宇宙はどう始まったのか――中田敦彦が語る、天才たちが繋いだ「宇宙創成」のバトン
中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY宇宙はどうなっていて、いつ、どうやって始まったのか。中田敦彦はサイモン・シン著『宇宙創成』(青木薫訳、新潮文庫)を題材に、この問いに人類が挑んできた歴史をたどる。中田がこの動画で強調するのは、宇宙の謎はひとりの天才が解いたのではないという点だ。ある人が仮説を出し、別の人が修正し、さらに別の人が観測で裏付ける。その途中で、正しいことを言った人が嘲笑され、無視され、裁判にかけられることもあった。中田はこの過程を、天才たちのリレーとして語っていく。
『フェルマーの最終定理』の宇宙版として
中田はまず、著者サイモン・シンを「最近大のお気に入り」と紹介する。歴史と科学を組み合わせて面白い物語にすることにかけては、シンの右に出る者はいないというのが中田の評価だ。以前に取り上げた『フェルマーの最終定理』では、数学界最大の謎を天才たちがバトンを繋いで解決した。中田によれば、『宇宙創成』は同じ構造を宇宙に当てはめた本である。
扱う謎は「我々がいるここはどこなのか」という問いだ。中田は現在の一般的な認識を確認するところから始める。地球は太陽の周りを回り、その太陽系は「天の川銀河」という銀河に含まれている。宇宙には他にも数多くの銀河がある。そして宇宙は、無が揺らいでインフレーションという膨張を起こし、そのエネルギーでビッグバンが起こり、元素やエネルギーが生まれ、それが銀河や星をつくった。その大きな銀河の中の太陽系の、ひとつの惑星が地球である。
理科の授業やテレビでなんとなく聞きかじったこの宇宙像が、実はつい最近まで謎に包まれていた。中田はその経緯を伝えたいと述べる。同時に、この話は『サピエンス全史』よりもさらに前の、いわば「宇宙全史」と呼べる規模の話だとも位置づける。ただし中田が断っているように、この動画が扱うのは宇宙そのものの歴史というより、宇宙がどうなっているのかを人間がどう考えてきたかの歴史である。
神話から観測と数学へ:紀元前6世紀のギリシャ
初期の社会では、太陽や月がなぜあるのか、地球がどうなっているのかは分からなかった。そのため、ほとんどが神や怪物によって説明されていたと中田は言う。例として挙げるのは、神がかき混ぜて日本列島をつくったという『古事記』の話や、巨人がバラバラになって大陸になったという古代中国の話だ。分からないものは怪物か神のせいにする。超自然の存在に全てを背負わせていた時代である。
これに「ちょっと違わない?」と疑問を持ったのが、紀元前6世紀頃のギリシャの哲学者・科学者たちだったと中田は説明する。彼らは想像ではなく観測し、それを数学で計算するという手法を始めた。中田はアリストテレス、アルキメデス、ピタゴラスの名を挙げ、三角形の面積や体積が計算できるようになったことが測量を発達させたと語る。
具体例として中田が示すのは、親指の爪と目線の角度、月の見かけの角度を使う方法だ。三角形を拡大し、角度を合わせれば遠くの距離が測れる。こうした手法によって、古代ギリシャの段階で地球・太陽・月の大きさとそれぞれの距離がおおよそ分かっていたという。中田はこれを「すごくないすか」と強調している。
地球は丸い――観測の積み重ね
それ以前の世界観について、中田は「平坦な大地の端から海の水が流れ落ち、その下に亀がいて、さらにその下に神がいる」といった神話的なイメージを冗談めかして描く。ギリシャの人々はそこから、地球は丸いらしいという認識に移っていった。
中田が面白いと語るのは、その気づき方だ。月も太陽も丸いのだから、地球も丸い可能性があるのではないか。船が水平線の向こうへ行くとき、帆がだんだん沈んでいくように見える。月食のときに月に映る地球の影が丸い。こうした観測が積み上げられた。
さらに中田は、歴史家ヘロドトスの記録にも触れる。北の方の人はよく寝ているという記録があり、それは寒く日照時間が短いからだ。地球が丸く、軸が傾いているとすれば、北の方は太陽の当たりが悪くなる。こうしたデータを集め、数学で距離を計算していくことで、地球は丸いという結論に至ったと中田は説明する。
「動いていない」という実感と地球中心説
ところが、ここまで見抜いたギリシャの天才たちにも大きな間違いがひとつあった。地球を中心に全ての天体が回っていると考えていたことだ。中田はその理由を、当時の人々の実感から説明する。もし地球がものすごいスピードで動いているなら、押し車を押したときのように向かい風を受けて髪がなびくはずだ。しかし髪はなびかない。だから地球は止まっている、という理屈である。
中田は、この認識が非常に長く尾を引いたと言う。そして実感としても受け入れやすかったと付け加える。太陽も月も星も地球の周りを動いて見えるし、自分たちが世界の中心にいると思った方が気持ちがいい。
「惑わす星」とプトレマイオスの辻褄合わせ
それでも、古代ギリシャには辻褄の合わない謎がひとつ残っていた。それが「惑わす星」、つまり惑星である。中田は、惑星がなぜ「惑星」と呼ばれるのかといえば、古代ギリシャの人を惑わしていたからだと説明する。
地球が自転しているので星は一様に動いて見え、公転によって季節ごとに見える星が変わる。冬にはオリオン座が見えるように、星の動きには決まりがある。ところが、同じく太陽系を回っている他の惑星は、遠くの恒星より地球に近いため、見かけの動きが大きく変わる。中田は、体を横に動かすと遠くの山はほとんど動かないが、目の前の指は大きく動くことにたとえる。地球が惑星を追い越すとき、周りの星がみな同じ方向に動いているのに、惑星だけがぐにゃりと逆行して見える。地球中心に全てが一律に動いているはずなのに、なぜ逆走するのか。
これに対してプトレマイオスが作ったのが、中田いわく「小手先理論」だった。地球を中心に太陽も他の星も動いているが、惑星は大きな円を描きながら、ところどころでさらに小さな円をくるくる描く。だから戻って見える、という説明である。
アリストテレスの功罪と、1500年無視されたアリスタルコス
なぜそこまで円にこだわったのか。中田はここも大事な点だとして、アリストテレスの存在を挙げる。アリストテレスは世界が美しい円でできていると考えていた。太陽も月も完全な円形であり、軌道も円である。
中田によれば、「万学の祖」と呼ばれたアリストテレスが見つけた理論は科学を大きく進歩させた。しかし尊敬されすぎたために、彼が陥ったミスまで1000年以上信じられてしまった。中田はこれをアリストテレスの「功罪」と呼ぶ。円で動くことは間違いないという前提のもとで、逆行は円の中の細かい円運動だという無理な理論を積み上げ、なんとか計算できるようにした。中田はこれを「プトレマイオスの辻褄合わせ」と表現する。人々も、円であることは疑わないものの、どこかごちゃついていて違う気がする、と感じていたという。
実はこの時代にも、アリスタルコスという人物が「本当は太陽中心なのではないか」と言っていたらしい、と中田は紹介する。しかしアリスタルコスは1500年間無視された。中田は、その理由を生活実感からかけ離れていたからだと説明する。「地球がすごいスピードで動いているなら、ジャンプしたら置いていかれるだろう」と言われれば、確かにそう思ってしまう。こうして違和感を抱えたまま、人類は長いあいだお手上げの状態にあった。中田は途中で数字を言い直し、紀元前6世紀から数えれば2000年弱だったと述べている。
コペルニクスの本はなぜ受け入れられなかったか
1500年後に現れたのがコペルニクスである。中田によれば、コペルニクスはアマチュアの天文家だった。ピタゴラスやアリスタルコスといった、ギリシャの少しマイナーな学問にまで通じた人物に師事し、そこで得た知識から「プトレマイオスは違う、これは太陽中心なのだ」と気づいた。大どんでん返しを意味する「コペルニクス的転回」という表現は、ここから来ている。
コペルニクスは理論を積み上げて本を出したが、まったく売れなかった。中田はその理由を三つ挙げる。一つ目は、コペルニクスが無名で実績がなかったこと。二つ目は、文章が難解で、一般の人が驚くような書き方ではなかったこと。三つ目、そして最大の弱点は、計算の精度が少し甘かったことだ。プトレマイオスの方が惑星の位置をきちんと計算できているではないか、と言われてしまった。
なぜずれたのか。中田は、これも「アリストテレスの呪い」だったと説明する。コペルニクスは、全ての惑星がきっちりとした円軌道で動いていると考えていた。そのために計算がずれていたのである。
ティコの「天の城」とケプラーの楕円軌道
この問題を改良したのがケプラーだった。中田は、ケプラーがデンマークの貴族ティコのもとに助手として赴いたエピソードを、かなりの時間を割いて語る。
中田の語るティコは、金持ちでデンマーク王にも気に入られた貴族で、「天の城」とあだ名される天文台を莫大な予算をかけて作った。宇宙を知りたくてたまらず、観測を続けて膨大なデータを集めていた。しかし、そのデータはいつか自分だけで発表しようと誰にも見せなかった。一方でパーティー好きでもあり、貴族たちを呼んで望遠鏡や大広間を見せびらかし、室内に鹿を放ち、その鹿に酒を飲ませたところ階段から落ちて死んだ、という話まで中田は紹介し、「パリピ」と評している。
そのティコが、しっかり計算できる人材としてケプラーを呼んだ。ティコはデータを見せつつも、自分の実績だから人には言うなと口止めしていたという。ところがティコは急死してしまう。中田の語るところでは、ティコより格上の男爵をもてなした席で、話の途中でトイレに立つのは失礼だと思い込み、長時間我慢し続けた。男爵が帰る頃には膀胱がパンパンになって出なくなり、その後高熱を出して亡くなったという。
残されたケプラーがデータを開封すると、膨大な観測データがあり、設備も整っていた。そこにはコペルニクスの本もあった。太陽中心は本当なのか、それならなぜずれるのか――とデータを計算するうちに、ケプラーは気づく。惑星の軌道は円ではなく楕円なのだ、と。さらに、コペルニクスは惑星が一定の速さで動くと思い込んでいたが、観測では速いときと遅いときがあった。惑星は太陽に近づくと速くなり、離れると遅くなる。中田はケプラーの心情に寄せて、「この速さのずれと楕円軌道がなかったから、コペルニクスはうまくいかなかったのだ」と語る。理論はここまでできた。あとは証明だけだった。
ガリレオの反逆:落下実験と最強の望遠鏡
そこで登場するのが、中田が「科学の父」と呼ぶガリレオ・ガリレイである。中田はこれを「万学の祖 対 科学の父」の戦いとして描く。
ガリレオが最初に挑んだアリストテレスの誤りのひとつは、重いものは軽いものより速く落ちるという考えだった。紙と鉄球を落とせば、鉄球はドンと落ち、紙はひらひら舞う。直感的にはそう思える。中田によれば、イタリアのピサ大学にいたガリレオは、これが理論的に誤っていると主張し、ピサの斜塔から物を一緒に落とす実験をして、落ちる速度は物の重さによらないことを示した。その結果、アリストテレスに反旗を翻すとは何事かと言われ、ピサ大学を去ることになったという。
その後ガリレオは、望遠鏡の精度が上がったという話をよそで耳にし、自分でも作り始める。光学をはるかに深く理解していたガリレオは、元の製作者を上回る望遠鏡を作り上げ、観測を始めた。中田によれば、ここでケプラーまでの理論を裏付けるいくつもの証拠が見つかった。
一つ目は、木星に衛星があったことだ。月が地球の周りを回っているように、衛星は惑星の周りを回る。全てが地球を中心に回っているという考えは、神が世界を作り、人間が最も尊い存在だとする宗教的な考えとも都合よく合っていた。ところが木星の周りを回っているものがある。中田はこれを「全員が俺たちの子分じゃない、あいつも子分を持っている」と表現する。
二つ目は、金星の満ち欠けである。月の満ち欠けは、地球と月と太陽の位置関係によって光の受け方が変わることで起こる。中田の説明では、プトレマイオスの理論のように金星が地球の周りを動いているのなら、金星は満ち欠けしないはずだった。満ち欠けが観測されたことで、プトレマイオスの説は観測によって打破された。
三つ目は、太陽の黒点と月のクレーターだ。アリストテレスは、天体は全てつるりとした完全な球体だと言っていた。ところが太陽にはほくろのような黒点があり、月はクレーターやひび割れででこぼこしている。ガリレオは観測によって、アリストテレスもプトレマイオスも誤っていることの証拠を示したのだと中田は語る。
対話形式のベストセラーと裁判
ガリレオはそれを本にまとめた。コペルニクスの本が難解だったのに対し、ガリレオは地球中心論者と太陽中心論者の会話形式で、中田いわく「漫才みたいに」面白く書いた。しかも太陽中心論者を格好よく、地球中心論者を愚か者のように描いた。中田はその場面を、「金星はこう動くとプトレマイオスさんが」「でも満ち欠けがあるんだ、いいからよだれを拭けよ」といった調子で再現してみせる。本はベストセラーになった。
中田は、ガリレオがここまで踏み込んだ本を出せたのには裏があったと言う。コペルニクスの本が売れなかったのは、出せば教会にどんな処刑をされるか分からなかったからでもある。実際、後の時代にコペルニクスの説を吹聴して裁判にかけられ、処刑された人もいたという。そのため出版の際には、「これはあくまでひとつのお話で、正しいかどうかは分からない」という序文が、コペルニクス本人の知らないうちに挟み込まれた。中田によれば、コペルニクスは出版直前に体調を崩し、死の間際に本をひと目見せてもらったところ、自分が書いていないその序文を目にし、人生をかけた本がなぜこんな目に、という思いで亡くなった。それほど、キリスト教の側から見て危険な主張だったということだ。
一方のガリレオは、後にカトリックの教皇となる人物と学友だった。中田の語りでは、ガリレオは教皇に会いに行き、教義的にまずいのは分かっているがこういう本を出したい、と持ちかけ、教皇も「話は分かった」と受け止めた。親友だから大丈夫だろうと、ガリレオは出版に踏み切った。
ところが、着想から出版まで数年かかるあいだに事情が変わっていた。三十年戦争が始まり、カトリックとプロテスタントの争いが絶えなくなった。教皇はカトリックの教義を守る立場から、教義に反することは許さないという姿勢になっていた。そこへガリレオの本が出てしまう。教皇は回収を命じたが、面白すぎてすでに売り切れていた。
さらに問題になったのが、地球中心論者を愚か者として描いたことだった。中田によれば、ガリレオを快く思わない教皇の側近たちが、「この愚か者の発言は、かつて教皇がおっしゃっていたことではないか。ガリレオは教皇を茶化している」と吹き込んだ。怒った教皇は裁判を起こし、ガリレオは間違いを認めさせられた。しかし最後に「それでも地球は動いている」と言って裁判所を後にした――中田はこれを「伝説的」な一言として紹介している。
世代交代で入れ替わった常識
ここまで証拠が揃っても、キリスト教の勢力が強く、太陽中心の考えはなかなか一般の人々にまで浸透しなかったと中田は言う。では、18世紀から19世紀にかけて、どうやって考えが入れ替わったのか。
中田の答えは「シンプルな話」だった。地球が中心だと言ってきた人たちが死んでいったのである。上の世代は、その理論で権威になってしまったために、今さら違ったとは認められなかった。その世代がいなくなるにつれ、「こっちが正しいのに」と思っていた若い科学者たちが力を持ち始め、新しい証拠も見つかっていった。教会側も、これだけ証拠が出ているのに否定し続ければ教会が愚かに見えると考え、少しずつ理解を示すようになった。こうして18〜19世紀をかけて、コペルニクス、ケプラー、ガリレオが示そうとした、太陽を中心に地球が回っているという宇宙の姿が明らかになったと中田はまとめる。
静的で永遠な宇宙から、「宇宙創成」の問いへ
中田は、ここでようやく次の問いが現れると強調する。宇宙の形は分かったが、それはいつからこうなったのか。宇宙創成という最大の謎である。
中田の説明では、19世紀まではキリスト教ともなんとか折り合いがついていた。神が最初に作り、最初から宇宙はこうだったという「静的で永遠な宇宙」の考え方があったからだ。宇宙は動かず、ずっと前からこうで、ずっと先もこうである。どこかから始まったとなると、神が始めたのではないような話になって大変なので、考えるのをやめておこう、という雰囲気だったという。この最大の謎に、20世紀の天才たちが動き出す。宇宙はある時点から始まった、神が作ったものではなかった――その戦いの幕を開けたのがアインシュタインだと中田は言う。
アインシュタイン対ニュートン:重力をめぐる争い
ガリレオがアリストテレスと戦ったように、アインシュタインが戦った相手はニュートンだったと中田は語る。争点は重力の計算方法だった。
ニュートンは、ペストで家に引きこもっていた1666年の「奇跡の年」に、光の分析、微分積分、重力などを次々に発見した革命児だと中田は紹介する。重力の理論によって、ロケットの軌道からボールの動きまで、さまざまなものが計算できるようになった。ところがアインシュタインは、ニュートンの計算式では辻褄の合わないケースがあることに気づいた。重力が非常に強い場合である。
中田は前提として光の速さの話に触れる。光は速すぎて無限の速さだと思われていたが、衛星の食がずれることなど、宇宙規模の観測によってようやく光の速さが計算できるようになった。光の速さと時間を扱ったのが特殊相対性理論で、それをさらに広げて時空と重力による歪みを考えたのが一般相対性理論だと中田は説明する。速く動くものほど時間がゆっくり進み、時間も空間も伸び縮みするという考えから、重力が空間を歪めるという発想に至ったという。
中田自身、このあたりは「異次元の話」でぱっと説明しても分からないものだと認めつつ、要点を次のようにまとめる。ニュートンの式は、地球周辺程度の重力では合う。しかし太陽クラスの巨大な天体は時空を歪めるので、ニュートンの式ではずれる。それを示したのが一般相対性理論であり、ブラックホールもこうした理論の中にある。
そのうえでアインシュタインは、強い重力で引き込み合うなら、宇宙は収縮しているのではないかと考えた。宇宙は静的ではなく動的だという発想である。しかしそれではそれまでの常識と合わない。そこでアインシュタインは、収縮を防ぐ何らかの作用として「宇宙定数」を置き、静的な宇宙という像をぎりぎり保った。中田はこれをアインシュタインの「限界」と呼び、とてつもない規模の理論を築きながらも、宇宙は動かないというところで止まってしまったと語る。
フリードマンとルメートルの膨張説、ハッブルの観測
その壁を越えたのが、フリードマンとルメートルだった。中田の語りでは、二人は宇宙定数は無理があるのではないかと考え、宇宙は収縮ではなく膨張しているとしたらどうか、という膨張説を唱えた。膨張しているなら、元々はとても小さかったものがドーンと広がり、今も広がり続けていることになる。
中田はここで、この話の面白さを改めて強調する。アイデアを出す人がいて、それを修正する人がいて、観測する人がいる。「宇宙は動いているのではないか」と言ったアインシュタインに対し、フリードマンとルメートルが「いや、膨らんでいるのだ」と修正し、次は観測の番になる。
観測を担ったのがハッブルである。中田は、ハッブル宇宙望遠鏡の名前の由来となった人物だと紹介する。背景として、1700年代にハーシェルが天の川銀河を示し、太陽系はその渦の腕のひとつの中にあるところまでは分かっていた。しかし、銀河が天の川銀河ひとつだけなのか、たくさんあるのかはまだ分かっていなかった。ハッブルは非常に遠いところに天の川銀河のものではない天体を見つけ、銀河はたくさんあることを明らかにした。中田はこれを1923年のことだとし、宇宙が銀河だらけだと分かったのはそんな最近のことなのだと驚きを込めて語る。
さらにハッブルが他の銀河を観測すると、どの銀河も少しずつ遠ざかっているらしいことが分かった。みんなが少しずつ離れている。これは膨張説だ、宇宙が少しずつ広がっているから銀河が離れていくのだ――と、膨張説とビッグバンにあと一歩まで迫った。
「光のこだま」とCOBE衛星
最後の一押しとして中田が挙げるのが、1940年代のガモフ、アルファー、ハーマンのチームである。彼らは他にもさまざまな発見をしたが、中田は「今日は面白いところだけ伝えたいから」と省き、「光のこだま」に絞って説明する。
中田の説明はこうだ。ぎゅっと詰まった状態からビッグバンが起こった後、光が通れるようになるまでにはかなりの時間がかかった。光が通れるようになった最初の時点の光の名残が、ビッグバンの名残の光である。
なぜそれが今も見えるのかについて、中田は光年を使って説明する。1光年は光が1年で進む距離であり、遠く離れたところの光は、ずいぶん昔に出た光が今届いているものだ。月も太陽も、私たちが見ているのは少し前の姿である。中田はこれを雷にたとえる。ピカッと光ってから3秒ほどしてゴロゴロと鳴るのは、光より音が遅く届くからで、そのずれで雷が遠いと分かる。地球上では光は一瞬で届くように感じるが、宇宙は遠いので光が届くまでに長い時間がかかる。だとすれば、非常に遠くを観測すれば、ビッグバンの名残の光が見えるのではないか。
そして1992年、COBE衛星がその名残を観測し、証拠が見つかって、ビッグバンが成立した――中田はそう話を結ぶ。後半はだいぶ駆け足になったと自ら認めつつ、理論があり、修正があり、観測がある、という流れを「理論・修正・観測」と繰り返して確認している。
理論・修正・観測、そして次のバトン
ここまで来てようやく、何もないところから宇宙が広がり、銀河ができ、その中の太陽系で地球が回り、その上に日本がある、という今の認識が分かった。中田は、それまでの道のりを「誤解に次ぐ誤解、仮説に次ぐ仮説」と表現する。
そのうえで中田が面白いと語るのは、常に「こうなんじゃないか」と思う人がいて、まったく違うと言われながらも、その後に望遠鏡や衛星といったテクノロジーが進化し、それが裏付けられてきたという点だ。今の理論にも、まだ辻褄の合わないところや分かっていないことがたくさんあり、それを今も調べている人たちがいる。カメラや衛星の精度も上がり続けている。中田は、宇宙や人類について「そうだったのか」と分かることがこれからも必ずあると語る。
そのとき、1500年無視されたアリスタルコスのように、「あいつの言っていたことは当たっていた」と思い出されることがあるかもしれない。今「何を言っているのか分からない」と言われている人や、まだ納得されていない説が、将来正しかったと証明される可能性がある。中田は、この動画を見ている人が次のバトンを引き継ぐ誰かかもしれないと述べ、「宇宙の謎を解いてみてください」と呼びかけて話を終えている。
どうも、中田敦彦です。さあ、今日も早速参りましょう。エクストリームサイエンス、宇宙創成編。ビッグバン、よろしくお願いします。さあ、やってまいりました!
『宇宙創成』byサイモン・シン、出ました。中田、最近大のお気に入り、サイモン・シンさんでございます。このサイモン・シンさんは、あの『フェルマーの最終定理』。ヒストリーとサイエンスを組み合わせて面白いストーリーにするといったら、このサイモン・シンさんの右に出る者はいないと。そういう実績のあるサイモン・シンさんの、今度は『フェルマーの最終定理』宇宙版ですね。来ましたね。人類に課せられた謎。
我々はここ、どこなの?っていうね。ここどこ?宇宙のどこ?宇宙は何?宇宙ってどうなってるの?という、人類最大の謎。これを時代の天才たちが解き明かしに、解き明かし、それを「お前、それ嘘言ってんじゃねえよ」って言って、差別に差別を加えられ、そんな戦いの歴史ですね。だから誰が解き明かしたか?ということではなく、繋いでいくんですよ、天才たちが。「ここまで分かった。後は頼む」「分かった」。その後、「ここまで分かった。後は頼む」。そういう連続で解き明かしていった宇宙の姿。これが面白いんですね。
『フェルマーの最終定理』もそうでしたよね。「分からん、この謎」っていう数学界の最大の謎を、全天才がバトンを繋いで解決するという、まさにその形です。『宇宙創成』。ですから、本当の宇宙の歴史を知るまでの天才たちの戦いのリレーであるということが言えると思います。
じゃあ実際、今どういうところまで分かってるのかというと、宇宙ね、今ここは地球ですよね。これ、太陽を中心に回っておりますわな。これ、太陽系というものですよね。そこはなんとなく分かってる。じゃあ、太陽系ってどこの中に入ってるか分かってます?銀河ですよね。何銀河?名前知ってますか?名前ついてるんですよ。「あれ?何だっけ?」。『天の川銀河』っていうんですよ。天の川銀河っていうものは、その太陽系を含むんです。天の川銀河だけじゃなくて、他にもいろんな銀河があるわけです。いっぱい銀河があるわけ。
そして、そんな宇宙はビッグバン。最初の最初、バーン。無から、無が揺らいで、インフレーションという膨張をふわっと起こした後に、そのエネルギーでボーンとビッグバンを起こして、いろんな元素がうわあ、エネルギーがうわあ、それが銀河を作り、星を作り、うわあ、その中の大きな銀河の中の太陽系の中の一つの惑星、地球、ここ。それが今の認識。
これ、皆さん分かってますね。なんとなく理科の授業とか、テレビとかで、「聞きかじったなあ」「そうなんだあ」なんて思ってる皆さん。それがいかに最近まで謎に包まれてたかという、怒涛の歴史をお伝えしたいと思います。ですから、これは『フェルマーの最終定理』の宇宙版であるとともに、『サピエンス全史』の前。超サピエンス全史というか、宇宙全史と言っても過言ではないというスケールです。面白いです。
まず、これは宇宙がどうなってるか、宇宙がどう来たかの歴史というよりも、「宇宙がどうなってるんだろう?」っていう、人間がどう考えてきたかの歴史なんですよ。
元々は初期社会では、「宇宙どうなってんだろうね?太陽って何であるの?月って何であるの?」。分かんないわけですよね。「この地球ってどうなってんの?」。分かんないから、ほとんどが神か怪物で説明してた。神様がこうかき混ぜて作ったのが日本列島。これ『古事記』ですよね。神様がかき混ぜてかき混ぜて、フーとかやったら、「なんかできました!」みたいな、その日本列島みたいなね。その『古事記』でやりましたね。
他にも古代中国では、すごい巨人がバラバラになって大陸になったとか、いろんな怪物とか神とか超常のものが、超常の力を使って創りましたって。そういう超自然の登場人物に全てを背負わせていたわけですよね。分からないものはモンスターかゴッドであるということがあった。ところが、ちょっと違わない?そう思ったのが紀元前6世紀頃のギリシャの哲学者・科学者たちだったんですね。
ギリシャ、高度ですね。大体いつもギリシャの話してません?ギリシャから全ては始まったという話、毎回してるんですけどね。ギリシャありがとうね。本当にありがとう、ギリシャ。ということですけども、このギリシャの哲学者たちは、観測と数学によってそれを解き明かしていきませんか?という手法を始めたわけなんですね。だから要するに、想像するのではなく観測するのであると。そしてそれを数学で計算するのであると。まさにアリストテレスのあの頃ですよ。
数学ね、三角形の面積、なんとかの面積、体積。アルキメデスとかピタゴラスとか、そういった面積が計算できるようになるとどうなるかというと、こことここの距離を伸ばしてみると月までの距離、測れるんじゃない?そういうやつですね。例えば、自分の親指と目線と角度、この爪、爪の角度と月の角度でこうなって、こことここの距離をやると、あっちまで測れるとかですね。測量の手法が数学で発達するわけですよ。三角形を拡大して、ここの角度とここの角度合わせたら、ここの距離測れるやんという。それができたので、この辺りで地球、太陽、月の大きさと、そのそれぞれの距離、ここら辺がもう分かっちゃってるんですよ。
すごくないですか?古代ギリシャでもう地球、太陽、月、大体こうだね。まず丸いことが分かりました。丸いんじゃない?って。ここまでは平坦な状態で、端ザーみたいな。陸、海、途中ザー、下、亀がぴょーんみたいな。その亀の背中の上にボードがバーン。海の水ザー。その亀の下で、なんかのゴッドがこう、みたいなね。そういうギリシャ神話の時代みたいな、そういう世界観から、「いや、違くない?」と。「どうやら丸いっぽいよ」と。
なんでか?丸いのに気づいたのも面白いんですよね。要するに、「月、丸いよね」と。「太陽、丸いよね」と。「はいはいはいはい。ここも丸い可能性ない?」っていうのになった。っていうのも、やっぱり船がだんだん沈む時に、水平線の向こうに行く時に、だんだん向こうに沈んでいってる感じになってない?なってない?帆が向こうに、円?球なんじゃない?広い目で球なんじゃない、これ?とかですね。日食と月食とかで隠れる時に、これ地球の影でなってない?太陽と地球の影で、これ月食なってない?地球、月食の時、丸くない?ここ丸くない?そういう観測をいろいろ積み上げた結果ね。
あと、ギリシャのヘロドトスって歴史の人は、北の方の人、結構寝てるっていう記録あるわけですよ。なんでかっていうと寒いわけですね。なんでかというと、どうやら丸いと太陽の当たりが悪いわけですよ。だから日照時間が短いんですよ、北の方がね。こうなってて、軸がこうなってるから、北の方、日照時間短くない?まさにそうですよね。だから結構寝る時間長いとか、いろんなデータ集めていくと、どうやら丸いぞと。数学でその距離とか計算して、なるほどな。
ところが、ここまで分かったギリシャの天才たち、アリストテレス、ピタゴラス。うわ、すごいね、アルキメデス。そんな中での間違いが、大きな間違いが一個あったんですね。それが、地球を中心に全ての天体は回ってると思ってたわけなんですね。なぜか?だってそうでしょ?「動いてなくない?」。こうなんですよ。もし地球がビュンビュン動いているのなら、なぜ我々の髪はなびかない?と。そう考えたわけですよ。
だってさ、ガラガラガラって、押し車でガー押したら、髪なびくでしょ?バー、向かい風受けて。地球がギューン動いてるんやったら、何かの周り回ってるんやったら、これ私たちの髪なびくでしょと。なんで向かい風受けないのと。パタパタパタパタと。止まってます。完全に止まっております。それが認識だったわけです。それまでのね。これが非常に後を引くわけです。
でも認識しやすいですよね。だって、太陽が回ってるし、月が回ってるし、全部が、星がうわーっと動いていく。地球中心に動いてんだな。俺たちは世界の中心にいるんだな。そう思った方が気持ちいいですよね。ところが古代ギリシャ最大の謎。辻褄が合わないのが一つあったのよ。それが惑わす星、惑星だ。なぜ惑星を惑星というか、皆さん考えたことありますか?古代ギリシャの人を惑わしてたからなんですよ。どうやって惑わしてたの?そりゃそうなんですよ。
地球が自転しているから、わーっと星が動いていきますわな。基本的には、その地球が公転してますから、季節によって見える星が変わりますよね。冬はオリオン座とか。だから動き決まってるんです。ところが、この動きと反する動きをするもの。それが同じように太陽系を回っている他の惑星たちは、他のそれよりもっと遠い星より近いから、動きがダイレクトに変わるでしょ。横に動いてみなさいよね、皆さん。遠くの山ってほとんど変わんないけど、近くの指はこんなに動くでしょ。こんなに動くでしょ。要するに、近いものっていうのは、この位置関係で動きがだいぶ変わるわけですよ。
なので、惑星っていうのは軌道と、地球の軌道が追い越した時に、惑星がどういう動きするか?みんながザー動いてる中、ぐんにゃ、逆行するんですよ。天体を逆行する星、惑星。なぜ?地球を中心に全部が一律動いてるのに、なぜか「わあ、逆行しよ、逆走してるよ」という、そういう状態ですね。
これをどう辻褄合わせたかというと、このプトレマイオスという人が、なんとか「よし、これで行こう」って言ったのが、小手先理論を作ったんですね。それが、地球を中心にあくまで太陽も他の星も動いてるのだが、惑星はなぜか綺麗な円だけではなく、円を描きながらも、その所々、こういう、くるくるくるくる、ここでも円を描くという、そういう変な動きをするとしますっていう。だから戻るっていうね。
でもここで、なんで円にこだわるの?ここも大事なの。完全、円で全てができてるって思ってたんですね。これはアリストテレスです。アリストテレスは世界が美しい円でできてると思ってたんですね。なので、太陽も月も完全な円形でしょ?だから軌道も円なんです。すごく美しい世界なんです。万学の祖と言われたアリストテレス。そのアリストテレスが見つけたいろんな理論は、ものすごく科学を進歩させたんですが、そのアリストテレスがあまりにもすごくて尊敬されすぎたために、アリストテレスが陥ったミスすらも1000年以上信じられてしまったという功罪を持つ人なんですね。
だから、アリストテレスが言ってただろう。円の中に円でしか動かない。球体が円で動く。それは間違いないんだからということで、逆行するのは円の中に円を、細かい円の動きをするからだという、それでむちゃくちゃな理論を積み上げて、なんとか計算できました。これ辻褄合わせなんですよ。プトレマイオスの辻褄合わせ。円でいくのは間違いない。でもプトレマイオスが言ってるのは、ごちゃついてんだよな。なんか違うと思うんだけどなっていう中ね。
実はこの時代でも、アリスタルコスという人は、「本当は太陽中心なんじゃないかい?」なんて言ってたらしいんですね。ところが、そのアリスタルコス、1500年間無視されます。1500年無視されたことありますか?それ、アリスタルコスです。太陽中心だって言っても、やっぱり「何言ってんだ、こいつ?」ってまずなるわけですね。だって皆さんも、生活とあまりにもかけ離れてるから、ちょっと受け入れられないでしょ?と思いません?だって「風吹きませんやん」って言われたら、確かにって思いますもんね。
じゃあ何、せーのでジャンプしてみ。地球ビュン、俺あっちギュンみたいなね。地球、すげえスピードで動いてんだぜ、宇宙を。ちょっとジャンプしてみろよ。お前そんなことやったらビューンだ、ボーンだよ。向こう行っちゃうよ。地球、置いてかれちゃう。しがみついとけよな。違うだろっていうことですよね。なので、ずっと違和感あった。
そんな中、1500年後にコペルニクスが現れるんですね。1500年経つんかい。どんだけこれで行った?「分かんないです」のまま1500年、人間お手上げ状態でしたね。この前6世紀からですね。いや、もっとか!もっと長い間ですね。だから2000年弱ですか。
コペルニクスっていう、これアマチュアなんですよ。アマチュア天文家なんですけど、師匠についた人が、どうやらピタゴラスとかアリスタルコスとか、そういうギリシャのちょっとマイナーな学問とかまでも精通してる人に師事して、そこで得た知識の中から、「あれ?これ、プトレマイオス違うじゃん。だって違うもんね。ガチャついてるから。これ太陽中心なんだよ」。気づくわけですね。
『コペルニクス的転回』っていう表現がありますけど、それは大どんでん返しみたいな、驚天動地みたいな、そういうことの時にコペルニクス使いますけども、コペルニクスの出版があったんです。さあ、ここまでずっと宇宙はどう分かってきたか徐々に伝えておりますんで、ついてきてください。
コペルニクスが「太陽中心ですよ」と思って、一生懸命理論を積み上げるんですね。「本にする」って本出すんですよ。太陽中心だ。ところが、これが全然売れませんでした。売れないんだね。難しいんですよ。アリスタルコスは無視されてたし。コペルニクスは本出したんですが、これがダメだった。なんでか?一個には、コペルニクスがそこまでの実績がなかったんですよ。無名だったんです。そして出された本、これがちょっと難しい文章だったんですね。ちょっと難解だったっていうんですよ。一般の人が「うわ、すげえ」ってなるような感じじゃなくて、「難っず、これ何これ?」ってなってたんですね。
そして最大の弱点が、若干精度が甘かった。ずれてたんですよ、計算が。「コペルニクスさん、それで計算できる言うてますけど、プトレマイオスさんよりもちょっとずれてません?」。これが弱点だったんですね。「いや、でも絶対そうだから。だってさ、そこのずれはいいじゃん」「いや、ずれてますやん。プトレマイオスさんの方がちゃんと惑星の位置、計算できてますやん」「いや、でもさ、分かんないけど」。ここなんです。これがなぜなのか?アリストテレスの呪いがかかってたんですね。今、惑星の軌道って、完全に円で考えてたんですよ。ちゃんとした円、全部の惑星がきっちりした円で動いてるって思ったの。だからずれちゃってたの。
ところが、それを改良した男が現れる。ケプラーという男がプラハに現れるんですね。ケプラーというのは、デンマークの貴族の元に助手として行くんですね。この貴族が面白いんですね。デンマークのティコっていう貴族がいるんですね。ティコっていう貴族がいまして、こいつが金持ってるんで、すごいんですよ。そのデンマーク王にも気に入られて、『天の城』、ヘブンズキャッスルですよ。天の城とあだ名つけられる天文台を作っちゃうんですね。
すごいんです。ありえない予算をかけた天文台を作っちゃって、貴族が宇宙を知りたくてしょうがないんで、「ティコである」とか言って、見ちゃうんですね。観測してすごいデータを取ってくるんです。ただティコ、ちょっとせこましいやつで、それを、データを自分がまとめて自分だけでいつか発表しようということやってたんで、誰にも見せてなかったんですね。ティコが天の城でずっとこうやって、やってたんですね。
あとはパーティーですね。貴族たち呼んで、「こんな望遠鏡あるよ」とかね。あと大広間見せつけて、鹿を放ってるんですね。鹿を放って、「あれ、鹿。見たことある?室内で鹿。室内鹿だよ。室内犬じゃない、室内鹿だよ」。室内鹿。本当にむちゃくちゃだから、ティコは室内鹿にお酒を飲まして、鹿が階段から落ちて死ぬという、むちゃくちゃなパリピなんですね。
そのティコのところにケプラーが行くんですね。「しっかり計算できるやつ、一人欲しいな」とか言って、「ケプラーっていうやつがいるらしいじゃないか。手伝ってくれよ」「はい、分かりました」「ティコさん、すごいですね、これね」「うん、見ちゃってよ。でも言っちゃダメだよ。あんま人に言わないでよ、この成果ね」。すごいデータ取ってる。人に言えないけどすごいデータ取ってる。「でも人に言わないで。俺の実績だから。分かってるだろ」って、そういう感じだったんですね。
ところが、このティコが実は死んでしまうんですよ。どういう死に方だったかと。これ、おもろいのが、ティコよりちょっと偉い貴族をおもてなしした。男爵が来たんですね。爵位がありますからね。公侯伯子男ですか。男爵ね。爵位ついてる貴族が来て、ティコが「今日は男爵来るから、粗相しちゃダメだからな、ケプラー」「分かりました」とか言って、「男爵おいでだ!」とか言って、ご飯食べて、ワイン飲んで。「はあ、そうですか、男爵!今日もすごい面白いです、男爵の話!」とか言ってて、すっごいトイレ行きたくなったらしいんですよ。
「うわあ、ちょっと漏れそうだ。トイレが」って言ったんですけど、男爵との話の中で途中でトイレに立ったらダメだろうって思い込んでて、ティコはずっとトイレ我慢してたらしいんですね。それが、だいぶ男爵が帰らなかったらしくて、男爵帰る頃に、出そうと思っても出ないっていうね。膀胱がパンパンになって、その後、高熱を出して死んでしまうって。「ええ!ティコ、ここで!?」と。
びっくりしたケプラーが「ティコさん!」「ちょっと行っとけばよかった、トイレ。トイレ行くことお勧めするよ」とか言って、ティコが死んでしまう。ケプラーが「後頼んだから」と言われて、実験データを開封すると、「めちゃくちゃ実験データあるやん!」と。「これちょっと利用していろいろ計算しよう!」と。「めちゃくちゃ設備もいいし、ティコさんありがとう」って計算したら、このコペルニクスの本もちゃんとあったんですよ。
「コペルニクスの本か。太陽中心。本当か?でもずれてるのなんでだ、このデータ。はっ!そうだ!軌道がちょっと違うんだよ!楕円なんだよ!惑星の軌道が楕円なんだ!だからずれてたんだ!」。そして一定のスピードでみんなが動くって思い込んでたコペルニクス。違う!観測の結果、速い時と遅い時があるぞ。惑星は太陽に近づくとスピードが増すけども、離れるとスピードが遅くなるんだ。面白い。そのスピードのずれと楕円の軌道。これがなかったからコペルニクスはダメだったんだ!
これだよ。これを証明!これを証明してくれさえすれば!ここまで理論ができた。証明はできないのか!そこで現れたのが、ガリレオ・ガリレイですね。来ました!科学の父、ファーザー・オブ・サイエンス。ガリレオ・ガリレイの革命っていうのがあるんですね。
このガリレオ・ガリレイがかっこいいのは、アリストテレスに反旗を翻すっていうことでね。万学の祖VS科学の父っていう、すんごい戦いですね。どっちもトップランナーみたいな状態なんですけども、このアリストテレスのミスの一つに、物を高いところから落としたら、重いものの方が軽いものよりも早く地面につくと。イメージ的にはそんな感じしますよね。紙と鉄球なら、ポーンと落としたら鉄球ドン、紙ひらひらひら。なるほどな。そんな感じしません?
ところが、これが理論的に誤ってるということを、ピサの斜塔ありますよね?ピサの斜塔。あそこ、ピサ大学っていうのがあるんですね。ピサっていうところにね。イタリアなんですよ、ガリレオはね。そのピサの斜塔から実際に物を一緒に落とす。「これ理論的に間違ってますよ。アリストテレスは違うよ」って言って、ピサの斜塔から物を落とす実験をやって、「ほらそうでしょ。理論的にもこうこうこうなんです。実験やってもこうなんです。物が重い軽いではないんです。物質の落ちる速度っていうのはね」っていうことを見せつけて。
「おい、アリストテレスさんに反旗翻すって、お前どういうつもりだよ」って言われて、有無を言わさずピサ大学を去ることになるという、そういう反逆児ガリレオっていうのがいるんですね。そのガリレオっていうのが、よそで望遠鏡の精度が上がったよみたいな話を聞いて、「望遠鏡?面白そうだな」って言って、望遠鏡をガリレオが作り出すんですね。すると、望遠鏡をうまく作ったよっていうやつより、はるかに光学を理解してるんで、最強望遠鏡っていうのを作っちゃうんですね。ガシャーンってね。ガリレオがそこで観測始めるわけですよ。
ここの理論がついに証明されるいくつもの証拠を、ガリレオは掴み出すんですね。「アリストテレスの野郎。お前がもう時代遅れだったこと、俺が証明してやるよ」。ああ!って見つけるのが、まず木星に衛星があったってことです。これ何がすごいか?皆さん、各惑星に衛星が結構あるなんて話。地球の衛星が月ですよね。つまり惑星は太陽を中心に回ってますが、衛星は惑星の周り回ってますよね。月って地球の周り回ってますよね。そうなんですよ。
月も太陽も地球を中心に動いてる。全部が地球を中心に動いてる。宗教的にも辻褄が合います。いいよね。都合がいいですよね。神がこの世界を創ったし、地球を中心に、この世界を中心に全てが回ってて、人間は一番尊い生き物だというのであれば、それが一番都合がいい。ところが、木星に衛星があったんですよ。「木星の周り回っとるやないかい」と。「地球中心じゃねえじゃねえか!」。ここです。「木星の周り回ってるやついるぞ!全員が俺たちの子分じゃねえんだよ。あいつ子分持ってるぞ!」なんですね。
さらに、金星に満ち欠けがあること発見したんです。月の満ち欠けってありますよね。三日月になれば満月にもなる。それがだんだん。それはもちろん地球と月との位置関係が、太陽の光の受け方変えるからですよね。ですが、全部が地球を中心に動いているという考えであれば、この金星に満ち欠けがあってはならないんです。プトレマイオスの小手先論で、金星がこうやりながら地球の周りを動いてるんだとしたら、実は金星は満ち欠けしないんです。この動きだと、実は。ところが、満ち欠けしてるってことは、プトレマイオス、これ間違ってたんだ。ここで観測によってプトレマイオスは打破されるんです。
そして、太陽に黒点がある。温度が低いところでは、太陽は黒い点がほくろのようにあるわけですね。太陽に黒点があるぞ。そして、月に凸凹、クレーターがあったり、ひび割れがあったり、ボコボコしてる。実はアリストテレスは、惑星や星は全部完全なる球体でできてる、つるっとしてるって言ってたんですよ。「つるっとしてねえじゃないですか。いやいやいや、なんか汚れてますよ。綺麗なつるっとしたやつやって、アリストテレスさん言ってましたけど、これもありますし、プトレマイオスも違うし、地球が中心じゃねえじゃん」って言って、「これ全部合ってたぞ!」っていうことを、このガリレオがついに観測によって証拠を出すんですね。
本を出すんですよ。これが、このコペルニクスを超えていくんですね。コペルニクスは難しい文章だったでしょ?これを面白く書いたんですね、なんとガリレオは。ガリレオは、地球が中心だという人間と太陽が中心だという人間の会話形式の文章を書いたんですよ。漫才みたいなのにしたの。面白くないですか?
しかも、圧倒的に太陽が中心だって言ってる、このガリレオ論者をかっこよく書いて、地球論者をアホみたいに書いたんですね。「いや、でもね」とか言って、「いや、でもねえ」とか言って、「いや、そうじゃないんだよ。落ち着けよ。バカだな、お前は。落ち着けって言ってるだろ。太陽が中心じゃなきゃ辻褄が合わないんだ」「いや、でもね、プトレマイオスさんがこう言ってたじゃないですか。金星こうやってこうやってこうやって」「でも満ち欠けがあるんだ。いいからよだれを拭けよ」。そういう感じで書いたわけですね。だから「めっちゃおもろいな」になって、「違わなかったんだ!」。みんなが、めちゃくちゃベストセラーになったんですよ。
この本、こんだけ出せたのは実は裏がありまして、このコペルニクスの本は、なぜそこまで売れなかったかというと、「コペルニクス、これ出したらやばいよ。教会のやつにどんな処刑されるか分かんないよ」。実際問題、このコペルニクスの本を信奉した人間が、その後の時代に、コペルニクスの本を吹聴したということで裁判にあって、とんでもない処刑を食らうなんていうのはあったわけですね。だから、その出版の時に「これ、コペルニクス出したら殺されるぞ」って言って、序文に「これはあくまでも一個のお話です。正しいとかそういうことじゃないですから」っていう序文を挟まれちゃったんですね。
コペルニクスは出版の直前に体調を崩して、最後に死ぬ間際に「本見せてくれ」って言って、一目だけ見て死ぬんですけども、一目パッて見た時に、書いてない序文があるわけですよ。「これは正しい理論ではないかもしれない。正しいかどうかは分からない。あくまで一個のお話として聞いてください」っていう序文を見てしまう。「人生かけて書いた本が、なんでこんな目に!」で死んでいった。でも、それくらいやばいことだったの。教会、キリスト教的には、「かなりやばいこと言っちゃダメだろ」っていうこと。
それをガリレオはなんで出せたかっていうと、実はカトリックの教皇と学校が一緒だったんですよ。すごいよね。頭超いいから、すごいいい学校行ってたわけですよね。そこで後の教皇になる人と学友だったんですよ。一方は超一流天才学者になり、もう一方はカトリックの教皇になると。「あいつ教皇になったんや」と。教皇のところ会いに行って、「もちろんキリスト教義的にまずいとは思うけど、こういう理論の本出したいと思ってんだよ。よくない?もうよくない?」って言って。「ああ、なるほどねえ。まあまあ、話は分かった。話は分かった。でもあいつのことだし」っていうことですね。親友だからって、行けるって出したんですね。バーって出したんです。
ところが、ガリレオがこの理論に気づいてから出版に至るまで数年ありまして、その間に実は事情が変わっちゃったんです。教皇は、とんでもない戦いに明け暮れるようになった。三十年戦争といいまして、その辺りからカトリックとプロテスタントの間の争いが絶えなくなったんですね。なので、カトリックの教義を普及する守り神として、「許さんぞ、教義に反することは」っていうモードに入ってたんですよ。「プロテスタント、ふざけんじゃねえぞ、この野郎!教皇の意見を聞け!」やってる時に、ガリレオが「地動説ですね」とかってやってたんですね。本出しちゃって。
だから教皇が「うわ、何やってんだ、ガリレオ」と。「おい、お前友達とはいえ、お前それダメだよ。俺、立場違うんだから。今、とんでもないドンパチやっちゃってんの、こっちで。全部全部回収して!」って言ったんですけど、時すでに遅し。全部売り切れちゃったんですね。面白すぎて。「うわ、面白い!」みたいなね。
ただ、アホに書いたでしょ。「いや、あのね」とか言って、地球が中心っていうやつをアホに書いた。そこがかなりネックになってきたんですね。というのも、教皇の周りにいるガリレオを快く思わないやつらが、「このアホに書いてあるやつの発言って、かつて教皇が言ってたやつじゃないですか。人類がこうで、地球がこうでって、教皇おっしゃってましたよね。あいつガリレオ、教皇のことマジディスってますよ。茶化してますよ。このアホ、教皇のこと書いてるんですよ!」なって、教皇が「なんだと、こらあ!あいつは俺をアホみたいに仕立てやがって!裁判じゃ!」言って、裁判になるわけですよ。
「ガリレオ、お前、間違ってたって認めろ」と言って、間違いを認めさせられちゃうんですね。ところが最後に、伝説的ですね、言った一言が「それでも地球は動いてる」。言って、裁判所を後にしたと。そうなんです。ここまで証明しても、このキリスト教ブロックが強くて、なかなか一般大衆までは浸透しなかった。
ところがそれが18世紀から19世紀。どうやって考えが入れ替わったか。シンプルな話。そうやって「地球が中心だ!」って言ってきた人たちが死にました。上の世代がだんだん死んでいくんですね。若い世代が「いや、こっちが正しいのによ。あいつら、あの理論でさ、権威みたいになってるから、もう違いましたって言ったら赤っ恥だからさ、認めらんねえんだろう」っていうやつらが死んでいったなってなった辺りで、だんだんと若い科学者が力を持ち出す。その上で新しい証拠も見つかってくるんですね。
そうすると教会側も、さすがにここまで証拠が見つかって違う違うって言ってたら、「教会アホじゃない?」ってなりそうだから、ちょっと認めていこうということで理解を示していくんですね。そうやって18世紀、19世紀をかけて、このコペルニクス、ケプラー、ガリレオといった天才たちが示したかった、地球が中心ではなく、太陽を中心に地球が回っているんだという、宇宙の現在時点が明らかになりました。ここでだよ。ここでなんです。ようやくなんです。
じゃあ、その辺りからなんですね。「ちょっと待って。宇宙の形は分かったけどさ、これっていつからこうなった?」。ここなんです。宇宙創成という最大の謎が、次は降りかかってくるんですね。分からん。どうやって始まったのか分からん。
でもこの状態でも、ギリ、キリスト教とやれてきてたのは、「神が最初に創ってそうなったんじゃないか」っていう雰囲気。つまり、最初から宇宙はこうだった。静的で永遠な宇宙という、静かで、だから動かない。ピターっとこのままね。永遠にずっと前からこうだし、ずっと後もこう。だったらなんとなく、ごちゃごちゃ考えないでいいよね。そうしよう。どっかから始まったとかなると大変だから。それ、神が始めたんじゃないみたいになっちゃうから。そこ、考えるのやめよう。ってなってた。19世紀まで。
でも、20世紀の天才たちがその最大の謎に向けて動き出すと。これがポイントなんですね。20世紀、宇宙創成への挑戦。宇宙はある時点から始まった。神が作ったものではなかった。その大きな戦いが始まります。その戦いの幕開けをしたのが、そう、天才アインシュタインです。アルベルト・アインシュタイン。
ここは、ガリレオVSアリストテレス、面白かったですね。ここのアインシュタインが何と戦ったか、ご存じでしょうか?実はアインシュタインが戦ったのは、ニュートンとの戦いだったんです。アインシュタインVSニュートン。この大天才バトル。これ、何のところで揉めてたか?ここ、ご存じない方多いと思いますけど、実は重力についての計算方法で揉めてたんですよ。
ニュートンはもちろん重力っていうものを発見して、ものすごい革命的だったんですね。ニュートンは光の分析、微分積分、重力というものを、1666年、奇跡の年に全部、ペストの時に家にこもって、引きこもって、うわあ、全部発見して、バーンで「ニュートン天才!」ギャーなったという、革命児なんですけれども、その重力によっていろんなものが計算できるようになったわけですね。「ニュートンさんありがとう!計算できるよ!ロケットの軌道も計算できる。ボールの計算もなんとかの計算も全部できる。重力万歳!」という感じだったんですが、アインシュタインは、ニュートンの計算式では辻褄が合わないパターンがあるぞということに気づき出すんですね。それが、むちゃくちゃ重力が強いというタイプ。ここなんですね。
元々アインシュタインは、光の速さっていうものが分かった後で。光の速さが分かるところもロマンですよ。光って無限に速いって思われるでしょ。速すぎてね。だけど実は光の速さが計算できるよっていうのも、宇宙との兼ね合いで、衛星の食で「あ、ずれる。ここでずれるから」とかって、宇宙規模でやってみて、ようやく光の速さっていうのを計算できたんですけども、そんな中で光の計算と時間っていうものをやったのが特殊相対性理論。その光の速さとか時空とかを考えていったら、より広げていったら一般相対性理論っていうものになりまして、時空と重力の歪みについて考えるんですね。
ここまで来て、皆さん、異次元のお話なさってると思うと思います。これはしょうがないです。天才ですから。それ分かんない。パッと説明したら分かんないんだからね、いいのよね。とにかく重力のお話ってこと。むちゃくちゃ強い重力放ってるやつ、時空歪めますよ。そういう話なんですよ。
だからニュートンの計算式って、地球とかここら辺のことの重力に関しては式が合うの。だけど太陽クラスの超でかい星って、時空歪めるぜって。だからニュートンさんの式だとずれますっていう。それを証明したのが一般相対性理論なんですね。そこまで強い重力っていうのは時空を歪めていくんだと。だからブラックホールとか、まさにそういう理論の中にありますよね。
そうなった時に、アインシュタインが「宇宙ってどういうふうになってんだ」っていう時に、その超強い重力軸で考えた時に、これギュー引っ張り込むから、「これ収縮してんじゃない、宇宙?」。考えたんですね。だから宇宙が静的ではなく動的であると。動くって考えたのがアインシュタインですね。「動くんじゃない?でも待って。でもそれだと今までの一般常識と合わない」。だから無理やり宇宙定数っていう、この収縮を防ぐ作用が何かあるっていうふうに置いて、静的な宇宙っていうビジョンをまだギリ保ってた。これがアインシュタインの、言ったら限界だったんですね。
アインシュタインは、重力が超でかい時に時空歪むぜって。だって動いてるものは時間がゆっくり進む。これが特殊相対性理論。光の速さとその物の動き、相対性。ガリレオの相対性から、ものすごいスピードで動いたら時間がゆっくりする。だから時間も空間も伸び縮みするっていう考えから、この重力が空間を歪めると思えた。すごいよね、規模が。とんでもない規模だったんだけど。だけど結局アインシュタインが届かなかったのは、宇宙は動かないってところで止まってたんですよね。
それを変えたのがフリードマンとルメートルっていう人。これが「宇宙定数、ちょっとアインシュタインさん、無茶じゃない?これちょっとないんじゃない?」ってなった時に、「収縮してるんじゃなくて、実はこれ膨張してるとしたら?」。動いてるんだけど膨張してるっていう、この膨張説を唱えたんですね。膨張してるとしたら、元々はすっごい小さかった。そこからドーンで、今も膨張してる。それどう?この考えどう?これちょっとアイデアです。
これ、ものすごい面白いのが、アイデアを見つける人がいて、それを修正する人がいて、観測する人がいる。このバトンなんですよ。「こうなんじゃない?」「いや、ちょっとずれてますよ。こうだったら辻褄合いますよ。でも証拠ください」「証拠、俺見つけました」。このバトンがリレーなんですね。だからアインシュタインが「宇宙、動いてんじゃないの?」。フリードマンとルメートルが「いや、膨らんでるんですよ」。そこからの観測。
来ました、観測ブロック。これがハッブルですね。ハッブル宇宙望遠鏡って聞いたことあると思うんですけど、このハッブルって人の名前なんですね。ハッブルが観測をするんですね。元々、1700年代にハーシェルという人が、天の川銀河、最初に言いましたよね。我々の銀河、天の川銀河。この天の川銀河ですね。この天の川銀河って唯一の銀河ですか?ここだよね!ここ。いっぱいあるのか?銀河が唯一なのかは、まだ全然分かってないわけですよ。
だって太陽が中心だってことまでは分かったけど、この銀河が、太陽の他の周りにいっぱい星ある、それ銀河やと。これちょっと天の川銀河っぽいと。天の川銀河の渦の中の一個の腕の中にあるのが太陽系で、そこまで分かった。でも、この銀河系って何個もあるの?それを発見したのがハッブルなんですよ。すっごい遠いところに発見して、「あれ?これ天の川銀河のものじゃないです」って。「めっちゃ銀河あります!」ってなったのがここなんですよ。1923年。ここでだよ。ようやく「宇宙は銀河だらけです!」ってなったのがここなんですよ。
めっちゃあります。太陽系の他にもいっぱいそういう構成があって、太陽だけじゃないんですよ。だから、太陽を世界の中心だけじゃなくて、いっぱい構成があって、それが天の川銀河なんですよ。その天の川銀河が一個じゃないんです。
めっちゃあるんです。めっちゃあったんですっていうのが、この宇宙は銀河だらけ。
ここで面白いのが、その他の銀河を観測した時に、若干ずつ遠ざかってるらしいんですよ。若干ずつ遠ざかってるの、全部が。「あれ? みんなが若干ずつ離れてない? ちょっと待って、これ膨張説だ。広がってるんだ、宇宙が。ちょっとずつ広がってるから、ちょっとずつ銀河離れてるんだ。多分そうだよ。証拠を挙げてくれー!」ここまで観測して、膨張説、ビッグバンがもうちょっとだー! となって。
1940年、ガモフ、アルファ、ハーマン。人間が増えると、もうよく分かりませんけども、チームですもんね。ガモフ、アルファ、ハーマンが、光のこだまっていうものを提唱します。他にもいろんなものを発見するんですよ。もう省きます。今日は面白いとこだけ伝えたいから省きます。ざっと面白いとこ伝えるから。
何かっていうと、ぎゅーなってる時にバーンって、最初破裂、ビッグバン起こして、その後、うわあなってから光がファーって通れるようになるまでに、だいぶ時間があるんですよ。その光が通れるようになってから、「光が通れるようになりました」の時の最初の名残り。ビッグバンの時の光の名残り。
これ、なんで名残りって言ってるかというと、光の進むスピードって、何光年って言うじゃないですか。あの星とあの星、何万光年離れてる。光の進むスピードが、1光年で、1年で光が進む距離なんですね。だから、だいぶ離れてる所って、だいぶ昔の光が今見えてるんですよ。だから、随分遠い所のものを観測すれば、昔のものの状態がまだ見れるっていう。分かりますかね? だから月も今の月じゃないんですよ。ちょっと前の月なんですよ。なぜかっていうと、光が届くまで長いから。
雷でいうと分かるね。ピカって光って、ハッってなった後、3秒ぐらいしてから、ゴロゴロピシャーン。「あ、遠いんだ」。分かる。なんでか? 光は速いけど、音はちょっと遅く届くから。その光、雷の光と稲妻の音がずれると、音の方が遅れてきてるから、「あ、遠いんだな」って思うって。それよくあるじゃないですか、生活の知恵で。それと同じで、音が遅れて届くのは遠いからですよね。
光もそれぐらい、地球だと近いから一瞬だと思うけど、宇宙は遠いから長くかかるんですよ。音みたいにグーグーっと来て、ようやく届きました。はい、月。届きました。はい、太陽。もうだいぶ前の太陽を私たちは見てるね。だとしたら、ぐわーっと遠くの、このビッグバンの時の名残りの光、見えませんか? って。見えませんか?
COBE衛星が見たっていうね。92年、「見ましたー」って。「名残りありました、証拠見つかりました」。で、ビッグバン成立! って、こういう話です。分かりますでしょうか? 後半だいぶ立て込みましたけれども、お分かりでしょうか?
理論があって、修正があって、観測がある。理論・修正・観測。ここまで来てようやく、宇宙が小さい無から、何にもないところから、ファッ、ドン、ファーーーっと広がって、銀河系、銀河系、銀河系になって、うわあー、その中の太陽系の中を地球がぐるぐる回ってるとこの日本、ここという、そういう状態がようやく分かりましたと。それまでの皆さん、誤解に次ぐ誤解、仮説に次ぐ仮説、ご覧いただけましたでしょうか。
でも、これ面白いのが、常に「こうなんじゃない?」って思う人がいて、「いや、全然それ違うから」って言われながらも、その後にテクノロジーが進化するんですよ。望遠鏡が進化したり、衛星が進化したりすることによって、それが裏付けられる。「やっぱそうだったんだ」って分かる。
ですから、ここまでの理論をこれからまた引き継ぐ人たちが現れてきてるし、現れてくるんですよ。ここまでは分かったんだ。でも、辻褄が合わないところがまだいっぱいあるわけです。分かってないものがいっぱいあるわけ。それについて今調べてるんです。そしてテクノロジーもどんどん進化してる。カメラの精度も上がってる。衛星の精度も上がってる。これからまだまだ分かることがあります。「宇宙こうだったのー」があります、絶対。「人類ってそうだったのー」となることがあるわけです。
その時に、「うっわ、1500年無視してるけど、あいつの言ってたこと当たったやん」と思い出すわけですね。「うわー、あいつの言ってたこと当たってた」。だから今、「ちょっとお前何言ってんのか分かんねえな」っていうようなことを言ってる人とか、「まだちょっとそれは納得できないな」と言ってる話が、将来正しかったと説明される可能性があるわけです。
この動画を見てる人が、もしかしたらこのバトンを引き継ぐ誰かかもしれない。皆さん、宇宙の謎を解いてみてください。ではまた。
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