安野貴博は何を目指して政治に入ったのか:ブロードリスニング、政治資金の見える化、「テクノロジー×〇〇」の経歴
中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITYチームみらい党首の安野貴博が、中田敦彦のYouTubeチャンネルにゲストとして出演した。中田は冒頭で、「私は安野貴博の凄さを日本人に伝えるために549万人の登録者を得たのだ」と思ったと語り、この回の目的を安野の経歴と考え方をわかりやすく伝えることだと位置づける。前半は都知事選と参院選での戦い方、政治資金や参入障壁といった政治の課題、チームみらいの行動規範について話す。後半は幼少期から起業、小説、アート、政治へと移ってきた経歴をたどる。最後に、政治資金問題への具体策と候補者募集を取り上げる。安野自身は、領域が変わっても「テクノロジーで未来がどうなるかを考える」という同じ思考を続けてきたと説明している。
19年ぶりの再会
本題に入る前に、2人が初対面ではないことが明かされる。中田は安野の経歴を調べるうちに、安野が開成高校時代の2006〜2008年に高校生クイズに出場していたことに気づいた。中田が同番組のパーソナリティを務めていた時期と重なる。安野によれば、2006年の大会はエンタメ路線で、川下りをしながらクイズを解いた。中田が敗者復活の際にホテルの部屋まで来てクイズを出したことも覚えているという。2人にとっては19年ぶり、2度目の対面になる。
中田は、そのときの高校生がいま国政を動かそうとしていることに感動したと話す。安野の名前は都知事選の時点で知っていたが、当時は「石丸旋風」に目を奪われて十分に追えていなかったとも振り返っている。
都知事選の15万票とブロードリスニング
安野が注目を集めたきっかけは、前年(2024年)の東京都知事選だった。約15万票で5位になった。安野によると、この票数は30代の候補者として過去最多で、政党の支援を受けない完全な新人としても、過去22回の都知事選で最も多い。
既存政党や大きな宗教団体の後ろ盾がない中で票を得られた理由を、安野は「ブロードリスニング」にあると考えている。56人の候補者の中で最大の差別化要素はそこだったという。普通の選挙では、候補者が自分の考えを伝えるブロードキャストに全力を注ぐ。安野はそれも大事だとしたうえで、逆に有権者が何を考えているかを技術で広く聞き取ることが今ならできる、と前面に出した。そう主張した候補者は他にいなかった。無名のエンジニアが1か月でここまでの票を集められた大きな要因の一つだと安野は見ている。
具体的な手法はまだ模索中だという。その一つとして紹介されたのが、YouTubeライブに置いたAIアバター「AIあんの」である。マニフェストや安野が言いそうなことをすべて学習させたもので、VTuberのような見た目にした。実写よりアニメ調のほうが親しみやすいと考えたからだ。これを24時間、17日間休みなく配信し、視聴者の質問に答えさせた。選挙期間中に答えた質問は約1万件に及ぶ。人間には不可能な量だが、AIならこなせる。
対話ログの分析と、その限界
安野がもう一つの利点として挙げるのは、AIが安野の代わりに応対するだけで終わらない点だ。何が質問され、どんな批判が多かったかという対話ログがすべて残る。それを解析すれば、どこが伝わっていないか、どこに批判が集中しているかが安野本人まで届く。安野はこれを新しいタイプのコミュニケーションだと考えている。
解析には大規模言語モデルを使う。いまのAIは意味が似たテキストをまとめられるので、1万件を人間がすべて読まなくても、「こういう意見がこれだけあった」と件数や割合を含めて整理してくれる。
ただし安野は注意点も挙げた。ネット上で意見が集計されていると知られれば、同じ質問を大量に送り続けて比率を操作できてしまう。いわゆる多数派工作である。そのリスクを踏まえ、集計結果はあくまで参考程度に見ているという。
地上戦と空中戦、それぞれの偏り
従来の政治家は、SNSに届いたリプライを目で見て感覚的に把握するか、街頭演説で人の声を聞いてきた。安野はどれか一つでは足りないと言う。SNSだけでも、街頭演説だけでも、AIだけでもだめで、全部を見たうえで、媒体ごとにどんな偏りがあるかまで把握することが大事だという立場だ。対面の「地上戦」とネットの「空中戦」の比重は、試行錯誤しながら現在は5対5くらいで考えている。
どちらにも特有の偏りがある。現場に足を運ぶ人は、特定の分野に強い思いを持っていたり、その時間に外へ出てこられる人に限られたりする。ネットにも別の偏りがある。安野自身の経験では、ネット側の人は技術や経済といったマクロな話題への関心が強かった。現場に来る人には、子育てなど生活に身近な話題に関心を持つ人が多かった。演説の場所によっても違い、新宿と大阪、都市部と地方部ではまったく異なる。その場にいる人の特性がよく出るという。
国政へ、そして新党という「最短経路」
政治に関わり始めたのは、妻に「意見があるなら自分で出れば」と言われたことがきっかけだったと中田は紹介する。首長には関心があるが国政には関心がないという石丸伸二の立場と比べて、都知事を目指した安野がなぜ参院選へ向かったのかを中田は尋ねた。
安野の説明では、都知事選のあとにさまざまな政治家と話し、東京都の政策アドバイザーのような役割も務めた。それで政治の具体的な姿が見えてきた。そのうえで、政治をアップデートするための最短経路を探し続けた結果、国政であり、しかも既存政党からではなく自分で政党を作ることだと気づいたという。
国会は議席の取り合いなので、大きな党に入ってポジションを上げるほうがよいと考える人が多い。中田がそう指摘すると、安野はそれを認めつつ勝算の根拠を二つ挙げた。一つは、都知事選でこれだけ票を取れたというベンチマークがあったこと。もう一つは、自分が大企業ではなくスタートアップのキャリアを歩んできた人間で、ベンチャーの戦い方を知っていたこと。政治評論家からは「絶対無理だ」と言われ続けたが、勝算はあると考えていた。実際に議席を獲得できた、と安野は語る。
1議席の政党交付金で何をつくるか
中田が特に目を引かれたのは、「1議席取れば政党交付金が入り、それを活動資金にできる」という訴え方だった。こういう言い方をする政治家は、安野の知る限りほとんどいない。1議席あたりの交付金は計算方法にもよるが、年間およそ1億円になる。安野の見方では、他の政治家は主に選挙活動に使っている。
チームみらいは、テクノロジーを使って実際にものを作りながら議論をリードするという、他の政治家がやってこなかった形で影響力を持てると考えた。だから1議席でも意味があると訴えた。その第1弾が、政治とカネの問題に取り組む見える化ツールである。交付金で永田町にソフトウェアエンジニアのチームを作り、開発を進めている。収録時点で、最初のリリースに向けたコードは7割ほどできていると安野は話している。
まずはチームみらい自身の政治資金を見える化し、使っている様子を見せる。そのうえで他の政党にも使ってもらうことを狙う。安野が参考例に挙げたのはスウェーデンで、閣僚に国がクレジットカードを貸与し、その利用明細が自動的に公開される仕組みが30年前からあるという。2025年の日本なら同じことができるはずで、1政党がやってみせることに意味がある。そうすれば、なぜ他の党は使わないのかという国民の声が高まり、採用する党が増えて全党に広がっていく。安野はそれを期待している。
中田はこの考え方に強く反応した。過半数を取らなければ法案は通らないので、小さな政党や野党にはあまり存在価値がないとすら思っていたからだ。たった1議席で変える方法論を示し、実際に作りながら報告している点に、政治への絶望感が揺らいだと語る。
100日プランと選挙後のYouTube
チームみらいは参院選で、政策として目指すマニフェストとは別に、「当選後100日間でこう動く」という行動計画を示した。1議席では、政策が実現するかどうかは他の与野党の動き次第で、完璧に実現できるとは言い切れない。しかし自分たちの100日間の行動目標なら実行できる。できることとできないことを切り分けて提示したので、進捗を報告するのは当然だと安野は言う。実際、党の公式YouTubeチャンネルで週次の進捗報告を続けている。
中田は、選挙のときだけSNSを頑張り、当選後は公約の進み具合を発信しない政治家が多いことを「もったいない」と指摘した。選挙後の発信こそが本質だという中田の評価に、安野も同意する。YouTubeは政治と相性のよいコミュニケーションツールなのに、選挙のときしか使わないのはもったいなさすぎる。他の政党もやるとよい、と安野は応じた。
新人を阻む見えにくい参入障壁
政党を作ろうとした途端にあらゆる種類の壁があった、と安野は話す。わかりやすいのは供託金で、参院選では約600万円を納めないと立候補できない。一定の得票があれば返ってくるが、資金に余裕がなければそもそも出られない。
それ以上に問題なのは、見えにくい壁が大量にあることだという。たとえば選挙ポスターの掲示板は東京都だけで約1万4000か所あり、候補者側が自分たちで貼らなければならない。安野自身も選挙に出るまで知らなかった。個人では到底できないので、資金力に加えて組織力も要る。メディアの壁もある。無名だった都知事選のときは、テレビでの報道は本当にゼロだった。早稲田大学の研究所が全候補のマニフェストを評価して点数をつけ、安野のマニフェストは小池百合子や石丸伸二と比べても高く、全候補中1位だった。それでもまったく報道されなかったという。
安野が根本的な障壁だと考えているのは、公職選挙法のグレーゾーンの多さである。経験のある人は「ここまでは捕まらないが、ここからはだめだ」という実際の線引きを知っている。新人にはそれがまったく見えない。安野は完全にホワイトでいこうと決めたので、他の候補が取っているリスクを一切取らずに戦うことになった。「縛りプレイ」のようで、うまく戦えていない感触があったという。運用は選挙区によっても違う。周りがやっているからと同じことをすれば、新人だけが摘発される可能性もある。公職選挙法違反は罰が重い。
グレーゾーンが生まれる背景として、安野は選挙活動と政治活動が分けられていることを挙げた。政治活動は365日いつでもできるが、「この選挙で私に投票してください」という選挙活動は選挙期間中しかできない。その境目は実際には曖昧だ。安野によれば、この二つを分けているのは諸外国では日本だけで、例外は日本の公職選挙法を参考にした台湾と韓国だという。ルールを明確にしてダメなものはダメとする国と比べ、日本はグレーな部分が多い。中田は、捜査機関の裁量によって同じことをしても捕まるときと捕まらないときがある、そこが最大の参入障壁だとまとめた。
こうした障壁があるために、新しい人、若い人、親が政治家ではない人が出られず、政治の新陳代謝が進まない、と安野は言う。政治家になろうとする人は奇特な人と見られがちで、元のビジネスに戻れなくなるリスクもある。障壁が下がれば政治家の新陳代謝が起き、日本はよくなっていくと安野は考えている。
では、参入障壁を下げる「センターピン」はどこにあるのか。安野は正直に、まだ確実な方法は見つかっていないと答えた。最も難しいのは、いまのルールで勝った人がそのルールを決めている点で、変えたいと思う動機がない。そこで安野は二つのことに取り組む。一つは、政治家の新陳代謝がいかに起きていないかをきちんと伝えること。もう一つは、スタートアップ業界出身のAIエンジニアのような新しい人が入ると新しい試みが生まれる、という実例を見せること。直接的ではないが効いていくはずだという。
根本治療で150万票を取れた理由
中田は安野を評価する理由を3つ挙げる。本質的な課題設定、それを実現する革命的な方法論、安定した倫理観である。中田が政治家と対談するたびに日本の根本問題だと感じてきたのが、政治資金と参入障壁の二つだった。それなのにほとんどの政治家はこれを争点にしない。安野はその理由を「鶏と卵」の構造で説明する。いまの仕組みで勝った人がルールを作り、いまの政治資金規正法のもとでお金が手に入るから勝てている。このループを壊すには、新規参入した人たちが着実に成果を出して見せるしかないという。
困窮すると、ばらまきや給付金、減税といった直接的な話が最も届きやすい。その中で根本治療を訴えて票が取れたことに、中田は驚いたと率直に語る。安野にとっては、未来のことを考える政党なら根本治療をするのが自然な流れだった。さらに、150万人を説得できるという自信も元からあったという。都知事選の15万票は都民約1400万人の約1%で、参院選の150万票も人口約1億2000万人の約1%にあたる。無名でもきちんと訴えれば、この程度の人には伝わるはずだという確信があった。
今後については、別の戦い方が必要かもしれないと安野は述べる。キャズム理論では、最初に新しいものに気づくイノベーター層が全体の約1%とされる。その後のアーリーアダプターからアーリーマジョリティへ届くところには断絶がある。そこを越えられるかが次のポイントだと見ている。
テックから来た政治家と5つの行動規範
中田は、政治家の出身は官僚や法曹、金融関係が多く、テック系はほとんどいないと指摘する。安野はその「ど真ん中」から来たと中田は評価し、安野も政治家の中でテックの方から来た人はほとんどいないと認めた。
三つ目の強みである倫理観について、中田はチームみらいが候補者募集で掲げる5つの行動規範に注目した。「手を動かす」「オープンにする」「人を貶めない」「分断を煽らない」「これが正解だと決めつけない」の5つである。中田の読みでは、1つ目は実行力、2つ目は透明性を表し、残りの3つはいずれも他者との向き合い方、つまり倫理性を表している。5つのうち3つを倫理に割いていることに、強い懸念が表れていると見た。安野は「面白い見方」で、言われてみればそうだと応じた。
安野は、政治を抽象的にいえば、いろいろな人が話し合ってよりよい案を探し、合意していく営みだと説明する。それを難しくしているのが、議論の過程で相手を攻撃することだという。批判は必要だが、「あいつはバカだ」のように過度に貶める発言が今の政治には多い。分断も同じで、「あいつらとは違うから話し合っても無駄だ」という態度は建設的な議論を阻む。個人や集団にレッテルを貼るのは、理解を早めたり選挙戦術として有効だったりするかもしれない。しかし民主主義の観点ではみんなが損をしている、と安野は語る。
「決めつけない」については、ソフトウェアやビジネスの世界から来たからかもしれないと前置きしたうえで、世の中に100%正しいことはそうそうない、と安野は言う。専門家になるほど「こうとも言えるし、ああとも言える」と歯切れが悪くなるものだ。自分が正しいと思うことでも間違っているかもしれない、という謙虚さを持とうという姿勢だという。
中田は、わかりやすく極端なワンイシューを強いフレーズで打ち出し、反対者にレッテルを貼って内側の結束を高める「キャッチコピー政治」が日本でも世界でも趨勢になっていると見ている。それに対してチームみらいは穏やかな正攻法をとっている、と評価した。
キャッチコピーと、意見を変える勇気
安野は、キャッチコピーそのものが悪いとは考えていない。みんなをまとめられるよいコピーはあり、探す努力はすべきだという。参院選ではWeb広告でABテストを重ね、どのコピーが刺さるかを検証した。最も反応がよかったのは「たった1議席でも未来は変えられる」というメッセージだった。相手を貶めも分断もせずに広い層に届いたことがデータでわかったので、こういうものを探していきたいと語る。ただし難しい作業だとも認めた。
明確なスタンスを示すことは大事だと安野は言う。一方で、議論の中で自分たちの考えが違っていたとわかれば変える柔軟性も持つべきだという。言ったことを引っ込めるには勇気が要るのではないか、と中田が問うと、安野は勇気も批判もあるだろうと認めた。そのうえで、いまはむしろ逆方向に行き過ぎていると指摘する。自分の発言を撤回できないせいで、相手をより強く攻撃するしかなくなるコミュニケーションが多い。その瞬間は批判されても、長い目で見れば撤回できるほうがよい政策、よい意思決定につながる可能性が高い、というのが安野の考えだ。
透明性と「デフォルトパブリック」
中田は、政治不信の根本には不透明さがあると見ている。グレーな法律だけでなく、お金の流れも用語も意図的にわかりにくくされているという。例として挙げたのが、旧文通費の現在の名称「調査研究広報滞在費」だ。中田はこれを「悪魔の言語」と呼び、考えた人はブラックハッカーのような能力者だと評した。租税特別措置法なども含め、お金の問題とわかりにくさが「悪魔合体」している、と中田は言う。
安野は、見えなくすることは権力を生み出す方法だと説明する。「私は知っていて、あなたは知らない」という勾配が、他人に指示できる権力の源泉になる。中田は、聖書の内容を教会の人しか知らなかった宗教改革以前の教会にたとえた。しかし安野は、現代社会ではそのやり方が通用しなくなってきたと考えている。変化が速く不確実性が高い中で会社や国を運営するとき、情報を隠しているとメンバーが動きにくくなり、変化への対応が遅れるからだ。テック業界ではこの20年ほど、大企業でも従業員に情報を開示していく動きが続いてきた。国も同じ運用に変えたほうがよいとチームみらいは考えている。
例として安野はオープンソースを挙げる。苦労して作ったソフトウェアを公開するのは、昔なら考えられなかった。しかしいまは、公開すれば世界中のエンジニアが間違いに気づきやすくなる、興味を持ったエンジニアを採用できる、といった経済合理性があり、そちらが主流になりつつある。もちろん隠すべき場面もある。それでも、オープンにすると変化に強くなるという大きな傾向がある。決算の細部まで公表する新しいタイプの会社も現れているという。また、約20万人の従業員を抱えるGoogleには「デフォルトパブリック」という標語がある。隠すには理由が要るが、公開するのに理由は要らない、という考え方だ。基本を「隠す」に置くか「公開」に置くかのパラダイムシフトを、政治や行政でも起こすべきだと安野は語る。
中田は、日本の政治が直面している問題を、老朽化、それに伴う腐敗、根本治療にならないポピュリズムの「三重苦」とまとめた。その裏返しが新技術、透明性、合理的解決であり、チームみらいが掲げているのはそれではないかと話す。安野はこの「3本柱」を「パクりたい」と言い、中田は「オープンソースです」と応じた。
原点:Windows98とExcel、開成での演劇とクイズ
後半では、安野という人間を「オープンソース化」して、こういう人が増えるようにしたいという中田の意図のもと、経歴を順にたどる。安野は1990年に千葉県で生まれ、東京都文京区で育った。父は大企業の会社員、母はパート勤めで、エンジニアの家系といった特別な背景はないという。
プログラミングを始めたのは9歳ごろだった。親が株式投資用に、発売されたばかりのWindows98を買ってきた。安野はそれを朝から晩までいじり続けて「実効支配」することに成功したと笑う。プログラミングを習わされたわけではない。プリインストールのソフトを一つずつ開いて、何をするものかをじっくり調べていった。親によれば、2〜3歳のころにはコンセントに執着していたという。
中でもExcelは「格が違うソフト」だと当時から感じていた。Wordは文章を打ち込むだけだが、Excelは式同士が連動し、表を無限に広げられる自由度がある。小学4年生ごろには、ランダム関数でグー・チョキ・パーを出すじゃんけんゲームを作った。勝敗のスコアを記録する機能もあった気がするという。迷路のようなものや、サイコロを振るすごろく的なゲームも作った。誰かに教わったのではなく、触りながら「これはじゃんけんと同じではないか」と考えて遊びにしていった、という思考回路だったと振り返る。
中学はSAPIXに通って開成中学に入った。小学1年生のころから勉強は得意だと自覚していたが、受験は親の導きだったと安野は言う。開成では、演劇をする人がいなかったので、文化祭で演劇をやるプロジェクトを立ち上げた。小学生のころ2〜3年大阪に住んでいて吉本新喜劇が好きだったことから、コメディをやった。10人ほど出演する30分ほどのオリジナル作品で、脚本は2〜3人で書いた。このときのメンバーがのちに演劇部になったという。小学生のころから星新一などの小説を読みまくっていて、ストーリーを考えるのが好きだったことが下地にあると安野は話す。ほかにも、『テニスの王子様』の影響で軟式テニスをやり、クイズにはまって高校生クイズに出場し、プログラミングの大会にも出ていた。
それだけの時間が取れたのは、中高一貫校で高校受験がなく、高校1〜2年のときは学校の勉強をほぼしなかったからだという。校内順位は「順調に」下がったが、やっていないのだから下がるのは当然で、やれば上がるだろうと思って焦らなかった。ただし高校生クイズは2回戦で、川を下っている最中に敗退している。
東大受験と学内SNS
受験勉強は最後の1年だけで、東京大学に合格した。最短経路は過去問を解くことだと考えたという。何も勉強していなかったので、最初は問題文の意味すらわからない。だからこそわかりたいというモチベーションが高まり、解きまくるうちに傾向がつかめて、出ない範囲は教科書も読み飛ばせた。
中田は、新党立ち上げと同じ最短経路思考だと指摘した。安野はこれを二つに分けて考えていると答える。課題は最速で解いたほうがよいが、小説を書くような自分が楽しむ活動は時間をかけて味わったほうがよい。全部が最短経路というわけではないという。
大学1年の冬には、学内向けのSNSを作った。同じ授業を取っている学生同士がつながり、ノートを交換できる仕組みである。東大の教養学部では理系の学生も文系の授業を取れるため、知らない人ばかりの授業が多い。安野自身も興味のままに多くの授業を取っていて、情報交換の相手が欲しかった。当時(2009年)はTwitterが東大内で急速に広がっていて、津田大介にちなんだ「tsudaる」という言葉のとおり、授業を実況中継する学生もいた。授業ごとにそれを取っている学生のTwitterアカウントをまとめれば、その授業の実況タイムラインを複数の視点で合成できる。そう考えて作った。登録者は約2000人に達し、教養学部の学生約6000人の3分の1ほどにあたるという。当時はmixiが広く使われていて、SNSへのリテラシーは上がっていた。プログラミングもそこそこできたので、作れると思ったという。安野は、身近な課題をテックで解決してみせたのは、このときがほぼ初めてだったと振り返る。
BCG、未踏、そしてBEDOREとMNTSQ
2014年に卒業すると、すぐには起業せず、外資系コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループに入った。大学では松尾研究室でAIを研究していた。2012年ごろ登場したディープラーニングは、犬と猫を見分けられるようになった段階だった。世間的には「それで何?」という反応だったが、安野は複雑なものを分類し予測できることを意味すると考え、ソフトウェアが賢くなって世界を変えると確信した。社会実装には起業がよいと考えたが、AIにはデータが必要で、日本でビッグデータを持っているのは大企業だ。大企業の中を知らなければ面白いことはできないという仮説から、数か月単位でさまざまな企業に入り込めるコンサルを選んだという。
在籍は1年半だった。0時前に帰れたのは1、2回しかなかったという。1日16時間ほど働いていたので、「どんな会社にも3年はいなさい」という格言の3年分を1.5年で達成したのではないかと考えたと話す。ただし安野は、長時間労働は自分から働いていたもので、現在は解消されているらしいと補足している。同時期に経済産業省系のIT人材育成事業「未踏」に採択され、アンドロイド研究の第一人者・石黒浩のもとで約1年「修行」した。そのあと起業した。
1社目のBEDOREはチャットボットの会社である。当時のAIには森羅万象について話す能力はなかったが、話題を絞り込めば会話が成立した。コールセンターへの問い合わせは返品やパスワード忘れなど内容が限られているので、相性がよかった。そこに行き着くまでには、友達のようなボットや、今でいうSiriやChatGPTのような万能秘書型エージェントも試し、無理だとわかった。試行錯誤しなければ見えない技術と用途のつながりがある、と安野は語る。2021〜22年ごろにはコールセンター市場でシェア1位になり、年商は約10億円に達した。
その後、安野は代表を別の人に譲り、2社目を作った。自分は0から1のフェーズが得意で楽しい。1から10、10から11が得意な人に渡したほうが、会社も安定し双方にとってよいと考えている。ただし渡した先で潰れては、解決したかった問題が解決されない。拡大再生産のサイクルに乗るところまではやりきることが大事だという。
2社目のMNTSQは、AIで契約書を扱うリーガルテックだ。2018〜19年ごろのAIはまだ未熟だった。しかし契約書は弁護士がてにをはまで整え、条ごとに意味の塊に分かれた、AIにとってきれいなデータだった。弁護士の単価は高く、機械に任せられる部分を任せれば経済的なインパクトが大きい。弁護士自身も、交渉など深いコミュニケーションに時間を使いたいと考えている。共同創業者の弁護士と議論する中で業界の課題を聞き、2か月ほどデータを借りてテストしたら意外とよい結果が出たのが始まりだった。中田によれば、三菱商事や日立製作所などの大手企業に導入されている。
同じころ、安野はペッパーくんと組んでM-1グランプリに出場している。NSCに入った高校の同級生が相方を見つけられなかったことと、ペッパーくんにはまっていたことを組み合わせた。ペッパーくんがボケ役で、安野が舞台袖でMacBookからボタンを押して動作させた。業界への思い入れというより、身近に現れた課題を解決したいという気持ちが湧いてくるのだと安野は言う。
小説:起業とSFに共通する「未来予測」
2019年、安野は短編「コンティニュアス・インテグレーション」で星新一賞を受賞した。小学生のころ読みふけった作家の名を冠した賞で、本人も感慨深いと話す。起業家がなぜ小説を書くのかと問われた安野は、スタートアップを作ることとSF小説を書くことは思考過程が似ていると答えた。どちらも「この技術があったら未来はどうなるか」を考える。SFならその世界で主人公が抱く感情を想像していく。スタートアップなら「契約書を読める技術があれば弁護士の働き方はこう変わるはずで、だからこのソフトウェアが使われる」と考えていく。核にあるのは未来への関心だという。
作品名はソフトウェア開発の用語から取った。いまのソフトウェアは、たまにまとめてではなく、連続的にバージョンアップされている。安野によれば、YouTubeも1日100〜200回更新されている。この発想をスポーツ選手に当てはめた。現在の選手はオリンピックなどの節目に合わせて仕上げるが、それは昔のソフトウェアに似ている。いつ本番が来るかわからない環境にすれば、選手は毎日少しずつ積み上げるはずだ。そういう装置がある未来を描いた。中田は、物語が最終的に、システムの一部のように扱われる人間にも意思はあるのかという哲学的な問いに行き着く点を評価した。
2021年には長編『サーキット・スイッチャー』でハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞した。舞台は自動運転が完全に普及した2029年の東京である。アルゴリズムを開発した会社の社長が車ごと人質に取られ、封鎖された首都高を走らされ続ける。犯人は社長の「罪」を公開するよう要求する。開発者本人に意図はなかったが、納品先の自動車会社がある事情でアルゴリズムに調整を加えていたことが明らかになる。最後は、調整の中身も含めて公表し、国民が選ぶという「オープンソースエンディング」に至る。中田は、自動化が進んだ社会でも人間の選択と責任はどこにあるのかが2作に共通するテーマだと読み解いた。この作品の解説文には、令和が続く限りこれを超えるSFは出ないだろうという賛辞まであると紹介している。
ロイヤル・カレッジ・オブ・アートと生成AIアート
受賞の翌年にあたる2022年、安野はイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)に入学した。中田は、11年連続で世界1位とされる美大だと紹介する。安野の関心は、イノベーションとデザインの考え方が近いという議論にあった。両者の距離が近い大学としてRCAに出願したところ、工学部出身でアートやデザインの経験がないことを指摘され、未経験者向けのアート&デザインコースを勧められた。ところが入ってみるとデザインの要素は少なく、アート一色だった。しかも周りは各国のアートスクールを出た経験者ばかりで、絵が描けないのは安野だけだったという。入学できたのは、過去2社でのUI・UXデザインの経験をソフトウェアのデザインとしてアピールし、文学の経歴も伝えたからではないかと安野は推測している。
コースは5月に始まった。3か月ほどどうしようかと思っていたところ、8月にStable DiffusionやMidjourneyといった画像生成AIのブレイクスルーが起きた。安野はこれを「僕の美大卒業に技術の進化が間に合った」と表現する。以後は、画像生成AIでどんな新しい表現ができるかという「一本足打法」で卒業まで進んだ。
安野は、AIで描いた絵そのものをアートと呼ぶのは難しいと考えている。プロンプトを書けば誰でもそれなりのものが作れるからだ。ただ、生成AIによって人間が新しく表現できるようになったものは無限にあると見ている。その一つが作品「生成時計」である。一見すると普通の街の風景画だが、光と影による錯視で文字盤と時刻が浮かび上がる。1分ごとに新しく生成され、同じ絵は二度と現れない。錯視画像を1分に1枚描くことは人間には不可能だった。近代の時計は、今日の1時も明日の1時も同じ記号と形で示し、時間の一回性をはぎ取った。安野は、生成AIを使えばその一回性を思い出させる時計が作れると考え、この作品にした。
2023年にはアジアデジタルアート大賞展FUKUOKAで「幻視影絵」が受賞した。スポットライトの前で誰でも手で影絵を作ると、AIがその影を解釈し、輪郭を保ったまま細部を描き込む。キツネのつもりがカエルになることもある。言葉を介さないAIとのコミュニケーションの中で、人間とAIの見ている世界のずれを体感できる作品だと安野は説明する。3歳の子どもも夢中で遊んでいたという。技術があって初めて可能になった体験を作ることが、自分のテーマだと安野は語った。
4つの領域は「一芸」だった
そして翌2024年に都知事選、2025年に新党を結成して参院選で初当選した。中田は、一つの分野で成果を出した翌年に別の分野で成果を出している経歴の異様さを強調する。芸術と自然科学をまたいだレオナルド・ダ・ヴィンチ、自然科学と政治をまたいだベンジャミン・フランクリンは2分野だが、安野はビジネス、文学、アート、政治の4分野にまたがっている。中田は、両者を超えているとしか言いようがないと話し、天才がアメリカや中国ばかりに生まれると嘆いてきた20年を経て、日本に安野が生まれたことがうれしいと語った。
これに対して安野は、ジャンルは分かれていても頭の使い方は一貫していて、実は「一芸」だと答えた。テクノロジーで未来がどうなるかを考え、そのアウトプットの形式がビジネス、小説、アート、政策と変わっているだけだという。
中田は続けて、人は承認やお金といった欲のために生きることが多いのに、ビジネスで成功しても、文学やアートで評価されてもそこに安住しないのはなぜか、何が目的なのかと問うた。安野は、ソフトウェアエンジニアの習性が強いのではないかと答える。バグを見つけたら解決したくなる。一番大きな課題を考えると、それは難しく大きく、未来がかかった政治の課題だった。民主主義は日本だけでなく世界各地で行き詰まり始めていると議論されている。安野は、ブロードキャストではなくブロードリスニングをするといったテクノロジーの活用が、その大きな解決策の一つになりうると考えている。それならやらない理由がない、という。
中田は、34歳の安野がこの道のりを歩いてきたことで、自分が絶望していた政治資金や、世襲がはびこる参入障壁の問題が解決できる気がしてきたと語った。テックジャイアントの創業者には資本の拡大を追う人も多い中で、社会課題に正攻法で向き合っている点を評価する。一方で、都知事選や参院選のときに自分も主要候補しか見ていなかった、それはメディアと参入障壁の限界にとらわれていたということだ、と反省も口にした。
今後の展望と、政治資金問題への具体策
今後について、中田は総裁選の後に来るであろう衆院選と、2027年の統一地方選挙を挙げ、さらにその先の展望を尋ねた。安野の答えは「全く見えてない」だった。これまでのキャリアでも1年先が読めていた時期はほとんどなく、その場で全力投球を続けてきた。課題がいつ解決するのか、解決したら次に何をしたくなるのかはわからない。ただ参議院の任期は6年なので、6年後までは決まっているという。
中田は、政党交付金がありながら政治資金パーティーが続いている問題と、特定の業界や企業への税優遇を十分に公表しない租税特別措置を、政治の根本問題として挙げた。これを開発中の「みらい まる見え政治資金」で解決できるのかと尋ねる。安野は、これだけで両方をすべて解決するのは難しいが、着実で有効な一歩になると答えた。自分たちの資金の流れを可視化してやり方を示し、それをオープンソースにして、他の政治家がいつでも使えるようにするという。
政治資金パーティーについて、安野はパーティー自体を一定の資金調達手段としてありうるものと見ている。チームみらいはまだやったことはない。問題は、現金を受け取り、それが帳簿に記載されない構造にあり、現在の裏金・不記載問題の大部分はそこから来ているという。入金の部分をPayPayや振り込み、クレジットカードなどでシステムとつなげて電子化し、現金の比率を下げる。現金以外の部分をシステムで捕捉して公開していけば、パーティーをやめさせなくても、そこで得たお金を裏金にすることをやめさせられる、と安野は説明する。租税特別措置は政治資金ではなく国の資金の話なので別のやり方が必要になる。ただ日本は租税の透明性指数が世界でも際立って低い側にあり、公開を進めるべきだと安野は述べた。中田は、ツールと仕組みを作って見せ、国民的な圧力で採用させるという同じ構図だと整理し、安野も同意した。参入障壁については、前述のとおり明確な解はまだ持っていない。それでも新規参入者が結果を出すことは間違いなくプラスになる、と安野は繰り返した。
候補者募集と次の選挙
最後に話題は、チームみらいの衆院選に向けた候補者募集に移った。求めるのは、ビジョンに共感できる人、5つの行動規範に共感できる人、経験やスキルで貢献できる人である。ビジョンは「未来は明るいと信じられる国へ」。中田は、チームみらいの言葉選びが恐怖を煽らず、ポジティブで具体的な点を評価した。安野は、未来が明るいと信じられれば今リスクを取ってチャレンジしようと思えるが、暗いと思えば人は保守的になり挑戦しなくなると言う。人口の少ない若年層に広がる「無理ゲー」やシルバー民主主義への諦めを踏まえ、これは気持ちの面でも経済の面でも重要なビジョンだと説明した。
エンジニアばかりを集めていると言われることについて、安野は、自身がエンジニアで参院選の候補者にもソフトウェアエンジニアが4、5人いたため、そう見られるのだと説明する。実際に求めているのは新陳代謝であり、これまで政治と縁遠いと思われてきた業界の人にこそ考えてほしいという。年齢制限はない。参院選時の候補者の平均年齢は35.5歳だったが、経験の有無だけで良し悪しを判断しないので、40代や50代にもぜひ応募してほしいと呼びかけた。募集は常時行っているが、9月中に書類を提出した人から優先的に見るという。
参院選との違いについて、安野は戦い方がまったく変わると見ている。参院選は、知っている人がゼロのところから2か月でどれだけ知ってもらうかの戦いだった。次は一度投票してくれた150万人からどこまで広げるかが課題になる。参院選後はチームみらいへの支持を表明するインフルエンサーも増えており、そうした人が立候補する可能性もあると安野は言う。ただし知名度だけでは決めず、政治の中にいなかった人で、ビジョンに共鳴する人を求めるとした。前回の新人候補は「議員として何をしたか」という実績を語れなかったが、次は準備と実績を積み重ねたうえで臨める。衆院選の時期にまた進捗を報告すると約束して、対談は終わった。
私は安野貴博の凄さを伝えるためにYouTube大学をやってたんだと。BEDORE社っていうのを立ち上げまして、チャットボットの会社。チャットボットの会社です。コールセンター市場で市場シェア1位まできました。年商が10億円ぐらい。10億円ぐらい行きましたね。これが始まりに過ぎないんですよね。その後、テクノロジー×文学の世界で短編の賞をいただきまして。さらにイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートに入るんですよね。そうですね。僕の美大卒業に技術の進化が間に合って……。
ちょっと待ってください。そんな人間いないんですよ。私は何が嬉しいって、安野さんが日本に生まれたことです。マーク・ザッカーバーグであり、ラリー・ペイジであり、なんで天才がアメリカや中国ばっかりで生まれるんだと。日本でそういう人はいないのか? ここに。完全な新世代の政治家さんだ。私が絶望感を得ていた日本の政治、解決できるような気がしてきたんです。
というわけで、本日のゲストはチームみらい党首、安野貴博さんです。よろしくお願いします。よろしくお願いします。今日本当にお会いしたかったです。ありがとうございます。私もお会いしてみたかったです。本当に嬉しいです。実はなんですけど、初対面ではないんですよね。実は違いますよね。
私、安野さんのリサーチをする上で途中で気づいたんですよ。安野さん、そういう経歴なんだ、なるほど。高校時代、優秀で開成中学・高校で、なるほど。え? それで高校生クイズにお出になってた。高校生クイズって私も3年ぐらいパーソナリティをしてたけど、まさか被らないかな。高校時代、2006年〜2008年。そうです。私がパーソナリティをやってたのが2006年〜2008年、確実。確実でしたね。お会いしてるんですよ。お会いしてましたね。
どういう状況でした? 川下りをしながらクイズを解いていた記憶がありますね。ちょっとエンタメ路線の時の高校生クイズですよね。そうです。2006年の時はエンタメ路線だったので。それで私、現場にいたんですね。いましたね。なんなら敗者復活かなんかの時に、ホテルの部屋まで来ていただいて何かやった記憶があります。敗者の部屋に行って、そこでクイズ出してみたいな。そうです。それ以来ですね。19年ぶり。そうです。2度目。そうです。すごいことです。そんな、なかなかないですよね。その19年ぶりで。
でも正直、その時の高校生が今、日本の国政を動かそうとしてるという、この感動。私は冷静に安野さんのキャリアを分析した上で、1回震えてるんですよ。『HUNTER×HUNTER』お好きですよね。メルエムが自分の生きてきた理由を悟る時あるじゃないですか。あれと同じように、私は安野貴博の凄さを日本人に伝えるために549万人の登録者を得たのだなと。私、そう思いました。あの時のメルエムの気持ちなんですね。メルエムの気持ちです。なるほど。
何のためにYouTube大学を見てもらえるようになったかというと、安野さん、もう既に注目されてると思うんですけど、まだ皆さんにご理解いただけてないと思うんですね。私の最も重要にして唯一の才能が、分かりやすく何かを伝えることだ。本当にそうですよね。そう思ってるんです。だとしたら、この才能を日本に伝える。それが私の今日の仕事だと自負しておりますので、よろしくお願いします。よろしくお願いします。ありがとうございます。
まず現在のところから整理していきたいんですけど、まず注目されたのが都知事選。そうですね。去年、都知事選に出させていただきました。あれで15万票で5位を取った時に、正直申し訳ないんですけど、私は石丸旋風の方にもう完全に目が奪われておりましたので、安野さんのことは名前は見たわけですけども、そこまでその時はキャッチアップできてなかったんですよ。ですが、あの15万票で5位って非常に価値のあることだったんですよね。
そうですね。実はこれ、過去、30代では史上最多得票数だったということで。あと、政党の支援を受けてない完全新人の人でも、過去22回あった都知事選中で1番多い票数だったということです。
この既存政党の支持であるとか、例えば大きな宗教団体のバックボーンがあるとかっていうことなしに15万票を得た、その本質の核心。これがコアだったっていうのは何なんですか?
やっぱり1番の違いは、あの時56人いたんですよ、他の候補者が。その中で1番最大の差別化ポイントって何だろうって自分でも考えてみたんですけど、やっぱりブロードリスニングだなと思っていて。これ何かというと、普通、選挙って自分の考えてることをみんなに伝えるっていうブロードキャストに全力で取り組むんですよね。自分の考え言いますよね。言いますと。なんですけど、我々はもちろんブロードキャストも大事なんだけれども、その逆、みんなが何を考えているかを、技術を使って今ならブロードリスニングできる時代なんだから、それをやろうよっていうことを全面に出したと。これを言ってる候補者は他にいなくて、なので、ある意味完全に無名だったエンジニアの私が1ヶ月でここまでの票数を取れたっていうのは、1つそこが大きかったんじゃないかなと思います。
このブロードリスニングって、やり方としてYouTubeライブとAIを組み合わせて使ったんでしたっけ? そうですね。ブロードリスニングの具体的なやり方も、いろんなやり方がまだ模索中のものではあるんですけど、1つはおっしゃる通り、YouTubeライブありますよね。あれに「AIあんの」っていう、AIに私のマニフェストとか私が言いそうなことを全部学習させたAIアバター、VTuberみたいなものを置いておいて。
それはアニメ調の絵柄なんですか? アニメ調の絵柄にしましたね。実写感があるわけじゃなく。実写感よりアニメの方が親しみやすいかなと思って。じゃあ、VTuberっぽい雰囲気で置いといて、全部のマニフェストを読み込ませて。読み込ませておいたんですよ。いわゆるチャットボット的な感じで。そうですね。チャットボットがYouTubeでライブ配信してるみたいな感じですね。
それを間断なくやったんでしたっけ? もう24時間、17日間、夜も寝させず、ずっとやり続けました。これ人間にやらせてたらおかしな話ですけど、AIだからこその戦略として、もう常時回答できるっていうことをやってるわけですよね。そうなんですよ。前回の都知事選の時に1万件くらいの質問に回答してて、1万件、選挙期間中に質問に対して答え続けるって、もう人間なら無理なわけですね。なんですけど、AIだったらできる。
さらにもう1ついいのは、別に私がやるべきものをAIに相手してもらっているというわけではなくて、その対話のログ、何が質問されたのかとか、どういう批判が多かったのか、その記録が全部残ってるので、それを解析することで、実はここって伝わってないなとか、ここは批判が多いなっていうのが、私にまでちゃんと伝わるようになってるんですよ。これって新しいタイプのコミュニケーションだと思ってて、それができるようになりつつあるっていうことだと思います。
具体的にその解析って、どういう風な状態で出てくるんですか? テキストがやり取りをされるわけですけど、今のAI、大規模言語モデルとかChatGPTとか言われますけど、そういうものって似たようなテキスト、意味が似たようなものっていうのをまとめることができるんですよね。人間と同じように読んで、中身を意味的に割と理解することができるようになってきてる。それを使うと、大きな括り方として、こういう意見がこれだけありましたよ、こういう意見がこれだけありましたよ、整理してくれるようになるんです。なので、1万件全部私が読むと、これ結構大変なんです。それもAIがまとめてくれるようになりつつある。
その比重というか、何%とか何件あったっていうのも含めて教えてくれるんですか? 含めて教えてくれます。ただ、これは注意が必要なところもあって、つまりネット上だと、誰かがそれを収集してるっていうことを知ったら、大量に同じ質問を投げかけ続けて、その比率って操作できちゃうんですよね。確かに、この意見に比重があるように見せかける連投をする。そうなんですよ。多数派工作とか呼ばれたりしますけど、そこら辺にはやっぱりそういうリスクがあることを踏まえた上で、参考程度に見るっていう感じですね。
なるほど。でもそういう、みんなからの意見を聞きたいなという時に、今までの政治家さんだったらSNSで自分のアカウントに届いたリプライとかを見て、目視で自分の感覚で把握してたのを、24時間のアバター、AIに答えさせた上で抽出して解析。ここがやっぱ新しいですよね。
そうですね。かつ、いろんな経路を使うっていうのはやっぱ大事だと思ってまして。今までの政治家さんも、例えばSNSをまだ使ってらっしゃらない方も沢山いるんですけど、ただ街頭演説とかで色々喋った上で人の意見を聞くっていうのは、特にやってたりすると。私が考えるのは、これSNSだけでもダメで、街頭演説だけでもダメで、AIだけでもダメで、これ全部見た上でまとめて、こういう意見がここの媒体では多いけど、ここではこうなんだなっていう、その偏りまで含めて把握することが大事だと思うんですよ。
いわゆる地上戦・空中戦みたいな評価をされるように、今までの政治家さんだったら、とにかく対面で選挙演説してっていうのと、最近の非常に注目されてるSNSでの交流、空中戦。これの比重、偏り、どういう分類に今なってるんですか?
私の中ではこれも色々試行錯誤しながらなんですけど、今5対5くらいで考えてます。やっぱね、どっちも大事だし、どっちも特有の偏りがあるんですよね。やっぱり現場に来る人は来る人で、すごい特定の領域に思いがあったりだとか、その時に外に出てこられる人っていうバイアスがかかってるわけですよ。偏りがある。ですし、ネットはネットで、皆さんもご存知の通り、すごい偏りはあるわけじゃないですか。こっちではこういう偏りがあるけど、こっちではこういう偏りがあるよねっていうのを俯瞰してみることが大事だと思ってて。
その偏りというのは分野ですか? 例えば経済とか外交問題とか。地上戦の偏りはどうで、空中戦の偏りはこうって一言で言うのは難しいと思うんですけれども、私の場合はっていうことではあるんですけれども、やっぱネット側の人たちは、より技術であるとか経済であるとかに興味がある。実際に現場に来られる方は、例えば子育てであるとか、より生活に身近なところに興味がある方が多かったです。
じゃあ、ちょっとミクロかマクロかみたいなので言うと、空中戦側の人はマクロな感じの視点が多いんですか? 多かったと思います。これもさらに言うと、場所によっても全然違うんですよね。新宿で演説する場合と、もっと別のとこで演説する場合、新宿と大阪でも全然違いますし、都市部と地方部でも全然違うので、やっぱりその場その場にいる人の特性っていうものがよく出るなと思います。その偏りも把握した上でやっていく。
この都知事選でブロードリスニングによって圧倒的なこの結果を出しつつ、それを踏まえての国政。そうです。そもそも政治をやろうってなったきっかけが、奥様によって、色々意見があるなら実際に自分が出ればっていう意見に奮い立ったと思うんですけど、石丸さんを見てると、私は首長には興味あるけども国政には興味ない、そういうスタンスだったと思うんですね。でも安野さんは首長になる、都知事になろうとした時は、東京である理由を色々説明されてたじゃないですか。その上で、それと国政はかなり違うと認識した上で、今度は参院選に出よう。これどういう思考の流れですか?
そうですね。まず首長選で実際やった後に、いろんな政治家さんとお話をしたりだとか、あとは東京都の政策のアドバイザーみたいなものをやらせていただいたことで、かなり具体的な像っていうのが分かってきたと。そうなった中で、今、最短でこの政治っていうものをアップデートさせる時の最短経路ってどこだろうなって探し続けた結果、それは国政であり、そしてさらに既存政党から出場するのではなく、自分で政党を作るっていうのがもう最短経路であるということに気がついたという感じです。
この自分で政党を作るのが最短経路だって結論に、多くの人が行かない気がするんですよ。というのも、やっぱり国会っていうのは議席の席取りゲームであって、もうすでに大きい議席を取ってる所に入って、そこでポジションを上げることの方がいいって考える人の方が多いからこそ、そこから出る人が多かったわけじゃないですか。おっしゃる通りです。なぜ勝算があったんですか、新党に?
勝算は、やっぱり1回目の都知事選の時にここまで票数が取れたっていうのが、まず1つベンチマークとして、過去の実績としてあったのはすごく大きい。1個データが取れてるんですね。私はもう1つ言うと、大企業キャリアではなくてスタートアップキャリアの人間なんですよね、昔から。なので、そのスタートアップとしての戦い方を知ってたと思います。ベンチャー慣れしてる。そう。ベンチャー慣れしていて、ベンチャーの戦い方で昨年の都知事選でこれだけ結果を出していたのであれば、正直、政治評論家の方とかに聞いてみても、あなたそれ絶対無理だよって言われ続けてたんですけど、でも私は勝算あると思ってましたし、実際、蓋を開けてみたら議席も獲得できたので、できたということだと思います。
私の中で非常に特筆すべきだなと思ったのが、目標設定が他の政治家さんと明らかに違うなと思ったのが、その1議席を取ることによる政党交付金。これを活動資金にしていくために1議席くださいっていう言い方を、私、初めて聞いた気がするんですけど、他にそういう政治家さんっています? ほとんどいなかったと思いますね。私が知る限りはいないです。
政党交付金が1議席あたり、いくらぐらいもらえるんでしたっけ? これも計算の仕方によるんですけど、1議席獲得すると大体1億円くらい。年間1億円です。この1億円というものが通常、他の政治家さんたちに与えられた時は何に使ってるんですか? 基本的にはやっぱり選挙活動っていうところが主だと思います。選挙して得たお金で、選挙に受かるための出費をしてるっていうことですか。それが根本的じゃないと。
我々は他の政治家さんがやってなかった形で、政治に影響力を出すことができると思ったんですよ。なので、1議席でも意味があるっていうことを言ってました。何をやるかというと、テクノロジーを使って、実際にものを実装しながら議論をリードしていくっていうこと。これは実はものすごいやりようがあるし、できるのに、どの政治家さんもやってない。だったら自分がやろうっていう、そういったところです。
その1億円を使って、まさに今、何かを作ってるわけですよね。それちょっと教えていただきたいんですよ。これ、色々作っていく中のまず第1弾っていうところなんですけど、やっぱ日本の政治の1つ大きな課題は、政治と金の問題だと思います。政治と金の問題をうまく解決するための見える化ツール、これを今、永田町に作ったソフトウェアエンジニアチームで作っていってます。それは政党交付金、助成金、いただいた1億円でエンジニアチームを作って。それで作っていってます。
今どれぐらいできてる? 今、コード的には最初のリリースに向けては7割くらいできてますね。なので、まずそこをしっかり出す。これが作れたよというのを、まず自分の政党に当てはめて作って、使ってるところを見せることで、他の政党にも使ってもらおうってことですか? おっしゃる通りです。チームみらいの政治資金の見える化、これチームみらいがやろうと思えばできる話なので、それはもう我々が率先してやりましょうと。
これ他の国を見た時に、スウェーデンとかは政治資金を徹底的に見える化してて、閣僚に対してクレジットカードを国が貸与してるんですよ。なるほど。このクレカ経由で使ったお金って、皆さんもクレカを使ったことあるから分かると思うんですけど、利用明細って毎月届くじゃないですか。あの利用明細が自動公開されるようになってます。これが実は30年前からスウェーデンではあって。クリアですね。そう、クリアなんですよ。今の2025年の日本だったら、同じことできるじゃないかと思いまして。これ別に1政党がやろうとしてできるっていうことをまず示すっていうのが、すごく意味ある一歩だと思うんですよね。
これ示した場合、じゃあなぜ他の政党はその仕組みを使わないんだっていう国民の声が高まりそうですもんね。そうですね。それを期待して、じゃあうちも使うっていう党が増えて、全党が使うようになっていくんじゃないか。これを期待してやってる。これを期待してます。
これがすごく大きいと思ったんですよ。私の今までの感覚、政治への絶望感っていうのは、要するに多くの議席を取って過半数を取らないと法案が通せないから、小さい政党であるとか野党にはあまり存在価値がないんじゃないかとすら思ってたんですよ。ですが、たった1議席で変える方法論自体をプレゼンして、まさに今ゲットして、それを報告しながら作ってる。もう着々と作って、週次で報告をYouTubeに上げていってるんですけど。
このメインの政党の公式チャンネルで、なんと100日プラン。その1年じゃなくて、もう100日って言った上で、その100日の中で今何%できてるっていうのも、こまめに報告されてますよね。そうですね。これ、参院選の時のマニフェストで、政策的にここを目指すよっていうマニフェストと、我々は当選後100日間でこう動きますよっていうマニフェストを分けて提示したんですよ。
なるほど。やっぱり政策って、我々1議席だけだと、確かにおっしゃる通り、他の野党・与党がどういう風に出るかによって、実現完璧にできますとは言いきれない。だけど100日の自分たちの行動目標であればできるものなんで、できるもの、できないものを切り分けた上で提示をしていた。提示していたので、それに向けての進捗報告は、これはもうもちろんすべきだろうということでやらせていただいて。ゴールとプロジェクトを分けて。そうです。プロジェクトは進められるよねと。
これがとても新しいと思って、かつそのYouTubeの使い方も、今、政治家さんで私が気になるのが、選挙の時だけやる人がいるんですよ。そうですよね。選挙の時はたくさんSNSを頑張るんだけれども、いざ受かった時に、その公約がどれぐらい進んでるのか、実行されてるのかをPRしていただけてない方が多いと思ってるんですね。あれもったいないですよね。せっかくのコミュニケーションツールなのに。それをしっかりと報告しているというので、完全な新世代の政治家さんだ。我々が欲しかった政治の活動の仕方をしてくれてると、私は実感したんですよ。ありがとうございます。そう言っていただけて。
もう本当に目から鱗で、政党交付金の存在というものを、もう日本で初めて最も有効活用してる上で、YouTubeにおける選挙運動というものを最も本質的になさってる方だなと。ありがとうございます。なぜかというと、選挙前より選挙後のYouTube活動が最も大事。それをまさになさってる。
本当にそうだと思うんですよ。コミュニケーションツールとしてYouTubeっていうツールがある。こんなに便利なツールだし、こんなに政治をやる上において相性がある意味良いツールがあるのに、選挙の時しか使わないってのは、これはもうもったいなさすぎると思いますし、もったいないと思うんですよ。いろんな政党さんもやるといいんじゃないかと思いますけどね。
選挙資金の問題と、あと参入障壁の問題が、これもすごいありますね。色々おっしゃってますよね。もう政党を作ろうとした途端に、ありとあらゆる種類の壁があって、やっぱ新人が入って行きにくい構造ができてる。その壁をちょっと教えていただきたいです。色々あるんですけど、まずは供託金でお金がかかるであるとか。
供託金というのは参加費ですか? 参加費ですね。選挙に出るぞってなった時に、まずは納入しないといけないお金があるんですけど。受かると返ってくるんでしたっけ? 10%くらい取ると返ってきますね。いろんなルールがあるんですけど、一定善戦すると返ってきます。いくらぐらいなんでしたっけ? 600万円くらいですね。大きいですね。600万円。600万円を納めて参加するレース。それが選挙なんですね。そうです。お金に余裕がないと、まずは実は出られない。出られない。
というのも壁1としてあるんですけど、根本的には、見にくい壁が大量にあるっていうのが実際のところで。それはどう実感していったんだろう? 聞いていきたいです。もう本当細かいとこばっかりですけど、例えば掲示板ポスター。あれってもう東京都だけで1万4000箇所ある。1万4000箇所。これは、あれ誰が貼ってるんだろうなって、私も実際に選挙に出るまで知らなかったんですけど。知らないです。あれ自分たちで貼らなきゃいけないんですよ。そうなると、1万4000箇所にポスターを貼れる組織力がないと、そもそもできないであるとか。私が個人で出ますってなった時に、1万4000箇所を自分で貼るっていう労力、無理ですから。じゃあまず資金力、組織力、両方必要。両方必要です。
加えて、例えばメディアなんかでも、私が完全に無名な時とかは、全く選挙の時に報道がされないっていう問題とかもあって、取り上げられないんですよね。っていう意味で、いくらいいことを言っていても、一切、例えば都知事選の時はテレビで報道は本当にゼロでした。本当にゼロでしたし、その中でニュースバリューがあるような情報があったかというと、実は選挙のマニフェストを早稲田大学の研究所とかが全部に対して評価して点数をつけてるんですけど、私のマニフェストって、他の小池さんとか石丸さんとかと比べても圧倒的に高いスコアだったんですよ。全候補中1位だったとかです。そういった情報も全く報道もされないと。
さらにもうちょっとだけ言うと、これ元々の根本的な参入障壁がどこに出てるかっていうと、日本の公職選挙法が、グレーなとこがめちゃくちゃたくさんあるんですよ。曖昧なんですか。曖昧なんですよ。なので経験値がある人は、ここまでやっても警察に捕まらないけど、ここからはダメだっていう本当の線引きを結構知ってるんですけど、そこが新しい人たちに全く隠されていて。なので新人は、完全に僕はホワイトで行こうと思ったんで、他の人たちが取っているリスクを全く取らずに戦うことになった。
不文律が多いんですね。不文律が多いですし、これ選挙区によっても全然その運用が違ったりするんです。つまりグレーなところ、みんなやってるけど、みんなやってるから自分もやろうで行った場合、それで引っかかる可能性があるってことですか? あるんです。恐ろしいですね。これ本当に恐ろしくて、だってミスると逮捕されるわけです。そうですね。公職選挙法違反って結構、罰が重いんで。それはやっぱり縛りプレイというか、うまく戦えてないなっていう感触を持ちました。
これもう1個だけいいですか? もう1個だけ言うと、これができてる、さらに元々の理由は、公職選挙法において選挙活動と政治活動が分離されて考えられてることなんですよ。つまり政治活動っていうのは、24時間365日、いつやってもいいですよ。選挙活動は選挙期間中しかやっちゃダメですよっていう分け方がされて。私に投票してくださいっていう活動。そう、私に投票してください、この選挙で私に投票してくださいっていう活動なんですけど、これがどこまでが選挙活動で、どこからが政治活動なのかって、ぶっちゃけここってグレーなとこ、たくさんあるじゃないですか。そうなんですね。なので、この2つを分類して考えるっていうのが、そもそもめちゃくちゃ難しい話なんですよ。
諸外国を見ると、この2つを分けてるのは日本だけなんですよ。そうなんですか。知らなかったです。正確に言うと、日本を参考にして作った台湾と韓国はこれあるんですけど、日本の公職選挙法を元にされてて。ルールを完全に明確化して、ダメなものはダメ、いいものはいいっていう風にする国と比べると、日本はかなりグレーな部分が多いんですよね。
そうなんです。そのグレーというものの恐ろしさというのが、要するに捜査機関の裁量によって、同じことをした人でも捕まる時と捕まらない時があるっていう、ここが実は最大の参入障壁。そうなんです。これはでも実体験じゃないと言えないセリフですね。色々細かいところで、そういうのにぶち当たることがあるんですよ。ということは、あれ、これ向こうはグレーやってるけど、ベテランだし捕まってこなかったけど、これ新人がやったら捕まるパターンあるんだっていうのがあるわけですね。だと思いますね。これ恐ろしいですね。恐ろしいです。
そういった数々の参入障壁があるからこそ、新しい人、若い人、もしくは親が政治家じゃない人っていうのが出られなくなったっていう政治の問題がありますよね。新陳代謝が全然進んでないわけですよね。政治家はずっと政治家をやり続けてるし、新しい人は全然入ってこないわけですよ。政治家っていうものをやろうっていう人も、ある意味奇特な人だなっていう見られ方をされてしまったり、自分のやってるビジネスに戻ってこれなくなるんじゃないかっていう、そういうリスクがあるわけですよね。こういう参入障壁が減るだけで、私は政治家にどんどん新陳代謝が起きて、より日本が良くなっていくと思います。
先ほどの政治資金の問題に関しては、見える化するっていうツールによって分かりやすかったんですけど、参入障壁を下げるっていうところの1番のセンターピンはどこなんですか? これは正直、まだまだ私も、こうすれば絶対できるっていうところまでは見つかっていなくて。1番難しいのは、今受かっている人たちがこの公職選挙法について考えるわけですよ。つまり、このルールで勝った人がルールを決めるんで、変えたいとみんな思わないわけですよね。このルールで勝った人だから、今のままが1番いいわけですよね。そうなんです。もうそれに慣れてるから。そうなんです。
なので私は、1つはいかに政治家の新陳代謝が起こっていないかっていうことをしっかりと伝える。なるほど。あとは私みたいに完全に外部のスタートアップ業界にいたAIのソフトエンジニアが入ると、新しい人が入ると、こういう新しい試みが色々されるんだよっていうのを見せる。これが直接的ではないですけど、しっかり効いていくんじゃないかと思ってます。
なるほど。私の中で安野さんが素晴らしいなと思ってる理由が3つあるわけですけども、その1つ目が本質的な課題設定をされてるっていうことで。その本質的な課題設定っていうのが、私の中でまさに政治資金の問題と参入障壁の問題だったんですよ。政治家さんと対談したり、政治の解説の動画を作るたびに、日本の根本的な問題がこの2つにもかかわらずですよ、ほとんどの政治家さんがこの2つを争点にあげない。そうですね。ここどう思います?
これもやっぱ構造的な問題で、鶏卵なんですよね。つまり、今の仕組みで勝ってる人がルールを作っている。なぜ勝ててるかというと、今の政治資金規正法だからであると。お金が色々手に入った方が選挙も戦いやすいので、っていうこのループにはまっちゃってるんで、誰かがどこかでこれを破壊していかないといけない。1つはやっぱり無理やり新規参入をして、新規参入した我々みたいな人たち、別に我々だけじゃなくていいと思うんですけど、我々みたいな人がしっかりと着実に成果を出す、それを見せるっていうことだと。希望の実績を見せるしかないと。
やはり政治で1番耳当たりがいいのが、すぐに直接お金をもらえる。そうですね。だからこそ、ばらまきであるとか給付金であるとか減税であるとか、そういうお話が、特に生活が苦しくなると1番届きやすい中で、そういうことに行かずに根本治療の方を訴え続けて、まさか票が取れるとはっていうのが私の率直な感想なんです。なぜ根本的なことを言って、逆に言うと票が取れたのか。ここはどう思ってるんですか?
これ私は、チームみらいって本当、未来のことを考える政党である。未来のことを考えるんだったら、根本治療しないと全く意味がないわけですよね。っていう中で、もう自然な流れで言ってたんですけど。でもそれでもやっぱ150万票っていう、150万人を説得できるっていうのは、私は結構自信があったんです、元から。というのは、やっぱり都知事選の時に全く同じようなやり方で15万票獲得できてたと。15万票って、東京都1400万人いる中の大体1%くらいなんですよね。今回の150万票も、大体1億2000万人くらいいる中の1%くらいなんですよね。なので、これくらいの人たちはまず、全く無名な人たちであっても、しっかりと訴えていけば伝わるものがあるはずであるっていう、この確信は結構ありました。
なるほど。だからその裾野の広いところに甘い言葉を言うというメジャーな戦略ではなくて、1%でいいから本質的なところに響けば、自分のたどり着きたい場所にはたどり着ける。っていう勝算は考えておりました。なるほど。でもそこからいかに広げていくかっていう戦いになってるわけですよね。
そうですね。今後っていう意味で言うと、また別の戦い方が必要かもしれないんですが、ただキャズム理論みたいなものもありますけど、1番最初に気づく人たちって、全体のイノベーター層と呼ばれてる、1番最初に気づく人たちが1%くらいだと言われている。キャズム理論っていうのは層の分類なんですかね。そうですね。新しいものを取り入れる人たちと、みんなが取り入れたら、じゃあそれを取り入れようか。ファッションとかそうですね。そうです。おしゃれな人で、ちょっと斬新なシルエットのズボンを履いてみようみたいなイノベーターがいて。おっしゃる通り。
その次の層が。その次の層がアーリーアダプターっていう層なんですけど、アーリーアダプターからもうちょっと多くの人に届く時に、谷間、断絶があると言われていて、ここを超えられるかどうかっていうのが、多分次のポイントなんじゃないかという。レイトマジョリティでしたっけ? アーリーマジョリティ。アーリーマジョリティがあって。アーリーマジョリティがあって、レイトマジョリティがあって、ラガードがあるっていう形なんですけど。このアーリーマジョリティに届けられるかどうか。そうですね。っていう戦いに次はなってくる? これが次ですね。
面白いですね。でもその本質的な課題設定をしてるなと私が思った上で、それを実際に実現するだけの革命的な方法論。まさにITの開発であったり、AIの利用であったりというのは、今までの政治畑の人たちではやってこなかったことだと思うんですよ。そうですね。今までの政治畑の人で多いのが、官僚出身であったり、法曹、弁護士だったり検事であったりとか、そういうところの出身だったり、あと金融関係。金融関係もそうですね。多かった中で、最も今日本で欲しくなってるテック系の考え方を持ってるっていうところのど真ん中からいらっしゃってると。
それがやはり非常に特異なキャラクターですよね。そうですね。もう政治家さんの中でテックの方から来た人たちって、ほとんどいらっしゃらないんですよね。いないですよね。それがすごく、その本質的な課題設定との結びつきで実行力につながってる。
そして3つ目が、それだけの力がありながら、これ私の見立てなんですけど、安定した倫理観をお持ちである。安定的な倫理観。行動規範として、今候補者を募集してる中で5つの行動規範を示してらっしゃる。1つ目が手を動かす。2つ目が、オープンにするってやつですね。透明化。残り3つで強調されてることが、人を貶めない、分断を煽らない、これが正解だと決めつけない。この3つって、ある意味1つでもあると思うんですよ。そうかもしれないですね。他者との向き合い、倫理性だと思うんですね。手を動かすは実行力、オープンにするは透明性。この3、4、5で強調しているのが倫理的であるということだと私は思ったんですよ。これを5つのうちの3つで強調しているというところに。
確かに。面白い。面白い見方ですね。本当に言われてみればそうですね。非常に強い懸念を抱いてるんだなと思ったんです。ここに。ここの3つについて、ちょっとお話を聞きたいんですよ。
でもこれはやっぱり、いろんな人たちが話し合って、より良い案を探して、じゃあそれにしようよって合意していくっていうのが、政治の抽象的に言った時のステップだと思うんですよね。ただこれをかなり難しくしているのが、やっぱその議論の過程で相手を攻撃してしまう。もちろん議論は必要ですよ。相手の批判は必要なんですけど、過度に貶める発言、あいつはもう〇〇だとか、あいつはバカだみたいなことを言うっていうのが、今の政治によくあるなと思いますし。あと分断もそうなんですよ。あいつらはこうで、我々はこうだから違うから、話し合っても無駄だからっていう。それもやっぱ議論を建設的にしていこうっていうものを阻害するわけですよ。
ある意味、個人へのレッテル貼りだったり、集団へのレッテル貼りでグルーピングして、分断してしまう。1番恐ろしいことなんですね。理解は早くなるのかもしれないですし、選挙戦術上はいいのかもしれないですけど、民主主義っていう意味においては、これはやっぱりみんな損してると思うんですよね、これによって。なので我々はそれをせずに、ちゃんと建設的にどんな相手とも話し合えるようにしましょうと。それが民主主義において非常に重要なことであるって、そういう風に思ってます。
その上で決めつけないと。要するに柔軟に取り入れていく。これはそうですね。ある意味、ソフトウェア畑とかビジネス畑から私が出てきたからかもしれないんですけど、世の中100%正しいことなんて、そうそうないわけですよ。専門家になればなるほど、こうとも言えるし、ああとも言えるんだよなみたいな、すごいもにょもにょっとしてくるじゃないですか。それは一定あると思うので、自分がこうだよと思ってるものであっても、もしかしたら別の考え方で言うと間違ってるのかもしれないっていうのは、ある意味、謙虚になっておかないといけないと思っていて。その姿勢を持とうっていう感じです。
私はもうこれを今、真正面からやっている政治家さんって、本当に少ないと思うんですよ。なんでかというと、もうある意味、今のトレンドの戦略というのは、分かりやすくて、かつ極端。そうですね。キャッチコピー主義と言いますか、キャッチコピー政治で、とにかくバーンって響くワンイシューを、とにかく強いフレーズで言って、それに対する反対者に関してはバチーンと間違ってるレッテルを貼る。このやり方によって、内側の結束を強く高めるっていうやり方。ポピュリズムとも批判されるこのやり方が、日本及び世界でかなり趨勢になっている。そうですね。という危機感の中で、ある意味とても穏やかで正攻法。これを5分の3で意識してるっていうところに、私はとても信頼がおけると思います。ありがとうございます。
これはでも、ゆとりさんとの対談でしたっけ? ゆとりさんとの対談。キャッチコピーが非常に強い他党とかと比べると、うちはまだキャッチコピーを見つけられていないみたいな。ある意味、キャッチコピー政治のその強さを認めた上で、自分たちはそうじゃないと。これって、これからそういうものを見つけてくるんですか? それとも、そういう政治と私たちは違うと思ってるんですか?
そうですね。キャッチコピー自体が悪いとは、私、思ってないんですよ。みんなをまとめられるようないいコピーっていうのもあると思ってます。それをなるべく探していこうっていうのは、努力すべきだと思うんですよね。今回の参院選でも、実はいろんなWeb上に広告を出しながらA/Bテストをしていて、どういうコピーが刺さるのか、どういうコピーだとみんな見てくれるのかっていうのを検証していった結果。AとBを出して、ウケる方を対照実験してデータを集める。そうです。いろんなデータを見ながらやってたんですけど、結局、今回の参院選で1番ウケるコピーだったなと思うのが、「たった1議席でも未来は変えられる」。そういうメッセージだったんですよね。これって別に相手を貶めてもないし、分断してもないし、より広い人たちに刺さったということが分かってるので、こういうものを探していきたい。これ結構難しいんですけど、探していきたいと思ってます。
キャッチコピーが悪いわけではなく、貶めないことが大事。そうですね。だし、決めつけないっていうのもそうで、私はこう思うよって明確なスタンスを示すっていうのは、すごい大事だと思うんですよ。大事なんですけど、それは違うんじゃないかって議論の中で分かってきたら、じゃあこれ多分我々の考え方が間違ってたね、じゃあこうしますっていうのを、決めつけずに変えていけるっていう、その柔軟性も持った方がいいと思ってて。
でも政治家さんの中で、色々信じてついてきてくれる人がいる中で、いざ言ったことを引っ込めたり変えたりっていうのは、なかなか勇気のいることですよね。勇気はいると思いますし、批判も全然あると思うんですけど、ただやっぱり、それが今、逆に行きすぎちゃってるんじゃないかなと思っていまして。自分が言ったことを引っ込められないがゆえに、もう相手をより強く攻撃するしかないっていう、そういうコミュニケーション、結構多いなと思うんです。
これはもう一定、自分たちも間違う可能性あるから、間違えますと。確かにそうだなと思ったことは引っ込めるっていうのをやってった方が、その瞬間はね、お前間違ったこと言ってんのかという批判あると思うんですけど、長期で見るとこっちの方がいい政策集になる、いい意思決定ができる政治家の可能性高いわけですよね。
なるほど。私の思ってる3つの強みの中で、本質的な課題設定をされている。その上で革命的な方法を持ってらっしゃる。さらに安定的倫理観を持っている。この安定的倫理観の中に他者との向き合いっていうものと、あと透明性。ここにすごくこだわってますよね。
透明性は我々すごいこだわってますね。我々の政治不信の根本がやはり不透明である。先ほどのグレーな法律だけではなくて、お金の流れも意図的に分かりづらいようにされているし、用語も意図的に難解にされてるように思うんですよ。
その旧文通費の現在の名においても長くて、調査研究なんとか費ですよね。調査研究広報滞在費。そうそう。もうこれは私は逆に人類の叡智だと思ったんですよ。これは悪魔の言語だなと。私は言語化して視聴者に分かりやすく伝えるっていうことをやり続けてきたつもりがあるんですけど、その私をして、これは悪魔的な人間が考えたなと思ったんです。調査研究広報滞在費。面白すぎますよね。これを考えたのはブラックなハッカーと同じような能力者だなと。能力者ですね。私は思いました。そういった意図的に見えづらくしてるものを見えやすくしようとしてらっしゃる。
はい。租税特別措置法とか、あの辺りも含めて、お金の問題と見えなくする化の問題というのが、もうものすごい。まさにおっしゃる通り。強力な悪魔合体。ここに立ち向かおうとしてますよね。
見えないっていうのは権力を作り出す、すごいいい方法なんですよ。いいっていうか優しい方法なんですよね。俺はこれを知っている、私はこれを知っている、あなたは知ってないっていうこの勾配を作ることが、誰かに何かを指示できる権力の源泉でもあるわけですよ。宗教革命前の教会の権力の源泉みたいなもんですよね。聖書の内容を教会の人しか知らないから力があった。
おっしゃる通り。なんですけれども、一方で現代社会ってそういうやり方が通用しなくなってきた社会でもあるなと思ってまして、つまり変化のスピードが早すぎると。不確実性もものすごい高い。何が起きるかわからない中で、例えば会社とか国とかを運営していかないといけないってなった時に、隠してるとメンバーの人がうまく動きづらくなっちゃうわけですよ。変化に対応する速度がどんどん遅くなってきちゃうと。
なのでテック業界では、この20年くらいずっと起き続けてる話なんですけど、大企業でもやっぱり自分たちの情報を従業員に対してなるべくなるべく開示していこうと。オープンにしていこうっていう動きが、大企業、テック業界ではずっとあって。それが国でも、もうできるんじゃないか。国もそういう運用方法に変えた方がいいんじゃないのかということを我々は思ってます。
ソフトウェアとかのジャンルでオープンソースって言葉があるじゃないですか。これは他社も使っていいですよみたいな。そのオープンソースっていうことだけじゃなくて、会社の内部の情報もってことなんですか?
そうですね。まさにおっしゃられたオープンソースの例はすごく分かりやすいと思ってて、つまりある会社がめちゃめちゃ頑張って、プログラマーの人が頑張ってもらって作ったソフトウェア、アプリケーションを全部いきなり公開するって、昔だったら考えられないことですよね。そうですね、おいしいパンのレシピ公開みたいな。レシピを公開してると。
なんですけど、今の企業ってもう合理的に考えて、この部分は公開した方がいいだろうっていうところが出てきつつあるわけですよ。それは何かって言うと、例えば公開することによって世界中のエンジニアの人が間違いに気づきやすくなると。見てくれっていう話であるとか。それを元に、これ面白そうじゃんって思ったエンジニアの人を仲間にして採用することができるであるとか、本当に経済合理的に公開した方がいいってなってるんですよ。そっちの方がメインストリームになってきてる。
もちろん用途とかは色々あったりするんですけど、場面場面あります。隠すべきところもあるし、オープンにすべきとこもあるんですけど、ただオープンにすると変化に対して強くなるっていう、そういう大きな傾向はあって。それをいろんな企業はオープンソースという形だけじゃなくて、例えば自分の会社の決算の細かいところまで公表していくような、新しいタイプの会社も生まれ始めてますし。
あとは例えばGoogleとかもですね、すごい大きな大企業ですよ。20万人くらい従業員いますけど、中に1つ標語として「デフォルトパブリック」っていう単語があって。これはデフォルトって通常状態で、通常ではパブリックっていうのは公開するって意味なんですけど、公開しようと。情報共有すると。隠すことに理由はいるんだけれども、オープンにすることには理由いらないよねっていうような標語とかがあったりするんですよね。基本が公開状態。基本が公開状態である。
なるほど。この基本が隠す状態なのか、基本が公開状態なのかっていうので、ビジネスの分野でもちょっとパラダイムシフトが起きつつありますし、これ政治とか国の行政においても、このシフトって起こした方がいいんじゃないか。もちろんですね。そういうこと考えてます。
この透明化が私は本当に期待したいところで、政治を勉強すればするほど、もう非常に周到に張り巡らされた、この半透明化の叡智の塊が、これを一体誰が、誰が分解するのか、できるのかと思ったんですけど、そこをまさに本質的な課題としてやってらっしゃる。これが時代の要請に応えてるんだなって思ったんですね。
日本が現在直面してる政治の問題っていうのが3つあるとしたら、それが老朽化であり、それに伴う腐敗であり、それを変える本質的ではないポピュリズムの流れ。この3つが要するに同時に起きてる三重苦。古くなってる、その上でその古さにかこつけて腐敗している。そしてそれを治療する根本的な方法じゃないものが流布してる。これを全く逆の言葉にするなら、新技術であり、透明性であり、合理的な解決。それまさに謳ってるのがチームみらいなんじゃないか。
この3本柱、言っていただいたやつ、ちょっとパクりたいですね。ぜひ。オープンソースでございます。オープンソースで、いただきます。私は何かしたいわけではなくて、お助けしたいだけなので、この新技術、透明性、合理的の3本柱が、現在の老朽化、腐敗、ポピュリズムの三重苦に立ち向かえるんじゃないか。
そういうお人なんだと私は分かった上で、そのルーツを紐解くことで、安野貴博という人間をオープンソース化して、もっとこういう人が増えたらいいんじゃないかというために、仕組みを分解したいなと思ったので、これからちょっと歴史を聞いていきたいんですね。
1990年、東京都文京区で生まれたと。これちょっと間違ってるかも、すいません。生まれた瞬間、千葉県にいたので。そうか、文京区育ちですか? 文京区育ちではあります。なるほど。千葉県生まれ文京区育ち。はい。そうですね。
これ公開されてないかもしれないですけど、ご両親どういった方かって言える範囲で。両親は母親はパート、父親は大企業の社員って感じで、普通にサラリーマンですね。なので特別なソフトウェアエンジニアとかでもないですし。エンジニア×エンジニアの子供とか、そういうことでもなく? そういうことでも特にないですね。会社員のお父様と、母親はパートで。パートもやりながらの、主婦もやってらっしゃるお母様。何かご兄弟とか家族でなんとか家系とか、そういうことでもない? ないですね。そんな目立つ人もいないです。
ただ6歳ぐらいからプログラミング始めてるんですよね。9歳ぐらいから。9歳から。9歳からプログラミングを始めたきっかけは何だったんでしたっけ?
それは親がですね、当時発売されたばっかりのWindows 98っていうものを買ってきて、親の株式投資用に買ってきたということを言ってたんですけど、これ面白そうだなと思って、僕がもう朝から晩までずっといじり続けてて、実効支配することに成功したんですよ。この領土をね、実効支配。親のものであるけれども、実質自分が使ってると。そうなんです。
ということはですよ、プログラミングを受けなさいとか、プログラミング教育のところに入れたとかではなく、親が買ってきたいわゆる家庭用のパソコン、これに異常に執着を。これに異常に執着をして。勝手に示したんですね。これを使おうって思ったところからですね。全ソフトウェアをじっくり見てったんでしたっけ?
そうなんですよ。Windows 98って最初から入ってるソフトがたくさんあるんですけど、これを1つ1つ見てて、これは何をするものなんだろうかっていうのをじっくり見てたって感じです。
まずそんな人がいないですよね。まずすごくレアじゃないですか。パソコンがあったらやりたいことってのは大体通り一遍で、ゲームをやるとか、何かを検索するとか、画像を見るとか、やりたいことはすでに用意されてるエンターテインメントだったりすると思うんですよ。向こうがエンタメとして提供してるものを享受することが大半の中で、エンタメとして用意してない大人が使うツールを楽しみながら深掘ってったってことですよね。Wordとね、Excelとかそういうのを触って。
だとしたらもうこの時点で、安野貴博をもう1度作ろうの再現性はないですね。親がパソコン買ってきて子供に明け渡すっていう。いや、それは明け渡すというか、別に明け渡したわけでもないじゃないですか。勝手に空き時間使ってたわけじゃないですか。そうですね。ということは、興味を異常に持った、その原点となるこのパソコンに異常に興味を持つ前に、元々機械系に興味を持ってたんでしたっけ?
親の言ってた話で言うと、2〜3歳くらいの時からコンセントに執着してたって言ってましたね。コンセントに色々入れてみようとした。エジソン的ですよね。でもそういう機械的なものとか時計を分解したりとか、結構メカ好きな男の子とかは多いと思うんですけど、その中でもパソコンの中のソフトの中で、異常に興味を持ったのExcelでしたっけ?
そうです。Excelはこれはもう格が違うソフトだなって、その当時から気づいてました。なぜ思ったんですか? これはもう自由度がものすごい高いと。Wordって文章打ち込むだけだけど、Excelって式を入れると式同士が連関するみたいな。しかもこんなにスペースもあって、もう無限にこの表を広げていける、すごい。要するに汎用性が高いと。汎用性高いなと。要するに専門性の高いソフトウェアではなく、これはいろんなことができるもんだと気づいたんですね。そう。気づきました。
そしてそれで何を作ってたんでしたっけ? それでExcelで簡単な関数など使いながら、ゲームとか作ってましたね。それがいつ頃? それが小4とかな。小4でExcelを使ってどんなゲームができるんですか? まだ本当に簡単なあれですよ。1番最初はもう、じゃんけんゲームとかですよ。じゃんけんは乱数で出せるじゃないですか。グー・チョキ・パーだから、みたいな話とか。それ使ってちょっと迷路っぽいの作ったりしたような記録もありますし。
じゃんけんが乱数で出せるじゃないですかっていうのは、ごめんなさい。どういうことですか? 簡単な式で表せるので、小学生でもそれくらいはできる。小学生でじゃんけんを簡単な式で表せる人間がどれぐらいいるんだろう? どういう式で表せるんですか、それは。
ランダムっていう関数があるんですけど、それはいくつかの候補の中からランダムに何かを表示してくれるって関数で、これをポチっと押したら、それがランダムに出てくる。グーかチョキかパーであると。3種類のものをランダムに出すっていうことができる。それはいわゆるサザエさんの終わりでやってたような、じゃんけんポンみたいなものができて、その関数で出してきたものと自分で出すものでじゃんけんができる。勝った負けたとかが出せるし、その勝ち負けのスコアとかも登録する機能があった気がします。
ここがすごく私が聞きたいのは、それが用意されてるのであれば、それを楽しむことは全小学生できると思うんですよ。ただExcelがある状態で関数のランダム表示がある中で、これはじゃんけんに使えるっていうのは誰も教えてくれないですよ。そうですね。試行錯誤したのかな? 自分の中でいじりながら、これってじゃんけんと一緒じゃないかって思ったんですか? でもそういう思考回路ではあると思います。とにかく触って、これは何だろうって自分で考えて、自分でそれを遊びにしてった。それがじゃんけんであり、それから。
自分がExcelで作った最も複雑なものは何ですか? なんだっけな。すごろく的なやつだった気がしますね。そのすごろくも多分サイコロ振るみたいな。1から6までランダムですよね。っていうのでやってた記憶あります。すごろく的なゲームをExcelで作ってみた。
そこから、開成中。受験して入る。受験して。ただ東京に住んでいて、その優秀な、もう最優秀なとこだと思うんですけど、それ親の勧めですか? これはもう親の勧めだと思いますね。SAPIXっていう塾に通ってて。有名な塾ですよね。小学校の時にSAPIXに通った時に、自分が勉強ができるって気づくのはいつですか?
勉強ができる、そうですね。小学校入った時に、クラスの中で勉強はできるなとは思ってましたね。1年生の時に。1年生の時に、すでにこれは得意だなと。そうですね。思った。そしてSAPIXに入ってもそれは変わらなかった。得意な方だったと思うんですけど。
なるほど。その中で自然に勧められるように、あなたなら開成入れるんじゃないかで入っていったわけですね。だから受験するしないっていうのは、多分親は自由意志で選ばせたと思ってるかもしれないですけど、小学生がね、そんなわかんないんで、多分塾行きたい?って言われて行きたいって言ったんだと思うんですよ。親の導きだと思います。誘導で。でも自然な流れではありますよね。塾に入れてる、学校に入れてる、その中で勉強ができる、開成に入る。
その中で開成に入ってから色々部活動やられてるんですよね。はい。そうですね。演劇部を作られた。演劇部の前身となるような、文化祭での演劇みたいなのをやりましたね。それはどういう発想の中でやってたんですか?
それはまず演劇をする人たちがいなかったんですよ。開成に入ったら。いなくて。でも文化祭って演劇のイメージあるよなみたいな。イメージから入ったんだ。イメージあるよな。僕、小学生の時に2〜3年くらい大阪住んでて、吉本新喜劇すごい好きだったんですよ。ああいうのできないかなみたいな。コメディですか? コメディをやった記憶があります。それを学園祭でやるためにプロジェクトチームとして立ち上げた。そしたら一緒にやったメンバーが、その後に演劇部になってったっていう。本当に刺激を受けて。
演劇部立ち上げてやってみたいなっていうのは、元々やっぱり物語を作ってみたいって、後の小説を執筆するところのその原点? それはあると思いますね。やっぱりストーリー考えるとかは結構好きな方なので。
なんというか、まずExcelに興味を持つタイプの人が、演劇もやってみたいって思うのが、自分の今までの経験則からすると不思議なんですよ。いわゆる理系文系みたいな分け方はすると思うんですけど、数式とか関数とかランダムとかっていうものに興味を持ちながらにして、いわゆる文系と言われるような国語的な文学、演劇に興味をすでに持ってた。
なんでしょうね。文字読むのとか好きだったんですよ。その小学生の時から、星新一とかね、そういうの読みまくってた。面白いですよね。なので小説をすごい読んでいたっていうのは、すごいって言ってもあれですよ。小学生くらいのあれですけど、ってのはやっぱあると思いますね。
そしてその演劇部やりながら他のこともやりますよね。そうですね。硬式テニスとか。運動もするんだ。硬式テニスは別に得意じゃないんですけど、当時『テニスの王子様』っていうのが。テニプリが。俺もツイストサーブ打つぜと思って。必殺技がすごいですよね。そう。あとこれはクイズ研究会ではなかったんですけど、クイズとかも当時はまってたので、それで高校生クイズ出させていただいたりとか。
でも、大体高校生クイズに出るような人って、もう本当クイズ部1本だったりすると思うんですけど、演劇立ち上げながらテニス。テニス。はい。それでクイズ。プログラミングの大会もお出になってる。プログラミングとかも好きだったんで。そのマルチタスクぶりっていうのは、ちょっと普通ではないですよね。
これ学校の勉強しなければ、これくらいの時間を捻出できるんですよ。そうか。高校1〜2年の時は受験対策の勉強というか、授業の勉強をほぼしてない。中高一貫だと高校受験がないので、そこは時間的に、なんでしょう、アドバンテージがあったっていう。
っていうことはですよ。その中高一貫の6年間で受験勉強したのはたったの1年? そうですね。残り5年間をその謎の活動に、マルチタスクの活動に充てていた。充てていたと。それって開成の人たちはそうなんですか? それとも。そういう人も結構いると思いますね。
すごいことですね。中高一貫校の中で、その5年間マルチタスクで文化活動をやった場合、なんとなくですけど取り返しがつかなく。いやもうガンガン学校内順位とか下がってくるんですよ。学校の順位が。そう。だから順調に下がってたんですね。順調に下がってきました。定期テストとかは。そうそう。それは焦ったりはしなかった? 焦ったりはしなかったですね。なぜ? そういうもんだろうなと思って。そりゃそうだろう。やってないんだから。合理的ですね。
そうです。やってないんだから、やれば上がるんじゃないかみたいな。普通そこでメンタルいわしませんか? でもやってないことが自信につながるみたいなとこありません? やってないからできないっていう明確な理由があるっていう。それはやればできるっていうものを信じ抜く力でもありますけどね。あんま良くないですけどね。
逆に言うとその文化活動での結果が出てた。出てた、でも高校生クイズも優勝できなかったわけですよ。確かに。2回戦負けで川下ってる最中にね、やられてしまったので。だから出てたかと言うとわかんないですね。でも演劇はうまくいった。その回は、はい。
ちなみにどんな演劇をやったんですか? どんなんだったかな。これがね、ちょっとあんまり思い出せないんですけど。結構な人数出たんですか? 10人くらいの。10人ぐらい。10人、30分尺とかだった気がするんですよ。脚本は? 脚本はみんなで書きましたね。オリジナルで。オリジナルでみんなで書きました。オリジナルで。みんなというのはその10人でですか? いや、2〜3人ぐらい。2〜3人で出し合った。でも発起人だから基本的にはリードしてたわけですよね。一緒に。そうですね。僕だけじゃなかったと思いますけど、何人かでやってたと思います。
そういった活動しつつ、プログラミングの大会出つつで、ラスト1年で受験勉強するんですよね。はい。そうです。たった1年。はい。東大工学部。逆に短いとメリハリもつくんで。メリハリがつくという。メリハリをつけてやってました。東大の過去問だけはやったんでしたっけ?
そうなんです。おっしゃる通りで、やっぱ1番の最短経路って何だろうなって思った時に、やっぱ過去問を解くことだと。なるほど。過去問を解くと、それまで何も勉強しなかったんで、いかに自分が解けないかというかですね、問題文の意味すらわかんないわけです。そこから始まるんでモチベーションも高いですし、わかんないからこれを分かりたいと。だし、過去問解きまくると傾向が分かるんで、それで出ないってことは、これは出なさそうだなって思って、教科書とかも読み飛ばせるわけですよね。
ここが非常に重要だなと思うのが、やっぱり最短経路思考なんですね。でもそれは受験に関してはそうですね。でも先ほど政治のアプローチに関しても最短経路思考だった気がするんですよ。要するにこのまま自民党に入るとか、そういうことじゃなくて、新党を立ち上げた方が課題解決を早くできるだろう。こういう他の人だったら通常こうするよなではなく、自分で最短経路をしっかり確認してから行くタイプですよね。
そうですね。特にこれ自分の中では2つに分かれてて、課題は最速で解いた方がいいと思ってる。なるほど。だけど例えば自分で小説書くとか、ある種の自分も楽しい活動みたいなのは、エンジョイした方がいいと思ってるんですよ。時間をかけて味わいたい。時間をかけて味わった方がいいと思う。なのでここは全部が最短経路なのかっていうと、そうでもないと思ってます。
じゃあそのゲームを最速でクリアしたいっていうよりは、トラブルとかプロブレムに関しては最速で解決しつつも、ゲーム自体は長く楽しむっていう気持ちもある。ゲームはやっぱ楽しむのが目的なんで。確かに。それを最大化したい。楽しみを最大化したい。問題はあると困るんで、一刻も早く解決したい。それを両立できることもすごいですね。そしてまさにそのやり方で東大に受かる。
はい。東大の中で、ここでついに、いわゆる安野さんのその安野節が開花してくんだなと思うんですけども、その学生に対するウェブサービスを作った。作ったんですよね、そう。大学1年生の冬くらいかな。1年生の冬で。
ぐらいに学内用の、学校の中向けのSNSを作ったんです。同じ時間割、同じ授業を取ってる人たち同士でつながりますと。お互いにノートの交換とかもできるし、当時Twitterが流行り始めてる時だったので、Twitter上になんだかよくわからないけど東大っぽい人たちがたくさんいるんですけど、この授業を取ってるTwitterアカウントはこれとこれとこれですっていうのが共有できるんで、そこで新しいつながりが生まれたりとか、そういうサービスを作りました。
まさにそれって学生が1番欲しいつながりですよね。そうですね。同じ授業を取っていて、ノートとか資料の交換をして、情報交換できる仲間たちとつながりたい。でも今まであった既存の学生の連携ってサークルですよね。はい。そうですね。サークルとクラスじゃないですか。でもクラスでよく起きるのは取ってる授業が違う。サークルで起きるのが取ってる授業が違う。そうです。つまり最も学生にとって必要な人的ネットワークは、同じ授業を取っている人たちのつながりだということを見抜いて、見抜いた上でそれの解決策を作り出してしまった。そこに気づくのになんと1年もかかってない。これ作った上で、しかもかなりの人が使ったんですよね。
そうなんですよ。登録者数見ると2000人くらいいて、東大の教養学部って6000人くらいしかないはずなんで、それ見ると3分の1くらい登録してるみたいな感じだったんですよ。要するに同学年ですか? 同学年の3分の1が使うSNSを瞬時にして作ってしまった。そうですね。これはごめんなさい。どういう思考回路で、まずみんなが便利なものを作っちゃおうって思うんですか?
思考回路は、でもやっぱ自分も授業の中でいろんな授業取るタイプだったので、興味のままに。全然知らない、東大の場合はしかも教養学部って言って、理系の人でも文系の授業とか取れるんですよ。誰が何取ってもいいっていう。学部が決定する手前段階っていう感じだね。そうなんですよ。なのでその1年生、2年生の間ってかなり自由にいろんな授業を取れて。他の知らない人が多い授業とかもいっぱいあるんですよね、っていうものを自分も感じてたので、解決したいなと。自分も情報交換が欲しいっていうニーズがまずあった。
ニーズもまずすごくあった。同時にTwitterがものすごいスピードで東大の中でも普及してっていて。2010年ぐらいですか? 2009年ですね。なるほど。なので、これがすごいスピードで広がっていって。でも早いですよね。早めです。早めです。広がりたてじゃないですか? 広がりたての頃でしたね。
当時ですね、津田大介さんっていう方が、「tsudaる」っていう単語で言って。ありました。ありました。何か現場に行って実況中継をTwitterでやると。なんとか「なう」の時代ですね。なんとか「なう」の時代。その時に面白かったのが、授業をtsudaってる人いるんですよ。授業なうと。そう、授業なうで、授業で今先生がこういうこと言ってるっていうのをガーっと書いてる人たち。授業の中継をしてる人がいたんだ。
それを2つ組み合わせた時に、この授業を取っているTwitterアカウントを見つければ、この授業のtsudaられてるタイムラインが合成できると。なるほど。っていうのを作ってみようっていう。1人の視点じゃなくて複数の視点でのtsudaりができるわけですね。実況が補強できると。そう。だから1つの授業を見て複数の人が、ここはこう思ったとか、ここはこう思ったとかっていうのを、Twitterで結構面白いこと書いてる人いたんですよ。いたんだけど、その2人をちゃんとフォローしないと、その面白いこともキャッチできないじゃないですか。確かに。なのでそれをつなげられるSNSを作った方がいいだろう。フォローしやすくしよう。SNSを作ろう。
ちょっと待ってくださいね。あの時代ってSNSっていうものの概念を理解すること自体がまだ難しかったと思うんですよ。フォローって何とか、リプライって何とか、そういう時代に、そのSNSを理解した上で作るっていうところまで至るってどういうことなんですか? プログラミングと流れがあるんですか?
流れはありますね。mixiっていうのがあってですね、mixiはかなり流行ってました、当時から。なるほど。mixiのアカウント持ってない人はほとんどいないくらい。9割くらいの人はmixiもう使ってた時代。まずmixiに慣れ親しんでた。そうです。なので、Twitter的な、フォローをフォローされるみたいな環境はあんまなかったですけど、友達になるっていう概念でした。なるほど。だったんですけど、割とリテラシーレベルは上がってきてた頃だとは思いますね。
とはいえ、じゃあ作るって発想にならないですよ、普通の学生。そうですね。ただプログラミングはそこそこできたので、これは作れるなっていうのは思います。自分なら作れるで、作って広まった。はい。これがいわゆるテクノロジー×〇〇。まさに〇〇の走りだったなと思って。
でも本当におっしゃる通りで、自分の人生見た時に、この自分の抱えてる問題とか周りの人が抱えてる課題をテックで実際に解決してみせるみたいなことは、この時がほぼほぼ初めてなんじゃないですかね。このテクノロジー×〇〇をあらゆる業界で渡り歩いて、イノベーションを起こし続けた人生ですよね。そうですね。いろんなところで。これが本当にすごいレベルで行われてるなということを、これからちょっと聞いていきたいんですけど。
卒業した2014年、まずいきなり起業せずに、大手の外資コンサル入るんですよね。そうですね。ボストンコンサルティンググループという。この狙いも元々コンサルに入りたいわけじゃなくて、社会勉強的な感じなんですか?
当時やっていたのがAIだったんですよ。人工知能だったんですけれども。今ほどまだ話題になってないですね。そうです。松尾研っていうね、今では結構有名な研究室にいたんですけど、もう全然ですね、まだまだインディーズ時代の松尾研ですが。そこでやっていたこと、これはもう本当に世界変えるだろうっていうのは明らかだったんですよ。確信してた。これからの未来、ソフトウェアがどんどん賢くなっていくことが世界を変えることになるだろうっていうのは、もうこの当時分かってたんですよ。
なぜ分かってたんだろう。もうそれだなっていうのは。衝撃を受けた。衝撃的ですね、やっぱり。その衝撃の日っていうの覚えてます? これはすごいぞと。衝撃の瞬間があったわけですよね。そうですね。瞬間だったか、じわじわ来たのかっていうのは、ちょっとあんまり覚えてないですけれども。AIというものがソフトウェアを変えていく。そうです。ソフトウェアが賢くなっていくだろうと。
その当時のソフトウェアってそんな賢くないわけですよ。犬と猫も見比べられないくらいの賢さだったんですけど、当時2012年くらいにディープラーニングっていう、今のAIの基礎の基礎みたいなことができたんですけど、その当時できたことが犬と猫を見比べられるってことなんですよね。犬と猫見比べられるってことで、世の中的には「So what?」というか、それで何ですか?と。じゃあ、それが何なの?になりますよね。見れば分かるじゃんっていうことだと思うんですけど、犬と猫見比べられるってことは、いろんなものを、複雑なものを分類できるっていうことだし、色々予測ができるってことだしっていうことを考えていくと、これはとんでもないことになるなってのは思ってました。
この出来事の進化とその応用について容易に想像ができて、これはすごいことだというふうに確信したんだ。はい。確信しました。じゃあそれを社会に実装していくにあたって、起業するっていうのがいい道なんじゃないかと思ったんです、当時の僕は。
ただ、いきなり起業しても、特に人工知能の分野では結果出せねえなっていうことを思ってたんですよね。というのは人工知能の分野って、いきなりソフトウェアを作るんじゃなく、まずデータを集めて学習させないといけない。ビッグデータがないといけない。そう。ビッグデータがないといけない。ビッグデータ持ってるのは誰なのって言うと、日本の場合はやっぱ大企業が持ってるわけですね。なのでいろんな大企業の中がどうなってるのかを知らないと、このAIってものを社会に実装していく上において、あんまり面白いことできないんじゃないかっていう仮説が当時あったんです。
なるほど。じゃあいろんな大企業の中で研鑽が積める会社ってどこだろうっていう時に、コンサルティング会社って数ヶ月くらいにいろんな会社の中に入って行ってですね、いろんな方と一緒に働けるっていうことで、すごくいい場所なんじゃないかということで、そちらに入りました。
だからそこもすでにゴールから逆算してるんですね。ゴールはAIを社会実装するっていうことが社会的に最もインパクトがあると分かった上で、じゃあそこへの壁が何なのか。それ、ビッグデータを持ってないとそもそもAIを成長させられないから、じゃあ1社で見てもしょうがないだろうと。ビッグデータを数社見なきゃいけない。大企業数社見れる企業としてボストンコンサル。はい。
そんな入社の仕方の人いないですよ。そうかな。ボストンコンサルに入ってコンサル業で社会に価値を提供しよう、ないし、ボストンコンサルの成長性だったり、そういうものを持って入ると思うんですよ。だからもう単純にボストンコンサルに行くっていうのも1個のツールとして入って、1年半でお辞めになる。そうですね。1年半で。すごい労働時間だったらしいですね。
すごい労働時間でした。何時間でしたっけ? これあんまり言うとあれなのかもしれないですけど、0時前に帰れたことっていうのは1、2回くらいしかないですね。1年半の中で。働いてるといろんな格言があって、どんな会社にも3年はいなさいって言うじゃないですか。3年。学べるから。3年いると分かることあるからっていうことなんですけど、私、1日16時間くらいは働いてたので、人の倍ですね。1.5年でもう3年達成してるんじゃないかっていう。
3年理論を自分の中で落とし込んで、倍の時間働けば倍速でいける。倍速でいけるんじゃないかっていう。まずその発想はもうおかしいし、実行したんですよね。いえいえ。この時はたまたま縁もあったんですよ。縁があって同時期にですね、経産省の未踏プロジェクトっていう、そのIT人材を発掘して育成するプロジェクトっていう。落合陽一さんもやってらした。そうです。そこに採択いただいたっていうところで、これもすごいいいチャンスなので。応募したら受かったんですね。そうです。そうです。未踏プロジェクト、お金をもらってそういう先進人材を育てるプロジェクトに入ってた。はい。そうです。
それで石黒浩さんっていうですね、アンドロイドの第一人者の方がいて。自分と? そう、自分とそっくりのアンドロイド作られてる。今、万博でもパビリオン展示されてます。石黒館めっちゃいいんでおすすめなんですけど、その先生にしごかれながらですね、そのあと1年間くらい修行をして、その後会社を作った感じです。
なるほど。そのボストンコンサルで、中は見たいものは見れました? 本当にいい会社でしたね。見たいもの見れたと思いますし、労働時間長いって今はもう解消されてるらしいです。今もう解消されてるのと。エクスキューズがすごい。一応ね、一応ね。別に会社のせいじゃなくて、自ずからやってた。自ずから働いてたんで。なるほどなるほど。今と違って、自ずから働く人を止める制度はなかったので。
なるほど。なるほど。そして起業1社目ですか? BEDORE社っていうのを立ち上げまして。チャットボットの会社ですか? チャットボットの会社です。今でこそChatGPTとかでチャットボットってメジャーになってますけど、この頃まだ誰もチャットボットっていうのはあんまり普及してない頃。そうです。ほとんど普及してなくて、チャットボットって何っていう人がもうほとんどの中だったんですよ。
しかもAI的にもですね、チャットボットができることってそんななかったんですよ。今ほど賢いものもなかったので。なんですけど、ある特定領域に話題を絞り込めば、森羅万象についておしゃべりしましょうは無理なんだけど、ある領域に絞り込めば、狭い領域では一定会話が成立するみたいな感じだったんですよ。これとコールセンターの受け答えっていうのはものすごい相性いいなと。つまりコールセンターに電話して森羅万象について雑談すること、そんなないわけです。めったにないです。大体聞くこと決まってます。聞くこと決まってる。これ返品してほしいんだけどとか、パスワード忘れたとか、そういうやつですよ。そういうものは当時のAIでも工夫すればちゃんと応答することができたんですね。
ここがポイントなのが、チャットボットができることっていうのが限られてるってなった状態で、コールセンターのサービスならできるって、ここの線をつなぐところがポイントですよね。はい。これはいろんな試行錯誤しました。お友達ボットみたいなのを作ったらいいんじゃないかとか、いくつかやった中で、コールセンターがやっぱり本当に課題が解決できるぞってなって、じゃあそこにもう全力で行こう。つまりチャットボットを使うことがスタート地点で、何なら使えるだろうっていうふうに色々と探った結果、行き着いたのがコールセンター。そうなんですよ。そういうルートだったんですね。
やっぱり試行錯誤しないと見えてこないそのつながりとかって結構あるじゃないですか。実はこの技術ここに使えるぞって。そういう意味では色々、最初わけも分からず試行錯誤しまくるっていうのを当初やってたんですけど、それはよかった。
失敗したサービスの1つがお友達サービス。そう。お友達サービスとか、あとは何やったかな? でもお友達サービス、万能なエージェントみたいな、つまり何でも聞いていいですよっていうふうに。秘書みたいな。今で言うSiriとかね。ChatGPTだ、まさに。そう、ChatGPTも目指した瞬間あったんですけど、それもちょっと全然無理だ。無理だと。でもコールセンターならいけるぞってなった。
ただこのコールセンターとチャットボットのビジネスがすごいシェアになったんですよね。すごいシェアになりました。当時はもう本当に謎の企業だったんですけど、2022年くらいかな、21年くらいの段階では、コールセンター市場で市場シェア1位まで行きました。シェア1位の会社を起業1発目で作った。そうですね。年商が10億円ぐらいいったんでしたっけ? 10億円ぐらい行きましたね。はい。
普通ならですよ。これで多分人生がエンドロール流れるような、これが始まりに過ぎないんですよね。そうですね。これを代表取締役を他に変えて、違うこと始める。はい。2社目を作りました。起業したらその企業と共にずっといるっていうタイプの起業家の方もいると思うんですけど、いわゆる連続起業家的な、作って常に任せて違うことやるっていうのは、どういうメンタルだったんですか?
やっぱりこれは人間、得意不得意があると。私の場合って、この0から1フェーズは多分得意だし、自分でやっててもすごく乗れるというか、楽しいわけですよ。それが1から10フェーズとか10から11フェーズになると、またこれはそこがより楽しい、そこがより得意な人っていうのがいるわけで。これは私の場合は一定そこが変わっていった方が、むしろ企業としても安定するし、自分もやりたいことができるし、お互いにとってWINなんじゃないかなと。
それはもう起業した1発目から確信してた?
私がやりたいのはこの企業を永続させることではなくて、また違うサービスを考えることをやりたい。そうですね。ただ、その拡大再生産の順調なサイクルに入るところまでやるってのは、すごい大事なことだと思って。つまり、人に渡して潰れたら全く意味ないわけです。自分がやろうとした問題が結局解決できないっていう。なので、渡せる状態を作るっていう、そこまでしっかりやりきるっていうのは大事だと思ってます。
すごいことです。それを2社目、MNTSQ社を作り、それがAI×法務。そうです。この法務っていうのは、弁護士の先生がやってる仕事ですね。契約書を見るっていうような仕事です。この契約書と当時のAIっていうものの相性もめちゃくちゃ良かったんですよ。すごいことですね。
当時、2018年とか19年の頃って、まだ全然今のChatGPTと比べてダメだったんですけど、ただ契約書って、ものすごい綺麗な日本語で書かれてるんですよ。フォーマットは決まってるんですね。決まってるんですよ。弁護士の先生が「てにをは」まできちんと直してますし、あとは第1条、第2条っていう意味の塊に分かれてる。解釈の余地があってもおかしいし、ちゃんとブロックごとにまとめられてるんだ。そうなんです。なのですごく綺麗な、文章の中ですごい綺麗なデータなんで。
AIに優しい日本語だった。優しい日本語なんですよ。なるほど。あれ人間には優しくないですけどね。人間には優しくないんだけど、AIには優しいし。究極のロジカル文章だ。そうなんです。
しかも弁護士の先生って単価ものすごい高いわけですよね。時間もすごいですね。時間もすごいわけですよ。時給がすごいと。なので、弁護士の先生が少しでも楽ができるんであれば、経済的にはすごいインパクトがある。コストダウンできますからね、企業は。そうなんです。弁護士の先生的にも、機械ができるところは機械にやってもらった方が良くて、むしろお客さんと交渉するであるとか、より深いコミュニケーションできるところに時間を使いたいわけです。確かに。っていう中で、できることと弁護士がやりたいこととビジネス的なインパクトが綺麗にはまったところがあって。
ここに、2社目を作る時に至ったのは、チャットボットを作った上で、あと何できるかなって模索していったんですか? やっぱり人間の言葉を結構分かって、結構何かを代わりにやってくれるっていう能力がつき始めてた時期なんですけど、この能力が生きる現場ってどこなんだろうなっていう。この発想がすごい。それをいろんな人と議論してたんですよ。
当時、共同創業をした弁護士の先生がいるんですけど、彼とディスカッションしてる中で、今こういう問題を実は抱えてるんだと、弁護士業界は。なるほど。それを、とりあえず解決できるか、2ヶ月くらいでテストしてみようって言って、データをもらって、テストさせたんですよ。そしたら意外とAIがいい結果を出したんですよ。なるほど。じゃあこれいけるねっていうことで生み出しました。たまたま共同創業者の方が弁護士だった、その方の悩みを聞いたから思いついたビジネス。そうです。
2010年代にM-1、1回出てます? M-1、1回出てます。あれも友達がNSCに入りたい、でも相方が見つからないっていうのと、ペッパー君が作られたのをドッキングして課題解決したんですっけ? そうなんですよ。当時僕はペッパー君にはまってたんですよ。そのペッパー君を袖で操作するんでしたっけ? そうです。袖でMacBookを開いて、当時のペッパー君は自動操縦できないんで、ポチッとこのボタンを押すとこの動作をします、みたいなのが全部プログラムで。
ペッパー君が主にボケ役をやるんですか? ペッパー君をボケ役にしました。「なんとかだよ」「なんでだよ」って人間がツッコんで、またボケてっていう。これを操作する。それを操作する。つまりそれって、身近な課題解決と自分の強みであるテクノロジーを、とにかく掛け合わせていってる。はい。だから何か業界に対する思い入れがあるのではなくて、それがチャットボットである、M-1である、法務であるっていうのは、目の前に課題が現れたからってことですか?
そうですね。そういった要素は強いと思います。やっぱり身近に出てきた課題に、すごい気持ちが湧いてくるんですよね。その気持ちが湧いてくるって何ですか? つまりこれを解決したいとか。したいと思ってくるわけですよ。やっぱり身近で困ってる。例えば、NSCに行った高校の同級生が相方がいないって、解決したくなる課題じゃないですか? いや、解決は普通できないと思いますよ、普通の人間なら。ここにロボットがあるよと、ペッパー君と一緒に組みなよって。
テクノロジーで全て解決してしまう。これがいわゆる、安野さんがテクノロジー×大学の後の、テクノロジー×ビジネスの時代でしたよね。つまりBEDORE社、MNTSQ社、この2つはあくまでもテクノロジー×ビジネスという安野さんの側面。そしてその後、テクノロジー×文学の世界に。これが2019年、星新一賞の『コンティニュアス・インテグレーション』。はい、短編の賞をいただきまして。まさに最初に「星新一好きで読んでたんですよ」から、賞をもらうっていう。そうなんです。もう本当に感慨深い。
理解を超えてくるのが、普通2社起業したら3社目を起業したいってなる流れになるかなと思いきや、ここで小説に応募する。書くっていうのは、一体どういう思考の流れで小説を書いていたんですか? 小説を書いたきっかけは、元からやっぱりSF的なものとか、テクノロジーを使った未来の社会みたいなのを考えるのがすごい好きだったんです。自分の中で、そういう意味ではスタートアップを作るのとSF小説を作るのは、かなり思考過程が似てて。ちょっと待ってください。そこが分からない。企業を作るのと小説を作るのが似てた。
似てるんですよ。これは、こういう技術があった時に未来ってどうなるんだろうなっていうのを考えるんですよ。そうか、未来予測がある。そうなんですよ。その時に、こういうふうな世界観だったら、こういう主人公はこういうふうな感情を抱くだろうな、みたいな世界を想像していくわけですよね。なるほど。これでSFって作っていくんですけど、スタートアップも全く同じで、例えばこの人間の契約書を読める技術があった時に、世界はどうなっていくんだろうな。弁護士ってこういう働き方じゃなくて、ああいう働き方になるはずだよなと。じゃあ、こういうソフトウェアがあるとみんな使うんじゃないかな。
すごい。まず根本に未来予測があり、その未来予測からサービスを作ればビジネスになり、ストーリーを作ればSF小説になるっていう。まさにそういうことです。未来予測がコアなんだ。だと思いますね。やっぱり未来に関してすごい興味があるんですよ、僕。そういうことなんですね。
この『コンティニュアス・インテグレーション』。コンティニュアスっていうのは、コンティニューしていく、継続して。継続的、連続的なね。連続的な。インテグレーションってのは統合する。統合、完成していくっていう。これプログラミングとかソフトウェア開発の用語なんですね。そうなんですよ。今のソフトウェアって順番にバージョンアップをしていく。たまにバージョンアップするんじゃなくて、連続的にバージョンアップしてるんですよね。なので皆さんが使ってるYouTubeとかも、1日100回とか200回とかバージョンアップし続けてるんですよ。ちょっとだけこの機能が変わってるとかで。そうなんですね。そうなんですよ。
このやり方をスポーツ選手に置き換えてみたらどうなるんだろうっていう発想で書いた短編がこちらです。未来のスポーツ選手が、スポーツ選手自体がソフトウェアであるかのように、連続的にバージョンアップをさせられるようにトレーニングさせられてるっていう世界観の小説で。そのスポーツ選手がやってるスポーツっていうのも、バーチャル世界でのスポーツ。
今のスポーツ選手って、オリンピックとか世界陸上とか、そういう節目節目に合わせて仕上げていくじゃないですか。そうですね。これ昔のソフトウェアと似てるなと思って。なんですけど、もし仮にいつ本番が来るか分からないようにすれば、毎日毎日、疑似的に今日が本番かもしれないし、明日が本番かもしれないってなってると、毎日毎日ちょっとずつ積み上げていくじゃないですか。確かに。っていうふうに、選手のいる環境とか認識を変えてあげるっていう、そういう装置があるっていう話になってます。
これが面白いのが、いわゆるトレーニング方法もどんどん科学的になってるし、マシンもできてるしっていう中の、さらに未来でトレーニングしたそのデータのフィードバックとかがすごい細かくなって、やっていくことによって人間をソフトウェアのアップデートかのように捉えるっていう、まず発想。システムの一部みたいなね。原点がありつつ、この物語の最終的なテーマというか、本質的なテーマが、とはいえ人間の意思っていうものが、システムに作られてるソフトウェアのような人間にもあるのかないのか、みたいな哲学のところに落とし込まれてます。すごい、めっちゃ読んでいただいててありがたい。嬉しいです、本当に。
それがただ未来を予想するだけじゃなくて、本質的な課題設定の先にある安定的な倫理観、この人間とは何かを見つめた上で、そこに対して非常に真っ当な精神を持っているっていうことが、この物語作りからうかがわれるっていうところに、私は一貫性を見たんですよ。嬉しい。そう読んでいただけるの、めっちゃ嬉しいです。
というのも、やはりこれだけ卓抜した感覚とか能力がおありの方って、ある意味人間的にどこかいびつだったり、どこか歪んでるところすらも芸術性として提示する時があると思うんですけど。あくまで真っ当な、人間とは何かっていうところと、こうあるべきじゃないかっていう提示するものが、穏やかで安定してる気がしたんですよ。その特徴がさらに見て取れるのが、2021年、ハヤカワSFコンテスト優秀賞を取った長編『サーキット・スイッチャー』。こちらの設定も面白いですよね。ありがとうございます。
なんと自動運転が普及した近未来の日本。2029年の東京が舞台でして。これ今からすると4年後ですけど。もう4年後ですか。4年後は近いですけど、ちょっと難しいかなって感じですけど。この自動運転が完全普及している中で、アルゴリズムを開発した社長が主人公なんですよね。そうです。そしてそれが事件に見舞われる。突然カージャックされちゃうんですよね。車の中に人質に取られちゃうんですよ。その犯人が要求してることの中に、その社長の罪を開示せよ、オープンにしなさいっていうのを。恨んでるわけですよね。はい。
だから自動運転がいい未来をもたらすだけでなくて、新たなるトラブルももたらすという予測のもとに、そのトラブルで恨みを買った人が社長を拘束するっていうところから始まる。自動運転車の中に拘束されて、ずっと首都高を走らされ続けるっていう、そういう話になってる。まず首都高が封鎖されて、その首都高を人質を取った自動運転車のみが回遊してる中から、その動機を探っていくと。そうです。
この自動運転とは何なのかっていうのと、物語の概略でいくと、アルゴリズムがどこか恣意的に調整されてるんじゃないかっていうところを、ごめんなさい、言っていいですか? 言っていいです。犯人が言った上で、そのアルゴリズム開発者はその意図はないと。だけど実は、それを納品した自動車会社が、ある事情でそこに調整を加えてたと明らかになり、それは問題だよねという結末に向かっていった上で、最終的な落としどころで言うと、調整したアルゴリズムっていうものも含めて、どういう調整かを公表してオープンにした上で、国民がそれを選ぶっていう。そうです。オープンソースエンディングです。
だからここも一貫してますよね。確かにそうですね。要するにテクノロジーはオープンソースであるべきだし、それを国民が選んでその責任を取ると。さらにこの『コンティニュアス・インテグレーション』との共通点で言うと、自動化されたアルゴリズムであるとか、人間を離れたコントロールであるとかっていうものが普及した社会においても、人間の選択というものはどこかで責任や行動の変革があるよねっていう。そんな普及した未来の中における人間とは何かっていうものが、この2作においては共通するテーマですよね。
すごいですね。本当ですか? すごいですよ。感動してます。私が感動したんです。私は読者です。作者です。桁が違うんですよ。私はモナリザを見て感動してるだけ。モナリザを作ってる人。だからこの2作に共通するものは、卓抜した未来予測と、リアルな、そこへの付随する問題とかも知った上で、そこに人間を見る哲学がまっすぐある。それは一貫してる。だから信じがたいことがこの2作で行われてて。ありがとうございます。
この文学を作った人が、ベンチャー2社を完全に軌道に乗せてる実績のある人。先ほど申し忘れましたけど、MNTSQ社はAI法務で三菱商事さんとか日立製作所さんとか、ガンガン入ってます。ものすごい大手企業さんに納品もしてるっていう。ここまでの実績を作りながら、ここまでの文学作品を作るということの時点で、私はこれはもう人類史上稀なことだと思ってるんですよ。ありがとうございます。本当に嬉しい。その上でですよ。
さらに超えてくるのが、2022年、ハヤカワSFコンテスト優秀賞を取った翌年に、イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートに入るんですよね。そうですね。美大なんですけれど。ただの美大ではなくて、11年連続世界1位の認定を受けているアートのトップの学校に。これ何で入ったんですか?
当時、イノベーションっていうものに対して結構興味があって、イノベーションとデザインというものの考え方って結構近いんじゃないかという議論があるんですよ。なるほど。デザインとイノベーションの距離が近い大学ってどこだろうって探した時に、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートっていう大学があるんですけども、よし願書を出そうと。願書を出したら「あなた未経験でしょ」と、大学は工学部なので。「アート畑、デザイン畑じゃないでしょ」と言われたので、「じゃあこっちのコースに行きなさい」って言われたのが、アート&デザインコースっていう、未経験の人向けのコースがあったんです。
じゃあまずそっちに行こうかと思って行ったら、意外とデザインの要素があんまりなくて、アート一色の。アートとデザインも結構違うんですけども。そうか。だから元々はイノベーションとデザインの距離について考えた上で思考したんだけど、入ったらアートだった。入ったらアートだったんですよ。なるほど。
しかももう1個びっくりしたのが、未経験の人向けコースって言われてたから、周りも未経験の人ばっかりなのかなと思ったら全員経験者なんですよ。全員、各国のアートスクールを卒業してきたアートエリートみたいな人たちがたくさんいて。つまり未経験の人も入れる間口はあるけど、普通は入れない。なので絵が描けないの、僕だけだったんですよ。スーパーアートエリートたちに囲まれて、本当の未経験者が1人入ったんだ。1人紛れ込んでいて。ちょっと待ってください。まずそれが入れたのは何でなんですか?
入れたのは何でなんでしょうね。でも過去の2社でUIデザインとかUXデザインっていう、ソフトウェアのデザインっていう文脈で経験があるんだっていうアピールをしてたので。そうか。つまりアートじゃないけど、これもデザインですよねっていうプレゼンテーションがばっちりはまったんだ。はまったんだと思いますね。その時に文学の経歴も入ってる。文学の経歴も言いました。そしたら入れたんだ。そしたら入れました。でも絵が描けない。僕だけ。じゃあどうする?
もうやばかったですよ、だから。じゃあみんな絵を描くんですか? びっくりするくらい隣の子のノートの落書きがうまいんですよ。すごいなと思って。だって世界1の美大だから、もう本当に、東京で言うと芸大のトップみたいな人たちが入ってるわけですよね。そうなんです。「あれ、絵描けないね」って言われてね。「あなた描けてないね」と。描けてないねと。最初描いたんですか、一応? 一応こうやろうとするんですけど。そんな無理ですよね。いきなり素人さんだよねと。素人さんです。
それで画像生成に行く。そうなんです。これは本当にたまたま間に合ったんですけど、間に合ったっていうのは、僕の美大卒業に技術の進化が間に合った。そんな人間いないんですよ。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに入った後で、その救済するテクノロジーが追いついたんですね。追いついたんです。夏に画像生成AIが1つ、ブレイクスルーを起こして。ローンチされたんだ。ローンチされたんですよ。Stable DiffusionとかMidjourneyってやつがね。
Midjourney、Stable Diffusionでアートが作れるよねってなった時が夏だったんだ。ちょっと間に合ってないですよね。ただ5月からのコースだったんで、3ヶ月くらいどうしようかなと思ってたら、8月に途端にやってきて。渡りに船が来たんだ。このど真ん中にいると思って、その後はもう、画像生成AIをどのように使うと新しい表現ができるのかっていう、一本足打法で卒業まで行きました。
ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業せよという命題に、Stable Diffusion、Midjourneyというツールが渡されて、できた作品の1つが生成時計。そうなんです。生成時計っていう作品がございまして。これ、ある意味、画像生成AIで描いた絵自体は、それをアートというのはかなり難しいと思ってて。ある意味プロンプトさえ書けば、誰でもそれなりのものはできますもんね。ただ生成AIによって新しく人間が表現できるようになったものっていうのは、実は無限にあると思って、そのうちの1つが生成時計なんですけど。
これ生成時計っていうのは何かというと、パッと見ただの絵なんですよ。1枚の普通の絵。普通の絵で、街の風景が描かれてるんですけど、でもよくよく見ると錯視画像になってまして、文字盤があって、何時何分っていうのが見えるようになってるんですよ。光と影のちょうどいい都合によって。例えばその1分1分のやつを早回しすると、余計分かりやすいですね。余計、このくるくるって回ってる時計が分かるんですけれども、それを作るっていうのは今までの人間は無理だったんですよ。
つまり錯視画像を1分に1回描くっていうのは不可能である。なんだけれども、AIの手を借りると1分に1回ずつ生成されて、もう2度と同じ絵は現れないというものを出し続けることができるんですよね。それって時間の感覚を考える上で、めちゃくちゃ重要なことだと思ってて。時間って近代の概念の中で現れてるわけですけど、その近代の時計って、今日の1時も明日の1時も全く同じシンボルで、同じ形をしてるんですよね。
なんですけど実際の時間って、すごい一回性があるものじゃないですか? 2度と戻らない。2度と戻らない。今日の1時と明日の1時は全然違うわけですよね。違う。っていう、近代の時計が剥ぎ取ったものって、その一回性だと思ってて。それを改めて思い出せる時計っていうものを、生成AIを使うことができれば作れるんですよ。っていうのを作ったっていう感じです。
私の理解を超えてくるのが、まずですよ。Stable DiffusionとかMidjourneyを見た時に、プロンプトをうまく入れたらよりいい絵ができるねというツールであって、逆に言うと絵が描けない人もそれなりの絵が作れるね。そこまではいけると思うんですよ。それがそうじゃないっていうところまで作れるんだっていう発想があった上で、その哲学性まで込めて、その表現自体がアートじゃないですか?
時とは何かっていうものが、1周回って2周回っても同じものっていうのしか今までできなかったけど、それをぶっ壊して1枚ずつ作れるっていう。このアートを作ることのスピードの変革と時間感覚との変革を1つの作品に落とし込むアートって、もうアートを作ってきた人のやり方だと思うんですよ。でもアートを作ること自体が初に近い経歴ですよね。そうですね。ビジネスと文学をやってきた人が、何であのツールでそれを表現できちゃうんですか?
何でと言われるとあれですけど、でもやっぱり1つは、技術があった時に、それがどのように使われていくと人間の可能性を広げるんだろうかっていうことを、ずっと考え続けてきたわけですよ。関心があったんですよね、私は。だからつまり、このテクノロジーをスタートに。確かに、それは一貫してるんだ。なので絵を出すというだけではなくて、これによって広がる人間の表現って何だろうっていうところに、すごく関心があったんですね、私は。
つまりテクノロジーをスタートに、人類がどこにたどり着くんだろうとか、何が便利になるんだろうっていう想像力が圧倒的に優れていて、それをもってしてビジネス、物語だけではなく、アートの地平において何が新しくなるだろうっていうことをフォーカスしたら、これができた。そうです。言葉で言えても無理ですよ、人間には。
その上で2023年、アジアデジタルアート大賞展FUKUOKAでも賞を受賞なさってる。これが幻視影絵。そうですね。幻視影絵というものを作りまして。これも影絵をAIがっていう組み合わせですよね。これどういう作品かというと、スポットライトが置いてあって、ここに丸くライトが光ってるんですけど、誰でも影絵を作ることができますね。これはできると。作ると、その影絵をAIが次に解釈するんですよ。
解釈して「この影って要するにこういうことですか」っていうのが、輪郭は変わらないんですけど、細かく描いてくれるんですよ。そこから、元ネタに。そうなんですよ。これはすごく面白くて、面白いのは何かっていうと、例えばキツネを作ったつもりでいるじゃないですか。キツネを作ったつもりでも、全然違うカエルとかができたりするんですよね。
このAIとの言葉を介さないコミュニケーションをできるツールであり、この言葉を介さないコミュニケーションの中で、いかに人間の見ている世界とAIの見ている世界の齟齬があるのかっていうことを体感できるんですよ。だから絵の伝言ゲームで面白い瞬間って、誤解があった時だったり、ディスコミュニケーションがある時に「そっちで取った?」みたいなのをAIとやって、即時にそれができ、しかもクオリティが高い。そうなんですよ。このコミュニケーションがずれるっていうところも含めてアートにしてる。
アートにしてる。これ子供とかでもできるわけですよ。3歳の子供がこれを見てすごい遊んでるんですよね。確かに。だから参加して遊ぶこともできる。参加して遊んでる。こういうツールっていうのは今までなかった体験、まさに技術があることによって初めてできるようになった体験なので、これもすごい私のテーマですね。
だからAIを通じて、テクノロジーを通じてビジネスをイノベーションし、文学をイノベーションし、アートをイノベーションした人が、ついに政治に入った。それがそのデジタルアート大賞の翌年の東京都知事選。ちょっと間、狭すぎませんか? 全経歴の飛び移り方が、その翌年なんですよ。大体5年ぐらい何か紆余曲折を経て結果を出すんですよ。何か結果を出した翌年に他ジャンルで結果を出してるのが、その経歴としておかしいですよ。
これ2024年に東京都知事選に出て、ここに入ってくるのが15万票。5位になる。そうです。それでブロードリスニングによって全く新しい選挙活動を17日間、24時間やって、手応えを得た上で翌年2025年、新党結成し、参院選に初当選なさったのが今。今でございます。これが、私としては本当にこの経歴をただなぞっただけですよ。ですが、これが正直、大げさではなく、とてつもないことなんだということを、私は日本の皆さんにお伝えしたいんです。
私は何が嬉しいって、安野さんが日本に生まれたことです。そんな、恐れ多いです。マーク・ザッカーバーグであり、ラリー・ペイジであり、そういった人たちがアメリカに集中して生まれたことっていうのが、我々にとっては非常に口惜しかった。なるほど。そんな20年があったと思うんですよ。0年代、10年代、20年代。何で天才がアメリカや中国ばっかりで生まれるんだと。日本でそういう人はいないのか。アリババを作ったような人とか、そういう人たちは生まれないのか。ここに生まれた。恐れ多いですけど。
しかもですよ。これが、そのジャンルのまたぎ方が想像を絶してきてる。要するにレオナルド・ダ・ヴィンチにおいては、それは芸術と自然科学でしたよね。そしてアメリカのベンジャミン・フランクリンにおいては、自然科学と政治だった。確かに。避雷針を作った人が独立戦争の起草文を書いてる。これ2ジャンルですよね。ビジネスと文学とアートと政治。4ジャンルは、これは私はダ・ヴィンチに相当するんではなくて、ダ・ヴィンチとベンジャミン・フランクリンを超えているとしか言いようがないですよ。
ただお話ししてきた通り、これジャンルとしては分かれているんだけれども、実は頭の働かせ方としてはかなり僕の中で一貫したことをやっていたつもりなので、実は一芸なんですよ。そうですね。テクノロジー×〇〇。テクノロジーを通じて未来ってどうなるんだろうかというのを考えて、アウトプットのやり方がビジネスなのか、小説なのか、アートなのか、あるいは政策なのかというところで4つ変わっているという。アウトプットのフォーマットはそんなに問わず、この思考だけを僕はすごい、自分は好きでずっとやってる。
つまりテクノロジー×〇〇がこれだけ優れていて、ビジネスの世界で圧倒的成果を出したのであれば、そこに安住するのが人間なんですよ。アートの世界で出したのであれば、そこに安住するのが人間です。それを超えていっている。つまり小説で『サーキット・スイッチャー』、これ解説文まで読みました。解説文でも絶賛されてる。これは令和がどれだけ長く続こうと、この小説を超えるSF小説は出ないだろうとまで絶賛されてる。そこまで行ったら普通、SF小説家として生を全うしようとする。
それはなぜかと言いますと、人は何のために生きているのかで言うと、承認されたい、お金を稼ぎたい。そういった誰もが共感できる欲望のために生きていることが大半だと思うんです。ですが、このビジネス畑を飛び越えた時に、その人生の目的はとうにお金ではなくなっている。その上で文学の畑を乗り越えた時に、それは自己承認欲求や皆にちやほやされることではなくなっている。その上でアートまで成功した上で、政治というこの最大のブラックボックスに飛び込んでいっている。一体何が目的で生きてるのか。私はそこを聞きたいです。
私の中では結構、これソフトウェアエンジニアの習性が強いんじゃないかなと思っていて。つまりここに見つけたバグがあったとした時に、それをもう解決したくなっちゃうんですよね。なので課題を解きたい、解決していきたいってなってるうちに、やっぱり一番大きな課題って何かって考えたら、政治の課題ってものすごい難しいし、ものすごい大きいし、私たちの未来がかかってるわけです。なので、この問題を解決しないといけないだろうと。
しかも政治っていうものを解決する時に、今、民主主義がもう行き詰まり始めてるっていうのが世界各地、これ日本だけじゃなくて世界各地で起こっているし、そういう議論がされてますけど、私はそこの1つの大きな解決策になり得るのがテクノロジーだと思ってるんですよ。テクノロジーを使って、今までできなかった、ブロードキャストじゃなくてブロードリスニングをするとか、そういったことをやっていくことによって、この大きな問題を解決できるんであれば、それをやらない理由がないよねと。
この「テクノロジーで民主主義をアップデートする」っていう言葉だけを見ると、普通のことにも聞こえるんですけど、直線でこの人生のキャリアの経歴を見ていて、解決の仕方を見てくると、私が絶望感を得ていた日本の政治の政治資金の問題と、世襲制が跋扈するこの参入障壁の高さの問題が、解決できるような気がしてきたんです、私自身が。それが衝撃で、そうなんだと。テクノロジーでこの政治を、国を変えることができるというのが、謳い文句ではなくて実感として感じられるほどの道のりを歩いてきている。
というのが圧倒的な凄さ。そしてそれをやってる人間が今、35ですか? 34ですね。34歳であるということの衝撃で、私は震えている。私は本当に、そんな人がお金を求めてなくて良かった。ある意味テックジャイアントの創設者たちは、社会的課題に向き合った人ばかりじゃないじゃないですか。そうですね。無限にその資本を拡大しようとしてる人の方が多かった気がするんですよ。これだけのことをやりながら、社会的課題を真正面から正攻法で解決しようとしてる。これが私はとてつもないことだと思ってるんですよ。本当にありがたいです。とてつもないことが起きている。
こんな人材がいるっていうことを、私は気づくのが遅くて、本当に申し訳なかったと思うんですよ。なぜ都知事選の時に安野さんを見つけて、もっとそれを知らしめることができなかったのか。参院選の時に知らしめることができなかったのか。私自身が、言ったらメディアの限界、言ったらその参入障壁の限界である、主要な候補者しか教えないと。曇りなき眼で全候補者を見てないじゃないかということに、私も囚われていたと思いました。その上でここまで来て、私ようやく自分のチャンネルで、この人がいかにすごいかっていうことを丁寧に説明することができて、本当に私としては遅ればせながら皆さんにお伝えしたいなと思った次第ですね。
その上でここまで来た上で、これからのこと。これからのこと。お時間ももうかなり押してしまいました、すいません。これから今まさに考えてるのが、25年に関しては衆院選ですよね。この総裁選でいろいろと話題になってますけども、その後に来るであろう衆院選でより大きい結果を出し、かつ2027年に統一地方選挙、こちらも視野に入れてやってる。私が聞きたいのが、そこの具体的な戦略とともにですよ。その先まで聞きたいなと思ってしまってるところがあるんですよ。
それは、安野さんというのは先ほどのバグを発見して課題解決をするということができたのであれば、速やかにその地位を誰かに明け渡し、1を10にする、ないし10を11、12にするって人に明け渡して次に向かうっていう人だと思うんで、今見えている政治的課題が解決できた後に、何をしていくんだろうっていうことまでちょっと気になってるんですよ。それってもう見えてるんですか? 見えてないですね。見えてない。全く見えてないです。
私、このキャリアも出していただいてましたけど、1年先のことが読めている時期ってほとんどなかったんです。なるほど。もうその場その場で、これに全力で投球するっていうのをずっとやり続けてきた。だからこの課題が解決できるのがいつか分からないし、解決できたら次に何をしたくなるか分からないっていうことですよね。そういうアルゴリズムではある。だから次の次に関しては分からない。ただ今回、6年参議院の任期があるので、そういう意味では6年後まではもう決まってます。なるほど。外部的な要素は分からないけど、自分の行動指針、プロジェクトははっきり決まってる。
大きく解決するべき政治資金の問題。私ここすごく気になってるので、政治資金の問題のすごく大きいところで言うと、ごめんなさいね、政治資金で言うと、政党交付金がありながらして政治資金パーティーが行われてしまってる現実があるじゃないですか。ここの問題。政治資金パーティーという1つの現象と、もう1つは租税特別措置法。これによって、全く公表できていない、特定業界、特定企業に関して税優遇ができる仕組みになっている。この2つが、私は政治における根本だと思ってるんですけど、この2つを先ほど開発中の「みらい まる見え政治資金」、これによって解決できるんですか? それともそれをステップに、また違う解決のアプローチがあるんですか?
これだけでその2つを全てっていうのは難しいと思うんですけれども、着実に有効な一歩になっていると思います。まず「みらい まる見え政治資金」で何をやるかというと、我々の政治的な資金の流れを可視化して、こういったやり方ができるんだよということをしっかり世の中に示し、そのやり方をオープンソースにすることで、他の政治家もやりたければいつでもできるようにすると。そこですね。
それによってどれくらいの、政治パーティーも私は、そこが裏金の温床になっているっていうことが問題なのであって、政治資金パーティーをやること自体は、一定そういった資金調達のやり方があるんだろうと。我々はまだやったことないんですけれども。なるほど。入り口ではなく出口の方に問題があるんだ。つまりそこで例えば現金の授受をして、それが記帳されず、帳簿の中に残らないっていう、この構造が良くない。まさに現在の裏金問題ですね。ほとんどそこから来ている。不記載問題ですね。そこから来ていて。
これはやっぱり入りの部分をしっかりとシステムと繋げる、電子化していくっていうことをすることによって、かなり防げると思います。なるほど。つまり現金の授受だから、そこで数万円抜いてても分かんないんですけど、例えばPayPayであるとか、振り込みでもいいですし、クレジットカードでもいいですよ。それで全部記帳できる形にして、そのシステムを通すと、それがもうどんどん出ていくような形にすれば、裏金を作るってなくなっていくわけなんですよね。
なので私は現金化比率を上げていく、そしてシステムと連携した上でどんどんオープンにしていくって、この構造があるとですね。現金比率を下げていく? あ、現金比率を下げていく。現金じゃない部分はシステムで捕捉できるようにする。そして可視化するんだ。そうです。そうすれば政治資金パーティーをやめさせるのではなくて、政治資金パーティーで得たお金を裏金にするということをやめさせられる。それは素晴らしい根本解決ですね。なるほど。つまり透明化で、そこも解決できる。
租税の方は、これは政治資金ではなくて国の資金なので、ここはまた別のやり方が必要なんですけど、本当に租税の話も、日本って世界で見てもダントツで透明性指数が低い方なわけですよね。なのでそこに関しても、やっぱりどんどん公開していかないといけないと思いますね。そこに関しても結局、公開する、透明化するツールと仕組みができるよ、なぜ使わないんですかって、作った上で見せて、国民的圧力をかけて採用させることで解決できる。そうです。なるほど。面白いですね。
あとは参入障壁の問題もそうだと。参入障壁の解答は何でしたっけ? 参入障壁の解答はかなり難しくて、まだ我々も解を持ってない。ただ、新規参入した人たちがしっかり結果を出すっていうことは、1つプラスになるので、間違いなく。だからまさに今、衆院選に向けて候補者を募集し、その上でそういう人たちが結果を出していくっていうことが、まさに参入障壁を少し和らげることになるわけだ。おっしゃる通りです。
じゃあ、この候補者募集に関してもうちょっとだけお付き合いいただきたいんですけど、募集している人員に関しては、まずビジョンに共感できる人で、行動規範に共感できる人で。さっき言った5つですね。そうですね。経験、スキルで貢献できる人。ここら辺なんですけど、まずビジョンが「未来は明るいと信じられる国へ」。すごくいいなと思ってるのが、チームみらいさんの発言も言葉選びも全てポジティブですよね。
そうですね、確かに。何か恐怖を煽ってネガティブな要素をなくすというよりは、基本的に具体案とかポジティブな要素をやってる。明るい感じがするんです。ここにも明るいって書いてある。私は何が大事かって、将来が明るくなっていくとみんな信じられること。これができるかできないかで、ものすごい変わると思うんですよ。今の特に若年層は人口動態的にも少ないからこそ、無理ゲーじゃんとか、シルバー民主主義に対する諦めとかってありますよね。ありますね。それに対するアンチテーゼってことですね。そうです。
未来が明るいんであれば、今のチャレンジっていうのが肯定されやすいんですよ。つまり未来が明るいんだったら、今ちょっとリスクを取ってみよう、チャレンジしてみようと思えるわけですけど、未来が暗いと思ってたらどんどん保守的になるわけですよね。保守的というか、チャレンジをしなくなってしまうわけですよ。確かに。私はこれが実は気持ち的にも経済的にも、すごく重要なビジョンなんだと思ってます。
まずビジョンがある。その上で行動規範が先ほどの5つの話があった上で、じゃあどんな人っていう中で、経験やスキルで貢献、いろんな経験があっていいと。イメージ的にはエンジニアの方ばっかり集めてるんじゃないかなんて言われることが多いらしいですね。はい、そうなんですよ。私がソフトウェアエンジニアだったということもありますし、前回の参院選でも。
4、5人くらいですね、ソフトウェアエンジニアの方がいたので、そこが色として強く見られてる所はあるんですけど、我々が集めたいのはやっぱり新陳代謝。今まで政治の世界に入ってこなかった人が入ってくることによって、私がテクノロジーでやってるみたいに新しい発想を持ち込んだり、新しいアイデアを実際に実行してくれるようになるわけですよ。ある意味そこはエンジニアだけではなく、いろんな方に来てほしい。
なるほど。今まで政治の世界と縁遠いと思われていた業界の方にこそ、ちょっと考えてみてほしいと思います。
なるほど。その上ですよ。年齢制限とかあるんですか?
年齢制限ないです。
35.5歳でしたっけ? はい。その若さも売りにされてたと思うんですけど、別に50歳でも40歳でも?
50歳でも40歳でも是非応募していただきたいです。ある意味我々って、別に経験を積んでいるから無条件でいいねと、あるいは経験を積んでないから無条件で悪いねとか良いねっていう判断をしないだけであって、どんな年代の方にもチームみらいとしてぴったり合う方っていらっしゃると思ってるので、私は。なので是非いろんな年代の方に手を上げていただきたいなと思います。
9月中の書類提出者の方から優先的に見る。そうですね。でも常時募集ではあるんでしたっけ?
はい。常時募集をしてるので、あれですけれども、9月中に応募していただくと、その方を早めに一旦見させていただくことをするので、是非9月中に応募いただけると嬉しいなと思ってます。
ということは衆院選もいつ来るかわからないぞっていう。いつ来るかわかんないですから。緊張感が今高まってますね。来るのか来ないのかもわからないです。これ参院選の作戦と衆院選の作戦、違うとこありますか?
全く違うと思いますね。ある意味参院選は、何もなかったところ、知ってる人が0だったところから2ヶ月でどれだけ知っていただくかっていう戦いをしてたんですけれども、今回は一旦150万人は1回投票していただいた中で、さらにそれをどこまで広げられるかっていうことなので、ここは全然戦い方は変わってくるんじゃないかなと思います。
でも参院選以降も、さらにインフルエンサーの方とか有名な方でもチームみらい支持するっていうことを表明する人も増えてきてますよね。そうなんですよ。増えてきてます、ありがたいことに。そういった中で、そういったインフルエンサーの人たちが出場するっていう可能性もあるんですかね?
全然可能性はあると思いますね。面白そうですね。はい。これからインフルエンサーの方っていうのも、その分野分野の強みっていうのを持たれてる方いらっしゃると思いますし、我々は知名度だけで決めるということはしませんが、今までに政治の中にいなかった、そして我々のビジョンに共鳴していただける方は、もう大募集でございますので。
楽しみですね。どういった方が来て。はい。私も楽しみです。総裁選の後の、また衆院選が来た時に、今度は短期間じゃなく色々準備した上で実績も積み重ねて、満を持してまた戦う。
そうですね。前回はそれもできなかったんですよね。つまり、あなた議員になって何をしたんですかっていう実績を語れないじゃないですか。新人は語れない。確かに。それも全然違いますよね。確かに。楽しみですね。
楽しみです、衆院選。また選挙期間になったら、その時に変化したものもあると思いますので、その時また是非お話を。是非進捗もご報告させていただきたいと。ここでかなり経歴お話しさせていただいたので、それに基づいてまた、そのアップデートを聞かせていただければ。是非是非、よろしくお願いします。
今日は本当に貴重なお話ありがとうございました。ありがとうございました。本日のゲストはチームみらい党首、安野貴博さんでした。ありがとうございました。ありがとうございました。
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