次期SINETへの接続移行:2028年1〜3月の移行期間と「おまかせ移行」「個別移行」の選び方
国立情報学研究所 - National Institute of Informatics学術情報基盤オープンフォーラム2026で、国立情報学研究所(NII)学術基盤推進部学術基盤課SINETチームの鈴木尚友氏は、現行のSINET6から次期SINETへの接続移行について加入機関向けに説明した。発表では、ネットワーク構成、移行の仕組み、2つの移行方式、提供インターフェースの変更、今後の調査とスケジュールを順に扱い、最後によくある質問に回答した。
接続拠点は70拠点のまま、データセンター位置の確定は2027年4月頃
鈴木氏によると、次期SINETはSINET6から接続拠点を変えず、全国70拠点で各データセンターの整備を進める。ただし整備は政府調達で行うため、次期SINETのデータセンター位置が正式に決まるのは2027年4月頃になる見込みだという。決定後に改めて加入機関へ案内するとした。
移行期間中は2つのネットワークが並行稼働する
移行の対象期間は2028年1月から3月までである。次期SINETはSINET6とは別のネットワークとして構築され、SINET6は2028年3月31日までに運用を停止する予定のため、この期間内に接続移行を完了する必要がある。
移行期間中はSINET6と次期SINETの両方が稼働する。両ネットワークの間には「渡り回線」が設けられ、加入機関がどちらに接続していても相互に通信できる。そのため、移行済みの機関とまだ移行していない機関の間でも通信に支障は出ない、と鈴木氏は説明した。
加入機関に求められるのは、SINET6のデータセンターにつながっているアクセス回線を、次期SINETのデータセンターへのアクセス回線へ物理的に切り替えることだ。この切り替えを移行期間中に順次進めていく。
また、次期SINET側の機器設定を準備するため、2027年4月から6月頃にかけて、SINET6への新規接続と設定変更の受付を停止する予定だという。詳しい時期は追って案内するとした。
「おまかせ移行」と「個別移行」
接続移行の方式は「おまかせ移行」と「個別移行」の2通りある。
おまかせ移行は、SINET側が接続移行を手配して実施する方式である。加入機関はデータセンターへの入館作業などを手配する必要がなく、費用負担もない。ただし、緊急時の連絡先の提示と、免責事項への同意を求める。免責事項の内容として鈴木氏が挙げたのは、おまかせ移行の作業中に通信不通が発生した場合、切り戻し作業を実施する場合、そして原因調査への協力である。さらに、切り戻しの後に機関側で機器の設定変更が必要になった場合や、機関内の回線終端装置の交換などが必要になった場合は、機関側での対応と交換費用の負担を求めるという。
個別移行は、加入機関が自ら接続移行を手配・実施する方式である。SINET6からの移行期間中に接続データセンターの変更、回線の増速、設定変更などを希望する場合は、この方式を選ぶ必要がある。
どちらの方式にするかは、来年度に予定している「接続移行方式ヒアリング」で回答を求める。回答は機関単位ではなく、物理接続、つまりアクセス回線の接続ごとに行う。
次期SINETで提供しなくなるインターフェース
方式を検討するうえで、次期SINETでは提供する接続インターフェースの一部がSINET6から変わる点にも鈴木氏は触れた。
100BASE-TXは既に新規提供を停止しており、次期SINETでも提供しない。対象の加入機関には個別に案内済みで、接続変更への対応を依頼している。40GBASE-LR4は、SINET6期間から継続している接続分に限って提供し、次期SINETの運用開始後の新規提供は行わない。
それ以外の40GBASE-FR4、100GBASE-LR4、10GBASE-LR、1000BASE-LXなどのインターフェースは、スライドに示した通り次期SINETでも引き続き提供するという。
接続インターフェース希望調査
これらを踏まえ、各加入機関の今後のSINET利用について尋ねる「接続インターフェース希望調査」を実施する予定である。現在利用中のSINETについて、回線増速やインターフェース変更の予定、その予定年度、共同調達への参加、次期SINETへの移行に関する意向などを尋ねる。
特に回線増速を予定している場合は、計画段階の内容で構わないので回答してほしいと鈴木氏は求めた。NIIはこの調査結果をもとに次期SINETの接続機器や接続インターフェースの整備を進める。回答内容について担当者から確認の連絡をする場合があるとも述べた。
IPv6トンネル接続の終了と管理者情報の確認
移行に関連する連絡事項は2点あった。
1つ目はIPv6トンネル接続の提供終了である。現在新規受付を停止しているIPv6トンネル接続は、SINET6の期間をもってサービスを終える。次期SINETでは設定しないため、IPv4/IPv6デュアル接続への移行などを検討するよう呼びかけた。既に利用をやめている機関には利用終了届の提出を求め、現在の利用機関には確認の連絡をする場合があるという。自機関が利用しているサービスが分からない場合は、SINETのポータルで確認できる。
2つ目はLAN管理責任者と事務担当者の登録確認である。LAN管理責任者は、加入機関のネットワーク運営と対外接続に関する責任者を指す。SINETから管理者IDを付与しており、SINETへの申請時にそのIDを確認している。SINETのほぼすべての利用申請書はLAN管理責任者が提出するが、申請を代行する事務担当者を登録することもできる。次期SINETへの移行に関する案内を加入機関に出す予定のため、LAN管理責任者や事務担当者が交代した場合は必ず更新申請を出すよう求めた。担当者の交代などで状況が分からない場合は、スライドに記載した申請窓口に問い合わせるよう案内した。
今後のスケジュール
鈴木氏が示したスケジュールは次の通りである。
- 今年度(2026年度):7月から9月に接続インターフェース希望調査を実施
- 来年度(2027年度):4月から6月の期間に回線の新規接続受付を停止し、続いて接続サービスの設定変更受付も停止
- データセンター位置の決定後:接続移行方式ヒアリングを実施
- 10月から12月:ヒアリング結果をもとに移行に関する案内を順次準備
- 2028年1月:移行開始
このスケジュールは今後の情勢変化に応じて変わる可能性があり、メールや説明会で順次案内していくとした。
よくある質問:移行方式について
発表の後半では、移行方式に関して多く寄せられる質問に答えた。
移行後も現行の回線と同じ接続インターフェースを使いたい場合は、おまかせ移行で対応できる。ただし、次期SINETで提供しないインターフェースやサービスを使っていないかは、加入機関側で改めて確認してほしいという。
おまかせ移行の実施日程を変更したいという希望については、SINET側で作業を手配する都合上、日程はSINET側で決めて通知するとした。
キャンパスごとに別の回線を使っている場合は、回線ごとにおまかせ移行と個別移行を選べる。複数の接続を持つ機関には、接続ごとに方式を検討するよう求めた。
次期SINETへ移行せずに利用を終えたい場合も、利用終了は可能である。その場合は、今回の接続インターフェース希望調査で、利用終了の意向を先行して回答してほしいという。
よくある質問:サービスへの影響
サービスへの影響に関する質問にも回答した。
接続移行に伴う通信断の時間について、おまかせ移行では接続の切り替えにかかる数分程度、最大30分程度を見込んでいるという。個別移行でも、事前に回線工事を済ませてから切り替える場合は同様に数分程度で済む。一方、回線工事を同時に行う場合や接続設定を追加する場合は、通信断の時間が延びることがある。
クラウド接続サービスについては、サービス提供側、つまりクラウド事業者側が接続移行を行う際に、それに応じた通信断が発生する。
広域LAN接続は次期SINETでも引き続き利用できる。移行作業はおまかせ移行で実施するため、機関側の対応は不要だという。
他の接続機関を経由してSINETに接続している機関は、移行に伴う対応事項はない。ただし、接続先の機関が移行を行う際に通信断が生じるため、影響がある場合は接続先の機関と調整してほしいと鈴木氏は述べた。
発表は、問い合わせ窓口をスライドで示し、質問があればそこへ連絡するよう求めて締めくくられた。
ご紹介いただきありがとうございます。それでは、次期SINETへの接続移行と題しまして、私SINETチームの鈴木から発表させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
はい、まず始めに次期SINETの構成についてです。次期SINETでは現在のSINET6からの接続拠点の変更は行わず、全国70拠点の各データセンター整備を進めてまいる予定です。ただし政府調達により整備を行っているため、次期SINETのデータセンター位置が正式に決定するのは2027年4月頃となる予定です。決定以降に改めましてご案内を差し上げる予定ですので、お待ちいただけますと幸いです。
次に接続移行について概要の説明をさせていただきます。下の図をご覧ください。下の図は2028年1月から3月までの移行期間中における回線の接続変更のイメージ図です。次期SINETは、SINET6とは別のネットワークとして構築をいたします。2028年3月31日までにSINET6の運用を停止する予定ですので、この期間中に接続移行を完了する必要がございます。
移行期間中はSINET6と次期SINETのネットワークが両方稼働する状態になる予定です。図の上部にあるようにSINET6と次期SINETの間には渡り回線がありまして、どちらに接続をしていても相互に通信が可能です。そのため加入機関がどちらのネットワークに接続している場合でも問題なくお互いが通信できるようになっております。
これらを踏まえまして、各加入機関の皆様には図の赤い点線で示されているSINET6のデータセンターへのアクセス回線を、図の赤線で示している次期SINETデータセンターへのアクセス回線へ物理的に切り替えていただく必要がございます。この接続先の変更を移行期間中に順次進めていく流れとなります。またですね、接続移行に向けた次期SINETへの機器設定準備のため、2027年4月から6月、第2四半期までにSINET6への新規接続及び設定変更の受付を停止する予定でございます。詳細時期はまた改めて追ってご案内をいたしますので、あらかじめご承知いただけますと幸いです。
次は接続移行方式についてです。接続移行につきましてはお任せ移行と個別移行の2通りがございます。各方式を簡単に説明をさせていただきます。お任せ移行はSINET側で接続移行を手配し実施する方式です。加入機関様側はデータセンター入館作業等の手配は不要で、費用負担もございません。
ただし、緊急時の連絡先のご提示や、何か起きた際の免責事項へのご同意をいただいております。免責事項につきましては、お任せ移行実施中にもし通信不通事象が発生した場合や、切り戻しの作業を実施する場合や、あと事象原因調査へのご協力についてご了承をいただいております。
また、切り戻しを行った後、機関様側で機器の設定変更が必要になった場合や構内の回線終端装置の交換などの対応が必要になった場合は、大変恐れ入りますが、機関様でのご対応や交換費用のご負担をお願いをしております。
もう一方の個別移行は加入機関様で接続移行を手配実施いただく方式です。SINET6移行期間中に、接続データセンターの変更、回線増速、また設定変更などをご希望される場合は本方式で接続移行を行う必要がございます。
どちらの方式で接続移行を行うかにつきましては、来年度実施予定の接続移行方式ヒアリングでご回答をお願いをしております。ヒアリングでは物理接続、つまりアクセス回線の接続ごとに加入機関様にご回答をお願いをしております。
なお機関様で接続移行をご検討いただくにあたり、次期SINETで提供する接続インターフェースについてSINET6から一部変更点がございますのでご案内を申し上げます。SINET6で提供しているインターフェースのうち、100BASE-TXについては既にご案内の通り新規提供を停止しており、次期SINETでも接続提供をいたしません。対象加入機関様には個別にアナウンスを差し上げておりますので、接続変更のご対応をお願い申し上げます。
また40GBASE-LR4はSINET6期間中からの継続接続分のみ接続提供をいたします。次期SINET運用開始後の新規接続提供はいたしませんのでご了承いただけますと幸いです。その他の40GBASE-FR4、100GBASE-LR4、10GBASE-LR、1000BASE-LX、1000BASE-Tの接続インターフェースにつきましては、スライド記載の図の通り次期SINETでも継続して提供を続けてまいります。
ここまでご案内いたしました次期SINETにおける接続につきまして、各加入機関様の今後のSINET利用をお伺いする接続インターフェース希望調査を今後実施予定でございます。これは現在ご利用のSINETについて増速、接続インターフェース変更予定、接続予定年度や共同調達への参加、次期SINETへの接続移行に関してお伺いするものです。特に回線増速を予定されている場合は計画段階の内容で問題ございませんのでご回答をお願いいたします。
本調査結果をもとに、次期SINETの接続機器や接続インターフェースの整備を進めてまいります。また回答内容につきまして担当から確認のご連絡を差し上げることがございます。お手数をおかけいたしますが、連絡があった際はご対応をいただけますと幸いです。
続いて接続移行に関連した加入機関様へのご連絡事項を申し上げます。
まずはIPv6トンネル接続の提供終了についてご案内いたします。現在新規利用受付を停止しておりますIPv6トンネル接続につきましては、SINET6期間をもってサービス提供を終了いたします。次期SINETでは接続設定いたしませんので、IPv4/IPv6デュアル接続への移行等をご検討ください。また既にご利用を終了されている機関様におかれましては利用終了届のご提出をお願いいたします。
またこちらにつきましても、今後サービスご利用の加入機関様に確認のご連絡を差し上げる場合がございますので、その際はご対応をいただけますと幸いです。また加入機関様でご利用中のサービスが不明である場合は、SINETポータルからご確認いただけますと幸いです。
続いてLAN管理責任者様とその事務担当者様の登録確認についてご案内申し上げます。LAN管理責任者様とは、加入機関様のネットワーク運営・対外接続に関する責任者様のことを指しております。LAN管理責任者様にはSINETから管理者IDを付与しており、SINET申請時に付与したIDの確認を行っております。SINETのほぼ全ての利用申請書はLAN管理責任者様からご提出をいただいておりますが、申請を代行する方として事務担当者様の登録が可能です。
次期SINETへの移行にあたり、加入機関様に対して関連のご案内を発出する予定でございます。LAN管理責任者様及び事務担当者様が交代となった場合は必ず更新申請のご提出をお願いいたします。またこちらにつきましても担当者様の交代等により状況が不明な場合は、スライド記載の申請窓口までお問い合わせをお願いします。
はい、こちら、次期SINETへの接続に関する今後のスケジュールを記載させていただきました。今年度の動きといたしましては、先ほどご説明いたしました接続インターフェース希望調査を7月から9月の間に実施をいたします。そして来年度からは、4月から6月の期間で回線の新規接続の受付を停止し、続いて接続サービス設定変更の受付も停止をいたします。並行して次期SINET国内データセンターの位置が決定した後、機関の皆様には接続移行方式ヒアリングにご回答をいただきます。ヒアリングをもとに10月から12月にかけて移行に関するご案内の準備を順次進め、2028年1月から移行が開始されます。
今回ご説明をさせていただきましたスケジュールにつきましては、今後の情勢変化に応じて変更される場合がございます。接続移行に関連し、今後もメールや説明会等で順次ご案内をしてまいりますので、お手数をおかけいたしますが、ご確認をいただけますと幸いです。
以降のスライドでは、移行に関するQ&Aを取りまとめております。移行方式に関連してよくいただく質問についてです。
最初に、移行後に現行の回線と同じような接続インターフェースを利用したいという場合です。こちらにつきましてはお任せ移行で接続移行が可能です。ただし次期SINETでは提供しない接続インターフェースやサービスのご利用がないかにつきましては、今一度加入機関様側でご確認をいただけますと幸いです。
次に、お任せ移行を利用した場合の実施日程の変更の希望受け付けについてです。こちらにつきましては、SINET側で作業を手配する都合上、日程はSINETの方で決定させていただきまして、通知をさせていただきます。
3つ目、キャンパスごとに別の回線を利用してSINETに接続している場合の回線ごとの方式選択についてです。こちらにつきましては、お任せ移行、個別移行を回線それぞれで選択が可能です。複数の接続がある機関様におかれましては、接続ごとに接続移行方式をご検討いただけますと幸いです。
最後に、次期SINETに接続移行をせずに利用終了をご希望されている場合です。こちらにつきましても、利用終了いただくことは可能でございます。その場合はですね、お手数をおかけいたしますが、先行して利用終了の意向を今回実施予定の接続インターフェース希望調査でご回答いただけますと幸いです。
他によくいただく質問にサービス影響についてのご質問がございますので、ここで回答させていただきます。1つ目が、接続移行に伴う通信断の時間はどのくらいかということについてです。お任せ移行の場合は、接続振り替えにかかる数分程度、最大30分程度を見込んでおります。一方で個別移行の場合は、事前に回線工事を実施の上で接続を切り替える場合は同じように数分程度で実施が可能です。一方で回線工事の同時実施や接続設定の追加等がある場合は、通信断の時間が延びることがございます。
2つ目、移行に伴いクラウド接続サービスにおける通信影響は発生するかについてです。こちらにつきましては、サービス提供機関、つまりクラウド事業者様側で接続移行を行う際にそれに応じた通信断が発生いたします。
3つ目、次期SINETでも広域LAN接続は利用可能か、また移行に伴い対応が必要かにつきましては、こちらは引き続き利用可能です。移行作業についてはお任せ移行で実施をしているため機関様の対応は不要でございます。
最後に、他の接続機関経由でSINETに接続をしており、移行に伴い対応が必要かについてです。こちらにつきましては、その場合は対応事項等はございません。一方でですね、接続先の機関様が接続移行を実施する際に通信断が発生いたしますので、もしそれに伴って影響があるという場合は、接続先の機関様とご調整をお願いいただければと思います。
はい、こちら最後のスライドになるんですけれども、最後に各種問い合わせの窓口を記載させていただきました。ご質問などがございましたら、お手数おかけいたしますが、スライド記載の連絡先へお問い合わせいただけますと幸いでございます。はい、以上をもちまして次期SINETへの接続移行について発表を終了させていただきます。ご清聴いただきありがとうございました。
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