GakuNin RDMからJAIRO Cloudへ論文と根拠データを送り出す「公開支援機能」
国立情報学研究所 - National Institute of Informatics学術情報基盤オープンフォーラム2026のセッション「研究データ管理からはじめる即時OA」で、国立情報学研究所(NII)オープンサイエンス基盤研究センターの込山悠介氏が、GakuNin RDMに新しく実装した「JAIRO Cloud公開支援機能」を紹介した。大学が論文の即時オープンアクセス(OA)への対応を迫られるなかで、研究データ管理の場であるGakuNin RDMから、論文と根拠データを紐付けたまま機関リポジトリで公開する流れをどう作ったかが発表の中心である。込山氏の立場は、研究者が日常的にデータを管理している場所から公開まで一続きで進められれば、即時OAの運用は楽になるというものだ。
セッションの位置づけと関心の高さ
冒頭で司会者は、このセッションにはオンラインで約1000人が事前登録し、会場も130席が埋まって立ち見が出ていると紹介した。情報基盤センター、研究推進部門、図書館のいずれからも関心が高いという。
セッションは二部構成である。まずNIIが、データ管理基盤のGakuNin RDMのチームと、林氏率いるJAIRO Cloudのチームが「二人三脚」で開発したシステムを紹介する。続いて、この機能を先行して試した複数の大学の担当者が、学内運用にどう落とし込めるか、図書館の実態に合っているかといった観点から検証結果を発表する。本記事が扱うのは、このうち込山氏による概要説明の部分である。
昨年度版からの出発点
GakuNin RDMとJAIRO Cloudを連携する機能は、昨年度末の3月末の時点で一度リリースされている。このときは、GakuNin RDMの中で設定を行い、JAIRO Cloudへデータを送り出す仕組みだった。
込山氏によれば、開発チームはオープンアクセスをさらに進めたいと考え、専用のユーザーインターフェースを用意し、より簡単な設定で誰でも公開できるようにすることを目標に、その後の約半年間開発を続けてきた。
なぜ今、公開支援が必要なのか
込山氏は背景をあらためて整理した。学術論文の即時OA対応では、論文そのものの公開に加えて、掲載誌や分野の慣習によっては、論文のエビデンスとなる根拠データも整理して公開することが重要になってきている。
JAIRO Cloud側では、これまでは論文だけが登録されてきたが、根拠データも登録できるようになった。ただし、論文と根拠データの紐付けはまだできていなかった。そこで今回の改修で、両者を対応付けて保存できるようにした。さらに、データの所在や公開の可否といった情報も示せるようにした。データ本体を公開できない場合でも、どこが管理しているかをJAIRO Cloudの中で調べられるという使い方ができる。メタデータについても、研究者自身や機関が基盤の中で扱う形に変えてきたという。
一方で、現場には無理なく扱える仕組みがなければ運用が回らないという課題がある。研究者と図書館がやり取りしながら、GakuNin RDMにデータを貯め、そこからリポジトリへ論文とデータを集める作業を、無理のない運用で回す必要がある。込山氏は、人手が足りないといった意見も多く寄せられている状況だと述べた。
JAIRO Cloudのワークスペースがあるのに、なぜRDMから作るのか
JAIRO Cloudにはすでに研究者向けの「ワークスペース」があり、研究者自身が新規アイテムを手早く登録・公開できる。そのため、なぜ改めてGakuNin RDM側にこうした機能を作ったのか、という質問を受けることがあるという。
込山氏は、どちらのサービスも否定的に捉えられないよう配慮したうえで、両者の違いを説明した。JAIRO Cloudのワークスペースは、手元の成果がすでに固まっていて、すぐに公開したい場合に便利である。公開に特化したシンプルで分かりやすいインターフェースを備えており、成果物が固まっていれば、そのまま登録と公開の操作を始められる。
これに対して、研究者はふだんGakuNin RDMでデータを管理しているというのが開発チームの認識である。そこに公開支援機能を付ければ、研究データの管理から公開までを一つの流れで進められ、研究者の負担が大きく減るのではないかと考えた。普段管理しているデータをそのまま公開プロセスへ持っていき、論文と根拠データをGakuNin RDMの中で紐付けてからJAIRO Cloudへ送り出せば、関係性を保ったままメタデータを公開できる。
この過程で、GakuNin RDMにはこれまでなかった申請プロセスも作った。研究室の研究員がボスの承諾を得てから図書館のシステムへ送る、という流れである。込山氏はこれを、あくまでサンプルモデルとしてのユースケースの一つだと位置づけた。開発では、二つのシステムでの二重管理が生じないようにリポジトリへ登録できることに気を配ったという。
込山氏のまとめでは、データの公開自体はGakuNin RDMでもJAIRO Cloudでも可能である。GakuNin RDMを使う利点は、すでに研究データを管理している状態からシームレスに公開へ進めることにある。
利用開始までの手続き
続いて込山氏は、事務職員の参加者が多いことを踏まえて、手続き面を説明した。研究者から「GakuNin RDMにあるデータを公開したい」という問い合わせが情報基盤センター、図書館の窓口、研究推進部門などに来ても、研究者がすぐにデフォルトの状態で公開支援機能を使えるわけではない。
この機能を使うには、所属機関のGakuNin RDM担当者(主に情報基盤センター)に設定を依頼する必要がある。また、JAIRO Cloudを管理している図書館の管理者が、パスワードのような連携用の情報を払い出す。それを情報基盤センターがGakuNin RDM側にあらかじめ設定しておくことで、情報基盤センターが管理するGakuNin RDMと図書館が管理するJAIRO Cloudがシステム連携できるようになる。込山氏は、ここに多少の設定のハードルがあると認めた。JAIRO Cloudのワークスペース側にも同様の手続きがあり、機関リポジトリの管理者への依頼がなければ、研究者がすぐに使えるわけではない。
利用開始までの流れは次の3段階で示された。
- 情報基盤センター等での利用設定
- 両システムの担当者が連携しながら行う連携設定
- 利用開始。研究者はGakuNin RDMのプロジェクトでアドオンを有効化しておくと、公開支援機能を使える
研究者から依頼があった場合は情報基盤センターに問い合わせてもらい、図書館に連絡が来た場合は情報基盤センターにも連絡してもらう必要がある。込山氏は、こうした部門間の連携を進めながら即時OAを定着させていきたいと述べた。
昨年度の議論から整理した4つの課題
新しいユーザーインターフェースを設計する際、開発チームは昨年度のオープンフォーラムのパネルセッションで有識者から出た指摘を取り込み、課題1〜4として整理した。
寄せられた意見は次のようなものだった。作業全体の工程、つまり公開までのフローが分かりづらい。メタデータの入力項目が非常に多く負担が大きい。二つのシステムをまたぐ操作が必要で、もっと簡単にならないか。機関の担当者を支援するユーザーインターフェースが不足している。込山氏は、これらの課題に応える形で開発を進めたと説明した。
登場する役割と全体のフロー
この機能に登場する役割は3つある。論文とデータの公開を申請する研究者・プロジェクトメンバー、それを承認するプロジェクト内の責任者、そしてJAIRO Cloud側で確認する図書館である。責任者として想定しているのは主に研究室を主宰する教授で、研究室のメンバーが教授の承認を得て図書館に提出するというシンプルなモデルを、今回のサンプルケースとして最初に実装した。
込山氏は、大学によっては学部長の許可が必要だったり、分野によっては学会の承諾が必要だったりと、今後バリエーションが増える可能性を認めた。そのうえで、今回は最も単純なケースを提示したと説明した。利用者はこの公開支援システムに入れば、自分のロールに応じた作業ができるよう設計されている。
全体の流れは色分けして示された。まず研究者が論文の書誌情報と研究データのメタデータを入力してボスに送る。ボスが承認すると、内容がJAIRO Cloudへ送られる。JAIRO Cloudにもワークフローがあるため、公開前に図書館がチェックし、リポジトリで公開する。
実際の画面:ウィザード形式の入力
実際の画面は、これまでのGakuNin RDMとは少し違う、新しくシンプルなUIとして用意された。最初の画面では、新規登録、作業中データの編集再開、登録済みデータの参照を選べる。
次に、GakuNin RDMのプロジェクトと、ワークフローとしての登録先JAIRO Cloudを選ぶ。通常、一つの機関にJAIRO Cloudは一つだという理解のもとで、登録先は1件になっている。
その後、論文、データの順に入力していく。査読付き論文などですでにDOIが発行されているもの、つまり出版直前や既発表の論文であれば、DOIを入力すると書誌情報が自動で入る。DOIのない論文は、この画面で書誌情報を手入力できる。続いて資金配分機関などの情報を入れ、入力漏れがないかを確認する。研究者の作業はここまでである。
承認からJAIRO Cloudでの公開まで
研究者が承認を依頼すると、責任者はタスク管理の画面で承認操作を行う。承認するとJAIRO Cloudへ送られ、JAIRO Cloud側で図書館が確認するための承認・公開のプロセスが立ち上がる。
図書館の担当者は、通常の管理者用の認証でログインしてワークフローを開く。そこにGakuNin RDMから送られて登録されたアイテムが表示されるので、内容をチェックして承認すれば公開に進む。公開が完了すると、論文と根拠データが紐付いた形でリポジトリに公開される。
機関担当者の運用支援として、公開支援機能の中でタスクの状態やステータスがある程度管理されている。承認者は、いま何件の申請が来ているか、各タスクがどの状態にあるかを一覧で確認できる。登録の通知、進捗確認、インデックスの割り当て、権限と役割の分かりやすさといった点も、UIで対応してきたという。
課題へのビフォー・アフター
まとめとして込山氏は、昨年度の課題に対する改善をビフォー・アフターの形で示した。
作業全体が分かりづらいという課題には、順番に入力して次のステップへ進む「ウィザード」形式の画面で応えた。全体の流れと、いま何の作業をしているかが分かりやすくなった。バリデーションも付いており、一つ前のページに戻って作業を再開することもできる。
メタデータ入力の負担については、自動補完を追加した。論文や根拠データはDOIから、機関情報は外部の情報源から補完する。研究者IDを持つデータベースから研究者情報の一部を補完する機能も新たに加えた。込山氏は、これで入力負担が少し減っているのではないかと述べた。
二つのシステムをまたぐ操作については、管理者が初回に一度設定すれば、一般ユーザーはその後、先ほどの簡易な画面でフローを繰り返し使える。込山氏は、利用者がシステムの違いをあまり意識せずにデータを公開し、即時OAに持っていけるのではないかと考えている。機関管理者向けの支援機能も整備した。
今後の展望
込山氏は成果を次のように整理した。利用者はウィザードで迷わずに登録できるようになった。どのタスクを進めているかを明確に確認できるようになった。システム間の移動をあまり意識せずにデータ登録まで進められ、それぞれの役割に応じて適切なシステムで作業できるようになった。
今後の取り組みとしては、入力項目を簡素化するテンプレートや、分野別のメタデータ支援を挙げた。込山氏は、これらを通じて即時OA対応を大学の実務として定着させるために協力していきたいと述べ、発表を締めくくった。承認フローの学内ごとのバリエーションや、実際の運用との適合性については、続く大学からの発表で検討されることになる。
はい。皆様、非常に多くの、このセッション、1000人の方がオンラインで見て、事前申し込みいただいておりまして、会場もフルに130人ということで立ち見もいらっしゃるということですので、もし途中で参加された方がいらっしゃいましたら、皆さん席の空いているところに座っていただけるように、ご協力いただければと思います。
非常にそれだけ、情報基盤センター、研究推進、あと図書館の皆さんでもかなりご関心が高いセッションということで、非常にありがたいなと感じております。
さて、この「研究データ管理からはじめる即時オープンアクセス」ということで、大学で即時OAに皆さん対応されて、非常にご苦労されたかと思いますが、我々も同じタイミングでオープンアクセスの機能を開発してまいりました。この前のセッションでもOAアシストのご紹介などがございましたが、ここではデータ管理の基盤GakuNin RDMと、先ほどの林のチーム、JAIRO Cloudと二人三脚で作ってきたシステムのご紹介をNIIからさせていただきまして、その後実際に先行していくつか試していただいた大学様がありますので、そちらの先生方から、どのような観点で使っていけるか、学内運用に落とし込んでいけるか、あるいはもう少し図書館の中で今ちょっと実態と合っているのかなとか、そういう疑問・課題を調べていただいて、ご発表いただくという形になっております。
概要説明に引き続きまして、NII込山から発表させていただきます。GakuNin RDMのJAIRO Cloudの公開支援の連携機能というものを開発いたしました。背景といたしまして、このような流れで本日お話しさせていただきます。
昨年度の末、3月末時点でも、GakuNin RDMとJAIRO Cloudを連携する機能は一度リリースさせていただいて、その時はGakuNin RDMの中で設定いただくことでJAIRO Cloudにデータを送り出してあげるという機能で作ってまいりました。でも我々はもっとオープンアクセスを推進していただきたいと考えておりましたので、専用のユーザーインターフェースで、より簡単な設定で誰でも公開していただけるようなインターフェースを作れないかということに目的意識を持って、ここ半年ぐらい開発を継続しておりました。
その中で、なぜ今公開支援が必要かというと、これは改めてになりますが、学術論文の即時オープンアクセス対応で査読付き論文の公開と、資金配分機関や掲載誌、分野の慣習によって、根拠データ、論文の元になっているエビデンスとなっているデータも整理・公開していただくことが大事になってきています。その際に、今まで論文だけ登録されてきたんですが、根拠データも登録できるようになった。でもそれらがまだ紐付けができていなかったので、今回の改修では、それらを対応付けて保存できるような改修を行ってまいりました。
次に、データの所在、公開の可否といった情報も示すとか、データ本体自体を公開できない場合でも、どこが管理しているかといった情報をJAIROの中で調べていただくとか、そういう使い方もできるようになってきたと。メタデータを研究者自身で、あるいは機関が基盤の中で扱っていくような形に変えてきたということがあります。
現状求められているのは、無理なく扱える仕組みを作らないと、なかなか運用が回らないという課題もいただいています。研究者と図書館の方の双方でやり取りしながら、GakuNin RDMでデータを貯めていただいて、そこからリポジトリの方にデータ・論文を集めていくということを、無理がない運用の中で回していかないといけないという背景事情がございます。なかなか人がいないとか、どうするのとか、いろんなご意見をいただいている状況です。
今回、なんでGakuNin RDMを起点にデータの公開をやっていかないといけないのか。他のJAIROのセッションに出られている皆さんからすると、JAIRO Cloudでも研究者用のワークスペース、公開までできるワークスペースというのはありましたよねと。研究者自身が新規にJAIRO Cloudリポジトリのアイテムに簡単に登録・公開できるものがあるのに、なんでまたRDMからこういう機能を作ったんですかというご質問をいただくことがございます。
なるべくどちらのサービスもネガティブに捉えられないように書いたつもりなんですが、JAIRO Cloudのワークスペースだと、今手元の成果がもう固まっていて、それをすぐに公開する時などに便利ですと。研究者自身が新規アイテムを手早く登録・公開できるとか、成果物が固まっていればもうすぐに公開操作を始めていけると。公開に特化されているシンプルで分かりやすいインターフェースをJAIRO Cloudのワークスペースも持っているんですが、研究者向けではあるものの、研究者は普段GakuNin RDMを使ってデータ管理いただいていると我々は思っていますので、そこにも公開支援機能をつけてあげることで、研究データの管理から公開していくまで一つの流れでできると、非常に楽になるのではないかと捉えました。
普段管理しているデータをそのまま公開プロセスまで持っていける。論文と根拠データをGakuNin RDMの中で紐付けてJAIRO Cloudに送り出してあげることで、その紐づいた関係性を持ってメタデータを公開してあげることができる。その中で、GakuNin RDMの中でもこれまでなかったような申請プロセス、研究室の中の研究員がボスに承諾を取って、それから図書館のシステムに送ってあげるといったことを、サンプルモデルではありますが、ユースケースの一つとして作らせていただいたと。
二重管理がなるべく発生しないように、こっちのシステムとあっちのシステムで二重管理が不要な形でリポジトリに登録できるところを気をつけながら、開発はしてきたというところでございます。ポイントとしては、GakuNin RDMとJAIRO Cloudどちらでもデータの公開自体は可能ですが、GakuNin RDMでやると、すでに研究データを管理している状態からでも、その公開をシームレスにできるという点がメリットだと考えます。
次に、これは手続き的な話になります。法務・事務の職員の方も多いと思いますので、利用開始の最初の関門といたしまして、所属機関の研究者から、GakuNin RDMにあるデータを公開したいというお問い合わせが基盤センターや図書館の窓口、あるいは研究推進部門などに寄せられた時に、全てがすぐに研究者がGakuNin RDMで公開支援機能をデフォルトの状態ですぐに使えるわけではないということがあります。
GakuNin RDMの公開支援機能を使うには、所属機関のGakuNin RDM担当、主に情報基盤センターの方に設定を依頼するとか、あるいはJAIRO Cloud側の図書館の管理者の方にパスワードのようなものを払い出していただいて、それをGakuNin RDM側であらかじめ情報基盤センターでセットしておいていただけると、情報基盤センターで管理しているものと図書館で管理いただいているJAIRO Cloudがシステム連携できるようになるといったところが、少し設定のハードルとしてあります。JAIRO Cloudのワークスペース側にも同じような手続きがあるということで、所属機関のリポジトリを管理されている方にそういった依頼がないと、研究者が直ちにすぐ使えるというわけではないとなっております。
公開支援機能の利用開始までの流れといたしまして、その下に数字を振っているところでございますが、まず利用設定を基盤センター等でいただく。次に連携、両システムの連携設定を、今話したような2つのシステムの担当者で連携いただきながら設定いただく。そして利用開始で、GakuNin RDMの利用開始になると、研究者はGakuNin RDMのプロジェクトの中でアドオンなどを有効化しておいていただけると、今回紹介する公開支援の、簡単に公開できるシステムが利用できるようになるというところがあります。
入口の設定をここで表示させていただいておりますが、まずは研究者から依頼があったら、研究者の方は基盤センターに問い合わせていただくとか、図書館に連絡があった場合は情報基盤センターにも連絡いただくようなことが必要になっております。こういったことで連携を進めていただきながら、即時オープンアクセスを定着させていけないかと思います。
JAIRO Cloud公開支援機能と新しく作りましたユーザーインターフェースでございますが、こちらを使いますと、先ほど話したような日常のデータ管理の中から、データを公開しないといけなくなった時に、論文が出てその著者最終版を自分の大学のリポジトリに、GakuNin RDMからデータを送ってやることができる。データも合わせて同時にメタデータをつけて登録できて、それがリンクしているような形で登録されるということがございます。
この新しいユーザーインターフェースを作る時に、昨年度のこのオープンフォーラムのパネルセッションでの有識者の先生方の課題も取り込みまして、課題1から4ということで整理いたしまして、これに答えるような形で開発を行ったというところでございます。
頂いたご意見として、作業全体の工程が分かりづらい、公開するまでのフローが分かりづらいとか、メタデータ入力の数が非常に多くて大変だとか、2つのシステムをまたぐ操作が必要になってくるので、そこがもうちょっと簡単にならないかとか、機関担当者を支援しているようなユーザーインターフェースなどが不足しているんじゃないかといった声を頂いたというところでございます。こういった中で、これらの課題を、この後紹介するような画面で解決してきたというところがございます。
次に、どういった役割の人が出てくるか。このJAIRO Cloud公開支援機能においてどういう役割が出てくるかと言いますと、まずは研究者、プロジェクトメンバーが、論文とデータを公開することの申請を行う人で、真ん中は、提出されたものをプロジェクトの中で、主に研究室の主宰の教授をイメージして、研究室のメンバーが教授に承認を得て、そこから図書館に提出するというようなシンプルなモデルを、今回サンプルのユースケースとして最初に実装したというところがございます。
ここに関しては後ほどの議論で、うちの大学だともうちょっと学部長などに許可を取らないといけないとか、分野のところで学会に承諾を得ないといけないとか、いろんなバリエーションは今後増えるかもしれないですけど、一番シンプルなケースを今回は提示させていただいております。
その際に、利用者の連携や境目があまりないように、この公開支援システムに入っていただければ、自分のロールに応じてそれぞれ作業いただけるような仕組みを振ろうとして、操作ができるようになっています。
全体のやっていただくことです。今話したロール別、役割別に色を変えています。緑が研究者がやること、水色は一つだけですけど、研究者のボスがやることは承認を行うと。緑のところで一般の研究者の方が論文の書誌情報や研究データのメタデータを入れていただいて、それをボスに送って、ボスが承認して、それがJAIRO Cloudの方に送られて、今度はそのJAIRO Cloudの中でもワークフローがございますので、公開前に図書館の方がチェックして、それをリポジトリの中で公開していくという流れになります。こういったことが分かりやすいような形のインターフェースも作ったということがございます。
ここから実際の画面が出てきます。これがGakuNin RDMからのJAIRO Cloudへの公開支援機能と呼んでいる画面になっています。今までのGakuNin RDMと少し違う、新しい、分かりやすいシンプルなUIを今回は準備いたしました。最初の画面で選択いただけるのは、新規登録、作業中のデータの編集再開、登録済みの過去のデータの参照といったことができるようになっています。
次に、GakuNin RDMのプロジェクトを選択することと、ワークフローとなっておりますが、登録先のJAIRO Cloudを設定いただくことをここでやっていただくということがございます。通常、機関の中でのJAIRO Cloudは一つだという理解ですので、選択する登録先としては1件という形になっています。
また次に、論文からデータへと順に、論文を選択してそこの書誌情報を入れていくんですが、この際に、査読付き論文等でDOIがもうすでに発行されている出版直前のものとか、既発表の論文であればDOIを入力していただくと、その書誌情報は自動的に入力されるという形になっております。そうではない論文については、ここで書誌情報を入れていただくことができます。
その後、資金配分機関の情報などを入れていただいて、入力漏れがないかを確認いただいて、研究者がやるのはここまでで、ここから管理者の方に承認お願いしますとなると、今度は水色の文字になっておりますが、ここで承認操作を上の方にやっていただくという形になります。
そうすると、ここに映しているようなタスク管理の画面で承認を行っていただくような画面になり、承認を押すと今度はJAIRO Cloudの方に飛ぶという形になっていて、JAIRO Cloudの方では図書館の方が確認する、JAIRO Cloudの承認・公開のためのプロセスが立ち上がりますので、図書館の方は通常の管理系の認証から入っていただいて、ワークフローを開いていただくと、そこにGakuNin RDMから送られてきたアイテムから登録されたアイテムが表示されているというところですので、ここでチェックいただいて承認を押していただくと、公開に進むという形になります。
はい。実際、このようなところで公開が完了すると、論文と根拠データが紐付けられている形でリポジトリで公開されていくという形になります。
機関担当者の運用の支援ということでありますと、このようなJAIRO Cloud公開支援機能の中で、ある程度タスクの状態やステータスは管理されるようになっていますので、承認者の方は今何件申請が来ているとか、タスクはこの状態であるとか、そういったことが一覧で見渡せるような機能が入っております。はい。この辺り、登録の通知とか進捗の確認とか、インデックスをどう割り当てているかとか、権限と役割を分かりやすくするかといったところは、UIとして対応してきたという形になります。
はい。ここからまとめに入りますが、昨年度の課題に対して、ビフォーアフターという形でこのようになっておりまして、作業全体が分かりづらかったところは、先ほどの画面のような、ウィザードと呼ばれますが、順番に入力して次のステップに進んでいく画面で、全体の流れと今何を作業しているかといったところが分かりやすくなって、そこにはバリデーションもついていますので、一つ前のページに戻って作業を再開するとか、そういったことができるようになりました。
メタデータ入力の負担は、論文・根拠データのDOIからの補完とか、あるいは機関の情報だとRORから埋めるとか、そういった自動補完・入力補完、あとは研究者のデータベースの研究者のIDなどから研究者の情報を少し入力補完するとか、そういったところも新たに追加しておりますので、こういったことで少し入力負担が減っているのではないかというところがございます。
あとは、2つのシステムについては、一度管理者の方が設定いただければ、通常ユーザーの方はそのフローを繰り返し使っていただけるということで、先ほど見ていただいた簡易な画面で、初回の1回の設定は管理者の方がやっていただければ、あとはあまり意識せずにデータを公開して、即時OAに持っていけるのではないかと考えております。はい。あとは、機関の管理者の方向けのものも整備していった形になります。
まとめと今後の展望といたしましては、迷わずに先ほどのフローで登録していただけるようになりました。ウィザードと書いておりますが、そういった機能で登録いただけるようになりました。今どこのタスクをやっているかを明確に確認いただけるようになりました。あまりシステム間を意識することなく、データの登録まで進めていただけるようになり、それぞれの役割において適切なシステムで作業ができるようになりました。
今後は入力項目を簡素化するテンプレート化、分野別メタデータ支援などを進め、即時オープンアクセス対応を大学の実運用として定着させていくところでご協力できればと考えております。はい、私の方の発表は以上になります。ありがとうございました。
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