こどもNISAで大学の学費を準備する:中田敦彦が勧める積立の考え方と手順

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概要

2026年10月、こどもNISAの受付が始まった。中田敦彦氏はこの新制度を「子どもに財産を残したい富裕層向け」ではなく、「多くの家庭が子どもの大学の学費を準備するための制度」と位置づける。今回の授業では、NISAそのものの意味、こどもNISAの仕組みと制約、学費のシミュレーション、買うべき商品、口座開設の手順を順に説明している。

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前提としてのNISA:税制優遇を使わないのは損だという主張

中田氏はまず、大人のNISAを理解していない人が多いと指摘する。NISAは「Nippon Individual Savings Account」の略で、イギリスのISA(個人貯蓄口座)の日本版にあたる投資の非課税制度である。通常、投資で利益が出るとその約20%を税金として納める。NISAの枠内ならこれが0%になるため、投資がしやすくなる。

この制度で投資を考える日本人が増えている理由として、中田氏は円安を挙げる。円安が止まったと主張するコメントもあったが、現時点で1ドル157円前後を行き来しており、円安は構造的に簡単には解決しないというのが中田氏の見方だ。

さらに銀行預金の金利も低い。日銀の植田総裁が少しずつ利上げしているものの、住宅ローンを抱える個人、借金のある企業、大量の国債を抱える国がいるため、急に金利を上げると返済できない人が続出し、景気が悪化するおそれがある。国債は借り換えを繰り返しているので利払いがすぐに増えるわけではないが、借りている側のために金利は低く抑えざるを得ない。その結果、預金者には数円程度の利子しか入らない。この利子と円の価値の下がり方では資産が目減りするため、多くの人が海外への投資を考えている。中田氏は、国がNISAという税制優遇を用意しているのは溺れている人に浮き輪を投げているようなもので、使わないのはそれを無視するのと同じだと例える。

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こどもNISAは学費のための制度だという位置づけ

大人のNISAがある程度浸透した中で始まるのがこどもNISAである。中田氏は「富裕層ではないから自分には関係ない」と考えるのは大きな間違いだと強調する。親になって最も不安になるのは子どもの学費であり、小中学校まではまだ計算できても、大学の費用は想像すると眠れないほど怖い。その負担をこどもNISAで大きく減らせるなら、やりたいと思うはずだという。

国が今この制度を作る理由について、中田氏は、富裕層向けの制度を今わざわざ作る意味はなく、子育てをしやすくして人口を増やし、日本の景気を根本から良くするための制度だと解釈している。中田氏自身も子どもが3人おり、ありがたい制度なので調べたと話す。

制度の開始は受付から約3か月後の1月だが、受付後に証券会社の審査があり、そこから税務署に申請して許可が下りるまでにタイムラグがある。そのため受付が先行して始まっている。投資は時間をかけるほど有利なので、早く始めたい人のための先行受付だと中田氏は説明する。

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基本の仕組み:対象年齢、投資枠、保有限度額

対象は0〜17歳の子どもである。この期間に投資した分の配当や運用益は非課税で、期間中に使い切る必要はない。期間中に積み立てたものはその後も非課税のままだという。

年間投資枠は60万円まで。積立を前提とした制度なので、月5万円が上限と考えるとわかりやすい。これは子ども1人あたりの枠なので、2人なら月10万円、3人なら月15万円まで積み立てられる。

ただし「60万円×17年」が使えるわけではなく、保有限度額は1人600万円である。たとえば0歳から10歳まで積み立てて600万円に達したら、それ以上は追加できず、あとはその600万円を17歳まで複利で増やしていくことになる。それでも0歳から始めた方が非課税で運用できる期間が長くなるので得だという。大人のNISAの保有限度額は1800万円なので、子ども1人でその約3分の1、子どもが3人いれば大人1人分と同じくらいの枠になる。中田氏はこれを「かなり大きい」と評価する。

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子ども名義の口座であることと贈与税の扱い

中田氏が注意を促すのは、こどもNISAがあくまで子ども名義の口座だという点である。親に預けたお年玉がいつの間にかなくなっていた、という経験を冗談交じりに挙げつつ、こどもNISAはそうはいかないと説明する。子ども名義の銀行口座と子ども名義の証券口座を作り、銀行口座から証券口座に入金して商品を購入する流れであり、法的にも子どもの財産になる。

親から子どもへお金を渡すと税金がかかるのではないか、という疑問については、贈与税は年間110万円以下ならかからず、こどもNISAの年間枠は60万円なので贈与税の対象にはならないと中田氏は説明している。

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引き出し制限:12歳まで、12〜17歳、18歳以降

こどもNISAには引き出しの制限がある。12歳までは原則として引き出せない。中田氏はこれを「比較的うまい制度」と評価する。投資は10年、20年と続けることで少しずつ複利の効果が出てくるもので、入れてすぐ引き出すのでは意味がないからだ。ただし災害などの非常時には、事情を伝えれば引き出しが認められる場合もあるようなので、二度と出てこないお金だと疑う必要はないという。

12歳からは、子どもの教育費や生活費に限って引き出せる。親が自分のために使うことはできず、中田氏は「お腹が空いてうなぎを食べたい」といった用途はだめだと例える。さらに子ども本人の同意が必要で、親が「君の教育費や生活費のために使う」と説明して子どもが納得したうえで、親が書類を証券会社に提出すると引き出せる仕組みだ。

18歳になると成人のNISAに自動的に移行し、親の書類は不要になる。本人の意思で自由に使えるようになる。

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硬い設計が示すもの:18歳から使う=大学の学費

中田氏は、この硬い設計にこそ注目したいという。教育費・生活費に用途を限っているのは、国が0〜17歳の間に複利で積み上げて、18歳からの教育や生活に使ってほしいと考えているからだ。18歳から使い始めるお金といえばまさに大学の学費であり、この制度は学費の準備にうってつけだと中田氏は主張する。

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シミュレーション:600万円が1140万円に

中田氏は、0歳から10歳まで毎年60万円を積み立てた場合を計算してみせる。前提とする期待利回りは5%で、オルカンやS&P500のような人気の投資信託は5%程度で計算されることがあるという。老後資産を4%ずつ取り崩す「4%ルール」も期待利回り5%を前提にしていると説明し、30〜40%といった利回りをうたって勧誘してくる相手はたいてい詐欺なので注意するよう呼びかける。

5%で運用すると、預金なら600万円のままのところが10歳の時点で772万円になる。差は約170万円だ。その後は追加投資できないが、772万円をさらに5%で運用すると、18歳の時点で1140万円になるという。600万円を預金に置いた場合とほぼ2倍の差である。

中田氏は、これはあくまで期待利回りによる目安だと留保を付けている。S&P500やオルカンには初期に10%を超える実績があった時期もある一方で、金融危機の時期の数年間は5%を下回ることもあり、5%は保証されたものではない。それでも大きな差が生まれることを理解してほしい、子どもが2人、3人いれば差はさらに大きくなると話す。そのうえで、これからの格差は生まれの差よりも情報の差によって生じるので、情報をつかんで行動することが重要だと述べる。

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大学4年間の学費の目安と積立額ごとの比較

では1140万円でどれくらいの学費をまかなえるのか。中田氏は大学4年間の目安として、国公立が約230万〜250万円、私立がその倍くらいになることもあり約450万〜700万円と示す。1140万円あれば私立の有名大学もカバーできる計算になる。

月5万円は厳しいという人向けに、中田氏は少額の場合も試算している。月1万円を18年間積み立てると元本は216万円で、国公立には少し足りない。これを5%で運用すると345万円になり、国公立をクリアできる。「ギリギリ足りない」が「少し余裕がある」に変わるという。

月2万円の場合、18年間の元本は432万円で、私立にはぎりぎり届かない水準だ。中田氏は、5%で運用すれば私立のほとんどをカバーできるかもしれないと述べる(運用後の具体的な金額は口頭では示されていない)。

月1万円、2万円という金額は、飲みに行く、遊びに行くといった娯楽に普段使っている程度のお金かもしれない。それを子どものために回してこどもNISAを使えば、国公立や私立の学費を恐れなくてよい未来が待っている。中田氏はこれを「学費に対しての準備をするいいきっかけ」と表現する。

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海外の有名大学は別枠で考える必要がある

一方で、オックスフォードやスタンフォードのような海外の有名大学は、4年間で2500万〜4000万円かかると中田氏は紹介する。私立に少し上乗せした程度ではなく、3倍、4倍の水準である。

これほど高い理由として、中田氏は現地の学生にはもっと安い金額で、海外から行く留学生には「留学生プレミアム」が上乗せされるからだと説明する。奨学金などの支援制度もあるので、海外の大学を目指す家庭はこどもNISAに加えて別途調べる必要があり、強い覚悟を持ってほしいという。ただし大半の家庭にとっては、ちょっとした努力で子どもの学費をまかなえるという点を強調している。

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何を買うか:個別株は買えない設計

こどもNISAで買えるのは積立投資の対象商品に限られ、個別株は買えない。中田氏はこれを「非常にいい設計」だと評価する。

中田氏は普段から、個別株はギャンブルに近いのでやめてほしいと繰り返し言っているが、それでも多くの人が手を出すという。オルカンやS&P500の期待利回りが5%程度と現実的なため物足りなさを感じ、動画を検索すると「個別株を組み合わせて1年で100万円を2億円にした」といった自慢話がたくさん見つかる。中田氏はこれを、ギャンブルに当たった人の自慢でしかないと切り捨てる。真似して成功する確率が低いからこそ、その人はスターのように取材される。オルカンでこつこつ学費を積み立てたというありふれた成功者をメディアは取材しない。そうした人が語る「自分なりのコツ」は、競馬や競輪で当てた人の話と同じだという。

芸人仲間からは「刺激が欲しい」と言われるが、中田氏は投資に刺激を求めるならそれはギャンブルだと返しているという。だからこそこどもNISAは個別株を買えない設計になっている、と中田氏は解釈している。

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オルカンを勧める理由:「人類選抜」とS&P500の比較

中田氏が勧めるのはオルカンである。オルカンは今では当たり前の商品のように見えるが、日本で発売されたのは2018年で、最新の商品だと中田氏は説明する。全世界のトップ約2500社に分散投資し、その顔ぶれも入れ替わっていく。中田氏はこれを「人類選抜」と呼び、特定の選手を応援すれば選手寿命があるが、レアル・マドリードを応援し続ければもっと長く活躍が見込める、というたとえで説明する。

一方、S&P500は「アメリカ選抜」である。今のアメリカは強いが、20年後、30年後も最強かどうかはわからない。中田氏は、ずっと最強の国はないというのが世界史の教訓の一つだと言う。

アメリカの現状についても中田氏は不安材料を挙げる。米財務長官のベッセント氏が日本に利上げを求めるような強気の発言をしているのは、日本が円安に苦しんで米国債を売れば米国債の金利が上がり、アメリカ経済に打撃が来るからだと中田氏は解釈している。アメリカも膨大な借金を抱え、ロシア・ウクライナ、イラン・イスラエルという二つの戦争に関わり、政情は不安定で格差も拡大している。現状では最強だとしても、ずっと最強の国を選ばなくて済むようにした仕組みがオルカンだという。

中田氏はさらに、S&P500はアメリカのどの企業が栄えるかわからないから作られたものなのに、なぜアメリカがずっと栄えることに賭け続けるのか、と疑問を投げかける。S&P500の中でも10年、20年で主役の企業は入れ替わっている。IBMよりAppleが、IntelよりNVIDIAが栄える未来を予測できた人はいない。イーロン・マスクのような当事者でもなければ未来は予測できない。だから未来を予測できない人のために作られたオルカンを勧めたい、と中田氏は述べる。オルカンの案件(広告)は一切受けておらず、歴史を乗り越えるために人類が開発した商品だと信じているから勧めているのだという。

オルカンの詳細については、別の動画で授業をしていると紹介している。結論として中田氏は、オルカンを子ども1人あたり月1万円、2万円、最大5万円まで積み立てていけば、学費の心配はクリアになると伝えたいと話す。

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口座開設の手順

最後に中田氏は具体的な手順を説明する。

  1. 子ども名義の銀行口座を作る。 小さい子に銀行口座を作っている家庭は少ないが、三井住友、三菱UFJ、みずほなど、ほとんどの銀行で0歳から作れる。子どものマイナンバーなどの証明書類は必要だが、オンラインでも申請できる。
  2. 親の証券口座を用意する。 子ども名義の証券口座を作るには親の証券口座が必要になる。まだNISAをやっていない人は、まず大人のNISAから始める。中田氏はこの設計を「まず大人のNISAをやり、その上で子どもへ」というメッセージと受け取っており、それが理にかなった積み上げ方だと述べる。
  3. 子ども名義の証券口座とこどもNISAを申し込む。 親の口座があれば申し込みができ、審査を経て開設される。
  4. 入金方法と積立額を設定する。 銀行口座からの入金かクレジットカード払いかを選び、毎月1万円、2万円、5万円といった積立金額を設定する。

設定が終わればあとはやることはないと中田氏は言う。2026年10月に申請すれば、実際の運用は1月からになるかもしれないが、数か月から半年のうちに将来の学費の悩みがクリアになる未来が待っている、というのが中田氏の結論である。