円安163円の原因は「骨太の方針」か 中田敦彦が読み解く、市場が見抜いた「責任ある積極財政」
中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITYシンガポールから帰国した中田敦彦は、帰国後最初の授業のテーマに円安を選んだ。中田はこれまでも円安について何度も授業をしてきたが、それでも国民が怒らないことを問題視している。中田によれば、人々が怒らないのは仕組みが複雑で、何が起きているのか、怒ってよいのかどうかもわからないからだ。この回では、2026年7月21日に1ドル163円に達した円安について、その主因を同日の「骨太の方針」の閣議決定とみる立場から、6月末の原案報道から閣議決定までの経緯を順にたどっていく。
163円という数字と「慣れ」
話の出発点は、7月21日に1ドルが163円をつけたというニュースだ。中田は、150円台になった当初は誰もが驚いていたのに、いつの間にか慣れてしまったと指摘する。シンガポールの住居にプールがあっても、最初ははしゃいでいたのにやがて泳がなくなる、という自身の体験を引き合いに出し、野菜や米などあらゆるものが高いという状況にも人は慣れてしまうと語った。そのうえで、163円という水準で何が起きているのかを改めて確認したいと述べる。
円安とは「持っている円の価値が安くなる」こと
中田はまず円安を「円の価値が安くなる」と言い換えて説明する。欲しいものが安くなるのは嬉しいが、自分が持っているものが安くなるのは嫌なものだ。買った家や車が値下がりしたり、買ったばかりのバッグが3割引きで売られていたりすれば腹が立つ。多くの人は普段ドルやユーロではなく円を使い、財布にも円しか入っていない。その円の価値が下がっているのだから、これは持っている家や土地や鞄が値下がりするのと同じで、ピンチだというのが中田の説明だ。
「良い・悪い」ではなく「誰にとって得か」
一方で、「円安は日本経済にとってプラスだ」と主張するインフルエンサーもいる。中田はこれに対し、円安を良い悪いで論じるのではなく、誰にとって得で誰にとって損かで考えるのが正しいと述べる。
円安で得をするのは、まず輸出をしている大企業だ。海外で販売して現地通貨のドルで代金を受け取り、円に替えるとき、以前は1ドルで110円だったものが163円になるのだから「笑いが止まらない」。もう一つは、海外株などで資産を持ち、その利回りで暮らしている投資家たちだ。彼らは資産を円で持っていないので得をする。
損をするのは「そうじゃない人たち」、つまりほとんどの人だと中田は言う。ここで中田は、輸出大企業で得をするのは「勤めている人」ではなく「持っている人」だと強調する。トヨタに勤めている人は大勢いるが、トヨタを「持っている」のは豊田章男氏であり、ユニクロのカットソーを持っている人は多くても、ユニクロの会社を持っているのは柳井正氏だ。トヨタに乗りユニクロを着ている大多数の人にとっては、円が安くなることは厳しい。
「円安は日本経済にとってプラスだ」と言う人は、得をする側を見ているのだと中田は整理する。そして自分はYouTube大学を柳井氏や豊田氏のために作っているのではなく、500万人を超える登録者の大半を占めるであろう損をする側に向けて話しているのだ、と自らの立場を明確にした。
高市首相の川崎演説と「外為特会がホクホク」
中田は、この「誰にとって得か」の区別について、高市首相自身も曖昧な言い方をしていたと指摘する。2026年1月31日、川崎での演説で高市首相は「円高がいいか円安がいいかっていうのはわかりません」と述べた。そのうえで、輸出産業にとっては大チャンスだと語り、外為特会(外国為替資金特別会計)が「ホクホク」だという趣旨の発言もしたという。
中田は外為特会を「政府が持っている海外のお金」と説明し、政府も投資家の立場に立てば円安で得をすると解説する。日本経済を強くしたいことを軸にする高市首相だからこそ、そうした意見になるのだと中田は見ている。しかし一般の国民は外為特会を持っていない。
円安の影響を身近に示す例として、中田はiPhoneを挙げる。新しいiPhoneを毎年買うことは夢物語になり、画面が割れた古い機種を使い続けている、数十万円もして飾っておきたくなるほどだ、と冗談まじりに語った。
主因は「骨太の方針」の閣議決定
では、この円安の原因は何か。中田は、7月21日に行われた「骨太の方針」の閣議決定が主な原因だと言われていると述べる。多くの人がゴシップニュースを追っている間に、これが閣議決定されていたというわけだ。
中田は、中東情勢の不安による「有事のドル買い」が原因だとする説明もあると紹介している。戦争のような危険が起きると、世界中の人が最も信頼される通貨であるドルを買う。その結果ドル高になり、相対的に円が安くなるという説明だ。
しかし中田は、それでは説明しきれないと反論する。根拠はドル円以外の為替レートだ。ユーロ円や人民元円、シンガポールドル円で円高になっているなら、ドルが強くなっているだけだと言える。だが実際には円が単独で安くなる「円の独歩安」が続いている、と中田は言う。みんなが揺れているなら地震だが、自分だけがふらついているなら酒に酔っているのであって、日本は後者の状態だという例えを使った。独歩安であるなら原因は国内にあり、7月21日の国内で最もインパクトがあった出来事が骨太の方針の閣議決定だった、というのが中田の論理である。
骨太の方針とは何か
中田によれば、骨太の方針は2001年の小泉内閣から始まり、毎年夏(6〜7月)に発表される経済の大方針だ。予算編成にとって最も重要な文書であり、国民から集めた税金を何に使うかを左右する。家計にたとえると、車を買うかリフォームするかを考えているときに、父親が「ロレックスを10個買う」と言い出したら困るのと同じで、お金の使い道は集団にとって一番大事なのだと中田は説明する。
「骨太」という言葉の由来についても、中田は2001年の財務大臣だった宮澤喜一氏が、枝葉の議論ではなく骨太の議論をして、日本がどこへ向かうかを国民にわかりやすく伝えようと述べたことにあると紹介している。だからこそ、本来は簡単に変わらないマスタープランなのだという。
6月30日の「原案」報道と三つの火種
中田は、実は「骨太ショック」が起きたのは閣議決定の1か月前、6月30日だと言う。高市政権にとって初めての骨太の方針として政界や投資家が注目するなか、原案とされるものが報道された。その内容に衝撃が走ったという。中田はその問題点を三つにまとめた。
一つ目:「財政健全化」の文字が消えた
一つ目は、2001年以来毎年必ず入っていた「財政健全化」という言葉がなかったことだ。日本は赤字国債が膨らみ続けており、アベノミクスの12年間には「借金してでも景気を刺激すればトリクルダウンが起きる」と信じたが、それは降ってこなかった、と中田は振り返る。それでも歴代の総理は、財政を健全化しつつ頑張ると言い続けてきた。
中田はこれを、町で一番借金の多い父親にたとえる。毎年正月に「今年こそ節約して借金を返す」と宣言し、実際には返しきれていなくても、家族は「今年こそ頑張ると言っているから」と思える。その父親が今年はその宣言をしなかったのだから、家族はドキッとする。
代わりに打ち出されたのが「債務残高対GDP比」という基準だ。中田はこれを、借金の残高を国が生み出す経済活動の規模と比べた比率だと説明する。これまでの目標はプライマリーバランス(収支)の単年度黒字化、つまり1年間で黒字にするという普通の目標だったが、それが厳しいので、節約して借金を返すのではなく、GDPを増やすことで借金の比率を下げる方向で評価してほしい、という基準の変更だと中田は読み解く。
父親のたとえで言えば、節約生活にはうんざりなので、カツ丼も頼みたいし蛇口もひねりたい、その代わりたくさん働く、と言っているようなものだ。これが積極財政だと中田は言う。その柱が370兆円の官民投資で、国も税金を出し民間大企業からも資金を集め、それを何倍にも膨らませれば借金の大きさが気にならなくなる、という発想だという。
中田はここに「外れたらどうするのか」と疑問を投げる。家族のお年玉まで集めて競馬場に行く父親にたとえたうえで、競馬と同じほど当たらないと言っているわけではないと断りつつ、これまでもクールジャパン戦略や各種の機構が作られてきたが、大儲けしていれば今こんな目に遭っていないはずだと述べた。国の投資は必ず当たるわけではなく、不確定な要素があるのに、プラスの方向で評価してほしいと基準を変えてきた、というのが中田の受け止めである。
二つ目:日銀への圧力と読める文言
二つ目は、「強い経済のためには適切な金融政策運営が必要」という文言だ。中田は、金融政策は政府ではなく日銀の仕事で、政府が担うのは財政政策だと説明する。
金融政策とは金利の上げ下げのことだ。アベノミクス以降、金利はゼロ金利やマイナス金利と言われるほど低く抑えられてきた。お金を借りやすいほうが経済は回るからだが、弊害もある。円で貸しても利子がつかないなら、円をドルに替えてドルで運用したほうが儲かる。これがキャリートレードで、低金利は国内を刺激するには良くても、ドルやユーロと比べられる対外的な場面では円を弱くする。
中田によれば、アベノミクスの異次元金融緩和は本来、一気に刺激してから引き締める期限付きの政策だったが、うまくいかずにずるずると続き、後に引けなくなった。日銀の植田総裁は最近少しずつ金利を上げているが、景気を良くしたい高市首相からは上げるたびに睨まれている、と中田は見ている。
なぜ政府と日銀は独立しているのか。中田の説明では、両者は対立しやすいからだ。政治家は選挙で選ばれるため、減税や財政出動など国民に人気のあることを言いたくなる。一方、選挙で選ばれていない日銀の仕事は円の価値を守ることで、「通貨の番人」と呼ばれる。中田は独立が失われた例として第二次世界大戦を挙げ、政府が戦費のために日銀に大量の円を刷らせた結果、戦後に円の価値が暴落するハイパーインフレが起きたと説明した。朝100円だったパンが昼に1000円、夜に1万円になるような状態を防ぐ最後の番人が中央銀行だという。
ただし日銀の立場は弱く、政府のほうが任命権などの権力を持つため、植田総裁は言葉を選んでいるように見えると中田は言う。その日銀に対して政府側から「適切な金融政策運営が必要」と言うことは、父親が母親に「タンスにお金を貯め込まずに適切に小遣いをくれ」と言うようなもので、強い圧力として市場に読まれた。中田は、発言する側の意図ではなく、受け取る側の反応が問題だと強調する。借金を返す気をなくしたうえで、日銀に金利を上げさせず、財政出動で景気を良くしようとしているのではないか。そう読まれたからこそ、市場は円安が止まらないと判断し、円を売ったほうが儲かると考えた、というのが中田の解釈だ。
三つ目:財源なき歳出拡大
三つ目は、財源の裏付けのない歳出拡大である。370兆円の官民投資に加え、中田は最近、特定のゲーム会社にいくら出すという報道があり、本当にその会社で大丈夫なのかという議論があったことにも触れた。国が親しい相手にお金を配っているだけならどうしよう、と思ってしまうからこそ、大盤振る舞いは厳しく見られるべきだと述べる。
さらに消費減税もある。中田の説明では、食料品の消費税8%を1%にし、残る1%分も給付金で実質ゼロにするという内容だ。耳障りは良いが、どこかに歪みが来ているはずだと中田は言う。父親が競馬に持っていくお金が、実は子どもたちの学費なのではないか。一般市民が苦しむことと引き換えに株価を上げたり投資家を儲けさせたりしているのではないか。中田は、海外の投資家たちがそうした構図を見抜いた結果が円安だと述べ、国民はもっと怒ってもよいのではないかと訴えた。
トラス・ショックという先例と「責任ある積極財政」
ではなぜ、これまでこの政権の姿勢は見破られず、高い支持率を保っていたのか。中田は、保険をかけた言葉選びをしていたからだと言い、その背景に2022年のイギリスの「トラス・ショック」を挙げる。
中田の説明では、イギリスで大人気の女性首相が選ばれ、議席の大多数を得たうえで大幅減税を打ち出した。財源を問われると、パーティーを開けばみんなが元気になって働いて稼いでくれる、という趣旨の答えだった。これに対して市場、つまり世界中で通貨や国債を売り買いする人々が「この人は深く考えていない、財源がない」と判断し、ポンドと英国債が同時に売られた。通貨と国債のダブル安によって、トラス首相は45日間で退陣した。
これを知っていた高市首相が使ったのが「責任ある積極財政」という言葉だと中田は言う。高市首相は総裁選のころから積極財政を掲げていたため、そのままでは最初から市場に怪しまれていた。そこで「責任ある」をつけた。中田はこれを「節度ある競馬活動」にたとえる。節度があるなら楽しめばよく、批判する理由はない。怖いのは節度を失うことだけだ。
その「責任ある」の部分が疑われ始めたのが、先述の1月31日の川崎演説だったと中田は指摘する。円安と円高のどちらが良いかは主体やタイミングによって違う。アベノミクスの頃は円高でデフレだったから積極財政が求められたが、今は大幅な円安になっている。それなら是正してほしいのに、「わからない」と言ったうえで、輸出産業や外為特会の側の意見を強く選んでいる、と中田は受け止めた。そうしたなかで、責任の中身を確かめる場として注目されたのが骨太の方針の原案だったという。
原案報道後の市場の反応と2度の修正
中田は、原案報道後の動きを日付を追って説明した。翌7月1日には1ドル162円84銭まで円安が進み、その5日後には国債の長期金利が2.830%に上がった。中田はこれを「数十年ぶり」の水準だと述べている。
ここで中田は、国債の金利が上がる意味を解説する。国債は利子をつけて返す約束でお金を借りる仕組みだ。信用できる親友ならジュース代に利子は求めないが、ちゃらんぽらんな相手なら高い利子を求めたくなる。銀行にも友人にも借りられない人が行き着くのが、『闇金ウシジマくん』に描かれるような法外な利子の世界だ。つまり信用と利子は反比例する。国債の金利が上がるということは、日本がお金を借りるときに世界から高い利子を求められている、すなわち日本の信用が下がっているということだ、と中田は説明した。
事態の重大さを受けて、政府は7月7日に原案の修正を発表した。中田は、変わらないはずのマスタープランである「骨太」を曲げるのだから、重大なことが起きている証拠だと言う。追加されたのは「安定的な物価上昇を実現しながら」という文言で、ハイパーインフレにはさせない、ギャンブルには行くが破産はしない、という意味だと中田は読む。
しかし市場は信じなかった。翌日の長期金利は2.870%に上がり、9日には2.9%に達した。そこで7月10日、再修正が行われる。今度は「金融政策の具体的手法は日本銀行に委ねる」という趣旨の文言だ。中田は、これは法律で決まっている当たり前のことであり、わざわざ改めて書くのは、日銀への圧力を疑われていると政府自身がわかっているからだと指摘した。
片山財務大臣のGPIF発言
さらに片山財務大臣が、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による国債の買い支えもありうると示唆した。中田はGPIFを、国民から集めた年金を運用し、その利益を還元する年金基金であり、世界最大の機関投資家とも言われる存在だと説明する。
本来GPIFは国民の利益を最大化するために使われるべきだが、国債の金利が上がりすぎないように国債を買うということは、人気のない商品の値崩れを防ぐためにみんなのお金を使うことだ、と中田は言う。みんなでカンパして人気スイーツの「もっちゅりん」を買ってきてほしかったのに、仲の良い潰れそうな和菓子屋のおはぎを買ってきたようなものだというたとえを用いた。
中田によれば、これには前例がある。第二次世界大戦直後のイギリスで、戦争で借金まみれになり、債務残高対GDP比が200%に達していた。中田は、戦費を使いすぎたことでイギリスは基軸通貨の地位を失い、アメリカの時代になったと説明し、そこまで追い詰められた国がやったことを日本がやる可能性に言及したのは大事件だと述べた。この発言を受けて、1ドルは162円台から161円台へ少し戻したという。
閣議決定の延期と、最終案への「NO」
政府はこの段階では「あくまで原案であり、正式な閣議決定を待ってほしい」という姿勢だった。閣議決定は7月14日の予定だったが、1週間ずれ込んで21日になった。中田は、発表しても円安と長期金利の上昇が止まらなければトラス・ショックに一直線になるため、揉めに揉めたのだろうと推測している。
最終決定された案には、日銀に手法を委ねる文言や安定的な物価上昇の文言は加えられていた。しかし中田によれば、「財政健全化」の文字はなくなったままで、財源なき歳出拡大も維持されていた。その結果が冒頭の1ドル163円台だ、と中田は言う。2度の修正を経て最終決定したマスタープランが、市場からNOを突きつけられたというのが中田の見立てである。
ただし中田は、為替にはさまざまな要因があり、必ずこうなるとは言えないとも留保している。そのうえで、円安が止まっていないという事実、閣議決定がこれほど揉めた事実、その結果出したものがこうした反応を生んでいる事実がある、と整理した。
「最後の野党」としての市場と弱い野党
中田は市場を「最後の野党」と呼ぶ。トラス首相は国民に人気があり議席も取っていたので、野党は弱く蹴散らせた。お金をばらまけば国民は黙り、議席が足りなければ野党も黙る。だから大胆に発表できたが、最後に彼女を追い詰めたのは市場だった。市場は思い入れや愛着ではなく、その主体に未来があるか、自分が儲けられるかで売り買いするため、国民とは違う原理で動いている、と中田は説明する。
翻って日本では野党が弱すぎると中田は言う。自民党が過半数割れしていた時期には、与党と野党の間で条件を突きつけてキャスティングボートを握る「ゆ党」の戦略が花盛りだった。しかし高市首相が選挙で過半数を圧勝で得たことで、そうした話は聞かなくなり、ゆ党は条件を一つ飲んでもらう形で取り込まれていった、というのが中田の見方だ。
そして最後に、煙に巻かれる国民がいると中田は言う。「円安と円高のどちらが良いかわからない」という総理の言葉をそのまま信じている人が多いが、iPhoneが買えないのになぜ円安が良いのか。無理してハワイに行ったら朝食が4000円で、パンケーキ1枚に4000円も払った、ぼったくりではなく普通の店で、驚いていたのは日本人だけだった、という旅行者の話を例に挙げた。それを聞いてハッピーだと思うなら黙っていればいいが、また海外旅行に行きたい、iPhoneを買いたいと思う人には考えるべきことがある、と中田は訴える。
中田自身の立場と留保
中田は締めくくりに、自分とは別の考え方もあると認めている。日本経済が元気になれば本当に元気になるかもしれないし、積極財政がうまくいった場合の話もすべきだという意見もあるだろう、と述べた。それでも、自分の見るところ事態はこちらの方向に進んでいるからこそ、損をする側の視点を伝えておく必要があると考えている、というのが中田の立場だ。
中田は自身を、政治家でもなく、どの政党にも事務所にも所属していない「天涯孤独の明日知れぬYouTuber」と位置づけ、何の立場もメリットもないからこそ言えることがあると述べた。そして今後も日本で授業を続け、「日本人が再びiPhoneを買える日まで」働いていくと語って授業を終えた。
どうも中田敦彦です! さあ、今日も早速参りましょう! エクストリーム現代社会! 止まらない円安と骨太ショック編。日本がヤバい。さあ、やってまいりました。日本がヤバいと言いつつ、シンガポールからこの度帰国いたしました! よろしくお願いします! ありがとうございます!
なんで戻ってきたんだと、戻ってくんじゃねえよと、そういう皆さんのご批判もあるかもしれませんけれども、私はこれからこの日本で働いて働いて働いて働いて働いて、働いてまいりますということでございまして、私なりにできることを日本のためにやっていきたい! そういうふうに思っておりますので、なんとか今日はこの日本の現状、いや惨状を皆さんにお伝えしたく、馳せ参じたわけでございますんで、最後まで聞いていただきたい!
というのも、これですよ。止まらない円安。「中田、円安好きだね」ということで、もう何年も前から円安の授業してますよね。何百万回も再生されておりまして、非常に皆さんにはもう原因は伝わってると思うものの、皆さんの怒りの声が静かなんですよ。なぜ怒らない、国民と私は思うんですね。というのはメカニズムがやっぱり複雑で分かりづらいからですよね。怒っていいのかどうかも分かんないし、何が起きてるのかも分かんない。
ただ事実として、直近7月21日、1ドルがついに163円に行ったんですよ。「へえ、そうなの」と。150円台ぐらいが最初驚いてたのに、慣れてきちゃったんだよね。分かんないけど慣れるもんなんだよな。シンガポールも住みゃ慣れるしさ。プールがあったりすんのよ、シンガポールって。泳がなくなるよね。慣れちゃうから。「あるな、プール」みたいな。泳がなくなるのよ、最初ははしゃいでたのに。泳がなくなる。それぐらい150円台のドル円に慣れちゃったわけでしょ。野菜とか高いな、米高いな、いろんなもん高いな。慣れちゃったんだよね。でもついに163円に行ったっていうニュースがあるわけよ。
これは何が起きてるんだ? これ、円安っていうのは何なのかをもう1回確認させていただきたいわけ。じゃあなんで中田騒いでんのかというと、円安って円の価値が上がる、下がるとか言われるから覚えられないの。こうやって覚えて。円と安含めて文章作りました。「円の価値が安くなる」ってこと。覚えやすいよね。円の価値が安くなるの。
皆さん、欲しいものの値段が安くなるんだったら嬉しいよね。だけど自分の持ってるものが安くなるの嫌じゃない? あなたの買った家、安くなってますよ。嫌ですよね。あなたの買った車、安くなってますよ。やだよね。あなたが買いたいものが安くなってるのが嬉しいんだよね。なんで買ったものが安くなってるのと。ありますよね。バッグ買った直後に同じバッグが3割引きで売られてる、みたいな。腹が立つじゃないですか。そういうことが起きてんの。
皆さんは円を基本的に持ってますよね。財布開けて、ドルとかユーロあんま入ってないですよね。なぜなら普段使わないから、円を使うわけだ。その持ってる円が安くなってるんだから、これはピンチだって話なんですよ。持ってる家が安くなる。持ってる土地が安くなる。持ってる鞄が安くなる。すごく辛いわけですよ。その状況が今起きてる。
でも皆さん、円安の方がいいんだぜなんていうインフルエンサーとかいますよね。「円安は日本経済にとってプラスだよ。それ分かんないみんなはバカだよ」とかっていうのを見ると、「え! そうなのかな?」と思うよね。でもこれは、いい悪いではなくて、誰にとって得で、誰にとって損かっていう考え方が実は正しいの。これがポイントなんですよ。
円安っていうのは、とある方々にとっては得なんですよ。それは誰かと言うと、輸出をしていらっしゃる大企業さん。これ得なんすよ。なんでかと言うと、いっぱい何かを売るでしょ、外国に。そしたら現地の通貨でもらうわけですよ。ドルでもらいましたってなった時に、ドルを円に交換する時、1ドルで110円しかもらえなかったものが163円も! ってことだから、ドルを現地でもらいますっていう輸出大企業さんにとっては、もう笑いが止まらないわけですよ。嬉しいよって。
他にも投資家の方々。「もう働いてません。もう投資でやってます」みたいな人で、「海外株で大抵資産持ってます。それの利回りだけで暮らしていけてます」みたいな。「もうFIREよろしく」みたいな、そういう人たちにとっては、海外株を持ってますから、日本の円で持ってませんから得なんですよ。すごいですよね。じゃあ、損なのは誰かって言うと、そうじゃない人たち。そうじゃない人たち、手を上げて。みんななんだよね。
輸出大企業って言っても勤めてる方じゃないよ。持ってる方だからね。トヨタに勤めてるよっていう方、いっぱいいるかもしれないですよ。トヨタ持ってるよってなったら、章男さんですかって話になりますからね。章男さんが今日来てるのって話になるし、章男さん見てるのって話になるんですね。ユニクロ買ったことあるよつったらみんなあるけどね、ユニクロ持ってるよ! ないよね。ユニクロのカットソーは持ってんだよ。ユニクロの会社は持ってねえんだよ。持ってますつったら、それ正さんですかとなりますからね。そういう正さんですとか章男さんっていうのは笑い止まんないよ。だけどユニクロ着てる、トヨタ乗ってるっていう大多数の人にとっては、円は安くなってるから非常に厳しいっていう、そういう状況が進んでるっていうことなの。
だから円安はいいよ、円高はいいよっていう話をした時に、「誰にとって」、これを忘れないでください。その誰にとってっていうのの、この2つの種類ってのは大きく違うんだよって話。だから日本経済にとってはプラスなんだっていう人は、ここを見てるから。得する人もいるじゃないかっていうのは、ここを見てるから。でも大多数の人がここなんじゃないのっていう話が重要なんですよね。
なんでかって言うと私はYouTube大学を正さんや章男さんのために作ってないんですよ。登録者2。それが正と章男だったら俺の意見は変わるよ。だけど500万人超える登録者のほとんどがこちらであろうことは火を見るより明らかなんだから、こっちに向けて喋るよってそういう話ですよね。私も私で、私の仕事してるだけなんですよ。
だとして、この2つがよく分かんないよっていう話を高市さん自身もしてたんだよね。2026年の1月31日、高市さんが川崎で演説した時にまさに「円高がいいか円安がいいかっていうのは分かりません」っていう話してたわけですよ。総理自体が言ってるわけね。どっちか分かんないでしょ。その上ですよ、「輸出産業さんにとっては大チャンスなんです」って言ってるわけですよ。だから高市さんっていうのは、日本経済を強くしたいっていうところがポイントだから、そういう意見になるわけ。その上で「外為特会がホクホク」っていう話、聞いたことありますよね?
外為特会がホクホクしてるっていうね。俺たちが知ってるホクホクはジャガイモしかないわけよ。「外為特会がホクホクしてるね」って、お母さん言ったことないわけだから。その外為特会がホクホクしてる、初めて聞いたよな。この外為特会って今、何ですかって聞かれたくはないんだよね。分からないから。なぜならバカだと思われたくないから。そうですよね。
外為特会ってのは政府が持ってる海外のお金なわけ。つまり政府がこれなのよ。政府にとって、投資家の立場を取ればホクホクしちゃうわけ。政府っていうその経済運営体が投資家の立場から見たらホクホクしてるよって話。でも外為特会をみんなは持ってないんだよね。俺持ってるぜって人、あなたは政府ですねって話になるけど、そうじゃないわけだから。だとしたら、これは1回考えなきゃいけない状況なわけですよ。
そろそろ危機感湧いてきたよね? 「そうなの? 私にとってこれちょっと聞かなきゃいけない話だな」と。円安このままだとやばいよと。円が安くなるってことは何? iPhoneが買えないんだよね。俺たちの大好きなiPhoneの、毎年買うのがもう夢物語になってんだよな。古い古いiPhone、バキバキにひび割れてます。でも撫で回して舐め回して使ってんだよな。なんでかって言うと、新しいiPhoneが買えた代物じゃねえから。そうなんだよね。数十万、「え、何これ?」っていうね。「それ飾ろうかしら」っていうね。金塊じゃねえんだからっていう、iPhoneがそういう状態になってる。そういうことなんだよな。
じゃあこれの原因なんですか、教えてくれよ中田って、そういう話になるね。この原因がまさにですよ。7月21日に、ついこの前決まった骨太の方針の閣議決定が主たる原因だと言われてるわけなんですよ。「え、待ってください。1文字も分かりませんでした」。そういうことなんだよな。日本語だということしか分からない。骨太の方針の閣議決定が行われたという事実。正直スルーしておりましたと。ゴシップを追いかけるので一生懸命だったんだね。
鬼越トマホークが揉めてるらしいみたいなことを、「やっぱそうなの」みたいな。「有吉さん怒ってんの?」なんて言ってる間に骨太の方針が閣議決定されて、俺たちはiPhoneを買えなくなってるという、そういうことが起きてるわけだよね。許すまじネットニュースだよな。なんで優先順位が分からないんだ、あのYahoo!トピックスってのは。なんで鬼越トマホークがあんなに重要に……こっちが重要なんじゃないのかと、そういう話ですよね。
この骨太の方針の閣議決定が主じゃないっていう意見も情報であるよ。それは例えば中東の情勢不安によって、有事のドル買いでこんな円安進みましたっていう説明してるところもある。それはどういうことかって言うと、有事のドル買いっていうのは、有事ってのは危険なこと、戦争みたいなことね。だから中東でドンパチやってますとなったら、戦争中だってなったら世界中の人が、危ないからどこの国が安全か分かんないから、世界で1番強い通貨買おうということで、1番信頼感のあるドルに飛びつく。中東の人とかヨーロッパの人とか、これ危ないかなと思ったらドル買っとこってなるっていうドル買いがあるから、ドル高になってるから円が安くなる。相対的なもんなんじゃないって説明もある。
だがそうではないという説明ができる。それは何かと言うと、ドル円だけを見るんじゃないんですよ。これ皆さんドル円調べてる方多いと思いますけどね。ドル円だけ調べないでって言いたいの。ユーロ円、人民元円、シンガポールドル円、これ調べれるんですよ。それでユーロ円とかその人民元円とかが円高になってるんだったらドルのせいだよね。それは俺が下がってんじゃなくてみんなが上がってるみたいな、それが調べられるのは周り見たらだよね。
ってなった時にさ、地震かなって思うのは、みんなが揺れてる時じゃん。その地震かなと思ったら俺だけがアルコールでフラフラしてたっていう時あるよな。そういう状況なんだよ、日本は。円が一人歩きで安くなる。これ円の独歩安って言うんだけど、円の独歩安状態がここ最近続いてるっていう話なわけ。だからこそこれは状況が国内にある。その国内で最も7月21日インパクトがあったのが、この骨太の方針の閣議決定だったって話。
だから骨太の方針の閣議決定。閣議決定はギリ分かる。内閣の中で議論して決めるってことだよね。閣議で決めると。内閣は何決めたの? 骨太の方針ですと。「骨太の方針ですね」と言われたくないよね。「あなた骨太の方針取ってますね」って言ったら、ぶっ飛ばしてやろうかということだよね。私痩せたいんですけどと。そういう話ですよね。
骨太の方針ってのは、これめちゃくちゃ重要なの。これ絶対に覚えとかなきゃいけない言葉なんですよ。大人になったら覚えといてほしい。何か? 骨太の方針っていうのは2001年から、小泉内閣から始まってる、なんと毎年夏に発表されてる経済の大方針なの。これが1番最重要文書。何にとって? 予算編成にとって。つまり日本のみんなから集めた税金、何使おうかな? 予算編成1番大事だよね。
家計だってさ、何に使うなんてね、車買おうかなとか、家をちょっと増築しようか、リフォームしようかななんて言ってる時に、「俺はさ、すごいロレックス10個買っちゃうぜ」なんつっちゃう親父がいたら、ぶっ飛ばしてやろうかってことだから、やっぱり予算、お金の使い道、集団にとって1番大事なわけ。そのお金の使い道を左右する最重要文書として骨太の方針があるわけだから、この経営発表の大方針が毎年1回夏ある、6、7月にあるらしいんですよ。
皆さん今まで見てました? 見てないんだよね。やっぱ夏祭り、隅田川花火大会を見ても、この骨太の方針まだかなっていう人いないんだよ。高橋英樹さんと真麻さんが2人で骨太の方針見てる番組ないわけだから。それ隅田川の花火大会なわけだから、そうなるでしょ。だから骨太の方針、これ見なきゃいけないわけ。
この骨太の方針のショックがあったって言うんだけど、これが実は「骨太ショック」と言われておりまして、今。骨太ショックが起きたのが、実はここ7月21日段階より前の、なんと6月30日。1ヶ月前なの。1ヶ月前に原案とされてるものが報道されたんですよ。骨太の方針を7月に発表するらしい。高市政権がいよいよ大方針を発表するぜ。高市政権にとって初めての大方針だからな。一体どんなものになるか楽しみだなって政治家の界隈の人たちは、投資家の人たちも言ってたわけですよ。
そんな中で、お! 原案が、プロトタイプが出てくるぞと。ちょっと下書きが出てくるぞということで、下書きが報道されました。したら衝撃食らったわけ。「ええ!」と。これはすごすぎるってなったの。何がすごかったか? 3つの火種、3プロブレムがあったんだよね。これ何か? 1個目、財政健全化という5文字がなかったってことなの。
なかったら驚きなんですか? これ驚きなの! なんでか? 2001年から毎年やってるでしょ、これ。2001年から毎年絶対入ってた言葉なんですよ、これ。なんでか? 日本は赤字国債が膨らみに膨らんでるってことは聞いたことあるよね。赤字国債ってのは、予算がちょっと足りないから借金させてもらいますわという形で、国債ってのは国の債権債務ということで、国が発行してる国債、あれを発行して調達する。会社だったら社債っていうよね。個人だったらそれは借金なわけだよ。
その借金っていうものがものすごい膨らんでいってるのは、アベノミクスとかも通して大盤振る舞いして景気刺激して、トリクルダウンを起こすんやつってね。今は借金してでもみんなを刺激するんやっていう、俺たちが信じたあのアベノミクスドリームがあったわけでしょ? トリクルダウン降ってこいつって、カラカラの喉の状態で、おかしいなって首かしげたあの12年間があったわけでしょ。そういったこの財政健全化に対する格闘ってのはもう20年以上続いてたわけ。前総理も前々総理も全員が、財政は健全化しつつ頑張りますって言ってたわけ。
それはどういうことかっていうと、お父ちゃんが借金ものすごいあると。この町で1番借金あるお父ちゃんが毎年正月に宣言するわけですよ。「節約して借金今年こそ返します」。「父ちゃん、また」って言うわけですよね。もちろん返せてるかと言うと返しきれてないし、父ちゃんは借金膨らましてんだよ。だけど毎年その意気込みを見せてるところでさ、俺たちは、まあまあ父ちゃんも今年こそ頑張るって言ってるしなと思っちゃうわけ。
その父ちゃんがなんと借金が膨らんでるにもかかわらず、今年むっとしてたんだよね。「えっ⁉ えっ、父ちゃんどうしたの?」と。「今年の方針は終わりです」。「終わりです?」。健全化って言わなかった、今年。これはドッキンドッキンするよね。家族としては「どうしたの? お父ちゃん?」っていうことになるわけですよ。これがドッキンドッキンさせてる。その代わりお父ちゃんが言い出してるのが、「債務残高対GDP比で皆さん頑張りませんか」って言い出してるわけ。
何ですかと。ちょっともう四字熟語を超えた時点で私は気を失ってますので、この辺りではもう眠ってましたけどっていうね。この債務残高対GDP比、簡単なんですよ。債務残高ってのは借金の残高。対、VS、GDPを比べるってことね。GDPっていうのは国が生み出してる経済活動。習ったよね、GDP。国民総生産、国内総生産とかやったよね。このGDPと借金の比率で、その比率が下がったら喜んでもらえませんかっていう話になった。
基準変えてんの。いい? 今までの基準ってのはプライマリーバランスの単年度黒字化だったのはご存じだよね。ご存じないですよと。何ですかと。そのプライマリーバランスの単年度黒字化って言われたら本当に嫌だよね。プライマリーバランスってのは収支なんですよ。それが単年度、つまり1年間で考えましょ。2年3年で複合していかないで1年間。今年日本は儲かりましたか? 儲かりませんでしたか? っていうのを黒字にしていこうっていうね。うちの店、単年度で黒字にしよう。それはもう普通の目標だよね。
単年度黒字っていうものが非常にちょっと厳しいということで、債務残高対GDP比って言い出してんの。これ何が言いたいかって言うと、借金を返す、節約しながら返すっていうことよりも、GDPを増やすことによって借金の比率を下げませんかということなんですよ。
借金借金言うてます。皆さん、私、親父として借金作りました。その上で借金返すから、節約するから、電気消して水道絞ってやってきました。嫌です。もうこんな暮らしうんざりです。それよりも明るく暮らしたいのでカツ丼は頼みたいし、蛇口はひねりたい。その上でいっぱい働きますって言ってるんです。へえと。そういう感じ。だからそれが積極財政ってやつなんですよ。そのために皆さんお金をたくさん貸してください。それを持って俺、競馬場行ってきます。
本当、そういうことなのよ。なんでかというと、この370兆円の官民投資やりますって言ってるのよ。370兆円、官と民ね。国も税金で出すし、民間の大企業さんからももらうし、その370兆円のエネルギー体をぶつけて何倍にも膨れ上がらせましたら、借金がデカいこと気にならなくなるっていうことなんですよ。
じゃあ問いたいよね。外したらヤバくないって言いたいわけよ、お父ちゃんと。そのご近所の人にお金まで借りて、俺たちの小遣いまで全部、貯めてるお年玉全部かき集めて競馬場に行くのはいいけども、絶対に当たる保証はあるの、お父ちゃんと。借金を返すために節約するのは嫌や、だからみんなからお金集めて俺競馬場行くんやっていう、そういうことなんですよね。
いやいや、中田と。競馬場と一緒にするなよ、高市さんの投資を。官民投資だ。日本国民が本気になって投資するんだと言って、一体どうなりましたか、今までっていうことなんだよね。今までもありましたよね。クールジャパン戦略とか、なんとか機構とか、いっぱい作りましたよね。大儲けしてんだったら今頃こんな目に遭ってないんだよね。そういった国が投資するものは必ずしも当たるわけじゃない。だからって別に競馬ほど当たらないとか言ってるわけじゃないよ。だけど、どちらにしても不確定な要素があるけれども、プラスの方向で考えましょうよっていう基準に変えませんかって言ってきたわけ。
これはなかなか味わい深いよね。なるほど。節約してどうのこうのじゃなくて、もうこのGDPを上げることで債務残高を薄めるという方向性で評価していただけませんかという言い方が1個目。あと2個、3個ありますよ。2個目は日銀への圧力を感じる文章だったんです。どこが? 「強い経済のためには適切な金融政策運営が必要と考える」。改めて言ったんです。これどういう意味か? 分かんない人にとっては、そうなんだで終わるよね。でもここポイントなの。
金融政策というのは政府の仕事ではないんです。どこの仕事か、日銀の仕事です。日銀が金融政策やります。政府がやるのは財政政策です。金融政策っていうのは金利を上げる、下げるっていうやつですね。銀行の金利とか、みんなが借りるお金の金利、今低いですよね。アベノミクスの頃からずっと低い。マイナス金利って言われたね。ゼロ金利って言われてる。それなんでかって言うと、お金借りやすい方が経済回るからっていうことなんだけど、その弊害もあるわけですよ。
日本円持ってても、日本円で貸しても、日本で貸しても利子がもらえないんだったらドルで貸しちゃおうかな。だからドル買いになるわけ。金利が低いっていうことは他の通貨に対して考えた時に非常に弱くなるわけね。円をドルに変えて持っとけばドルで利子回した方が儲かるじゃん。これキャリートレード。運ぶだけのトレードっていうわけですよ。だから金利が低いってのは中を刺激する上ではいいけど、外との対抗戦になると、ドルも選べるぜ、ユーロも選べるぜってなると弱いわけ。
だからこそアベノミクスは最初期限付きだった。異次元金融緩和だからボーンってやって、ガーンって刺激して、その後グッと引き締める。そういうふうに考えた。ところがうまくいかないもんだから、ずるずるずるずると続いてこの状態。後に引けないのよ。ゼロ金利で続いてる。金利最近ちょっとずつ上げてるよね。日銀の植田さん、頑張って上げてるよね。上げるたびに睨まれてんの、高市さんから。なんでかって言うと、景気よくしたいねん。ボーンって景気よく行きたいのに金利上げるって、これ真逆なのよ。
つまり政府と日銀っていうのはなぜ独立してるかって言うと、対立しやすいのよ。政府は金バンバン使って減税バンバンやったりして、財政政策バンバンやって、お金使いまくってやった方が国民人気があるわけね。日銀はみんなは選んでないよね。俺、植田さんに1票入れたぜって人は、いたらそれ妄想ですよと。どこで投票したんですかってことね。俺、植田さん入れてないんだよ。俺たちが選んでるのは国民の代表たる代議士たる政治家なの。だから政治家っていうのは国民の人気、耳触り、ここがいいところを言いたくなるの。
だけど日銀には仕事があるんだよ。それが円の価値を守ること。円の価値守るってことは、ドルの方がいいじゃん、ユーロの方がいいじゃん、俺円なんて持ってらんねえやってなると円の価値が暴落してみんな大変なことになる。だから円の価値を守るっていうことが仕事なの。通貨の番人って言われてるの。だからこの通貨の番人の仕事と国民の人気を取りながら運営する仕事は対立しやすいわけだよ。だから独立してんの。
これ独立失った時ってあんの。第二次世界大戦の時に政府が戦争のための戦費をもっともっと刷りたいからっていうことで日銀に言うこと聞かせて、めちゃくちゃ円を刷らせたわけ。その結果、戦後円の価値ってのは暴落する。これハイパーインフレってやつね。ハイパーインフレってのは、いわゆるいいインフレってのは若干ずつ値段が上がっていく、物価が緩やかに上がっていくっていい状態なわけ。ハイパーインフレってのはハイパーにそれが来るわけだから、今日の朝100円だったパンが昼行ったら1000円で、夜行ったら1万円、これですよね。だから札束抱えて野菜買いに行っているみたいな教科書が出てくるの。あれハイパーインフレ。そうならないための最後の番人が日銀、中央銀行なわけ。
この中央銀行と政府は独立してなきゃいけないんだけど、やっぱり立場が弱いの。政府の方が持ってる権力が大きいし、いろんなところの任命権があったりするから、やっぱりどうしてもビクビクしてる感じするよね。植田さんがオラオラでさ、高市さんこうやって持ってる時ないもんね。発言、言葉選んでるよね。あれはやっぱりどうしても立場上の問題があるわけよ。
その日銀に対して適切な金融政策運営が必要ですわって言うってことは、どういうことかって言うと。「パパね、お父ちゃんね、これから競馬でバーン、一山当てよう思ってんねんな。そんな時にお母ちゃんが箪笥にお金ずっと貯め込んでたら困るわ。適切にお小遣いちょうだいや」っていうアプローチ。適切かどうかを判断するっていうのをこちら側から言うってことは、これ圧力として強いわけですよっていうふうに市場が読んだんだよね。
要するにこういう言い回しをしてるよ。言い回しをしてるけど、これってちょっとヤバい運営の仕方じゃないのって思われちゃってるってこと。これはこういうつもりで言いましたんやって言う側の問題じゃなくて、受け取り側の反応の問題なわけ。これ日本ってさ、借金返す気なくしちゃった上で日銀にプレッシャーかけて金利上げさせないで、その上で景気をバンバンよくしようとして財政出動しようとしてんじゃないのっていう読み方をされたからこそ、円安止まんないなと思ったわけですよ。じゃあ円安い方向に行くんだな。じゃあ円売った方が儲かるなっていうふうになるわけ。
それの最後が財源なき歳出拡大。この先ほども言いました370兆円の官民投資、大盤振る舞いですわ。父ちゃん全員から金借りて、ボン攻め込んだるで。父ちゃんがな、あの馬とあの馬、大体当たるやろっていうことなんですよ。だってそうですよね。最近も報道ありましたね。どこどこのゲーム会社にどれぐらい金出します。本当にそのゲーム会社で大丈夫なの? そういう議論ありましたよね。国の仲良い人たちにお金配ってるだけだったらどうしようと思っちゃうよね。そういうことがあるからこそ、この大盤振る舞いってめちゃくちゃシビアに見られなきゃいけないんだけど、こういう言葉とセットだと余計に不安になるぜって。
財政健全化のための節約みたいのしないのね。日銀ちょっとプレッシャーかけてんじゃないの? その上で大盤振る舞いだって。これ官民の投資だけじゃないよ。消費減税だって言ってんだよ。消費減税、食料品ね。その消費税が8%。それを1%にしよう。それ1%残った分も給付金で実質ゼロ。ゼロでございますよ。耳触りいいよね。耳触りいいんだ。政治家さんってのは耳触りの良いことを言ってくる。だけどどこに歪み来てんの? これどこに歪み来てんの。
消費減税してくれたら嬉しいな。官民投資で一発当ててくれたら嬉しいな。日銀ともうまくやってくれたら嬉しいな。財政を健全化してケチケチするより、バーンと儲かってくれたら嬉しいな。そういうことだよね。嬉しいんだよ。だけどそれに保証はない。そしてダメージを食らってるのはどこだって話。つまりそのお父ちゃん、競馬に持っていく金ってもしかして私たちの学費なんじゃないのってなった時、ピリッとするわけだよ。
俺たちが苦しんでんじゃないの? それ誰なの? 苦しんでるのはどっちなの? 大企業なの? 投資家なの? それとも一般市民なのって言った時に、一般市民が苦しむことを引き換えに株価を上げたり、投資家を儲けさせたりしてるようだったら俺たちは悲しいぜって、そういう物語を投資家たち、海外のそういう人たちが見抜いた結果がこうなの。こういう警告を出されてる。
だけど俺たち悲しいよな。それが何なのか意味が分かんないの。だから怒れないの。だから中田、シンガポールから戻ってまいりました。説明しております。皆さんはもうちょっと怒ってもよろしいんじゃないでしょうかと、私は言ってるわけですよ。中田何戻ってきてんだと怒ってる場合じゃないですよ。こんな雑魚はほっといた方がいい。それよりももっと大変なことが日本に起きてる。そうじゃないですか。
さあ、市場に見破られたトリックの話になってきた。なぜ今まで見破られなかった? めちゃくちゃ数字高かったよね。支持率高かったよね。それはなんでかっていうと、ちゃんと保険をかけた言葉選びをしてたから。なぜかって言うと、先例があったの。2022年、今から4年ぐらい前にイギリスでトラスショックっての起きたのね。この骨太ショックよりも4年前にトラスショックっての起きて、イギリスで。これも大人気の女性首相が選ばれて、大多数を取ったわけですよ、議席の。
そしてその女性は言いました。「皆さん、皆さん私は救いたい。だから大幅減税やっちゃいます」って言ったら、うわあ、嬉しい! なんですよね。同じですよね。大幅減税やっちゃいます。大盤振る舞いやっちゃいます。財源はどうなんのってなるわけですよ。どのお金で? 父ちゃん、パーティーはいいけどどのお金でってなった時に、それはパーティーをしたらみんなが元気になるんで、いっぱい働いていっぱい稼いでくれると思いますっていうことなの。分かる? 一緒じゃない? パーティーをやったらみんなが元気になる。投資をしたら必ず当たる。だからそのお金でみんなが豊かになればいいじゃないって話。これをやったんですよ、すでに。トラスショックってのは。
そのトラスさんどうなったかと。なんと、市場の信認を失う。市場っていうのはマーケット。マーケットってのは何かというと、国は円とか国債とかっていう通貨とか国債を買ってもらってるよね、世界中に。世界中がお客さんなわけ。円買う買わない、日本の国債買う買わないって世界中の人たちに開かれてる。その世界中のお客様たちがイギリスのこの姿勢を見て、この人深く考えてないな、つまり財源ないな、適当にやってるな、このままじゃこの人と取引したら損するわ、イギリスのポンドなんて持ってたら危ないよ、イギリスの国債なんて価値なくなるよっていうことで国債が売られる、通貨が売られるっていうことで、通貨と国債のダブル安。これがガーンと来たことで45日間で退陣しちゃったの。ダメだって。これイギリス経済が世界から見放されちゃう。トラスさん、下がって下がってってなったわけ。
これを知ってるから高市さん何て言った? 責任ある積極財政って言ったの。この言葉覚えてるよね。責任ある積極財政ってどういう意味ですか? これ本当にやりたいのが積極財政なんですよ。積極財政ってのは、まさに大盤振る舞い、パーティー開いてみんな元気になって稼いでくださいって話だよね。この積極財政をそのまま言ったらこうなるっていうふうに、はなから怪しまれてたわけだよね。高市さん元々総裁選の時から積極財政やりましょうっていうこと言ってたから、大丈夫かなということで。したら、なる時にこれをつけたのよ。責任ある積極財政。いい言葉だよね。
節度ある競馬活動ですよね。節度ある競艇活動ということで、素晴らしいじゃないかと。いいじゃないかと思う。スーツなんか着ちゃって。「私はあの馬が好きでございまして、非常に馬が走る姿、感銘を受けておりますから、節度のある競馬活動をさせていただいております」。批判する理由はありませんよね。合法のギャンブルですし、別に捕まるわけじゃないわけですし、節度があるんだったら楽しんでくださいと。競馬番組もありますし、競馬場もありますし、いいことじゃないですか。節度を失うのが怖いだけですからっていうことなんですよ。
ところがこの責任あるというところが疑われ出したのが、まさに最初に言った1月31日の川崎演説。ここですよね。「円高がいいか円安がいいか分かりません」。ちょっと待ってくださいって。円安がいいか円高がいいかは主体によって違うし、タイミングによって違う。アベノミクスの時は確かにものすごい円高でデフレだった。だからあの時は積極財政が求められたよね。でも今何? 今めちゃくちゃ円安になってんだよね。だとしたら、それは是正してよ、高市さん。じゃないと俺たち怖いよ。だってiPhone買えないんだもん。そういう話じゃない?
なのに分からないって言った上で、輸出産業大チャンスです、外為特会ホクホクですと言い出した。あれれれれ、こっち側の意見をものすごい強く選んでらっしゃるけど、僕たちはどうなるのかななんて言った上で、大注目だったのがこれなわけです。原案。いよいよ夏、いろいろありました。皇室典範ありました。副首都とか、副首都? いろいろありました。今ですか? 吉村さん、お願い吉村さんとか、いろいろありましたよね。そんな中、原案出るぞ。なんでこれ注目かって言うと、予算編成を左右する最重要文書で、毎年1度の大方針だから。これが国のマスタープランだから!
よし、高市さん! 責任あるの? 責任って何なの? って見た結果がこれだったってことなのよ。ええ!? と。これで市場が反応した。つまりこのトラスじゃないよというものを、こうやりながら見てた人たちが「あ! これが原案ってことは!」っていうふうに反応した。それが7月1日、翌日ですよ。1ドル162円84銭、円安になり、その5日後、国債の長期金利が2.830%になりました。上がったんです。数十年ぶりの国債長期金利が上がったんです。
意味分かんないんですよね。大丈夫です。置いてかないですよ。国債の長期金利が上がるってどういうことかっていうと、国が借金したいわけですよ。国の債券買って、お金出してくれて、それを貸して、そしたら利子つけて返すから。これが国債ですよね。株と違うのは利子がついて返ってくるっていう、そういう形式。この国債っていう、利子つけて返すから金貸してって言ってくる人に対して、すごく信用できる人だったら利子いらないよって言いたくなるよね。親友だしさ。お前すぐ返してくれんじゃん。大丈夫、大丈夫。もうそのジュース代だ、もう持っとけ持っとけ。翌日すぐ返してくれた。お前やっぱ堅いやつだなってなるわけだよね。
ところがチャランポランのやつが来て「金貸してよ」なんて言ったら、こいつヤバいなと。でも断りきれないなってなった時どうするか。やっぱり利子欲しいよね。じゃあ利子高くつくよ。これなんです。信用と利子ってのは反比例するわけですよ。だから銀行で借りれるってことは相当お金をちゃんと稼いでらっしゃる企業に勤めてるから借りれるんですよね。なるほどなと。家の担保がいくらで、給料がいくらで、その企業はどういう企業だから、じゃあ貸しましょうって銀行貸すんだよね。
でも銀行が貸してくれない。友達も貸してくれない。そういう人たちが行くのが、やっぱりちょっと利子が法外なとこ行くんだよね。『闇金ウシジマくん』の世界行くんだよね。ああいう闇金とかとんでもないところでさ、「あんたトイチだぜ、トゴだぜ。10日で5割だぜ」とかっていうのは信用がないからなんですよ。信用がないから借りれないから利子が上がるってこと。つまり国も、信用が高いという国債はみんな薄くても持っておきたいから利子安くていいよなの。つまり国債の金利が上がるってことは、日本がお金を借りる時に世界から利子を求められてるってことなの。分かった?
そういうことですよね。利子上がってます。円下がってます。君の持ってるものの価値は下がってる。そして君がお金を借りる時の利子は上げていく。つまり日本の信用が下がってるってこと。これがついにこの原案を受けて出てきた。だからこそですよ。これがどれだけ重大な問題か分かってるからこそ、7月7日、翌日、骨太の原案を修正しますって発表したの。皆さん分かります? 骨太の原案を修正するんですよ。いいですか? 揺るぎない大黒柱、ちょっと曲げますってそういう話ですよ。
骨太のっていうこの語源が、2001年の財務大臣だった宮澤喜一さん。この宮澤喜一さんが、枝葉の議論はいいですから、細かいことじゃなくて骨太の議論をして、日本がどこに向かうかを国民に分かりやすく伝えましょう。だから骨太なの。だからこそ変わらないマスタープランなわけ。その骨太を修正するって言い出したわけ。ってことは重大なことが起きてんだよね。つまりこのトラスショックを何よりも恐れてるからこそ追加します。何追加した? 文言追加したんですね。
「安定的物価上昇を実現しながらですよ」っていうことですね。安心して、安定的物価上昇、つまりハイパーインフレにはさせませんよなわけですよ。安定的物価上昇ってのは最高の景気状況ですからね。ハイパーインフレにさせたいわけじゃないですよね。破産しませんっていうことですね。ギャンブル行きますよ。でも破産はしませんということですよ。安定させます! っていうんです。
ところがじゃあ、この言葉で皆さん信じました? 信じました? 「お父ちゃん、競馬行くわ」。「大丈夫? お父ちゃんのその方針不安やけど、大丈夫? 大盤振る舞い大丈夫?」。「大丈夫。破産はしない。みんなに迷惑はかけない」。「うーん。ちょっと今までの……」。市場が反応した。国債長期金利。翌日2.870%。つまり830からまた上がってるんです。それ修正したのに上がってんの。お父ちゃんの修正見て「分かった。上げる」って言って。厳しいウシジマくんだよ。「俺もうちょっと頑張ります」って頭下げたら利子上げられちゃうんだから、大変だよね。
その上でヤバいぞ。9日、翌日、2.9%。さらに上がる。これ日に日に上がってない? ドキーン。ウシジマがもう怖すぎるということで、7月10日、再修正するわけですよ。骨太を修正して修正するということで、もう「く」の字になってくるっていうね。そういうことなんです。この再修正一体何か? 日銀に圧力かけてるわけじゃないんですよっていうこと言うわけ。日銀さんの金融政策の具体的手法は日本銀行に委ねますから。ちゃんと改めて言う。でもこれっておかしな話で、これ法律で決まってる普通のことなの。それを改めて言うってことは
ここを疑われてるって分かってんだよね。分かってるからここ言うわけよ。ちゃんと日銀の手法は委ねますからって言うわけ。さらに追加でもう片山大臣ですよ。片山財務大臣が直々にGPIFで国債の買い支えもありうるということを示唆した。これ意味が分かんないんだよね。置いていかないよと。
GPIFが分かんないんだよね。IWGPだったら『池袋ウエストゲートパーク』ってことで、俺の世代はアツいわけですよ。窪塚最高ってことなんだけど、IWGPじゃないんだよ。GPIFってのは年金基金。つまりみんなから年金を集めてるってこと。
みんな年金納めてますよね。払ってますよね。その年金ってどうやってんのと。貯めて、みんなぼーっと、麻生さんが見てるとかそういう話じゃないんだよ。こうやってタバコ吸いながら麻生さんが年金見てるとか、そういう話じゃないんだよ。貯めたものを運用してんの。その利益をみんなに還元する、国の利益にするってことやってんのね。だからそれが国民の年金基金なわけ。集めて運用してる。世界最大の機関投資家とも言われるのがこのGPIFなわけですよ。
このGPIFで国債を買い支えるってどういう意味なんです? これGPIFはみんなの利益を最大化するために使うべきだよね。ところがこれは国債の利子が上がりすぎないように国債を買うってことだよ。どういうことか分かる? 人気でもない商品の値段が下がらないために、みんなから集めたお金を使うって言ってんの。
分かる? みんなから集めたお金で儲けを出すぜ、だから人気商品買うぜで行ってほしいよね。人気商品、みんなからカンパしてさ、人気のスイーツ買ってくるぜ、もっちゅりん買ってくれよっていうわけですよ。ところがそいつが仲の良い和菓子屋がいたんだよ。和菓子屋が潰れそうだったんだよ。もっちゅりんもいいけどさ、おはぎ買ってきたよっていうことなの。おはぎ買うなよと。俺たちはもっちゅりんが食えると思ったから金渡したの。なんでお前の都合でおはぎを買ってきた?
ということをやった国なんてあんのかよって思うよね。これあるんだよ。過去に実例があんの。これが第二次世界大戦直後のイギリス。その時のイギリスは戦争にお金使いまくって借金まみれ。まさに債務残高対GDP比200%。自分が稼いでる金の2倍も借金があるから、あの大英帝国が基軸通貨失って、第二次世界大戦以降アメリカの時代になったでしょ。あれなんでかって言うと、戦争にイギリス使いすぎたの、お金をね。それぐらいピンチだった時のイギリスがやったことをやる可能性があるって言い出してるんだよ。分かります? みんなから集めたお金でおはぎが値崩れしないように買いますっていうね、そこまで言うんだと。
これ大事件ですよね。これを言ったことで1ドルが162円から161円台までちょっと戻したわけよ。ちょっと片山さんがだいぶ本気でいらっしゃると。ちょっとこれはなんかあるのかなって161円、戻したね。ちょい戻しした。
でもこの段階では原案ですからと。骨太言うてもこれ原案ですからと。正式な閣議決定まだですから待ってください。閣議決定するまで待ってください。正式発表お待ちください。正式発表いつすんの? これの4日後。14日を予定しております。ところが難航した。1週間ずれ込んでるんですよ。なんで? 怖いから。怖くてしょうがないよ。発表したら、そんなのダメじゃんで、円安と国債の長期金利上昇が止まんなかったら、これトラス一直線になっちゃうじゃん。だからもう揉めに揉めたんだろうね。これで行くの? 行く? 行かない? どうする? 俺骨太だよ。骨細になっちゃうよ、わあわあ、わあわあ言うわけですよ。それでずれ込んで21日に閣議決定が決まった。
ここでようやく骨太方針の閣議決定の重大性が今分かりましたよね。年に1度のマスタープラン。大揉めに揉めた。2度修正した最後の裏技。イギリスが戦後にやったことまで言及して、恐ろしいことまで言って、とんでもない修正をかけてきた上で、最終決定した案、みんな注目しました。見ました。すると、この文言もちろん足してますよ。具体的手法は日銀に委ねますよ。安定的物価上昇、これはちゃんと守りますよ。言ってます。ところが1、3そのまま、つまり財政健全化の文字はなくなったまま、さらに財源なき歳出拡大については絶対にやりたいというふうに書いてあった。
その結果どうなったか。最初のニュースに戻ります。そう、1ドル163円台。これ未曾有のレッドゾーンに入ってきたということなんです。つまり戻ってないんですよ。閣議決定、最終決定したマスタープランが市場からNOを突きつけられて今日、という話なんですよ。うわあ、スリリングだね。これどうなっちゃうのって話ね。
もちろんいろんな状況があるから、為替ってのは必ずこうなるとは言えない。ただ全体的な流れとして、円安が止まってないっていう事実があり、これだけ揉めたのはなんでかっていう事実があり、その結果出したものがこういう結果を生んでるってことがあるわけ。これ何が起きてるのね。要するに最後の野党と言われる市場からのNOを突きつけられて、これから日本人は予算を編成していかなきゃいけないわけ。
市場からのNOね。これ最後の野党どういう意味か? 言ったらイギリスでもトラスさんってのは大人気だったわけです。議席全部取ってたんです。だから野党なんか弱くて蹴散らせるんですよ。国民からも人気があるんです。なんでかっていうと、お金ばらまいてくれるから。お金ばらまいてくれりゃ国民は黙る。議席が足りなけりゃ野党は黙る。だから何も怖くない。だからトラスは大胆に発表した。ところが最後の野党が彼女を追い詰めた。それが市場だった。市場っていうのは非常にシビア。思い入れとか愛着とかじゃない。その主体が未来があるかないか、俺は儲けれるのかどうかで売ったり買ったりするからですよね。我々と違う原理で動いてる。
現在の日本、弱すぎる野党。そうですよね。何だったんでしょう? なんかくっついたり離れたりしてましたけど、その名前でいいんですか? 大丈夫ですかの間に、なんか散っていった野党がいてね。野党と与党の間の「ゆ党」って言葉があるんですよ。や・ゆ・よ、だから野党と与党。うまいもんだよね。ゆ党っていう言葉があって、ゆ党のブームだったんだよね。
つまりさ、キャスティングボートを握ってね、過半数割れてる自民党の間に立ってさ、コウモリ野郎よろしくね、こっち行ってみようかな、あっち行ってみようかな。こっち行ってほしいんだったら俺の条件1個飲んでよって。ああいう戦略ですよね。キャスティングボート戦略、花盛りだったのは自民党が過半数割れしてたからでしたよね。でもそれとんと最近聞かない。なんでかというと過半数、圧勝で取っちゃってるから、高市さんが。つまり取り込まれてったゆ党ね。1個だけ条件飲んであげるからうちの仲間になりなよなんて言ってね。A君もいいしB君もいいなみたいなね。玉木君、吉村君どっちにしようかななんて言ってね。その間言ってる間にゆ党が取り込まれちゃうね。
最後に煙に巻かれる国民ですよね。だって円安がいいか円高がいいか分かりませんっていう総理の言葉を本当に信じてんでしょ、みんな。円安がいいか円高がいいか分かんないんでしょ。分からなかったからこれ見たんでしょね。信じちゃってんだから。煙に巻かれてるんだよ。だってそうじゃない。iPhoneが買えないのになんで円安がいいの? バンザイ、iPhone買えない。
海外旅行行きましたか? ハワイに無理して行ったけどね、朝食が4000円でしたよって言ってね、鼻血出して帰ってきましたっていう人たちのレポート聞いてね、調査兵団よろしく、俺たちは泣いてたんだよな。ハワイにお前勇気出して行ったのによ。パンケーキ1枚で4000円取られてよ。ぼったくりだよな。お前ぼったくりバーに捕まったんだろ? そう言ってくれよ。いや、普通のパンケーキ屋だ。みんな払ってたぜ、他の人は。日本人だけだよ、びっくりして帰ってきたのは。そういう話を聞いてハッピーだと思うんだったら、皆さんどうぞお黙りくださいって話なんですよね。
それが、これは厳しいです。あの頃みたいにハワイとか韓国とか旅行行きたいです。iPhoneも買いたいですっていう皆さんは考えるべきことがあるって話。そういう話をしに私戻ってまいりました。日本で授業したいと思います。これからもこういった情報をお伝えしていきたい。
もちろんいろんな考え方ありますよ。いや、こっちの考え方だってあるぜっていう話もあるし、日本経済元気になったら本当に元気になるかもしれない。こっちがうまくいった時の話も中田しろよ。そういうのもあるかもしれない。でも私の中では、そういう話で進んでるからこそ、皆さんにこっち側を教えとかなきゃいけないんじゃないかと思ってるわけですよ。またぜひ情報、授業させてください。授業させていただきたい。
政治家じゃない。お笑い芸人からも芸人だと思われてない。誰からも何か分かんない。だから言えることがあるんですよ。何の立場も何のメリットもない。どの党にも所属してない。どの事務所にも所属してない。天涯孤独の明日知れぬYouTuberだから言えることがある。いうことを面白いな、学べたなと思える方、ぜひチャンネル登録していただきたい。そういうふうに思ってます。
その上で生で授業を見に行きたいという稀有な、稀有な方がいらっしゃったら、ぜひメンバーシップ登録していただきたい。中田の授業、生で聞きたい。メンバーシップ、毎日平日生配信してる中田の考え聞けます。その上で授業生で見に行けます。その上で仲良くなってオフ会します。もうキャンプも行きましょう。楽しいです。来てくださいね。
中田敦彦、働いて働いて働いて働いて働いて働いてまいります。日本人が再びiPhoneを買える日まで。ではまた!
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