漕がずに左足を地面について速度を抑えながら進んだため、歩くのと変わらない速さになった。周りの人はほとんど緑の自転車に乗っていたのに、自分だけ青いボロボロの自転車だったと嘆いている。結局600mほど走ったところで返却した。料金は約2元で、「マジ意味ねえわ」と話す。そこからさらに20分歩いた。

広東デザートの店とホテルのロボット

歩いて着いたのは、深圳で有名なデザートを調べて見つけた広東風デザートの店だった。看板の文字はかすれていて、おさだは「糖分を心に、風で暴れる」と読んでいる。マンゴーかき氷のようなメニューを頼もうとしたが、店員と目は合ったものの対応してもらえなかった。もう閉店していたのかもしれないと推測し、あきらめてホテルに戻った。

ホテルでは、配送用とみられるロボットが同じエレベーターに乗り込んできて、話し続けるロボットを「邪魔ね」とからかった。部屋はベッド、洗面台、アメニティ、タオル、ドライヤー、シャワー、トイレがそろい、ウォシュレット付きなのがうれしいと話す。中心と思われる福田駅までは車で10分ほどである。料金は朝食付きで1泊1万4000円で、この綺麗さなら「なかなかいい」と評価した。

夜の火鍋屋と「冒」の激辛メニュー

夜は「中国といえば」ということで辛いものを食べに出た。最初に目指した火鍋店は、金曜日のためか39組待ちだった。そこで2組待ちの別の店に切り替える。おさだは、正直なところ辛いものを食べて「辛ーい」という絵を撮りたかっただけだと明かしている。

店の近くにそびえる尖ったビルについて、おさだは平安金融センターの展望台で、高さ599m、世界4位のビルだと紹介する。上って街を一望するつもりだったが、気分が上がらないのでやめたという。

注文では、メニューに冒険の「冒」の字が付いた料理を「勇者が挑む辛さ」と考え、牛肉のものを選んだ。もう1品はチャーハンである。店内は辛い匂いが充満していた。チャーハンは期待どおりおいしかった。「冒」の料理は麺だと思い込んでいたが、実際は下がもやしで、上に肉などが乗った料理だった。最初は食べやすい辛さだと感じ、もっと大げさに反応したかったとこぼしていたが、食べ進めるうちに本格的に辛くなった。最後には「全然余裕じゃなかった」「めちゃくちゃ辛かった」と訂正している。

深圳1日目の終わりと次回

おさだは、このあたりを1日の締めにして面白い場面にしたかったが、反応は面白くならなかったと自分で認めている。深圳の感想を視聴者に問いかけたうえで、次回は広州に行って、また辛いものを食べると予告して動画を終えた。ハイテク都市としての深圳を実感できた場面は、華強北の電子街や街に並ぶEV車など一部にとどまった。この日の記録の多くは、アプリ決済や配車サービスに頼りながら、言葉が通じない中で身振りと推測で乗り切った場面で占められている。