中田敦彦が解説する『伝え方が9割』:NoをYesに変える「3つの手順・5つのツボ・5つの技術」
中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY中田敦彦は「YouTube大学」で、佐々木圭一の著書『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)を取り上げた。中心にある問いは、同じ学歴や資格を持つ人のあいだで、なぜ結果に差が出るのかである。中田は、この本の答えを「伝え方」だと紹介し、伝え方は才能ではなく、手順に沿えば誰でも再現できる技術だという本の主張を順に解説していく。動画は、考え方の3手順、相手を動かす5つのツボ、強い言葉を作る5つの技術、そして全部を使った「I LOVE YOU」の実演という流れで進む。
コピーライターの技法を、誰でも使える形で公開した本
中田はまず、この本は書店でよく見かけるベストセラーであり、「9割」という言葉や「伝え方」というテーマから漠然とした印象を受けるかもしれないが、実際には非常に実践的だと評価する。シンプルな方法で結果が大きく変わることが書かれているという。
著者の佐々木圭一はコピーライターで、国内外で賞を受けている。中田は、コピーライターを広告や商品名など、人の心をつかむ短い言葉を作るプロだと説明する。プロである以上、調子の良い時と悪い時の波があっては仕事にならない。安定して良い言葉を作れるからプロなのであり、この本はその技法を惜しまず公開したものだ、というのが中田の紹介である。
ただし中田は、この本がコピーライター向けではない点を強調する。著者自身が「あらゆる人の人生が変わる技術」だと信じていると書いており、それが実際に多くの人に支持されたからベストセラーになったのだと中田は見ている。
人生の節目は「YESをもらう」作業の連続
なぜ伝え方で人生が変わるのか。本の問題提起として中田が紹介するのは、同じ大学を出て同じ資格を持っていても、就職に受かる人と落ちる人がいるという事実だ。多くの人は学歴や資格が人生を左右すると考えているが、同じ資格でも給与に差があり、同じ学歴でも合否に差が出る。その差を生むのが伝え方だという。面接では必ず「自分の良いところをアピールしてください」と言われる。そこでうまく伝えられれば、同じスペックでも勝つ側に回れる。
本によれば、人生の節目は、自分を伝え、お願いをしてYESをもらわなければならない場面ばかりだ。就職、入社後の契約、デートの誘い、プロポーズと続く。伝え方で何が「9割」変わるのかといえば、NOの答えが9割YESに変わるのだという。
中田はここで、学歴ではプロポーズは成功しないという例を演じてみせる。「私は東大を出ております。つきましては結婚していただきたい」「卒業証書を見てください」「給与明細を見てください」と言っても、相手は馬鹿にされたと感じるだけだ。学歴や資格や収入では人の心は動かないが、伝え方がうまければ動かせる、というのが本の主張だと中田はまとめる。
情報量の増加と「1日22回のお願い」
本はさらに、伝え方の重要性が今の時代にいっそう増していると説く。かつての情報源は新聞、雑誌、テレビだったが、この10年で人はスマホを持ち、SNSでは毎日大量の意見が流れ、大手メディアだけでなく個人も発信するようになった。中田の紹介によれば、本ではこの間に情報量が530倍になったとされている。
誰もが発信できるということは、普通の言葉や普通の伝え方ではもう届かないということでもある、と中田は続ける。誰でも動画を投稿できるが、多くの人に届く動画はわずかだ。誰でも文章を発信できるが、何万もの「いいね」やリツイートを得られる人は限られる。発信の場が多すぎて、平凡な伝え方では人の目に触れないという。
それなら伝えなければいいのかといえば、そうはいかない。本によれば、人は1日平均22回お願いをしているという。中田は「どこの統計ですか? 分かりませんけども」と出典にはこだわらないものの、振り返れば確かにそうだと共感を示す。仕事で「この件を調べておいて」「書類をもう一度送っていただけますか」「お茶を淹れてもらえますか」と頼み、家庭で「子どもには君から言っておいてくれ」と頼み、店では色違いを出してもらう、他店から取り寄せてもらう、メルカリで値引きを頼む。どれもお願いである。毎日これだけYESを求めているのだから、この技術を鍛えるべきだというのが本の主張である。
「コミュ障」は才能の問題ではない:著者自身の挫折
中田は、視聴者には「自分はコミュ障だから」と感じる人も多いだろうと話を向ける。最近は「人見知り」と同じくらい気軽に「コミュ障」という言葉が使われる。その背後には、プレゼンや説得や交渉がうまい人は特殊な才能の持ち主で、普通の自分にはできない、という考え方がある。本はこれを否定する。
その根拠として紹介されるのが、著者自身の経歴だ。佐々木はコピーライターを目指していたわけではなく、ぎりぎりで受かった会社で配属されたのがコピーライターの部署だったという。人とのコミュニケーションも苦手で、最初は書いた案がすべてボツになった。上司からは「お前が案を持ってきても私は紙を捨てなきゃいけない。紙の無駄遣いだ」「これを続けたら環境破壊しかしていないことになる」と言われたと本には書かれているという。悔しさからやけ食いをして少し太ったことまで書かれている点を、中田は「どれだけうまくいっていないかが伝わる」と面白がる。
辞めようかと考えていたさなかに、まだやれることがあるのではないかと思い直し、佐々木は人の心をつかむ言葉を調べ始めた。文学、広告、物語など幅広く読み、心に残った言葉をメモして集めた。するとそこに傾向があることに気づいた。中田は、名言集を読むと別々の人の言葉が似ていることがある、アニメの主人公の決め台詞が似ていることがある、と例を添える。感動する言葉の作り方には法則があるのではないか、という仮説を得てから著者の人生は一変し、百発百中ではないにせよ高い確率でヒットを生み出し、国外の賞も受賞するようになった、と中田は本の内容を紹介する。
この経歴を通して本が伝えたいのは、伝え方は才能ではなく技術であり、技術だから鍛えられるということだと中田は言う。
言葉にも料理と同じく「レシピ」がある
ただし本は、難しい鍛錬を求めるのではなく、もっとシンプルな「レシピ」を用意したと説明している。料理のレシピは、この分量のみりんとこの分量の胡椒を入れ、この野菜をこの時間煮ればこの味になる、という手順であり、素人がその通りにやってもおおむねその味になる。再現できる作り方の手順がレシピだ。言葉も同じで、感動する言葉は作れる。中田は、「ガッツだ、あとはやれ」といった精神論のビジネス書とは違い、「この通り考えて、この通り作れば、これぐらいの味になる」と示している点がこの本の面白さだと述べる。
考え方の3手順:思いついたまま口にしない
最初に示されるのは、考え方の土台を変える3つの手順である。
第1の手順は、頭に浮かんだお願いをそのまま言葉にしないことだ。人は「喉が渇いたからジュースちょうだい」「お腹空いたから飯行かない?」と、思いついて数秒後には口にしている。だからNOと言われる、と本は指摘する。自分の都合だけを言ってくる人に対しては、誰もが「お前の都合やないかい」と心の中で突っ込んでいる。しかし自分がする側になると、それに気づけない。「思う、言う」という一段階しか訓練されていないからだという。
中田はこの技術の効果を温泉卓球にたとえる。温泉で卓球をする人は、学んだわけではないが何となく打ち合える。しかし卓球部員が構えた瞬間の怖さは、温泉卓球とはまったく違う。技術を持つかどうかで、それほど大きな差がつく。卓球は温泉に行った時だけだが、コミュニケーションは毎日、1日平均22回も行う。その競技の技術を身につけたらどれだけの力になるか想像してほしい、と中田は語る。
第2の手順が最も重要で、相手のメリットを考えることだ。自分の頭にある「やってほしいこと」とは別に、相手の頭の中を想像する。この人は何を好み、何を嫌うのか。それが見えたら、第3の手順として、自分の願いと相手のメリットを一致させ、つなげる。作業としてはシンプルだが、ほとんどの人がやっていない。だからNOと言われてきたのだという。
自分の願いと相手のメリットをつなぐ:面接とデートの例
中田は、相手のメリットを一度も考えない就職面接の例を演じる。「この会社が大好きなんです」「ずっとこの会社の商品を使ってきました」「入れなかったら食べていけないんです」「病気の親がいるんです」「5年引きこもっていました」「この1社しか受けていません」「去年も受けて落ちました」と、自分の考えを並べるだけでは絶対に受からない。
本来考えるべきなのは、その会社がなぜ面接をし、なぜ新しい社員を採用したいのか、会社の強みと弱みは何か、どんな人材を求めているのかだ。会社が求めるものと自分がやりたい仕事を合わせて提示すれば採用につながる。中田は架空の例として、AIを導入したいのにテクノロジーに詳しい若手がいなくて困っていた会社が、AIに取り組みたい志望者が収益倍増のデータまで持ってきたことを喜ぶ場面を演じる。
本に載っている例として紹介されるのがデートの誘い方だ。いきなり「デートしたいです」と言うのは子どもと同じで、「うるさいな」と思われるだけだ。相手がイタリアン好きだという情報があるなら、「びっくりするぐらいうまいパスタの店を最近見つけたんですけど」「イタリアンお好きでしたっけ?」と切り出し、店の話をしたうえで「一緒に行きます?」と誘う。自分にとってはデートであり、相手にとっては美味しいパスタを食べに行く機会になる。そこで会話が盛り上がれば、付き合うチャンスも増えるかもしれない。電車の中でいきなり「デートしてください」と言うのとは、引き出せる答えがまったく違うという。
相手を動かす5つのツボ(1)好きなことに寄せる、嫌いなことを避けさせる
手順のうち、特に大事なのは2と3、つまり相手のことを考え、願いと一致させる部分だ。そのためのツボがあるという。本では7つ紹介されているが、中田は7つでは負担が大きいと考え、似ている項目を統合して5つにまとめたと断っている。
1つ目のツボは、相手の好きなことを考え、そこに寄せる方法だ。速さが売りのファストフード店で、手違いのために客を4分待たせなければならない場面を考える。「4分お待ちください」とだけ言えば、「いつも早いのになぜ待たされるんだ」と反発される。そこで「出来たてをご用意しておりますので、4分ほどお待ちいただけますか」と言えば、作り置きではなく出来たてが食べられるという特別感が生まれ、客は喜んで待つ、と中田は説明する。
飛行機の降機の例もある。前の席の人は早く降りられるが後ろの人は待たなければならない時、「後方の方はお待ちください」と言われると苛立つ。それを「後方座席の方は少々お時間がかかりますので、ごゆっくりお支度ください」と言い換えると、待たされているのではなく、ゆっくり支度できる立場だと受け取れる。中田は、慌てて荷物を取り違える前方の乗客と、ゆったり構える後方の自分という対比を演じ、メリットを提示するだけで印象が一変することを示す。
2つ目のツボはその逆で、相手が嫌うものを示して避けさせる方法だ。「芝生に入らないでください」と書いても、罰則があるのかと気にせず入ってしまう人はいる。しかし「農薬の匂いがつきますので芝生には入らないでください」と書けば、わざわざ農薬の匂いをつけたい人はいないので、避けるようになる。
中田が「面白い」と強調するのは、「痴漢に注意」という張り紙について佐々木が「あまり伝え方がうまくない」と指摘している点だ。これは痴漢される側への注意であり、本当に必要なのは痴漢をする側に「ここではやりたくない」と思わせることだ。そこで「近隣の住民の皆様の見回りにより痴漢を逮捕することができました。ありがとうございます」と書けば、痴漢をしようとする者は「このエリアは厳しい」「実績がある」と考えて避けるだろう、という。放置自転車に悩む場所で「ここは自転車を自由にお捨てください」と書くと、停めたら捨てたものと思われて持っていかれるかもしれないと考え、駐輪されなくなるという例も挙げられる。「自転車を置くな」「痴漢に注意」と気持ちをそのまま伝えるだけでは効果が薄い、というのがコピーライターの見方だと中田は紹介する。
5つのツボ(2)決断ではなく比較させる
3つ目のツボは、決断ではなく比較をさせることだ。本によれば、人は決断する時に大きな精神的負荷を感じる。「デートしてください」「打ち合わせしてください」と言われると、面倒だと感じ、断るのも面倒で、OKした後で嫌になったらどうしようとも考える。YESかNOかの判断は体力を使う。
そこでYES or NOをA or Bに変える。「打ち合わせの候補日は、この日とこの日ではどちらがご都合よろしいですか」と聞かれれば、NOの選択肢がぼやけ、YESの中で具体的な選択肢を与えられるので、気が楽になり選びやすい。しかも自然にYESの方向を向いている。商品の場合も、「買ってください」では買うか買わないかの判断になるが、「こちらとこちらではどちらがお好きですか」と聞けば、選んだ時点で購入に近づく。
中田はアパレル店員の接客を例に、「今日はアウターをお探しですか、Tシャツですか」「ゆったりめとタイトめならどちらがいいですか」「黒い濃い色味と鮮やかな色味ならどちらが」と比較を重ね、「試着してみます?」へ進む流れを演じる。いきなり「先ほどから拝見していました。意を決して言います。買ってくれませんか」と言う店員はいない。まず相手が何をしに来たのか、何を探しているのかを考え、その中で比較させるのが基本の流れであり、プロは必ずやっていると中田は言う。
5つのツボ(3)承認と共同
4つ目のツボは承認だ。「いいね」「素晴らしい」「ありがとう」を相手に伝える。人は誰しも認められたいし、感謝されたい。承認してからお願いすると、人は断りにくくなるという。
中田は、上司が部下に企画書を頼む場面で対比を演じる。「君、企画書書いといて」では「なぜ俺なんだ」と反発される。そうではなく、「最近の仕事ぶりは素晴らしい」「前回の企画書を上層部がとても気に入って、今それで進んでいる」「新しいプロジェクトでもみんなが君の名前を挙げる」「社長も君を気に入っている」「急いで書いてくれと言われている。いつならできる?」と伝える。すると部下は、自分が求められている、部署のエースだと感じて引き受ける。思ったことをそのまま口にすると、往々にして人を傷つけるのだと中田は述べる。
5つ目のツボは共同、つまりチーム化だ。子どもや生徒に「前回の点数が悪かっただろう、勉強しなさい」と言うより、「鎌倉時代って面白いらしい、お父さんも興味があるから一緒に勉強しない?」と誘うほうがいい。グラウンドのゴミも「拾っておいて」より「一緒に拾いに行こう」のほうが動きやすい。自分もやるから一緒にやらないかと言われて断れば、断った側が悪者になってしまう、と中田は寸劇で示す。
中田は、5つのツボのどれにも資格や特別な勉強が要らず、今日から使えると強調する。この人は何が好きか、何が嫌いか、比較なら聞いてくれるか、いつもの頑張りを認めたうえで頼もう、皆で頼もう、と考えるだけで人生は変わる。手帳にメモしておき、1日22回のお願いのたびに見直して、今回は「好き」作戦、今回は「承認」作戦と使い分けたり組み合わせたりすれば生活が大きく変わる、というのが本の主張だと紹介する。
強い言葉を作る5つの技術(1)サプライズとギャップ
ツボの位置が分かったら、次はどう押すか、つまり力のある言葉の作り方である。本はそのための5つの技術を示している。
1つ目はサプライズだ。メールで感嘆符をつけるかどうかで印象が変わるように、言葉の前後に何かを加えるだけで言葉が際立つ。JR東海のキャンペーンを例に、中田は「京都に行け」「京都に行きましょう」「京都に行こう」と並べ、最後に「そうだ 京都、行こう。」を示す。「そうだ」がつくだけで、修学旅行以来行っていない、いつかまた清水寺や金閣寺を見たいと思っていた、ちょうど有休が取れた、という受け手の気持ちに寄り添う言葉になる。本によれば、これが強いのはサプライズワードを使っているからだという。
中田はここに自分で思いついた例を加える。小林製薬のCMの「あっ小林製薬」、伊藤園の「お〜いお茶」、そして「アンパンマン」ではなく「それいけ!アンパンマン」というタイトルだ。呼びかけなどの言葉を頭につけるだけで、ぐっと引きつけられると中田は言う。
2つ目はギャップで、「AではなくBだ」という構文である。例は『踊る大捜査線』の「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」だ。「事件は現場で起きている」だけでは「それで?」となる普通のセリフだが、否定を加えることで、現場を知らないキャリア官僚に指図されず自分の裁量で動くという刑事の気概が伝わる、と中田は解説する。
オバマ元大統領の勝利演説でもこの構文が使われていたという。熱狂する支持者を前に「これは私の勝利ではない」と言うと会場がざわめき、続けて「あなた方の勝利だ」と言うことで、支持者は自分たちの意見が通る政治家が選ばれたのだと感じ、熱狂が生まれる。いきなり「みんなの勝ちだね」と言っても「そうだね」で終わるが、「not A」があることで引きつけられる、と中田は説明する。
作り方は、まず言いたいBを決め、その逆を作ってつなげることだ。「みんなの勝利」が言いたいなら、ポイントは「みんな」で、その逆は「私」だから「私の勝利ではない。あなた方の勝利だ」になる。「現場」が言いたいなら、その逆は「会議室」だから「会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ」になる。
強い言葉を作る5つの技術(2)体の反応、リピート、クライマックス
3つ目の技術は、体の反応を率直に言うことだ。映画のCMで観客が「最高でした」と語る場面を例に、「最高の映画でした」とだけ言うのではなく「もう喉がカラカラ。最高の映画でした」と言えば、叫んだのだろう、飲み物を飲む暇もなかったのだろうと伝わる。「お腹すいた」も「もう何も考えられない。お腹すいた」と言えば切実さが増す。聞き手も人間なので体の反応には共感しやすい。体の反応をイメージさせてから言いたいことを言うと「そんなに?」と思わせられる、という技術である。
4つ目はリピートだ。本によれば、ヒットソングのほとんどは歌詞に繰り返しがあるという。中田は童謡「チューリップ」の「さいたさいた」を挙げ、子どもの頃から繰り返しの歌に耳慣れていると述べる。さらに槇原敬之「どんなときも。」、AKB48「会いたかった」、ゴールデンボンバー「女々しくて」、自身のグループの「PERFECT HUMAN」の「Na-ka-ta」の連呼を挙げ、「女々しくて辛いよ」だけでは伝わらず、三度繰り返すから気持ちいいのだと話す。2度言うだけで伝わり方が変わるという。
5つ目はクライマックス話法だ。「これだけは覚えておいてほしいことなのですが」「ここが最も重要な点なのですが」「ここだけの話なのですが」と前置きして、ここが一番大事だと印を付ける。中田は、YouTube大学でもよく使っているかもしれないと述べる。
中田は、強い言葉はやみくもに作るものではなく、昔からある基本の法則に沿って作られてきたのだとまとめる。3つの手順を踏み、ツボを押さえ、そのツボを強い言葉で押す。これが本の伝えたいことのすべてだという。
実践:全部の技術を使った「I LOVE YOU」
最後に中田は「勝手に実践」として、5つのツボ(好き、嫌い、比較、承認、共同)と5つの技術(サプライズ、ギャップ、体の反応、リピート、クライマックス)をすべて使った告白の流れを作ってみせる。ビフォーは、会議の後の給湯室の前でいきなり「〇〇さん、デートしてください! 大好きです!」と言うやり方である。
アフターではまず承認から入る。「いつも助けてくれてありがとう。俺の分の企画書まで君が書くことになって申し訳ない。でも君のおかげで仕事がすごくしやすい」。次に共同として「その企画書、一緒に考えさせてくれないかな」と申し出る。続いて嫌いなものを示し、「1人で抱え込んだらストレスになるよ。仕事を押し付けられて会社に来なくなった人もいたし、ストレスは肌荒れや鬱など体の不調に出るらしいから心配だよ」と伝える。そこから好きなものへ移り、「そうだ、気晴らしに好きなものでも食べに行こうよ。奢るよ。イタリアン好きだったよね?」と誘い、最後に比較として「驚くほどうまいパスタの店と、釜焼きの本格ナポリピッツァの店、どっちが好き?」と尋ねる。中田は相手の心の動きも演じる。感謝され、一緒に考えてくれると言われ、1人で抱えることへの不安も和らぎ、大好きなイタリアンを二択で示されて、気づけば「どっちにしようかな」と考えている、という流れだ。
パスタを食べた帰り道が「告白ブロック」である。まず体の反応として「正直、今日パスタの味がしなかったんだよね。〇〇さんと2人で食事してるとドキドキしちゃって」と言う。相手は、あんなに美味しいと言っていたのになぜ、と驚くが、何かに気を取られていると味がしなくなる経験には共感できる。次にギャップとして「俺はパスタが食いたかったんじゃない。君と話がしたかったんだ」と伝える。さらにクライマックス話法で、別れ道の手前で「これだけは伝えておきたいことがあるんだ」と切り出し、サプライズの「そうだ」に続けて、リピートで「君のことが好きなんだ。大好きなんだ」と言う。中田は、給湯室の前で連呼したビフォーの相手が「怖い、TPOがおかしい」と感じるのに対し、アフターでは「ドキドキした、嬉しかった」となると対比し、YESを引き出せる人とNOしかもらえない人の違いの一例として示した。
慣れれば無意識に使えるようになる
毎回これをやるのは大変だと思うかもしれないが、佐々木は料理と同じだと言っている、と中田は紹介する。最初はレシピを見ながら「みりんは小さじ1杯」「ここは弱火」と確認して作るが、だんだん慣れ、やがて無意識にできるようになる。伝え方も、実践を続けるうちに10の手法を組み合わせ、ギャップからクライマックス、クライマックスからサプライズ、サプライズからリピートへと自然に使えるようになり、その時人生が変わる、というのが本の結論だという。
中田はコピーライターのやり方を学べたことを面白かったと振り返り、最後に自らギャップの構文を使って動画を締めくくった。「俺はこの本の話がしたかったんじゃない。これを見てくれた皆さんの人生が少しでもいいものになればと思ったんだ」。
どうも中田敦彦です。さあ、今日も早速参りましょう。エクストリーム現代社会、『伝え方が9割』編。使えるよ。よろしくお願いします。さあ、やって参りました。
『伝え方が9割』。この本を書店で見たことがあるよっていう方、多いと思います。めちゃくちゃ売れてるんですね。なぜか。使えるんですよ。「えー!?」と。9割とか言って、言いすぎじゃないっていう可能性があるし、伝え方って漠然としてるね、なんて言うかもしれないですけど、そうじゃないんですよ。めちゃくちゃ実践的なんです。「こんなに簡単に変わる?」。それぐらいシンプルだけど劇的に方法が変わっちゃうっていうことが書いてある。
誰が書いてる? これ、佐々木圭一さんという方なんですけど、この方、コピーライターなんですね。国内とか海外でも賞を受賞している一流のコピーライターが伝授しますということなんですね。今回はコピーライターならではの発想。これが面白いんですよ。
コピーライターってどういう仕事?ってね、広告とかの文句、言葉ね。広告とかで胸打つ言葉ってあるじゃないですか。「ああ、この言葉、このフレーズ忘れられない」とかね。だから商品名とか広告のコピーとかっていうのは、人の心を掴むための短い言葉でしょ? そういう言葉をプロとしてやってるんだよと。プロとしてやるからには、浮き沈みがあって、いい時もあるけど悪い時もある、これじゃ仕事にならないわけですよ。だからコンスタントにいい言葉を作れる。だからプロなんだよっていうことで、その技法を惜しげもなく今回公開してくれてるんですね。
これはコピーライター用の本じゃないんだ。これ、大事なこと。「あらゆる人の人生が変わる技術だと私は信じてる」と言うんですね。そしてそれが確かだなと思うからこそ、ベストセラーになってるわけですよ。「人生変わる? どうして?」と思うかもしれない。実は、例えばよくよく考えてよと。同じ学歴、同じ資格を持ってる人だけど、就職に受かる人と落ちる人いるよねっていう話なんですよ。
確かにそうだよね。同じ大学出てますよ。だけどあいつは受かってこいつは落ちた。それなんで? そういうことがある。だから学歴とか資格の方が人生を変えるってみんな思ってるでしょ?って。だけどそうじゃないんだよって。同じ資格持ってても給与に差があって、同じ学歴持ってても合格、不合格に差がある、就職。これなんでかって言うと、ひとえにそれは伝え方が違うんだって。面接するでしょ。その時に「自分のいいところをアピールしてください」と必ずあるわけじゃないですか。それがうまくいってれば、同じスペックだけど勝つやつになれたわけですよ。
そして何を隠そう、人生の節目は全て、自分を伝えなきゃいけないことばかりだ。お願い事をして、YESかNOのYESをいただかなきゃいけないことばかりだって言うんですね。この伝え方で何が9割変わるかというと、NOの答えが9割YESに変わると。YESに変えたい。YESをいただきたいという、そういうSay YESな現場、いっぱいあるでしょ。
節目、いっぱいありますよ。例えば就職もそうでしたよね。その上で企業に勤め出したら契約もそうですよ。YESが欲しいんですよ。「この商品買ってください。契約してください」「YES」「やった」。それで出世もうまくいくわけですよね。その他、「デートしてください」。恋愛どうですか? 「デートしてくださいよ」って言った時にYESが欲しいんですよね。そして結婚どうですか? 「結婚してください!」。プロポーズに対してYESが欲しいんです。人生の節目は常に、自分の気持ちを伝えてYESを引き出す作業、その連続だって言うんですよ。
はあ! そういえば、万能。そうなんです。学歴があっても結婚はできないですね。「私、東大を出ております。つきましては結婚をしていただきたい」。一番下手くそなね。そんなプロポーズある?っていうね。「私の学歴を見てください。卒業証書見てください。結婚してください」。これは人をバカにしてると思われますよね。「私が東大を卒業してたら、結婚すると思うんですか?」「私の給与明細を見てください。結婚してください!」とか。そういうのはうまくいかないわけですよ。学歴や資格、そして収入では人の心は動かせないけれども、伝え方がうまければいけるんだと。
そして何を隠そう、それが余計大事な時代になってるって言うんですよ。なんせここ10年間で、巷に溢れてる情報量ってどれくらい増えたか? 実は昔で言うと、新聞がありました。雑誌がありました。テレビが流れてました。でもここ10年、どれぐらい変わりました? 人はスマホを持つようになりました。ニュースは新聞だけじゃない。スマホの中でもワンサカワンサカ入ってくる。SNSをやってるから、毎日のようにいろんな人の意見がものすごい溢れてる。大手メディアだけじゃなくて個人も発信するようになった時代に、情報が530倍になってるっていうんですね。
じゃ、どういうことか? 誰しもが発信できる、誰しもが自分の気持ちを伝えられるってことは、普通の伝え方、普通の言葉ではもう届かないっていう時代になってるんですよ。確かにそうだ。誰しもが動画を上げられるようになったよ。誰しもがね。だけど人々に届く動画ってどれぐらいありますかって話。そうだよね。誰しもが文字を発信できるよ。でもその誰しもが何万いいねとか、何万リツイートされてます? そうじゃないよね。なんでもない言葉、なんでもない伝え方は、人々の目にもはや触れないっていう時代なんですね。ありすぎて伝わらない。伝えるプラットフォームがありすぎて、普通の伝え方ではダメだよっていうのね。
その上で人は、じゃあ「伝えないでいくわ。俺は伝えない」、そんなことができるか? できない。節目だけじゃないんだ。なんと人は1日平均22回お願い事をするって言うんですよ。「どこの統計ですか?」。分かりませんけども。でもよくよく考えたら、確かに!っていう時ない?
仕事でもそうだよね。「何々さん、これ、この件ちょっと調べといて。よろしくお願いします!」「あれ送っていただけますか? もう一度あの書類、ちょっと紛失してしまったみたいなんで、よろしくお願いします」「誰々さん! ちょっとお茶淹れてもらっていいですか? はい、ありがとうございます」「おい、なんだよ、こんな時間に電話すんなよ。それはさ、君の仕事だ。その子供にはさ、君の方から言っといてやってくれよ、それに関しては。分かるけども、僕は今日仕事が遅いから、それは君から伝えておいてくれ。分かった。はい」。全部お願いですよね? そうなんですよね。
仕事の内容に関しても、一個の仕事に関して誰にも誰にもお願いして、「お茶をください」「何々してください」「あれください」「これください」。そうですよね。お店に行ったってそうですよ。「これの色違いありますか? この色違い出してくださいね」「サイズがないんですか? じゃあ他店から取り寄せとかできないんですか?」。これお願いですよね。「ちょっと割り引いてくれませんか?」。メルカリですよね、とかね。お願いですよね。全部お願いなんですよ。お願いを実は1日平均22回やってる。「want、want、want」と「YESをください。Say YES、Say YES、Say YES」。そんな毎日の中で、これを鍛えないといけないぞって言うんですよ。
鍛えないといけないぞって言うけどさ、「ごめんなさい、中田さん、ごめんなさい。この動画ね、中田さんの動画見てるよ。そんな動画を見てる私、もうゴリゴリのコミュ障でございます」。そういう人多いと思います。多いかどうか分かんない。だけどさ、結構みんな気軽に「私、コミュ障だから」って言わない? 最近。「私、コミュ障なんですよ」とか、「あいつコミュ障じゃない?」とかって、それぐらい人見知りなのと同じぐらい使うでしょ?
その言葉の裏にあるのってどういう気持ちかって言うと、プレゼンや説得や交渉や、伝えるのが上手な人っていうのは特殊な才能の持ち主。そういう考え方じゃないですか? 「私は普通の人間だから、そんなにうまく伝えられません。ごめんなさい。コミュ障です。許してください」。そういうことでしょ? でも違うって言うんですよ。「いいか?」と。「私が一流コピーライターだから書いてるなんて思って、嫌わないでください」。こういう本を書いたわけですね。
「一流コピーライターだったんじゃないんです。恥ずかしいけれども全部言います。私は実はコピーライターになろうと思ってなったわけじゃないんです。ギリギリ受かった会社で、配属されたらコピーライターだったんです。私自身も疑いました。正直、人とコミュニケーション取るの苦手な方だったんです。もちろん最初からうまくいきませんでした。コピーライターの案を書きます。書類を持って出す。持って出す。でもそれが全部ボツ」。
あまりにもボツになるもんだから、上司に言われました。「お前が案を持ってきても私は紙を捨てなきゃいけない。お前がやってるのは紙の無駄遣いだ。これを続けてみろ。お前は環境破壊しかしてないことになる。コピーを書いてくれ。使えるコピーをな」と言われてしまったらしいんですね。非常にショックを受けて、「もうやだ。もうくっそ悔しい」っつって、やけ食いしたそうなんですね。そこも赤裸々に書いてあります。やけ食いして、少し太ったそうなんですよ、会社で。
分かりますね。どんだけうまくいってないかが。「少し太ったんです」って言われると、確かにうまくいってねえんだな。もうそういう時あるもんな。食いたくなっちゃうんだよな。分かる、分かる。そして少し太って、もうやめようかなって思った最中、まだやれることがあるんじゃないかと思って、調べ始めたらしいんですね。
言ったら、人の心を掴むワードっていうものをいっぱい調べて、例えばそれは文学でもそう、広告でもそう、いろんなところ、物語でもそう。そういう新書とか全部読んで、「これは素晴らしい言葉だった」っていうのをメモして集めたそうなんですよ。データ収集です。データを収集すると、なんとそこに傾向があるんじゃないか?っていうことに気づき始めたんですってね。「似てるぞ! この言い回し似てる」。
確かに名言集とかっていう本を買ったりすると、「この人の言ってることとこの人の言ってること、ちょっと似てるよな。でも両方結構感動する言葉なんだよな」とか、アニメの主人公が言う決め台詞とかって、似てる時があったりしませんか? そうなんですよ。感動する言葉の作り方っていうのは、法則があるんじゃないか? その仮説を見つけてから、この著者、佐々木さんの人生は一変したって言うんですね。
「小太りで汗をびしょびしょにかいていた、そんな負け犬だった私が法則を見つけて、それを利用して作るようになってから、百発百中とは言わないが、高確率でバンバン、バンバン、ヒットを生み出し、そしてついには国内だけではなく国外の賞も受賞し、今こうやって本を書くに至ったのでございます」という話です。つまりここで言いたいのは、才能じゃねえぞって話。これは間違いなく鍛えられる技術なんだ。これがこの本の一番伝えたいこと。伝え方というのは決して才能ではない。技術だ。そしてその技術というのは、技術であるがゆえに鍛えられる。
今回、無茶言わない。鍛え方、難しいかもしれない。でも今回用意したのは、鍛え方よりももっとシンプルなレシピだと考えていただきたいって言うんですよ。レシピ。そう、レシピって例えば、この分量でみりんを入れて、この分量で胡椒を入れて、この分量でこの時間、この野菜を煮てくださいと。そしたらこの味になります。それは往々にして、素人がその通りやってもその味になるんですよね。それがレシピですよね。そうなんです。再現ができる作り方の手順。それがまさにレシピ。言葉も料理と同じくレシピがある。作れる。感動する言葉は作れる。それを公開しますって言うんですね。
なので精神論じゃないんです。「こういうふうにやれ! ガッツだ、ガッツだ、ガッツだ、あとはやれ!」みたいな感じのビジネス書と違うのは、この通り考えて、この通り作っていただくと、これぐらいの味になりますという本なんです。面白いですよ。さあ、行きましょう。
まずは考え方の3手順。もうベースの考え方を変えてくださいって言うんですね。皆さんがこうしたい、ああしたいと思いました。それを相手に伝えるっていう時にどうしてるか? それは願いを実はそのまま言葉にしてるんですね。ファーストステップは、頭に思い浮かんだお願いをそのまま言葉にはしてはいけない。これを覚えることからです。
皆さん、何か願いを思いついた。そしたら思いついた瞬間に、3秒後にはそれを口にしているね。「ちょっと喉乾いたからジュースちょうだい」「お腹空いたから飯食いに行かない?」。思いついてすぐに口に出すのをやめなさい。だからNOと言われるんだね。思いついたそのままを言葉にしても、相手はYESとは言わないんですね。そうでしょ。ただただ愚直に自分の気持ちだけ言ってきてんな、こいつっていうやつ、嫌ですよね。「お前の都合やないかい」「お前しか得せんやないかい」というツッコミ、皆さん日常でしてると思います。
それ、人に対してはそう思うんですが、実は自分の時はそう振り返れないんです。なぜならこの手順が1しかないから。思う、言う。それしか訓練されてないんです。そう、この伝え方の技術、レシピに沿って鍛えていただければ、ずば抜けた効果が出せますって言うんですね。それはどれぐらい効果が出るか。人は伝え方をなめているから、基本的になんとなくやってる。言葉をもう覚えているから。今まで生まれてきて育ってきたその文脈で、ずっと言葉を紡いでる。
だけどそれはいわば、温泉に行った時だけ卓球やる人いますよね。温泉ピンポンって言われますね。あれって別に学ぼうと思ってないでしょ。でもなんとなくピンポンってできるでしょ。打って、パーン、パーン。「あ、落ちた。外した」。だけど卓球部の卓球と、温泉でピンポンやる時だけの卓球、全然違いません? こうやって構え出した時の怖さありますよね。こう行って、こう来られた時の怖さありますよね。「絶対に勝てないやつやん」ってなりますよね。
つまり、テクニックを持つ、技術を持つというのはそれぐらい雲泥の差。でもピンポンは温泉行った時だけだよね。でもコミュニケーションは毎日やる。1日平均22回やる。その競技の技術が身についた時のパワー、想像してみてください。毎日この状態です。ずっとこれ。すごい華麗なプレイです。「あいつ、言葉むちゃくちゃ使ってんな」。これですね。これができるようになりますとね。
じゃあその考え方。言葉にしないならどうするか? この第2のステップが最も大事です。それは相手のメリットを考える。これですね。ごもっともなんですけども、考えたことありました? なかなかない。実はこれの習慣をつけるっていうことが大事らしいんですよ。まず自分の頭の中にやってほしいことありますよね。「ジュースが飲みたいな」とかね。その上で相手のメリットですね。相手の頭の中を想像しましょう。相手はこういう人間で、こういうことを好んだり、こう嫌ったりしてるよなって。
なった時に3番目の手順。相手を知った時に、あとは願いと相手のメリットを一致させる、繋ぐって言うんですね。シンプル、シンプルな作業。でもこれを絶対にやってない。だから我々はNOと言われてきたんです。
「この会社入りたいんです。この会社好きなんです。ずっとこの会社の商品使ってきました。この会社が大好きなんです。入れてください。入れてください。この会社に入れなかったら僕、食べていけないんです。病気の親がいるんです。本当にもうずっと5年引きこもってたんです。5年引きこもった上で、この会社しかないんです。この会社1社しか受けてないんですよ。去年も受けたんです。も受けたんです。全部落ちました。もうこれ以上やったら私、本当にもう訴えてやろうかと思うぐらいです。入社させてください」。絶対無理ですね。ずっと自分の考えてることをただ言葉にしてます。相手のメリット、一度も考えてません。
じゃ、その会社は一体どうして面接をしてんの? どうして採用してんの? なぜこの会社は新しい社員を雇用したいと思ってるの? この会社の強みと弱みは何なの? どういう人材が欲しいの? そういうことと、「この会社、こういう人材欲してる」「俺、こういう仕事したい」。それをバチーンと合わせるプレゼンした時に、「君、採用!」と。
「そうなんだよ。うちはAIを導入したかったんだよ。でもそういうテクノロジー系にものすごい造詣の深い若い人材、そういうのがいないって言って、ずっと困ってたんだ。君は何? AIのジャンルがものすごいやってみたい? この企業に、何? AIが加わったら、その収益が倍化するというデータも持ってきた。すごいじゃないか! AIについてやってきたんだね、勉強も。いいよ、いいよ。君が欲しかった」。こういうことですね。
シンプルに言うと、デートがしたいっていうのであれば、この本に書いてある例ですね。デートがしたいのであれば、「デートしたいです!」。これ子供ですね。「うるせえな、こいつ」ってなるだけですね。「なんなんだ、いきなり」と。そうじゃなくて、誘い方があるだろうっていうんですね。この人はイタリアンが好きだったよなっていうのであれば、自分はデートがしたいよね。でも向こうとしては、今デートがしたいかどうかっていう気分は分からない。でもイタリアン食べに行きたいなみたいなことは最近言ってたし、好きだっていう情報がある。なるほど、だとしたらね。
「そうだ! びっくりするぐらいうまいパスタの店、最近見つけたんすけど」「え!? そんなに?」「いや、びっくりするぐらいうまいんすよ。もう麺から全然違うんすよね。あれ、なんて言えばいいんだろうな。イタリアンお好きでしたっけ?」「私、大好きなんだけど、イタリアン。どこの店?」みたいな。「代官山なんすけど」「代官山あんま詳しくない」「本当すか? じゃどうすか? 一緒に行きます?」。これだよね。
これで一緒に行くっていうことが本人としてはデート。でも相手としては、めっちゃうまいっていうパスタを食いに行くんだったら、こいつと行ってやっても悪くない。それで行って会話が盛り上がって、お互いの気持ちが通じ合ったら、お付き合いするチャンスは増えるかもしれないですよね。だとしたら「デートしてください」、急に。「うるせえ。急になんだ、この電車の中で」みたいな。「TPO、こいつどうなってんだ?」みたいな。そういう導入では、伝え方で全く引き出せる答えが違うぞって話なんですね。なのでこの3手順をやってください。
ここまで来たよ。分かった、分かった。じゃあもうちょっと具体的に聞きたい。そう思ったと思います。どこを具体的に説明してほしいですか?って話。言葉にしない方法、相手のことを考える方法、そして一致させる方法。実はここ、やっぱ2、3が大事なわけですよ。相手のことを考えて一致させる。ここ、なんと実は5つツボがあるんですね。ツボがあるんです。この原理が分かったら、あとはこの5つのツボを押してください。そうすると動きやすいんですね。相手をどう考えて、どう一致させるか? そのツボがあります。
この本の中では実際は7つ紹介されてたんですが、ちょっと7、負担多いかなと思って、キュッとまとめて5にしました。ここ似てるかなと思ったところとか混ぜました。それで5つにさせていただきました。まずは先ほど例に出したように1番。相手の好きなことを考えて、そこに相手を寄せるという動かし方ですね。
例えばハンバーガー。ちょっとこっちの手違いで、4分ほど待っていただかなきゃいけないね。すぐ出せるよっていうのが売りのハンバーガー店、ファストフード店なのにもかかわらず、ちょっと4分ほどお待ちくださいって客に言わなきゃいけない。そんな時の伝え方って、どうした方がいいのか? 相手のメリットになる言葉をまぶすと、相手はそこに寄ってくれる。だとしたら待つ動機を作るんですね。
「ハンバーガー、4分お待ちください」。それ、「なんでだよ!」って言われるわけですね。「なんでだよ。いつもこの店早えじゃねえか。なんで4分待たなきゃいけないんだよ。おお?」っと、こうなるわけですね。なので相手のメリットを乗せて言う。「お客様! 出来たてをご用意しておりますので、4分ほどお待ちいただけますか?」。これですね。
「出来たてをご用意しておりますので」って言われたら、何、そのスペシャルな感じ。「作り置きじゃないのね。4分だけ待てば何? 出来たて食えんの? いつもよりほかほかなの? 最高じゃない! 待とう、待とう」。「4分ほどお待ちいただけますか?」。待てないわけない。そんな器小さくない。出来たてのハンバーガー食べたいですと、そうなるわけですね。
その上では、例えば飛行機ですよね。飛行機も降りる時、ピーンってなって、もうベルト外していいですよのマークで、鳴ったらカチャンなって、すぐこうやって出たいなと思うけど、前が詰まっててね。早く降りたいのに、「前の方の方、早めに降りられます。でも後ろの方の方はお待ちください」。それだけ言われたらイラッとしますよね。「後ろの方の方、後ろの方の方なんですからお待ちください」。これ嫌ですよね。「なんだ、後ろの方の方なんですからって。私だって金払って乗ってんだぞ」と。そうなるわけですよね。
そこが実は、「後部座席の方の方、少々お時間かかりますので、ごゆっくりお支度ください」。こうですね。「ごゆっくりお支度ください」。ゆっくりできるんですよ。逆にもうそう聞いたら、「そうだよな。俺、後ろにいるからゆっくり支度してもいい身分だよね。前の方のやつなんかあれだよね、後ろの俺たちのプレッシャーがあるから、すぐ出なきゃいけないもんね」。
すぐ準備して、ガチャ、荷物がガチャ。「あ、違った。黒いボストンバッグだけどこっちだった」みたいなね。そういうふうな、もう「ありがとうございました。飴もらって帰ればよかったな」みたいなね。そういう焦んなきゃいけない前方と、ゆったりの俺という、そういうメリットを提示することで一気にイメージが変わる。これ、好きな方に寄せるという技ですね。ライクで寄せていく。これ1個のツボですね。
逆の手法もある。ヘイトで避けさせる。相手の嫌いなものを提示して、そこを避けさせるってやり方なんですね。これが面白いんですよね。例えば芝生に入らないでと。ぐちゃぐちゃになるからね。そうでしょ? 「芝生に入らないでください」って、公園とかオフィスの庭とかで見たりしません? 綺麗に芝を揃えたんですよ。なのに「わあ、芝だ!」なんて言って、「わあ」なんて踏み荒らされた日には、こいつもうどうしてやろうかっていうぐらい、ぐちゃぐちゃになっちゃうわけですよね。
だから「芝生に入らないでください」っていうの、よく見ますよね。でも芝生に入らないでくださいって言っても、普通の人だったら入っちゃうかもしんない。「入らないでください? いや、罰則ある? 俺は歩きたい道を歩く」みたいな。「やったんぜ!」みたいな。そういう人をどうするのか。人を動かすには、伝えるにはどうするのか? 実は、「じゃあ入りたくないな」って思わせる。例えば「農薬の匂いがつきますので、芝生には入らないでください」。
こう言われたらどうですか? 農薬の匂いつけたいってやついないよね? 「今日デートだし、農薬の匂いつけてから行っちゃおうかしら!」。そんなやついないです。だから避けるわけですよね。
面白いのは、例えば「痴漢に注意」っていう、そういう張り出しの看板とかありますよね? ちょっと暗い路地とか、電灯の少ない通り道とかで「痴漢に注意!」って見るね。あれ、あんまり伝え方うまくないですねって言うんですよ、この佐々木さん。「でも痴漢に注意しなきゃいけないんでしょ?」。あれ、どうやって書いた方がいいと思います? 実は「痴漢に注意してください」っていうのは、痴漢される側への注意だよね。でも本当にしなきゃいけないことって、痴漢が「痴漢したくないな」って思わせる行為。痴漢にヘイトを与えて、痴漢という行為から避けさせる。
だとすればですよ。こんな張り紙なら効果があるって言うんですね。それが「近隣の住民の皆様の見回りにより、痴漢を逮捕することができました。ありがとうございます」。こう書いてあったとしますよ。「近所の皆さんの見回りにより痴漢を逮捕できました。ありがとうございます」。痴漢だったら、「はい、このエリア厳しい」って言って帰るわけですね。「このエリア厳しい。実績あんじゃん」って。こういうことですね。
面白いのは、自転車の放置に悩んでるところとかは、「ここは自転車を自由にお捨てください」って書くと、そこに駐輪しちゃうと捨てたって思われて、誰かに持ってかれちゃうかもしれないと思うから、自転車を駐輪しないとかね。要するに相手が嫌がるっていうものを置く。好きだっていうものを置く。この2つとも、非常に相手の誘導に効果があるというお話なんですね。気持ちを伝える。だから「自転車置くな」「痴漢に注意」「痴漢アカン」とかね、あんまり効果がないっていうね。伝え方がなってないぞと。コピーライターの人の目線だとそうなるらしいんです。面白いですね。
そしてもう一つ。決断をさせるのではなく、比較をさせる。これも非常に使いやすいテクニックです。人は決断する時に、非常に精神的負荷がかかるんですって。「デートしてください!」とか、「打ち合わせしてください」ってなると、「うわ、めんどくせえ!」となるかもしれない。それを断るのもめんどくさい。「どうしようかな?」。OK出すのもめんどくさい。「ちょっと後で嫌になったらどうしよう。今、いいかもって思うけど嫌になったらどうしよう」とかね。YES or NO。これは体力使うんです。
じゃどうするか。それをA or Bにするって言うんですよ。「どういうこと?」。例えば、「打ち合わせの候補日、この日とこの日だと、どちらがご都合よろしいですか?」って言われたら、まずYES or NOのNOを少しぼかして薄めて、YESの中で選択肢を具体的に与えられることで、「どっちかだったらこっちですね」。この方が気が楽らしいんですよ。だから選びやすくなる。でも自然とYESの側の方に向いてますよね。
だから商品でも、「これ買ってください!」だと、買うor買わないでしょ。だけど「こっちとこっちだったら、どっちがお好きですか?」なんて言うと、「こっちとこっちだったら、こっちが好きだよ」ってなると、どっちかというと買う方向に進んでくれるわけですよね。
だから「何をお探しですか?」とかって、アパレルの人が言ってきますよね。「今日はアウターをお探しですか?」とかね。「今日はTシャツですか?」。何個かの選択肢の中で、「今日はTシャツなんですね!」「Tシャツですね。どっちかというとTシャツです」「やっぱりゆったりめとタイトめだったら、どっちがいいですか?」「ゆったりめですね」「これ、黒い濃いお色味と鮮やかなお色味だったらどっちが?」「黒い色味の方が僕は着たいんですよね」みたいな。「じゃ、ちょっと試着してみます?」みたいなことができるわけですよね。
いきなり「買ってくれませんか?」。こんな店員いないですよね、アパレルでね。「先ほどから拝見していました。意を決して言います。買ってくれませんか?」。いきなりっていうね。それやめて、比較させて、お願いだからって。そういうことですね。なるほど。具体的なテクニック。でもこれを意識して、もうたったこれだけのツボですからね。
まず思ったこと言わない。「買ってくれ! 次の客、買ってくれ!」じゃないんだよ。まず相手は何をしに来たのかな? 相手、何探してんのかな? 相手、靴探してんだ。じゃ、靴の中でこっちとこっち、どっちがいいすか? これが基本的な流れだよね。こういうの、やっぱプロは必ずやってるわけですね。
そしてもう一つ、承認する。いいね。あなたいいね、素晴らしいね。サンキューとか、グッドっていうのを相手に伝えるわけですね。人は誰しも承認されたいし、感謝されたい。それはもう皆さんご存じですよね。みんな、だっていいねつけられたら嬉しいし、褒められたら嬉しいし、感謝されたら最高ですよね。それをやってからお願い事をすると、人はどちらかと言うと断りづらいらしいんですね。
例えば「じゃあ何々君、何々のプロジェクトだけども、君、企画書書いといて」。嫌ですね。「なんで俺なんだよ。なんで私なんだ?」。こうなるんですね。でもそうじゃなくて、まず承認するんですね。
「何々君、素晴らしいよね、最近の仕事ぶりは」と。「前回の企画書、あれね、上層部が気に入っちゃって、気に入っちゃって、もうそれで今進んでるからね。今回の新しいプロジェクトも、君の名前をみんな言ってくるんよ。誰々の企画が聞きたい。誰々の考えが聞きたい。私、困ったよ、もう本当に。他にも部署でいいやついるんですよ、なんて言っても聞かないんだ。君ばっかり言うのよ。もうお気に入り。社長、君のこと大いに気に入ってる。君の企画書が刺さるんだよ。急いで書いてくれって言われてんだ。いつならできる?」。
これでいいですよね。「俺が求められてる。この部署のエースは俺、間違いない。出世は間違いない」。そうなるわけですね。「君、書いといて!」。これ雑ですよね。思ったこと口にするなと。それは往々にして人を傷つけるからだということなんですね。
もう一つ、共同でする。これどういうことか? チーム化させるらしいんですね。「勉強しなさい」って子供に言う、もしくは生徒に言う。これ、なかなかしたくないですよね。「お前、点数前回悪かっただろ、テスト。勉強しなさい」っていうふうに親に言われるより、「そうだ。どこどこの歴史って面白いんだよ。面白いらしいな、鎌倉時代ってな。お父さんもすごい興味あるからさ、一緒に勉強しない?」。「一緒に勉強しない?」とか。
例えば「ゴミがさ、学校でさ、今、グラウンド? 結構ゴミ落ちてるらしいんだよね。拾っといて!」っていうより、「一緒に拾いに行こう」って言われたらいいよね。自分でもやるから、あなたもやらない?って言われたら、断ったら自分だけ悪いやつじゃんね。「ゴミ拾いさ、一緒にしよう! 一緒にしよう!」「うん、そうだね。そうだね」「うん、そうだね。そうだね」「何々さんも一緒にしよう」「嫌です」「え! なんで?」「嫌です」。すごい嫌なやつになっちゃうよね。やっぱり共同とかチームにすることで、非常にやりやすくなる。
さあ、この5つのポイント、不可能だって技術ありました? ないですよね。絶対にこの資格を得なきゃとか、勉強しなきゃなんていう手法、一切ない。今日から使えるんですよね。「この人、どうやったらお願い聞いてくれるかな? この人、こういうの好きだな。この人、こういうの嫌いだな。そうだ、これとこれの比較なら、お願い聞いてくれるかな? そうだ、いつも頑張ってくれてるから、そこはちゃんと言った上でお願いしてみよう! その上でみんなでお願いしてみよう」。そういう考え方を持つだけで、全然人生変わるよということなんですね。
これは使えるわと。これはもうメモって、手帳に常に書いといて、何かお願いする。だって1日22回お願いしますから。そのたびに見直して、「じゃあ今回は好きなこと作戦で行こう。今回は承認作戦で行こう」とか、そうやって、あと組み合わせたりする。それで大きく生活変わるよっていうんですね。
じゃあ、手順分かりました。ツボが分かりました。この手順で考えて、このツボを刺激するんですね。じゃあどう刺激しますか? なんていう言葉を具体的に言いますか? そう、実際の押し方ですね。ツボの位置が分かりました。じゃあどう押すのか。その強い言葉、パワーのある言葉ですね。このパワーのある言葉の作り方、それの5つの技術も教えてくれます。
「ええ!?」と。まずツボを押しなさいというふうに教えてくれて、ツボがどこにあるか教えてくれて、どう押すかを教えてくれる。完璧でございます。もう完璧。ないものがない。ちょうど欲しいところに、ちょうどあと5つの技術でございます。ちょうど覚えられそう。「強い言葉を作る172の技術」って言われたら、もう本を投げ捨ててます、私は。パーン。「せめて5分の1にしてくれ」と怒ります。ただ5つの技術ですから、これはそのままいきましょうね。
まずはサプライズっていう技術ですね。これ、もうコピーライターならではですね。例えばびっくりマークをつけるか、つけないかっていうのも、文字で言うと、メールでびっくりマークをつけるかつけないかでも、ちょっと印象違いますよね。そういう感じで言葉の上にとか下に何かをつけるだけで、その言葉が際立つっていう、そういう言葉があるんですよ。
例えば、京都に旅行に行きませんか!っていうPRがしたい。JR東海とか、聞いたことありません? 「京都に行け」。嫌ですね。「京都に行きましょう」。ああ、そうですか。「京都に行こう」。ああ、フレンドリー。「そうだ、京都へ行こう」。タタタタタタタ。そうだ。そうだよね! 京都に行こうよ!
だってしばらく行ってなかったもん。修学旅行行ったっきりだったもん! いつかまた清水寺行きたいね、とか金閣寺見たいねって思ったけどさ。思ってまだ行けてないんだもん。でもちょうど有休が取れたんだもん。そうだ! 京都に行こう! この気持ちに寄り添うわけですよ。「そうだ! 京都に行こう」っていうのはなんで強いかと言うと、このサプライズワードを使ってるからだって言うんですね。これはシンプルだけど非常にパワフル。「京都へ行こう」じゃない。「そうだ! 京都へ行こう」。それだけでものすごく届くものがある。温度がしますよね。
これ、僕、そういえばそうかっていうのは、小林製薬っていう会社のCMにも「あっ、小林製薬」っていうキャッチコピーが使われてる。そういえば言われてたんだと。「あっ、小林製薬」。「あ」だけでも違うんですって。「お茶」。「お〜いお茶」。違いますね。「それ何?」「お茶」。「それ何?」「お〜いお茶」。「お〜いお茶」。行きたいですね。そういう何か呼びかけたり、そういう言葉を枕につけたりするだけで、グッと引きつけられる。これ使う方がいいですよ。なるほどね。確かに、確かに。
アニメのタイトルとか番組のタイトルとか、漫画のタイトルとかでも、「なんとか! なんとかかんとか」。アンパンマンってタイトルって、アンパンマンですか? 違いますよね。『それいけ!アンパンマン』なんですよ。「ええ! それいけ、ついてた」。そういうことなんですよ。言われるだけでグッと引きつけられる。
じゃ、他にはね、面白い、面白い。ギャップという方法。これは先ほどがびっくりマークA。このAが伝えたいこととしたら、びっくりマークAですね。これはnot A but Bっていう構文ですね。「こうじゃない。こうだ!」というやつですね。
これで『踊る大捜査線』。伝説のドラマですね。「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」ということで、強烈な名台詞になったわけですね。あの時、「事件は、ご存じですよね? 事件は現場で起きてますから」だと、すっごい普通の台詞。「いや、そうだよ。で?」ってなる。でも「事件は会議室で起きてるんじゃないだろ。現場で起きてんの。だから現場も知らないキャリアの官僚、警察官僚が警官にああだこうだ言うんじゃない。俺は俺の裁量で動いてんだ!」という、独立した刑事の気概が見えるんですね。
他にも、Aではない、Bだという言い方が効く。オバマ大統領、アメリカのオバマ大統領っていましたよね。そのオバマ大統領が大統領の選挙に見事勝利した時の演説で、この構文が使われてたらしいんですね。選挙に勝利しましたよ、選挙に。「わあ! オバマ、オバマ、オバマ、わあ!」。支持者たちの、もう熱烈な拍手で迎えられますよ。
「すごい、応援してきた甲斐があった。オバマ、お前たちが、オバマ、お前が勝利して嬉しいよ、わあ! お前がアメリカをいい方向に変えてくれる!」。わあ、なった。おさめて言うんですね。「これは私の勝利ではない」。ざわざわざわ。「え、勝利じゃないの? 何? 何? 勝ったし」。「私の勝利ではない。あなた方の勝利だ」。「うわあ! わあ! オバマ! オバマ!」。
俺たちのことを認めてくれてんだ。そうか。オバマが偉くなるのが喜ばしいんじゃなくて、俺たちの意見が通る政治家が選ばれたことが嬉しいんだよね。分かってんじゃん。有権者目線分かってんじゃん。俺たちの代弁者、オバマ! こうなるわけですよ。
これをいきなり、「みんな勝ったね」って言うより全然いいよね。「みんなの勝ちだね!」とか言って、「何が、何が?」「だってさ、みんなの勝ちじゃん。だってみんなの意見が通る俺が選ばれたってことは、みんなの勝ちじゃん」って言って、「そうだね」で終わるけど、このnot Aがあることでグッと引きつけられるわけですよ。「私の勝利ではない」「ええ? 何? 何? 何言うの?」「あなた方の勝利だ」「うわあ!」。これですね。この熱狂を生む。これがギャップ法ですね。
not A but B。だからこれはbut B、こっち、言いたいことを考えて、その逆を作って繋げるんですって。「これはみんなの勝利だよ」って言いたい。みんなの勝利の「みんな」がポイントだな。じゃ、逆は私の勝利だよね。ほうほう。ってことは、「私の勝利じゃないんだよ。あなたの勝利だよ」。そうだね。作れたね。
「事件、現場でやってるんすよ」。これが言いたい。現場が一番に伝えたい言葉だよね。じゃ、現場じゃないやつは会議室だね。「会議室で起きてんじゃないね。現場で起きてんだね」。作れます。そういうことなんですね。面白いですね。さあ、他の技術、体の反応。
へえ、これ急にどうした?これはですね、体の反応を赤裸々に言うというやり方らしいんですね。
「最高の映画でした!」って言わずにですね。その映画見終わった後のインタビューのCMとかありません?ありますよね。「いやもう!泣きました!」とかね。「最高でした!」とかっていうのが何人か並んでね、近日公開、ボーンみたいなね。その時にですね、「最高の映画でした」って言うんじゃなくて、「もう喉がカラッカラ。最高の映画でした」って言うと、なんかすげえ叫んだんだろうなとか、もう飲み物飲む暇なかったんだろうなっていうのは伝わりますよね。
他にも「お腹空いた」だけじゃなくてですね、「もう何も考えられない。お腹空いた」って言うとですね、もう何も考えられねえんだ、そんなにかっていう。だから体の反応はですね、共感しやすいんですよ。みんな人間ですからね、聞き手も。なので体の反応をイメージさせて、その後に言いたいことを言うと、「あ、そんなに?」これを生むらしいんですね。面白いです。体の反応プラスAですね。体の反応プラス言いたいこと。
もう1つがリピート。これは分かりやすいですね。歌のほとんど、ヒットソングのほとんどが繰り返しなんですって、歌詞。シンプルに言うと童謡でもね、「チューリップ」って歌ね。「さいたさいたチューリップの花が」。あれが「さいたチューリップの花が」じゃなくて、「さいたさいたチューリップの花が」。ああ、確かにと。子供の頃からそういう連呼するリピートソング、耳慣れてます。
その上でポップソングだってそうですよ。「どんなときも。」槙原さんね。「どんなときもどんなときも僕が僕らしくあるために」、ありますよね。AKB、「会いたかった。会いたかった。会いたかった。YES!」ですよね。繰り返しとる。繰り返しとる。ゴールデンボンバーは何?ゴールデンボンバーは?そう、そう、そう。「女々しくて」。女々しくて、女々しくて、女々しくて、辛いよ、ですよね。女々しくて、女々しくて、あれがね、「女々しくて辛いよ」だけだったらやっぱ伝わらないんですよ。「女々しくて、女々しくて、女々しくて」が気持ちいいんですよね。
え!?じゃ何?「PERFECT HUMAN」。Na-ka-ta, na-ka-ta, na-ka-ta, na-ka-ta, na-ka-ta, na-ka-ta, I'm a perfect human. 繰り返しとる。「会いたかった。会いたかった」「女々しくて女々しくて女々しくて」「Na-ka-ta, na-ka-ta」。繰り返すんです。ヒットソングのほとんどが繰り返してる。「LOVE LOVE LOVE」。なぜ急に最後「LOVE LOVE LOVE」出したのか分かりませんけど、全部繰り返してる。そういうことですね。だから2度言うとそれだけもう通じる。
そしてクライマックス話法って言うんですね。クライマックスってのは、このYouTube大学でもよく使ってるかもしれません。「これだけは覚えておいてほしいことなんですが」って言って話す。「ここが最も重要な点なんですが」とかね、「ここだけの話なのですが」という形で、ここが1番重要だというマーキングですね。
!マークA、×A、○B、体A、A&A、そしてAにマーキングAという形です。これによってですね、言葉は強くなるっていうんですね。強い言葉というのを闇雲に作るというものではなく、このような古来からある基本レシピ、基本法則に則って作られていた。なので、手順を踏んでツボを押さえ、そのツボをですね、強化したパワーワードで押さえることによって、相手にうまく伝えることができるという真髄なんです。この本がお伝えしたいことは以上でございます。
おお!シンプル!3 to the 5 to the 5。このやり方だけで、1日22回、圧倒的な力量差を周りに見せつけることができ、この530倍に膨れ上がった情報化社会で突出したメッセージを発信することができる。
実践してみましょうか。勝手に実践、I love you。私のね、これ私のコーナーでございます。「デートしてください。大好きです」。これだけ、伝えたいこと。でもそれだけ言われても、ちょっとご勘弁をという場合にはですね。さあ、全部使いましょう。相手を動かす5つのツボ。好き、嫌い、比較、承認、共同でしたね。強い言葉はサプライズ、ギャップ、体の反応、リピート、クライマックス。これを全部並べました。承認、共同、嫌い、好き、比較、体、ギャップ、クライマックス、サプライズ、リピート。これを全部使ったらどういうデートの流れになるのか?
デートの流れを組まないヤツのやり方。「誰々さん、デートしてください!大好きです!」これがシンプルです。ビフォーですね。アフターはどうなるかね。
「誰々さん、いつもありがとう。いつも助けてくれてありがとね。なんか俺の分のさ、企画書まで君が書いてくれることになるなんて申し訳ないよ。でも君がいつもそうやって俺を助けてくれてることで、俺はすっごく仕事がしやすい。本当にありがとう」。承認ですね。「その上で君が書くことになった企画書、どうだろう?一緒に考えさせてくれないかな?」いいですね。「一緒に考えようよ」。共同で、「お前やっとけよ」じゃないですね。
「一緒に考えようよ。そうだ!一緒に考えないで1人で抱え込んでたらストレスになるよ」。これ嫌いだよね。1人で抱え込むことのヘイト出しましょう。「1人で抱え込んでストレスになるよ。誰々さんもさ、仕事を押し付けられちゃって、それでしばらく最近会社来なくなっちゃったりしたじゃん。ストレスってね、体の不調に出てくるらしいよ。肌荒れとか、鬱とかになっちゃう人もいるから。心配だよ」。
「そうだ!気晴らしになんか好きなもんでも食べに行こうよ。奢るよ。イタリアン好きだったよね?驚くほどうまいパスタの店があんだ。あ!そうだ。もしくは窯焼きの本格的なナポリピッツァの店があんだよ。どっちが好き?」これいいね。いいね。いいね。いいね。いい流れ。
「パスタに行きたいわ」とね。確かにね、感謝してくれたし、一緒に作戦考えてくれるらしいし、確かに1人で考え込んでもしょうがないなっていうふうには思ってた。この企画、私1人で考えるのかなっていうのはちょっと不安だった。そんな中で私の大好きなイタリアンを提示してくれたんだもん。しかも何ですって?私の大好きな、本格手打ちパスタ、もしくは本格石窯で作ったナポリピッツァ!どっちも美味しそうじゃない!どっちにしようかなって、もうすでに私考えてる。もうその口になってる。本格的な手打ちパスタ食べたいっていう気持ちになってる。しかも考えてほしい。行く。パスタ食べに行く。私パスタ食べに行く。
おお、ありがとうと言ってパスタを食べに行きました。そして2人でパスタを食べた帰り道、言うんですね。ついに告白ブロックです。デートは叶いました!じゃ、告白ブロックです。パスタを食べました。その後で体の反応を言いましょう。体の反応です。
「正直な話、俺、今日パスタの味しなかったんだよね」。ええ?と。おめえがうめえって言うからついていったのに、なんでお前パスタの味してねえんだよ。インパクト大ですね。「あんなに美味しい美味しい言って私食ってたよね」と。「うわ、本当にもちもち。こんな、何、平打ちの麺でこんな食べやすいの?このソース美味しい」言うてましたやん、私。「え、なんで味しなかったの?楽しくなかったの?」
「味しなかったんだよね。誰々さんと一緒に2人で食事してるとドキドキしちゃって」。来ました。味しないぐらいドキドキすることあります?分かりません。「味しなーい」みたいな、「うわあ、もう分かんない。もうね、何食べたか覚えてない」って。でもそういう時って、ちょっと共感できますよね。なんか物食べてたけど、なんか怒られてたから味しなかったとか、なんか違うもん見てたから味しなかったとか、なんか違うものに集中力行ってる時って確かに味しないよね。「あ!そうか、そうか、そうか。え、何?私といるとドキドキして味しない?え、どういうこと?どういうこと?どういうこと?」
さあ、ギャップ行きましょう。not A but Bです。「俺、パスタが食いたかったんじゃない!」not A出ました。「君と話がしたかったんだ」。おお、なるほどね。「君と話がしたい」だけじゃなくて、「君とパスタを食べたかったわけじゃないんだ。君と話がしたかったんだ!」「事件は会議室で起きてんじゃない!現場で起きてんだ!」そういうことです。
その上でクライマックス話法です。「これだけは伝えておきたいことがあるんだ」。君と帰り道ね。「ここから別れたら君はこっちに帰るだろう。その前に、これだけは伝えておきたいことがあるんだ!」もうぐわー、盛り上がってきます。「これだけは伝えておきたいことがあるんだ」。サプライズワード。「そうだ」。リピート。「君のことが好きなんだ。大好きなんだ!」こういうことですね。
うわあ。盛り上がる帰り道。盛り上がるオフィスラブ。何これ!会議終わりの給湯室の前で「デートしてください。大好きです」って連呼してきたアイツと違う!「デートしてください!」「え、給湯室の前で何、何!人が聞いてるかもしれないので。え、何?何?何なの急に?」「大好きです」「ちょっとやめて。怖い。何こいつ、デリカシーない。怖い。TPO怖い」の後の、この人のこれ!「ドキドキした。嬉しかった」。そうなるわけですね。
お分かりいただけましたでしょうか?やはりイエスを引き出せる人とノーしかもらえない人は、これぐらいの違いがあるんだぞという、1つの案をね、1つの例をご覧いただけたんじゃないでしょうか。これをですね、毎回やるの大変そうって思うかもしれない。でもね、この佐々木さん言うんですね。
料理もそうでしょ?最初はさ、レシピ見ながらさ、「こうなんだっけ?なんだっけ」とか言いながら作るでしょ。だけどだんだん慣れてくるんだよね。「はいはい、この時みりんは小さじ1杯ね」とか、「はいはい、この時はね、弱火でちょっとやるのね」と、だんだん慣れてくるんです。そのレシピを使い慣れれば使い慣れるほど、もう無意識にそれができるようになります。あなたは気づいたら、この実践をする生活続けて、気づいたらこの10個の手法を全て駆使する。もう組み合わせに組み合わせて、ギャップからのクライマックス、クライマックスからのサプライズ、サプライズからのリピート、リピート、リピートというのが、もうできるようになると言っているんです。そうなった時、あなたの人生は変わる。伝え方が9割。
面白いですよね。僕も本当に勉強になりました。コピーライターのやり方。これを学べたのは本当に面白い。伝え方が9割か。
俺はこの本の話がしたかったんじゃない。これを見てくれた皆さんの人生が少しでもいいものになればと思ったんだ。そう思ったんだ。ではまた!
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