イラン戦争はなぜ始まり、なぜ終わらないのか 中田敦彦が開戦から1953年までさかのぼって解説
中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY2026年2月28日に始まったイラン戦争は、半年が経っても終わる見通しが立っていない。中田敦彦はこの動画で、ニュースを個別の出来事として追うだけでは「なぜ終わらないのか」も「いつ終わるのか」も分からないと述べる。そのうえで、開戦から8月までの経緯を整理し、さらに1953年からのアメリカとイランの対立史をたどる。中田の主張の軸は二つある。一つは、この戦争は「アメリカ対イラン」ではなく「アメリカ&イスラエル対イラン」であること。もう一つは、アメリカは軍事的には優位でも、政治的には追い込まれていることである。
開戦:アメリカとイスラエルによる大規模攻撃
中田はまず、前年の2025年6月にもイランの核施設などを攻撃した「十二日間戦争」があったが、それは短期間で終わったと前置きする。今回のイラン戦争は2026年2月28日、アメリカとイスラエルがイランを大規模に攻撃して始まった。入念に準備したうえで、宇宙軍やサイバー軍も使って一気に空から攻めたという。さらに開戦と同時に、イランの政治的指導者であるアリ・ハメネイ師を殺害した。中田はこの点を重要なポイントとして挙げる。
多くの人はこれを「アメリカとイランの戦争」と思いがちだが、それは大きな誤解だと中田は言う。イスラエルが加わっていることがこの戦争を複雑にしており、後の停戦交渉の行き詰まりもここから生じている。
表向きの目的:ウラン濃縮度60%という疑い
アメリカが掲げた目的は核開発の阻止である。中田の説明では、第二次世界大戦後、核を持つ国と持たない国が分けられ、持たない国が新たに核を開発することは許されていない。イランはその禁を破っているのではないかという疑いをかけられてきた。ただし確証があるわけではなく、あくまで疑いであり、開発をやめさせる交渉が決裂したという経緯だと中田は整理する。
判断の基準になるのがウランの濃縮度である。中田によれば、天然ウランの濃度は1%以下、原子力発電所で使うものは3〜5%、核兵器に使うものは90%とされる。イランは90%に達しているのではなく、60%まで濃縮している疑いがあるという。60%は90%ではないと主張することもできるが、90%に近く「もう手前まで来ている」と言われる余地もある。アメリカはこの開発阻止を錦の御旗にして攻撃に踏み切った。
裏の目的:反米体制の転換と、その失敗
中田は、その裏にもう一つの狙いがあったと見る。イランは後述する歴史の転換点以降、国を挙げてアメリカと対立することを明示してきた反米国家である。そうした国が核を持つ疑いがあることは、アメリカにとって非常に恐ろしい。だから指導者を殺害して親米政府を樹立できれば、核開発も止められ、危険な国でもなくなる。中田はこれをアメリカの意図とし、トランプ大統領とイスラエルは電撃的に体制を転換して戦争をすぐに終わらせる見込みだったはずだと述べる。
しかし、そうはならなかった。中田は、開戦時点で思惑が外れたことが、戦争が半年も長引いている根本的な原因だとする。イランは指導者一人が引っ張っている国ではなく、軍隊である革命防衛隊が政治の軸を握り、事実上の軍事政権になっているという。軍が表に出るだけでは正統性がないため、ハメネイ師の次男をトップに据える形をとり、実際には軍部が実権を握っている。この軍部が反米であるため、体制転換には全く至らなかった。そのうえでイランは反撃に出た。
非対称戦:アメリカ軍ではなく周辺を叩く
世界最強のアメリカ軍なら、イランの反撃も抑え込めるのではないか。中田はこの疑問に対し、イランの戦い方は「非対称戦」だと説明する。正規軍に正規軍で対抗するのが対称戦であり、イランは正面からではアメリカに勝てないことを承知している。そのため正規軍だけに頼らず、アメリカ軍そのものではない相手を攻撃する。標的になるのは、湾岸諸国や米軍基地がある国など、イランの近隣でアメリカが嫌がる場所である。
その結果、実際の被害はサウジアラビア、UAE、オマーン、カタールといった近隣国に及ぶ。すると近隣国や国際社会から、アメリカがつついたからこうなった、やめてくれという声が上がる。中田は、ドバイへ行こうという声がぴたりと止んでいるのもこのためだと述べる。
ホルムズ海峡の「封鎖」とは何か
非対称戦の中でも最大の目玉として中田が挙げるのが、ホルムズ海峡の封鎖である。武器だけでなく地理を使って戦うのも非対称戦の一部だという。
中田の説明では、イランとアラビア半島は湾を挟んで向かい合っている。イランとサウジアラビアという中東の大国に挟まれた細長い湾から外へ出るには、ホルムズ海峡を通るしかない。アラビア半島では原油が取れ、それを大量に運ぶ手段は今も船である。飛行機より船の方が積載量が大きく、重い液体を大量に送るには船が向いている。
ここでいう「封鎖」は、バリケードを張って物理的に塞ぐことではないと中田は強調する。軍艦ではない一般の商船を攻撃すれば、企業は怖くて通れなくなる。その状態が封鎖なのだという。これだけで世界が震え上がるのは、世界中がホルムズ海峡を通る原油に依存しているからである。
日本への影響:原油の9割とナフサ
依存している国の代表として中田が挙げるのが日本である。日本は原油の9割をホルムズ海峡経由で輸入しているといい、影響はガソリン代の上昇だけにとどまらない。中田は、ポテトチップスの袋から色が消えた件を例に挙げる。
その背景にあるのがナフサである。原油からは灯油、重油、軽油などさまざまなものが取れ、ナフサもその一つだという。中田の説明では、ナフサは塗料だけでなく、プラスチックやゴムなど現代のさまざまな素材の原料になっている。原油は燃料のためのものだと思いがちだが、あらゆる素材のもとになっていた。それが絞られることで世界経済が悲鳴を上げている。中田は、世界経済に悲鳴を上げさせること自体が非対称戦であり、軍事的には勝てなくても自分たちには別の戦い方があるとイランは示しているのだと述べる。
6月の暫定合意と崩壊:「信頼の罠」
ニュースでは「終わったのか、終わっていないのか」がはっきりしない印象がある。中田はその理由を、開戦から4か月後の6月にいったん暫定合意に至ったことに求める。このときトランプ大統領は「もう終わりだ」と発言した。
中田によれば、アメリカとイランの利害はこの時点で一致していた。アメリカは思惑が外れ、戦費はかさみ、国内からはいつ終わるのかという批判が募っていた。イランは現体制を維持したかった。政権の政治家や軍人が全員処刑されるような事態が最も避けたいことだったからだ。合意は14項目で、経済制裁やホルムズ海峡の扱いなどを含んでいた。今回の戦闘についてはいったん手打ちにし、核開発や制裁といった根本の問題は60日間協議して最終合意を目指す、という内容だったと中田は説明する。
しかし、この合意は守られなかった。中田はその原因をイスラエルに見る。アメリカの目的は核開発の阻止と反米体制の転換だったが、イスラエルの目的は違う。イスラエルは聖地とするパレスチナの土地をめぐって武装勢力と戦い続けてきた。2023年にはハマスによるイスラエル攻撃もあった。イランはそうした武装勢力を支援する非対称戦を続けてきた国であり、イスラエルの本当の目的は武装勢力を支援するイランの弱体化だと中田は言う。そのためイスラエルは暫定合意に参加せず、自分たちは合意とは別だと表明し、レバノンの武装勢力への攻撃を続けた。
イランは、停戦すると言ったのに停戦していない、アメリカはイスラエルに何か言わないのか、それならホルムズ海峡の封鎖は解除しない、と反発する。アメリカは、封鎖の解除が制裁解除の条件だ、解除しないなら制裁も解除しない、と返す。中田はこれを「信頼の罠」と呼ぶ。信頼関係のない二者が銃を突きつけ合い、互いに「お前が先に下ろせ」と言って、どちらも銃を下ろせない状態である。第三者のイスラエルが加わったことで、この典型的な形に陥ったという。結果、1か月も経たない7月に、トランプ大統領自身が合意は崩壊したと発信することになった。
8月の6条件:軍事的には優位、政治的には劣勢
8月には、イランがアメリカに対し、ホルムズ海峡を解放するための6つの条件を提示した。中田は、停戦やイスラエルの問題よりも、ホルムズ海峡がアメリカの急所だとはっきりした結果だと見る。条件の中には、アメリカの攻撃で受けた被害の損害賠償も含まれるという。
中田は、軍事的にはアメリカがイランを追い込んでいても、政治的にはむしろアメリカが追い込まれていると主張する。この戦争は、イランに攻撃されたことへの自衛ではなく、アメリカが理由をつけ、すぐ終わるとして始めたものだ。だから国民を納得させる成果が必要になる。条件を飲んで終われば、人命とお金を失って国益を損ねた大統領として、アメリカの威信も支持率も急低下は免れないと中田は見る。
一方、条件を飲まずに目的を果たそうとすれば、イランを完全に占領するくらいしか手がない。指導者を殺害しても体制は変わらず、空爆だけでは地下に潜った現体制は生き延びる。そうなると大規模な地上部隊を送り込むしかない。中田は、覇権国は遠い土地での地上戦で苦しんできたと述べ、アメリカのベトナム戦争、そして戦争で資金が尽き、覇権国の地位と基軸通貨ポンドの地位を失った大英帝国を例に挙げる。どちらに進んでもアメリカは大ピンチだというのが中田の見立てである。今後のニュースは、アメリカが妥協したのか、イスラエルが踏み込んだのか、イランが攻勢に出たのかという視点で読めるようになると中田は言う。
1953年:モサデク政権の転覆
ここから中田は、アメリカとイランの対立が戦後間もない時期にさかのぼることを説明する。1953年、イランのモサデク政権が、アメリカとイギリスによって転覆させられた。モサデク政権は選挙で選ばれた政権であり、中田は「日本でいえば高市政権がアメリカとイギリスに倒され、別の総理大臣が立てられたようなものだ」と例える。
きっかけは、モサデク政権がイギリスのアングロ・イラニアン石油会社を国有化したことだった。中田によれば、自動車の時代が本格化した戦後、石油は圧倒的な利権となり、欧米は中東での石油確保に躍起になっていた。イギリスはイランにも石油会社をつくり、戦勝国としてその石油を自分たちのものにしていた。これに対しモサデク政権は、自国の土地の石油は自分たちで開発すると主張し、企業を国有化した。中田は「お互い乱暴ですよね」と評する。中東でこれを許せば石油の旨味がなくなると考えたアメリカとイギリスは政権を転覆させ、親米のパーレビ国王政権を据えた。中田は、トップを消して言うことを聞く人物を据えるという点で、今回と同じ構図だと指摘する。
1979年:イラン革命と反米国家の誕生
国民には、なぜアメリカとイギリスに指導者を決められなければならないのかという不満が残った。さらにパーレビ国王は米英の後ろ盾を背景に独裁的な政治を行った。その不満が26年後の1979年、イラン革命として爆発する。貧富の差の拡大、独裁、米英による支配への反発からイランの人々が革命を起こし、パーレビ国王を国外に追い出した。
代わってトップに据えられたのがホメイニ師で、イスラム共和国が成立した。中田によれば、ホメイニ師はパーレビ国王の時代には国外に逃れていた法学者だったという。宗教的・政治的なトップとしてホメイニ師を掲げ、アメリカに屈しない国としての体制がここで出来上がった。中田はこれをイランの大きな転換点と位置づける。
イラン・イラク戦争と非対称戦の起源
次の転換点は、イランの戦い方を決めたという1980年からのイラン・イラク戦争である。中田は、イランはシーア派、イラクはスンナ派と考え方が違うと説明し、ムハンマドの子孫を重んじるのがシーア派、教えを重んじるのがスンナ派という自身の覚え方を紹介する。ただし、この戦争も宗教的な違いは大義名分にすぎず、根本には石油の輸送ルートや利益をめぐる争いがあったと中田は見る。
戦争はイラクの独裁者サダム・フセインがイランに攻め込んで始まった。フセインには、イラン革命の機運がイラクに広がるのを抑えたいという思惑と、利権を争うライバルを潰したいという思惑があった。そしてアメリカは、反米政権の勢いを抑えるためにイラクを支援した。後にアメリカはクウェート侵攻をめぐる湾岸戦争、ブッシュ政権によるイラク戦争でフセインと戦い、樹立させた新政府にフセインを処刑させる。だがこの時点ではフセインを支援していたというのが、中田が「意外」と強調する点である。
イラクは化学兵器も使い、戦争は8年間続いた。中田は、これがイランにとってトラウマになったと見る。アメリカ本体でなくても、アメリカの支援を受けた国と正面から戦えば勝てない。そこからイランは非対称戦へと傾き、武装勢力を支援する戦略をとるようになったという。レバノンのヒズボラ、パレスチナのハマス、イエメンのフーシ派といった勢力が、アメリカへの「抵抗の枢軸」として一括りにされ、イランが間接的に支援する時代が始まった。
2015年の核合意と2018年のアメリカ離脱
2015年、オバマ政権のもとで事態は一度前進する。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の国連常任理事国にドイツとEUを加えた国々が、イランと核合意を結んだ。ウランの濃縮度は3.67%以下、つまり原発程度までは認めるが兵器になるほど濃縮しないこと、そしてIAEAの査察を受け入れることを約束すれば、欧米は制裁を解除する、という内容である。中田は、アメリカが武力行使や代理での戦争を避け、経済制裁をかけながら妥協して約束を取り付けるという作戦であり、お互いに妥協していた時期だったと説明する。
ところが2018年、トランプ大統領が合意から離脱し、制裁を再開した。中田によれば、トランプ大統領の不満は三つあった。核兵器を作らないと約束しても核施設は残ること。弾道ミサイルに制約がないこと。そして武装勢力への支援が続いていること。中田は弾道ミサイルを、中東からアメリカ本土まで届く長距離兵器であり、核弾頭を積まなくても脅威になるものとして説明している。核以外も含め、アメリカにとって嫌なことを全部やめさせ、やめないなら制裁を再開する。中田はこれを、アメリカの方が強いのだから都合のいい合意で甘やかす必要はないという「ディール外交」の表れだと評する。
2023〜2024年:イスラエルとの直接対決と複合的な構図
その間、イランとイスラエルの関係も悪化した。2023年、ハマスによる大規模なイスラエル攻撃をきっかけに、イスラエルはガザ地区で徹底的な報復に乗り出した。2024年には、支援を通じた間接的な戦いにとどまらず、イスラエルとイランが互いの本土を大規模に攻撃するまでに至ったと中田は述べる。
中田は、アメリカ対イランの歴史とイスラエル対イランの歴史が絡み合って複雑化していると整理する。アメリカとイスラエルは緊密な関係にある。中田の見方では、アメリカは国内で大きな発言力と経済力を持つユダヤ系の人々を無視できず、イスラエルもアメリカの支援を受けることで力を発揮できる。だが両者は一つの団体ではなく、アメリカが止めると言ってもイスラエルは止まらないことがある。
同じことがイラン側にも言えると中田は指摘する。ヒズボラ、ハマス、フーシ派は利害が一致するから動いているのであって、イランが合意したからといって戦いを完全にやめるとは限らない。アメリカはイスラエルを、イランは武装勢力を完全には従わせられない。そのため互いに「そっちのチームはまだ動いているじゃないか」と言い合う関係になる。恨みの歴史が積み重なってどちらが悪いのか分からなくなったうえに、一国対一国ではない複合的な関係が手詰まりと泥沼を生んでいる。これが中田の結論である。今後は、アメリカがイスラエルに、イランが武装勢力にどう働きかけるのか、どんな対話が行われるのかが焦点になるという。
日本の物価高:原油×円安
中田は最後に、この戦争を日本人の生活と結びつける。物価が上がり続けているのは、原油の状況だけでなく円安との掛け合わせだという。日本人は海外旅行に行きにくくなる一方で、海外から日本には人が来ている。日本が特に円安の状況で物価高になっていることと、ホルムズ海峡経由の原油に依存していることのダブルパンチが、今の日本人の貧しさの元凶だと中田は主張する。
そのうえで中田は、高市政権の積極財政と減税の方針、日銀への働きかけが円安を助長しているのだとすれば、二つの要因の一つがさらに悪化していることになると述べる。トランプ大統領の一挙手一投足はイランやイスラエルの動きを左右する。だから高市首相とトランプ大統領の動きはどちらも生活に直結しており、「円安を止めてよ、自民党」「ホルムズ海峡を開放してよ、トランプさん」という二つの視点でニュースを見て、危うい動きがあれば国民がNOを突きつけるべきだと呼びかける。国益と国民生活の豊かさは一致しないこともあり、国民生活を守りながら国益を守ってほしい、というのが中田の締めくくりである。
2026年8月時点の追加情報
動画の末尾には、その後の情勢を伝える補足が付いている。2026年8月現在、ホルムズ海峡の再開をめぐっては、イランとオマーンが新たな航路で合意した。しかし、イランがアメリカに求める制裁解除や戦争被害への補償が壁となり、全面的な再開には至っていない。
また、軍事衝突に加えて経済戦の比重が急速に高まっているという。8月24日、アメリカのベッセント財務長官は、デジタル資産、金、テクノロジー、航空、海運の5分野でイランとの取引に対する二次制裁の対象を拡大すると発表し、約60の個人・組織・船舶を制裁対象に指定した。イランの資金調達を支援する金融機関をアメリカの金融システムから排除する可能性も警告している。補足では、中国などイランとの経済関係を維持する国や企業にも圧力が及ぶ可能性があり、原油市場への影響が長引けば日本のエネルギー価格にも波及するおそれがあると述べている。
補足は、今の情勢は突然生まれたものではないと改めて強調する。そのうえで、アメリカ、イスラエル、イランの三者関係に加え、ホルムズ海峡をめぐるオマーンの仲介外交や、各国がイランとの経済関係をどう見直していくのかに注目するよう促して終わっている。
どうも中田敦彦です。さあ、今日も早速参りましょう。エクストリーム現代社会、イラン戦争はなぜ始まり、なぜ終わらないのか編。終わってくれよ。さあ、始まりました。終わってくれよってことですよね。これがなかなか終わんない。終わんないし、いつ終わるのか分かんなくて、何が起きてんのか見失ってるっていうね。皆さんそうだと思うんですよ。一体何が起きてたんでしたっけ?いつ始まったんでしたっけ?もう忘れてるよね。
でも実は今年なんですよ。26年の2月28日に開戦した戦争だっていうことを覚えとかなきゃいけないんだよね。でも本当はもっと前の前の前の前から始まった因縁があるから、そこも含めて理解しないと。つまり、なぜ始まったかを忘れてたら、なぜ終わらないのかは理解できない。つまり未来が予測できないってことなので、今回はなぜ始まったのかを、もう何十年も前からの歴史を振り返って理解することで、なぜ終わらないのか、いつ終わるのかっていうことを予測できるようにしていきたいと思います。
つまりニュースで点の事実を見るだけじゃなくて、それが線になってるんだっていうことを理解して、先まで考えてニュースが聞けるようになろうと、そういう話でございますね。
この戦争、大変ですよね。今年の前触れとしては、去年の2025年の6月に、十二日間戦争としてイランの核施設なんかを攻撃したなんてのがあったんだけども、それはあくまでも短期間の話。イラン戦争、これが始まったのは2月の28日、今年からだって話ね。
それがアメリカ・イラン戦争だって思ってらっしゃる方、ここ大きな誤解ですね。アメリカとイランが戦ってるっていうふうに思いがちなんですが、これね、アメリカ&イスラエルとイランが戦ってる。この事実がものすごく重要で、だからこそ複雑になってるって。ここが重要なんですね。
開戦はアメリカとイスラエルがイランを大規模攻撃。これ入念に準備した上で、宇宙軍とかサイバー軍なんかも使って一気に空から攻めてった。そして開戦と同時に、イランのトップ、政治的トップですよ。指導者であるアリ・ハメネイ氏を◯害している。ここがポイントなんですよね。
じゃあ、なんでなのっていう目的。これ目的は核開発のストップ。これが非常にアメリカがずっと旗として振ってることですね。イランはね、言ってみれば核っていうのは決められた国しか開発できないんですよ。第二次世界大戦後、核を持ってる国と持ってない国に分かれまして、持ってない国が新たに作ることっていうのできない。そういうふうにされてるわけですよね。だから勝手に核を開発するっていうのはものすごい御法度とされてる中で、イラン作ってるよねということの、これ疑いなんですよね。確証があるわけじゃないけど疑いがあるということで、それをやめろという交渉が決裂しているということなんです。
正確には、このウランの濃縮度っていうのは大事で、核兵器ってのはね、ウランという成分をどれぐらい濃縮してるかでかなり違うものなんですね。言ってみれば天然ウランとされるのは濃度は1%以下と言われておりまして、逆に核兵器と言われるもののウランの濃度は90%って言われてるんですよ。じゃあ原子力発電所とかあるでしょ。あれは何%濃度かっていうと3から5%っていうことなので、ウラン濃度が天然だと1%以下、原発だと3から5%、核兵器ってなると90%。そういう世界なんですよ。
ところがこの中でイランは、90%の濃度まで作ってるじゃないか、ではないんです。なんと60%の濃度までを作っているという疑いがあるというふうに言われてたんですね。60%は90%じゃないっていう主張もできる一方で、90%に非常に近いことで、もう手前までいってるじゃないかと言われる余地もあるわけですよね。だからこそこの開発をストップするという錦の御旗で攻撃を開始した。
ただその裏には、このイランというのは何で有名かというと、反米国家として有名なんですよ。歴史上のある1点で、後ほど説明しますけれども、大きく政治体制が変わりまして、それまでの親米的な国から反米的な国になり、国を挙げてアメリカに対立するぞということを明示してる国なんですね。この明示している国が核を持っている疑いがあるというのが、アメリカにとってはものすごく恐ろしいわけですよ。
だからこそ、ここで体制を転換したい。トップを◯害して親米政府を樹立することができれば、この核の開発も止めることができるし、危ない国ではなくなるんだ。それがアメリカの意図でした。そしてそのアメリカの意図通り、ハメネイ氏、政治のトップを消すことによってこれを転換するというふうなことを電撃的に行い、そしてこの戦争はあっという間に終わるぞというのが、トランプ大統領とイスラエルの見込みだったはずなんですよ。
ところがそうはならなかった。このスタートの時点から思惑通りに行かなかったことが、この半年、戦争が長引いてる根本のスタートなんですね。じゃあなんでトップを消したにもかかわらず体制が転換できなかったのか。ここを整理しましょう。これは要するに、このトップだけが引っ張ってる国ではなかったからなんですね。
その国の軍隊、革命防衛隊というところが現在その政治の軸を握り、軍事政権化してるわけ。その中でも軍隊がって言うとね、錦の御旗がそっちにもないから、このハメネイ氏の次男をトップに置いているという形にして、軍事政権、軍部が牛耳っていると。この軍部というのは反米の軍部なので、全く体制の転換には至らなかったということなんですよ。体制転換ができなかった上で、イランは反撃に出てきた。だからこそずっと長引いてる。
どんな反撃か?ここでですよ。アメリカは世界最強の軍隊なのだから、イランが反撃したところで抑え込めるんじゃないか。そういうふうに皆さん思いますよね。アメリカだって世界最強なんだもん。イランより強いんだもんって思うかもしれない。でもイランの戦い方は非対称戦って言われてるんですよ。非対称戦ってどういうことなのか、これ説明しましょうね。
対称戦。対称っていうのはね、こっちとこっちが同じ。鏡とかも対称になってますよね。こっちとこっちが一緒ですっていうのが対称。線対称とかいろいろ言いますよね。つまりアメリカが正規軍で攻撃したら、その正規軍に対して正規軍が対立する。これが対称戦なわけですよ。ところがイランは、それではアメリカに敵わないってことを承知してるんですね。だから非対称的な戦いをするんだ。つまり正規軍一本槍じゃないんだ。アメリカ軍を叩くんじゃないんだってことです。
非正規軍以外も使ってアメリカ軍以外のものを叩く。どこか。それは自分たちに近い湾岸諸国であるとか、米軍基地を置いてあるところであるとか、中東、自分たちの近所でアメリカが嫌がることをするっていう、そういう戦い方なんですよ。ですから実際の被害はサウジやUAE、オマーンやカタールといった近隣の中東の国に行く。
こうなるとどうなるかというと、近隣の国から、国際社会から、アメリカやめてくれよというふうになりますよね。アメリカがつついたからこうなってんだ。俺たちは大損害だ。そうですよね。ドバイね、移住してる人もいるし、旅行行ってる人もいる。そんな中で今ドバイに行こうという声がピタッとやんでるのは、まさにこれが行われているからね。
この中で、非対称戦の中で最も目玉の攻撃としてイランが今回用いているのが、ニュースでよく聞くホルムズ海峡の封鎖なんですよね。つまり武器で戦うんじゃない、地理で、というやり方も含むのがこの非対称戦なんですよ。
ホルムズ海峡って言われてもちょっと分かんないですよね。日本の地理でギリなのに中東の地理知りませんということなんですけども、これ非常に分かりやすい。イランっていう国と、アラビア半島という半島。これはこの湾を面して向かいにあるんですよ。アラビア半島、なんとなくイメージありますよね。中東ってなんかこう、ゴーンと出てるわけですよね。それの向かいにある国、大きい国がこれイランなんです。
この湾囲んでます。アラビア半島あります。このアラビア半島と湾との間の狭いここ、これがホルムズ海峡。つまりイランとサウジというでかい中東の名主の国がありまして、そこに挟まれてる細長い湾、そこを出るにはホルムズ海峡を通るしかないっていう、唯一の出入り口だということなんですね。
この湾こそがすごく重要で、このアラビア半島で取れるのは何だろう?みんなイメージしますよね。石油王のエリアですよね。だから石油、原油が取れるわけですよ。この原油を大量に何で送るかっていうと、もちろん船で送るんですね。飛行機でいけんじゃないかって皆さん現代人思うかもしれないですけども、飛行機の積み荷の量と船の積み荷の量では、船の方がやっぱ大きいんですよ。
大量のものを輸送する。しかも軽いものじゃないですからね。液体ですからどっしりしてますよ。それ大量に送るってなると、船で送るのは現代でも一緒なんです。その大量の原油を船で送るにはこのホルムズ海峡を通るしかない。
ところがここに通る、いわゆる軍艦ではないですね。普通の商船と言われる商売をする船ね。普通の船が通る。それを攻撃したら、一般企業どう思いますか?もう絶対通りたくない。怖いってなりますよね。だから通れない。つまり封鎖するってのはね、ガチガチにバリケードを張るってことじゃなくて、そこに通る商船を攻撃しちゃえば、もう怖くて通れないっていう状態が封鎖なわけですよ。
これをするだけで世界中が震え上がる。なんでか?世界中がこの中東のホルムズ海峡を通る原油に依存してるから。どんな国が依存してんの?さあ、その国の代表的な国というのがまさに日本なんですよ。日本はなんと、原油の9割をこのホルムズ海峡経由で輸入してるんです。分かります?この被害の甚大さ、原油9割。
だからガソリン代上がっちゃうよ。ガソリン代だけじゃないよ。最近何が起きた?なんかポテトチップスに異常があったよね。ポテトチップスの袋から色が消えた。なんで?なんでかつながらないんだよな。あれはなんかナフサがどうこう言ってるんだよな。でもナフサを知らないんだ、俺たちは。
説明させていただくと、原油から取れるものはいろんなものがあるらしいのね。灯油も取れる、重油も取れる、軽油も取れる。いろんなものが取れるんだけど、ナフサってのも取れる。じゃあ、そのナフサってのは一体何なのか?いわゆる現代的な素材の原料になるもの。それは塗料だけじゃないんだよ。プラスチックとかゴムなんかに至るまで、現代的ないろんなものの部品を原油由来のナフサから作ってたって言うんだよ。
そうなんだと。別だと思ってるよね。原油とか石油とか、そういう重油とかそういうのはなんか燃料系だけでしょ?違う。塗料、プラスチック、ゴムといったあらゆる素材に変化する元になってた。これが絞られるってことは、世界中の経済が今悲鳴を上げる。世界中の経済を悲鳴を上げさせるという戦い方そのものが非対称戦なわけです。
イランは軍事的にはアメリカには勝てない。だが俺たちの戦いはあるぞということを世界中に示しているわけですね。そしてアメリカとイスラエルの、短期的に電撃的に反米体制を転換し核開発をストップするという狙いが、ある意味詰んでいる状況になったまま、どういうふうに着地するんだ?着地しないと中東だけじゃない、日本に至るまで世界中が今悲鳴を上げている。なんとかこの戦争を止めてくれ。そういうふうに思ってるわけですよね。
そんな中ですよ。ニュースの印象で言うと、なんか終わったんだよね。終わってないの?っていうのが、行きつ戻りつみたいな印象がある。それはなんでかと言うと、一度その4か月後のこの6月に暫定合意に至ったからなんですよ。その時にトランプ大統領言うわけですよ。もう終わりだ、終わりだって言うわけね。
それは何だったのかというと、アメリカとイランがとりあえず停戦に合意しようよということで。こんな状況になってるわけだから、アメリカからすると思惑違い。イランからしてもやめてくれということなので、アメリカの攻撃を受け続けるのは是じゃないよね。
イランは何考えてるかっていうと、現体制を保ちたいわけ。今ある政権のトップの政治家たち及び軍人たちが全員、はい処刑ですっていうふうになるのが一番嫌だから、そこを保ちたいイランと、アメリカは狙いが違ってお金がかかる一方だし、国内からも批判がどんどん、いつ終わるんですかって募ってくるから終わらせたい。終わらせたいのウィンウィンだということで暫定合意に至ろうとしたのよ。
その中の項目は14項目。ですからその14項目の中には、経済制裁はこう、ホルムズ海峡はこうね、そういうことがある。中核となっている、その核の開発とかそもそもの制裁についてはどうするのと。今回起きたことに関しては一旦手打ち。元々の問題に関しては60日間話し合って最終合意に持っていきませんか?それが暫定の合意だったわけですよ。ところがこれが全くうまくいかなかった。合意は反故にされてしまった。
なんで?なんで?合意したのはどことどこ?アメリカとイラン。でもこれ、どことどこと、どこの戦争だった?アメリカとイランだけじゃないって最初に私が強調したここが重要。イスラエルがいるんだよ。イスラエルの目的とアメリカの目的は、これ違うんです。今回開戦の時の目的、核開発のストップと反米体制の転換っていうふうに言ったの。これアメリカの目的。
イスラエルは一体何を目的にイランと戦ってきたのか。それは、あの領土。イスラエルが聖地だと言っているあのパレスチナの土地。その土地からユダヤ以外の人出ていけという形で戦っている。出ていけと言われましても、もう住んでましたけどもという形で戦うパレスチナの人々。及びそのイスラエルに対しては、後ほど言いますけど、2023年ハマスによるイスラエル攻撃ね。もうずっと武装勢力とイスラエルの間でずっと戦ってきたわけですよね。
イランっていうのは、そういった各国武装勢力を支援するという非対称戦を常にやってきた国なんですよ。つまりイスラエルの本当の目的は、武装勢力を支援するイランの弱体化なんですよ。つまりアメリカと違うの。だからアメリカがここら辺で手打ちにしようぜなんて言っても、イスラエルは俺たちの戦いは終わらないって言うんです。
だからこの暫定合意に対して、我々は参加しないし、我々はこの合意とは別にあるよということを表明するんです。そしてイスラエルは攻撃、レバノンの武装勢力への攻撃を継続し続けることで、このイランがちょっと待ってくれよとなるわけですよ。アメリカさん、話が違うじゃないか。俺たち合意することで停戦しようって言うんだよね。停戦してないじゃないか。アメリカはイスラエルに対してなんか言ってくれないのか。そんなんだったら俺たちは海峡の封鎖を解除しないぞ。
そしたらアメリカが言うわけです。海峡の封鎖を解除することが経済制裁の解除の条件だろ。海峡の封鎖を解除しないんだったら、こっちだって経済制裁は解除しないぞ。ということで、これいわゆる信頼の罠の状態と言われるんですね。
信頼の罠っていうのはどういうことか?お互いに信頼がない状態で突きつけ合った銃を下ろせるのかって話なんですよ。つまりお前が下ろしたら俺も下ろすという状態を、信頼関係のない者同士でやろうとしたら、お前が下ろせ。いや、お前が先に下ろせということで、銃は2人とも下ろせないというこの信頼の罠の典型的な形に、イスラエルという第三国が混ざることによって陥ってしまったんですね。
それによって、もう1か月も経たない7月の段階でね、停戦合意に関してはどうなったんですか?ということに関しては、合意は終わった。崩壊してしまったということを、トランプ自身が発信することになってしまうんです。さあどうなるの?これで完全に混乱。6月、7月の、合意したの?停戦するの?いいや、しないかもというのが、我々のこのイラン戦争のニュースのパニックの始まりなわけですよ。
終わってないの?最新の状況、ドン。8月ですよ。条件が提示されました。それはイランからアメリカに、ホルムズ海峡解放のための6条件って言ってるわけです。つまりもう急所はここであるということになったわけですね。つまり停戦するしない、イスラエルがどうこうじゃない。ホルムズ海峡が一番嫌がってるんだよね。だったらそれを解放するためには6個の条件飲んでくれよな。
その中の1つには、今までアメリカの攻撃で受けた被害額の損害賠償なんかも含みます。かなり強気でイランが条件を突きつけてるという状況なんです。我々のイメージからすると、アメリカが圧倒的軍事力でイランを追い込みに追い込んでるんだろうと思いますよね。ところが軍事的には追い込んでいても、政治的にはむしろアメリカは追い込まれていると言えるんです。
なぜか。この条件飲んだらどうなるでしょうね。アメリカはわざわざ戦争を始めてるんです。これはイランが攻撃してきたから反撃したという自衛の戦争じゃないんですよね。アメリカ側が理由をつけて、電撃的に終わるからということで始めた戦争。つまり成果が絶対必要ですよね。
アメリカは戦争をした。だからこういうメリットがあったんだ。だからこの戦争は正義だったんだ。これが国民を納得させるためのものですよ。戦争を始めました。アメリカが損しました。そんなことをした大統領、どんな目に遭うと思います?支持率は圧倒的に低下するでしょう。なぜなら人命とお金を失って国益を損失させた、そういう大きな判断ミスをしたトップということになるわけですから、この条件を飲んで着地しようものなら、アメリカの威信及び大統領の支持率は急低下することは免れないですよね。
かと言って、じゃあ飲まないという選択の中でこの目的を叶えようとしたら、どういう選択肢になるか。となると、もうこれはね、イランを完全に占領するぐらいでしか無理やりここをこじ開けることはできないんです。トップを◯害しただけでは体制は転換できない。だとしたら完全に制圧し、占領しなきゃいけない。地上部隊を大量に投入しなきゃいけない。空から爆撃をするだけではできないんですよ。地下に潜られたら生き延びますからね、現体制は。
だとしたら地上部隊を送り込むという、ものすごい血で血を洗う戦いに飛び込むんですか?いいえ。莫大なコストがかかります。あらゆる覇権国が遠くの地で地上戦を見て地獄に落ちてきました。それはアメリカも一度経験して、それがベトナム戦争ですよね。それは遠くの地での地上戦だったわけですよね。かの大英帝国も戦争にまみれてお金が尽きて、覇権国の地位と基軸通貨の地位、ポンドの地位を失いましたよね。アメリカの時代になったわけです。
アメリカはその二の舞になるんでしょうか?それとも威信を低下するんでしょうか?どっちにいってもアメリカは大ピンチという不思議な状況に至ってるわけですよ。軍事的には圧倒的優位。しかし政治的には追い込まれてる。こういう状況。
そんな中で、アメリカとイランとイスラエルが双方で妥協して落ち着ける着地点を見つけるのか。それとも見つけられずに泥沼化するのか。ここを注目してニュースを聞いていく必要があるっていうことなんですよ。この現状が理解できていると、この先のニュースの展開で、なるほどな、じゃあこれはアメリカが妥協したんだな、及びイスラエルが一歩前に踏み込んだな、及びイランがちょっと攻め込んだんだなっていうことが分かるようになるわけだ。
でもこれって今、2月28日からの説明の段階の理解ですよね。もっと深く理解するには、戦後間もなくからの遺恨について理解する必要があるんですよ。戦後間もなくからの遺恨。これを理解してこのニュースをもう一度見てみることで、皆さんは世界史を踏まえたニュースの把握ができるようになる。つまりアメリカとイランの遺恨というのは、この去年、一昨年のレベルのものではないってことなんです。
それは戦後1953年、始まっております。その説明をさせてください。イランのモサデク政権が転覆させられた。誰によって?アメリカとイギリスによって政権が転覆させられたって言うんですよ。すごいですよね。このモサデク政権っていうのは選挙で選ばれてる。つまりね、日本で言ったら高市政権がアメリカとイギリスによって倒されてしまって、違う総理大臣が立てられたみたいなことですよ。これはなかなか衝撃的なことですよね。海外の力でその国のトップが変わる。それを経験したのが1953年ね、戦後8年後のことですよね。
これなんで起きたのか。このモサデク政権がとあることをやったんですよね。それ何か?イギリスのアングロ・イラニアン石油会社を国有化した。どういう意味?これね、イギリスのアングロ・イラニアン石油会社っていうのは一体何が目的だったか?戦後、この中東のエリアから石油がバンバン出るぞ。これはとんでもないお金になるぞっていうふうに目をつけた。
もっともっと前の時代は石炭とかの時代だったわけですよね。ところが石油がものすごく重要になってくるのは、自動車の時代に入ったからですよね。そしてその自動車の時代が本格化していくのが戦後なわけです。戦後この石油という圧倒的利権を中東で確保するために、欧米は躍起になってました。イギリスはその石油会社をイランにも作り、この石油は俺たちのもんだ。だって俺たちは戦勝国だからな。そういうふうにしてました。
その欧米による石油利権の搾取に対してモサデク政権は、いや、ここの土地は俺たちのもんだから、ここの土地の開発、石油を吸い上げるのは俺たちでやるぜ。この企業は俺たちが国有化する。この俺たちの国のものだ。乱暴ですね、お互いに。お互い乱暴ですよね。あんたの国のところの石油、俺たちのもんだ。いいや、あんたのとこの企業は俺たちの国のもんだ。そういう戦いになった。
これをやったもんだから、アメリカとイギリスが、こんなこと中東でやられたら、中東のうまみなくなっちゃうじゃん。石油のうまみなくなっちゃうじゃんっていうことで政権を転覆させて。つまり同じことですよ。トップを消して言うこと聞くやつを据える。親米政権、パーレビ国王政権の出来上がりなんですね。
ですが国民の中では非常に不満が残るわけですよ。なんでアメリカとイギリスにトップ決められなきゃいけないんだ。その上でこのパーレビ国王は、アメリカとイギリスの後ろ盾があるもんだから圧倒的独裁的な政治をするわけですね。俺たちの言うことに国内でNOを言うやつはいないぜ。王政に戻った。それが26年後、爆発する。それが1979年のイラン革命。
つまりこのパーレビ国王政権に対する不満が爆発するんですね。貧富の差の拡大、圧倒的独裁、アメリカ・イギリスによるコントロール。そんなものは俺たちは受け付けないぞ。そういった現地のこのイランの民が革命を起こして、国外に追い出しました、パーレビ国王。そして反米政権となるホメイニ氏をトップに据えた政権が出来上がる。これがイスラム共和国。イスラム系の共和国。
ホメイニ氏ってのはね、このパーレビ国王の時には国外に逃亡していた法学者だったみたいなんですね。このホメイニ氏を宗教的、政治的トップとして冠することで、俺たちはアメリカに屈しない国だ。この1979年に圧倒的に反米の国家体制になったと。ここが大きなイランの転換点なんですよ。
次の転換点。これはイランの戦い方を決めていきます。それから1980年。イラン・イラク戦争ってのがあったんですね。イランとお隣の国イラク。名前が似てるから混同しがちなんですけども、イランとイラクっていうのは、イスラムの教えの中でもそもそも考え方は違うんですよ。シーア派とスンナ派って言いましたよね。
シーア派っていうのは子孫ね。ムハンマドというそもそものイスラム教の教祖の子孫を重要に、大事にしていこう。スンナ派ってのは、ムハンマドの教えが大事だからね。子孫じゃなくて教えを大事にしていこうってのはスンナね。主導権握るのは子孫にシーア、子孫にスンナってことで私が覚え方提唱しておりますけども、シーア、スンナで違う。
だから宗教的争いかなと思いきや、やはり石油利権なんですよ。ここも石油の輸送ルートですとか、どっちがもうけを出すんだとか、そういうところを根本にしながら、宗教的違いを理由にしながら、それも大義名分にしながら戦った戦争。これはこのイラクの独裁者、サダム・フセインね。このサダム・フセインがイランに攻め入ってくるという形で始まったんですね。
このイラン・イラク戦争が一体どういう個性を持ったかというと、このイラクの方、フセインの方、なんとアメリカが支援してたんです。なんで?つまりここ反米政権、調子づかれてたまるかと。イラン革命、調子づかれてたまるか。
このフセインは、イラン革命の機運がイラクにも広がってきたら、イラクでも革命起こっちゃうかもしれない。フセイン独裁者ですから。だから革命を抑止したいっていうことと、利益でバチバチに戦ってるからライバルを潰したい。この2つでイラクは攻めます。アメリカはそんなイラクを利用してイランを弱体化させたいということで、アメリカとフセインは今回ウィンウィンだったんですよ。
これでも意外なんですよね。なんでかって言うと、その後にフセインとアメリカは戦うことになるわけです。後にフセインがクウェートに侵攻する。これが湾岸戦争。その上でその湾岸戦争の後に、ブッシュ政権の時に、アメリカがフセインを叩くためにイラク戦争というのは行われて、フセインと違う新政府を樹立して、その新政府にフセインを処刑させる。アメリカは最後はフセインの首を取るんです。ですが今回はアメリカはフセイン、支援してたんです。
ここで何が重要だったかというと、このフセインのイラクは化学兵器なんかも使いまくって8年間も戦争してた。イランにとってはこれトラウマなんですね。つまりアメリカ本体でなくても、アメリカの支援を受けた国とまともに戦ったらまず勝てない。なかなか手強い。それが分かってるからこそ、ここでイランは非対称戦化していくということなんですよ。
つまりイランが反米政権になったのが1979年。そのきっかけは1953年。しかしこのイラン・イラク戦争で非対称戦化し、武装勢力を支援していくという戦略になっていく。武装勢力はいっぱいある。レバノンのヒズボラ、パレスチナのハマス、イエメンのフーシ派。こういった武装勢力、テロ組織っていうものが、アメリカに対する抵抗の枢軸ということで、レジスタンスなんだということで、グループ的に同一視されて、その武装勢力をイランが間接的に支援するという時代が始まるんですね。
その上で2015年、事態は一度進展します。複雑ですね。イランが核合意に至るんですよ。これ何か?オバマ政権の時ですね。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、つまり国連常任理事国、第二次世界大戦の戦勝国とドイツ、EUを合わせて、イランとの合意に至った。
つまりここでは、核を作るなよということにフォーカスした合意だったんです。ウランの濃縮度は3.67%以下でお願いします。つまり原発ぐらいまではいいよ。だけど兵器になるほど濃くしないでね。これを約束してくれた上で、IAEA、国際的な原子力機関ですよね。これはつまり核開発をさせないための監視機関ですよ。ここの査察を受け入れてね。作らないって約束して、その上で俺たちにチェックさせて。それに合意してくれたら、俺たち欧米からの制裁は解除するよ。そういうやり方。
この時点で要するに、アメリカもイランに対して武力行使をするとか誰かに戦わせるって言っても、こういうふうに複雑化してますから、経済制裁をかけながら妥協して、向こうに作らないって約束させるっていう作戦。つまりお互いに妥協してたわけですよね。イランは非対称戦を繰り広げる。アメリカは約束をさせる。合意を取り付ける。それでなんとかここをまとめようとしたのがオバマだったわけですね。
ところがその3年後、アメリカが動き出す。2018年、アメリカがこの合意から離脱をして制裁を再開する。再開したのがドナルド・トランプ大統領。一体何が不満だったのか。トランプは徹底的にイランを封じ込めたかったんです。何か。イランが核を作らないと約束したとしてもですよ、核施設はあるよね。ここが嫌だった。
プラス、核兵器作らないにしても弾道ミサイルについての制約がないよね。弾道ミサイルってのは大陸間弾道ミサイルって言われまして、要するに中東から大陸を隔ててアメリカ大陸本土まで撃てるっていう長い距離の兵器だ。それが核弾頭を積んでりゃ核兵器だけども、核弾頭積んでなくても弾道ミサイルっていうのを撃てるわけ。それも怖いから、弾道ミサイルも撃たないってことにできない?
その上で武装勢力の支援、これしてるじゃん。これをやめさせないと。つまりイランがやってるアメリカにとっての嫌なことの中で、核以外も全部やめさせる。これがトランプの狙いなわけですよ。全部やめさせないんだったら制裁を再開するぞ。強気ですね。トランプ外交っていうのはディール外交って言われてます。取引ですね。アメリカの方が絶対強いんだから、こいつらにちょうどいい合意で甘やかしといてもしょうがないだろっていうことで、一気に攻めて出る。
その間にアメリカだけじゃなく、イランとイスラエルとの関係も変わってくんですね。それが2023年、2024年ね。この支援してた武装勢力とのイスラエルの戦いが激化するんですよね。あのガザ地区での地獄のような、この囲まれた戦争。これのきっかけもずっとあるわけですけども、ハマスによる大規模なイスラエル攻撃。これに対する徹底報復だということで、もう根絶やしにするんだぞということを一気にやり始めてから2023年。そしてついにもう支援攻撃だけじゃなくて、2024年はイスラエルとイランが双方に本土を大規模に攻撃するというところまで至ってるわけです。
つまりここね、アメリカ対イランの歴史と、イスラエル対イランの歴史が折り混ざって複雑化してる。そしてこのイスラエルとアメリカっていうのは非常に緊密な関係にあるわけですよね。イスラエルの機嫌を損ねるとユダヤ系の人たちの機嫌を損ねてしまうので、アメリカにおける非常に大きい発言力、経済力を持ってるユダヤ系の人たちを無下にはできないというアメリカの意思もありながら、イスラエルはイスラエルでアメリカからの支援を受けながら戦うことで強力に発揮できますから、アメリカ、イスラエルってのは非常に緊密な関係なんですよ。
ですが1つの団体ではないんですよ。つまりアメリカがもう止めるって言っても、イスラエルは止まらないということがある。これ複雑ですね。その上でここポイントなのが、イラン側もそうなんですよ。イランが支援してるヒズボラ、ハマス、フーシ派、これらは支援している。それは利害関係が一緒だから動いてるんですが、ここで合意したからと言って、彼らが完全に戦いを止めるかというと、そうではないです。
つまりアメリカはイスラエルを完全に言うことを聞かすことができないし、イランはこういった武装勢力を完全に言うことを聞かすことができない。だからこの合意は非常に複雑。つまりあんたんとこのチームはまだ動いてんじゃんって、お互いに言い合うという関係なんですよ。
この恨みの歴史。お前たちがやったんだろう。お前がやったんだろうが重なって、どっちが悪いのかもう分からない上に、一国対一国ではなく、アメリカ、イスラエル&イラン、武装勢力という複合的な関わり方が、この手詰まり、泥沼を生んでいるっていう話だったわけです。これ複雑ですよね。これ一体どのように折り合いをつけるのか。でも折り合いをつけないと疲弊していきます。お互いに疲弊していく。
だからこそアメリカがイスラエルに対して何かアプローチをするのか。イランが武装勢力に対して何かアプローチをするのか。そしてどういった対話が行われていくのかというのは、まさに今月進んでいくであろう事態なんですよ。ですからここに対するニュース、これから出てきます。その上でそれが一体何に影響するか。皆さんの生活ですよ。
皆さんが、ガソリンだけじゃない。ポテトチップスもそう、何でもそう。物価が今どんどん高くなってるのは、この原油の状況×円安なの。原油の状況だけだと思ってたら間違いですよ。なんでか。海外旅行、日本人はできないけど、海外から日本に来てるんだよね。つまり日本が特別円安という状況の中で物価高になってるっていう状況×日本がホルムズ海峡経由の原油に依存しているという状況のダブルパンチが、今の日本人の貧しさの元凶なんです。
だから日本人は今何を考えなきゃいけないかというと、高市政権における積極財政と減税の方針及び日銀へのアプローチが円安を助長してるんだとしたら、その2個の要因の1つがぐんぐん温度上がっちゃってる。その上でドナルド・トランプの一挙手一投足がイランやイスラエルの動きを変えていく。つまり高市さんとトランプさんの動きは、両方我々の生活に密接に関わってるわけ。
円安止めてよ、自民党。ホルムズ海峡を解放してよ、トランプさん。この2つの目線でしっかりとニュースを見て、そうならない、ちょっとこれやばいよって動きをしてたら、我々国民はNOっていう意見を突きつけていかないと、どんどん物価は高くなる一方。どんどん生活は困る一方。
国益と国民の生活の豊かさは違う時がありますよね。しっかりと国民の生活の豊かさを守っていただきながら国益を守っていただきたい。そういう目線で政治を見られるようになるように、私これからもニュース解説させていただきますので、ぜひぜひチャンネル登録していただいて、メンバーシップにもぜひ加入していただければと思います。有益な情報、しっかり分かりやすく解説させていただきます。ではまた。
イラン情勢は日々変化しています。2026年8月現在、ホルムズ海峡の再開を巡っては、イランとオマーンが新たな航路について合意した一方、イランがアメリカに求める制裁解除や戦争被害への補償などが壁となり、全面再開には至っていません。
そして現在、軍事衝突に加えて経済戦の比重も急速に高まっています。8月24日、アメリカのベッセント財務長官は、デジタル資産、金、テクノロジー、航空、海運の5分野でイランとの取引に対する二次制裁の対象範囲を拡大すると発表。併せて約60の個人、組織、船舶を制裁対象に指定しました。イランの資金調達を支援する金融機関についても、アメリカの金融システムから排除する可能性を警告しています。
中国などイランとの経済関係を維持する国や企業にも圧力が及ぶ可能性があり、原油市場への影響が長引けば、日本のエネルギー価格にも波及する恐れがあります。本編で見てきた通り、今の情勢は突然生まれたものではありません。ニュースを追う際は、アメリカ、イスラエル、イランの3者関係に加えて、ホルムズ海峡を巡るオマーンの仲介外交や、各国がイランとの経済関係をどう見直していくのかにも注目してください。
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